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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091785
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】通風ダクトのカバー取付構造
(51)【国際特許分類】
   B63J 2/10 20060101AFI20230626BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20230626BHJP
   F24F 13/068 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
B63J2/10
F24F13/02 A
F24F13/068 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198182
(22)【出願日】2021-12-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000146814
【氏名又は名称】株式会社新来島どっく
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 潔
【テーマコード(参考)】
3L080
【Fターム(参考)】
3L080AA01
3L080BB02
3L080BE11
(57)【要約】
【課題】カバー着脱が容易で製作工数が少なくてすむ通風ダクトのカバー取付構造を提供する。
【解決手段】通風ダクトのダクト壁1に形成された開口部2を塞ぐためのカバー3の取付構造であって、開口部2の周辺部に形成された複数のダクト側ボルト孔11とカバー3の周縁部に形成された複数のカバー側ボルト孔13を介してボルト5とナット6によりカバー3がダクト壁1に着脱自在に取付けられており、ダクト側ボルト孔11およびカバー側ボルト孔13の孔径はボルト5の外径より大きく、ダクト壁1には、カバー3のズリ落ちを防止するストッパー10が取付けられている。ストッパー10は、正規取付位置におけるカバー3とストッパー10との間のズリ落ち許容寸法をあけてダクト壁1に取付けられており、ズリ落ち許容寸法が、ボルト5の軸部5aとカバー側ボルト孔13との間の半径方向間隔よりも小さい。ボルト5の挿通が支障なく行える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通風ダクトのダクト壁に形成された開口部を塞ぐためのカバーの取付構造であって、
前記開口部の周辺部に形成された複数のダクト側ボルト孔と前記カバーの周縁部に形成された複数のカバー側ボルト孔を介してボルトとナットにより前記カバーが前記ダクト壁に着脱自在に取付けられており、
前記ダクト側ボルト孔およびカバー側ボルト孔の孔径は前記ボルトの外径より大きく、
前記ダクト壁には、前記カバーのズリ落ちを防止するストッパーが取付けられている
ことを特徴とする通風ダクトのカバー取付構造。
【請求項2】
前記ダクト側ボルト孔および前記カバー側ボルト孔の孔径は、前記ボルトの軸部の外径よりも大きく、前記ボルトの軸部に介装するワッシャーの外径よりも小さい
ことを特徴とする請求項1記載の通風ダクトのカバー取付構造。
【請求項3】
前記ストッパーは、正規取付位置における前記カバーと該ストッパーとの間のズリ落ち許容寸法をあけて前記ダクト壁に取付けられており、
該ズリ落ち許容寸法が、前記ボルトの軸部と前記カバー側ボルト孔との間の半径方向間隔よりも小さい
ことを特徴とする請求項2記載の通風ダクトのカバー取付構造。
【請求項4】
前記カバーには適所にハンドル用孔が形成され、該孔に渡し掛けるよう取付けられたハンドル部材と、前記ハンドル用孔のダクト側に取付けられた半球状のハンドル覆いからなるハンドルが設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の通風ダクトのカバー取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通風ダクトのカバー取付構造に関する。さらに詳しくは、本発明は、船舶や工場その他通風が必要とされる場所に設けられた通風ダクトのカバー取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車運搬船等のRoRo船(ROLL ON ROLL OFF船:自走で積載貨物が積み込み・積み降ろしされる船)は、数十層に渡る車両積載甲板からなる船艙を有し、積載車両の積み込みや積み降ろしは、積載する車両が自走して行われる。このため、各積載車両甲板には、特許文献1、2に示すように、外気を取り込んで艙内換気をしたり、自動車が走行する際の排気ガス等の換気等のため複数本の通風ダクトが適宜の位置に設けられる。
【0003】
通風ダクトは上甲板から適宜の車両積載甲板に至るまで垂直に延びるように設けられる。通風ダクトの上端部には通風ファンが設置され、下端部には必要に応じて開口部が設けられる。開口部は換気や乗組員が検査のため出入りするための開口である。
そして、開口部にカバーを着脱自在に取付けておけば、カバーを装着したときは通風ダクトが船艙内と仕切られ、カバーを取外したときは通風ダクトが船艙内と通じることになる。
【0004】
ところで、従来の通風ダクトでは、カバーの取付構造は図6および図7に示すように構成されていた。
101はダクト隔壁であって、図6では通風ダクト隔壁の一部しか示していないが、実際は、四周を隔壁101で取り囲みトンネル状に構成されている。図7において、左側は通風ダクトの内部であり、右側は船艙側である。
【0005】
カバーの取付構造は、いわゆる窪み構造である。隔壁101には四角形の開口部102が形成されており、その開口部周辺の隔壁101内側(ダクト内部側)に取付枠103が取付けられている。この取付枠103は断面形状L字形でのコーミング(縁材ともいわれる)を用いてダクト内部に突出している。カバー110は、開口部102とほぼ同形同寸の金属板材であって、その周縁部が複数個のボルト・ナット105で取付枠103に取付けられている。カバー110の外面(船艙側)には、ハンドル106が取付けられている。
図示の窪み構造であると、ハンドル106が隔壁101より外に飛び出ないので、船艙内で作業する乗組員が引っ掛ったり、船艙内を自走する自動車と接触することがない。
【0006】
しかるに、コーミング形の取付枠103は、船体の建造現場で金属板を組付けて形成され、そのうえで手作業でボルト孔の孔あけ作業をしている。一方、カバー110は工場内で製作し工作機械でボルト孔の孔あけ加工を行う。このように、取付枠103とカバー110は加工場所と加工法が異なるので、取付枠103のボルト孔とカバー110のボルト孔の間で孔位置のズレが生じやすい。このため、ボルト孔がボルト外径とほぼ等しいか少し大きい位であると、両ボルト孔の位置が少し合っていないだけで、ボルトを挿通できないので、孔を広げる作業を要する等余分の作業が発生する。このため、生産性が低下する。
【0007】
また、上記の問題を解消するため、両ボルト孔を大きくしておいて、一方のボルト孔にワッシャーを介在させてボルトかナットを固定しておく手法が検討された。この場合、大きな孔にボルトを通しナットで固定することができる。ただし、予め取付けられているボルトまたはナットは、船体の塗装時に塗装養生をしなければならないので、相当手間がかかる。
仮に塗装養生をしていなければ、船体塗装後にボルトやナットに付着した塗料を剥がす必要があるので、これも大変な手間である。
このような事情で、従来のカバー取付構造では生産性の向上が望めなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6195641号公報
【特許文献2】特開2017-149203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記事情に鑑み、カバー着脱が容易で製作工数が少なくてすむ通風ダクトのカバー取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明の通風ダクトのカバー取付構造は、通風ダクトのダクト壁に形成された開口部を塞ぐためのカバーの取付構造であって、前記開口部の周辺部に形成された複数のダクト側ボルト孔と前記カバーの周縁部に形成された複数のカバー側ボルト孔を介してボルトとナットにより前記カバーが前記ダクト壁に着脱自在に取付けられており、前記ダクト側ボルト孔およびカバー側ボルト孔の孔径は前記ボルトの外径より大きく、前記ダクト壁には、前記カバーのズリ落ちを防止するストッパーが取付けられていることを特徴とする。
第2発明の通風ダクトのカバー取付構造は、第1発明において、前記ダクト側ボルト孔および前記カバー側ボルト孔の孔径は、前記ボルトの軸部の外径よりも大きく、前記ボルトの軸部に介装するワッシャーの外径よりも小さいことを特徴とする。
第3発明の通風ダクトのカバー取付構造は、第2発明において、前記ストッパーは、正規取付位置における前記カバーと該ストッパーとの間のズリ落ち許容寸法をあけて前記ダクト壁に取付けられており、該ズリ落ち許容寸法が、前記ボルトの軸部と前記カバー側ボルト孔との間の半径方向間隔よりも小さいことを特徴とする。
第4発明の通風ダクトのカバー取付構造は、第1発明において、前記カバーには適所にハンドル用孔が形成され、該孔に渡し掛けるよう取付けられたハンドル部材と、前記ハンドル用孔のダクト側に取付けられた半球状のハンドル覆いからなるハンドルが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1発明によれば、ダクト側ボルト孔とカバー側ボルト孔の孔あけ位置にズレがあっても、両ボルト孔の孔径がボルト外径よりも大きいので、カバーの取付け作業時にボルトの挿通が支障なく行える。また、カバーの取付け作業時にカバーがズリ落ちたとしてもストッパーでズリ落ちが阻止されるので、この点からもボルトの挿通が支障なく行える。このため組立工数が最小限で済み生産性が高くなる。
第2発明によれば、ボルトに介装するワッシャーの外径が前記ダクト側ボルト孔および前記カバー側ボルト孔の孔径よりも大きいので、ワッシャーを介してボルト・ナットの締結力をダクト壁とカバーに伝達でき、強固な締結力を維持できる。
第3発明によれば、カバー取付け作業時にカバーがズリ落ちてもストッパーによりズリ落ちが抑制される寸法がボルトとカバー側ボルト孔との間の半径方向間隔よりも小さいので、ボルトの挿通が支障なく行える。このため組立工数が最小限で済み生産性が高くなる。
第4発明によれば、カバーのハンドルがカバーの裏側(ダクト側)に位置するように構成されているので、ハンドルが船艙内に突出することがない。このため、船艙内での乗組員の動きや自動車の走行を妨げることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るカバー取付構造の正面図である。
図2図1のカバー取付構造のII-II線に沿う断面図である。
図3図2に示すボルト締結部分Aの拡大断面図である。
図4】自動車運搬船の通風ダクトVdの概略説明図である。
図5】(A)図は図4のV-V線横断面図、(B)図は通風ダクトVdの正面図である。
図6】従来のカバー取付構造の正面図である。
図7図4のIII-III線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
以下の実施形態は、自動車運搬船の通風ダクトに適用した例である。
まず、自動車運搬船と、これに設けられた通風ダクトの基本的な構成を図4および図5に基づき説明する。
図4は自動車運搬船Sの船首Bに近い部分の左舷内側を船艙内から見た図である。船尾St側は図示を省略している。Udは上甲板、Bsは船底外板である。上甲板Udと船底外板Bs(または内底)との間には、多数層の車両甲板dが設けられている。図示の車両甲板dの層数は12であるが、この層数は任意であり、車両甲板dが11層以下でも13層以上でも本発明を適用できる。
通風ダクトVdは、上甲板Udから、複数ある車両甲板dに向け垂直に延びるように設けられている。各通風ダクトVdの上端部には通風ファンVfが接続され、外気を送り込めるようになっている。各通風ダクトVdの長さは様々で、目的とする車両甲板dに届く長さを有している。
【0014】
図5(A)は図4におけるV-V線で示した部分の横断面図である。同図において、Ssは船体外板であり、cは船体中心線である。つまり、図5(A)は船体中心から左舷側部分の一部を示す平面図である。
図4でV-V線間に示した通風ダクトVdを図5(A)は断面で示している。なお、右側2本の通風ダクトのみ、符号Vd1,Vd2を付した。
以上の図に示す通風ダクトVdは風を通すためのトンネル状の構造物である。通常は、自動車運搬船などの場合、船体外板Ssと船艙の間に設けられる。
図5(B)は、同図(A)の通風ダクトVd1,Vd2の下端部分を船艙内から見た部分正面図である。通風ダクトVd1,Vd2は3層の車両甲板d,d,dに対応する部分のみ示されている。各通風ダクトVd1,Vd2の下端部には、開口部が形成され(図には現れていない)、カバー3が取付けられている。
【0015】
図1は、図5(B)に示す通風ダクトの一部(カバー取付部分)の拡大図であり、図2図1に示すダクトおよびカバーを断面で示す図である。図2において、左側が通風ダクト内部で右側が船艙内部である。
図1および図2において、1は通風ダクトの前面側(船艙に対面する側)のダクト壁である。なお、ダクト壁1の上方と左右両側は図示省略している。
【0016】
通風ダクトのダクト壁1の適所には開口部2が形成されている。図示の開口部2は四角形で縦長であり四隅が丸められた形状である。大きさは乗組員がかがめば通り抜けられる寸法が多いが、大きさと形状にとくに制限はない。
カバー3は、この開口部2より上下寸法も幅寸法も少し大きい金属製板材である。したがって、カバー3を取付ければ開口部2を閉止でき、カバー3を取外せば開口させることができる。
本発明のカバー取付構造は、このカバー3の取付け取外しの作業性を向上するための構造である。
【0017】
図1および図2に示すように、開口部2の周辺部に複数のダクト側ボルト孔が形成され、カバー3の周縁部にも複数のカバー側ボルト孔が形成されている。
図1および図2ではボルトを通した状態を示しているため、ボルト孔は見えないが、図3では示されており、11がダクト側ボルト孔であり、13がカバー側ボルト孔である。
ボルト孔の個数は、図1に示すように左右の各辺で4個、上下の各辺で3個であるが、これは、一例であって、この個数に限られない。
【0018】
図3に示すように、ダクト側ボルト孔11およびカバー側ボルト孔13の孔径は、ボルト5の軸部5aの外径よりも大きくされている。そして、ボルト5の軸部5aに介装するワッシャー7,8の外径よりも小さくされている。このためワッシャー7,8を介装した状態で、ボルト5を通しナット6で締結すると、ダクト壁1にカバー3を取付けることができる。また、ナット6を緩めて取り外すと、カバー3を開口部2から取り外すことができる。
【0019】
本実施例において、ナット6は船艙側にあり、広い作業空間からナット6を締めたり緩めたりすることで、ボルト5とナット6の締結と解除を行え、カバー3の着脱を容易に行うことができる。
なお、図2および図3ではボルト5の先端をナット6の外端より突出させて描いているが、ボルト5の先端はナット6の雌ネジ内に収まるようにしてもよい。その場合、船艙内の乗組員に接触するおそれもなくなる。
【0020】
前記ダクト壁1には、カバー3のズリ落ちを防止するストッパー10が取付けられている。このストッパー10は、正規取付位置におけるカバー3の下縁と、ストッパー10の上縁との間のズリ落ち許容寸法をあけてダクト壁1に取付けられている。そして、図3に示すようにズリ落ち許容寸法d1は、ボルト5とカバー側ボルト孔13との間の半径方向隙間d2よりも小さくされている。
【0021】
図3(A)はボルト5の軸5aがダクト側ボルト孔11およびカバー側ボルト孔13の中心部を通っており、この状態が正規取付位置である。
したがって、カバー取付け取外し時にカバー3がズリ落ちてもストッパー10によりズリ落ちを許容される寸法d1がボルト5とカバー側ボルト孔13との間の半径方向隙間d2よりも小さいので、ボルト5の挿通が支障なく行える。つまり、図3(B)に示すように、カバー3の取付け取外し時にカバー3がズリ落ちたとしてもストッパー10でズリ落ちが阻止されるので、この点からもボルト5の挿通が支障なく行える。このため組立工数が最小限で済み生産性が高くなる。
【0022】
図1および図2に示すように、カバー3には適所にハンドル用孔が形成され、この孔に渡し掛けるようハンドル部材21が取付けられている。また、ハンドル用孔のダクト側には半球状のハンドル覆い22が取付けられている。このハンドル部材21とハンドル覆い22によって、ハンドル20が構成されている。
このように、カバー3のハンドル20がカバー3の裏側(ダクト側)に形成されているので、ハンドル20が船艙内に突出することがない。このため、船艙内での乗組員の動きや自動車の走行を妨げることがない。しかも、図示の実施形態ではハンドル20は上下2カ所に設けられているので、人手によって保持しやすくなっている。
【0023】
本実施形態のカバー取付構造による利点を以下に説明する。
(1)コーミング形の取付枠を用いないので、ダクト内側への突起量も少なくダクト外側への突起量は全くといえるほど無くすることができる。
(2)カバー3のボルト孔加工は工場内のNC加工を利用できるので、設計どおりの位置に正確に孔あけでき、仮にダクト側ボルト孔の加工が現場作業により位置ズレが生じていても、位置ズレを最小限に抑えることができる。
(3)ダクト側ボルト孔11とカバー側ボルト孔13の孔径をボルト5の軸部5aより大きくしているので、カバー3の取付け作業時にボルト5の挿通に苦労することがない。
(4)船艙内の塗装時には、カバー3を取付けナット6を締結した状態で行えばよいので、塗装養生等の手間を省くことができる。
(5)以上の理由から、本実施形態によれば、組立工数が最小限で済み、生産性が高くなる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明におけるカバー取付構造を適用した通風ダクトは、船舶用に限らず、工場、海洋プラント、コンビナート、発電所、ビル、学校、病院等その他の陸上施設にも利用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 ダクト壁
2 開口部
3 カバー
5 ボルト
6 ナット
7 ワッシャー
8 ワッシャー
10 ストッパー
11 ダクト側ボルト孔
13 カバー側ボルト孔
20 ハンドル
21 ハンドル部材
22 ハンドル覆い
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶の通風ダクトにおける垂直なダクト壁に形成された開口部を塞ぐためのカバーの取付構造であって、
前記開口部の周辺部に形成された複数のダクト側ボルト孔と前記カバーの周縁部に形成された複数のカバー側ボルト孔を介してボルトとナットにより前記カバーが前記ダクト壁に着脱自在に取付けられており、
前記ダクト側ボルト孔および前記カバー側ボルト孔の孔径は、前記ボルトの軸部の外径よりも大きく、前記ボルトの軸部に介装するワッシャーの外径よりも小さく、
前記ダクト壁には、前記カバーのズリ落ちを防止するストッパーが取付けられている
ことを特徴とする通風ダクトのカバー取付構造
【請求項2】
前記ストッパーは、正規取付位置における前記カバーと該ストッパーとの間のズリ落ち許容寸法をあけて前記ダクト壁に取付けられており、
該ズリ落ち許容寸法が、前記ボルトの軸部と前記カバー側ボルト孔との間の半径方向間隔よりも小さい
ことを特徴とする請求項記載の通風ダクトのカバー取付構造。
【請求項3】
前記カバーには適所にハンドル用孔が形成され、該孔に渡し掛けるよう取付けられたハンドル部材と、前記ハンドル用孔のダクト側に取付けられた半球状のハンドル覆いからなるハンドルが設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の通風ダクトのカバー取付構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
第1発明の通風ダクトのカバー取付構造は、船舶の通風ダクトにおける垂直なダクト壁に形成された開口部を塞ぐためのカバーの取付構造であって、前記開口部の周辺部に形成された複数のダクト側ボルト孔と前記カバーの周縁部に形成された複数のカバー側ボルト孔を介してボルトとナットにより前記カバーが前記ダクト壁に着脱自在に取付けられており、前記ダクト側ボルト孔および前記カバー側ボルト孔の孔径は、前記ボルトの軸部の外径よりも大きく、前記ボルトの軸部に介装するワッシャーの外径よりも小さく、前記ダクト壁には、前記カバーのズリ落ちを防止するストッパーが取付けられていることを特徴とする
第2発明の通風ダクトのカバー取付構造は、第発明において、前記ストッパーは、正規取付位置における前記カバーと該ストッパーとの間のズリ落ち許容寸法をあけて前記ダクト壁に取付けられており、該ズリ落ち許容寸法が、前記ボルトの軸部と前記カバー側ボルト孔との間の半径方向間隔よりも小さいことを特徴とする。
発明の通風ダクトのカバー取付構造は、第1発明において、前記カバーには適所にハンドル用孔が形成され、該孔に渡し掛けるよう取付けられたハンドル部材と、前記ハンドル用孔のダクト側に取付けられた半球状のハンドル覆いからなるハンドルが設けられていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
第1発明によれば、つぎの効果を奏する。
a)ダクト側ボルト孔とカバー側ボルト孔の孔あけ位置にズレがあっても、両ボルト孔の孔径がボルトの軸部の外径よりも大きいので、カバーの取付け作業時にボルトの挿通が支障なく行える。
b)カバーの取付け作業時にカバーがズリ落ちたとしてもストッパーでズリ落ちが阻止されるので、この点からもボルトの挿通が支障なく行える。このため組立工数が最小限で済み生産性が高くなる。
c)ボルトに介装するワッシャーの外径が前記ダクト側ボルト孔および前記カバー側ボルト孔の孔径よりも大きいので、ワッシャーを介してボルト・ナットの締結力をダクト壁とカバーに伝達でき、強固な締結力を維持できる。
発明によれば、カバー取付け作業時にカバーがズリ落ちてもストッパーによりズリ落ちが抑制される寸法がボルトとカバー側ボルト孔との間の半径方向間隔よりも小さいので、ボルトの挿通が支障なく行える。このため組立工数が最小限で済み生産性が高くなる。
発明によれば、カバーのハンドルがカバーの裏側(ダクト側)に位置するように構成されているので、ハンドルが船艙内に突出することがない。このため、船艙内での乗組員の動きや自動車の走行を妨げることがない。