(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091636
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20230623BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】31
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206470
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】大場 悠
(72)【発明者】
【氏名】関澤 直紀
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 公康
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 敬士
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC43
(57)【要約】
【課題】時間帯別運賃に基づいて実際に適用される運賃をユーザに正確に提示することができる。
【解決手段】情報処理システムは、公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得する経路取得手段と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、取得された移動経路上の公共交通機関の改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定する運賃情報判定手段と、判定された運賃情報に基づいて移動経路の運賃を算出する運賃算出手段と、算出された運賃を移動経路とともに出力する出力手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得する経路取得手段と、
予め取得されている前記公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された移動経路上の公共交通機関の改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定する運賃情報判定手段と、
前記判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を算出する運賃算出手段と、
前記算出された運賃を前記移動経路とともに出力する出力手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記改札通過予想時刻は、前記移動経路上の公共交通機関の発駅の発車時刻から所定時間を減じた時刻である請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記出力手段は、現在時刻または前記改札通過予想時刻が前記時間帯別運賃情報に基づいた運賃情報の切り替わり付近の時間帯に属する場合に、前記運賃情報の切り替わりに関連する切り替わり関連情報を出力する請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記出力手段は、前記改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報と、前記移動経路上の公共交通機関の発駅の発車時刻または前記移動経路上の公共交通機関の着駅の到着時刻が属する時間帯の運賃情報とが異なる場合と、前記改札通過予想時刻が属する時間帯と前記発駅の発車時刻または前記着駅の到着時刻が属する時間帯とが異なる場合と、の少なくとも一方において前記切り替わり関連情報を出力する請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記運賃情報判定手段は、公共交通機関の運行情報の変化に応じて前記改札通過予想時刻を更新し、前記更新に応じて前記改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を再判定し、
前記運賃算出手段は、前記再判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を再算出し、
前記出力手段は、前記再算出された運賃を出力する請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記出力手段は、
現在位置が前記移動経路上の公共交通機関の発駅付近であり、現在時刻または前記改札通過予想時刻が前記時間帯別運賃情報に基づいた運賃情報の切り替わり付近の時間帯に属し、切り替わり後の運賃情報が切り替わり前の運賃情報よりも割高である場合に、
前記発駅の改札内への入場を促す入場推奨情報を出力する請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記出力手段は、
現在位置が前記移動経路上の公共交通機関の発駅付近であり、現在時刻または前記改札通過予想時刻が前記時間帯別運賃情報に基づいた運賃情報の切り替わり付近の時間帯に属し、切り替わり後の運賃情報が切り替わり前の運賃情報よりも割安である場合に、
前記発駅の改札内への入場の待機を促す待機推奨情報を出力する請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記運賃情報判定手段は、前記移動経路が取得されたときの現在位置が前記移動経路上の公共交通機関の発駅の改札内である場合に、現在時刻から前記改札通過予想時刻を推定し、前記推定された改札通過予想時刻を用いて前記改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定する請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記出力手段は、前記時間帯別運賃情報に基づいた運賃情報が適用される時間帯における前記移動経路上の公共交通機関の発駅の始発または最終列車を示す始発または最終列車情報を出力する請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得する経路取得手段と、
予め取得されている前記公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された移動経路上の公共交通機関の発駅の発車時刻および着駅の到着時刻の少なくとも一方が属する運賃情報を判定する運賃情報判定手段と、
前記判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を算出する運賃算出手段と、
前記算出された運賃を前記移動経路とともに出力する出力手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項11】
前記出力手段は、前記発車時刻および前記到着時刻の少なくとも一方が前記時間帯別運賃情報に基づいた運賃情報の切り替わり付近の時間帯に属する場合に、前記運賃情報の切り替わりに関連する切り替わり関連情報を出力することを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
少なくとも公共交通機関の発駅の指定を含む駅指定情報を取得する駅指定情報取得手段と、
予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された駅指定情報で指定されている発駅の発車時刻毎の運賃情報を判定する運賃情報判定手段と、
前記判定された運賃情報に応じた態様で前記発駅の発車時刻を少なくとも含む時刻表を出力する出力手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項13】
前記運賃情報の判定は、前記公共交通機関の発駅の改札通過予想時刻を考慮して行われる請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記判定された運賃情報に応じた態様での前記時刻表の出力は、前記発車時刻が運賃情報の切り替わり付近であるか否かを考慮して行われる請求項12または13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記判定された運賃情報に応じた態様での前記時刻表の出力は、前記判定された運賃情報に関連する運賃関連情報を前記発車時刻と対応付けて表示することを含む請求項12~14のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記運賃関連情報は、運賃の種別を含む請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記時刻表は、前記公共交通機関の着駅の到着時刻を更に含み、
前記運賃関連情報は、前記発駅から前記着駅までの運賃を含む請求項15または16に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記出力手段は、前記時刻表の端に前記時間帯別運賃情報に応じた表示態様で時間帯を表示する請求項12~17のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項19】
前記運賃情報の判定は、運行情報に応じた前記発車時刻の遅延を考慮して行われる請求項12~18のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項20】
コンピュータを、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得する経路取得手段、
予め取得されている前記公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された移動経路上の公共交通機関の改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定する運賃情報判定手段、
前記判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を算出する運賃算出手段、および
前記算出された運賃を前記移動経路とともに出力する出力手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項21】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得する経路取得手段と、
予め取得されている前記公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された移動経路上の公共交通機関の改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定する運賃情報判定手段と、
前記判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を算出する運賃算出手段と、
前記算出された運賃を前記移動経路とともに出力する出力手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項22】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得する経路取得手段と、
予め取得されている前記公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された移動経路上の公共交通機関の改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定する運賃情報判定手段と、
前記判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を算出する運賃算出手段と、
前記算出された運賃を前記移動経路とともに出力する出力手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項23】
経路取得手段が、公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得するステップと、
運賃情報判定手段が、予め取得されている前記公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された移動経路上の公共交通機関の改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定するステップと、
運賃算出手段が、前記判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を算出するステップと、
出力手段が、前記算出された運賃を前記移動経路とともに出力するステップと、
を備える情報処理方法。
【請求項24】
コンピュータを、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得する経路取得手段、
予め取得されている前記公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された移動経路上の公共交通機関の発駅の発車時刻および着駅の到着時刻の少なくとも一方が属する運賃情報を判定する運賃情報判定手段、
前記判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を算出する運賃算出手段、および
前記算出された運賃を前記移動経路とともに出力する出力手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項25】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得する経路取得手段と、
予め取得されている前記公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された移動経路上の公共交通機関の発駅の発車時刻および着駅の到着時刻の少なくとも一方が属する運賃情報を判定する運賃情報判定手段と、
前記判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を算出する運賃算出手段と、
前記算出された運賃を前記移動経路とともに出力する出力手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項26】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得する経路取得手段と、
予め取得されている前記公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された移動経路上の公共交通機関の発駅の発車時刻および着駅の到着時刻の少なくとも一方が属する運賃情報を判定する運賃情報判定手段と、
前記判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を算出する運賃算出手段と、
前記算出された運賃を前記移動経路とともに出力する出力手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項27】
経路取得手段が、公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得するステップと、
運賃情報判定手段が、予め取得されている前記公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された移動経路上の公共交通機関の発駅の発車時刻および着駅の到着時刻の少なくとも一方が属する運賃情報を判定するステップと、
運賃算出手段が、前記判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を算出するステップと、
出力手段が、前記算出された運賃を前記移動経路とともに出力するステップと、
を備える情報処理方法。
【請求項28】
コンピュータを、
少なくとも公共交通機関の発駅の指定を含む駅指定情報を取得する駅指定情報取得手段、
予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された駅指定情報で指定されている発駅の発車時刻毎の運賃情報を判定する運賃情報判定手段、および
前記判定された運賃情報に応じた態様で前記発駅の発車時刻を少なくとも含む時刻表を出力する出力手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項29】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
少なくとも公共交通機関の発駅の指定を含む駅指定情報を取得する駅指定情報取得手段と、
予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された駅指定情報で指定されている発駅の発車時刻毎の運賃情報を判定する運賃情報判定手段と、
前記判定された運賃情報に応じた態様で前記発駅の発車時刻を少なくとも含む時刻表を出力する出力手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項30】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
少なくとも公共交通機関の発駅の指定を含む駅指定情報を取得する駅指定情報取得手段と、
予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された駅指定情報で指定されている発駅の発車時刻毎の運賃情報を判定する運賃情報判定手段と、
前記判定された運賃情報に応じた態様で前記発駅の発車時刻を少なくとも含む時刻表を出力する出力手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項31】
駅指定情報取得手段が、少なくとも公共交通機関の発駅の指定を含む駅指定情報を取得するステップと、
運賃情報判定手段が、予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された駅指定情報で指定されている発駅の発車時刻毎の運賃情報を判定するステップと、
出力手段が、前記判定された運賃情報に応じた態様で前記発駅の発車時刻を少なくとも含む時刻表を出力するステップと、
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ロンドン地下鉄においては、利用者が集中するピーク時間帯における混雑を緩和するため、ピーク時間帯にオフピーク時間帯よりも割高の運賃を設定する時間帯別運賃が導入されるようになった。ロンドン地下鉄の時間帯別運賃をユーザ端末に提示する運賃提示システムは、発駅の発車時刻が属する時間帯に基づいてオフピーク時間帯の利用であるか否かを判定し、判定結果に応じた運賃を、例えば経路探索結果に併せて提示するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、ロンドン地下鉄の時間帯別運賃が実際に適用される際には、ロンドン地下鉄の運賃計算システム側で、発駅の発車時刻が属する時間帯ではなく発駅の改札通過時刻に基づいてオフピーク時間帯の利用であるか否かが判断される。したがって、現状の運賃提示システムにおいては、提示される運賃が実際の適用運賃と異なることがあり、時間帯別運賃に基づいて実際に適用される運賃をユーザに正確に提示することが困難であった。
【0005】
本発明は、時間帯別運賃に基づいて実際に適用される運賃をユーザに正確に提示することができる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得する経路取得手段と、
予め取得されている前記公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、前記取得された移動経路上の公共交通機関の改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定する運賃情報判定手段と、
前記判定された運賃情報に基づいて前記移動経路の運賃を算出する運賃算出手段と、
前記算出された運賃を前記移動経路とともに出力する出力手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、時間帯別運賃に基づいて実際に適用される運賃をユーザに正確に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、時間帯別運賃情報を示す概念図である。
【
図4】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、経路運賃情報と入場時刻に応じた割高運賃への切り替わりを示す切り替わり関連情報とを含む移動経路の簡易表示画面を示す図である。
【
図5】
図4に続く移動経路の詳細表示画面を示す図である。
【
図6】第1の実施形態の第1の変形例に係る情報処理システムの動作の一例として、経路運賃情報と経路途中の割高運賃への切り替わりを示す切り替わり関連情報とを含む移動経路の簡易表示画面を示す図である。
【
図7】
図6に続く移動経路の詳細表示画面を示す図である。
【
図8】第1の実施形態の第2の変形例に係る情報処理システムの動作の一例として、運行情報の変化に応じた経路運賃情報および切り替わり関連情報の動的表示を示す図である。
【
図9】第1の実施形態の第3の変形例に係る情報処理システムの動作の一例として、経路運賃情報と入場時刻に応じた割安運賃への切り替わりを示す切り替わり関連情報とを含む移動経路の簡易表示画面を示す図である。
【
図10】
図9に続く移動経路の詳細表示画面を示す図である。
【
図11】第1の実施形態の第4の変形例に係る情報処理システムの動作の一例として、入場推奨情報を含む移動経路の詳細表示画面を示す図である。
【
図12】
図11に続く移動経路の詳細表示画面を示す図である。
【
図13】第1の実施形態の第5の変形例に係る情報処理システムの動作の一例として、待機推奨情報を含む移動経路の詳細表示画面を示す図である。
【
図14】
図13に続く移動経路の詳細表示画面を示す図である。
【
図15】第1の実施形態の第6の変形例に係る情報処理システムの動作の一例として、移動経路上の発駅を基準とした割増運賃適用列車の表示画面を示す図である。
【
図16】第1の実施形態の第7の変形例に係る情報処理システムの動作の一例として、オフピーク終電検索画面を示す図である。
【
図17】
図16に続くオフピーク終電検索結果を示す図である。
【
図18】第1の実施形態の第8の変形例に係る情報処理システムの動作の一例として、運賃およびポイント付与情報を含む移動経路の簡易表示画面を示す図である。
【
図19】
図18に続く移動経路の詳細表示画面を示す図である。
【
図20】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図21】第3の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
【
図22】第3の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図23】第3の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、発駅のみが指定された場合の時刻表情報の表示画面を示す図である。
【
図24】第3の実施形態の変形例に係る情報処理システムの動作の一例として、発駅および着駅が指定された場合の時刻表情報の表示画面を示す図である。
【
図25】切り替わり関連情報の表示条件を説明するための説明図である。
【
図26】
図25と異なる切り替わり関連情報の表示条件を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0010】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1について説明する。第1の実施形態に係る情報処理システム1は、モバイル端末(スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等)やパソコン等の電子機器の使用者(以下、単に「ユーザ」ともいう)に対して、出発地から目的地までの移動経路とともに移動経路の運賃を示す経路運賃情報を提供するシステムである。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、前述の電子機器に相当する端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0012】
ネットワークは、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0013】
端末装置2は、移動経路および経路運賃情報の提供を受けるためにユーザが使用するものであり、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パソコン等の情報処理端末である。
【0014】
端末装置2は、
図1に示すように、通信部21と、入力部23と、出力部24と、制御部22とを有する。
【0015】
通信部21は、ネットワークを介して制御部22とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0016】
入力部23は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、例えばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、タッチパッドもしくはダイヤルボタンであってもよい。
【0017】
出力部24は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、例えば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。一例として、出力部24は、入力部23を通じたユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。出力部24は、各種情報を音声出力するスピーカを有していてもよい。
【0018】
なお、出力部24は、ユーザに情報を直接提示するものでなくてもよい。例えば、出力部24は、端末装置2の外部に接続される映像表示手段や音声出力手段に、映像信号や音声信号を出力するものであってもよいし、外部に接続される印刷装置にデータを出力するものであってもよいし、端末装置2内もしくは外部の記憶装置にデータを出力して記憶させるものであってもよい。
【0019】
制御部22は、
図1に示すように、情報提示部221を有する。情報提示部221は、公共交通機関の利用区間を含む目的地までの移動経路と、移動経路の運賃を示す経路運賃情報とをサーバ3から受信する。移動経路は、端末装置2からサーバ3に送信された経路探索条件にしたがってサーバ3で探索されたものである。移動経路の運賃は、移動経路上の公共交通機関の運賃を少なくとも一部に含む。移動経路上の公共交通機関の運賃は、サーバ3が予め取得している時間帯別運賃情報のうちの移動経路上の公共交通機関の改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報に基づいて算出されたものである。時間帯別運賃情報は、ある移動区間における運賃が、時間帯に応じた運賃であることを示す情報である。時間帯別運賃情報によれば、同一の移動区間においても時間帯が異なることで運賃も異なることがある。改札通過予想時刻の詳細については後述する。情報提示部221は、出力部24を介して経路運賃情報を移動経路とともに出力する。
【0020】
移動経路とともに経路運賃情報を出力することで、時間帯別運賃に基づいて実際に適用される運賃をユーザに正確に提示することができる。
【0021】
次に、サーバ3について説明する。
図1に示すように、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。制御部32について説明する前に、通信部31および記憶部33について説明する。
【0022】
通信部31は、ネットワークを介して端末装置2と、サーバ3の制御部32との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0023】
記憶部33は、例えばハードディスク等のデータストレージであり、各種データベースを格納する。なお、記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、ネットワークを介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
【0024】
記憶部33は、経路ネットワーク情報データベース331を有する。
【0025】
経路ネットワーク情報データベース331は、経路探索用のデータベースであり、経路ネットワーク情報として、例えば、交通ネットワーク情報を含む。交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、公共交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。交通ネットワーク情報には、遅延などの運行情報が含まれていてもよい。
【0026】
公共交通機関の料金情報は、時間帯別運賃情報を含む。
【0027】
交通網の情報は、例えば駅等の路線網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の線路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。また、道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0028】
また、図示しないが、記憶部33には、地図の表示や地点の検索等に用いる地図情報データベースを含んでいてもよい。地図情報は、全国または各地方の道路地図などの地図データを含み、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報(注記情報、記号情報等)を含んでいてもよい。さらに、記憶部33には、施設の検索や目的地の設定に用いるPOI(Point of Interest)情報データベースを含んでいてもよい。POI情報は、施設やイベントの情報である。POI情報は、施設やイベントの名称情報や位置情報を含んでいる。
【0029】
次に、サーバ3の制御部32について説明する。制御部32は、
図1に示すように、経路取得手段の一例である経路探索部321と、運賃情報判定手段の一例である運賃情報判定部322と、運賃算出手段の一例である運賃算出部323と、出力手段の一例である経路・運賃提示部324とを有する。
【0030】
経路探索部321は、端末装置2から送信された公共交通機関の利用を含む経路探索条件にしたがって、経路ネットワーク情報を用いて公共交通機関の利用区間を含む出発地から目的地までの移動経路を探索して取得する。経路探索条件は、例えば、出発地、目的地、経由地などの地点の条件と、乗り換え回数が少ない、距離が短い、運賃が安いなどの地点以外の条件とを含む。
【0031】
運賃情報判定部322は、経路ネットワーク情報として予め記憶部33に取得されている時間帯別運賃情報の中から、経路探索部321で取得された移動経路上の公共交通機関の改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定する。改札通過予想時刻は、移動経路上の時間情報に基づいてユーザが移動経路上の発駅の改札を通過すると予想される時刻である。改札通過予想時刻は、例えば、移動経路上の公共交通機関の発駅の発車時刻から所定時間を減じた時刻である。所定時間は、例えば、5分などの一定時間である。所定時間は、改札からプラットホームまでの距離に応じて駅毎およびプラットホーム毎に個別に設定されていてもよい。
【0032】
運賃算出部323は、運賃情報判定部322で判定された運賃情報に基づいて、移動経路の運賃を算出する。
【0033】
経路・運賃提示部324は、経路探索部321で取得された移動経路と、運賃算出部323で算出された運賃を示す経路運賃情報とを、通信部31を介して端末装置2に送信することで、経路運賃情報を移動経路とともに端末装置2側に出力する。既述したように、送信された経路運賃情報および移動経路は、端末装置2の情報提示部221によって出力部24を介して出力される。
【0034】
経路・運賃提示部324は、現在時刻または改札通過予想時刻が時間帯別運賃情報に基づいた運賃情報の切り替わり時刻の付近に位置する場合に、運賃情報の切り替わりに関連する情報である切り替わり関連情報を端末装置2に出力する。例えば、経路・運賃提示部324は、運賃情報判定部322によって判定された現在時刻または改札通過予想時刻が属する時間帯(以下、該当時間帯と称する)において、現在時刻または改札通過予想時刻が、該当時間帯の運賃情報の前の時間帯の運賃情報から該当時間帯の運賃情報への切り替わり時刻からの所定範囲の時間帯、または、該当時間帯の運賃情報から該当時間帯の運賃情報の次の時間帯の運賃情報への切り替わり時刻までの所定範囲の時間帯に属する場合に、運賃情報の切り替わりに関連する情報である切り替わり関連情報を端末装置2に出力させてもよい。言い換えれば、経路・運賃提示部324は、現在時刻または改札通過予想時刻が該当時間帯の始端付近(始端から所定範囲)または終端付近(終端から所定範囲)に位置している場合に、運賃情報の切り替わりに関連する情報を端末装置2に出力させてもよい。また、所定範囲の時間帯は、運賃情報の切り替わり時刻に対して前後5分の時間帯であってもよい。切り替わり関連情報は、例えば、運賃情報の切り替わり時刻以降の発駅改札の通過によって切り替わり後の運賃情報に基づく運賃が適用されることをユーザに通知する情報(例えば、文字情報やアイコン)である。例えば、切り替わり関連情報は、改札通過予想時刻と運賃情報の切り替わり時刻との差が5分以内の移動経路に対応付けて出力されてもよい。
【0035】
また、経路・運賃提示部324は、改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報と、発駅の発車時刻または着駅の到着時刻が属する時間帯の運賃情報とが異なる場合に切り替わり関連情報を出力してもよいし、改札通過予想時刻が属する時間帯と発駅の発車時刻または着駅の到着時刻が属する時間帯とが異なる場合に切り替わり関連情報を出力してもよい。
【0036】
また、ユーザが発駅の改札を通過した後に当該発駅から目的地までの移動経路を探索した場合、移動経路が取得されたときの現在位置は、移動経路上の発駅の改札内となる。この場合、運賃情報判定部322は、現在時刻から改札通過予想時刻を推定し、推定された改札通過予想時刻を用いて改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定してもよい。
【0037】
以上のように、第1の実施形態の情報処理システム1は、経路探索部321が、公共交通機関の利用区間を含む移動経路を取得し、運賃情報判定部322が、予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報の中から、取得された移動経路上の公共交通機関の改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定し、運賃算出部323が、判定された運賃情報に基づいて移動経路の運賃を算出し、経路・運賃提示部324が、算出された運賃を移動経路とともに端末装置2に出力させるように構成されている。このように構成されていることで、ユーザが所望する駅での公共交通機関の利用に適用される時間帯別運賃をユーザに正確に分かり易く提示することができる。
【0038】
(動作例)
次に、
図1の情報処理システム1の動作例について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0039】
図2に示すように、先ず、端末装置2の制御部22は、出力部24を介して経路探索条件設定画面を表示し、経路探索条件設定画面を介して公共交通機関の利用を含む経路探索条件の設定操作を受け付ける。経路探索条件設定画面を表示した後、制御部22は、経路探索条件設定画面に対するユーザの設定操作に応じた経路探索条件を設定し、設定された経路探索条件をサーバ3に送信する(ステップS21)。
【0040】
経路探索条件が送信された後、サーバ3の経路探索部321は、送信された経路探索条件にしたがって、交通機関の利用区間を含む出発地から目的地までの移動経路を探索して取得する(ステップS31)。
【0041】
移動経路が取得された後、サーバ3の運賃情報判定部322は、記憶部33に予め記憶されている時間帯別運賃情報のうち、移動経路上の公共交通機関の改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定する(ステップS32)。時間帯別運賃情報は、例えば、
図3に示すように、ラッシュアワーの時間帯(ピーク時間帯)に発駅改札を通過した場合にラッシュアワー以外の時間帯(オフピーク時間帯)に発駅改札を通過した場合よりも割高になる運賃を示す情報である。
図3に示す例において、改札通過予想時刻が8:00である場合、運賃情報判定部322で判定される運賃情報は、始発~9:30の時間帯の割増運賃情報となる。また、改札通過予想時刻が10:00である場合、運賃情報判定部322で判定される運賃情報は9:31~16:30の時間帯の通常運賃情報となる。
【0042】
運賃情報が判定された後、
図2に示すように、サーバ3の運賃算出部323は、判定された運賃情報に基づいて移動経路の運賃を算出する(ステップS33)。
【0043】
移動経路の運賃が算出された後、サーバ3の経路・運賃提示部324は、算出された運賃を示す経路運賃情報を、移動経路とともに端末装置2に送信する(ステップS34)。このとき、経路・運賃提示部324は、時間帯別運賃情報、現在時刻および改札通過予想時刻に応じて切り替わり関連情報を生成し、生成された切り替わり関連情報を移動経路および経路運賃情報とともに端末装置2に送信してもよい。例えば、
図25に示すように、経路・運賃提示部324は、運賃情報判定部322によって判定された改札通過予想時刻が属する該当時間帯が9:31~16:30である場合において、改札通過予想時刻が、前の時間帯(始発から9:30)の運賃情報から該当時間帯の運賃情報への切り替わり時刻からの所定範囲の時間帯(9:31~9:36)に属する時刻(9:35)である場合に、切り替わり関連情報を端末装置2に表示させてもよい。この場合の切り替わり関連情報は、例えば、「9:30よりも前に改札を通過すると運賃が100円高くなります」や、「改札通過予想時刻9:35をベースに運賃を計算しております。9:30よりも前に改札を通過すると割増運賃となるのでご注意ください。」などの文字情報であってもよい。また、
図26に示すように、経路・運賃提示部324は、該当時間帯が9:31~16:30である場合において、改札通過予想時刻が、該当時間帯の運賃情報から次の時間帯(16:31~18:30)の運賃情報への切り替わり時刻までの所定範囲の時間帯(16:25~16:30)に属する時刻(16:28)である場合にも、切り替わり関連情報を端末装置2に表示させてもよい。この場合の切り替わり関連情報は、例えば、「16:31以降に改札を通過すると運賃が100円高くなります」や、「改札通過予想時刻16:28をベースに運賃を計算しております。16:31以降に改札を通過すると割増運賃となるのでご注意ください。」などの文字情報であってもよい。
【0044】
移動経路および経路運賃情報が送信された後、端末装置2の情報提示部221は、サーバ3から受信した移動経路および経路運賃情報を、出力部24を介して表示する(ステップS22)。サーバ3から切り替わり関連情報が受信された場合、情報提示部221は、移動経路および経路運賃情報とあわせて切り替わり関連情報を表示する。
【0045】
図4は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、経路運賃情報と入場時刻に応じた割高運賃への切り替わりを示す切り替わり関連情報とを含む移動経路の簡易表示画面SC1を示す図である。例えば、経路・運賃提示部324は、情報提示部221および出力部24を介して
図4に示す移動経路の簡易表示画面SC1を表示してもよい。簡易表示画面SC1には、現在時刻を基準とした出発地から目的地までの経路探索の結果として、複数の移動経路の簡易情報がリスト表示されている。各移動経路には、経路運賃情報I1が対応付けて表示されている。
図4に示す例において、経路運賃情報I1は、運賃自体を示す文字情報を含む。また、割増運賃が適用される移動経路に対応する経路運賃情報I1は、運賃の種別である「割増」を示すアイコンを含む。なお、「割増」を示すアイコンは、1つのパターンとは限らず、運賃の割増率に応じた「割増1」、「割増2」などの複数のパターンのうちのいずれかであってもよい。
【0046】
また、
図4に示す例において、改札通過予想時刻が運賃情報の切り替わり時刻に対して所定範囲の時間帯(前後5分の時間帯)に属する移動経路には、切り替わり関連情報I2が対応付けて表示されている。より具体的には、発車時刻が16:36の移動経路は、改札通過予想時刻が発車時刻の5分前である16:31となる。改札通過予想時刻16:31は、時間帯別運賃情報に基づいた通常運賃情報から割増運賃情報への切り替え時刻16:30に対して時間差が1分(すなわち、5分以内)である。したがって、発車時刻が16:36の移動経路には、切り替わり関連情報I2として、16:30以降の改札入場で割増運賃が適用される旨の文字情報が対応付けて表示されている。このような切り替わり関連情報I2が表示されることで、ユーザは、16:36以降の列車に乗車する場合は、16:30より前に発駅の改札を通過すれば運賃が抑えられることを容易に把握することができる。
【0047】
図5は、
図4に続く移動経路の詳細表示画面SC2を示す図である。経路・運賃提示部324は、簡易表示画面SC1において1つの移動経路である発車時刻16:36の移動経路を選択する操作が行われると、
図5に示すように、選択された移動経路の詳細表示画面SC2を表示する。詳細表示画面SC2は、簡易表示画面SC1で表示された経路運賃情報I1および切り替わり関連情報I2に加えて、更に、発着駅名および路線名などの詳細情報を含む。
【0048】
なお、図示しないが、経路・運賃提示部324は、移動経路の詳細表示画面SC2上に改札通過予想時刻を表示してもよい。
【0049】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、移動経路とともに経路運賃情報を出力することで、時間帯別運賃に基づいて実際に適用される運賃をユーザに正確に提示することができる。すなわち、現実に即した運賃情報をユーザに提示することができる。また、切り替わり関連情報を出力することで、適用される運賃をさらに正確に分かり易く提示することができる。
【0050】
(第1の変形例)
次に、移動経路上において異なる公共交通機関の乗り継ぎが行われる第1の変形例について説明する。
図6は、第1の実施形態の第1の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例として、経路運賃情報と経路途中の割高運賃への切り替わりを示す切り替わり関連情報とを含む移動経路の簡易表示画面を示す図である。経路・運賃提示部324は、情報提示部221および出力部24を介して
図6に示す移動経路の簡易表示画面SC3を表示してもよい。
図4と同様に、簡易表示画面SC3には、複数の移動経路の簡易情報がリスト表示されており、各移動経路には、経路運賃情報I1が対応付けて表示されている。
【0051】
図6に示す例において、簡易表示画面SC3上の各移動経路は、異なる交通機関の乗り継ぎが行われる経路である。
図6に示すように、乗り継ぎ後の公共交通機関に割増運賃が適用される移動経路(すなわち、発車時刻16:06の移動経路)には、切り替わり関連情報I2として、途中で割増運賃に切り替わる旨の文字情報が対応付けて表示されている。このような切り替わり関連情報I2が表示されることで、ユーザは、16:06より前の15:56の列車に乗車すれば運賃を抑えられることを容易に把握することができる。簡易表示画面SC3において、乗り継ぎ後に割増運賃が適用される移動経路には、割増運賃に併せて、通常運賃、割増運賃との差額、および割増時間帯の少なくとも1つが併記されてもよい。
【0052】
図7は、
図6に続く移動経路の詳細表示画面SC4を示す図である。経路・運賃提示部324は、簡易表示画面SC3において1つの移動経路である発車時刻16:06の移動経路を選択する操作が行われると、
図7に示すように、選択された移動経路の詳細表示画面SC4を表示する。詳細表示画面SC4には、簡易表示画面SC3とは異なる態様の切り替わり関連情報I2として、16:30以降の乗り継ぎ駅(B駅)の改札入場で割増運賃が適用される旨の文字情報が表示されている。詳細表示画面SC7において、割増運賃に併せて、通常運賃、割増運賃との差額、および割増時間帯の少なくとも1つが併記されてもよい。このような切り替わり関連情報I2が表示されることで、ユーザは、移動経路の途中で適用される時間帯別運賃が変更されることを容易に把握することができる。
【0053】
(第2の変形例)
次に、運行情報に応じて経路運賃情報を更新する第2の変形例について説明する。
図8は、第1の実施形態の第2の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例として、運行情報の変化に応じた経路運賃情報および切り替わり関連情報の動的表示を示す図である。
【0054】
図8に示す例において、経路・運賃提示部324は、ネットワーク経由で公共交通機関の管理サーバから取得された公共交通機関の運行情報の変化に応じて、改札通過予想時刻を更新する。具体的には、経路・運賃提示部324は、移動経路が異なる公共交通機関を乗り継ぐ経路である場合に、乗り継ぎ前の公共交通機関(路線a)の遅延情報(遅れ11分)に応じて、乗り継ぎ駅(B駅)の改札通過予想時刻を遅くする。
【0055】
運賃情報判定部322は、改札通過予想時刻の更新に応じて改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を再判定する。具体的には、運賃情報判定部322は、改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報が、割増運賃情報であると再判定する。
【0056】
運賃算出部323は、再判定された運賃情報に基づいて移動経路の運賃を再算出する。具体的には、運賃算出部323は、割増運賃情報に基づいて移動経路の運賃を再算出する。
【0057】
経路・運賃提示部324は、再算出された運賃を示す割増後の新たな経路運賃情報I1と切り替わり関連情報I2とを端末装置2に送信する。端末装置2の情報提示部231は、サーバ3から受信した新たな経路運賃情報I1と切り替わり関連情報I2とを詳細表示画面SC5上に表示する。このように運行状況に応じて経路運賃情報I1および切り替わり関連情報I2が動的に表示されることで、ユーザは最新の運賃を容易に把握することができる。
【0058】
なお、遅延情報に基づく改札通過予想時刻の更新は、乗り継ぎ経路に限定されず、単一経路に適用されてもよい。例えば、電車の遅れに合わせて改札通過予想時刻を更新することで、もともと運賃が通常である時間帯に属していたところ、更新された改札通過予想時刻が運賃が割安になる時間帯に属する場合は、その旨の情報を提示してもよい。この場合、例えば、「電車が10分遅延しているため、改札通過時刻を5分遅らせることで割安運賃が適用できます。」といった内容を提示してもよい。
【0059】
(第3の変形例)
次に、割安運賃を適用する第3の変形例について説明する。
図9は、第1の実施形態の第3の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例として、経路運賃情報と入場時刻に応じた割安運賃への切り替わりを示す切り替わり関連情報とを含む移動経路の簡易表示画面を示す図である。
【0060】
これまでは、時間帯別運賃として、通常運賃または割増運賃が適用される例について説明した。これに対して、時間帯別運賃として、通常運賃または割安運賃が適用されてもよい。これにともなって、経路・運賃提示部324は、情報提示部221および出力部24を介して
図9に示す移動経路の簡易表示画面SC6を表示してもよい。
図4と同様に、簡易表示画面SC6には、複数の移動経路の簡易情報がリスト表示されており、各移動経路には、経路運賃情報I1が対応付けて表示されている。
図4と異なり、経路運賃情報I1は、通常運賃および割増運賃を示す文字情報、アイコンではなく、通常運賃および割安運賃を示す文字情報、アイコンを含む。なお、「割安」を示すアイコンは、1つのパターンとは限らず、運賃の減額率に応じた「割安1」、「割安2」などの複数のパターンのうちのいずれかであってもよい。また、経路運賃情報I1は、通常運賃および割安運賃を示す情報に加えて、更に、
図4に示した割増運賃を示す情報を含んでもよい。この場合、「割増」を示すアイコンは、1つのパターンとは限らず、運賃の増額率に応じた「割増1」、「割増2」などの複数のパターンのうちのいずれかであってもよい。また、増減額率を表示してもよい。
【0061】
図9に示す例において、改札通過予想時刻(発車時刻-5分)が運賃情報の切り替わり時刻に対して所定範囲の時間帯(前後5分の時間帯)に属する移動経路には、切り替わり関連情報I2が対応付けて表示されている。より具体的には、発車時刻が16:36の移動経路には、切り替わり関連情報I2として、16:30までの改札入場で割安運賃が適用される旨の文字情報が対応付けて表示されている。このような切り替わり関連情報I2が表示されることで、ユーザは、16:30より前に発駅の改札を通過すれば運賃が抑えられることを容易に把握することができる。なお、
図9に示す例では、改札通過予想時刻を発車時刻-5分と初期設定しているが、端末装置2に搭載された加速度センサ等から取得されるユーザの移動情報(例えば、改札通過時から出発ホーム到着時までの推定所要時間など)に基づいて、ユーザの移動状況に適合した改札通過予想時刻を再設定してもよい。例えば、改札通過時から出発ホーム到着時までの推定所要時間が短い場合は、改札通過予想時刻を発車時刻-3分と再設定してもよい。
【0062】
図10は、
図9に続く移動経路の詳細表示画面SC7を示す図である。経路・運賃提示部324は、簡易表示画面SC6において1つの移動経路である発車時刻16:36の移動経路を選択する操作が行われると、
図10に示すように、選択された移動経路の詳細表示画面SC7を表示する。詳細表示画面SC7は、簡易表示画面SC6で表示された経路運賃情報I1および切り替わり関連情報I2に加えて、更に、発着駅名および路線名などの詳細情報を含む。
【0063】
(第4の変形例)
次に、切り替わり関連情報として入場推奨情報を出力する第4の変形例について説明する。
図11は、第1の実施形態の第4の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例として、入場推奨情報を含む移動経路の詳細表示画面を示す図である。
【0064】
図11に示す例において、経路・運賃提示部324は、現在位置が移動経路上の公共交通機関の発駅付近であり、かつ、現在時刻または改札通過予想時刻が、該当時間帯の運賃情報の前の時間帯の運賃情報から該当時間帯の運賃情報への切り替わり時刻からの所定範囲の時間帯(すなわち、運賃情報の切り替わり付近の時間帯)に属し、かつ、該当時間帯の運賃情報が前の時間帯の運賃情報よりも割高である場合に、発駅の改札内への入場を促す入場推奨情報I3を端末装置2に出力させる。また、経路・運賃提示部324は、現在位置が移動経路上の公共交通機関の発駅付近であり、かつ、現在時刻または改札通過予想時刻が、該当時間帯の運賃情報から次の時間帯の運賃情報への切り替わり時刻までの所定範囲の時間帯に属し、かつ、次の時間帯の運賃情報が該当時間帯の運賃情報よりも割高である場合にも、入場推奨情報I3を端末装置2に出力させる。なお、経路・運賃提示部324は、現在位置が移動経路上の公共交通機関の発駅付近であるか否かについては、例えば、現在位置から当該発駅の改札までの距離が予め決められた閾値距離以内であるか否かに基づいて判断する。
【0065】
図11に示す例において、経路・運賃提示部324は、通常運賃が適用される移動経路の詳細表示画面SC8上に入場推奨情報I3を表示する。入場推奨情報I3は、割増運賃に切り替わるまで時間が残り僅かであることを示す文字情報である。詳細表示画面SC8上には、通常運賃を示す経路運賃情報I1とともに後続列車の時刻表を表示させる操作を受け付けるボタンB1が表示されている。
【0066】
図12は、
図11に続く移動経路の詳細表示画面を示す図である。
図11の詳細表示画面SC8においてボタンB1が操作されると、経路・運賃提示部324は、
図12に示すように、後続列車の時刻表を表示する。経路・運賃提示部324は、後続列車の時刻表TTと、後続列車に対応する移動経路の詳細表示画面SC9とを選択可能な表示態様で表示してもよい。後続列車に対応する移動経路の詳細表示画面SC9は、割増運賃を示す経路運賃情報I1を含んでいてもよい。
【0067】
第4の変形例によれば、入場推奨情報を出力することで、入場を急げば運賃の割増を回避できることをユーザに容易に把握させることができる。
【0068】
(第5の変形例)
次に、切り替わり関連情報として待機推奨情報を出力する第5の変形例について説明する。
図13は、第1の実施形態の第5の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例として、待機推奨情報を含む移動経路の詳細表示画面を示す図である。
【0069】
図13に示す例において、経路・運賃提示部324は、現在位置が移動経路上の公共交通機関の発駅付近であり、かつ、現在時刻または改札通過予想時刻が、該当時間帯の運賃情報の前の時間帯の運賃情報から該当時間帯の運賃情報への切り替わり時刻からの所定範囲の時間帯(すなわち、運賃情報の切り替わり付近の時間帯)に属し、かつ、該当時間帯の運賃情報が前の時間帯の運賃情報よりも割安である場合に、発駅の改札内への入場の待機を促す待機推奨情報I4を端末装置2に出力させる。また、経路・運賃提示部324は、現在位置が移動経路上の公共交通機関の発駅付近であり、かつ、現在時刻または改札通過予想時刻が、該当時間帯の運賃情報から次の時間帯の運賃情報への切り替わり時刻までの所定範囲の時間帯に属し、かつ、次の時間帯の運賃情報が該当時間帯の運賃情報よりも割安である場合にも、待機推奨情報I4を端末装置2に出力させる。なお、経路・運賃提示部324は、現在位置が移動経路上の公共交通機関の発駅付近であるか否かについては、例えば、現在位置から当該発駅の改札までの距離が予め決められた閾値距離以内であるか否かに基づいて判断する。
【0070】
図13に示す例において、経路・運賃提示部324は、割増運賃が適用される移動経路の詳細表示画面SC10上に待機推奨情報I4を表示する。待機推奨情報I4は、割安運賃に切り替わるまで時間が残り僅かであることを示す文字情報である。詳細表示画面SC10上には、割増運賃を示す経路運賃情報I1とともに後続列車の時刻表を表示させる操作を受け付けるボタンB2が表示されている。
図13に示す例において、ボタンB2には、1本後の列車の時刻表を表示させる旨の文字情報、1本後の列車の減額料金(100円)および目的地への到着遅延時間(10分)が記述されている。なお、ボタンB2には、1本後の列車の減額料金に代えて運賃が記述されていてもよい。
【0071】
図14は、
図13に続く移動経路の詳細表示画面を示す図である。
図13の詳細表示画面SC10においてボタンB2が操作されると、経路・運賃提示部324は、
図14に示すように、後続列車の時刻表TTを表示する。経路・運賃提示部324は、後続列車の時刻表TTと、後続列車に対応する移動経路の詳細表示画面SC11とを選択可能な表示態様で表示してもよい。後続列車に対応する移動経路の詳細表示画面SC11は、通常運賃を示す経路運賃情報I1を含んでいてもよい。
【0072】
第5の変形例によれば、待機推奨情報を出力することで、入場を待機すれば運賃の割増を回避できることをユーザに容易に把握させることきる。
【0073】
(第6の変形例)
次に、移動経路上の発駅を基準とした割増運賃適用列車を表示する第6の変形例について説明する。
図15は、第1の実施形態の第6の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例として、移動経路上の発駅を基準とした割増運賃適用列車の表示画面を示す図である。
図15に示すように、経路・運賃提示部324は、移動経路上の路線図に沿って、路線図上の発駅(H駅)を基準とした割増運賃適用列車の位置を示す図形Aを、通常運賃適用列車の位置を示す図形Bと異なる表示態様(例えば、色)で表示してもよい。経路・運賃提示部324は、例えば、時刻表および運行情報に基づいて割増運賃適用列車および通常運賃適用車両の位置を算出してもよい。割増運賃適用列車の位置を表示することで、ユーザは、乗車しようとする列車の運賃を感覚的に把握することができ、また、割増運賃適用列車への乗車を回避する行動をとることも可能となる。経路・運賃提示部324は、更に、移動経路上の路線図に沿って、路線図上の発駅(H駅)を基準とした割安運賃適用列車の位置を示す図形(図示せず)を、通常運賃適用列車の位置を示す図形Bおよび割増運賃適用列車の位置を示す図形Aと異なる表示態様(例えば、色)で表示してもよい。これにより、ユーザは、割安運賃適用列車に乗車する行動をとることも可能となる。
【0074】
(第7の変形例)
次に、最終列車情報を出力する第7の変形例について説明する。
図16は、
第1の実施形態の第7の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例として、オフピーク終電検索画面SC12を示す図である。
図17は、
図16に続くオフピーク終電検索結果SC13を示す図である。経路・運賃提示部324は、ピーク時間帯(割増時間帯)へ切り替わる前の運賃情報であるオフピーク時間帯(割安時間帯)の運賃情報が適用される移動経路上の公共交通機関の発駅の最終列車を示す最終列車情報を出力してもよい。
図16に示す例において、情報提示部221は、経路探索画面の一態様としてオフピーク終電検索画面SC12を表示し、割安または通常運賃が適用される移動経路上の最終列車(以下、オフピーク終電と呼ぶ)の検索をともなう経路探索を受け付ける。具体的には、オフピーク終電検索画面SC12は、出発地である発駅の入力と、目的地である着駅の入力と、検索実行の入力とを受け付ける。オフピーク終電検索画面SC12において探索実行を指示するボタンB3が操作されると、経路探索部321はオフピーク終電を取得し、経路・運賃提示部324は、最終列車情報としてオフピーク終電検索結果SC13を表示する。
図17に示す例において、オフピーク終電検索結果SC13は、オフピーク終電の移動経路の詳細画面と、経路運賃情報I1と、切り替わり関連情報I2とを含む。
【0075】
なお、経路探索部321は、オフピーク終電に限らず、すべてオフピークで行ける経路を検索してもよい。また、経路・運賃提示部324は、オフピーク終電検索がされなくても、得られた経路がオフピーク終電であればその旨の情報を提示してもよい。さらに、ピーク時間帯からオフピーク時間帯に切り替わる場合は、オフピーク始発検索がされてもよい。なお、図示していないが、「オフピーク始発」、「オフピーク終電」といったテキスト情報やマークを出力してもよい。
【0076】
第7の変形例によれば、運賃切り替わり前の最終列車情報を出力することで、ユーザが割増運賃の適用を回避する行動をとり易くすることができる。
【0077】
(第8の変形例)
図18は、第1の実施形態の第8の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例として、運賃およびポイント付与情報を含む移動経路の簡易表示画面SC14を示す図である。
図19は、
図18に続く移動経路の詳細表示画面SC15を示す図である。これまでは、移動経路に時間帯別運賃が適用される例について説明したが、利用する公共交通機関によっては、時間帯別運賃の代わりにポイントを付与することが想定される。その場合、経路・運賃提示部324は、
図18および
図19に示すように、ポイントが適用される移動経路にポイント付与情報I5を表示してもよい。
【0078】
(第2の実施形態)
次に、移動経路上の改札通過予想時刻を考慮せずに移動経路の運賃を算出する第2の実施形態について説明する。
図20は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。これまでは、移動経路上の改札通過予想時刻を考慮して移動経路の運賃を算出する例につて説明した。これに対して、第2の実施形態における情報処理システム1は、移動経路上の改札通過予想時刻を考慮せずに移動経路の運賃を算出するように構成されている。具体的には、
図20に示すように、運賃情報判定部322は、移動経路が取得された後(ステップS31)、現在時刻、時刻表、時間帯別運賃情報、移動経路上の発駅の発車時刻等を考慮して、当該発車時刻が属する時間帯の運賃情報を判定する(ステップS32)。そして、運賃算出部323は、判定された運賃情報に基づいて移動経路の運賃を算出する(ステップS33)。その他の構成は、第1の実施形態およびその変形例と同様である。なお、移動経路上の着駅の到着時刻が属する時間帯の運賃情報を判定し、判定された運賃情報に基づいて移動経路の運賃を算出してもよい。また、「発車時刻が時間帯(〇時〇分~□時□分)に属しているから運賃がA円となっているが、△時△分まで(あるいは以降)に改札を通過すれば運賃はB円に下がります」といった内容を示す情報を提示してもよい。
【0079】
また、情報処理システム1は、切り替わり関連情報の出力においても、改札通過予想時刻を考慮しないようにしてもよい。例えば、経路・運賃提示部324は、移動経路上の発駅の発車時刻または着駅の到着時刻が時間帯別運賃情報に基づいた運賃情報の切り替わり時刻の付近に位置する場合に、切り替わり関連情報を端末装置2に出力させてもよい。この場合、経路・運賃提示部324は、発車時刻または到着時刻が属する時間帯(以下、所属時間帯と称する)において、発車時刻または到着時刻が、所属時間帯の運賃情報の前の時間帯の運賃情報から所属時間帯の運賃情報への切り替わり時刻からの所定範囲の時間帯、または、所属時間帯の運賃情報から所属時間帯の運賃情報の次の時間帯の運賃情報への切り替わり時刻までの所定範囲の時間帯に属する場合に、切り替わり関連情報を端末装置2に出力させてもよい。
【0080】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、更に、改札通過予想時刻を算出する処理を要しないので、サーバ3の処理負荷を軽減することができる。
【0081】
(第3の実施形態)
次に、時間帯別運賃情報に基づいた時刻表を出力する第3の実施形態について説明する。
図21は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。
図22は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0082】
図21に示すように、第3の実施形態における情報処理システム1は、第1の実施形態の構成に加えて、更に、駅指定情報取得手段の一例である駅指定情報取得部325と、出力手段の一例である時刻表提示部326とを備える。
【0083】
図22に示すように、第3の実施形態において、端末装置2は、時刻表表示のためのユーザ操作にしたがって、少なくとも公共交通機関の発駅の指定を含む駅指定情報をサーバ3に送信する(ステップS211)。
【0084】
駅指定情報取得部325は、端末装置2から送信されて受信された駅指定情報を取得する。運賃情報判定部322は、記憶部33で予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報のうち、駅指定情報取得部325で取得された駅指定情報で指定されている発駅の発車時刻毎の運賃情報を判定する(ステップS311)。
【0085】
運賃情報の判定は、公共交通機関の発駅の改札通過予想時刻を考慮して行われてもよい。具体的には、運賃情報判定部322は、発駅の発車時刻毎の改札通過予想時刻を算出し、時間帯別運賃情報のうち、算出された各改札通過予想時刻のそれぞれが属する時間帯の運賃情報を判定してもよい。また、運賃情報の判定は、公共交通機関の発駅の改札通過予想時刻を考慮せず、第2の実施形態と同様の手法で行われてもよい。
【0086】
また、運賃情報の判定は、運行情報に応じた発車時刻の遅延を考慮して正確に行われてもよい。具体的には、運賃情報判定部322は、移動経路が異なる公共交通機関を乗り継ぐ経路である場合に、乗り継ぎ前の公共交通機関の遅延時間だけ乗り継ぎ後の公共交通機関の改札通過予想時刻を遅延させ、遅延させた改札通過予想時刻が属する時間帯の運賃情報を判定してもよい。
【0087】
次いで、時刻表提示部326は、判定された運賃情報に応じた態様で発駅の発車時刻を少なくとも含む時刻表を出力する。具体的には、時刻表提示部326は、判定された運賃情報に応じた表示態様の時刻表情報を生成する(ステップS312)。
【0088】
時刻表情報は、例えば、運賃情報判定部322で判定された運賃に関連する運賃関連情報が発車時刻と対応付けられた表示態様の情報である。運賃関連情報は、例えば、「割増」および「通常」などの運賃の種別である。
【0089】
時刻表情報の生成は、発車時刻が運賃情報の切り替わり時刻付近であるか否かを考慮して行われてもよい。具体的には、時刻表提示部326は、発車時刻が運賃情報の切り替わり時刻付近である場合には、第1の実施形態と同様の切り替わり関連情報I2を時刻表に表示してもよい。
【0090】
時刻表提示部326は、時刻表の端に、時間帯別運賃情報に応じた表示態様の時間帯を表示してもよい。具体的には、時刻表提示部326は、通常料金情報が適用される時間帯と、割増料金情報が適用される時間帯とで表示態様(例えば、色)を異ならせてもよい。
【0091】
次いで、時刻表提示部326は、生成された時刻表情報を端末装置2に送信する(ステップS313)。
【0092】
次いで、端末装置2は、サーバ3から受信した時刻表情報を表示する(ステップS212)。
【0093】
図23は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、発駅のみが指定された場合の時刻表情報の表示画面SC16を示す図である。
図23に示す例において、時刻表情報の表示画面SC16には、駅指定情報で指定された発駅(A駅)の時刻表として、一連の複数の発車時刻と、発車時刻毎の運賃関連情報の一例である運賃の種別I6とが互いに対応付けられて表示されている。また、時刻表の端には、時間帯t(05・07・09・・・)が表示されている。この時間帯tは、時間帯別運賃情報に応じた表示態様で表示されてもよい。時刻表情報の表示画面SC16は、ユーザのスクロール操作に連動してスクロールされる。
【0094】
第3の実施形態によれば、時間帯別運賃情報のうちの発車時刻毎の運賃情報に応じた態様で時刻表を出力することで、ユーザが所望する駅での乗車に適用される時間帯別運賃をユーザに分かりやすく提示することができる。
【0095】
(変形例)
次に、時刻表が公共交通機関の着駅の到着時刻を更に含む変形例について説明する。
図24は、第3の実施形態の変形例に係る情報処理システム1の動作の一例として、発駅および着駅が指定された場合の時刻表情報の表示画面SC17を示す図である。
【0096】
図21~
図23では、駅指定情報が、公共交通機関の発駅のみを含む例について説明した。これに対して、本変形例では、駅指定情報が、公共交通機関の発駅に加えて、公共交通機関の着駅を更に含む。これにともない、
図24に示すように、時刻表提示部326は、運賃関連情報として、発駅(A駅)から着駅(F駅)までの移動経路の経路運賃情報I1を表示する。また、時刻表提示部326は、発駅(A駅)と着駅(F駅)との間の移動経路が異なる公共交通機関を乗り継ぐ経路である場合に、
図24に示すように、乗り継ぎ駅(B駅)に対応付けて切り替わり関連情報I2を表示してもよい。
【0097】
なお、本発明に適用される時間帯別運賃は、〇時〇分~△時△分といった狭義の時間帯毎に変動する狭義の時間帯別運賃に限定されず、例えば、曜日、月、短時間等を含む広義の時間帯毎に変動する広義の時間帯別運賃であってもよい。経路提示部321は、広義の時間帯別運賃を考慮して低運賃の移動経路を探索し、経路・運賃提示部324は、探索された経路と運賃を端末装置2に提示してもよい。広義の時間帯別運賃を考慮した低運賃の移動経路を提示することで、混雑緩和に寄与することができる。また、低運賃の移動経路の探索・提示は、広義の時間帯別運賃よりも更に広範な変動運賃を考慮して行ってもよい。
【0098】
また、本発明における時間帯別運賃に基づく運賃は、定期券利用区間内における定期券利用には適用しなくてもよい。
図18に示したポイントについては、定期券利用にも適用してもよい。
【0099】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0100】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0101】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0102】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実施するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0103】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 情報処理システム
2 端末装置
3 サーバ
321 経路提示部
322 運賃情報判定部
323 運賃算出部
324 経路・運賃提示部