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▶ 濱本 員年の特許一覧

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  • 特開-水面クリーナー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091688
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】水面クリーナー
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/40 20230101AFI20230623BHJP
【FI】
C02F1/40 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206562
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】317002892
【氏名又は名称】濱本 員年
(72)【発明者】
【氏名】濱本 員年
【テーマコード(参考)】
4D051
【Fターム(参考)】
4D051AA01
4D051AA04
4D051AA06
4D051AB04
4D051DD02
4D051DD04
(57)【要約】
【課題】解決しようとする課題は、水面などの液面の油分や汚れを効率よく取り除く方法である。
【解決手段】本発明は、容器の底に穴を設けて浮力を持った蓋を設ける。この機構により蓋が弁の働きをして、容器を水面から押し込むときは蓋が閉まり水を掬い取ることができ、容器を持ち打ち上げると蓋が開き容器の水が外に出るので、きれいな水は底から元の水中に戻し、水面に浮いた油や汚れは残る。このように上下動を繰り返すことで汚れを繰り返し回収することができる。最終的にハンドルで蓋を閉めたまま容器を持ち上げて中に溜まった汚れを廃棄すればきれいな水を多量に捨てることなく汚れを回収できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実施例1にあって、容器、取手、穴、蓋、ハンドル、網を有し、水面や液面の浮遊物を除去することのできる水面、液面クリーナー。
【請求項2】
請求項1のクリーナーにあって、取手とハンドルを操作する機構を機械化して自動的に水面や液面をクリーニングできる装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水面の油分や汚れを除去するクリーナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
お風呂の水面に浮かんだ垢を取り除くときに水面器を半分沈めて水面に浮いた油分や垢を水面器の中に流れ込ませるときれいに除去できる。しかし、水面との高さの差が必要なので一度水がたまるとたまった水を全部捨てて容器を空にしてから再度行わなければならない。そのため少量の油分や汚れを回収するときに流れ込んだ水を無駄に捨ててしまうことになってしまう。
【0003】
このように日常的に行っている洗面器や杓子などを水面や液面下に沈めて容器内部と液面の落差を利用して汚れを回収する方法は液面の汚れをうまく除去する方法として有効であるが、回収できる量は少量でも水や液体を多量に捨てなければならない。
【0004】
この方法で汚れを除去したときに水や液体を多量に捨てずに汚れを取り除ければ水面や液面をクリーニングする装置として有用と考えられる。水や液体が貴重である場合には無駄に捨てられないので、浮遊した汚れを除去することができれば特に有用である。
【0005】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】なし
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする課題は、水面などの液面の油分や汚れを効率よく取り除く方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の水面クリーナーは容器01、穴03、蓋04、取手02、ハンドル06、網14によって構成されている。容器は洗面器、杓子などの水を汲み取る容器ならば何でもよい。容器の底面に穴03を設け、この穴を外側から塞ぐ蓋04を設ける。蓋は木板、プラ板、空洞の材料などの水に浮く材料を用い、蓋は蝶番やそれに類する構造によって開閉できるようにする。本発明では軸05を設けて開閉させており、この蓋と容器との接触面は水が漏れないように密閉構造にする。必要によってはOリングを用いて気密性を持たせる。すなわちこの蓋と穴は弁のように作動する。穴の代わりに逆止弁を用いることもできる。
【0010】
取手02は容器を持ちやすいようにすれば何でもよい。取手02の下にはハンドル06がある。ハンドル06はハンドル支持具07によって容器に支持され上下動できるようになっている。ハンドル06は蓋04が開かないようにするためのものでハンドルを上げると蓋04が開かなくなる。容器01を持ち上げる際にハンドル06から持つことで容器01の蓋04が閉じたままになるので容器の中に溜まった油分12と溜まった水13を溢さずに持つことができる。
【0011】
このクリーナーを使用する方法としては、取手02をもって容器01を水中に押し込むと蓋04の浮力で穴が塞がるように働くので密閉された容器と同じ状態になる。容器01の上面を水面よりわずかに沈めると水面の水が容器の中に流入する。その時に水面に浮いた油分も一緒に流入する。
【0012】
これは油分10が水面上で水平方向に広がる力を持っているので水面の水を容器に取り込めば表面の油分が連続的に流れ込み油分10を回収できる。水面に浮いた汚れ09も油分と一緒に容器の中に流れ込む。流入水11はそれを表しておりこの流れに乗って油10と汚れ09も同時に回収できる。この状態を保つと流入水11によって容器01に水が満たされる。
【0013】
水が容器01に溜まると従来の容器ならば水と汚れを同時に捨てて容器を空にしてから引き続きクリーニングを行うが、本発明では水を汚れを一緒に捨てるのではなく底面の穴から溜まった水13を排出する。
【0014】
その方法は、容器01の中に水が入っている状態で容器持ち上げると水の重量によって蓋が開き、水が穴から流出する。外に出る水の量は引き上げる高さで決まるので容器01の内部の水面に浮いた油分や汚れが外に出ない容器を持ち上げる高さ18まで容器を持ち上げるとよい。その時に油以外のゴミなどが流れ出ないように網を設けている。
【0015】
持ち上げた後はもう一度容器を沈ませると蓋が閉まるので再び水を上面から流入させて汚れを回収する(図3-22)。これを何度も繰り返して油分など回収する。汚れなどが十分に溜まった後はハンドル引き上げて容器を持ち上げる23。ハンドルから持ち上げると中にたまった汚れを溢さずに持ち上げられる。廃棄する時は取手に持ち替えてハンドルを開放すると内部の液を排出する27。この方法を用いれば油や汚れと同時に捨てる水をなるだけ少量にして汚れなどを回収することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、水によってお風呂に浮いた垢や油分、髪の毛などを、お湯を無駄に捨てずに回収することができる。これは風呂のみならず、鍋のあく取り、水槽、プール、貯水池、タンク、湖、海など広い範囲で、水だけでなく色んな種類の液体に適用できる。この発明によって液面に浮遊した不要な物質を選択的に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の実施例としての全体図である。
図2図2は本発明の容器を持ち上げる時の説明図である。
図3図3は本発明の容器を押し下げる時の説明図である。
図4図4は本発明の汚れを取り出す時の説明図である。
図5図5は本発明の汚れを排出する時の説明図である。
図6図6は本発明のハンドルを下げた時の側面図である。
図7図7は本発明のハンドルを上げた時の側面図である。
図8図8は本発明の容器を下から見た底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は穴の開いた容器、蓋、取手、ハンドル、から構成されている。その構造と使用形態を図によって説明する。
【実施例0019】
図1に第1実施例を示す。図1は本発明のクリーナーを用いて水面上の汚れを除去している状態を表している。この状態では蓋04の浮力によって蓋04が容器01に張り付いた状態となり容器の底の穴03から水は入らないので、容器01を沈めて容器上部がわずかに水面の下に来る状態を保つと水面の表面の水を容器内に流入させることができる。
【0020】
図2には容器の中に水がいっぱいになった状態から水を排出する様子を表している。水が溜まった状態から取手02を持って容器01を持ち上げると水の重さが蓋04の内側から外側に向かってかかるので蓋04が開き、持ち上げた高さ分の水が穴03から排出される。
【0021】
排出する時には水の流れが生じるのでゴミなどは穴に吸い込まれて外に排出してしまう。そのためゴミが外に出ないように網14を設けている。ゴミだけでなく水面の油分も流れに乗って流れ出ないように穴03の大きさは底面の面積と同じサイズが望ましい。本図では底面よりも小さい穴サイズなので容器を持ち上げる際にはゆっくりと持ち上げてなるだけ流れが生じないようにする。
【0022】
図3は水を排出した後に再び容器01を水中に押し沈めた状態を表しており、この状態で容器の上面を図1のように水面よりわずかに沈めると水が流入して再び油分やゴミを回収できる。
【0023】
この図2図3を何度も繰り返すことで水面の汚れを容器にたくさん取り込める。そうすることで容器の中の水は少量で油分や汚れの多量に回収することができ、この状態で容器の中の水と一緒に捨てれば無駄に捨てる水の量を少なくすることができる。
【0024】
容器の中の水を水15から取り出す時には容器のハンドル06を持って容器を持ち上げることで蓋が開かないようにすることができる。図4はその状態を表している。容器は取手だけを持ち上げると蓋は自由に開閉でき、ハンドルから持ち上げると蓋を閉めたまま容器を持ち上げることができるので、図4の様にハンドルから持ち上げるだけで容器01に回収した油や汚れを水(15)の中から取り出すことができる。
【0025】
更に回収した汚れの廃棄場所に容器01を持っていき図5のようにハンドルを緩めることで蓋を開き回収した汚れを外に排出する。
【0026】
以上のような作用によって水面に浮いた油分やゴミを回収して、取り除くことができる。水面のみならずあらゆる液体の液面に浮遊した不要成分を取り除くことに有用である。また、本実施例ではハンドルを用いて蓋を閉じた状態で持ち上げる機構としているが、その他の蓋を閉めながら持ち上げる方法ならば何でも適用できる。
【0027】
更に取手の上下動とハンドルの上下動を機械操作によりPLCなどを用いて自動化することで自動的に浮遊物を除去する装置が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、液面に浮遊した不要な物質を選択的に除去する方法であり広範囲で色んな種類の液体に対して利用が可能である。生活用具として、風呂掃除、料理の鍋のあく取りなど。製造業として工場内の各種タンクの液面クリーニング装置。清掃装置として水槽、プール、貯水池、タンクなど。環境保全装置として湖、海などが考えられる。
【符号の説明】
【0029】
01.容器
02.取手
03.穴
04.蓋
05.軸
06.ハンドル
07.ハンドル支持具
08.水面
09.汚れ
10.油分
11.流入水
12.溜まった油分
13.溜まった水
14.網
15.水
16.容器を持ち上げる前の水面
17.容器を持ち上げた後の水面
18.容器を持ち上げる高さ
19.水の流れ
20.容器を押し下げる高さ
21.容器を押し下げる前の水面
22.浮力で閉まった蓋
23.ハンドルを持ち上げた状態
24.持ち上げ位置
25.閉じた位置
26.解放したハンドル
27.油分や汚れの排出
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8