(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091667
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】分離装置
(51)【国際特許分類】
C02F 11/125 20190101AFI20230623BHJP
B30B 9/14 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
C02F11/125 ZAB
B30B9/14 B
B30B9/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206531
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 良行
【テーマコード(参考)】
4D059
【Fターム(参考)】
4D059BE26
4D059BE53
4D059CB06
4D059EB02
4D059EB20
(57)【要約】
【課題】固液分離効率を向上させる。
【解決手段】分離装置1は、対象物投入口11C、対象物排出口11A、及び分離液排出口11Bが設けられるケーシング10と、ケーシング10の内部に設けられるスクリュー軸20と、第1表面30aと第2表面30bとを有する第1スクリュー羽根30と、第1端40Aから第2端40Bまで螺旋状に延在して第3表面40aと第4表面40bとを有する第2スクリュー羽根40と、カバー部50と、を備える。カバー部50は、スクリュー軸20の外周面に対向し、かつ、螺旋状に延在し、第1表面30aと第4表面40bとの間の第1空間S1を、少なくとも第1端40Aから第2端40Bまでを覆っている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物が投入される対象物投入口、脱水した対象物が排出される対象物排出口、及び前記対象物からの分離液が排出される分離液排出口を有するケーシングと、
前記ケーシングの内部に設けられるスクリュー軸と、
前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在し、第1表面と前記第1表面の裏側の第2表面とを有する第1スクリュー羽根と、
前記スクリュー軸の外周面に、第1端から第2端まで螺旋状に延在し、前記第1スクリュー羽根の第2表面に所定間隔を有して対向する第3表面と前記第3表面の裏側の第4表面とを有する第2スクリュー羽根と、
カバー部と、を備え、
前記ケーシングは、
前記対象物投入口を基準として前記スクリュー軸の回転軸に沿う第1方向の側に前記対象物排出口を有し、
前記対象物投入口を基準として前記回転軸に沿う前記第1方向とは逆側の第2方向の側に前記分離液排出口を有し、
前記カバー部は、前記スクリュー軸の外周面に対向し、かつ、螺旋状に延在し、前記第1表面と前記第4表面との間の第1空間を、少なくとも前記第1端から前記第2端までを覆っている、
分離装置。
【請求項2】
前記第2表面と前記第3表面との間には、第2空間が形成され、
前記対象物投入口よりも前記第1方向側においては、前記第2スクリュー羽根に前記第1空間と前記第2空間を連通する隙間が形成されており、
前記対象物投入口よりも前記第2方向側においては、前記第2スクリュー羽根と、前記カバー部とが連結している、請求項1に記載の分離装置。
【請求項3】
前記第2スクリュー羽根の前記第1方向側の前記第1端には下側開口が形成されており、前記下側開口は、前記第1空間と、前記第1空間よりも前記第1方向側の空間とを連通する、請求項1又は請求項2に記載の分離装置。
【請求項4】
前記第2スクリュー羽根の前記第2方向側の前記第2端は、前記対象物投入口と前記分離液排出口との間の位置にあり、
前記第2スクリュー羽根の前記第2端には、前記ケーシング内の前記対象物投入口側の空間と前記分離液排出口側の空間とを仕切る隔壁部が設けられており、
前記隔壁部には、前記ケーシング内の前記分離液排出口側の空間と前記第1空間とを連通する上側開口が形成される、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の分離装置。
【請求項5】
前記ケーシングは、前記対象物排出口側に向かうに従って、前記ケーシング内の空間の断面積が小さくなっている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のように、2つのスクリュー羽根を設けたスクリューを回転させて、汚泥を搬送しつつ圧搾する分離装置が知られている。この分離装置は、側面に汚泥投入口が設けられたケーシングの内部に、2つのスクリュー羽根に挟まれた第1空間と第2空間を形成する。この分離装置は、第1空間で原汚泥を脱水して排出し、脱水により生じた分離液を、スクリュー羽根の外周とケーシング内周との間の間隙を介して、第1空間から第2空間に流出させて、排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/179569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
分離装置においては、固液分離効率を向上させることがより好ましい。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、固液分離効率の向上が可能な分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の分離装置は、対象物が投入される対象物投入口、脱水した対象物が排出される対象物排出口、及び前記対象物からの分離液が排出される分離液排出口が設けられるケーシングと、前記ケーシングの内部に設けられるスクリュー軸と、前記スクリュー軸の外周面に螺旋状に延在し、第1表面と前記第1表面の裏側の第2表面とを有する第1スクリュー羽根と、前記スクリュー軸の外周面に、第1端から第2端まで螺旋状に延在し、前記第1スクリュー羽根の第1表面に所定間隔を有して対向する第3表面と前記第3表面の裏側の第4表面とを有する第2スクリュー羽根と、カバー部と、を備え、前記ケーシングは、前記対象物投入口を基準として前記スクリュー軸の回転軸に沿う第1方向の側に前記対象物排出口を有し、前記対象物投入口を基準として前記回転軸に沿う前記第1方向とは逆側の第2方向の側に前記分離液排出口を有し、前記カバー部は、前記スクリュー軸の外周面に対向し、かつ、螺旋状に延在し、前記第1表面と前記第3表面との間の第1空間を、少なくとも前記第1端から前記第2端までを覆っている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、固液分離効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る分離装置の一部断面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る分離装置の模式的な拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
(分離装置の全体構成)
図1は、本実施形態に係る分離装置の一部断面図である。
図2は、本実施形態に係る分離装置の模式的な拡大断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る分離装置1は、スクリュー型分離装置であり、ケーシング10、スクリュー軸20、第1スクリュー羽根30、第2スクリュー羽根40、カバー部50、隔壁部60、投入部70、排出ポンプ71、傾斜調整部72、及び制御部73を有している。分離装置1は、後述の対象物投入口11Cからケーシング10内に投入された対象物A0を脱水して、脱水した後の濃縮対象物Aを、後述する対象物排出口11Aから排出する。そして、分離装置1は、脱水により対象物A0から分離された分離液Bを、後述する分離液排出口11Bから排出する。対象物A0は、分離装置1に脱水される前の対象物であり、本実施形態では、含水率が高い下水や工場排水等の汚泥である。対象物A0は、凝集剤が添加されて固形成分がフロック化していてもよいし、凝集剤が添加されずにフロック化されていない汚泥であってもよい。
【0011】
以下、地表G0に平行な方向、すなわち水平方向を、方向Xとする。そして、方向Xのうちの一方の方向を、方向X1とし、方向Xのうちの他方の方向、すなわちX1方向と反対の方向を、X2方向とする。また、地表G0にも直交する方向、すなわち鉛直方向を、方向Zとする。そして、方向Zのうちの一方の方向である鉛直方向の上方に向かう方向を、Z1方向とし、方向Zのうちの他方の方向である鉛直方向の下方に向かう方向を、Z2方向とする。
【0012】
(ケーシング)
ケーシング10は、軸方向である延在方向Eに沿って、一方の端部10Aから、端部10AよりもZ1方向側に位置する他方の端部10Bまで延在し、内部に空間が設けられる円錐台形状の部材である。延在方向Eは、方向Zに沿っており、ケーシング10は、鉛直方向に延在している。ただし、ケーシング10は、鉛直方向に延在することに限られず、水平方向に対して傾斜して延在していてよい。この場合、後述するスクリュー羽根(第1スクリュー羽根30および第2スクリュー羽根40)の角度が、スクリュー羽根の表面に対象物が堆積しない程度に傾斜するように、ケーシング10の傾斜角度を設定するのが好ましい。ケーシング10の水平方向に対する傾斜角(延在方向EとX方向とのなす角度)は、例えば30度以上90度以下であることが好ましく、90度であることがより好ましい。以下、延在方向Eに沿った方向のうち、端部10B側から端部10A側に向かう方向を第1方向E1とし、第1方向E1と反対方向、すなわち端部10A側から端部10B側に向かう方向を第2方向E2とする。
【0013】
ケーシング10は、中間部10Cにおける側面(外周面)に対象物投入口11Cが開口しており、対象物投入口11Cよりも第1方向E1側(Z2方向側)に対象物排出口11Aが開口しており、対象物投入口11Cよりも第2方向E2側(Z1方向側)に分離液排出口11Bが開口している。本実施形態では、ケーシング10の端部10Aに対象物排出口11Aが開口しており、ケーシング10の端部10Bに分離液排出口11Bが開口している。中間部10Cは、延在方向Eに沿ったケーシング10の中央に位置しているが、延在方向Eに沿った端部10Aと端部10Bとの間の任意の位置にあってよい。分離液排出口11Bは、ケーシング10の端部10Bに複数設けられていてもよい。分離液排出口11Bが複数設けられている場合、ケーシング10が鉛直方向に延在してケーシング10の端部10B(第2方向E2側の端面)が水平方向(ケーシング10の延在方向Eに直交する方向)に延在することにより、それぞれの分離液排出口11Bを同じ高さに位置させることができ、分離液排出口11Bから分離液を適切に排出できるため、好ましい。
【0014】
ケーシング10は、対象物投入口11C、対象物排出口11A、及び分離液排出口11B以外には、内部と外部とを連通する穴が形成されていないが、それら以外にも開口が形成されていてもよい。ただし、ケーシング10は、メッシュ及びパンチングプレートなどのスクリーンとは異なり、全域にわたり多数の開口が形成される構造ではないといえる。
【0015】
ケーシング10は、第1方向E1(対象物排出口11A側)に向かうに従って、内部の空間の、延在方向Eから見た場合の断面積が小さくなっている。本実施形態では、ケーシング10は、第1方向E1に向かうに従って径が小さくなる中空の円錐台形状となっている。対象物排出口側を窄めておくことにより、対象物を濃縮しやすくなっている。ただし、ケーシング10の形状はこれに限られず任意であり、例えば径が一定の円筒状などであってもよい。
【0016】
(スクリュー軸)
スクリュー軸20は、円柱形状であり、ケーシング10の内部に設けられて、スクリュー軸20の回転軸に沿う延在方向Eに沿って延在している。スクリュー軸20は、一方の端部20A又は他方の端部20Bの少なくともいずれかが、軸受けによって軸支持されたモータ(いずれも図示せず)に連結されている。スクリュー軸20は、このモータが制御部73によって駆動されることにより、延在方向Eを軸中心として、回転方向Rに回転される。本実施形態では、回転方向Rは、端部20B側から見て、反時計回りの方向であるが、それに限られない。
【0017】
(第1スクリュー羽根)
第1スクリュー羽根30は、一方の端部30Aから他方の端部30Bまで、ケーシング10の内部を、第2方向E2に向けて、スクリュー軸20の外周面に螺旋状に延在するよう設けられている。端部30Aは、対象物排出口11A側の端部であり、延在方向Eにおいて、対象物投入口11Cと対象物排出口11Aとの間に位置している。端部30Bは、分離液排出口11B側の端部であり、延在方向Eにおいて、対象物投入口11Cと分離液排出口11Bとの間に位置している。第1スクリュー羽根30は、対象物排出口11A側(第1方向E1側)を向く一方(鉛直方向下側)の第1表面30aと、分離液排出口11B側(第2方向E2側)を向く他方(鉛直方向上側)の第2表面30b(第1表面30aの裏側の表面)とを有する。第1スクリュー羽根30を延在方向Eに沿って貫通する仮想の直線は、延在方向Eに進むに従って、第1表面30aと第2表面30bとに交互に交差することとなる。
【0018】
第1スクリュー羽根30は、端部30Bから端部30Aに向かって、回転方向Rと反対方向に巻回されている。すなわち、回転方向Rが端部20B側から見て反時計回りの場合は、第1スクリュー羽根30は、いわゆるZ巻き(右手)の螺旋状に設けられる。反対に、回転方向Rが、端部20B側から見て時計回りの場合は、第1スクリュー羽根30は、いわゆるS巻き(左手)の螺旋状に設けられる。第1スクリュー羽根30は、スクリュー軸20回転に伴い、回転する。第1スクリュー羽根30の傾斜角度は、表面に対象物が堆積することなく滑り落ちる程度に傾斜していることが好ましく、例えば30度以上であってよい。なお、第1スクリュー羽根30の傾斜角度とは、スクリュー軸20の中心軸AXを軸方向とした場合の径方向外側に向けて第1スクリュー羽根30の内周部から外周部までを結んだ線と、径方向に沿った線とのなす角度を指す。
【0019】
第1スクリュー羽根30の外周部30cは、ケーシング10の内周面10aとは接触せず、外周部30cと内周面10aとの間には、間隙Hが形成されている。間隙Hは、濃縮対象物Aも通過可能な程度に大きく形成されていてよい。間隙Hの幅(外周部30cと内周面10aとの間の距離)は、例えば5mm以上や10mm以上であるが、それに限られず任意の大きさであってよい。
【0020】
(第2スクリュー羽根)
第2スクリュー羽根40は、ケーシング10の内部において、延在方向Eに沿ってスクリュー軸20の外周面に螺旋状に延在する。第2スクリュー羽根40は、第1スクリュー羽根30に対して、延在方向Eに沿って所定間隔を隔ててずれた位置に設けられており、第1スクリュー羽根30と同じ巻回方向で巻回されている。第2スクリュー羽根40も、スクリュー軸20の回転に伴い、回転する。第2スクリュー羽根40は、対象物排出口11A側(第1方向E1側)を向く一方(鉛直方向下側)の第3表面40a(第1スクリュー羽根30の第2表面30bに所定間隔を有して対向する表面)と、分離液排出口11B側(第2方向E2側)を向く他方(鉛直方向上側)の第4表面40b(第3表面40aの裏側の表面)とを有する。第2スクリュー羽根40を延在方向Eに沿って貫通する仮想の直線は、延在方向Eに進むに従って、第3表面40aと第4表面40bとに交互に交差することとなる。第2スクリュー羽根40の傾斜角度は、例えば30度以上であってよい。なお、第2スクリュー羽根40の傾斜角度とは、スクリュー軸20の中心軸AXを軸方向とした場合の径方向外側に向けて第2スクリュー羽根40の内周部から外周部まで結んだ線と、径方向に沿った線とのなす角度を指す。
【0021】
第2スクリュー羽根40は、一方の端部である第1端40Aから他方の端部である第2端40Bまで、螺旋状に延在する。第1端40Aは、対象物排出口11A側の端部であり、延在方向Eにおいて、対象物投入口11Cと対象物排出口11Aとの間に位置している。第1端40Aは、延在方向Eにおいて、第1スクリュー羽根30の端部30Aよりも分離液排出口11B側(第2方向E2側)に位置している。第2端40Bは、分離液排出口11B側の端部であり、延在方向Eにおいて、対象物投入口11Cと分離液排出口11Bとの間に位置している。本実施形態では、第2端40Bは、延在方向Eにおいて、第1スクリュー羽根30の端部30Bと同じ位置にあり、第2端40B、30Bが、後述の隔壁部60に接続されている。
【0022】
第2スクリュー羽根40の外周部40cは、ケーシング10の内周面10aとは接触せず、外周部40cと内周面10aと間には、間隙Hが形成されている。
【0023】
ここで、本実施形態の第1スクリュー羽根30及び第2スクリュー羽根40は、螺旋状に延在する形状であり、滑らかな曲線形状となる。ただし、第1スクリュー羽根30及び第2スクリュー羽根40は、滑らかな曲線構造でなくてもよく、例えば、平板を組み合わせた簡易な構造でもよく、2つの水路(後述の第1空間S1及び第2空間S2)を形成する任意の構造であってよい。
【0024】
(搬送促進区間と対象物搬送区間)
第1スクリュー羽根30と第2スクリュー羽根40とは以上のような位置に設けられているため、第2スクリュー羽根40の第1端40Aから第2端40Bまでの区間(以下、この区間を搬送促進区間K1とする)では、第1スクリュー羽根30と第2スクリュー羽根40との両方が設けられている。また、第2スクリュー羽根40の第1端40Aから第1スクリュー羽根30の端部30Aまでの区間(以下、この区間を対象物搬送区間K2とする)では、第1スクリュー羽根30が設けられて第2スクリュー羽根40が設けられていない。
【0025】
搬送促進区間K1は、第1スクリュー羽根30と第2スクリュー羽根40とが設けられるダブルスクリュー区間である。搬送促進区間K1は、中心軸AXを中心とした径方向から見て、少なくとも一部の区間において、対象物投入口11Cに重なるように設定されている。
【0026】
搬送促進区間K1には、分離液Bが搬送される第1空間S1と、対象物A0や濃縮対象物Aが搬送される第2空間S2とが形成される。第1空間S1は、第1スクリュー羽根30の第1表面30aと、その第1表面30aに対向する第2スクリュー羽根40の第4表面40bとの間の空間である。第1表面30aは、第1空間S1の分離液排出口11B側(第2方向E2側)に面しており、第4表面40bは、第1空間S1の対象物排出口11A側(第1方向E1側)に面している。第2空間S2は、第1スクリュー羽根30の第2表面30bと、その第2表面30bに対向する第2スクリュー羽根40の第3表面40aとの間の空間である。第2表面30bは、第2空間S2の対象物排出口11A側(第1方向E1側)に面しており、第3表面40aは、第2空間S2の分離液排出口11B側(第2方向E2側)に面している。
【0027】
第1スクリュー羽根30の第1表面30aとその第1表面30aに対向する第2スクリュー羽根40の第4表面40bとの間の、延在方向Eにおける距離(すなわち第1空間S1の延在方向における長さ)は、第1スクリュー羽根30の第2表面30bとその第2表面30bに対向する第2スクリュー羽根40の第3表面40aとの間の、延在方向Eにおける距離(すなわち第2空間S2の延在方向Eにおける長さ)よりも、短いことが好ましい。そのため、本実施形態においては、第1空間S1の容積は、第2空間S2の容積より小さい。ただしそれに限られず、第1空間S1の容積は、第2空間S2の容積と同じ、又は第2空間S2の容積よりも大きくてもよい。
【0028】
対象物搬送区間K2は、搬送促進区間K1よりも対象物排出口11A側の区間である。対象物搬送区間K2は、本実施形態では、第1スクリュー羽根30が設けられて第2スクリュー羽根40が設けられないシングルスクリュー区間であるが、例えば第1スクリュー羽根30の端部30Aと第2スクリュー羽根40の第1端40Aとが同じ位置にある場合は、第1スクリュー羽根30及び第2スクリュー羽根40の両方が設けられない区間となる。
【0029】
対象物搬送区間K2には、対象物A0や濃縮対象物Aが搬送される第3空間S3が形成される。第3空間S3は、第2方向E2側において対象物排出口11Aに連通し、第1方向E1側において、搬送促進区間K1の第1空間S1及び第3空間S3に連通する。第1空間S1と第3空間S3とを連通する開口を、以下、下側開口OP2とする。下側開口OP2は、第2スクリュー羽根40の第1端40Aに設けられた開口といえる。下側開口OP2の大きさや形状は任意である。例えば、第1空間S1と第3空間S3との間にバッフル(隔壁)が設けられておらず、第1空間S1と第3空間S3との間(第1空間S1の第3空間S3に連通する領域)の全域が開口することで下側開口OP2が形成されていてもよい。また例えば、第1空間S1と第3空間S3との間にバッフル(隔壁)が設けられており、そのバッフルに第1空間S1と第3空間S3とを連通する貫通穴が開口することで下側開口OP2が形成されていてもよい。
【0030】
(カバー部)
カバー部50は、スクリュー軸20の外周面に対向し、かつ、延在方向Eに沿って螺旋状に延在するカバーである。カバー部50は、中心軸AXを軸方向とした場合の第1空間S1の径方向外側を覆うカバーであり、第1空間S1の径方向外側の面の全域を覆う。
図1に示すように、カバー部50は、少なくとも搬送促進区間K1の全区間にわたって、すなわち少なくとも第2スクリュー羽根40の第1端40Aから第2端40Bまでにわたって、第1空間S1を覆っている。
図1の例では、カバー部50の第1方向E1側の端部は、延在方向Eにおいて第1端40Aと同じ位置にあり、カバー部50の第2方向E2側の端部は、延在方向Eにおいて第2端40Bと同じ位置にある。ただし、カバー部50が少なくとも第1端40Aから第2端40Bまでにわたって第1空間S1を覆うとは、カバー部50の第1方向E1側の端部及び第2方向E2側の端部が、延在方向Eにおいて、厳密に第1端40A及び第2端40Bと同じ位置にあることを指していることに限られない。例えば、カバー部50の第1方向E1側の端部が、第1端40Aよりも第1方向E1側に位置していてもよいし、カバー部50の第2方向E2側の端部が、第2端40Bよりも第2方向E2側まで延在していてもよい。また例えば、カバー部50の第1方向E1側の端部が,第1端40Aよりも所定距離だけ第2方向E2側に位置していてもよいし、カバー部50の第2方向E2側の端部が、第2端40Bよりも所定距離だけ第1方向E1側に位置していてもよい。ここでの所定距離は、本実施形態の効果を奏する範囲の長さであってよく、例えばスクリュー軸20の延在方向Eにおける全長に対して、5%以下の長さであってよい。カバー部50は、第1空間S1の外周に沿って螺旋状に延在する。
【0031】
図2に示すように、カバー部50は、対象物投入口11Cよりも第2方向E2側(Z1方向側)においては、第1スクリュー羽根30の外周部30cから、その外周部30cに対して延在方向Eにおいて隣り合う第2スクリュー羽根40の外周部40cまでにわたって設けられていて、第2スクリュー羽根40とカバー部50とが連結している。従って、対象物投入口11Cよりも第2方向E2側(Z1方向側)においては、第1空間S1は、第1スクリュー羽根30の第1表面30a、第2スクリュー羽根40の第4表面40b、スクリュー軸20の外周面、及びカバー部50の内周面50aで囲われた空間となり、延在方向Eにおいて隣り合う第2空間S2とは連通しない。なお、対象物投入口11Cと延在方向E(Z方向)において同じ位置においても、カバー部50は、第1スクリュー羽根30の外周部30cから第2スクリュー羽根40の外周部40cまでにわたって設けられ、第1空間S1と第2空間S2とが連通していないことが好ましい。
【0032】
図2に示すように、カバー部50は、対象物投入口11Cよりも第1方向E1側(Z2方向側)においては、第1スクリュー羽根30の外周部30cから、その外周部30cに対して延在方向Eにおいて隣り合う第2スクリュー羽根40の外周部40cに向けて延在しているが、外周部40cに接触しておらず、外周部40cとの間に隙間OP1が形成されている。隙間OP1は、カバー部50の内周面50aと第2スクリュー羽根40の外周部40cとの間に形成されているともいえる。第1空間S1は、この隙間OP1を介して、対象物投入口11Cよりも第1方向E1側において、第1方向E1側(Z2方向側)に隣り合う第2空間S2と連通している(すなわち第1空間S1の第1方向E1側の箇所と第2空間S2の第2方向E2側の箇所とが連通している)。なお、対象物投入口11Cよりも第1方向E1側においては、第2スクリュー羽根40の外周部40cは、カバー部50の内周面50aと接触することなく螺旋状に延在しているため、隙間OP1も、外周部40cと内周面50aとの間で、螺旋状に延在しているといえる。
【0033】
隙間OP1の幅(外周部40cと内周面50aとの間の距離)は、濃縮対象物Aも通過可能な程度に大きく形成されていてよい。例えば、隙間OP1の幅は、第1スクリュー羽根30の幅(第1スクリュー羽根30の内周部から外周部30cまでの距離)に対して、20%以上30%以上の長さであってよく、また例えば、5mm以上30mm以下の長さであってよいが、それに限られず任意の長さであってよい。隙間OP1の幅が小さすぎると、隙間OP1を通って第2空間S2に流入する分離液の流速が高くなり固液分離効率が低下する可能性があり、隙間OP1の幅が大きすぎても固液分離効率に対して問題はないが、隙間OP1の幅が大きすぎると第2スクリュー羽根40の幅が短くなって、第2スクリュー羽根40の機能に影響を及ぼす可能性がある。それに対して、隙間OP1の幅を上述の範囲とすることで、分離液の流速増加や濃縮対象物Aの流入量の増加を抑制して固液分離効率の低下を抑制しつつ、第2スクリュー羽根40の幅を十分に保つ(例えば隙間OP1が無い部分に対して70%以上程度)ことで、第2スクリュー羽根40の機能を適切に維持できる。
【0034】
このように、本実施形態においては、外周部40cと内周面50aとの隙間OP1により、対象物投入口11Cよりも第1方向E1側において、第1空間S1と、その第1空間S1に第1方向E1側に隣り合う第2空間S2とが連通している。ただし、第1空間S1と第2空間S2とは、隙間OP1で連通していることに限られない。例えば、対象物投入口11Cよりも第1方向E1側において、第2スクリュー羽根40に、第3表面40aから第4表面40bまで貫通する開口が形成されており、その開口によって、第1空間S1と第2空間S2とが連通してもよい。
【0035】
(隔壁部)
図1に示すように、隔壁部60は、第2スクリュー羽根40の第2端40Bに接続される板状の部材である。隔壁部60は、ケーシング10内の、隔壁部60よりも対象物投入口11C側の空間と、隔壁部60よりも分離液排出口11B側の空間とを、仕切る。具体的には、隔壁部60は、第1方向E1側の表面60aが、第1スクリュー羽根30の端部30B、第2スクリュー羽根40の第2端40B、及びカバー部50の第2方向E2側の端部に接続されている。隔壁部60は、隔壁部60よりも対象物投入口11C側の第2空間S2と、隔壁部60よりも分離液排出口11B側の空間である第4空間S4とを仕切る。
【0036】
隔壁部60には、第1空間S1と第4空間S4とを連通する上側開口OP3が形成されている。上側開口OP3は、隔壁部60の表面60aの、第1スクリュー羽根30の端部30B、第2スクリュー羽根40の第2端40B、及びカバー部50の第2方向E2側の端部に囲われた箇所から、隔壁部60の第2方向E2側の表面60bまでにわたって形成される。
【0037】
隔壁部60の外周部とケーシング10の内周面10aとは接触しておらず、隔壁部60の外周部とケーシング10の内周面10aとの間には、間隙Haが形成されている。第2空間S2と第4空間S4とは、この間隙Haを介して連通している。上側開口OP3は、間隙Haよりもよりも開口面積が大きいことが好ましい。分離液の排出量は上側開口OP3の大きさに依存するため、上側開口OP3を間隙Haより大きくすることで、分離液の排出量を向上させ、間隙Haから第4空間S4(分離液排出口11B側)への固形成分の流出を抑制して、固液分離効率を向上できる。上側開口OP3は、下側開口OP2の開口面積と等しいことが好ましく、下側開口OP2も、間隙Haよりもよりも開口面積が大きいことが好ましい。間隙Haの幅(隔壁部60の外周部とケーシング10の内周面10aとの間の距離)は、隙間OP1の幅よりも小さいことが好ましく、第1スクリュー羽根30や第2スクリュー羽根40の間隙Hよりも小さいことが好ましい。スクリュー軸20の回転に伴って隔壁部60も回転するため、間隙Haの幅は、隔壁部60が回転するのに邪魔でない程度に小さいことが好ましく、例えば、1mm以上2mm以下程度であってよい。
【0038】
投入部70は、対象物投入口11Cに接続されており、ケーシング10内への対象物A0の投入量を制御する装置である。投入部70は、例えば、開閉弁や、対象物A0を搬送するポンプなどである。
【0039】
排出ポンプ71は、対象物排出口11Aに接続されるポンプである。排出ポンプ71は、停止時には、ケーシング10の端部10Aまで移動してきた濃縮対象物Aをせき止める。また、排出ポンプ71は、駆動時には吸引することにより、ケーシング10内の濃縮対象物Aを、対象物排出口11Aから強制的に排出する。ただし、排出ポンプ71は必須の構成でなく、例えば重力により排出させてもよい。
【0040】
傾斜調整部72は、ケーシング10に取付けられて、ケーシング10の傾斜角度を変化させる。ただし、傾斜調整部72は必須の構成でなく、傾斜角度は一定であってもよい。
【0041】
制御部73は、分離装置1の動作を制御する制御装置である。制御部73は、モータによるスクリュー軸20の回転と、投入部70による対象物A0の投入量と、排出ポンプ71の動作、すなわちケーシング10内の濃縮対象物Aの排出量と、傾斜調整部72による傾斜角度と、の少なくとも1つを制御する。制御部73は、例えば、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)を有するコンピュータであり、CPUの演算により、分離装置1の動作を制御する。
【0042】
(分離装置の動作)
次に、上述のように構成された分離装置1の動作および対象物の挙動について説明する。制御部73は、投入部70を制御して、対象物投入口11Cから、ケーシング10内に対象物A0を投入する。対象物投入口11Cの位置は搬送促進区間K1に重なるため、対象物投入口11Cからの対象物A0は、搬送促進区間K1の全区間に亘って設けられたカバー部50に遮られて、第1空間S1内への流入が抑制されて、第2空間S2内に流入する。制御部73は、スクリュー軸20を回転させる。第2空間S2内に投入された対象物A0は、重力と、回転による第1スクリュー羽根30の第2表面30bとの摩擦力により、液体成分が分離されつつ、第1方向E1側に移動して、第2空間S2内を通って第2空間S2に連通する第3空間S3に流入する。第3空間S3に流入した対象物A0の固形成分は、制御部73に駆動される排出ポンプ71により、液体成分が分離された濃縮対象物Aとして、対象物排出口11Aから、ケーシング10の外部に排出される。なお、本実施形態においては、第1スクリュー羽根30及び第2スクリュー羽根40とケーシング10の内周面10aとの間隙Hが比較的大きいため、対象物A0の一部は、間隙Hを通って、重力により第3空間S3側に沈降してゆく。
【0043】
第2空間S2内では、対象物A0は、重力により、第1方向E1側(鉛直方向下方側)に、すなわち第1スクリュー羽根30の第2表面30b側に沈降する。対象物A0からは、上澄みとしての分離液Bが、対象物A0の第2方向E2側(鉛直方向上方側)に分離される。第2空間S2で分離された分離液Bは、第2空間S2の第1方向E1側(鉛直方向上方側)の隙間OP1から、第1空間S1内に流入する。第3空間S3で対象物A0から分離された分離液Bは、第3空間S3と第1空間S1とを連通する下側開口OP2から、第1空間S1内に流入する。第2空間S2や第3空間S3から第1空間S1内に流入した分離液Bは、第1空間S1内を螺旋状に第2方向E2側に移動して、上側開口OP3から第4空間S4に流入し、分離液排出口11Bから、ケーシング10の外部に排出される。対象物投入口11Cより第2方向E2側(鉛直方向上方側)では、隙間OP1が形成されておらず、第1空間S1と第2空間S2とが連通していないため、第1空間S1内の分離液Bが第2空間S2に流出することが抑制される。
【0044】
なお、第1空間S1での第2方向E2側への流れにより、固形成分である対象物A0も第3空間S3から下側開口OP2を通って第1空間S1内に侵入する可能性がある。ただし、対象物A0は、重力とスクリュー軸20の回転による第1方向E1側への流れが強く、下側開口OP2及び上側開口OP3が間隙Haよりも大きいため、第1方向E1側に押し出されて、分離液Bと共に分離液排出口11Bから排出されることが抑制される。このように固形成分である対象物A0が第1方向E1側に向かうため、分離液Bは、第2方向E2側に流れやすくなり、隙間OP1から第1空間S1内に分離液Bを流入しやすくできる。
【0045】
(本実施形態の構成1)
以上説明したように、本実施形態に係る分離装置1は、ケーシング10と、ケーシング10の内部に設けられるスクリュー軸20と、第1スクリュー羽根30と、第2スクリュー羽根40と、カバー部50とを備える。ケーシング10は、対象物A0が投入される対象物投入口11Cと、脱水した対象物A0が排出される対象物排出口11Aと、対象物A0からの分離液Bが排出される分離液排出口11BAとが設けられる。第1スクリュー羽根30は、スクリュー軸20の外周面に螺旋状に延在し、第1表面30aと第1表面30aの裏側の第2表面30bとを有する。第2スクリュー羽根40は、スクリュー軸20の外周面に第1端40Aから第2端40Bまで螺旋状に延在し、第2表面30bに所定間隔を有して対向する第3表面40aと第3表面40aの裏側の第4表面40bとを有する。ケーシング10は、対象物投入口11Cを基準としてスクリュー軸20の回転軸に沿う第1方向E1側に対象物排出口11Aを有し、対象物投入口11Cを基準として第1方向E1とは逆側の第2方向E2側に分離液排出口11Bを有する。カバー部50は、スクリュー軸20の外周面に対向し、かつ、螺旋状に延在し、第1表面30aと第4表面40bとの間の第1空間Sを、少なくとも第1端40Aから第2端40Bまでを覆っている。
【0046】
(構成1による効果)
本実施形態に係る分離装置1は、第2方向E2(鉛直方向上方)側に分離液排出口11Bがあり、第1方向E1(鉛直方向下方)側に対象物排出口11Aがあることで、対象物A0を重力沈降させることができ、第1端40Aから第2端40Bまでにわたってカバー部50が設けられることで、第1空間S1内に対象物A0が流入することを好適に抑制できる。本実施形態に係る分離装置1によると、カバー部50で仕切られた第1空間S1より鉛直方向下側の空間で対象物A0を重力沈降させつつ、対象物A0を重力沈降させる空間の鉛直方向上側に形成した第1空間S1で分離液排出口11B側に分離液を移動させることができる。これにより、第1空間S1内への対象物A0の流入を抑えつつ対象物A0を重力沈降させるため、固液分離効率を適切に向上できる。
【0047】
また、本実施形態では、対象物A0を重力沈降させるため、第1スクリュー羽根30及び第2スクリュー羽根40とケーシング10の内周面10aとの間隙Hを通過して、対象物A0が分離液排出口11B側に到達することを抑制できる。これにより、間隙Hを対象物A0が通過しないように小さくする必要がなくなる。そのため、間隙Hを小さくすることによる製造工程の複雑化を抑制して、製造を容易にすることができる。間隙Hを広くすることで、間隙Hを流れる固形成分の流速が高くなり過ぎることを抑制して、重力沈降による固液分離効率を向上させることもできる。
【0048】
(本実施形態の構成2と効果)
本実施形態に係る分離装置1は、以下説明する構成2も備えていることが好ましい。構成2では、対象物投入口11Cよりも第1方向E1(鉛直方向下方)側において、第2スクリュー羽根40に第1空間S1と第2空間S2を連通する隙間OP1が形成されている。第2スクリュー羽根40の第1端40Aから第2端40Bまでにわたって、第1空間S1を覆うカバー部50が形成されており、対象物投入口11Cよりも第1方向E1側(下方)には隙間OP1が形成され、対象物投入口11Cよりも第2方向E2側(上方)には隙間が形成されていない。従って、カバー部50によって第1空間S1内に対象物A0が流入することを抑制しつつ、対象物A0から分離された分離液Bを隙間OP1から第1空間S1に流入させることを可能として、固液分離効率を向上できる。
【0049】
(本実施形態の構成3と効果)
本実施形態に係る分離装置1は、以下説明する構成3も備えていることが好ましい。構成3においては、第2スクリュー羽根40の第1方向E1側(鉛直方向下側)の第1端40Aに下側開口OP2が形成されている。下側開口OP2は、第1空間S1と、第1空間S1よりも鉛直方向下側の空間(第3空間S3)とを連通する。本実施形態の構成3によると、下側開口OP2を形成することで、第3空間S3から第1空間S1にBを適切に流入させて、固液分離効率をより適切に向上できる。
【0050】
(本実施形態の構成4と効果)
本実施形態に係る分離装置1は、以下説明する構成4も備えていることが好ましい。構成4においては、第2スクリュー羽根40の第2方向E2側(鉛直方向上側)の第2端40Bは、対象物投入口CAと分離液排出口11Bとの間の位置にある。第2スクリュー羽根40の第2端40Bには、ケーシング10内の対象物投入口11C側の空間と分離液排出口11B側の空間(第4空間S4)とを仕切る隔壁部60が設けられている。隔壁部60には、ケーシング10内の分離液排出口11B側の空間(第4空間S4)と第1空間S1とを連通する上側開口OP3が形成される。本実施形態の構成4によると、上側開口OP3が形成される隔壁部60を設けることで、第4空間S4に固形成分が流入することを抑制しつつ、第1空間S1内の分離液Bを分離液排出口11Bから適切に排出することができる。
【0051】
(本実施形態の構成5と効果)
本実施形態に係る分離装置1は、以下説明する構成5も備えていることが好ましい。構成5においては、ケーシング10は、対象物排出口11A側に向かうに従って、ケーシング10内の空間の断面積が小さくなっている。ケーシング10の対象物排出口11A側を小さくすることで、対象物A0が堆積する箇所の空間を狭くして、対象物A0の脱水効率を向上できる。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態等の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。例えば、本実施形態に係る分離装置1に対して、上述した構成2~構成5のうち、いずれか1つの構成のみ又は任意の2以上の構成を組み合わせてもよい。さらに、前述した実施形態等の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0053】
1 分離装置
10 ケーシング
11A 対象物排出口
11B 分離液排出口
11C 対象物投入口
20 スクリュー軸
30 第1スクリュー羽根
30a、30b、40a、40b 表面
40 第2スクリュー羽根
40A、40B 端部
50 カバー部
60 隔壁部
OP1 隙間
OP2 下側開口
OP3 上側開口
S1 第1空間
S2 第2空間