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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091673
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】位置検索システムおよび位置検索方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206545
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 史郎
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BA02
5K201CC04
5K201EB07
5K201EC06
5K201ED05
(57)【要約】
【課題】検索協力者の処理負担を少なくしながら、タグを発見する街中の通信端末の個数を増やすことで、タグの発見確率を向上することができる。
【解決手段】位置検索システム1は、タグ10が発信するタグ信号を受信する通信端末30を有し、通信端末30は、通信端末30の所持者の外出時に、通信端末30の位置を検出する検出処理を実行する検出部と、タグ10から発信されたタグ信号を受信する受信処理を行う受信部と、タグ10から受信したタグ信号に含まれるタグIDと、タグ信号を受信した際の通信端末30の位置情報とをサーバ40に通知する通知処理を行う通知部と、検出部による検出処理の開始時に、受信部に受信処理を開始させるとともに通知部に通知処理を開始させ、検出部による検出処理の終了時に、受信部に受信処理を開始させるとともに通知部に通知処理を終了させる制御部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を含むタグ信号を発信するタグと、前記タグ信号を受信する第1の通信端末と、前記タグ信号を受信した第1の通信端末から情報を収集するサーバと、前記サーバから送信されたタグの位置情報を取得する第2の通信端末とを有する位置検索システムであって、
前記第1の通信端末は、
前記第1の通信端末の所持者の外出時に、前記第1の通信端末の位置を検出する検出処理を実行する検出部と、
前記タグから発信されたタグ信号を受信する受信処理を行う受信部と、
前記タグから受信したタグ信号に含まれる前記タグの識別情報と、前記タグ信号を受信した際の前記第1の通信端末の位置情報とを前記サーバに通知する通知処理を行う通知部と、
前記検出部による検出処理の開始時に、前記受信部に受信処理を開始させるとともに前記通知部に通知処理を開始させ、前記検出部による検出処理の終了時に、前記受信部に受信処理を終了させるとともに前記通知部に通知処理を終了させる制御部と、
を有し、
前記サーバは、
前記第1の通信端末から、前記タグの識別情報と前記位置情報とを収集する収集部と、
前記収集部によって収集された前記位置情報を用いて、前記タグの位置を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記タグの位置に関する情報を出力する出力部と、
を有することを特徴とする位置検索システム。
【請求項2】
前記第1の通信端末は、前記検出部による検出処理を実行させるとともに、前記検出部によって検出された位置情報を記録する位置記録アプリケーションがインストールされており、
前記第1の通信端末の所持者による前記位置記録アプリケーションに対する位置情報の記録開始を指示する第1の指示情報及び位置情報の記録終了を指示する第2の指示情報の入力を受け付ける受付部をさらに有し、
前記制御部は、前記受付部が前記第1の指示情報の入力を受け付けた場合に、前記検出部に検出処理を開始させ、前記検出部によって検出された位置情報の記録処理を開始し、前記受信部に受信処理を開始させ、前記通知部に通知処理を開始させ、前記受付部が前記第2の指示情報の入力を受け付けた場合に、前記検出部に検出処理を終了させ、前記検出部によって検出された位置情報の記録処理を終了し、前記受信部に受信処理を終了させ、前記通知部に通知処理を終了させることを特徴とする請求項1に記載の位置検索システム。
【請求項3】
前記受付部は、前記第1の通信端末の所持者が装着したウェアラブルデバイスを介して前記第1の指示情報及び前記第2の指示情報の入力を受け付けることを特徴とする請求項2に記載の位置検索システム。
【請求項4】
前記位置記録アプリケーションは、前記検出部によって定期的に検出された位置情報を基に、前記第1の通信端末の移動経路を、前記第1の通信端末の所持者の散歩経路または走行経路として記録するアプリケーションであることを特徴とする請求項2または3に記載の位置検索システム。
【請求項5】
前記検出部による検出結果または前記第1の通信端末の移動検知機能による移動検知結果を基に、前記第1の通信端末の所持者の外出の有無を判定する判定部をさらに有し、
前記制御部は、前記判定部によって前記第1の通信端末の所持者が外出したと判定された場合、前記受信部に受信処理を開始させ、前記通知部に通知処理を開始させ、前記判定部によって前記第1の通信端末の所持者の外出が終了したと判定された場合、前記受信部に受信処理を終了させ、前記通知部に通知処理を終了させることを特徴とする請求項1に記載の位置検索システム。
【請求項6】
識別情報を含むタグ信号を発信するタグと、前記タグ信号を受信する第1の通信端末と、前記タグ信号を受信した第1の通信端末から情報を収集するサーバと、前記サーバから送信されたタグの位置情報を取得する第2の通信端末とを有する位置検索システムが実行する位置検索方法であって、
前記第1の通信端末が、前記第1の通信端末の所持者の外出時に、前記第1の通信端末の位置を検出する検出処理を実行する工程と、
前記第1の通信端末が、前記タグから発信されたタグ信号を受信する受信処理を行う工程と、
前記第1の通信端末が、前記タグから受信したタグ信号に含まれる前記タグの識別情報と、前記タグ信号を受信した際の前記第1の通信端末の位置情報とを前記サーバに通知する通知処理を行う工程と、
前記検出処理の開始時に、前記受信処理を開始させるとともに前記通知処理を開始させ、前記検出処理の終了時に、前記受信処理を終了させるとともに前記通知処理を終了させる工程と、
前記サーバが、前記第1の通信端末から、前記タグの識別情報と前記位置情報とを収集する工程と、
前記サーバが、前記収集する工程において収集された前記位置情報を用いて、前記タグの位置を特定する工程と、
前記特定する工程において特定された前記タグの位置に関する情報を出力する工程と、
を含んだことを特徴とする位置検索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検索システムおよび位置検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ペット、子供、老人、貴重品の位置を推測する手段として、Bluetooth(登録商標)の規格等を用いて信号を発信するタグを利用して、ペット等の位置を推測する位置検索システムが開発されている。
【0003】
例えば、この位置検索システムでは、子供やペットに、Bluetooth規格の信号を発するタグを取り付ける。そして、この位置検索システムでは、子供の保護者またはペットの飼い主とは別の、第三者のスマートフォン等の通信端末を、タグからの信号を受信するセンサとして活用する。具体的には、この位置検索システムでは、子供またはペットに取り付けたタグからの信号を受信した近くの第三者の通信端末が、タグからの信号を受信した位置情報をサーバに通知することで、迷子となった子供またはペットの位置を、子供の保護者またはペットの飼い主に提供する。
【0004】
上記の位置検索システムの場合、タグ側には、携帯通信網と比較して省電力のBluetooth(及びBluetoothの一種であるBluetooth Low Energy)規格の通信機能を有するだけでよく、大容量のバッテリーを搭載する必要がない。結果的に、小さいタグで長時間の利用が可能となるため、子供に所持させることや、ペットに取り付けることが容易となる上に、タグへの充電も頻繁に行わなくてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-250171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、上記の位置検索システムでは、Bluetooth等の通信規格を用いたタグの位置情報管理は端末の小型化と長時間の利用が実現できるため、非常に便利であり、子供やペットが屋外で行方不明になった場合の位置情報の把握等を目的として利用が広まりつつある。
【0007】
ここで、上記の位置検索システムでは、行方不明時に、タグの位置情報を送信してくれるセンサ(通信端末)がタグの近くにないと、位置情報を把握することができない。このため、従来は、自治体等の予算で街中に位置情報を送信する通信端末を配置する方式や、市民にボランティアとして協力してもらい、専用のスマートフォンアプリケーションをインストールして起動してもらうなどの方式をとっていた。
【0008】
このうち、自治体等の予算で街中に位置情報を送信する通信端末を配置する場合、通信端末の設置コスト及び維持コストがかかってしまうという問題がある。
【0009】
また、ボランティアとして活動する市民(検索協力者)の通信端末に専用の位置検索アプリケーションをインストールして起動してもらう場合、自治体の負担はなくなるものの、異なる問題が生じる。
【0010】
位置検索アプリケーションを起動すると、市民の通信端末ではGPS(Global Positioning System)情報を取得する必要がある。このGPS機能を動作すると多くの電力を消費するため、携帯端末の電流の消費が多くなってしまい、バッテリーの消費も早く進んでしまうと問題がある。このため、ボランティアの市民に、常時、アプリケーションを起動してもらうことが難しく、結果としてボランティアの協力を得られない場合が多い。
【0011】
そこで、通信端末のバッテリー消費を低減するため、市民が外出して外を歩いている時のみ専用のアプリケーションを起動してもらい、帰宅した時点で専用のアプリケーションを終了してもらうことが考えられる。外出時には、移動している場合が多いため、通信端末がタグの信号を拾う確率も高くなる。この結果、市民の通信端末が、屋外に存在するタグの信号を受信できる可能性も高まることが期待できる。
【0012】
しかしながら、外出する時のみ専用のアプリケーションを起動し、帰宅時点でアプリケーションを終了する処理は、ボランティアの市民にとって、操作が煩雑である。このため、ボランティアの市民は、アプリケーションの起動や終了の操作をし忘れてしまうことが多く、市民が外出して外を歩いている時のみ専用のアプリケーションを起動してもらうという方式は、なかなか普及しなかった。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、検索協力者の処理負担を少なくしながら、タグを発見する街中の通信端末の個数を増やすことで、タグの発見確率を向上することができる位置検索システムおよび位置検索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の位置検索システムは、識別情報を含むタグ信号を発信するタグと、タグ信号を受信する第1の通信端末と、タグ信号を受信した第1の通信端末から情報を収集するサーバと、サーバから送信されたタグの位置情報を取得する第2の通信端末とを有する位置検索システムであって、第1の通信端末は、第1の通信端末の所持者の外出時に、第1の通信端末の位置を検出する検出処理を実行する検出部と、タグから発信されたタグ信号を受信する受信処理を行う受信部と、タグから受信したタグ信号に含まれるタグの識別情報と、タグ信号を受信した際の第1の通信端末の位置情報とをサーバに通知する通知処理を行う通知部と、検出部による検出処理の開始時に、受信部に受信処理を開始させるとともに通知部に通知処理を開始させ、検出部による検出処理の終了時に、受信部に受信処理を終了させるとともに通知部に通知処理を終了させる制御部と、を有し、サーバは、第1の通信端末から、タグの識別情報と位置情報とを収集する収集部と、収集部によって収集された位置情報を用いて、タグの位置を特定する特定部と、特定部によって特定されたタグの位置に関する情報を出力する出力部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、検索協力者の処理負担を少なくしながら、タグを発見する街中の通信端末の個数を増やすことで、タグの発見確率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施の形態1に係る位置検索システムの全体構成を示す概略図である。
図2図2は、実施の形態1におけるタグの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1に係る通信端末の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態1に係る通信端末の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態1に係るサーバの構成例を示すブロック図である。
図6図6は、位置情報記憶部が記憶するテーブルの一例を示す図である。
図7図7は、通信端末に表示される画面の一例を示す図である。
図8図8は、タグの取り付け対象を説明する図である。
図9図9は、位置検索システムの適用例を説明する図である。
図10図10は、実施の形態1に係る位置検索処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図11図11は、実施の形態2に係る通信端末の構成例を示すブロック図である。
図12図12は、実施の形態2に係る位置検索処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図13図13は、位置検索プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本願に係る位置検索システムおよび位置検索方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る位置検索システムおよび位置検索方法が限定されるものではない。
【0018】
[実施の形態1]
まず、実施の形態1について説明する。近年、通信端末のGPS(Global Positioning System)機能を利用して、外出時の通信端末の位置情報を記録する位置記録アプリケーションが提供されている。具体的には、通信端末の所持者自身の散歩やランニング、自転車の走行等の経路を記録するアプリケーション、ペットの散歩経路を記録するアプリケーション、カーナビゲーションの機能を有する位置記録アプリケーションなどである。
【0019】
これらの位置記録アプリケーションは、起動中であっても、通常はGPSによる位置情報を取得しない。そして、所持者が外出し、活動を開始する際には、所持者が位置記録アプリケーションの開始ボタン等を操作することで、位置記録アプリケーションは、通信端末のGPSを起動させて、計測した位置情報を記録する。位置記録を終了する時には、所持者が、位置記録アプリケーションの終了ボタン等を操作することで、位置記録アプリケーションは、位置測定の機能を終了させる。
【0020】
実施の形態1に係る位置検索システム1は、これらの位置記録アプリケーションと、位置検索システム1が提供する位置検索アプリケーションとを連動させる。
【0021】
まず、実施の形態1に係る位置検索システムでは、所持者の通信端末の位置記録アプリケーションに、タグからの信号を受信した場合に信号に含まれるタグのID(識別情報)(タグID)と自通信端末の位置情報とを、ネットワーク経由で、位置検索システムのサーバに通知する機能を付与する。
【0022】
そして、実施の形態1では、街中のセンサとして機能する通信端末は、位置記録アプリケーションが位置情報の測定を開始すると、タグからのID情報と自通信端末の位置情報とをサーバに通知する機能も動作させる。すなわち、この通信端末の所持者(検索協力者)が、外出時に位置記録アプリケーションの開始ボタン等を操作すると、通信端末は、位置検索アプリケーションのタグID受信処理及びタグIDと位置情報との通知処理を自動的に開始する。
【0023】
そして、実施の形態では、街中のセンサとして機能する通信端末は、位置記録アプリケーションが位置情報の測定を終了すると、タグからのID情報と端末の携帯端末の位置情報を通知する機能も終了させる。この通信端末の所持者(検索協力者)が、外出終了時に位置記録アプリケーションの終了ボタン等を操作すると、通信端末は、位置検索アプリケーションのタグID受信処理及びタグIDと位置情報との通知処理を自動的に終了する。
【0024】
[位置検索システム1の構成]
図1は、実施の形態1に係る位置検索システムの全体構成を示す概略図である。実施の形態1に係る位置検索システム1は、識別情報(例えばID)を含む信号を発信するタグ10と、タグ10の信号を受信する通信端末20,30と、各通信端末30から情報を収集するサーバ40と、を有する。
【0025】
複数の通信端末20,30とサーバ40とは、ネットワークNを介して互いに接続されており、他の装置とデータ通信を行うことが可能である。なお、図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。また、図1における通信端末30の数は一例である。
【0026】
タグ10は、例えば、Bluetoothの規格等を用いて、タグ10のID(以降、タグID)含む無線信号(タグ信号)を発信する端末である。例えば、タグ10は、ペット、子供、老人や特定の物(例えば、自転車、貴重品等)を検索対象として、この検索対象の移動に伴って移動し、例えば、定期的に信号を発信する。実施の形態1では、例えば、タグ10は、ペットに取り付けられたりすることで、検索対象と一緒に移動する。
【0027】
通信端末20(第2の通信端末)は、タグ10を管理するユーザ(例えば、ペットの飼い主、子供の保護者、タグ10に取り付けられた特定の物の所有者等)が所持する通信端末である。通信端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット、携帯電話等の通信端末である。通信端末20は、サーバ40から送信されたタグ10の位置情報を取得する通信端末である。通信端末20は、サーバ40から送信されたタグ10の位置情報を取得するほか、タグ10から発信された信号を受信してもよい。また、通信端末20は、タグ10とペアリングされていてもよい。
【0028】
通信端末30(第1の通信端末)は、例えば、街のボランティア等の検索協力者が所持する端末である。なお、このような通信端末30は、各地に配送を行う運送会社の配送員が所有していてもよい。また、通信端末30は、例えば、タグ10の位置を検索するための位置検索アプリケーションがダウンロードされており、位置検索アプリケーションの制御によって、タグ10の位置を受信・検索する処理が実行される。
【0029】
通信端末30は、位置記録アプリケーションがダウンロードされている。通信端末30では、位置記録アプリケーションの制御によって、通信端末30の位置検出機能(例えば、GPS機能)による位置検出処理、及び、位置検出処理において検出された位置情報を記録する処理が実行される。位置記録アプリケーションは、前述したように、GPS機能によって定期的に検出された位置情報を基に、通信端末30の移動経路を、通信端末30の所持者の散歩経路または走行経路として記録する。位置記録アプリケーションには、タグ10からの信号を受信した場合に信号に含まれるタグIDと自通信端末30の位置情報とを、ネットワークN経由で、サーバ40に通知する位置検索アプリケーションの機能も付与されている。
【0030】
通信端末30は、この位置記録アプリケーションと位置検索アプリケーションとを連動させて、通信端末30の所持者の外出時に、所持者による位置記録アプリケーションの操作のみで、位置検索アプリケーションの機能を自動的に立ち上げる。通信端末30は、位置記録アプリケーションが位置情報の測定を開始すると、タグからのID情報と自通信端末の位置情報とをサーバ40に通知する機能も動作させる。通信端末30は、位置記録アプリケーションが位置情報の測定を終了すると、タグからのID情報と通信端末30の携帯端末の位置情報をサーバ40に通知する機能も終了させる。
【0031】
サーバ40は、タグ10から発信された信号を受信した複数の通信端末30から、位置情報を収集し、収集した位置情報を用いて、タグ10の位置を特定し、特定したタグ10の位置に関する情報を出力する。サーバ40は、通信端末30のほか、通信端末20からも、位置情報等を収集してもよい。
【0032】
タグ10が取り付けられたペットや子供等の行方不明事件が発生した場合には、通信端末20に加え、外出中のボランティア等の検索協力者が所持する通信端末30がタグ10の信号を受信するセンサの役割を果たすため、タグ10の検索範囲が拡大する。
【0033】
例えば、通信端末30が行方不明となったペットまたは子供のタグ10の信号を受信し、タグ10のタグIDと、受信した際の通信端末30の位置情報とをサーバ40に通知することで、サーバ40がタグ10の位置情報の特定を行うことが可能となる。サーバ40は、特定したタグ10の位置情報を、例えば、ペットの飼い主または子供の保護者等が所持する通信端末20に通知する。
【0034】
[タグ10の構成]
次に、図2を参照して、タグ10の構成を説明する。図2は、実施の形態1におけるタグ10の構成例を示すブロック図である。タグ10は、電子回路と、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有する。また、タグ10は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理を行う。図2に示すように、タグ10は、タグIDを含む信号を発信する発信部11を有する。
【0035】
なお、タグ10は、タグ10自身の移動を検知した場合には、標準時の信号と比して、送信出力と送信頻度との少なくとも一方を、タグ10の移動距離に応じて上げた信号を、信号の種別を示すIDとともに発信してもよい。
【0036】
[通信端末20の構成]
次に、図3を用いて、通信端末20の構成を説明する。図3は、実施の形態1に係る通信端末の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、この通信端末20は、通信処理部21、制御部22および記憶部23を有する。以下に通信端末20が有する各部の処理を説明する。なお、図3に示す構成は、通信端末20が、タグ10から発信された信号を受信する機能を有する場合に対応する。
【0037】
通信処理部21は、各種情報に関する通信を制御する。例えば、通信処理部21は、無線通信を行って、タグ10から発信された信号を受信する。
【0038】
記憶部23は、制御部22による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。例えば、記憶部23は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。
【0039】
制御部22は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、受付部22a、受信部22b及び通知部22cを有する。ここで、制御部22は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路である。
【0040】
受付部22aは、タグ10の位置を検索するためのアプリケーション(以下、位置検索アプリケーションとする)の起動の依頼をサーバ40から受け付ける。位置検索アプリケーションは、起動依頼を確認したユーザによって起動されてもよいし、サーバ40による起動要求に応じて自動で起動してもよい。位置検索アプリケーションは、常に起動していてもよい。また、受付部22aは、位置検索アプリケーションの起動の依頼とともに、検索対象のタグ10を識別するタグIDを受け付けるようにしてもよい。
【0041】
受信部22bは、位置検索アプリケーションが起動された場合に、タグ10から発信された信号を受信する。例えば、受信部22bは、検索アプリケーションが起動されると、タグ10から発信された信号を受信する処理を開始し、タグ10と通信端末20との距離が近くなったことでタグ10から信号を受信すると、通知部22cに信号の受信を通知する。
【0042】
なお、受信部22bは、受付部22aが検索対象のタグIDを受け付けている場合には、受信した信号に含まれるタグIDが検索対象のタグIDと一致するか判定し、一致する場合にのみ通知部22cに信号の受信を通知してもよい。
【0043】
受信部22bは、タグ10から発信された信号に、例えば、信号の種別を示すIDが受信した信号に含まれている場合には、このIDから信号の種類を判定するようにしてもよい。また、受信部22bは、受信した信号の種類を判別する手法として、例えば、一定期間内に同一のタグ10から受信した信号の数から信号の種類を判定するようにしてもよい。
【0044】
通知部22cは、受信部22bによって信号が受信された場合には、信号を受信した際の自通信端末20の位置情報をサーバ40に通知する。例えば、通知部22cは、受信部22bによって信号が受信された場合には、当該信号に含まれるタグ10のタグIDとともに、自通信端末20の位置情報をサーバ40に通知する。また、通知部22cは、受信部22bによって受信された信号の種類に応じて、タグ10と自装置との距離を推定し、タグ10の位置に関する情報をサーバ40に通知してもよい。なお、位置情報は、例えば、GPSを用いて特定される自通信端末20の座標(緯度および経度)を示す情報であってもよいし、自通信端末20が接続した基地局によって特定される大まかなエリアを示す情報であってもよい。
【0045】
[通信端末30の構成]
次に、図4を用いて、通信端末30の構成を説明する。図4は、実施の形態1に係る通信端末30の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、この通信端末30は、通信処理部31、制御部32および記憶部33を有する。以下に通信端末30が有する各部の処理を説明する。
【0046】
通信処理部31は、各種情報に関する通信を制御する。例えば、通信処理部31は、無線通信を行って、タグ10から発信された信号を受信する。
【0047】
記憶部33は、制御部32による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。例えば、記憶部33は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。記憶部33は、位置検出部32cによって検出された通信端末30の位置情報33aを記憶する。
【0048】
制御部32は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部32は、受付部32a(制御部)、アプリケーション制御部32b、位置検出部32c(検出部)、受信部32d及び通知部32eを有する。ここで、制御部32は、CPUやMPUなどの電子回路やASICやFPGAなどの集積回路である。
【0049】
受付部32aは、位置記録アプリケーションの開始及び終了指示の入力を受け付ける。受付部32aは、通信端末30の所持者による位置記録アプリケーションに対する位置情報の記録開始を指示する第1の指示情報及び位置情報の記録終了を指示する第2の指示情報の入力を受け付ける。受付部32aは、通信端末30の所持者が装着したウェアラブルデバイスを介して第1の指示情報及び第2の指示情報の入力を受け付ける。
【0050】
アプリケーション制御部32bは、通信端末30にダウンロードされた位置記録アプリケーションにおける通信端末30の位置検出動作と、検出された位置を記録する動作とを制御する。アプリケーション制御部32bは、位置記録アプリケーションに付与された、タグIDと自通信端末30の位置情報とをサーバ40に通知する位置検索アプリケーションの動作も制御する。
【0051】
アプリケーション制御部32bは、位置検出部32cによる検出処理の開始時に、受信部32dにおける受信処理と通知部32eにおける通知処理とを開始させる。アプリケーション制御部32bは、位置検出部32cによる検出処理の終了時に、受信部32dにおける受信処理と通知部32eにおける通知処理とを終了させる。
【0052】
具体的に、受付部32aが第1の指示情報の入力を受け付けた場合について説明する。この場合、アプリケーション制御部32bは、位置検出部32cに、通信端末30の位置を検出する検出処理を開始させる。これとともに、アプリケーション制御部32bは、位置検出部32cによって検出された通信端末30の位置情報の記録処理を開始し、位置記録アプリケーションの位置記録処理を開始する。そして、アプリケーション制御部32bは、受信部32dにタグ10からの信号(タグ信号)を受信する受信処理を開始させる。さらに、アプリケーション制御部32bは、通知部32eに、タグ10から受信したタグ信号に含まれるタグ10のタグIDと、タグ信号を受信した際の通信端末30の位置情報とをサーバ40に通知する通知処理を開始させる。
【0053】
続いて、受付部32aが第2の指示情報の入力を受け付けた場合について説明する。この場合、アプリケーション制御部32bは、位置検出部32cに検出処理を終了させ、位置検出部32cによって検出された位置情報の記録処理を終了する。これとともに、アプリケーション制御部32bは、受信部32dに受信処理を終了させ、通知部32eに通知処理を終了させる。このように、アプリケーション制御部32bは、位置記録アプリケーションの動作処理に、位置検索アプリケーションの動作処理を連動させる制御を行う。
【0054】
位置検出部32cは、通信端末30の位置を検出する検出処理を実行する。位置検出部32cは、例えば、GPS機能を有する。位置検出部32cは、アプリケーション制御部32bの制御にしたがって、検出処理を実行することで、位置記録アプリケーションの動作時にのみ、通信端末30の位置を検出する検出処理を実行する。
【0055】
受信部32dは、アプリケーション制御部32bの制御に従って、タグ10から発信されたタグ信号を受信する。受信部32dは、アプリケーション制御部32bからタグ信号の受信処理の開始を指示されると、タグ10から発信されたタグ信号を受信する受信処理を開始する。受信部32dは、アプリケーション制御部32bの制御にしたがって、受信処理を実行することで、位置記録アプリケーションの動作時にのみ、受信処理を実行する。受信部32dは、タグ10と通信端末30との距離が近くなったことでタグ10から信号を受信すると、通知部32eに信号の受信を通知する。
【0056】
なお、受信部32dは、通信端末30が検索対象のタグIDを受け付けている場合には、受信したタグ信号に含まれるタグIDが検索対象のタグIDと一致するか判定し、一致する場合にのみ通知部32eにタグ信号の受信を通知してもよい。
【0057】
受信部32dは、タグ10から発信されたタグ信号に、例えば、信号の種別を示すIDが受信した信号に含まれている場合には、このIDからタグ信号の種類を判定するようにしてもよい。また、受信部32dは、受信したタグ信号の種類を判別する手法として、例えば、一定期間内に同一のタグ10から受信したタグ信号の数からタグ信号の種類を判定するようにしてもよい。
【0058】
通知部32eは、アプリケーション制御部32bの制御に従って、受信部32dによってタグ信号が受信された場合に、タグ信号のタグIDと、タグ信号を受信した際の自通信端末30の位置情報とをサーバ40に通知する通知処理を行う。通知部32eは、アプリケーション制御部32bの制御にしたがって、通知処理を実行することで、位置記録アプリケーションの動作時にのみ、通知処理を実行する。
【0059】
また、通知部32eは、受信部32dによって受信されたタグ信号の種類に応じて、タグ10と自装置との距離を推定し、タグ10の位置に関する情報をサーバ40に通知してもよい。なお、位置情報は、例えば、GPSを用いて特定される自通信端末30の座標(緯度および経度)を示す情報である。或いは、位置情報は、自通信端末30が接続した基地局によって特定される大まかなエリアを示す情報であってもよい。
【0060】
[サーバの構成]
次に、図5を用いて、サーバ40の構成を説明する。図5は、実施の形態1に係るサーバの構成例を示すブロック図である。図5に示すように、このサーバ40は、通信処理部41、制御部42および記憶部43を有する。以下にサーバ40が有する各部の処理を説明する。なお、図5に示す構成は、サーバ40が、通信端末30のほか、通信端末20からもタグ10のタグIDおよび位置情報を受信する機能を有する場合に対応する。
【0061】
通信処理部41は、接続される各通信端末20,30との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御する。例えば、通信処理部41は、通信端末20,30からタグ10のタグIDおよび位置情報を受信する。
【0062】
また、記憶部43は、制御部42による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、位置情報記憶部43aを有する。例えば、記憶部43は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。
【0063】
位置情報記憶部43aは、各通信端末20から収集したタグ10の位置を検索するための情報を記憶する。例えば、位置情報記憶部43aは、図6に例示するように、タグ10を一意に識別する「タグID」と、タグ10から発信された信号を受信した際の通信端末20の位置を示す「位置情報」とを対応付けて記憶する。図6は、位置情報記憶部が記憶するテーブルの一例を示す図である。
【0064】
図6の例を挙げて説明すると、例えば、位置情報記憶部43aは、タグID「A」と位置情報「位置A」とを対応付けて記憶する。これは、通信端末20,30が、タグID「A」のタグ10が発信した信号を「位置A」において受信したことを意味する。なお、図6の例では、位置情報として、位置A、位置Bと簡単に記載としているが、実際には、例えば、経度および緯度を特定する情報を位置情報として位置情報記憶部43bが記憶しているものとする。
【0065】
制御部42は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、収集部42a、特定部42bおよび出力部42cを有する。ここで、制御部42は、CPUやMPUなどの電子回路やASICやFPGAなどの集積回路である。
【0066】
収集部42aは、複数の通信端末20,30から位置情報を収集する。例えば、収集部42aは、所定の時間間隔で、位置検索アプリケーションを起動させている各通信端末20、位置記録アプリケーションの記録処理実行中の30に対して情報を通知するよう通知指示を送信することで位置情報を収集する。なお、収集部42aは、ユーザの所定の操作を行ったタイミングで通知指示を送信するようにしてもよいし、また、通知指示を送信することなく、各通信端末20,30が各自のタイミングで送信した情報を受信することで、位置情報を収集するようにしてもよい。
【0067】
特定部42bは、収集部42aによって収集された位置情報を用いて、タグ10の位置を特定する。例えば、特定部42bは、収集部42aによって位置情報が収集されるたびに、タグ10の場所の絞り込みを順次行うことで、タグ10の位置を特定する。
【0068】
出力部42cは、特定部42bによって特定されたタグ10の位置に関する情報を出力する。例えば、出力部42cは、特定部42bによって特定されたタグ10の位置に対応する地図に、タグ10が存在すると推定される範囲を示す円を付加した画像を表示するようにしてもよい。
【0069】
ここで、図7を用いて、通信端末20に表示される画面の一例について説明する。図7は、通信端末20に表示される画面の一例を示す図である。図7に例示するように、例えば、サーバ40は、地図上の「×」の地点から半径50m以内にタグ10が存在すると特定された場合には、タグ10の位置に対応する場所の地図に、「×」の地点を中心とした半径50mの円として、地図の縮尺に合わせた大きさの円を付加した画像を表示する。
【0070】
なお、出力部42cは、ペットの飼い主、子供の保護者、タグ10に取り付けられた特定の物の所有者の通信端末20のみに対してタグ10の位置に関する情報を出力する。つまり、サーバ40は、全ての通信端末20にタグ10の位置を出力するのではなく、特定のユーザの通信端末20にのみタグ10の位置を出力することで、個人情報を不特定多数に知らせることを防止することが可能である。
【0071】
[位置検索処理の一例]
次に、位置検索システム1の適用例について説明する。図8は、タグ10の取り付け対象を説明する図である。図9は、位置検索システムの適用例を説明する図である。図8に示すように、例えば、ペットD1の首輪にタグ10を取り付ける。
【0072】
図9に示すように、ボランティアの検索協力者H1,H2は、ペットの散歩開始時に、通信端末30-1,30-2にダウンロードしたペット用の散歩アプリケーションを開始させて、通信端末30-1,30-2に位置検出を開始させる(図9の(1-1),(1-2))。
【0073】
この散歩アプリケーションには、タグ10からのタグ信号を受信した場合にタグ信号に含まれるタグIDと自通信端末30-1,30-2の位置情報とをサーバ40に通知する位置検索アプリケーションの機能も付与されている。位置検索システム1では、位置記録アプリケーションの開始とともに、タグ信号の受信処理と、タグ10からのID情報と通信端末30の携帯端末の位置情報をサーバ40に通知する通信処理も開始する(図9の(1-1),(1-2))。
【0074】
ペットD1が迷子になった際は、ペットD1のタグ10からタグ信号が発信される(図9の(2-1),(2-2))。この場合、検索協力者H1,H2が、タグ10の信号発信範囲内を散歩していた場合、通信端末30-1,30-2は、タグ信号を受信することができる。通信端末30-1,30-2は、タグ信号を受信すると、タグIDと、受信した際の通信端末30-1,30-2の位置情報とをサーバ40に送信する(図9の(3-1),(3-2))。
【0075】
サーバ40は、通信端末30-1,30-2からの通知を基に、タグ10の位置を特定し、ペットD1の飼い主G1の通信端末20に、タグ10を付けたペットD1の位置情報を提供する(図9の(4))。この結果、通信端末20には、ペットD1の位置情報が地図形式で表示される(図9の(5))。
【0076】
[位置検索処理]
次に、位置検索システム1における一連の処理の流れを説明する。図10は、実施の形態1に係る位置検索処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0077】
図10に示すように、通信端末30は、第1の指示情報の入力の有無を基に、位置記録アプリケーションによる位置記録を開始するか否かを判定する(ステップS1)。通信端末30は、位置記録アプリケーションによる位置記録を開始しない場合(ステップS1:No)、ステップS1の処理に戻る。
【0078】
通信端末30は、位置記録アプリケーションによる位置記録を開始する場合(ステップS1:Yes)、通信端末30の位置の検出処理及び検出した位置情報の記録を行う(ステップS2)。そして、通信端末30は、タグ信号の受信処理を実行する(ステップS3)。
【0079】
続いて、通信端末30は、タグ信号を受信したか否かを判定する(ステップS4)。通信端末30は、タグ10からのタグIDを含むタグ信号の発信により(ステップS5)、タグ信号を受信した場合(ステップS4:Yes)、タグ信号の発信元のタグ10に、タグ信号を受信した旨を示す受信通知を送信する(ステップS6)。そして、通信端末30は、サーバ40に、タグ10のタグIDとともに、自通信端末30の位置情報をサーバ40に通知する(ステップS7)。
【0080】
サーバ40は、通信端末30による通知を基に、タグ10の位置を特定する(ステップS8)。サーバ40は、特定されたタグ10の位置に関する情報を通信端末20に送信し(ステップS9)、タグ10の位置に関する情報を通信端末20に出力させる(ステップS10)。
【0081】
通信端末30は、タグ信号を受信しない場合(ステップS4:No)またはステップS7の処理後、第2の指示情報の入力の有無を基に、位置記録アプリケーションによる位置記録を終了するか否かを判定する(ステップS11)。通信端末30は、位置記録アプリケーションによる位置記録を終了しない場合(ステップS11:No)、ステップS2の処理に戻る。
【0082】
通信端末30は、位置記録アプリケーションによる位置記録を終了する場合(ステップS11:Yes)、通信端末30の位置の検出処理及び検出した位置情報の記録を終了する(ステップS12)。そして、通信端末30は、タグ信号の受信処理を終了する(ステップS13)。
【0083】
[実施の形態1の効果]
このように、実施の形態1において、通信端末30は、通信端末30の所持者(検索協力者)が、外出時に位置記録アプリケーションの開始ボタン等を操作すると、位置検索アプリケーションのタグID受信処理及びタグIDと位置情報との通知処理を開始する。このように、通信端末30では、外出時における位置記録アプリケーションの開始により、位置検索アプリケーションのタグID受信処理及びタグIDと位置情報との通知処理が自動的に開始される。このため、通信端末30の所持者である検索協力者は、タグ10の位置検索のために、位置検索アプリケーションを起動させる必要がない。
【0084】
そして、通信端末30は、通信端末30の所持者が、外出終了時に位置記録アプリケーションの終了ボタン等を操作すると、位置検索アプリケーションのタグID受信処理及びタグIDと位置情報との通知処理を終了する。このように、通信端末30では、外出終了による位置記録アプリケーションの終了により、位置検索アプリケーションのタグID受信処理及びタグIDと位置情報との通知処理が自動的に終了される。このため、通信端末30の所持者である検索協力者は、タグ10の位置検索終了のために、位置検索アプリケーションを立ち下げる必要がない。
【0085】
このように、実施の形態1では、通信端末30の所持者は、外出する度に、位置検索アプリケーションの起動操作や終了操作を行わずともよい。実施の形態1では、外出時における所持者による位置記録アプリケーションの操作のみで、位置検索アプリケーションの機能が所持者の通信端末において自動的に立ち上がる。したがって、実施の形態1によれば、通信端末30の所持者である検索協力者の負担を増やすことなく、タグ10を発見する街中の通信端末30の個数を増やすことができ、タグ10の発見確率を向上することができる。
【0086】
[実施の形態2]
実施の形態2では、所持者の外出及び帰宅を判定する機能を通信端末に持たせ、所持者の外出及び帰宅に合わせて、位置検索アプリケーションの開始及び終了を自動的に制御する場合について説明する。
【0087】
図11は、実施の形態2に係る通信端末の構成例を示すブロック図である。実施の形態2に係る位置検索システムは、図1に示す通信端末30に代えて、図11に示す通信端末230を有する。ボランティアの街のボランティア等の検索協力者は、通信端末230を有する。
【0088】
通信端末230は、図4に示す制御部32に代えて、制御部232を有する。制御部232は、判定部232a、アプリケーション制御部232b(制御部)、位置検出部32c、受信部32d及び通知部32eを有する。
【0089】
判定部232aは、位置検出部32cによる検出結果または通信端末30の移動検知機能(例えば、通信端末230が有する加速度センサ等)による移動検知結果を基に、通信端末230の所持者である検索協力者の外出の有無を判定する。移動検知結果は、位置検出部32cによって検出された位置情報のほか、加速度センサ等のセンサ結果よりカウントされた所持者の歩数等を含む。
【0090】
例えば、判定部232aは、通信端末230の所持者の自宅、勤務先、或いは、スケジュール登録された移動先の住所を取得する。そして、判定部232aは、取得した住所より、所定距離(例えば、10m)以上の移動を検知した場合には、通信端末230の所持者が外出したと判定する。そして、判定部232aは、取得した住所に対して、所定距離(例えば、10m)以内に通信端末230が位置している場合には、通信端末230の所持者の外出が終了したと判定する。
【0091】
アプリケーション制御部32bは、判定部232aによって通信端末30の所持者が外出したと判定された場合、受信部32dに受信処理を開始させるとともに、通知部32eに通知処理を開始させる。アプリケーション制御部232bは、判定部232aによって通信端末30の所持者の外出が終了したと判定された場合、受信部32dに受信処理を終了させるとともに、通知部32eに通知処理を終了させる。
【0092】
[位置検索処理]
次に、実施の形態2に係る位置検索システムの一連の処理の流れを説明する。図12は、実施の形態2に係る位置検索処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0093】
図12に示すように、通信端末230は、位置検出結果または通信端末230の移動検知結果を基に、通信端末230の所持者が外出したか否かを判定する(ステップS21)。通信端末30は、通信端末230の所持者が外出していない場合(ステップS21:No)、ステップS21の処理に戻る。
【0094】
通信端末230の所持者が外出した場合(ステップS21:Yes)、通信端末230は、通信端末230の位置の検出処理を行う(ステップS22)。そして、通信端末230は、タグ信号の受信処理を実行する(ステップS23)。図12に示すステップS24~ステップS30は、図10に示すステップS4~ステップS10と同じ処理である。
【0095】
通信端末230は、タグ信号を受信しない場合(ステップS24:No)またはステップS27の処理後、通信端末230の所持者の外出が終了したか否かを判定する(ステップS31)。通信端末230は、通信端末230の所持者が外出中であると判定した場合(ステップS31:No)、ステップS22の処理に戻る。
【0096】
通信端末230は、通信端末230の所持者の外出が終了したと判定した場合(ステップS31:Yes)、通信端末230の位置の検出処理を終了する(ステップS32)。そして、通信端末230は、タグ信号の受信処理を終了する(ステップS33)。
【0097】
[実施の形態2の効果]
実施の形態2では、通信端末230が、通信端末230の所持者の通信端末230の所持者の外出の有無を判定し、所持者の外出に応じて、タグ信号受信処理及びタグIDと位置情報との通知処理を、自動定期に開始及び終了する。したがって、実施の形態2では、通信端末230の所持者である検索協力者の負担をさらに低減させつつ、タグ10を発見する街中の通信端末230の個数を増やすことができ、タグ10の発見確率を向上することができる。
【0098】
なお、実施の形態1,2に限らず、通信端末30,230は、通信端末30,230の所持者の外出時に通信端末30,230の位置を検出する検出処理に連動して、受信部32dに受信処理及び通知部32eに通知処理の開始及び終了が制御できればよい。
【0099】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0100】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0101】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明した通信端末20,30,230、サーバ40が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態に係る通信端末20,30,230、サーバ40が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述した位置検索プログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータが位置検索プログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかる位置検索プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録された位置検索プログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0102】
図13は、位置検索プログラムを実行するコンピュータを示す図である。図13に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU(Central Processing Unit)1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0103】
メモリ1010は、図13に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、図13に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、図13に例示するように、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、図13に例示するように、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、図13に例示するように、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0104】
ここで、図13に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の位置検索プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0105】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0106】
なお、位置検索プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、位置検索プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(WIDe Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0107】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0108】
1 位置検索システム
10 タグ
11 発信部
20,30,230 通信端末
21,31 通信処理部
22,32,232 制御部
22a,32a 受付部
22b,32d 受信部
22c,32e 通知部
23,33 記憶部
32b,232b アプリケーション制御部
40 サーバ
42a 収集部
42b 特定部
42c 出力部
232a 判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13