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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091763
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】文字盤を製造するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/06 20060101AFI20230623BHJP
   G04B 19/10 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
G04B19/06 A
G04B19/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022200994
(22)【出願日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】21216095.6
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519195497
【氏名又は名称】ルバテル・エ・ワイエルマン・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・エンジスト
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク・ジャンルノー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】文字盤を製造するためのプロセスを提供すること。
【解決手段】本発明の態様は、文字盤4の可視面上に少なくとも1つのパターンを備える腕時計の文字盤を製造するためのプロセスに関し、前記プロセスは、-文字盤ブランクを備える支持プレートを設計するステップであって、このステップは、支持プレートの本体の厚さ内に、いくつかの貫通孔を生成することを備え、前記貫通孔は、そのようなプレートにおいて、文字盤ブランクの縁部を画定する、設計ステップと、-前記文字盤ブランクの可視面上に少なくとも1つのパターンを生成するステップとを備え、ステップ中、金型内への、外部部品要素を備えるこの支持プレートの配置、および、文字盤ブランクの可視面上への、各パターンのブランクの構築のみならず、パターンのブランクの仕上げが実行される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字盤(4)の可視面(21a)上に少なくとも1つのパターン(10)を備える腕時計(100)の前記文字盤(4)を製造するためのプロセスであって、前記プロセスは、
- 文字盤ブランクを備える支持プレートを設計するステップ(25)であって、前記ステップは、支持プレートの本体の厚さ内に、いくつかの貫通孔を生成することを備え、前記貫通孔は、前記支持プレートにおいて、前記文字盤ブランクの縁部を画定する、設計ステップと、
- 前記文字盤ブランクの可視面上に少なくとも1つのパターンを生成するステップ(29)であって、前記ステップ(29)中、
・ 第1の部品および第2の部品の可逆的組立てによって形成される金型内への、外部部品要素を備える前記支持プレートの配置(33)であって、前記配置ステップは、少なくとも1つの刻印を含む前記第1の部品を、前記文字盤ブランクの前記可視面に関連付けることによって、前記金型内に少なくとも1つのキャビティを形成するサブステップを備える、配置と、
・ 前記文字盤ブランクの前記可視面上への、各パターンのブランクの構築(37)であって、前記ステップは、前記キャビティの入口オリフィスを設けられ、前記文字盤ブランクに配置された貫通開口部を介して、前記キャビティ内に注入可能材料を注入することによってオーバモールドするサブステップを備える、構築と、
・ 前記可視面上にオーバモールドされたパターンの少なくとも1つのブランクを設けられた前記文字盤ブランクを備える前記支持プレートから、前記金型を除去するサブステップ(45)を備える前記パターンの前記ブランクの仕上げ(42)とが実行される、生成ステップとを備える、プロセス。
【請求項2】
前記仕上げステップ(42)は、前記仕上げステップ(42)の以下のサブステップ、すなわち、
- 前記金型(2)の前記第2の部品(8b)から前記第1の部品(8a)を取り外すサブステップ(44)、または、
- 除去するサブステップ(45)のうちの1つを実行した後、前記文字盤ブランク(4)上にオーバモールドされた前記ブランク(20)のすべてまたは一部にコーティングを適用するサブステップ(43)を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記設計ステップ(25)は、前記文字盤ブランクの厚さ内に、少なくとも1つの貫通開口部(18a)および少なくとも1つのブラインド開口部(18b)を作成するサブステップ(26b)を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記設計ステップ(25)は、前記文字盤ブランクの上面上に少なくとも1つのコーティングを適用するサブステップ(27)を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記配置ステップ(33)は、前記文字盤ブランク(4)を備える前記支持プレート(3)との前記第2の部品(8b)の可逆的組立てサブステップ(34)を備え、前記サブステップ(34)は、前記第2の部品(8b)に配置された注入回路(9)の一端と、前記文字盤ブランク(4)の前記貫通開口部(18)の入口オリフィスとの接続段階(35)を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記除去サブステップ(45)は、前記文字盤ブランク(4)を前記第2の部品(8b)に接続する注入点(22)を破壊する段階(47)を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記オーバモールドサブステップ(38)は、特に、前記キャビティ(7)内に注入可能材料を注入する段階(39)の開始前から、この材料の注入段階(39)の終了までに至る期間中、またはこの注入段階(39)のこの終了後、前記金型(2)の温度を調節する段階(41)を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記オーバモールドサブステップ(38)は、前記キャビティ(7)内に前記注入可能材料を注入する前記段階(39)の前に、前記キャビティ(7)を排気する段階(40)を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
適用サブステップ(43)は、前記文字盤ブランク(4)上にオーバモールドされた前記パターン(10)の前記ブランク(20)の可視外面上に装飾的材料および/または機能的材料を堆積させる段階(46)を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
製造される前記少なくとも1つのパターン(10)に対して、少なくとも1つの元の部品を使用して、前記第1の部品(8a)に少なくとも1つの刻印(5)を準備するステップ(30)を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
請求項1に記載のプロセスを実施する可視面(21a)上に、少なくとも1つのパターンを備える腕時計(100)の文字盤(4)を製造するためのシステム(1)であって、前記システム(1)は、
- 前記文字盤ブランク(4)を備える支持プレート(3)を設計するためのデバイス(17b)と、
- 前記文字盤ブランク(4)の支持プレート(3)を受け入れるように構成された、第1の部品(8a)および第2の部品(8b)の可逆的組立てによって形成される金型(2)とを備え、前記金型(2)は、少なくとも1つの刻印(5)を含む前記第1の部品(8a)を、前記文字盤ブランク(4)の前記可視面(21a)に関連付けることによって形成される少なくとも1つのキャビティ(7)を備え、各キャビティ(7)は、注入可能材料を前記可視面(21a)上に注入することにより、オーバモールドから前記パターン(10)のブランク(20)を生成することを助ける、システム(1)。
【請求項12】
請求項1に記載の前記プロセスを使用して、前記可視面(21a)上に生成できる少なくとも1つのパターンを備える腕時計の文字盤。
【請求項13】
請求項12に記載の文字盤(4)を備える腕時計(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計のガラス/水晶に面して配置されることを意図された文字盤の表面に含まれる少なくとも1つのパターンを設けられた、腕時計のこの文字盤を製造するためのプロセスおよびシステムに関する。
【0002】
本発明は、このパターンを備える文字盤にも関する。
【0003】
本発明はまた、そのような文字盤を含む腕時計にも関する。
【背景技術】
【0004】
文字盤を製造するプロセスは、一般に、アップリケを生成する前に、この文字盤の可視面の機械加工作業を備える。そのようなアップリケは、多くの場合、転写、またはシルクスクリーン、または文字盤の底面の成形作業を使用して生成される。そのようなアップリケを生成するために、金属プレートの打ち抜き/機械加工作業に続いて、この文字盤の可視面に接着剤を使用することもできる。
【0005】
しかしながら、これらプロセスによって提案された解決策は、特に、美的外観、機械加工作業に起因する欠陥や傷がないこと、および堅牢性である文字盤製造要件基準に関して依然として不十分である。
【0006】
この文脈において、上記の欠点を有していない代替解決策を開発する必要があることが理解される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、高い多用性および耐久性を備えた高品質な腕時計の文字盤を製造するためのプロセスおよびシステムを提案することにより、上記の欠点のすべてまたは一部を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は、文字盤の可視面上に少なくとも1つのパターンを備える腕時計の文字盤を製造するためのプロセスに関し、前記プロセスは、
- 文字盤ブランクを備える支持プレートを設計するステップであって、このステップは、支持プレートの本体の厚さ内に、いくつかの貫通孔を生成することを備え、前記貫通孔は、そのようなプレートにおいて、文字盤ブランクの縁部を画定する、設計ステップと、
- 前記文字盤ブランクの可視面上に少なくとも1つのパターンを生成するステップであって、このステップ中、
・ 第1の部品および第2の部品の可逆的組立てによって形成される金型内への、外部部品要素を備えるこの支持プレートの配置であって、前記配置ステップは、少なくとも1つの刻印を含む第1の部品を、文字盤ブランクの可視面に関連付けることによって、この金型内に少なくとも1つのキャビティを形成するサブステップを備える、配置と、
・ 文字盤ブランクの可視面上への、各パターンのブランクの構築であって、前記ステップは、前記キャビティの入口オリフィスを設けられ、前記文字盤ブランクに配置された貫通開口部を介して、キャビティ内に注入可能材料を注入することによってオーバモールドするサブステップを備える、構築と、
・ 可視面上にオーバモールドされたパターンの少なくとも1つのブランクを設けられた文字盤ブランクを備える支持プレートから、前記金型を除去するサブステップを備えるパターンのブランクの仕上げとが実行される、生成ステップとを備える。
【0009】
他の実施形態では、
- 仕上げステップは、金型の第2の部品から第1の部品を取り外すサブステップを実行した後、文字盤ブランク上にオーバモールドされた前記ブランクのすべてまたは一部にコーティングを適用するサブステップを備え、
- 仕上げステップは、除去するサブステップを実行した後、文字盤ブランク上にオーバモールドされた前記ブランクのすべてまたは一部にコーティングを適用するサブステップを備え、
- 設計ステップは、文字盤ブランクの厚さ内に、少なくとも1つの貫通開口部および少なくとも1つのブラインド開口部を作成するサブステップを備え、
- 設計ステップは、この文字盤ブランクの上面上に少なくとも1つのコーティングを適用するサブステップを備え、
- 前記配置ステップは、文字盤ブランクを備える支持プレートとの第2の部品の可逆的組立てサブステップを備え、前記サブステップは、この第2の部品に配置された注入回路の一端と、文字盤ブランクの貫通開口部の入口オリフィスとの接続段階を備え、
- 前記除去サブステップは、前記文字盤ブランクを第2の部品に接続する注入点を破壊する段階を備え、
- オーバモールドサブステップは、特に、キャビティ内に注入可能材料を注入する段階の開始前から、この材料の注入段階の終了までに至る期間中、またはこの注入段階の終了後、前記金型の温度を調節する段階を備え、
- オーバモールドサブステップは、このキャビティ内に注入可能材料を注入する段階の前に、前記キャビティを排気する段階を備え、
- 適用サブステップは、文字盤ブランク上にオーバモールドされたパターンのブランクの可視外面上に装飾的材料および/または機能的材料を堆積させる段階を備え、
- プロセスは、製造される前記少なくとも1つのパターンに対して、少なくとも1つの元の部品を使用して、第1の部品に少なくとも1つの刻印を準備するステップを備える。
【0010】
本発明はまた、このプロセスを実施する文字盤の可視面上に、少なくとも1つのパターンを備える腕時計の文字盤を製造するためのシステムに関し、このシステムは、
- 文字盤ブランクを備える支持プレートを設計するためのデバイスと、
- 文字盤ブランクの支持プレートを受け入れるように構成された、第1の部品および第2の部品の可逆的組立てによって形成される金型であって、この金型は、少なくとも1つの刻印を含む第1の部品を、文字盤ブランクの可視面に関連付けることによって形成される少なくとも1つのキャビティを備え、各キャビティは、注入可能材料を前記可視面上に注入することにより、オーバモールドからパターンのブランクを生成することを助ける、金型と、を備える。
【0011】
本発明はまた、前記プロセスを使用して、可視面上に生成できる少なくとも1つのパターンを備える腕時計用の文字盤に関する。
【0012】
本発明はまた、そのような文字盤を備える腕時計にも関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の他の目的、利点、および特徴は、以下に挙げる添付の図面を参照して行われる以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態による、少なくとも1つのパターンを設けられた腕時計の文字盤を製造するためのシステムの図である。
図2図2は、本発明の実施形態による、少なくとも1つのパターンを設けられた文字盤を製造するためのプロセスに関する論理図である。
図3図3は、本発明の実施形態による、システムの金型の一部の断面図である。
図4図4は、本発明の実施形態による、腕時計の文字盤ブランクを備える支持プレートの図であって、可視面上にオーバモールドされた、アップリケのようないくつかのパターンブランクを設けられた、この文字盤ブランクの可視面を見ることができる図である。
図5図5は、本発明の実施形態による、腕時計の文字盤ブランクを備える支持プレートの図であって、図示されていない金型の第2の部品によって本質的に形成されたスプルーに接続された、この文字盤ブランクの隠蔽面を見ることができる図である。
図6図6は、本発明の実施形態による、金型内に形成された文字盤ブランクおよびスプルーを備える支持プレートの側面図である。
図7図7は、本発明の実施形態による、文字盤ブランクにオーバモールドされたパターンブランクの異なる代替実施形態の断面図である。
図8図8は、本発明の実施形態による、文字盤ブランクにオーバモールドされたパターンブランクの異なる代替実施形態の断面図である。
図9図9は、本発明の実施形態による、少なくとも1つのパターンを設けられた文字盤を備える腕時計を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、少なくとも1つのパターンを設けられた腕時計の文字盤を製造するためのシステム1の概略図を示す。図1図3図4から図9に表されるこのパターン10は、この文字盤4の(または、この文字盤の製造のために使用される文字盤ブランクの)上面とも呼ばれる可視面21a上、すなわちこの文字盤4がこの部品100に取り付けられたとき、腕時計100の装着者が見ることができる面21a上に生成される。文字盤4のこの面21aは、たとえば、この要素4が文字盤である場合、この可視面21aの反対側にある、この文字盤4の他の面21bとは異なり、腕時計100に嵌め込まれたときに知覚される可能性を称して「可視」と呼ばれる。
【0016】
そのようなシステム1は、腕時計100のすべてまたは一部の部品の製造に専用の自動組立設備(または自動組立ライン)内で実施することができる。そのような状況において、このシステム1は、この自動組立設備内で少なくとも1つのパターン10を備える外部部品要素4の製造および確実な分配に役立つ。
【0017】
腕時計100は、ともに組み立てられた外部部品要素4と時計構成要素(図示せず)とからなる。この文脈において、外部部品要素4は、腕時計100が、装着者としても知られるユーザによって装着されたときに、腕時計100の可視または観察可能な要素となることができる。時計構成要素に関して言えば、外部部品要素4は、時計ムーブメントを形成する要素、この腕時計100に含まれる接合部および/またはリングを、非制限的かつ非網羅的に備える。したがって、これら条件下では、各文字盤4は、時計ムーブメントを取り囲み、腕時計にその外観、視覚的魅力、およびスタイルを与える腕時計100の要素の中にあることが理解される。たとえば、この文字盤4は、非限定的および非網羅的に、文字盤、フランジ、ベゼルなどとできる。
【0018】
図9を参照して説明される実施形態では、文字盤4は、ここでは腕時計100の文字盤であり、パターン10は、この文字盤のアップリケであることに留意されたい。
【0019】
上述したように、この文字盤4は、(図4から図8において見える)可視面21aの反対側の面である、底面とも呼ばれるいわゆる隠蔽面21bも備える。
【0020】
図1および図3を参照して示すように、このシステム1は、非網羅的かつ非限定的に、
- 少なくとも1つの文字盤ブランク4を備える支持プレート3を受け入れることができる、第2の部品8bとの第1の部品8aの可逆的組立てによって形成される金型2と、
- 注入可能材料をこの金型2に注入するためのデバイス11と、
- 文字盤ブランク4上にオーバモールドされたパターン10のブランクにコーティングを適用するためのデバイス12であって、文字盤ブランク4の可視面21a上にオーバモールドされた前記ブランク20にコーティングを適用して、パターン10のこのブランク20の仕上げを助けるデバイス12と、
- 製造されるパターン10に関して、元の部品、すなわち「マスタ」部品を設計するために、特に紫外線投影光リソグラフィ、深紫外(DUV)投影光リソグラフィ、液浸リソグラフィ、二重露光リソグラフィ、極紫外線リソグラフィ、および/またはナノインプリントリソグラフィであるリソグラフィ技法を特に実施する、デバイス13と、
- 元の部品から前記少なくとも1つのパターン10を準備するために、特にNiシムまたはBMG複製技法を実施する、デバイス14と、
- 前記金型2を排気するためのデバイス15、および/または、この金型2の内部の温度を調節するためのデバイス16と、
- 少なくとも1つの文字盤ブランク4の支持プレート3を除去して金型2内に配置するためのデバイス17aと、
- 支持プレートを設計するためのデバイス17bとを備える。
【0021】
この構成では、支持プレートを設計するためのデバイス17bは、
- 支持プレートの本体の厚さ内に、いくつかの貫通孔を生成するためのモジュールであって、前記貫通孔は、そのようなプレートにおいて、文字盤ブランクの縁部を画定する、生成するためのモジュールと、
- 文字盤ブランクの厚さ内に、少なくとも1つの貫通開口部18aおよび少なくとも1つのブラインド開口部18bを作成するためのモジュールと、
- この文字盤ブランクの上面上に、少なくとも1つのコーティングを適用するためのモジュールとを備える。
【0022】
このデバイス17bにおいて、適用モジュールは特に、この装飾的材料および/または機能的材料を放出するための機関、および/または、そのような材料を気化させるための機関、および/または、そのような材料を含むコーティング/フィルムを気化させるための機関を設けられる。このモジュールは、PVD、ラッカー塗装、またはセルロースニス塗りによっても、この適用を実行できることに留意されたい。
【0023】
システム1では、この金型2は、第2の部品8bとの第1の部品8aの組立てによって形成される台を備え、文字盤ブランク4を備える支持プレート3を配置することができる。プレート3は、単一の文字盤ブランク4、または代わりにいくつかの外部部品要素4を備えることができることが理解される。
【0024】
この金型2では、第2の部品8bは、そのような支持プレート3を受け入れるように構成された受入面を備える。より具体的には、支持プレート3は、文字盤ブランク4の隠蔽面21bが、この受入面のすべてまたは一部と対向または接触するように、第2の部品8bの受入面に取り付けられる。この構成では、文字盤ブランク4の可視面21aは、その一部について、第1の部品8aの内面に面し、接触している。言い換えれば、支持プレート3、したがって文字盤ブランク4は、この金型2の第1の部品8aと第2の部品8bとの間に挟まれながら、この金型2の台に配置される。
【0025】
金型2のこの第1の部品8aの内面は、文字盤ブランク4の可視面21a上にオーバモールドされるパターン10に関して、単一の刻印5または複数の刻印5をおのおの備えることができる。これら刻印5はおのおの、第1の部品8aのこの平坦な内面に画定された中空形状を有する。
【0026】
文字盤ブランク4の可視面21aは、オーバモールドゾーン6とも呼ばれるゾーン6を備え、このゾーン6は、パターン10の前記ブランク20の設計に寄与するように、注入可能材料が注入されるキャビティ7を前記刻印5で形成するように画定される。このキャビティ7は、前記ブランク20の最終形状を画定し、したがって、刻印5と、文字盤ブランク4の可視面21aの対応するゾーン6との協働によって生成されるパターン10の最終形状を画定する。したがって、この構成では、このゾーン6は、第1の部品8aと文字盤ブランク4とがともに組み立てられるとき、前記刻印5に面して配置される。金型2は、この第1の部品8aが含む刻印5と同数の、および/または、文字盤ブランク4が備えるオーバモールドゾーン6と同数の、キャビティ7を備えることに留意されたい。
【0027】
これに関連して、システム1が、前記金型2の内部の温度を調節するためのデバイス16を設けられている場合、第1の部品8aは、基本的に各刻印5の下に配置される、この第1の部品8aの本体に画定された注入回路(図示せず)を備えることができる。そのような回路は、温度調節デバイス16に接続され、温度調節デバイスは、この回路内で冷却流体または加熱流体の循環を生成することができる。
【0028】
支持プレート3に含まれる文字盤ブランク4では、可視面21aと隠蔽面21bとが平面であることが好ましい。これら可視面21aおよび隠蔽面21bはそれぞれ、文字盤ブランク4の上面および底面とも呼ばれる。この金型2において、この文字盤ブランク4の可視面21aは、この第1の部品8aが第2の部品8bと組み立てられるとき、第1の部品8aの内面と接触することができる。この構成において、文字盤ブランク4は、これら第1の部品8aと第2の部品8bとの間に挟まれて、この金型2内に配置されることが理解される。
【0029】
図3を参照して示すように、この文字盤ブランク4はまた、文字盤ブランク4の隠蔽面21bを、第2の部品8bの受入面に接続する、貫通チャネルまたは貫通孔とも呼ばれる少なくとも1つの貫通開口部18aを備え、この貫通開口部18aは、金型2のキャビティ7に開口している、出口オリフィスと呼ばれる第1の端部と、文字盤ブランク4の隠蔽面21bに開口している、入口オリフィスと呼ばれる第2の端部とを備える。文字盤ブランク4は、金型2が備えるキャビティ7と少なくとも同数の貫通開口部18aを備えていると理解される。
【0030】
図7および図8を参照して示すように、この文字盤ブランク4では、貫通開口部18aが、パターン10の脚部23aを形成するのに役立つ注入可能材料を備えていることに留意されたい。この脚部23aは、特に、このパターン10を、文字盤ブランク4の本体に固定するような形状に構成されている。さらに、前記刻印5を用いてキャビティ7を形成するために設けられたゾーン6は、この貫通開口部18aに加えて、文字盤ブランク4の可視面21aに画定された入口オリフィスを備える、ブラインド孔とも呼ばれるブラインド開口部18bを備えることができ、注入可能材料を備えるそのようなブラインド開口部18bは、文字盤ブランク4の本体内にこのパターン10を固定するような形状に特に構成されたパターン10の別の脚部23bを形成するのに役立つ。
【0031】
これに関連して、これら貫通開口部18aおよびブラインド開口部18bの本体は、これら開口部18a,18bの長手方向軸A,Bに垂直な一組の軸方向断面S1,S2,S3,S4から形成される。この構成では、貫通開口部18aは、入口オリフィスの中心と、出口オリフィスの中心とを相互接続する長手方向軸Aに沿って延在する。ブラインド開口部18bに関して、貫通開口部18aはまた、注入可能材料の入口オリフィスの中心と、この開口部18bの底部の中心とを相互接続する長手方向軸Bに沿って延在する。これら長手方向軸A,Bは、互いに実質的に平行または厳密に平行である。この構成では、
- 貫通開口部18aは、入口オリフィスと出口オリフィスとの間に、少なくとも1つの軸方向断面S1,S3を備え、その表面エリアは、入口オリフィスを備える軸方向断面、入口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリア、および出口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリアと厳密に異なるか、または実質的に異なり、
- 貫通開口部18aは、入口オリフィスと出口オリフィスとの間に、少なくとも1つの軸方向断面S1,S3を備え、その表面エリアは、入口オリフィスを備える軸方向断面、または入口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリア、または出口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリアと厳密に異なるか、または実質的に異なり、
- 貫通開口部18aは、入口オリフィスと出口オリフィスとの間に、少なくとも1つの軸方向断面S1,S3備え、その表面エリアは、
・出口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリアよりも厳密に大きいかまたは実質的に大きい、および/または
・入口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリアよりも厳密に小さいかまたは実質的に小さく、
- ブラインド開口部18bは、入口オリフィスと底部との間に、少なくとも1つの軸方向断面S2,S4を備え、その表面エリアは、入口オリフィスを備える軸方向断面、入口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリア、および底部を備える軸方向断面の表面エリアと厳密に異なるか、または実質的に異なり、
- ブラインド開口部18bは、入口オリフィスと底部との間に、少なくとも1つの軸方向断面S2,S4を備え、その表面エリアは、入口オリフィスを備える軸方向断面、または入口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリア、または底部を備える軸方向断面の表面エリアと厳密に異なるか、または実質的に異なり、
- ブラインド開口部18bは、入口オリフィスと底部との間に、少なくとも1つの軸方向断面S2,S4を備え、その表面エリアは、
・出口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリアよりも厳密に大きい、または実質的に大きい、および/または、
・入口オリフィスを備える軸方向断面の表面エリアよりも厳密に小さい、または実質的に小さいことが留意される。
【0032】
これに関連して、たとえば図7において、貫通開口部18aおよびブラインド開口部18bは、本質的に円錐台形状、または、本体が、異なる断面を有する2つの部分を備えるチューブの形状と同様の形状、または図8に表されるように異なる直径を有することができる。
【0033】
前述したように、金型2は、少なくとも1つのキャビティ7を備える。このキャビティ7は、第1の部品8aの内面に含まれる刻印5と、文字盤ブランク4の可視面21aの対応するゾーン6との組立てによって形成される。ゾーン6は、文字盤ブランク4に配置された貫通開口部18aを備え、この貫通開口部は、その出口オリフィスを介してキャビティ7に開口する。この貫通開口部18aは、その入口オリフィスを介して、金型2の第2の部品8bに画定された注入回路9を介して、注入可能材料注入デバイス11に接続/連結される。この構成では、キャビティ7がブラインド開口部18bも備える場合、この開口部の入口オリフィスは、文字盤ブランク4の可視面21aのオーバモールドゾーン6に画定されることに留意されたい。
【0034】
この構成では、貫通開口部18aの入口オリフィス内で凝固する注入可能材料の部分は、以下に説明するように、特に文字盤ブランク4の第2の部品8bからの取り外し中に破壊されるように画定される注入点22を形成する。実際、この注入点22は、この金型2に形成されたスプルー19に連結することによって、支持プレート3を、したがって、文字盤ブランク4を、第2の部品8b上に保持するのに役立つ。この注入点22は、好ましくは、貫通開口部18aの入口オリフィスに位置する。言い換えれば、この注入点22は、このパターン10の貫通開口部18aに形成された脚部23aの端部または基部に位置する。
【0035】
図6に見られるこのスプルー19は、貫通開口部18a内での注入可能材料の固化によって形成される第1の部品と、第2の部品8bに配置された注入回路9内での注入可能材料の固化によって形成される第2の部品とを備えることに留意されたい。
【0036】
さらに、この構成では、刻印5は、アップリケなどのパターン10の可視部分を形成し、その部品のための文字盤ブランク4の対応するゾーン6は、このアップリケの脚部23a,23bを使用して、文字盤ブランクとの、このアップリケの連結部分を形成するのに役立つことが理解される。
【0037】
すでに述べたように、この金型2では、第2の部品8bは、支持プレート3の組立面と、および/または、文字盤ブランク4の隠蔽面21bと、可逆的に組み立てられるように設けられている。この第2の部品8bは、第1の端部で注入デバイス11に、第2の端部で支持プレート3の文字盤ブランク4の各貫通開口部18aに接続された、前記少なくとも1つの注入可能材料の注入回路9を備える。その後、システム1は、前記金型2を排気するためのデバイス15を設けられ、一端において文字盤ブランク4の貫通開口部18aに、また、他端においてこの排気デバイス15に接続された第2の部品8bの本体内に真空回路を画定することができ、前記デバイス15は、金型2の各キャビティ7内に空気空間を生じさせることができることに留意されたい。この構成では、第2の部品8bの機能のうちの1つの機能は、材料を注入するために、注入可能材料の、貫通開口部18aへのルーティングを提供し、適用可能な場合、金型2のキャビティ7を排気するのに役立つことが理解される。
【0038】
このシステム1において、文字盤ブランク4上にオーバモールドされたパターン10のブランク20上に、コーティングを適用するためのデバイス12は、金属のタイプの装飾的材料、および/または、機能的材料を備えるコーティングを、このパターン10のブランク20の外面24に適用/堆積することができる。そのようなデバイス12は、この装飾的材料および/または機能的材料を放出するための機関、および/または、そのような材料を気化させるための機関、および/または、そのような材料を含むコーティング/フィルムを気化させるための機関を特に設けられた印刷モジュールを備えることができる。気化機関は、直流カソードスパッタリング機関、または頭字語HIPIMSとしてよく知られている高出力インパルスマグネトロンスパッタリング機関であり得ることに留意されたい。ブランク20上に、コーティングの「高温転写」と呼ばれるものなど、他の技法を使用できることに留意されたい。
【0039】
このシステム1において、装飾的材料は、インクから、または金属または金属合金から形成することができる。この装飾的材料は、このパターン10のブランク20に適用されることによって、パターン10の視覚的外観を変更するのに役立つ。機能的材料に関しては、たとえば、
- 半導体または絶縁性である電気伝導性、
- 半導電性、
- エレクトロルミネッセンス、
- フォトルミネッセンス(たとえば、紫外線への反応)、
- 燐光、
- 「Xクロミズム」(フォトクロミック、エレクトロクロミック、サーモクロミック、イオノクロミック、メカノクロミックなど)、
- 電気活性化、
- 磁気、
- などに関連付けられる物理的および/または化学的な機能的特性をパターン10に与えることが意図される。
【0040】
このシステム1では、注入可能材料は、たとえば、有機および/または複合材料、または金属またはセラミック材料、または熱変形性、熱硬化性、または熱可塑性材料である。例として、この材料は以下の要素、すなわち、
- SLN(燐光)タイプの荷電プラスチックおよび着色および/または蛍光顔料、
- 着色顔料の有無に関わらず、セラミックを充填したポリマ、
- アルミニウム粉末、金属粉末などの金属/光沢外観を与えるための添加剤、
- (技術的な理由または化学/ガルバニックまたは他の後処理のために)ポリマを導電化するための添加剤、
- 素材(真珠層、石など)を模した審美的な仕上げを与える添加剤、
- 特定の機械的特性および/またはトライボロジ特性を与える添加剤、
- 「Bulk Metallic Glass」の頭字語でよく知られているBMG、
- ステンレス材料、
- 焼結可能金属材料、
- セラミック、
- シリコン、および/または
- これら要素の互いとの1つまたは別の組合せ、またはそれらいくつかの互いとの組合せを備えることができる。
【0041】
この構成では、そのようなシステム1は、文字盤ブランク4の可視面21a上に同時にオーバモールドされるいくつかのパターン10を製造することを可能にできることが理解される。この目的のために、第1の部品8aは、いくつかの刻印5を備え、特に、文字盤ブランク4を使用して、この文字盤ブランク4の可視面21a上にオーバモールドされた一連のパターン10を取得するのに役立つ。あるいは、第1の部品8aは、文字盤ブランク4の可視面21a上にオーバモールドされたパターン10のブランクに対して単一の刻印5を備えることができることが理解される。
【0042】
図2を参照して示すように、このシステム1は、文字盤(4)の可視面(21a)上に、少なくとも1つのパターン(10)を備える腕時計(100)の文字盤(4)を製造するためのプロセスを実施する。
【0043】
そのようなプロセスはまた、文字盤ブランクを備える支持プレート3を設計するステップ25を備える。前記ステップ25は、支持プレートの本体の厚さ内に、いくつかの貫通孔を生成するサブステップ26aを備え、前記貫通孔は、そのようなプレートに、文字盤ブランクの縁部を画定する。この構成では、文字盤ブランクは、2つの貫通孔の間におのおの含まれるこのプレートの部品によって、プレートの本体の残りに保持される。
【0044】
次に、このステップ25は、文字盤ブランクの厚さ内に、少なくとも1つの貫通開口部18aと、少なくとも1つのブラインド開口部18bとを作成するサブステップ26bを備える。すでに述べたように、そのような開口部18aは、文字盤ブランク4の隠蔽面21bを、金型の第2の部品8bを受け入れる面に後で接続するために設けられる。
【0045】
このステップ25は、その後、この文字盤ブランクの上面に少なくとも1つのコーティングを適用するサブステップ27を備える。この上面は、この設計ステップ25の後に支持プレートにおいて取得される文字盤ブランクの可視面に対応することに留意されたい。このサブステップ27中に、この可視面上にいくつかのコーティングを適用できる。
【0046】
例によれば、このサブステップ27は、半透明、または透明、または着色した材料の、少なくとも1つの装飾的なコーティングの堆積段階28を備えることができる。この前記少なくとも1つの装飾的なコーティングはまた、たとえば、
- 半導体または絶縁性である電気伝導性、
- 半導電性、
- エレクトロルミネッセンス、
- フォトルミネッセンス(たとえば、紫外線への反応)、
- 燐光、
- 「Xクロミズム」(フォトクロミック、エレクトロクロミック、サーモクロミック、イオノクロミック、メカノクロミックなど)、
- 電気活性化、
- 磁気、
- などに関連付けられる物理的および/または化学的な機能的特性を最終的な文字盤ブランク、および特にその可視面に与えることを目的とした機能的材料を備えることができる。
【0047】
それに加えて、この前記少なくとも1つのコーティングは、文字盤ブランクが金属材料でできている場合、アクリルまたはエポキシのニス塗り、および/または、耐酸化性材料を備えることができる。
【0048】
すでに理解したように、そのような設計ステップ25により、金属材料、金属合金、および/または、ポリマで作られた、文字盤ブランクがすでに生成されているプレートを使用して、文字盤ブランクを備える支持プレートを取得することが可能となる。次に、この支持プレートを使用して、文字盤ブランク4の可視面上に、2次元または3次元の少なくとも1つのパターンを生成する。
【0049】
より具体的には、プロセスは、その後、腕時計の文字盤ブランク4の可視面上に、少なくとも1つのパターンを生成するサブステップ29を備える。このステップ29は、製造される前記少なくとも1つのパターン10に対して少なくとも1つの元の部品を使用して、第1の部品8aに少なくとも1つの刻印5を準備するステップ30を備える。このステップ30は、生成するパターン10と同数の刻印5を生成するのに役立ち、そのような刻印5は、同じ文字盤ブランク4上にオーバモールドされると理解される。このステップ30は、「マスタ」とも呼ばれる元の部品からの刻印5の生成を提供する。この元の部品は、生成されるパターン10の形状と同様の形状を有する。このステップ30の実施は、生成されるべき刻印5と同数の元の部品を必要とすることに留意されたい。
【0050】
これに関連して、準備ステップ30は、リソグラフィ技法を使用して実施された前記元の部品を設計するサブステップ31を備える。このリソグラフィ技法は、ここでは詳細に説明されない先行技術から知られている以下の技法、すなわち、紫外光投影リソグラフィ、DUV投影光リソグラフィ、液浸リソグラフィ、二重露光リソグラフィ、極紫外線リソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィから選択される。
【0051】
次に、この準備ステップ30は、元の部品のネガ形状を再生することによって外部部品要素4を生成することを目的として、元の部品を複製するサブステップ32を備える。特に、このサブステップ32は、ここでは詳細に説明されない先行技術から知られているNiシムまたはBMG(「Bulk Metallic Glass」の頭字語)技法の実施を提供する。
【0052】
その後、プロセスは、文字盤ブランク4を備える支持プレート3の金型2における配置ステップ33を含み、前記金型2は、第1の部品8aおよび第2の部品8bの可逆的組立てによって形成される。このステップ33の間、支持プレート3は、これら第1の部品8aおよび第2の部品8bの可逆的組立てによって画定される台に配置される。そのような配置ステップ33は、この文字盤ブランク4を備える支持プレート3との第2の部品8bの可逆的組立サブステップ34を備える。このサブステップ34は、この第2の部品8bに配置された注入回路9の一端と、文字盤ブランク4の貫通開口部18aの入口オリフィスとの接続段階35を備える。そのようなサブステップ34は、この第2の部品8bに配置された注入回路9の端部と、外部部品要素4に画定された貫通開口部18aとの間、特にこの開口部18aの入口オリフィスとの間の最適な接続を行うのに役立つ。この回路9は、文字盤ブランク4が備える、貫通開口部18aの入口オリフィスと、同数の端部を含むことが理解される。入口オリフィスは、文字盤ブランク4の隠蔽面21bに含まれることに留意されたい。そのような配置ステップ33はまた、少なくとも1つの刻印5を含む第1の部品8aを、文字盤ブランク4の可視面21aに関連付けることによって、この金型2に、少なくとも1つのキャビティ7を形成するサブステップ36を備える。各キャビティ7は、パターン10のブランク20の準備/形成のために画定されることに留意されたい。言い換えれば、金型2のこのキャビティ7は、金型2の第1の部品8aの少なくとも1つの刻印5を、この金型2の外部部品要素の可視面21aに関連付けることによって形成されることにより、ここで生成されるパターン10のブランク20の体積および形状に対応する空間を画定する。
【0053】
次に、プロセスは、文字盤ブランク4の可視面21a上におけるパターン10に対して、前記少なくとも1つのブランク20を構築するステップ37を備える。このステップ37は、キャビティ7の入口オリフィスを設けられた前記文字盤ブランク4に配置された貫通開口部18aを介して、注入可能材料を前記キャビティ7に注入することによるオーバモールドサブステップ38を備える。このサブステップ38の目的は、文字盤ブランク4の可視面21aの対応するゾーン6において、パターン10のブランク20のオーバモールドを実行することである。そのようなサブステップ38は、この材料を注入するためのデバイス11から、注入可能材料のこのキャビティ7への注入段階39を備える。これに関連して、注入デバイス11からの注入可能材料は、第2の部品8bに画定された注入可能材料の注入回路9と、この注入可能材料の注入回路9をキャビティ7へ接続する文字盤ブランク4に含まれる貫通開口部18aとを通過することによって、前記キャビティ7へ導入される。したがって、注入可能材料は、その後、パターン10のこのブランク20を形成することを目的として、刻印5に面して配置された文字盤ブランク4の可視面21aの対応するゾーン6をオーバモールドすることによって、キャビティ7に画定された全容積を占有する。
【0054】
そのようなオーバモールドステップ38は、以下の段階、すなわち、
- このキャビティ7に注入可能材料を注入する段階39を実行する前に、前記キャビティ7を排気する段階40、および/または、
- 特に、キャビティ7へ注入可能材料を注入する段階39の開始前から、この材料の注入段階39の終了までに至る期間中、またはこの注入段階39のこの終了後、キャビティ7の温度を調節する段階41を備えることができる。
【0055】
排気40および温度調節41のそのような段階は、このブランク20の可視外面に存在可能なあらゆる欠陥の存在を除去するために、文字盤ブランク4におけるオーバモールド中に、パターン10のブランク20の構造均一性を確保することを目的としている。そのような欠陥は、たとえば、ブランク20の可視外面上の溶接線の存在からなり、キャビティ7内への注入可能材料の2つの流れの合流後に形成される。そのような溶接線は、6,8,または0の数字の形状を有するアップリケに関して、パターン10のブランク20に存在することが多い。
【0056】
排気段階40の実施中、キャビティ7内に存在する流体、たとえば、空気などの気体は、注入段階39を実行する前にキャビティ7から排出される。
【0057】
キャビティ7の温度調節段階41を実行するとき、キャビティ7内の温度は、注入段階39を実行する前に、この材料を注入するためのデバイス11からの注入可能材料の温度よりも高いか、または実質的に高い温度に加熱される。その後、注入可能材料の注入段階39が実行される、すなわち完了すると、キャビティ7は直ちに冷却される。
【0058】
次に、プロセスは、パターン10の前記少なくとも1つのブランクの仕上げステップ42を備える。このステップ42は、文字盤ブランク4上にオーバモールドされたこのパターン10の前記ブランク20のすべてまたは一部へのコーティングの、適用サブステップ43を備える。そのような適用サブステップ43は、この仕上げステップ42の以下のサブステップ、すなわち、
・金型2の第2の部品8bから第1の部品8aを取り外すサブステップ44、または
・この文字盤ブランク4の可視面上にオーバモールドされたパターン10の前記少なくとも1つのブランク20を設けられた文字盤ブランク4を備える支持プレート3から、前記金型2を除去するサブステップ45を実行した後に実施される。
【0059】
実際、これら2つのサブステップ44,45の一方または他方の後、適用サブステップ43は、この文字盤ブランク4上にオーバモールドされたパターン10の各ブランク20の可視外面上への装飾的材料および/または機能的材料の堆積段階46を備える。たとえば、この堆積段階46は、金属組成物を備える装飾的材料のブランク20の、この外面における適用を提供できる。その後、そのような堆積段階46は、頭字語HIPIMSでよく知られている、直流カソードスパッタリングまたは高出力インパルスマグネトロンスパッタリングを実施する技術にしたがって実行できる。
【0060】
金型2の第2の部品8bから第1の部品8aを取り外すサブステップ44に続いて適用サブステップ43が実行される場合、堆積段階46は、金型2の第2の部品8bにまだ適合/固定されている支持プレート3を用いて実行されることに留意されたい。さらに、この文脈では、この堆積段階46に続いて、プロセスは、金型2からの支持プレート3の除去サブステップ45の実施を提供する。
【0061】
このプロセスでは、除去サブステップ45は、パターン10のブランク20またはパターン10を備える、支持プレート3および/または文字盤ブランク4を、第2の部品8bへ連結する注入点22を破壊する段階47を備える。この段階47は、第2の部品8bに対するこのプレートの回転運動または並進運動を引き起こすことを目的として、この文字盤ブランク4を備える支持プレート3に力を加え、したがって、この注入点22の破壊を引き起こすサブ段階48を備える。注入点22が破壊されると、貫通開口部18aに形成されたパターン10の脚部の基部は、文字盤ブランク4の隠蔽面21bと実質的に同じ高さになるか、または、この隠蔽面21bと厳密に同じ高さになることに留意されたい。
【0062】
支持プレート3が、この第2の部品8bから除去されると、腕時計に取り付けるために、または、次に、残りの可視面21a上に、すなわち、パターン10によって隠蔽されていないこの面21aの部分に、コーティング層を適用することによって仕上げるために、文字盤ブランク4が、支持プレート3から分離される。
【0063】
さらに、上述したように、各文字盤4は、いくつかのパターン10を備えることができ、これら条件下では、パターン10と同数の注入点22を備えることができることに留意されたい。
【0064】
したがって、本発明は、計時器の外部部品要素4の可視面21a上に、少なくとも1つのパターン10を生成するのに役立つ。
【符号の説明】
【0065】
1 システム
2 金型
3 支持プレート
4 文字盤、文字盤ブランク
5 刻印
6 ゾーン、オーバモールドゾーン
7 キャビティ
8a 第1の部品
8b 第2の部品
9 注入回路
10 パターン
11 注入デバイス
12 適用デバイス
13 設計デバイス
14 準備デバイス
15 排気デバイス
16 調節デバイス
17a 配置デバイス
17b 設計デバイス
18a 貫通開口部
18b ブラインド開口部
19 スプルー
20 ブランク
21a 可視面
21b 隠蔽面
22 注入点
23a 脚部
23b 脚部
24 外面
25 設計ステップ
26a 生成サブステップ
26b 作成サブステップ
27 サブステップ
28 堆積段階
29 生成ステップ
30 準備ステップ
31 設計サブステップ
32 複製サブステップ
33 配置ステップ
34 可逆的組立サブステップ
35 接続段階
36 形成サブステップ
37 構築ステップ
38 オーバモールドサブステップ
39 注入段階
40 排気段階
41 温度調節段階
42 仕上げステップ
43 適用サブステップ
44 取外しサブステップ
45 除去サブステップ
46 堆積段階
47 破壊段階
48 破壊サブ段階
100 腕時計
A 長手方向軸
B 長手方向軸
S1 軸方向断面
S2 軸方向断面
S3 軸方向断面
S4 軸方向断面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】