(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091642
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230623BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20230623BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20230623BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
G06Q10/10
G01C21/34
G01C21/26 P
G08G1/005
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206484
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祐介
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129CC16
2F129CC25
2F129DD26
2F129EE23
2F129EE26
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2F129EE82
2F129EE89
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF14
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF47
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH20
2F129HH21
5H181AA21
5H181AA24
5H181BB13
5H181EE05
5H181EE10
5H181FF32
5H181FF35
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】 時間帯別運賃を考慮した正確な交通費精算を支援することができる。
【解決手段】 情報処理システムは、公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得する探索結果取得手段と、利用開始時刻および利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報とに基づいて、移動経路上の公共交通機関の運賃が混雑時運賃および非混雑時運賃の何れであるかを判定する運賃判定手段と、判定された運賃を交通費精算の申請対象として出力する出力手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、前記移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得する探索結果取得手段と、
前記利用開始時刻および前記利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報とに基づいて、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が混雑時運賃および非混雑時運賃の何れであるかを判定する運賃判定手段と、
前記判定された運賃を交通費精算の申請対象として出力する出力手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記運賃判定手段は、前記利用日付における前記移動経路上の公共交通機関の運行情報に基づいて、前記混雑時運賃および前記非混雑時運賃の何れであるかの判定を行う請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記出力手段は、予め設定された条件が満足される場合には、前記判定された運賃と、前記判定された運賃以外の運賃とを選択可能に表示する請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記条件は、前記利用開始時刻が前記時間帯別運賃情報に基づく運賃の切り替わり時刻の付近であることを含む請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記出力手段は、前記判定された運賃をデフォルト表示する請求項3または4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記探索結果取得手段は、前記利用開始時刻として、予め取得されている出退勤時間または外出予定時間に基づいて推定された利用開始時刻を取得し、
前記運賃判定手段は、前記推定された利用開始時刻に基づいて、前記混雑時運賃および前記非混雑時運賃の何れであるかの判定を行う請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記出力手段は、前記判定された運賃にあわせて前記判定された運賃の適用条件を表示する請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記出力手段は、前記判定された運賃を前記混雑時運賃および前記非混雑時運賃の何れであるかが分かるような表示態様で表示する請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、前記移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得する探索結果取得手段と、
前記利用開始時刻および前記利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別定期券の区間情報および時間帯情報とに基づいて、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が前記時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃であるか否かを判定する運賃判定手段と、
前記対象区間内かつ対象時間外の運賃である場合に、前記移動経路上の公共交通機関の運賃の少なくとも一部を交通費精算の申請対象として出力する出力手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項10】
前記出力手段は、前記対象区間内かつ対象時間外の運賃である場合に、前記探索結果を示す画像上に前記移動経路上の公共交通機関の運賃が前記時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃である旨を表示する請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記出力手段は、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯において前記対象区間内かつ対象時間外の運賃である場合に、前記移動経路上の公共交通機関の運賃を予め設定されている減額条件にしたがって減額した運賃を申請対象として出力する請求項9または10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記減額条件は前記移動経路上の公共交通機関の区間ごとに設定されている請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記運賃判定手段は、さらに、予め取得されている前記時間帯別定期券の有効期間情報に基づいて前記対象区間内かつ対象時間外の運賃であるか否かを判定する請求項9~12のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項14】
コンピュータを、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、前記移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得する探索結果取得手段、
前記利用開始時刻および前記利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報とに基づいて、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が混雑時運賃および非混雑時運賃の何れであるかを判定する運賃判定手段、および
前記判定された運賃を交通費精算の申請対象として出力する出力手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項15】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、前記移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得する探索結果取得手段と、
前記利用開始時刻および前記利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報とに基づいて、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が混雑時運賃および非混雑時運賃の何れであるかを判定する運賃判定手段と、
前記判定された運賃を交通費精算の申請対象として出力する出力手段と、
を備える情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項16】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項17】
コンピュータを、請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項18】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、前記移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得する探索結果取得手段と、
前記利用開始時刻および前記利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報とに基づいて、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が混雑時運賃および非混雑時運賃の何れであるかを判定する運賃判定手段と、
前記判定された運賃を交通費精算の申請対象として出力する出力手段と、
を備える情報処理システムを機能させるために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項19】
探索結果取得手段が、公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、前記移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得するステップと、
運賃判定手段が、前記利用開始時刻および前記利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報とに基づいて、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が混雑時運賃および非混雑時運賃の何れであるかを判定するステップと、
出力手段が、前記判定された運賃を交通費精算の申請対象として出力するステップと、
を備える情報処理方法。
【請求項20】
コンピュータを、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、前記移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得する探索結果取得手段、
前記利用開始時刻および前記利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別定期券の区間情報および時間帯情報とに基づいて、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が前記時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃であるか否かを判定する運賃判定手段、および
前記対象区間内かつ対象時間外の運賃である場合に、前記移動経路上の公共交通機関の運賃の少なくとも一部を交通費精算の申請対象として出力する出力手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項21】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、前記移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得する探索結果取得手段と、
前記利用開始時刻および前記利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別定期券の区間情報および時間帯情報とに基づいて、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が前記時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃であるか否かを判定する運賃判定手段と、
前記対象区間内かつ対象時間外の運賃である場合に、前記移動経路上の公共交通機関の運賃の少なくとも一部を交通費精算の申請対象として出力する出力手段と、
を備える情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項22】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項9乃至13のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項9乃至13のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項23】
コンピュータを、請求項9乃至13のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項24】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、前記移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得する探索結果取得手段と、
前記利用開始時刻および前記利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別定期券の区間情報および時間帯情報とに基づいて、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が前記時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃であるか否かを判定する運賃判定手段と、
前記対象区間内かつ対象時間外の運賃である場合に、前記移動経路上の公共交通機関の運賃の少なくとも一部を交通費精算の申請対象として出力する出力手段と、
を備える情報処理システムを機能させるために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項25】
探索結果取得手段が、公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、前記移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得するステップと、
運賃判定手段が、前記利用開始時刻および前記利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別定期券の区間情報および時間帯情報とに基づいて、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が前記時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃であるか否かを判定するステップと、
出力手段が、前記対象区間内かつ対象時間外の運賃である場合に、前記移動経路上の公共交通機関の運賃の少なくとも一部を交通費精算の申請対象として出力するステップと、
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、交通費を精算するための技術が知られている。例えば、特許文献1では、交通費申請に示される交通費と経路探索結果に示される交通費とを比較して交通費申請を許可するか否かを判定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、公共交通機関においては、利用者が集中する朝夕の時間帯における混雑を緩和するため、朝夕の時間帯に通常よりも割高の運賃を設定する時間帯別運賃を導入することが検討されている。
【0005】
しかるに、特許文献1では、時間帯別運賃を考慮した正確な交通費精算を行うことについて何ら有効な提案がなされていない。
【0006】
本発明は、時間帯別運賃を考慮した正確な交通費精算を支援することができる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理システムは、
公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、前記移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得する探索結果取得手段と、
前記利用開始時刻および前記利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報とに基づいて、前記移動経路上の公共交通機関の運賃が混雑時運賃および非混雑時運賃の何れであるかを判定する運賃判定手段と、
前記判定された運賃を交通費精算の申請対象として出力する出力手段と、
を備える情報処理システム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、時間帯別運賃を考慮した正確な交通費精算を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、時間帯別運賃情報の一例を示す概念図である。
【
図4】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、申請対象運賃の第1の表示例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、申請対象運賃の第2の表示例を示す図である。
【
図6】第2の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
【
図7】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、申請対象運賃の表示例を示す図である。
【
図9】第3の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第3の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、時間帯別定期券の運賃情報の一例を示す概念図である。
【
図11】第3の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、申請対象運賃の第1の表示例を示す図である。
【
図12】第3の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、申請対象運賃の第2の表示例を示す図である。
【
図13】第3の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、時間帯別定期券のオフピーク時以外の使用に対する減額条件の一例を示す図である。
【
図14】第3の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、申請対象運賃の第3の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0011】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1について説明する。第1の実施形態に係る情報処理システム1は、モバイル端末(スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等)やパソコン等の電子機器の使用者(以下、単に「ユーザ」ともいう)による交通費精算の申請手続を支援するシステムである。なお、ユーザには、交通費精算の申請者だけでなく申請の承認者も含まれることがある。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、前述の電子機器に相当する端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0013】
ネットワークは、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0014】
端末装置2は、交通費精算の申請対象となる公共交通機関の運賃についての情報の提供を受けるためにユーザが使用するものであり、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パソコン等の情報処理端末である。
【0015】
端末装置2は、
図1に示すように、通信部21と、入力部23と、出力部24と、制御部22とを有する。
【0016】
通信部21は、ネットワークを介して制御部22とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0017】
入力部23は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、例えばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、タッチパッドもしくはダイヤルボタンであってもよい。
【0018】
出力部24は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、例えば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。一例として、出力部24は、入力部23を通じたユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。出力部24は、各種情報を音声出力するスピーカを有していてもよい。
【0019】
なお、出力部24は、ユーザに情報を直接提示するものでなくてもよい。例えば、出力部24は、端末装置2の外部に接続される映像表示手段や音声出力手段に、映像信号や音声信号を出力するものであってもよいし、外部に接続される印刷装置にデータを出力するものであってもよいし、端末装置2内もしくは外部の記憶装置にデータを出力して記憶させるものであってもよい。
【0020】
制御部22は、
図1に示すように、情報提示部221を有する。情報提示部221は、サーバ3から、移動経路上の公共交通機関の運賃がピーク運賃およびオフピーク運賃の何れであるかの判定結果に応じて決定された申請対象運賃を示す申請対象運賃情報をサーバ3から受信する。ピーク運賃は、公共交通機関が混雑する時間帯に基づいて適用される時間帯別運賃である混雑時運賃の一例である。オフピーク運賃は、公共交通機関が混雑しない時間帯に基づいて適用される時間帯別運賃である非混雑時運賃の一例である。ピーク運賃およびオフピーク運賃の何れであるかの判定は、公共交通機関の時間帯別運賃情報に基づいてなされたものである。移動経路は、端末装置2からサーバ3に送信された経路探索条件にしたがってサーバ3で探索されたものである。情報提示部221は、受信された申請対象運賃情報に示される申請対象運賃を、出力部24を介して出力する。
【0021】
交通費精算の申請対象としてピーク運賃およびオフピーク運賃の何れであるかの判定を経た申請対象運賃を出力することで、時間帯別運賃を考慮した正確な交通費精算を支援することができる。
【0022】
次に、サーバ3について説明する。
図1に示すように、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。制御部32について説明する前に、通信部31および記憶部33について説明する。
【0023】
通信部31は、ネットワークを介して端末装置2と、サーバ3の制御部32との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0024】
記憶部33は、例えばハードディスク等のデータストレージであり、各種データベースを格納する。なお、記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、ネットワークを介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
【0025】
記憶部33は、経路ネットワーク情報データベース331を有する。
【0026】
経路ネットワーク情報データベース331は、経路探索用のデータベースであり、経路ネットワーク情報として、例えば、交通ネットワーク情報を含む。交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、公共交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。
【0027】
公共交通機関の料金情報は、時間帯別運賃情報を含む。
【0028】
交通網の情報は、例えば駅等の路線網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の線路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。また、道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0029】
また、図示しないが、記憶部33には、地図の表示や地点の検索等に用いる地図情報データベースを含んでいてもよい。地図情報は、全国または各地方の道路地図などの地図データを含み、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報(注記情報、記号情報等)を含んでいてもよい。さらに、記憶部33には、施設の検索や目的地の設定に用いるPOI(Point of Interest)情報データベースを含んでいてもよい。POI情報は、施設やイベントの情報である。POI情報は、施設やイベントの名称情報や位置情報を含んでいる。
【0030】
次に、サーバ3の制御部32について説明する。制御部32は、
図1に示すように、探索結果取得手段の一例である経路探索部321と、運賃判定手段の一例である運賃判定部322と、出力手段の一例である運賃提示部323と、伝票処理部324とを有する。
【0031】
経路探索部321は、ユーザが公共交通機関の運賃を含む交通費の精算を申請する際に、ユーザ操作によって端末装置2から送信された公共交通機関の利用を含む経路探索条件を受信する。経路探索部321は、受信された経路探索条件にしたがって、経路ネットワーク情報を用いて公共交通機関の利用区間を含む出発地から目的地までの移動経路を探索して取得する。移動経路の探索結果は、移動経路と、移動経路上の公共交通機関の利用日付と、利用開始時刻と、利用終了時刻とを含む。
【0032】
なお、経路探索部321は、端末装置2から送信された経路探索条件を用いる代わりに、予め取得されているユーザの出退勤時刻または外出予定時間に基づいて公共交通機関の利用開始時刻を推定し、推定された乗車時刻を経路探索に用いてもよい。この場合、後述する運賃判定部322による運賃の判定は、推定された利用開始時刻に基づいて行えばよい。また、経路探索部321は、端末装置2から送信された経路探索条件を用いる代わりに、乗車券機能を有するユーザのICカードまたは携帯端末から読み取った移動履歴情報にしたがって移動経路を探索してもよい。
【0033】
運賃判定部322は、利用開始時刻および利用終了時刻の少なくとも一方と、記憶部33で予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報とに基づいて、申請対象となる移動経路上の公共交通機関の運賃がピーク運賃およびオフピーク運賃の何れであるかを判定する。時間帯別運賃情報は、ある移動区間における運賃が、時間帯に応じた運賃であることを示す情報である。時間帯別運賃情報によれば、同一の移動区間においても時間帯が異なることで運賃も異なることがある。
【0034】
運賃提示部323は、運賃判定部322で判定された運賃に応じた申請対象運賃を示す申請対象運賃情報を、通信部31を介して端末装置2に送信することで、判定された運賃を交通費精算の申請対象として出力する。既述したように、送信された申請対象運賃情報は、端末装置2の情報提示部221によって出力部24を介して出力される。
【0035】
伝票処理部324は、端末装置2で出力された申請対象運賃に対するユーザの決定操作に応じて申請対象運賃を登録した伝票を作成し、作成された伝票を、通信部31を介して端末装置2に送信する。端末装置2は、送信された伝票を、出力部24を介して出力する。伝票処理部324は、端末装置2で出力された伝票に対するユーザの申請操作を受け付ける。
【0036】
以上のように、第1の実施形態の情報処理システム1によれば、経路探索部321は、公共交通機関の利用区間を含む移動経路の探索結果であって、移動経路上の公共交通機関の利用日付、利用開始時刻および利用終了時刻を含む探索結果を取得する。運賃判定部322は、利用開始時刻および利用終了時刻の少なくとも一方と、予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報とに基づいて、移動経路上の公共交通機関の運賃が混雑時運賃および非混雑時運賃の何れであるかを判定する。運賃提示部323は、判定された運賃を交通費精算の申請対象として出力する。このように構成されていることで、時間帯別運賃を考慮した正確な交通費精算を支援することができる。
【0037】
(動作例)
次に、
図1の情報処理システム1の動作例について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図2に示すように、先ず、端末装置2の制御部22は、出力部24を介して経路探索条件設定画面を表示し、経路探索条件設定画面を介して交通費精算の申請対象である公共交通機関の利用を含む経路探索条件の設定操作を受け付ける。経路探索条件設定画面を表示した後、制御部22は、経路探索条件設定画面に対するユーザの設定操作に応じた経路探索条件を設定し、設定された経路探索条件をサーバ3に送信する(ステップS21)。
【0039】
経路探索条件が送信された後、サーバ3の経路探索部321は、送信された経路探索条件にしたがって、公共交通機関の利用区間を含む出発地から目的地までの移動経路を探索し、移動経路上の公共交通機関の利用日付、乗車時刻および下車時刻を含む探索結果を取得する(ステップS31)。乗車時刻は、利用開始時刻の一例である。下車時刻は、利用終了時刻の一例である。
【0040】
移動経路の探索結果が取得された後、サーバ3の運賃判定部322は、乗車時刻および下車時刻の少なくとも一方と、記憶部33で予め取得されている公共交通機関の時間帯別運賃情報とに基づいて、申請対象となる移動経路上の公共交通機関の運賃がピーク運賃およびオフピーク運賃の何れであるかを判定する(ステップS32)。時間帯別運賃情報は、例えば、
図3に示すように、ピーク時間帯に発駅改札を通過した場合に、オフピーク時間帯に発駅改札を通過した場合よりも割高になる運賃を示す情報であってもよい。
図3の時間帯別運賃情報を用いる場合、運賃判定部322は、探索結果に含まれる乗車時刻に基づいて発駅改札通過時刻を予測し、予測された発駅改札通過時刻に該当する運賃を判定すればよい。発駅改札通過時刻は、乗車時刻から一定時間(例えば、5分)を差し引いた時刻として予測してもよい。
図3に示す例において、乗車時刻に基づいて予測された発駅改札通過時刻が8:00である場合、運賃判定部322で判定される運賃はピーク時間帯に適用されるピーク運賃となる。また、乗車時刻に基づいて予測された発駅改札通過時刻が10:00である場合、運賃判定部322で判定される運賃はオフピーク時間帯に適用されるオフピーク運賃となる。さらに、時間帯別運賃は、時間帯だけでなく、曜日、祝祭日、特定期間(年末年始、8月全日等)などに応じて異なってもよい。また、時間帯別運賃は、オフピーク/ピークの2段階には限定されず、オフピークおよびピークの少なくとも一方が複数段階の運賃を含んでいてもよい。
【0041】
運賃が判定された後、
図2に示すように、サーバ3の運賃提示部323は、運賃の判定結果に応じた申請対象運賃を示す申請対象運賃情報を生成する。運賃判定部322は、生成された申請対象運賃情報を、通信部31を介して端末装置2に送信する(ステップS33)。
【0042】
申請対象運賃情報が送信された後、端末装置2の情報提示部221は、サーバ3から受信した申請対象運賃情報を、出力部24を介して表示する(ステップS22)。
【0043】
図4は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、申請対象運賃の第1の表示例を示す図である。なお、以下で説明される申請対象運賃の表示画面は、申請者の端末装置2だけでなく承認者の端末装置2でも表示可能である。例えば、運賃提示部323は、端末装置2を介して
図4に示される申請対象運賃の表示画面SC1を表示してもよい。
図4に示す例において、申請対象運賃は、移動経路上の異なる公共交通機関による移動区間毎に対応付けて表示されている。具体的には、路線aに対応する申請対象運賃は170円であり、路線bに対応する申請対象運賃は260円である。申請対象運賃は、時間帯別運賃情報に基づいてピーク運賃およびオフピーク運賃の何れであるかを判定された運賃であるため、正確な運賃である。また、表示画面SC1には、表示された申請対象運賃に対するユーザの決定操作を受け付けるボタンBが含まれている。このような運賃を提示することで、ユーザは、正確な交通費の精算を申請することができる。
【0044】
また、
図4に示す例において、運賃提示部323は、申請対象運賃の表示画面SC1に、申請対象運賃に対応付けて、申請対象運賃がピーク運賃およびオフピーク運賃の何れであるかを示すアイコンI1を表示する。これにより、ユーザ(すなわち、申請者および承認者の双方)は、申請対象運賃がピーク運賃およびオフピーク運賃の何れであるかを一目で判断することができるので、利便性を向上させることができる。なお、運賃提示部323は、アイコンI1に代えて、テキストや色(例えば、ピーク運賃の場合は赤字での表示、オフピーク運賃の場合は青字での表示)等で、申請対象運賃がピーク運賃およびオフピーク運賃の何れであるかを表示してもよい。
【0045】
図5は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例として、申請対象運賃の第2の表示例を示す図である。
図5に示すように、運賃提示部323は、予め設定された条件が満足される場合には、申請対象運賃の表示画面SC2において、運賃判定部322によって判定された運賃と、判定された運賃以外の運賃とを選択可能に表示してもよい。予め設定された条件は、乗車時刻が時間帯別運賃情報に基づく運賃の切り替わり時刻の付近(例えば、前後10分)であることであってもよい。
図5に示すように、運賃提示部323は、運賃判定部322によって判定された運賃(170円)をデフォルト表示し、運賃情報判定部322によって判定されなかった運賃(200円)についても選択画面Sで事後的に選択可能としてもよい。この場合、申請者が運賃情報判定部322によって判定されなかった運賃を申請対象として選択する場合もあるので、申請者によっていずれの運賃が選択されたか(判定されなかった運賃が選択されたか)を承認者が分かるように申請対象運賃の表示態様を異ならせてもよい。このように運賃を提示することで、正確な交通費精算の申請を支援することができる。
【0046】
また、
図5に示す例において、運賃提示部323は、申請対象運賃の表示画面SC2において、運賃判定部322で判定された運賃にあわせて、判定された運賃の適用条件Cを表示する。
図5に示す例において、表示画面SC2には、判定されたオフピーク運賃(170円)の適用条件Cとして、発駅改札通過時間が9:30~16:30であることが表示されている。さらに、
図5に示す例において、表示画面SC2には、判定されなかったピーク運賃(200円)の適用条件Cとして、発駅改札通過時間が9:30~16:30以外であることが表示されている。このように運賃を提示することで、より正確な交通費精算の申請を支援することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、運行情報を考慮して運賃を判定する第2の実施形態について説明する。
図6は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。
図6に示すように、第2の実施形態に係る情報処理システム1は、第1の実施形態の構成に加えて、更に、サーバ3の記憶部33に記憶された運行情報管理データベース332を備える。運行情報管理データベース332には、公共交通機関の利用日付(すなわち、過去)における移動経路上の公共交通機関の運行情報が格納されている。
【0048】
図7は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、第2の実施形態において、サーバ3の運賃判定部322は、運行情報管理データベース332に格納された運行情報を考慮して、移動経路上の公共交通機関の運賃がピーク運賃およびオフピーク運賃の何れであるかを判定する(ステップS312)。
【0049】
図8は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、申請対象運賃の表示例を示す図である。
図8に示すように、運賃提示部323は、申請対象運賃の表示画面SC3において、申請対象運賃とあわせて、申請対象運賃の判定に考慮した運行情報を示すメッセージMを表示してもよい。
【0050】
第2の実施形態によれば、公共交通機関の過去の運行情報を考慮することで、より正確な交通費精算を支援することができる。
【0051】
(第3の実施形態)
次に、時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃を申請する第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る情報処理システム1は、
図1または
図6と同様の構成部を備える。ただし、第3の実施形態に係る情報処理システム1は、構成部の具体的機能において第1、第2の実施形態に対する相違点を有する。以下では、第1、第2の実施形態に対する相違点を中心に説明する。
【0052】
第3の実施形態において、運賃判定部322は、経路探索部321の探索結果に示される利用開始時刻および利用終了時刻の少なくとも一方と、記憶部33で予め取得されている公共交通機関の時間帯別定期券の区間情報および時間帯情報とに基づいて、移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃であるか否かを判定する。時間帯別定期券は、公共交通機関の利用可能な時間帯に応じて同一区間であっても運賃が変動する定期券である。
【0053】
運賃提示部323は、移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃である場合には、移動経路上の公共交通機関の運賃の少なくとも一部を、端末装置2を介して交通費精算の申請対象として出力する。
【0054】
運賃提示部323は、移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃である場合には、経路探索部321の探索結果を示す画像上に移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃である旨を表示してもよい。
【0055】
以下、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作例について、
図9のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
図9に示すように、先ず、端末装置2の制御部22は、出力部24を介して経路探索条件設定画面を表示し、経路探索条件設定画面を介して交通費精算の申請対象である公共交通機関の利用を含む経路探索条件の設定操作を受け付ける。経路探索条件設定画面を表示した後、制御部22は、経路探索条件設定画面に対するユーザの設定操作に応じた経路探索条件を設定し、設定された経路探索条件をサーバ3に送信する(ステップS201)。
【0057】
経路探索条件が送信された後、サーバ3の経路探索部321は、送信された経路探索条件にしたがって、交通機関の利用区間を含む出発地から目的地までの移動経路を探索し、移動経路上の公共交通機関の利用日付、乗車時刻および下車時刻を含む探索結果を取得する(ステップS301)。
【0058】
移動経路の探索結果が取得された後、サーバ3の運賃判定部322は、乗車時刻および下車時刻の少なくとも一方と、記憶部33で予め取得されている公共交通機関の時間帯別定期券の区間情報および時間帯情報とに基づいて、移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃であるか否かを判定する(ステップS302)。この判定は、更に、時間帯別定期券の有効期間情報にも基づいて行われてもよい。区間情報および時間帯情報は、例えば、
図10に示される態様の情報であってもよい。
図10に示す例では、区間情報(A駅~D駅)、時間帯情報(全時間帯、10:00~17:00)および有効期間情報(1か月、3か月、6か月)の組み合わせ毎に、定期券運賃情報が対応付けられている。
図10に示す例では、例えば、時間帯別定期券が10時から17時までのA駅(発駅)の改札通過を条件とした1か月定期券(10480円)の場合において、探索された移動経路が10時から17時までにA駅の改札を通過してD駅までの行程を移動した経路である場合には、移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券(オフピーク定期券)の適用対象と判定される。一方、例えば、時間帯別定期券が10時から17時までのA駅の改札通過を条件とした1か月定期券(10480円)の場合において、探索された移動経路が10時前にA駅の改札を通過してD駅までの行程を移動した経路である場合には、移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃と判定される。
【0059】
対象区間内かつ対象時間外の運賃であるか否かの判定後、
図9に示すように、運賃提示部323は、判定結果に応じた申請対象運賃を算出する(ステップS303)。具体的には、運賃提示部323は、移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券の適用対象であると判定された場合には、申請対象運賃として0円を算出する。一方、運賃提示部323は、移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃であると判定された場合には、申請対象運賃として、例えば移動経路の通常運賃を算出する。
【0060】
申請対象運賃を算出した後、運賃提示部323は、算出された申請対象運賃を示す申請対象運賃情報を端末装置2に送信する(ステップS304)。
【0061】
申請対象運賃情報が送信された後、端末装置2の情報提示部221は、サーバ3から受信した申請対象運賃情報に示される申請対象運賃を、出力部24を介して表示する(ステップS202)。
【0062】
図11は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、申請対象運賃の第1の表示例を示す図である。
図11に示すように、運賃提示部323は、移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券の適用対象であると判定された場合には、申請対象運賃として0円を示す申請対象運賃の表示画面SC4を表示する。また、
図11に示す例において、運賃提示部323は、時間帯別定期券が有効であることを示すアイコンI2を移動経路の画像に対応付けて表示する。
【0063】
図12は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、申請対象運賃の第2の表示例を示す図である。
図12に示すように、運賃提示部323は、移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃であると判定された場合には、申請対象運賃として移動経路の通常運賃を示す申請対象運賃の表示画面SC5を表示する。また、
図12に示す例において、運賃提示部323は、時間帯別定期券が対象区間内かつ対象時間外の運賃であることを示すアイコンI3を移動経路の画像に対応付けて表示する。
【0064】
図13は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、時間帯別定期券のピーク時以外の使用に対する減額条件の一例を示す図である。
図14は、第3の実施形態に係る情報処理システム1の動作の一例として、
図13に示す減額条件にしたがった申請対象運賃の第3の表示例を示す図である。
【0065】
図12では、移動経路上の公共交通機関の運賃が時間帯別定期券の対象区間内かつ対象時間外の運賃であると判定された場合に、移動経路の通常運賃の満額を申請対象運賃として表示する例について説明した。これに対して、
図13に示すように、対象区間内の時間帯別定期券であれば、対象時間帯以外の時刻に発駅の改札を通過した場合であっても、通常運賃ではなく割引運賃が適用される場合がある。
図13に示す例では、対象区間内において対象時間帯以外の時刻に発駅の改札を通過した場合は、減額条件として通常運賃を5割引きした割引運賃が適用される。この場合、
図14に示すように、運賃提示部323は、割引運賃を申請対象運賃とした表示画面SC6を表示する。なお、減額条件は、一律の条件に限定されず、例えば、対象区間の距離などに応じて変化してもよい。また、移動経路の区間ごとに減額条件が個別に設定されていてもよい。
【0066】
第3の実施形態によれば、定期券の時間帯別運賃を考慮した正確な交通費精算を支援することができる。
【0067】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0068】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0069】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0070】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実施するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0071】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 情報処理システム
2 端末装置
3 サーバ
321 経路探索部
322 運賃判定部
323 運賃提示部