(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091649
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】携帯エアマット
(51)【国際特許分類】
A47C 27/08 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
A47C27/08 A
A47C27/08 B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206493
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】321009487
【氏名又は名称】チェーンストリーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(72)【発明者】
【氏名】陳 皇嗣
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AC05
3B096AC11
(57)【要約】
【課題】マット本体から簡単且つ迅速にエアを抜いてコンパクトに畳むことができ、しかもエア漏れが生じ難い携帯エアマットを提供する。
【解決手段】携帯エアマット10は、延出体22を含む袋状のマット本体20を備える。延出体22の先端は開放されている。当該先端に、一対の縁ベルト53、54が取り付けられている。縁ベルト53、54の両端に連結具55、56が取り付けられている。縁ベルト53、54に延出体22が巻き付けられた後、縁ベルト53、54が湾曲されて連結具55、56が連結されることにより、延出体22の開口が閉塞され、マット本体20内からのエアの流出が防止される。連結具55、56の連結が解除されると、マット本体20内のエア圧によって縁ベルト53、54への延出体22の巻き付けが解け、延出体22の開口が開放される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部が開放された可撓性を有する袋状を呈し、所定部に吸気口が設けられたマット本体と、
上記吸気口に設けられ、上記マット本体内にエアを送給するエアポンプと、
上記エアポンプに電力を供給する電池と、
上記開放された端部の周縁に沿って設けられ、対向配置された一対の縁ベルトと、
当該一対の縁ベルトの両端同士を着脱自在に連結する連結具とを備える携帯エアマット。
【請求項2】
上記マット本体は、エアが送給されることにより、対向する天面部及び背面部並びにこれらの周囲に連続する一対の側面部、一端部及び他端部を有する立体形状を成し、
上記一端部及び他端部のいずれか一方が上記開放された端部を構成し、
上記側面部に取付部材が設けられ、
当該取付部材は、上記吸気口を構成する貫通孔を有し、
上記エアポンプは、上記取付部材に取り付けられている請求項1に記載の携帯エアマット。
【請求項3】
上記電池は、充放電可能な2次電池であって、上記取付部材に取り付けられており、
当該取付部材は、通信ケーブル端子が挿抜される充電用入力ポートを有する請求項2に記載の携帯エアマット。
【請求項4】
上記取付部材は、モバイル端末充電用出力ポートをさらに有する請求項2または3に記載の携帯エアマット。
【請求項5】
上記エアポンプは、上記マット本体内に位置する請求項1から4のいずれかに記載の携帯エアマット。
【請求項6】
上記取付部材は、上記充電用入力ポートが設けられた凹部或いは凸部を有しており、
上記マット本体は、上記吸気口を開閉する吸気口キャップ及び上記凹部の開口或いは凸部を覆う保護キャップをさらに有する請求項3に記載の携帯エアマット。
【請求項7】
上記マット本体は、逆止弁が設けられた予備吸気口部材をさらに有している請求項1から6のいずれかに記載の携帯エアマット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エアポンプを備える携帯型のエアマットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エアマットを開示する。このエアマットは、膨張及び収縮可能なマット本体と、このマット本体に取り付けられたエアポンプとを備える。エアポンプが正駆動するとマット本体にエアが流入してマット本体が膨張する。エアポンプが逆駆動するとマット本体からエアが流出してマット本体が縮小する。縮小したマット本体は小さく折り畳まれる。携帯エアマットは、折り畳まれた状態で持ち運び可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同文献が開示するエアマットでは、エアポンプによってマット本体からエアが抜かれるので、ユーザの手間はかからないが、エアを抜くのに時間がかかるという問題がある。
【0005】
エアポンプに依らずにマット本体からエアを抜くため、キャップ付きの排気口をマット本体に設けることが考えられる。この排気口の開口面積は、あまり大きくできない。なぜなら、排気口の開口面積が大きくなるとキャップも大きくなるから、キャップのハンドリングが難しくなるからである。また、キャップが大きくなるにつれてキャップが変形し易くなり、エア漏れが生じ易くなってしまうからである。上記排気口の開口面積を大きくできない場合、マット本体からエアを素早く抜くことができないし、また、エアが抜けるまでユーザがマット本体を圧迫し続けなければならず、手間もかかる。
【0006】
本発明はかかる背景のもとになされたものであって、その目的は、マット本体から簡単且つ迅速にエアを抜いてコンパクトに畳むことができ、しかもエア漏れが生じ難い携帯エアマットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係る携帯エアマットは、端部が開放された可撓性を有する袋状を呈し、所定部に吸気口が設けられたマット本体と、上記吸気口に設けられ、上記マット本体内にエアを送給するエアポンプと、上記エアポンプに電力を供給する電池と、上記開放された端部の周縁に沿って設けられ、対向配置された一対の縁ベルトと、当該一対の縁ベルトの両端同士を着脱自在に連結する連結具とを備える。
【0008】
ユーザは、縁ベルトを回転させてマット本体の端部を縁ベルトに巻き付けた後、縁ベルトを湾曲させて連結具を連結させる。連結具は、マット本体の端部が一対の縁ベルトに巻き付けられた状態を維持する。すなわち、マット本体は、その端部の開口が閉塞された状態で維持される。この状態においてユーザは、エアポンプを駆動させてマット本体内にエアを送給し、マット本体を膨らませる。ユーザは、上記連結具の連結を解除し、次いで縁ベルトへの上記端部の巻き付けを解く。マット本体内のエアの圧力により、一対の縁ベルトが相互に離間し、端部が開放される。開放された端部を通じてマット本体からエアが流出する。ユーザは、エアの流出によって萎んだマット本体を折り畳む。本発明に係る携帯エアマットでは、排気口キャップを用いないから、当該キャップの変形や劣化によるエア漏れが生じることがなく、また、マット本体を圧迫するなどの手間をかけることなくマット本体からエアを素早くかつ簡単に抜くことができる。
【0009】
(2) 上記マット本体は、エアが送給されることにより、対向する天面部及び背面部並びにこれらの周囲に連続する一対の側面部、一端部及び他端部を有する立体形状を成していてもよい。上記一端部及び他端部のいずれか一方が上記開放された端部を構成する。上記側面部に取付部材が設けられる。当該取付部材は、上記吸気口を構成する貫通孔を有する。上記エアポンプは、上記取付部材に取り付けられている。
【0010】
上記エアポンプが取り付けられる取付部材が側面部に取り付けられているから、取付部材は、ユーザがマット本体に横臥する際に支障となることがない。
【0011】
(3) 上記電池は、充放電可能な2次電池であって、上記取付部材に取り付けられており、当該取付部材は、通信ケーブル端子が挿抜される充電用入力ポートを有していてもよい。
【0012】
ユーザは、2次電池の出力電圧が低下すると、充電用入力ポートを用いて2次電池を充電する。例えば、ユーザは、モバイル充電器を用いて家屋内で2次電池を充電する。或いはユーザは、モバイルバッテリを用いて外出先で2次電池を充電する。或いは、ユーザは、車両を用いて外出先で2次電池を充電する。すなわち、ユーザは、屋内においても外出先(屋外)においても2次電池を充電することができる。したがって、乾電池を使用する従来のエアマットでは電池切れに備えて予備の乾電池を常に準備しなければならないが、本発明に係る携帯エアマットでは、予備の乾電池を準備する必要が無く、使い勝手が良い。
【0013】
(4) 上記取付部材は、モバイル端末充電用出力ポートをさらに有していてもよい。
【0014】
この構成によれば、エアマットに横たわるユーザは、2次電池によってモバイル端末を充電しながら当該モバイル端末を使用することができる。すなわち、マット本体上やマット本体の近傍にモバイルバッテリを置いてモバイル端末を使用しなければならない従来のエアマットに比べ使い勝手が良くなる。
【0015】
(5) 上記エアポンプは、上記マット本体内に位置していてもよい。
【0016】
エアポンプをマット本体内に配置することにより、使用状態(膨張状態)において、マット本体からのエアポンプの出っ張りを抑制することができる。その結果、携帯エアマットの外観が良くなり、かつユーザの手足などがエアポンプに当たることを抑制することができる。また、マット本体の端部の開口からマット本体内に手を入れることができるから、マット本体内にあるエアポンプのメンテナンスを容易に行うことができる。すなわち、マット本体を袋状にすることにより、メンテナンスに支障を生じさせることなくエアポンプをマット本体内に配置することが可能になる。
【0017】
(6) 上記取付部材は、上記充電用入力ポートが設けられた凹部或いは凸部を有しており、上記マット本体は、上記吸気口を開閉する吸気口キャップ及び上記凹部の開口或いは凸部を覆う保護キャップをさらに有していてもよい。
【0018】
吸気口キャップ及び保護キャップにより、吸気口や充電用入力ポートから埃や水が内部に侵入することが防止される。
【0019】
(7) 上記マット本体は、逆止弁が設けられた予備吸気口部材をさらに有していてもよい。
【0020】
例えば外出先においてエアポンプが故障した場合、予備吸気口からマット本体にエアを送給してマット本体を膨張させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、膨張状態の携帯エアマット10の斜視図である。
【
図2】
図2は、縮小状態の携帯エアマット10の斜視図である。
【
図3】
図3は、折畳状態の携帯エアマット10及び収納袋11の斜視図である。
【
図4】
図4は、マット本体20の延出体22の拡大図であり、縁ベルト53、54が開放姿勢である場合の図である。
【
図5】
図5は、マット本体20の延出体22の拡大図であり、縁ベルト53、54が閉塞姿勢である場合の図である。
【
図6】
図6は、予備吸気口部材95の拡大図である。
【
図7】
図7は、吸気口キャップ35及び保護キャップ36が装着された状態におけるポンプユニット30の拡大斜視図である。
【
図8】
図8は、吸気口キャップ35及び保護キャップ36が外された状態におけるポンプユニット30の拡大斜視図である。
【
図9】
図9は、マット本体20の内部におけるポンプユニット30の拡大斜視図であって、(A)は保護部材37が装着された状態の図であり、(B)は保護部材37が取り外された状態の図である。
【
図12】
図12(A)は、吸気口キャップ135及び保護キャップ136が装着された状態におけるポンプユニット130の拡大斜視図であり、
図12(B)は、吸気口キャップ135及び保護キャップ136が外された状態におけるポンプユニット130の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されつつ説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係る携帯エアマット10の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯エアマット10の膨張状態における斜視図である。膨張状態とは、マット本体20がエアによって膨らんだ状態を意味する。
図2は、携帯エアマット10の縮小状態における斜視図である。縮小状態とは、携帯エアマット10からエアが抜かれて萎んだ状態を意味する。
図3は、折畳状態の携帯エアマット10及び収納袋11の斜視図である。折畳状態とは、エアを抜かれた携帯エアマット10が折り畳まれた状態を意味する。
【0024】
携帯エアマット10は、折畳状態において収納袋11に収納され、保管或いは持ち運びされる。携帯エアマット10は、公園やキャンプ場などにおいて収納袋11から取り出され、かつ膨らまされて使用される(
図1参照)。ユーザは、膨らんだ携帯エアマット10の上に座り、或いは横たわり、スマートフォン(登録商標)やタブレット(登録商標)などのモバイル端末を使用したりして寛ぐ。なお、収納袋11は、携帯エアマット10の付属品であってもよいし、別売品であってもよい。要するに、携帯エアマット10は、収納袋11を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
【0025】
図1が示すように、携帯エアマット10は、マット本体20及びポンプユニット30を備える。
【0026】
マット本体20は、ナイロンなどの合成樹脂材料によって袋状に形成された合成樹脂成形品である。マット本体20は、可撓性を有しており、エアを入れられることによって膨らみ、エアを抜かれることによって萎む。
【0027】
図1が示すように、マット本体20は、膨張状態において概ね直方体状であり、背面部23及び天面部24と、対向する一対の側面部25、26と、対向する一対の側面部27、28と、を有している。以下では、側面部25が左側面部25と記載され、側面部26が右側面部26と記載され、側面部27が前面部27と記載され、側面部28が後面部28と記載されて説明がされる。なお、本体部21は、球状や楕円球状や円盤状や円環状や矩形板状など、他の形状であってもよい。
【0028】
図1及び
図2が示すように、マット本体20の前面部27は、延出体22を含む。延出体22は、矩形状かつ袋状である。延出体22の基端51及び先端52は開放されている。すなわち、マット本体20は、端部が開放された袋状である。延出体22を含む前面部27は、特許請求の範囲に記載された「一端部」或いは「他端部」に相当する。前面部27における延出体22の先端52は、特許請求の範囲に記載された「上記開放された端部」に相当する。
【0029】
図4は、マット本体20の延出体22の先端52の拡大図であって、縁ベルト53、54が開放姿勢である場合を示している。
図5は、マット本体20の延出体22の拡大図であって、縁ベルト53、54が閉塞姿勢である場合を示している。
【0030】
図4が示すように、一対の縁ベルト53、54が、延出体22の先端52に取り付けられている。縁ベルト53、54は、縫い付けや接着剤や溶着などにより、先端52に固着されている。
【0031】
縁ベルト53と縁ベルト54とは、同形状であり、共に矩形板状である。長手方向における縁ベルト53の一端と縁ベルト54の一端とが突き合わされており、縁ベルト53の他端と縁ベルト54の他端とが突き合わされており、縁ベルト53と縁ベルト54とは、無端環(輪っか)を形成している。
【0032】
縁ベルト53、54は、合成樹脂成形品或いは金属加工品であって、弾性を有している。縁ベルト53と縁ベルト54とは、無負荷の通常状態(
図2参照)において、側面同士が互いに対向する姿勢となる。すなわち、縁ベルト53、54は、対向配置されている。縁ベルト53、54は、上記通常姿勢から弾性変形することにより、側面同士が互いに離間して無端環状となり、延出体22の先端52を開放する。以下では、無端環状の姿勢が開放姿勢と記載されて説明がされる。縁ベルト53、54は、例えばマット本体20内のエア圧によって弾性変形されて開放姿勢になる。
【0033】
縁ベルト53、54の一端側に連結具55が取り付けられており、他端側に連結具56が取り付けられている。連結具55と連結具56とは、相互に着脱自在(連結自在)である。図示例では、連結具55、56は、いわゆるバックルである。もっとも、連結具55、56は、リング及びフックや一対のフックなど、相互に着脱自在であればどのようなものが用いられてもよい。
【0034】
連結具55、56は、連結することにより、縁ベルト53、54を
図5に示された閉塞姿勢で維持する。閉塞姿勢は、マット本体20内のエア圧に抗して延出体22の先端52(
図2参照)を閉塞する姿勢である。詳しく説明すると、ユーザは、マット本体20が萎んだ状態(
図2参照)において、通常状態にある縁ベルト53、54を回転させて延出体22を縁ベルト53、54に巻き付ける。次いで、ユーザは、縁ベルト53、54を湾曲させて、連結具55と連結具56とを近付けて連結させる(
図5参照)。連結具55と連結具56との連結により、縁ベルト53、54への延出体22の巻き付けが解けることが防止される。その結果、マット本体20内のエア圧に抗して延出体22の先端52が開放されることが防止される。すなわち、マット本体20は、連結具55と連結具56とが連結している間、膨らんだ状態で維持される。
【0035】
連結具55と連結具56との連結が解除されると、連結具55、56は、その弾性によって、延びた姿勢に戻る。そして、マット本体20の内部のエア圧によって、縁ベルト53、54への延出体22の巻き付けが解け、縁ベルト53、54は、通常姿勢になる(
図2参照)。次いで、上記エア圧によって、連結具55、56が通常姿勢から開放姿勢(
図4参照)に弾性変形され、延出体22の先端52が開放される。その結果、マット本体20の内部からエアが流出し、マット本体20が萎む。
【0036】
図1が示すように、マット本体20は、取っ手29をさらに備える。取っ手29は、右側面部26に取り付けられている。もっとも、取っ手29は、左側面部25や前面部27や後面部28や天面部24や背面部23に取り付けられていてもよい。図示例では、取っ手29は、矩形面状であって、その両端において右側面部26に固着されている。もっとも、取っ手29は、紐状など、他の形状であってもよい。また、取っ手29はマット本体20に設けられていなくてもよい。
【0037】
【0038】
図6が示すように、マット本体20は、予備吸気口部材95をさらに備える。予備吸気口部材95は、例えばエアポンプ32(
図10参照)が故障した場合に使用される。予備吸気口部材95は、本体部21の後面部28に取り付けられている。もっとも、予備吸気口部材95は、本体部21の左側面部25や右側面部26や前面部27や天面部24や背面部23に取り付けられていてもよい。
【0039】
予備吸気口部材95は、吸気口96を有する円筒状の吸気口本体97、キャップ98、及び逆止弁99を備える。吸気口本体97は、手動式や電動式のエアポンプのノズル(不図示)を装着或いは挿入される。キャップ98は、吸気口本体97に着脱自在である。逆止弁99は、吸気口本体97に取り付けられており、外部からマット本体20の内部への流入を許し、マット本体20の内部から外部へのエアの流出を阻止する。上記エアポンプにより、マット本体20内にエアが給送され、マット本体20が膨らむ。
【0040】
図7は、吸気口キャップ35及び保護キャップ36が装着された状態におけるポンプユニット30の拡大斜視図である。
図8は、吸気口キャップ35及び保護キャップ36が外された状態におけるポンプユニット30の拡大斜視図である。
図9は、マット本体20の内部におけるポンプユニット30の拡大斜視図であって、(A)は保護部材37が装着された状態の図であり、(B)は保護部材37が取り外された状態の図である。
図10は、ポンプユニット30の断面図である。
【0041】
図1が示すように、ポンプユニット30は、マット本体20の本体部21の右側面部26に取り付けられている。もっとも、ポンプユニット30は、左側面部25や前面部27や後面部28や天面部24に取り付けられていてもよい。
【0042】
図10が示すように、ポンプユニット30は、本体ケース31、エアポンプ32、電池33、制御基板80、吸気口キャップ35、保護キャップ36、及び保護部材37を備える。本体ケース31は、特許請求の範囲に記載された「取付部材」に相当する。
【0043】
エアポンプ32は、回転軸63を有するモータ61と、フィン62とを備える。モータ61は、直流電力を供給されることによって回転軸63を回転させる直流モータである。フィン62は、回転軸63が嵌入される軸受け孔64を有している。フィン62は、回転軸63と一体に回転する。
【0044】
本体ケース31は、外部ケース41、内部ケース42、取付板43、及び接着シート38を有する。
【0045】
取付板43は、矩形板状であって、表面44、裏面45、及び側端面を有する。取付板43は、例えば合成樹脂成形品である。取付板43は、裏面45をマット本体20の右側面部26に当接させてマット本体20に取り付けられている。詳しく説明すると、マット本体20は、取付開口を右側面部26に有している。取付板43は、当該取付開口の縁に裏面45を当接させてマット本体20に固着されており、当該取付開口を閉塞している。取付板43は、接着剤や溶着などによってマット本体20に固着されている。
【0046】
また、取付板43は、外部ケース41が取り付けられる取付口47を有している。
【0047】
外部ケース41は、取付板43の取付口47に取り付けられており、取付板43の表面44側に位置している。外部ケース41は、例えば合成樹脂成形品である。なお、外部ケース41は、取付板43と一体に形成されていてもよいし、取付板43とは別体として形成され、ネジや接着剤やスナップフィットなどによって取付板43に固着されていてもよい。
【0048】
外部ケース41は、吸気口部71及び箱状部72を備えている。
【0049】
吸気口部71は、円筒状であって、吸気口を構成する貫通孔79を有している。吸気口部71は、モータ61の回転軸63が延びる方向(
図10における左右方向)においてフィン62と対向する位置に配置されている。吸気口部71の貫通孔79を通じてフィン62にエアが流入する。
【0050】
円筒状の吸気口部71の内壁面には、雌ネジ78(
図8参照)が設けられている。雌ネジ78は、吸気口キャップ35に設けられた雄ネジ103(
図8参照)と螺合する。すなわち、吸気口キャップ35は、吸気口部71に着脱自在である。
【0051】
箱状部72は、裏面111(
図10における左面)が開口する中空の箱状である。箱状部72は、コネクタ部材73を収納する。コネクタ部材73は、USB(登録商標)-Cタイプ端子が着脱される第1ポート、及びUSB(登録商標)端子が着脱される第2ポートを有する。コネクタ部材73は、第1ポート有する部材及び第2ポートを有する部材の2つの部材からなっていてもよいし、1つの部材からなっていてもよい。コネクタ部材73は、ケーブル58によって制御基板80と電気的に接続されている。
【0052】
箱状部72は、表面112(
図10における右面)から凹む円形状の凹部113を有している。凹部113の開口は、保護キャップ36によって開閉される。
【0053】
箱状部72は、上記第1ポートを露出させる第1端子窓74及び上記第2ポートを露出させる第2端子窓75を凹部113の底壁に有している。第1端子窓74及び第2端子窓75を通じてUSB(登録商標)-Cタイプ端子やUSB(登録商標)端子がコネクタ部材73に着脱される。
【0054】
外部ケース41は、第1発光ダイオード84を外部に露出させる第1点灯窓76及び第2発光ダイオード85(
図11参照)を外部に露出させる第2点灯窓77(
図7参照)をさらに有している。なお、点灯窓76、77は、外部ケース41に貼り付けられた透明シートによって閉塞されていてもよい。当該透明シートは、点灯窓76、77から水や埃が外部ケース41内に侵入することを防止する。
【0055】
図8が示すように、スイッチ83が外部ケース41に取り付けられている。スイッチ83は、エアポンプ32の駆動及び駆動停止のユーザの指示を受け付けるスイッチである。スイッチ83は、例えばオルタネート型の押しボタンスイッチであり、ユーザがスイッチ83を押し操作するたびにオンとオフとが入れ替わる。ただし、スイッチ83は、ユーザが押し操作している間だけオン状態を維持するモーメンタリ型の押しボタンスイッチであってもよい。また、スイッチ83は、トグルスイッチなど、他の種類のスイッチであってもよい。スイッチ83は、リード線やケーブル等によって制御基板80(
図10参照)と電気的に接続されている。
【0056】
吸気口キャップ35は、キャップ本体101と、キャップ本体101に装着された封止パッキン102とを備える。キャップ本体101は、吸気口部71の内壁面に設けられた雌ネジ78と螺合する雄ネジ103を有している。吸気口キャップ35は、吸気口部71に装着され、或いは吸気口部71から取り外されることにより、吸気口を構成する貫通孔79を開閉する。また、キャップ本体101に装着された封止パッキン102は、マット本体20からエアが漏れ出すことを防止する。
【0057】
吸気口キャップ35は、紐104によって外部ケース41の吸気口部71と連結されている。紐104は、吸気口キャップ35が吸気口部71から取り外された場合に、吸気口キャップ35が紛失することを防止する。
【0058】
保護キャップ36は、例えば合成ゴム成形品である。保護キャップ36は、端子窓74、75を通じてコネクタ部材73内に水や埃などが侵入することを防止する。
【0059】
図10が示すように、保護キャップ36からは、棒状の抜止体105が延出している。抜止体105の先端に膨出部106が設けられており、膨出部106が箱状部72に引っかかることによって保護キャップ36の紛失が防止される。
【0060】
内部ケース42は、取付板43の裏面45側に位置している。すなわち、内部ケース42は、マット本体20の内部に設けられている。内部ケース42は、中空の箱状である。内部ケース42は、取付板43と一体に形成されていてもよいし、取付板43とは別体として形成され、ネジや接着剤やスナップフィットなどによって取付板43に固着されていてもよい。また、内部ケース42は、外部ケース41と一体に形成されていてもよいし、外部ケース41とは別体として形成され、ネジや接着剤やスナップフィットなどによって外部ケース41に固着されていてもよい。
【0061】
内部ケース42は、隔壁48、49を内部に有している。内部ケース42の内部空間は、隔壁48、49によって、モータ収納空間91と、フィン収納空間92と、基板収納空間93との3つの空間に仕切られている。モータ収納空間91は、モータ61を収納する空間である。フィン収納空間92は、フィン62を収納する空間である。基板収納空間93は、制御基板80を収納する空間である。隔壁48には、モータ61の回転軸63が挿通される挿通孔65が設けられている。
【0062】
内部ケース42は、流路開口66を有する。流路開口66は、外部ケース41の吸気口部71に隣接している。吸気口部71及び流路開口66を通じてマット本体20の外部からフィン収納空間92にエアが流入する。
【0063】
内部ケース42は、フィン収納空間92とマット本体20の内部とを連通する複数の通気口67を側壁68に有している。フィン62が回転すると、エアは、通気口67から外部に送り出される。すなわち、エアポンプ32により、マット本体20の外部から内部にエアが給送され、マット本体20が膨らむ。
【0064】
内部ケース42は、基板収納空間93と外部ケース41の内部空間とを連通する配線開口69をさらに有している。基板収納空間93に収納された制御基板80とコネクタ部材73とは、配線開口69を通じてケーブル58によって電気的に接続されている。
【0065】
接着シート38は、取付板43とともにマット本体20を挟む部材である。接着シート38は、マット本体20に接着或いは溶着されるとともに、内部ケース42によって取付板43に押圧されている。
【0066】
接着シート38は、外部ケース41の吸気口部71が嵌め込まれた第1挿通孔39及びケーブル58が挿通された第2挿通孔40を有している。
【0067】
制御基板80は、パターン回路基板81と、パターン回路基板81に実装されたIC82やコネクタ86や抵抗やコンデンサやコイルや電池ソケット(不図示)などを有する。
【0068】
電池33は、電池ソケットに装着さている。電池33は、充放電可能な2次電池(蓄電池)である。電池33は、例えばリチウムイオン電池である。IC82は、リチウムイオン電池の充放電モジュールであって、例えばSY3501である。
【0069】
図11は、制御基板80等が実現するポンプユニット30の回路図を示す。
【0070】
図11が示す回路図における「Type-C」は、コネクタ部材73における第1ポートであり、「USB」は、コネクタ部材73における第2ポートである。以下では、「Type-C」が第1ポート87と記載され、「USB」が第2ポート88と記載されて説明がされる。第1ポート87は、特許請求の範囲に記載された「充電用入力ポート」に相当する。第2ポート88は、特許請求の範囲に記載された「モバイル端末充電用出力ポート」に相当する。
【0071】
第1通信ケーブルのUSB-Cタイプ端子(不図示)が第1ポート87に装着される。この第1通信ケーブルは、モバイル充電器やモバイルバッテリ(不図示)等の電源と制御基板80とを電気的に接続する。第1ポート87は、パターン回路基板81のパターンによってIC82の「VCC」と電気的に接続されている。モバイルバッテリは、5Vなどの直流電力をIC82に供給する。IC82は、供給された直流電力によって、電池33を充電する。すなわち、電池33は、上記モバイル端末を充電するためのモバイル充電器やモバイルバッテリを流用して充電することができる。
【0072】
第2通信ケーブルのUSB端子(不図示)が第2ポート88に装着される。この第2通信ケーブルは、上記モバイル端末と制御基板80とを電気的に接続する。第2ポート88は、パターン回路基板81のパターンによってIC82の「OUT」と電気的に接続されている。IC82は、第2ポート88を通じてモバイル端末に直流電力を供給する。すなわち、携帯エアマット10は、モバイル端末を充電することができる。携帯エアマット10に座る、或いは横たわるユーザは、モバイル端末と携帯エアマット10とを第2通信ケーブルによって接続し、モバイル端末を充電しながら使用することができる。
【0073】
第1発光ダイオード84は、赤色の光を照射する発光ダイオードであり、第2発光ダイオード85は、緑色の光を照射する発光ダイオードである。発光ダイオード84、85は、IC82と電気的にそれぞれ接続されている。IC82は、第1ポート87を通じて直流電圧が供給されており、かつ電池33の電圧値が所定値未満である場合に第1発光ダイオード84(赤色)を点灯させる。また、IC82は、第1ポート87を通じて直流電圧が供給されており、かつ電池33の電圧値が所定値以上である場合に第2発光ダイオード85(緑色)を点灯させる。上記所定値は、例えば電池33の定格電圧値である。すなわち、電池33が充電されている間は赤色LED(第1発光ダイオード84)が点灯し、電池33が定格電圧値まで充電された後は、緑色LED(第2発光ダイオード85)が点灯する。ユーザは、第1発光ダイオード84(赤色)が点灯していることによって充電中であることを認識し、第2発光ダイオード85(緑色)が点灯していることによって充電が完了したことを認識する。
【0074】
コネクタ86は、モータ61から延びるリード線59(
図10参照)の先端に設けられたコネクタ(不図示)を接続される。コネクタ86は、スイッチ83を介して電池33と接続されている。すなわち、スイッチ83がオンにされると、電池33から直流電力がモータ61に供給され、エアポンプ32が駆動される。
【0075】
図9(A)が示す保護部材37は、衝撃などからポンプユニット30を保護する部材である。保護部材37は、スポンジやゴムなど弾性を有する材料から形成される。保護部材37は、一面が開口する箱状であり、内部ケース42に被せられて内部ケース42を保護する。
【0076】
次に、携帯エアマット10の使用について説明がされる。ユーザは、家において、モバイル端末を充電するためのモバイル充電器とポンプユニット30とを第1通信ケーブルを通じて接続し、電池33を充電する。或いは、ユーザは、車両内において、車両に付設された通信ポートとポンプユニット30とを第1通信ケーブルを通じて接続し、電池33を充電する。或いは、ユーザは、公園などの屋外において、モバイルバッテリとポンプユニット30とを第1通信ケーブルを通じて接続し、電池33を充電する。すなわち、ユーザは、家や車両内や屋外などいずれの場所においても携帯エアマット10の電池33を充電することができる。なお、モバイル充電器とは、家屋に付設された商用の交流電力を直流電力に変換してモバイル端末に供給する機器であって、いわゆるDC/DCコンバータなどである。
【0077】
ユーザは、公園などにおいて、収納袋11から携帯エアマット10を取り出し、折畳状態の携帯エアマット10(
図3参照)を拡げる(
図2参照)。次に、ユーザは、縁ベルト53、54を回転させてマット本体20の延出体22を縁ベルト53、54に巻き付ける。その後、ユーザは、縁ベルト53、54を湾曲させて連結具55と連結具56とを近付けて連結させる。次に、ユーザは、吸気口キャップ35を吸気口部71から取り外した後、スイッチ83を押し、エアポンプ32を駆動させる。駆動されたエアポンプ32は、吸気口部71を通じて外部からエアを吸引し、マット本体20内へエアを給送する。エアポンプ32が駆動されることにより、マット本体20が膨らむ。マット本体20が完全に膨らむまでの時間は、エアポンプ32の性能やマット本体20内の容積による。マット本体20が完全に膨らむまでの時間は、例えば数分であって、好ましくは約2分から約3分である。例えば、マット本体20が完全に膨らむまでの時間が約2分から約3分になるように、マット本体20内の容積に応じた性能のエアポンプ32が用いられる。
【0078】
ユーザは、マット本体20が膨らんだ後(
図1参照)、吸気口キャップ35を吸気口部71に装着し、次いでスイッチ83を押してエアポンプ32の駆動を停止させる。そして、ユーザは、膨らんだ携帯エアマット10の上に座り、或いは横たわり、モバイル端末などを使用して寛ぐ。
【0079】
ユーザは、モバイル端末の充電量が低下すると、ポンプユニット30の保護キャップ36を外し、第2通信ケーブルを用いてポンプユニット30とモバイル端末とを接続する。ポンプユニット30の電池33により、モバイル端末が充電される。
【0080】
公園等から帰宅する場合、ユーザは、連結具55、56の連結を解除する。連結具55
、56の連結が解除されると、マット本体20内のエア圧により、縁ベルト53、54が回転し、延出体22の縁ベルト53、54への巻き付けが解ける。なお、ユーザが縁ベルト53、54を回転させて、延出体22の縁ベルト53、54への巻き付けを解いてもよい。延出体22の縁ベルト53、54への巻き付けが解かれると、マット本体20内のエア圧により、縁ベルト53と縁ベルト54とが離間して延出体22が開放され(
図4参照)、マット本体20内から外部へエアが流出する。すなわち、マット本体20が萎む。ユーザは、萎んだマット本体20を折り畳み(
図3参照)、収納袋11に収納する。
【0081】
[作用効果]
【0082】
本実施形態では、延出体22の選択52からエアを流出させてマット本体20からエアを抜き、排気口キャップを用いないから、当該排気口キャップの変形や劣化によるエア漏れが生じることがない。また、排気口(延出体22の先端52の開口)を大きくすることができるから、マット本体20を圧迫するなどの手間をかけることなくマット本体20からエアを素早くかつ簡単に抜くことができる。
【0083】
本実施形態では、ポンプユニット30がマット本体20の右側面部26に取り付けられているから、ポンプユニット30は、ユーザがマット本体20に座ったり横たわったりする際に支障となることがない。
【0084】
本実施形態では、ポンプユニット30に電池充電用の第1ポート87が設けられているから、ユーザは、屋内においても車内においても外出先(屋外)においても電池33を充電することができる。また、モバイル充電器やモバイルバッテリや車両などを流用して電池33の充電を行うことができる。したがって、乾電池を使用する従来のエアマットでは電池切れに備えて予備の乾電池を常に準備しなければならないが、本発明に係る携帯エアマットでは、予備の乾電池を準備する必要が無く、使い勝手が良い。
【0085】
本実施形態では、ポンプユニット30にモバイル端末充電用の第2ポート88が設けられているから、マット本体20に横たわるユーザは、モバイル端末を充電しながら当該モバイル端末を使用することができる。したがって、マット本体20上やマット本体20の近傍にモバイルバッテリを置いてモバイル端末を使用しなければならない従来のエアマットに比べ使い勝手が良くなる。
【0086】
本実施形態では、エアポンプ32は、マット本体20内に位置するから、マット本体20からのエアポンプ32の出っ張りを抑制することができる。その結果、携帯エアマット10の外観が良くなり、かつユーザの手足などがエアポンプ32に当たることを抑制することができる。また、マット本体20の延出体22からマット本体20内に手を入れることができるから、マット本体20内にあるエアポンプ32のメンテナンスを容易に行うことができる。すなわち、メンテナンスに支障を生じさせることなくエアポンプ32をマット本体20内に配置することができる。
【0087】
本実施形態では、吸気口キャップ35及び保護キャップ36により、貫通孔79(吸気口)や第1ポート87や第2ポート88から埃や水が内部に侵入することが防止される。
【0088】
本実施形態では、予備吸気口部材95がマット本体20に設けられているから、外出先においてエアポンプ32が故障した場合でも、予備吸気口部材95からマット本体20内にエアを送給してマット本体20を膨らませることができる。
【0089】
[変形例]
【0090】
本変形例では、ポンプユニット30(
図7参照)に代えて、
図12に示されたポンプユニット130が用いられた例が説明される。
図12(A)は、吸気口キャップ135が装着された状態におけるポンプユニット130の拡大斜視図であり、
図12(B)は、吸気口キャップ135及び保護キャップ136が外された状態におけるポンプユニット130の拡大斜視図である。なお、以下において、実施形態と同一の構成については、実施形態と同一の符号が付されて説明が省略される。また、以下に説明する構成以外の構成は、実施形態で説明された構成と同一である。
【0091】
図12が示すように、ポンプユニット130は、本体ケース131及びエアポンプ32(
図10参照)を備える。本体ケース131は、外部ケース141、内部ケース42(
図10参照)、及び取付板43を有する。
【0092】
外部ケース141は、取付板43に裏面を当接させて固着される連結板142と、連結板142からそれぞれ突出する吸気口凸部143及びコネクト凸部144とを有する。
【0093】
吸気口凸部143は、円筒状であって、吸気口を構成する貫通孔145を有している。吸気口凸部143は、その外周面に雄ネジ146を有している。
【0094】
コネクト凸部144は、取付板43側が開口する有底箱状である。コネクタ86(
図10参照)及びスイッチ83がコネクト凸部144内に配置されている。また、コネクト凸部144は、コネクタ86のポート87、88(
図11参照)を外部に露出させる端子窓147、148を突出面に有している。コネクト凸部144は、特許請求の範囲に記載された「凸部」に相当する。
【0095】
吸気口キャップ135は、一面が開口する有底箱状である。吸気口キャップ135は、雌ネジ150を内周面に有している。吸気口キャップ135は、連結体151によって吸気口凸部143と連結されている。
図12が示す例では、連結体151は、一端が吸気口凸部143の外周面と繋がる紐状である。連結体151の他端は、無端環状(輪っか)に形成されており、吸気口キャップ135に設けられた嵌合凸部152に嵌め込まれている。
【0096】
連結体151によって、吸気口キャップ135の紛失が防止される。また、連結体151は、吸気口凸部143の外周面と繋がっているから、連結体151がエアポンプ32によって内部に吸引されることが防止されている。
【0097】
[その他の変形例]
【0098】
エアポンプ32は、マット本体20の外側に配置されていてもよい。また、予備吸気口部材95は、マット本体20に設けられていなくてもよい。
【0099】
エアポンプ32や制御基板80やコネクタ部材73を保持する本体ケース31の構成や形状は、実施形態で説明した構成や形状に限られない。エアポンプ32や制御基板80やコネクタ部材73を保持可能であれば、他の構成や形状の本体ケースが用いられてもよい。
【0100】
上述の実施形態では、吸気口キャップ35によってマット本体20からのエア漏れを防止する例が説明された。もっとも、吸気口キャップ35に代えて、マット本体20内部から外部へのエアの流出を防止する逆止弁が本体ケース31に設けられていてもよい。
【0101】
上述の実施形態では、第2ポート88が設けられてポンプユニット30がモバイル端末を充電可能な例が説明された。もっとも、第2ポート88がポンプユニット30に設けられていなくてもよい。その場合、IC92に代えて、TP4056など、電池33の充電のみを可能なICが用いられてもよい。
【0102】
上述の実施形態では、USB-Cタイプ端子を着脱可能なポートが第1ポート87として用いられ、USB端子を着脱可能なポートが第2ポート88として用いられた例が説明された。もっとも、第1ポート87及び第2ポート88には、マイクロUSBやUSB-AタイプやUSB-Bタイプなど、他の種類の端子を着脱可能なポートが用いられてもよい。
【符号の説明】
【0103】
10・・・携帯エアマット
11・・・収納袋
20・・・マット本体
22・・・延出体
25、26・・・側面部
30・・・ポンプユニット
31・・・本体ケース
32・・・エアポンプ
33・・・電池
35・・・吸気口キャップ
36・・・保護キャップ
53、54・・・縁ベルト
55、56・・・連結具
71・・・吸気口部
73・・・コネクタ部材
79・・・貫通孔(吸気口)
80・・・制御基板
83・・・スイッチ
84、85・・・発光ダイオード
87・・・第1ポート
88・・・第2ポート
95・・・予備吸気口部材
144・・・コネクト凸部
【手続補正書】
【提出日】2023-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部が開放された可撓性を有する袋状を呈し、所定部に吸気口が設けられており、エアが抜かれた状態において折り畳み可能なマット本体と、
上記吸気口に設けられ、上記マット本体内にエアを送給するエアポンプと、
上記マット本体に取り付けられたケース内に配置されており、上記エアポンプに電力を供給する電池と、
上記端部の周縁に沿って設けられ、無負荷状態において対向して排気口となる当該端部の開口を閉塞し、上記マット本体内のエア圧によって弾性変形して当該開口を開く一対の縁ベルトと、
当該一対の縁ベルトの両端同士を着脱自在に連結する連結具とを備える携帯エアマット。
【請求項2】
上記マット本体は、エアが送給されることにより、対向する天面部及び背面部並びにこれらの周囲に連続する一対の側面部、一端部及び他端部を有する立体形状を成し、
上記一端部及び他端部のいずれか一方が上記開放された端部を構成し、
上記側面部に取付部材が設けられ、
当該取付部材は、上記吸気口を構成する貫通孔を有し、
上記エアポンプは、上記取付部材に取り付けられている請求項1に記載の携帯エアマット。
【請求項3】
上記電池は、充放電可能な2次電池であって、上記取付部材に取り付けられており、
当該取付部材は、通信ケーブル端子が挿抜される充電用入力ポートを有する請求項2に記載の携帯エアマット。
【請求項4】
上記取付部材は、モバイル端末充電用出力ポートをさらに有する請求項2または3に記載の携帯エアマット。
【請求項5】
上記エアポンプは、上記マット本体内に位置する請求項1から4のいずれかに記載の携帯エアマット。
【請求項6】
上記取付部材は、上記充電用入力ポートが設けられた凹部或いは凸部を有しており、
上記マット本体は、上記吸気口を開閉する吸気口キャップ及び上記凹部の開口或いは凸部を覆う保護キャップをさらに有する請求項3に記載の携帯エアマット。
【請求項7】
上記マット本体は、逆止弁が設けられた予備吸気口部材をさらに有している請求項1から6のいずれかに記載の携帯エアマット。