(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091810
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】照明制御システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/13 20200101AFI20230626BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230626BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20230626BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230626BHJP
F24F 11/46 20180101ALI20230626BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20230626BHJP
G01J 1/42 20060101ALI20230626BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20230626BHJP
G01V 8/12 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
H05B47/13
F21V23/00 115
F21S8/02 400
F21S2/00 625
F24F11/46
F24F11/89
G01J1/42 B
G01J1/02 W
G01V8/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206602
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】岩坪 幸喜
【テーマコード(参考)】
2G065
2G105
3K014
3K273
3L260
【Fターム(参考)】
2G065AA18
2G065AB02
2G065BA06
2G065BA09
2G065BA13
2G065BA14
2G065BA38
2G065BB49
2G065BC14
2G065BC23
2G105AA01
2G105BB16
2G105CC04
2G105EE02
2G105HH01
3K014AA00
3K273PA10
3K273QA21
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3K273SA57
3K273TA15
3K273TA26
3L260BA74
3L260CA02
3L260CA07
3L260FA02
3L260FA20
3L260FC38
(57)【要約】
【課題】人が移動している時にも、人が移動していない時にも、広範囲にわたり、確実に人の存在を検知できる照明制御システムを提供する。
【解決手段】本開示の一態様の照明制御システム100は、照明空間160を照明する照明器具110と、照明空間160において人を検知する人検知センサと、人検知センサからの人検知信号に基づいて照明器具110を制御する制御装置140と、を備える照明制御システム100であって、人検知センサとしては、焦電センサ120及び焦電センサ120とは種類の異なるセンサ130を用いることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明空間を照明する照明器具と、
前記照明空間において人を検知する人検知センサと、
前記人検知センサからの人検知信号に基づいて前記照明器具を制御する制御装置と、
を備える照明制御システムであって、
前記人検知センサとしては、焦電センサ及び前記焦電センサとは種類の異なるセンサを用いることを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
人の在検知による照明の点灯制御には前記焦電センサによる人検知信号が用いられることを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記焦電センサとは種類の異なるセンサとして、移動していない人を検知可能なセンサを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記移動していない人を検知可能なセンサとして、サーマルダイオードを使用した赤外線センサを用いることを特徴とする請求項3に記載の照明制御システム。
【請求項5】
人の不在検知による照明の消灯制御には前記サーマルダイオードを使用した赤外線センサが用いられることを特徴とする請求項4に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記サーマルダイオードを使用した赤外線センサが、検知方向を所定範囲で可動されることを特徴とする請求項4又は5に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記サーマルダイオードを使用した赤外線センサが、検知範囲を複数のブロックに分けられており、各ブロックに居る人の人数を検知することができることを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項8】
空調システムを備え、
前記サーマルダイオードを使用した赤外線センサが、前記空調システムに含まれ、照明制御システムが、前記空調システムが前記サーマルダイオードを使用した赤外線センサによって検知した人検知情報を定期的にモニタすることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項9】
前記照明制御システムが、当該空調システムの人検知情報を定期的にモニタする周期が、前記空調システムの人検知情報の更新周期の半分より短くしたことを特徴とする請求項8に記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記空調システムが、前記焦電センサの人検知信号を用いて空調制御することができることを特徴とする請求項8又は9に記載の照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具の照射領域に人が存在しない場合に照明器具を消灯することにより、照明器具の消費電力を低減する照明制御システムは従来から知られていた。特許文献1では、複数の焦電センサにより人を検知することができる照明器具が記載されている。また、特許文献2では、周囲温度に応じて焦電センサの感度を制御する人感センサを用いた照明制御システムが記載されている。非特許文献1には、人・物の識別や行動把握を行うサーマルダイオード赤外線センサが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-021704号
【特許文献2】特開2019-216075号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】三菱電機ウエッブサイト、ニュースリリース2019年08月06日<URL:https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2019/pdf/0806.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1及び2に開示されている焦電センサでは、人が移動していない時には人の存在を検知できないという問題がある。また、非特許文献1では、熱画像を得ることができるが、検知範囲の拡大や検知範囲を拡大するためにセンサを可動させようとすると人のセンシングに時間がかかる等の課題がある。
【0006】
本開示の目的は、人が移動している時にも、人が移動していない時にも、広範囲にわたり、確実に人の存在を検知した照明制御を行うことができる照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの態様の照明制御システムは、
照明空間を照明する照明器具と、
前記照明空間において人を検知する人検知センサと、
前記人検知センサから検知信号に基づいて前記照明器具を制御する制御装置と、
を備える照明制御システムであって、
前記人検知センサとしては、焦電センサ及び前記焦電センサとは種類の異なるセンサを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施態様によれば、人が移動している時にも、人が移動していない時にも、広範囲にわたり、確実に人の存在を検知できる照明制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態1に係る照明制御システムの説明図である。
【
図2】照明制御システムの制御構成を説明するためのブロック図である。
【
図3】サーマルダイオードセンサの詳細構成を説明するための図である。
【
図4】照明制御システムの制御装置が実行する照明器具の点灯消灯制御の手順を示すフローチャートである。
【
図5】空調システムの制御部(不図示)が焦電センサからの人検知信号を用いて実行する空調制御の手順をフローチャートである。
【
図6】本開示の実施形態2に係る照明制御システムにおいて、検知範囲を複数のブロックに分けてサーマルダイオードセンサによる検知を行うことを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本開示の実施形態に係る照明制御システムについて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は本開示の技術思想を具体化するための照明制御システムを例示するものであって、本開示をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【0011】
[実施形態1]
本開示の実施形態1に係る照明制御システム100について、
図1~3を参照して説明する。
図1は、照明制御システム100の説明図である。
図2は、照明制御システム100の制御構成を説明するためのブロック図である。
図3は、サーマルダイオードセンサ130の詳細構成を説明するための図である。
【0012】
本開示の実施形態1に係る照明制御システム100は、例えば、室内に設けられるものであり、室内の照明空間160を照明する照明器具110と、照明空間160において人を検知する人検知センサ120,130と、人検知センサ120,130からの検知信号に基づいて照明器具110を制御する制御装置140と、空調システム150と、を備える。
また、本開示の実施形態1に係る照明制御システム100は、人検知センサとして、焦電センサ120及び焦電センサ120とは種類の異なるセンサ130を用いる。
【0013】
照明器具110は、例えば、ダウンライト式の照明器具であり、制御装置140に接続され、制御装置140によって点灯および消灯等の照明の制御が可能になっている。
なお、本実施形態の照明制御システム100では、複数の照明器具110が設けられ、複数の照明器具110が制御装置140によって制御される。
【0014】
焦電センサ120は、人が動く際におこる赤外線の変化から広範囲の人を検知するセンサである。この焦電センサ120は、広範囲での人の検知が可能であると共に、人の動きに即応して人を検知することができる。
一方、焦電センサ120は、着座している人、あるいは、立ち止まっている人のような移動していない人を検知しないことがある。すなわち、焦電センサ120は、移動していない人が照明空間160内に存在する場合であっても人を検知しない場合がある。よって焦電センサ120は、人が静止した場合、不在の検知状態とならない様に、数分間の在状態の保持時間を設け誤検知を防止している。
【0015】
このような焦電センサ120が、制御装置140及び空調システム150に接続され、人検知信号を制御装置140及び空調システム150に出力する。
【0016】
焦電センサ120とは種類の異なるセンサ130として、移動していない人を検知可能なセンサを用いており、サーマルダイオード130aを使用した赤外線センサ(以下、「サーマルダイオードセンサ」という。)を用いる。
サーマルダイオードセンサ130が、本実施形態では、空調システム150に含まれる。このサーマルダイオードセンサ130は、例えば人が発する赤外線を受光し熱画像を取得することができ、人か物かを識別することや、人が移動しているか移動していないかのいずれかを判別することが可能になっている。つまり、サーマルダイオードセンサ130は、静止した人でも誤検知なく検出できる性能を有している。
なお、サーマルダイオードセンサ130は、赤外線を受光し高精度に温度を計算するには、気体を通した放熱を抑制する真空での動作が必要である。
【0017】
本実施形態では、サーマルダイオードセンサ130が、サーマルダイオード130aを含むセンサ画素130cをウエハ一括成形法による真空封止を行うことによって小型化されている。なお、
図3において、符号130dはシリコン基板を示し、符号130eは封止枠を示し、封止枠130eの開口を塞ぐ蓋材については図示しない。
【0018】
サーマルダイオードセンサ130は、サーマルダイオード130aが赤外線を受光し高精度に温度を計算するには、単位面積当たりの画素数を増やす高画素化が必要である。このため、サーマルダイオードセンサ130は、画素部に半導体プロセスで支持脚130bを形成することで、細線化を実現している。サーマルダイオードセンサ130は、画素の小型化により、単位面積当たりの画素数を増加している。
【0019】
また、サーマルダイオードセンサ130は、サーマルダイオード130aと高性能アンプを同一基板内に形成し、サーマルダイオード130aと高性能アンプとの距離を縮めることで、距離により発生する電磁ノイズを最小化することによって、電磁ノイズによる精度劣化を抑制することができ、高温度分解能化を実現している。
このようにしてサーマルダイオードセンサ130が、高画素化、高温度分解能化されることにより、詳細な熱画像が取得でき、人か物かの識別や人が、歩く(移動している)、走る(移動している)、着座している(移動していない)、立ち止まっている(移動していない)などの行動把握が可能になっている。
【0020】
空調システム150は、例えば、エアコンディショナーによって実現され、サーマルダイオードセンサ130が含まれている。
この空調システム150は、サーマルダイオードセンサ130の人検知情報に基づいて、照明空間160内に居る人に対して気流を届ける等の空調制御を行う。
【0021】
空調システム150は、サーマルダイオードセンサ130が検知方向を所定範囲で可動されるため、サーマルダイオードセンサ130によって壁や床、人の動きといった広範囲の温度変化を広範囲で検知できるようになっている。このサーマルダイオードセンサ130は、例えば、所定の回転角度の範囲で左右方向及び/又は上下方向に回転駆動される。
【0022】
このようなサーマルダイオードセンサ130は、定期的に可動範囲を自動で動くことによって照明空間160内の人の状態をモニタすることができる。しかし、サーマルダイオードセンサ130は、検知領域を移動させて人検知を行っているため、広範囲での検知を完了させるためには、例えば数分間の時間を要する。
すなわち、サーマルダイオードセンサ130では、人の出入りによる照明空間160の人の増減に即応した空調制御を実行することが難しい。
【0023】
一方、サーマルダイオードセンサ130は、移動していない人を検知することができるため、焦電センサ120では検知し難い照明空間160における人の在否を確実に検知することができる。
【0024】
空調システム150は、焦電センサ120に接続されており、焦電センサ120による人検知信号を用いた空調制御が行えるようになっている。
例えば、照明空間160への人の入室が焦電センサ120によって検知された場合、空調システム150がフルパワーで空調動作する。
このように空調システム150が、焦電センサ120による人検知信号を用いた空調制御を行うことによって、サーマルダイオードセンサ130では即応できないような人の検知についても可能となり、例えば、照明空間160への人の入室に対して即応した空調制御を行うことができる。
【0025】
また、空調システム150は、制御装置140に接続されており、空調システム150のサーマルダイオードセンサ130による人検知信号が制御装置140に出力されるようになっている。
【0026】
制御装置140は、焦電センサ120から人が存する旨を示す検知信号を受信した場合、照明器具110を点灯する制御を行う。
また、制御装置140は、サーマルダイオードセンサ130から人が不在である旨を示す検知信号を受信した場合、照明器具110を消灯する制御を行う。
【0027】
焦電センサ120では、人が発する遠赤外線の変化で広範囲の人検知を行っているが移動していない人では変化がない為、人検知できない課題がある。そこで、サーマルダイオードセンサ130を可動する方法(例えばスイーブさせる方法、ムーブアイ(登録商標))により広範囲を検知でき、移動していない人の判別を行う。一方、移動している人は焦電センサ120で検知し、機能分担することにより、移動している人も、移動していない人も、広範囲で人を確実に検知する。
【0028】
照明制御システム100は、照明器具に用いる人検知センサと、空調機器に用いる人検知センサのそれぞれのメリットを生かして、両センサで検知可能な空間における人の在否検知を確実に行う。
【0029】
焦電センサ120及びサーマルダイオードセンサ130の両センサを連携させることによって、照明制御システム100では、空調システム150用の人検知センサであるサーマルダイオードセンサ130により着座した作業など、人が移動しない作業中であっても点灯継続が可能になる。
また、空調システム150では、照明制御システム100用の人検知センサである焦電センサ120により人の入室後、すぐにフルモードで空調動作させることが可能になる。
このように照明制御システム100及び空調システム150の互いの人検知センサを連携動作させることで、双方のメリットにより、互いのデメリットを克服する。
【0030】
なお、本開示の実施形態の照明制御システム100では、照明制御システム100が空調システム150の人検知情報を定期的にモニタする周期は、空調システム150の人検知情報の更新周期の半分より短くしている。このため本開示の実施形態の照明制御システム100では、空調システム150による更新毎のサーマルダイオードセンサ130の人検知情報を確実に利用することができる。
【0031】
次に、照明制御システム100の制御装置140が実行する照明器具110の点灯消灯制御の手順を説明する。
図4は、照明制御システム100の制御装置140が実行する照明器具110の点灯消灯制御の手順を示すフローチャートである。
【0032】
まず、制御装置140が、焦電センサ120から人が在する旨の検知信号を受信したか否かを判断する(ステップS101)。
ステップS101において、制御装置140が、焦電センサ120から人が在する旨の検知信号を受信したと判断した場合(ステップS101:Yes)、照明器具110を点灯する(ステップS102)。
一方、ステップS101において、制御装置140が焦電センサ120から人が在する旨の検知信号を受信していないと判断した場合(ステップS101:No)、ステップS102の処理をスキップし、後述するステップS103の処理を実行する。
【0033】
ステップS102において、制御装置140が、照明器具110を点灯した後、サーマルダイオードセンサ130から人が不在である旨の検知信号を受信したか否かを判断する(ステップS103)。
ステップS103において、制御装置140が、サーマルダイオードセンサ130から人が不在である旨の検知信号を受信していないと判断した場合(ステップS103:No)、このステップS101の判断処理に戻し、上述の処理を繰り返す。
一方、ステップS103において、制御装置140が、サーマルダイオードセンサ130から人が不在である旨の検知信号を受信したと判断した場合(ステップS103:Yes)、制御装置140が、照明器具110を消灯し(ステップS104)、処理をステップS101に戻し、上述の処理を繰り返す。
【0034】
なお、上述の説明では、照明制御システム100の制御装置140が実行する照明器具110の点灯消灯制御するものを説明したが、制御装置140による照明器具110の点灯消灯制御に合わせて、サーマルダイオードセンサ130からの人検知情報に基づいて、制御装置140が照明器具110の調光率を変化させる制御を行うようにしても構わない。
【0035】
次に、空調システム150の制御部(不図示)が焦電センサ120からの人検知信号を用いて実行する空調制御の手順を説明する。
図5は、空調システム150の制御部(不図示)が焦電センサ120からの人検知信号を用いて実行する空調制御の手順をフローチャートである。
【0036】
まず、空調システム150の制御部が、焦電センサ120から人が入室した旨の検知信号を受信したか否かを判断する(ステップS201)。
【0037】
ステップS201において、空調システム150の制御部が、焦電センサ120から人が入室した旨の検知信号を受信していないと判断した場合(ステップS201:No)、空調システム150の制御部が、サーマルダイオードセンサ130の人検知信号に基づいた空調制御を実行し(ステップS203)、ステップS201の判断処理を繰り返す。
【0038】
一方、ステップS201において、空調システム150の制御部が、焦電センサ120から人が入室した旨の検知信号を受信したと判断した場合(ステップS201:Yes)、フルパワーモードでの空調制御を実行する(ステップS202)。
このように空調システム150は、焦電センサ120からの人検知信号を用いることによって、人の入室に即応した空調制御を実行することができる。
より具体的には、例えば夏の時期において、照明空間160に人が入室した際、冷房設定をフルパワーモードで稼働させる。
【0039】
ステップS202においてフルパワーモードでの空調制御を実行した後、空調システム150の制御部が、サーマルダイオードセンサ130の人検知信号に基づいた空調制御を実行し(ステップS203)、処理をステップS201にして上述した処理を繰り返す。
なお、ステップS203における処理は、例えば、S202におけるフルパワーモードでの空調運転を所定時間実行した後に行う。
【0040】
本開示の実施形態1に係る照明制御システム100では、焦電センサ120の人検知信号に基づいて照明空間160内で移動する人を検知することができると共に、焦電センサ120とは異なるセンサ130の人検知信号に基づいて照明空間160内で移動していない人を検知し、これらの人検知信号に基づいて制御装置140によって照明器具110を制御することができるため、人が移動している時にも、人が移動していない時にも、広範囲にわたり、確実に人の存在を検知した照明制御を行うことができる。
【0041】
また、本開示の実施形態1に係る照明制御システム100では、人の在検知による照明の点灯制御には焦電センサ120による人検知信号が用いられるため、照明空間160に入室した人を確実に検知して照明器具を点灯することができる。
【0042】
また、本開示の実施形態1に係る照明制御システム100では、焦電センサ120とは種類の異なるセンサとして、移動していない人を検知可能なセンサ130を用いるため、人が移動している時にも、人が移動していない時にも、広範囲にわたり、確実に人の存在を検知した照明制御を行うことができる。
【0043】
また、本開示の実施形態1に係る照明制御システム100では、移動していない人の検知が可能なセンサとして、サーマルダイオードセンサ130を用いるため、熱画像を利用して人の存在を検知することができる。
【0044】
また、本開示の実施形態1に係る照明制御システム100では、人の不在検知による照明の消灯制御にはサーマルダイオードセンサ130が用いられるため、焦電センサ120では検知が難しい移動していない人の検知をすることができる。このため本開示の実施形態1に係る照明制御システム100では、移動している人だけでなく、移動していない人も含めて確実に照明空間160に人が不在となった場合に、照明器具110を消灯させる制御を行うことができる。
【0045】
また、本開示の実施形態1に係る照明制御システム100では、サーマルダイオードセンサ130は検知方向が所定範囲で可動されるため、広い範囲にわたってサーマルダイオードセンサ130による人の検知を行うことができる。
【0046】
また、本開示の実施形態1に係る照明制御システム100では、サーマルダイオードセンサ130が空調システム150に含まれ、照明制御システム100は、空調システム150がサーマルダイオードセンサ130によって検知した人検知情報を定期的にモニタするため、空調システム150のサーマルダイオードセンサ130を有効的に利用することができる。
【0047】
また、本開示の実施形態1に係る照明制御システム100では、照明制御システム100が空調システム150の人検知情報を定期的にモニタする周期が、空調システム150の人検知情報の更新周期の半分より短くなっているため、空調システム150による更新毎のサーマルダイオードセンサ130の人検知情報を確実に利用することができる。
【0048】
また、本開示の実施形態1に係る照明制御システム100では、空調システム150が、焦電センサ120の人検知信号を用いて空調制御することができるため、サーマルダイオードセンサ130では即応できないような人の検知についても可能となり、照明空間160内の人数の変化に即応した空調制御を行うことができる。
【0049】
また、本開示の実施の形態1に係る照明制御システム100では、集電センサ120が人を検知して照明器具110を点灯させた後、サーマルダイオードセンサ130の人検知情報を参照して照明器具110の点灯状態を継続させる場合について説明したが、サーマルダイオードセンサ130の人検知情報を基に照明器具110の点灯を開始してもよい。
【0050】
[実施形態2]
本開示の実施形態2に係る照明制御システム200について、
図6を参照して説明する。
図6は、検知範囲を複数ブロックに分けてサーマルダイオードセンサ230による検知を行うことを説明するための図である。
【0051】
この実施形態2に係る照明制御システム200は、検知範囲を複数のブロックB1,B2,B3,B4に分けてサーマルダイオードセンサ230による検知を行う点で実施形態1の照明制御システム100と異なる。なお、上述した実施形態1の照明制御システム100と同一構成部分について対応する200番台の符号を付すことにより、その重複する説明を省略する。
【0052】
本開示の実施形態2に係る照明制御システム200は、検知範囲を4つのブロックB1,B2,B3,B4に分けてサーマルダイオードセンサ230による検知を行う。
なお、サーマルダイオードセンサ230による検知範囲は、複数のブロックに分かれていればよく、4つ以外のブロック数に分けてもよい。
【0053】
サーマルダイオードセンサ230は、4つのブロックB1,B2,B3,B4の各ブロックB1,B2,B3,B4に居る人の人数を検知する。
【0054】
本開示の実施形態2に係る照明制御システム200によれば、各ブロックB1,B2,B3,B4に居る人の人数を検知することによって、照明空間160に居る人の人数に基づいた照明制御を行うことができる。
【0055】
本開示の実施形態1,2に係る照明制御システム100,200によれば、移動していない人の検知が可能なセンサとしてサーマルダイオードセンサ130,230を用いるものを例示したが、移動していない人の検知が可能なセンサであればその他のセンサを用いてもよい。
【0056】
また、本開示の実施形態1,2に係る照明制御システム100,200によれば、サーマルダイオードセンサ130,230が空調システム150に含まれるものを例示したが、サーマルダイオードセンサ130,230が、空調システム150以外のその他の装置に含まれるようにしてもよい。また、
図1,2では、1つのサーマルダイオードセンサ130,230を可動させることによって広範囲の検知を行うものを例示したが、これに限らず、可動しない固定タイプの複数のサーマルダイオードセンサを設けて広範囲を検知するようにしてもよい。
【0057】
以上、本開示の実施形態に照明制御システムについて説明したが、上記の実施形態は本開示の技術思想を具体化するための照明制御システムを例示するものであって、本開示をこれらに特定するものではなく、各実施形態の変形例や各実施形態を組み合わせたもの等、その他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【符号の説明】
【0058】
100,200 …照明制御システム
110,210 …照明器具
120 …焦電センサ
130,230 …サーマルダイオードセンサ(移動していない人の検知が可能なセンサ,人検出センサ)
130a …サーマルダイオード
130b …支持脚
130c …センサ画素
130d …シリコン基板
130e …封止枠
140 …制御装置
150 …空調システム
160 …照明空間
B1,B2,B3,B4…ブロック