(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009186
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】薬物または物質送達のためのシステム、方法、装置およびデバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/158 20060101AFI20230112BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
A61M5/158 500H
A61M5/142 520
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022182426
(22)【出願日】2022-11-15
(62)【分割の表示】P 2020511978の分割
【原出願日】2018-08-28
(31)【優先権主張番号】62/551,082
(32)【優先日】2017-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/572,887
(32)【優先日】2017-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/599,493
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/IL2018/050668
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(71)【出願人】
【識別番号】517390845
【氏名又は名称】トリプル ジャンプ イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】イシャイ ベン-デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】クフィル サロモン
(72)【発明者】
【氏名】オフェル ヨドファト
(72)【発明者】
【氏名】ガイ シナール
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066FF05
4C066KK04
4C066KK05
4C066KK06
4C066QQ52
4C066QQ82
4C066QQ84
(57)【要約】
【課題】好適な薬物または物質送達のためのシステム、方法、装置およびデバイスを提供すること。
【解決手段】本開示の実施形態は、小型インスリンパッチポンプ、支援デバイス(例えば、貯蔵部充填用および/またはカニューレ挿入用)、およびそれに関連する方法に関する。例えば、いくつかの実施形態では、物質/薬物送達パッチポンプが提供され、電源、駆動機構、および電子機器モジュールを含む再使用可能部品(RP)、および使い捨て部品(DP)を含み、使い捨て部品は接着ベース、貯蔵部、投与機構、およびカニューレの少なくとも複数を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本開示は、以下の以前の開示の利益および優先権を主張する:「Systems,Methods,and Devices for Drug Delivery」と題する2017年8月28日に提出された米国仮出願番号第62/551082号、「Systems,Methods,and Devices for Drug Delivery」と題する2017年10月16日日に提出された米国仮出願番号第62/572887号、「Systems,Methods,and Devices for Drug Delivery」と題する2017年12月15日に提出された米国仮出願番号第62/599493号、および「Patch Pump Systems and Apparatus for Managing Diabetes,and Methods thereof」と題する2018年6月15日に提出された国際出願番号IL2018/050668。これらの開示の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、インスリン(またはその他の物質)分注ポンプ(例えば、小型ポンプ、またはパッチポンプ)ならびに(例えば)貯蔵部充填およびカニューレ挿入の少なくとも一つの支援デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
糖尿病患者は、自身の血糖値を制御するように、一日を通してさまざまな量のインスリン投与を必要とする。持ち歩き用の携帯型インスリン注入ポンプが、毎日複数回の注射器によるインスリン注入の優れた代替として使用できる。しかしながら、これらのデバイスは毎日複数回の注射に対する改善を表すが、それにもかかわらず、いくつかの欠点がある。一つの欠点は、駆動機構および注射器の構成および比較的大きなサイズによってもたらされる、デバイスの大きなサイズおよび重量である。これらの比較的多いデバイスは、患者のポケット内で定期的に運ばれるか、またはそのベルトに取り付けられる必要がある。インスリン(および/またはその他の物質)の経皮送達ためのカニューレ挿入、ならびにポンプの貯蔵部充填は、現在のシステムおよびデバイスでは適切に対処されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、小型インスリンパッチポンプおよび貯蔵部充填およびカニューレ挿入用の支援デバイスに関する。本開示におけるいくつかの実施形態に関する議論では、インスリンを本明細書に開示するパッチポンプにより送達されている薬物と呼ぶが、開示するパッチポンプを他の流体へ使用することは、本明細書に記載する発明の実施形態の範囲内であると理解するものとする。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態では、薬物送達システムが提供され、薬物送達パッチポンプ、貯蔵部充填およびカニューレ挿入の少なくとも一つのために構成された支援デバイス、および随意にゲートウェイデバイスの少なくとも二つ以上、およびいくつかの実施形態では、全てを含む。
【0006】
かかる実施形態は、(場合によっては)さらなる実施形態を生じ得る以下の追加的な特徴、機能、構造、および/または明確化の一つまたは複数(およびいくつかの実施形態では、複数、およびいくつかの実施形態では、全て)を含み得る。
- ゲートウェイデバイスは、スマートフォンとすることができる。
- ゲートウェイデバイスは、少なくとも一つのサーバおよび充電器および支援デバイスのうちの一つまたは複数へのポンプへのおよび/またはからの通信を可能にするように構成することができる。
- 支援デバイスが、貯蔵部充填機構、カニューレ挿入機構、およびDR-RP整列機構のうち少なくとも一つを含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、物質/薬物送達パッチポンプが提供され、電源、駆動機構、および電子機器モジュールを含む再使用可能部品(RP)、および使い捨て部品(DP)を含み、使い捨て部品(DP)は少なくとも複数の接着ベース、貯蔵部、投与機構、およびカニューレを含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、薬物送達ポンプ(例えば、パッチポンプ)と併用するように構成された支援デバイスが提供されている。こうした実施形態は、貯蔵部充填機構、カニューレ挿入機構、および/または使い捨て部品(DP)、再使用可能部品(RP)整列機構のうちの少なくとも一つを含むハウジングを含み得る。
【0009】
かかる実施形態は、(場合によっては)さらなる実施形態を生じ得る以下の追加的な特徴、機能、構造、および/または明確化の一つまたは複数(およびいくつかの実施形態では、複数、およびいくつかの実施形態では、全て)を含み得る。
- デバイスが、薬物送達パッチポンプの使い捨て部品とのプレアセンブリのために構成され得る。
- 一つまたは複数のノッチが、薬物送達パッチポンプの再使用可能部品(RP)を挿入するように構成され、薬物送達パッチのRPおよび使い捨て部品(DP)の整列のために構成される。
- 貯蔵部充填機構が第一のハウジング内に存在し、カニューレ挿入機構およびDR-RP整列機構が第二のハウジング内に存在する。
- 貯蔵部充填機構が、インスリンバイアルからパッチポンプの貯蔵部へインスリン(および/またはその他の薬物または物質)の送達を提供するように構成され得る。
- デバイスが、バイアルがデバイスに接続され、かつバイアルから貯蔵部へ薬剤のセット量/量(例えば、50単位)を送達するように構成され得る。
- 薬剤の送達(貯蔵部への送達)は、バイアルを一度押して解放することによって達成することができる。
- 連続したバイアル押下により、複数のインスリン数量を送達する。
- 回転および/または直線的手段が、バイアルから送達される薬剤の量を設定するように構成される。
- 貯蔵部充填機構は、空所容積が増加するとき、薬剤は、充填針を介してバイアルから空所に送達され、また空所容積が減少するとき、薬剤は、搬送針を介して空所から貯蔵部に送達され得るように、交換可能な容積を有する空所を含むことができる。
- 貯蔵部充填機構は、上部および下部キャップと上部および下部開口部を備えた円筒形充填スリーブ、充填スリーブ内で直線的に変位するように構成された充填ピストン、および充填スリーブの上部開口部を横切るスライド式ロッドのうちの少なくとも一つ、好ましくは複数、より好ましくは全てを含むことができる。
o スライド式ロッドが、一方の側で充填ピストンに接続されてもよく、またその他方の側でバイアルアダプタに接続され得る。
o 充填ピストンと充填スリーブの上部との間に内部空有間を形成することができる。
- 一つまたは複数のガスケットが、貯蔵部充填機構の構成要素を密封封止するように構成される。
- 貯蔵部充填機構が、バイアルアダプタ、バイアルアダプタ内に存在する鋭利な先端を有する充填針のうちの少なくとも一つ、および好ましくは複数、およびさらに好ましくは全てを含むことができ、充填針がスライド式ロッドを横断するように構成でき、充填針先端と空所との間の水圧連通を提供することができる。
- 貯蔵部充填機構が、充填針を通る一方向流体送達を提供するように構成された第一の一方向バルブおよび/または搬送針を通して一方向流体送達を提供するように構成され得る第二の一方向バルブを含み得る。
- 貯蔵部充填機構はさらに、バイアルアダプタ内に配置され得る鋭利な先端を含む通気針を含み、スライド式ロッドを横断して大気と通気針先端との間の空気通信を提供することができる。
- 貯蔵部充填機構が、ピストンが変位(例えば、下方、上方、一方向、および反対方向)した時に、圧縮および減圧するように構成されたピストンバネを含むことができる。
- 貯蔵部充填機構が、少なくとも一つの針プロテクタを含むことができる。
- 針プロテクタのうちの少なくとも一つは、ペタル様のバネを含むことができる。
o ペタル様のバネは、一つまたは複数の曲げ葉を含むことができる。
- バイアルアダプタに対するバイアルの接続前に、針プロテクタの葉が、充填針および/または通気針のうち少なくとも一つに平行であるように構成される。
- 葉が、ユーザが不注意に自分を刺すのを保護するように、少なくとも一つの針の上に曲がるように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、薬物送達システムが提供され、カニューレ挿入機構および貯蔵部充填機構のうち少なくとも一つが含まれる。かかる実施形態は、(場合によっては)さらなる実施形態を生じ得る以下の追加的な特徴、機能、構造、および/または明確化の一つまたは複数(およびいくつかの実施形態では、複数、およびいくつかの実施形態では、全て)を含み得る。
- 貯蔵部充填機構は、バイアルアダプタ、プランジャ、通気針、充填針、充填針キャップ、およびシリンダの複数を含み得る。
o 充填針および/または通気針が、プランジャの本体を横切って横断するように構成され得る。
o 充填針および/または通気針の端部は、プランジャの一つおよび/または別の先端から突き出す。
o プランジャの第一の端部が、バイアルアダプタと接続され得る。
o 通気針および充填針の第一の端部が、ともに、プランジャの第一の端部からバイアルアダプタの内部へと突出する。
o プランジャの第二の端部が、シリンダ内に嵌合するように構成され得る。
o プランジャとシリンダとの間にガスケットを介してシールを含めることができる。
o シリンダの閉鎖端は、隔壁を使って構成され得る。
o 充填および/または通気針が鋭利な先端を含む。
o バイアルアダプタは、バイアルを可逆的に受けるように構成され得る。
o バイアルがバイアルアダプタ内に置かれているとき、バイアルアダプタの隔壁は、通気針の第一の端部および充填針の第一の端部によって貫通されることができる。
o 通気針が、空気がシリンダの内部からバイアルの内部へ流れることを可能にするように構成された一方向バルブを含む。
o 充填針の端部が充填針キャップを含む。
o 充填針キャップが、充填針の端部を封止するように構成されており、および/または
o 貯蔵部充填機構は、シリンダの隔壁が充填ポート隔壁に隣接または接触するように、支援デバイス内に構成され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、薬物送達システムの貯蔵部に物質を充填するための貯蔵部充填方法が提供され、例えば、通気針の先端と充填針の第一の先端がバイアルの隔壁を貫通するように、シリンダの内部からの空気が通気針を通ってバイアルの内部に流れ、バイアルアダプタのプランジャをシリンダの閉鎖端の方向に押すように、シリンダの内部に閉じ込められた空気が減少および/または圧縮され、バイアルからの物質が充填ウェルおよび充填用導管に流れるように、バイアルをバイアルアダプタに入れることが含まれる。貯蔵部プランジャにわたる圧力差の結果、貯蔵部プランジャは次に、薬物送達システムの貯蔵部の容積を増加させ、それによって貯蔵部を物質で充填する。方法はまた、貯蔵部内の物質の量に関するユーザ情報を提供するために使用され得る貯蔵部内のあるレベルの物質を随意に送ることを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、パッチポンプ支援システムが提供され、組織の軟質カニューレを少なくとも挿入するように構成された軟質カニューレ挿入機構を含む支援デバイスを含む。デバイスは、ハウジングと、カップ開口部内に構成された第一の出口ポート隔壁と、出口ポートウェルと、第二の出口ポート隔壁とを含むことができる。システムはさらに、内腔を有する軟質カニューレ、および内腔を有する剛直なカニューレを含み得る。いくつかの実施形態では:
- 軟質カニューレおよび剛直なカニューレそれぞれが、その長さに沿って少なくとも一つの横方向の開口部を含む。
- ハウジングは、カニューレ挿入のためユーザの皮膚上に配置するように構成され得る。
- 挿入前に、剛直なカニューレは、両方のカニューレが、初めにカップ隔壁を横断するように、軟質カニューレ内に位置付けることができ、軟質カニューレおよび剛直なカニューレの遠位端が、出口ポートウェル内に位置する。
- 挿入後(または直後)、剛直なカニューレおよび軟質カニューレの遠位端は、ユーザの皮膚内および/または下方に位置付けられ、対応する横方向の開口部が、ウェル内に配置される。
- 剛直なカニューレが、ユーザの皮膚組織から支援デバイスの格納によって、軟質カニューレから取り外されるように構成され得る。
【0013】
かかる実施形態は、(場合によっては)さらなる実施形態を生じ得る以下の追加的な特徴、機能、構造、および/または明確化の一つまたは複数(およびいくつかの実施形態では、複数、およびいくつかの実施形態では、全て)を含み得る。
- いくつかの実施形態では、カニューレ曲げバネに貯蔵されたエネルギーを薬物/物質送達システムからの支援デバイスの分離に伴い放出できるカニューレ曲げバネ。
- カニューレ曲げバネによって解放されるエネルギーが、剛直なカニューレを第一の位置から第二の位置まで移動させ、第一の位置はハウジングの側面または部分に対してほぼ直交することができ、および/または第二の位置はハウジングの側面または部分とほぼ平行であり得る。
- デバイスは、カップがカップ開口部内に嵌合するように構成され得る、トリガー、インサータバネ、インサータハンマー、カップ、およびカップ隔壁のうちの少なくとも一つ(およびいくつかの実施形態では、複数、およびいくつかの実施形態では、全て)を含み得る。
- 軟質カニューレの横方向の開口部は、剛直なカニューレの横方向の開口部と整列することができる。
- 剛直なカニューレの第一の端部が、インサータハンマーに強固に接続されている。
- カニューレの第一の端部には、軟質カニューレがカップの端部から外へ移動するのを防止するように構成されたストッパーが含まれ得るが、ストッパーは軟質カニューレと一体化され得る。
- カップの内部を封止するように、カップ隔壁を構成することができる。
- カップ開口部が、ハウジングと一体型であり得る。
- 剛直なカニューレの鋭利な端部が、軟質カニューレの端部を越えて突出することができ、剛直なカニューレの鋭利な端部と軟質カニューレの端部は少なくとも初期に出口ポートウェル内に存在することができる。
- 少なくとも初期に、剛直なカニューレおよび軟質カニューレは、第二の出口ポート隔壁を横断することができる。
- インサータバネは、潜在エネルギーを有して構成することができる。
- カニューレ曲げバネを潜在エネルギーを有して構成することができる。
- カニューレ曲げバネがパッチポンプの側部によってカニューレに向かって曲がることを防止できる。
- 支援デバイスは、再使用可能部品および使い捨て部品を使って構成され得る。
- 貯蔵部充填機構は、物質でパッチポンプの貯蔵部を充填するように構成される。
- 剛直なカニューレ、および軟質カニューレの少なくとも一つの端部が封止され、いくつかの実施形態では、分注されるインスリンまたは物質が、横方向の開口部を介して呼び水の間、出口ポートウェルからのみ外に流れることができるように、軟質カニューレの端部が、剛直なカニューレとのシールを確立することができる。
- システムが、デバイスをユーザの皮膚に接着するように構成された接着剤を含み、および/または軟質カニューレ挿入機構が、軟質カニューレの先端を皮膚内または皮膚の下に配置するように構成され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、薬物送達パッチポンプシステムが提供され、例えば、貯蔵部を含む薬物送達パッチポンプ、投薬デバイス、開示された支援デバイスの実施形態(および/または対応するシステム、例えば、上記参照)による支援デバイスを含む。いくつかの実施形態では、貯蔵部を充填するとき、ポンプが、流体が、出口ポート導管を通して、充填ポートウェル内に、剛直なカニューレの内腔を通して、および各カニューレの横方向の開口部から外に送り出されるように、投薬部を介して呼び水するように構成される。いくつかの実施形態では、実質的に任意の空気および全ての空気が投薬部および/または貯蔵部を抜け出るまで、および送達される薬剤が、カニューレの横方向の開口部から流れ始めるまでの、少なくとも一つまで呼び水を続けるよう構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、薬物送達システム用の軟質カニューレをユーザの組織に挿入するための方法が、例えば、提供され、一つまたは複数の安全キャッチが、インサータ機構のインサータハンマーが、第一の方向に駆動され、インサータ機構のカップ、カップ開口部、カップ隔壁、剛直なカニューレ、および軟質カニューレが患者の皮膚に向かって移動し、剛直なカニューレの先端が皮膚を穿刺し、軟質カニューレの経路を確立するように、インサータ機構のインサータバネに保存されているエネルギーを解放するように、カニューレ挿入機構のトリガーを誘発することを含む。いくつかの実施形態では、カップの端部が、カップ隔壁の端部にあり、カップが、カップ開口部に配置され、剛直なカニューレおよび軟質カニューレの横方向の開口部が、出口ポートウェルと流体連通し、および剛直なカニューレおよび軟質カニューレの対応する端部が患者の皮膚下にある際、支援デバイスが、軟質カニューレの内腔からの剛直なカニューレを除去しつつ、除去される。
【0016】
一部のこうした方法の実施形態では、カニューレ曲げバネに保存されるエネルギーは、支援デバイスの分離が薬物/物質送達システムを形成するとき解放され得る。さらに、いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に開示される支援デバイス(例えば、上記参照)、および/または対応するシステムの一つおよび/または別を提供することをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、閉ループインスリン送達システムが提供され、例えば、ポンプ、コントローラ、充電器、および支援デバイスが含まれる。かかる実施形態は、(場合によっては)さらなる実施形態を生じ得る以下の追加的な特徴、機能、構造、および/または明確化の一つまたは複数(およびいくつかの実施形態では、複数、およびいくつかの実施形態では、全て)を含み得る。
- ポンプには再使用可能なモータユニットおよび使い捨てカニューレユニットが含まれ得るが、モータユニットおよびカニューレユニットは可逆的に取り付け可能であり得る。
o モータユニットは、電子機器モジュール、駆動機構および電源のうち少なくとも一つを含むことができる。
o 電子機器モジュールが、マイクロプロセッサ、メモリ、および通信手段のうちの少なくとも一つを含むことができる。
o 通信手段は、Bluetooth(登録商標)またはWifi(またはその他の近距離通信手段)のいずれかまたは両方を含むことができる。
o メモリは、瞬間インスリン注入速度を入力の関数として計算するように構成された閉ループアルゴリズムを保存することができ、入力は過去および/または現在のグルコースレベルを含むことができる。
o モータユニットが、電子機器モジュールに電気的に接続された複数の電気接点を含むことができ、電気接点が、一つまたは複数の接点を含むことができ、一つまたは複数の接点は、モータユニットから電力を供給するように構成され、および一つまたは複数の接点は、アナログおよび/またはデジタル形式でデータを送信するように構成され得る。
o カニューレユニットが、貯蔵部、投薬部、および接着ベースのうちの少なくとも一つを含むことができる。
o カニューレユニットは、第一の側から第二の側面へ横断するチャネルを含むことができ、チャネルが、連続的なグルコースセンサを受けること、モータユニット上の一つまたは複数の電気接点と、連続的なグルコースセンサ上の一つまたは複数の接点との間の電気接点の確立を支援することとの少なくとも一つをするように、随意に構成され得る。
- コントローラが、閉ループアルゴリズムと組み合わせて実行および/または動作するように構成されて動作するコンピュータ命令を含むことができる。
- 支援デバイスが、貯蔵部充填機構、カニューレ挿入機構、および使い捨て部品/再使用可能部品整列機構のうち少なくとも一つを含むことができる。
o カニューレ挿入機構が、連続的なグルコースセンサを保存し、患者の皮膚の下にセンサを挿入するように構成され得る。
- 連続的なグルコースセンサ。
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される実施形態のうちのいずれか一つまたは複数による、閉ループ送達システムと併用するように構成された連続的なグルコースセンサである。かかる実施形態は、例えば、(場合によっては)さらなる実施形態を生じ得る以下の追加的な特徴、機能、構造、および/または明確化の一つまたは複数(およびいくつかの実施形態では、複数、およびいくつかの実施形態では、全て)を含む。
- センサが、ヘッド、およびプロングを含み、その一方または両方が、生体適合性プラスチックまたはセラミックなどの絶縁性ベースを含み得る。
- 一つまたは複数の電気接点は、センサのヘッドまたはヘッド内に提供されてもよく、一つまたは複数の接点は、モータユニット上の対応する接点とインターフェースするように構成されてもよく、および/またはモータユニットから電力を伝送するための一つまたは複数の接点を含んでもよく、および/またはアナログおよび/またはデジタルデータを送信するための一つまたは複数の接点を含んでもよい。
- センサが、電子チップ(例えば、前端チップ)を含むことができる。
- センサが、アナログ・デジタル変換器、作用電極、カウンター電極および基準電極のうちの少なくとも一つを含むことができる。
- センサが、基準電極と接続するための一つまたは複数の追加的な接点を含む。
- 作用電極は、金属(プラチナなど)および酵素(グルコースオキシダーゼなど)で作製されたコンダクタを含むことができ、作用電極は周囲グルコース濃度に比例する電流を生成するようにも構成され得る。
- 膜(PTFEであり得る)は、非グルコース電気化学的活性薬剤からの干渉を防止または実質的に防止するように構成され得る。
- 作用電極の一つまたは複数の層は、印刷され得る。
- カウンター電極は、銀および/または塩化銀から作製され得る。
- 作用電極が、コンダクタを介して前端チップへの電気的接続のために構成され得る。
- カウンター電極は、コンダクタによってチップに接続され得るが、コンダクタは、プロングの開口部を介して第一の端部から第二の端部までプロングを横断するように構成され得る。
- 作用電極は、酵素の代わりに金属触媒を含むことができ、選択的膜が任意であり得る。
- テープの面積は、少なくとも一方の側に接着剤を用いて構成でき、テープが、少なくとも一つの方向(例えば、Z方向)における高電気伝導率および少なくとも別の方向(および、好ましくは二つの方向)(例えば、XおよびY方向)における低電気伝導率を含むことができる。
o テープは、二つの平面の表面の間に押し付けられた時に、電気接点の少なくとも一つまたは複数の周りに防水シールを確立するように構成され得る両面接着剤のリングまたはフレームを含み得る。
- ライナーは、センサのヘッドを覆うように構成さすることができ、ライナーは、プラスチックの層、紙の層、およびプラスチックの層によって被覆された紙の層のうちの少なくとも一つを含む。
o ライナーは、モータユニットに面する部分および/またはカニューレユニットに面する部分を含むことができ、カニューレユニットに面する部分がそれ自体折り畳まれてもよく、またセンサのヘッドの第一の側(例えば、背面)に接続層で接続することができる。
o モータユニットに面した部分は、それ自体折り畳まれ、テープを使用してヘッドの第二の側面(例えば、前面)に接続され得る。
o ライナーの近位端が、支援デバイス挿入機構のハンマーに接続されてもよく、および/または
【0019】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスと併用するための貯蔵部充填およびカニューレ挿入のための支援デバイスが提供され、例えば、充填機構およびカニューレおよび連続的なグルコースセンサの両方を皮下挿入するよう構成された挿入機構を含む。一部のこうした実施形態では、デバイスはさらに、いくつかの実施形態では、ユーザの皮膚を通して、随意に薬物送達ポンプ(および随意にチャネルを介して)を通して、カニューレおよびセンサを同時に配置するよう構成されたインサータハンマーを含む。さらに、ハンマーは、それぞれがカニューレおよびセンサの一つを挿入するように構成された複数のハンマーを含み得る。
いくつかの実施形態では、薬物送達システムを操作する方法が提供され、例えば、薬物送達システムのモータユニットを支援デバイスのスロットに挿入することであって、モータユニットからポンプが、システムのカニューレユニットで組み立てることができるように挿入することと、インスリン充填機構を介してポンプにインスリンを充填することと、ポンプを呼び水することと、ライナーをはがしてポンプの皮膚に面する側に接着剤を露出させることと、支援デバイスを介してユーザの皮膚の所望の位置にポンプを配置することと、ポンプが皮膚に付着すると、カニューレとセンサがユーザに挿入されるよう、カニューレユニットをトリガーすることとの、少なくとも一つ、いくつかの実施形態では複数、およびいくつかの実施形態では全てを含む。バネに貯蔵された弾性エネルギーを介して挿入が発生することがありバネによって生成される力は、カニューレおよびセンサに少なくとも一つのハンマーを介して伝達され得る。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態は、
図1~55のいずれか一つまたは複数に記述および/または図示された実施形態のいずれかによるシステムまたはデバイスを対象とする。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態は、本明細書に記載される、および/または
図1~55のいずれか一つまたは複数に図示された実施形態のいずれかによる方法を対象とする。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
組織に軟質カニューレを少なくとも挿入するよう構成された軟質カニューレ挿入機構を含む支援デバイスであって、前記デバイスが、
ハウジングと、
カップ開口部内に構成された第一の出口ポート隔壁と、
出口ポートウェルと、
第二の出口ポート隔壁と、を含み、
軟質カニューレが内腔を有し、剛直なカニューレが内腔を有し、
前記軟質カニューレおよび剛直なカニューレそれぞれが、その長さに沿って少なくとも一つの横方向の開口部を含み、
前記ハウジングが、カニューレ挿入のためにユーザの皮膚上に配置するように構成されており、
挿入前に、前記剛直なカニューレは、両方のカニューレが、初めに前記カップ隔壁を横断するように、前記軟質カニューレ内に位置付けられ、前記軟質カニューレおよび剛直なカニューレの遠位端が、前記出口ポートウェル内に位置し、
挿入直後に、前記剛直なカニューレおよび軟質カニューレの前記遠位端は、ユーザの皮膚内および/または下方に位置付けられ、対応する横方向の開口部が、前記ウェル内に配置され、
前記剛直なカニューレが、前記支援デバイスの前記ユーザの前記皮膚組織からの格納によって、前記軟質カニューレから取り外されるように構成される、パッチポンプ支援システム。
(項目2)
前記支援デバイスがカニューレ曲げバネを含む、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記カニューレ曲げバネに保存されたエネルギーが、前記支援デバイスの少なくとも一つが薬物送達システムから分離されると解放される、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記カニューレ曲げバネによって解放される前記エネルギーが、前記剛直なカニューレを第一の位置から第二の位置に移動させる、項目2または3に記載のシステム。
(項目5)
前記第一の位置が、前記ハウジングの側面または部分に対してほぼ直交し、前記第二の位置が、前記ハウジングの前記側面または部分にほぼ平行である、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記デバイスが、トリガー、インサータバネ、インサータハンマー、カップ、およびカップ隔壁の少なくとも一つをさらに含み、前記カップが前記カップ開口部内に嵌合するよう構成される、項目1~5のいずれか1項に記載のシステム。
(項目7)
前記デバイスが、
トリガー、インサータバネ、インサータハンマー、カップ、およびカップ隔壁をさらに含み、前記カップは前記カップ開口部内に嵌合するよう構成される、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記軟質カニューレの前記横方向の開口部が、前記剛直なカニューレの前記横方向の開口部と整列する、項目2~7のいずれか1項に記載のシステム。
(項目9)
前記軟質カニューレの前記横方向の開口部が、前記剛直なカニューレの前記横方向の開口部と整列する、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記剛直なカニューレの第一の端部が前記インサータハンマーに強固に接続されている、項目6または7に記載のシステム。
(項目11)
前記軟質カニューレの第一の端部が、前記軟質カニューレが前記カップの端部から外へ移動するのを防止するように構成されたストッパーを含む、項目6、7または10のいずれか1項に記載のシステム。
(項目12)
前記軟質カニューレの第一の端部が、前記軟質カニューレが前記カップの端部から外へ移動するのを防止するように構成されたストッパーを含む、項目7に記載のシステム。
(項目13)
前記ストッパーが前記軟質カニューレと一体型である、項目11~12に記載のシステム。
(項目14)
前記カップ隔壁が前記カップの内部を封止するように構成される、項目6~13のいずれか1項に記載のシステム。
(項目15)
前記カップ開口部が前記ハウジングと一体型である、項目1に記載のシステム。
(項目16)
前記カップ隔壁が前記カップの内部を封止するように構成される、項目6または7のいずれか1項に記載のシステム。
(項目17)
前記剛直なカニューレの鋭利な端部が前記軟質カニューレの端部を越えて突出する、項目2~16のいずれか1項に記載のシステム。
(項目18)
前記剛直なカニューレの鋭利な端部が前記軟質カニューレの端部を越えて突出する、項目1に記載のシステム。
(項目19)
前記剛直なカニューレの前記鋭利な端部および前記軟質カニューレの前記端部が、少なくとも初期に、前記出口ポートウェル内に存在する、項目17または18に記載のシステム。
(項目20)
少なくとも初期に、前記剛直なカニューレおよび前記軟質カニューレが、前記第二の出口ポート隔壁を横切る、項目1に記載のシステム。
(項目21)
少なくとも初期に、前記インサータバネが潜在エネルギーを有して構成される、項目6~20のいずれか1項に記載のシステム。
(項目22)
少なくとも初期に、前記インサータバネが潜在エネルギーを有して構成される、項目6または7に記載のシステム。
(項目23)
前記カニューレ曲げバネが、潜在エネルギーを有して構成される、項目3~19のいずれか1項に記載のシステム。
(項目24)
前記カニューレ曲げバネが、潜在エネルギーを有して構成される、項目2に記載のシステム。
(項目25)
前記カニューレ曲げバネが前記パッチポンプの側面によって前記カニューレに向かって曲がることを防止する、項目23または24に記載のシステム。
(項目26)
前記支援デバイスが、再使用可能部品および使い捨て部品を使って構成される、項目2~25のいずれか1項に記載のシステム。
(項目27)
前記支援デバイスが、再使用可能部品および使い捨て部品を使って構成される、項目1に記載のシステム。
(項目28)
前記パッチポンプの貯蔵部を物質で充填するように構成された貯蔵部充填機構をさらに含む、項目2~27のいずれか1項に記載のシステム。
(項目29)
前記パッチポンプの貯蔵部を物質で充填するように構成された貯蔵部充填機構をさらに含む、項目1に記載のシステム。
(項目30)
前記剛直なカニューレおよび前記軟質カニューレの少なくとも一つの端部が封止されている、項目2~29のいずれか1項に記載のシステム。
(項目31)
前記剛直なカニューレおよび前記軟質カニューレの少なくとも一つの端部が封止されている、項目1に記載のシステム。
(項目32)
前記軟質カニューレの端部が、分注されるインスリンまたは物質が、前記横方向の開口部を介して呼び水中に前記出口ポートウェルからのみ外に流れることができるように、前記剛直なカニューレとの封止を確立する、項目30または31に記載のシステム。
(項目33)
前記システムが、前記デバイスをユーザの皮膚に接着するように構成された接着剤を含み、
前記軟質カニューレ挿入機構が、前記軟質カニューレの先端を前記皮膚内または前記皮膚の下に配置するように構成される、項目1~32のいずれか1項に記載のシステム。
(項目34)
貯蔵部を含む薬物送達パッチポンプと、
投薬部デバイスと、
項目1~33のいずれか1項に記載の支援デバイスまたは前記支援システムと、を含み、
前記貯蔵部を充填する際、前記ポンプが、流体が、出口ポート導管を通して、充填ポートウェル内に、前記剛直なカニューレの前記内腔を通して、および各カニューレの前記横方向の開口部から外に送り出されるように、前記投薬部を介して呼び水するように構成される、薬物送達パッチポンプシステム。
(項目35)
前記ポンプが、
実質的に任意の空気および全ての空気が前記投薬部および/または貯蔵部を出るまで、
および
送達される前記薬剤が、前記カニューレの前記横方向の開口部から流れ始めるまでの、少なくとも一つまで呼び水を続けるよう構成される、項目34に記載のシステム。
(項目36)
薬物送達システム用の軟質カニューレをユーザの組織に挿入するための方法であって、一つまたは複数の安全キャッチが、
前記インサータ機構のインサータハンマーが、第一の方向に駆動され、
前記インサータ機構のカップ、カップ開口部、カップ隔壁、剛直なカニューレ、および軟質カニューレが患者の皮膚に向かって移動し、
剛直なカニューレの先端が皮膚を穿刺し、軟質カニューレの経路を確立し、
前記カップの端部が、カップ隔壁の端部にあり、前記カップが、前記カップ開口部に配置され、前記剛直なカニューレおよび前記軟質カニューレの横方向の開口部が、出口ポートウェルと流体連通し、および前記剛直なカニューレおよび前記軟質カニューレの対応する端部が前記患者の皮膚下にある際、前記支援デバイスが、前記軟質カニューレの前記内腔からの前記剛直なカニューレを除去しつつ、除去されるように、前記インサータ機構のインサータバネに保存されているエネルギーを解放するように、カニューレ挿入機構のトリガーを誘発することを含む、方法。
(項目37)
カニューレ曲げバネに保存された前記エネルギーが、前記支援デバイスおよび前記薬物送達システムの分離に伴い解放される、項目36に記載の方法。
(項目38)
項目1~35のデバイスまたはシステムの一つまたは別のものを設けることをさらに含む、項目36または37に記載の方法。
【0022】
さらなる実施形態のサポート、ならびに本明細書に開示される特定の特徴/機能および本開示の特徴/機能と組み合わせられ得る特徴/機能の一つ、および/または別に対するサポートが、以下を参照することで見出すことができる。
- 米国特許出願第62/259,158号(2015年5月8日出願)、
- 国際出願IL2016/050481(2016年5月5日出願)、
- 米国特許出願第15/526,736号(2016年5月5日出願)、
- 米国特許出願第62/519,982号(2017年6月15日出願)、および
- 米国特許出願第62/551,082号(2017年8月28日出願)。
上記の開示のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示の実施形態の少なくとも一部
【0024】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態による、パッチポンプを含むインスリン送達システム(「IDS」)の主要または一般的な構成要素を示す。
【0025】
【
図2】
図2は、例えば、使い捨て部品(DP)および再使用可能部品(RP)を含む、いくつかの実施形態による、パッチポンプの接続されていない部品を示す。
【0026】
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態による、
図1のシステムの支援デバイスの空間的図を示す。
【0027】
【
図4】
図4A~Dは、いくつかの実施形態による、パッチポンプ(A)および使い捨て部品(B-D)の断面図を示す。
【0028】
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による、
図3の支援デバイスの主要構成要素のスキーム、および予め組み立てられた使い捨て部品を示す。
【0029】
【
図6】
図6、7A~B、および8A~Bは、いくつかの実施形態による、支援デバイスの空間的図を示す。
【0030】
【
図9】
図9~14は、いくつかの実施形態による、支援デバイス(
図9)の貯蔵部充填機構のスキーム、および貯蔵部充填プロセス(
図10~14)の動作フェーズ(フェーズ1→フェーズ4)を示す。
【0031】
【
図15】
図15~16は、いくつかの実施形態による、貯蔵部充填機構、使い捨て部品(
図15)、およびスタンドアロン貯蔵部充填機構(
図16)の断面図を示す。
【0032】
【
図17】
図17A~Cは、いくつかの実施形態による、充填プロセスの最初の三つのフェーズにおける貯蔵部充填機構の断面図を示す。
【0033】
【
図18】
図18は、いくつかの実施形態による、充填プロセスが完了し、バイアルが切り離された後の貯蔵部充填機構の拡大断面図を示す。
【0034】
【
図19】
図19は、いくつかの実施形態による、貯蔵部充填機構、カニューレ挿入機構、および使い捨て部品のいくつかの構成要素を含む支援デバイスの横断面図を示す。
【0035】
【
図20】
図20は、インスリンをバイアルから貯蔵部へと流すためにプランジャおよびシリンダを使用して空気圧縮を用いる、本開示のいくつかの実施形態による、支援デバイスの概略断面を示す。
【0036】
【
図21】
図21~26は、いくつかの実施形態による、その動作のさまざまな段階の間の、
図20の充填機構の概略断面を示す。
【0037】
【
図27】
図27は、インスリンをバイアルから貯蔵部へと流すためにプランジャおよびシリンダを使用して空気圧縮を用いる、本開示のいくつかの実施形態による、別の支援デバイスの概略断面を示す。
【0038】
【
図28】
図28~
図32は、いくつかの実施形態による、その動作のさまざまな段階の間の、
図27の充填機構の概略断面を示す。
【0039】
【
図33】
図33は、インスリンをバイアルから貯蔵部へと流すためにプランジャおよびシリンダを使用して空気圧縮を用い、プランジャを動かすために駆動機構を利用する、本開示のいくつかの実施形態による、別の支援デバイスの概略断面を示す。
【0040】
【
図34】
図34~35は、駆動機構を利用して、貯蔵部プランジャを引き寄せることによって、貯蔵部をインスリンで充填する、本開示のいくつかの実施形態による、別の支援デバイスの概略断面図を示す。
【0041】
【
図36】
図36~40は、いくつかの実施形態による、その動作のさまざまな段階の間の、
図34~35の充填機構の概略断面を示す。
【0042】
【
図41】
図41は、インスリンをバイアルから貯蔵部へと流すために蛇腹を使用して空気圧縮を用いる、本開示のいくつかの実施形態による、さらに別の支援デバイスの概略断面を示す。
【0043】
【
図42】
図42A~Dは、いくつかの実施形態による、パッチポンプ(A)およびその使い捨て部品(B-D)の断面図を示す。
【0044】
【
図43】
図43は、軟質カニューレおよび軟質カニューレ挿入機構を含む、本開示のいくつかの実施形態による、さらに別の支援デバイスの概略断面を示す。
【0045】
【
図44】
図43~45は、その動作のさまざまな段階の間、
図43の支援デバイスの概略図を示す。
【0046】
【
図46】
図46は、いくつかの実施形態による、閉ループインスリン注入システム(人工膵臓)の構成要素を示す。
【0047】
【
図47】
図47は、いくつかの実施形態による、カニューレユニットに面する側の電気接点を含む閉ループインスリン注入システム(人工膵臓)のポンプのモータユニットを示す。
【0048】
【
図48】
図48は、いくつかの実施形態による、閉ループインスリン注入システム(人工膵臓)のポンプのモータユニットおよびカニューレユニットを示す。
【0049】
【
図49】
図49A~Cは、いくつかの実施形態による、人工膵臓の連続的なグルコースセンサを含むポンプの上面図および断面を示す。
【0050】
【
図50】
図50は、いくつかの実施形態による、人工膵臓の連続的なグルコースセンサの正面図を示す。
【0051】
【
図51】
図51は、いくつかの実施形態による、人工膵臓のポンプのチャネル内に配置された人工膵臓の連続的なグルコースセンサの側面図を示す。
【0052】
【
図52】
図52~53は、いくつかの実施形態による、インスリンでポンプを充填し、カニューレおよび連続的なグルコースセンサをユーザに配置するように構成された人工膵臓用の支援デバイスの概略断面を示す。
【0053】
【
図54】
図54は、いくつかの実施形態による、人工膵臓のポンプに電気的および機械的に接続されたプロセスにおける、人工的な連続的なグルコースセンサの側面図を示す。
【0054】
【
図55】
図55は、いくつかの実施形態による、人工膵臓のポンプに電気的および機械的に接続された人工的な連続的なグルコースセンサの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、いくつかの実施形態による、インスリン送達システム100の構成要素を示す。システムは、以下の構成要素のうち、つまり、インスリンパッチポンプ1(ポンプ、物質送達ポンプ、薬物送達ポンプ、および同種のもの)、コントローラ2、充電器3、および支援デバイス4の少なくとも一つ(およびいくつかの実施形態では、二つ以上、およびいくつかの実施形態では、全て)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ2はパッチポンプ1に遠隔に命令し、警告および警報をパッチポンプ1から受信する。コントローラ2は、タッチスクリーンおよび操作ボタンなどのユーザインターフェースを含むことができる。コントローラ2はまた、他の薬物/糖尿病管理デバイス(例えば、グルコースメーター)、BLE有効デバイス(PC、スマートフォン、タブレットなど)およびクラウドと通信し得る。さらに、いくつかの実施形態では、コントローラはスマートフォンおよび同種のものを含み得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、パッチポンプ1は、再使用可能部品(RP)11および使い捨て部品(DP)12を含む。RP11は、駆動機構、電子機器、および電源(例えば、電池)のうちの一つまたは複数を含むことができる(機器によっては、そのうちの二つまたはそれ以上または全てを含むことができる)。DP12は、接着ベース、貯蔵部、ポンピング機構、充填ポート、出口ポート、およびカニューレの全てまたは複数を含み得る。
【0057】
インスリン(および/または別の薬物または物質)は、貯蔵部から出口ポートへ、および(いくつかの実施形態では)カニューレを通して出口ポートから身体へと送達するように構成され得る。RP11内(いくつかの実施形態では、DPに含まれてもよく、また一回きりの使用電池)の電源は、充電器3で充電され得る。支援デバイス4は、RP11およびDP12を接続し、貯蔵部を充填すること、パッチポンプ1を皮膚に接着すること、およびカニューレ挿入のうちの少なくとも一つに使用され得る。カニューレ挿入後、支援デバイス4を廃棄することができる。
【0058】
図2は、いくつかの実施形態による、パッチポンプ1の接続されていない主要構成要素(RP11およびDP12)を示す。示されるように、DP12は、接着ベース40、貯蔵部20、および投薬部30を含む。インスリンは、貯蔵部20から投薬部30へ、およびカニューレ(図示せず)を通して投薬部30からユーザの身体へと送達され得る。いくつかの実施形態によれば、動作前に、ユーザはRP11およびDP12を接続し(パッチポンプ1を形成する)、貯蔵部20を充填し、パッチポンプ1を皮膚に接着させ、カニューレ(図示せず)を挿入する。動作サイクル(パッチポンプ取り付けからパッチポンプ取り外し、すなわち、約1~5日間)の終了時、ユーザはパッチポンプ1を皮膚から取り外し、RP11をDP12から切り離し、DP12を配置する。いくつかの実施形態では、パッチポンプが、一つのRP11が動作しているとき(DPに接続され、ユーザ身体に接着される)、第二のRP11が充電されるように、少なくとも二つのRP11を含む、キット内に提供され得る。従って、一つの動作サイクルの終了時に、新しいDP12が充電されたRP11(第二のRP)に接続され、使用済みRP(第一のRP)が充電される。
【0059】
図3は、いくつかの実施形態による、支援デバイス4の空間図を示す。支援デバイス4は、バイアルコネクタ80、RPノッチ70、トリガー52、安全キャッチ51のうちの少なくとも一つ(およびいくつかの実施形態では、二つ以上、およびいくつかの実施形態では全て)を含み得る。一つの好ましい実施形態では、DP(貯蔵部20および接着ベース40)は、支援デバイス4の底部側にあらかじめ組み立てられる。接着ベース40は、二つの接着/粘着性表面と、パッチポンプ1を皮膚に接着するための底面と、DP12をRP11に固定するための上面(例えば、DP-RP接続後)とを含み得る。支援デバイス4は、貯蔵部充填機構(
図5における200)、カニューレ挿入機構(
図5の
図300)、およびDR-RP整列機構のうちの少なくとも一つを含み得る。挿入機構は、トリガー52および安全キャッチ51(一方の側のみが示される)を付随して加圧することによって起動され得る。貯蔵部充填機構は、インスリンバイアルのバイアルコネクタ80への接続およびバイアルコネクタ80に対してバイアルを押すことにより、起動される。RPノッチ70は、RP-DP接続中にRP11とDP12間の整列を提供するように構成され得る。RP11(図示せず)は、貯蔵部20の上を摺動し、支援デバイス4内のDP12に接続するように構成され得る。
【0060】
図4A~Dは、いくつかの実施形態による、パッチポンプおよびDP12(B-D)の断面図を示す。
図4Aは、例えば、RP11(一点鎖線)およびDP12を含むパッチポンプ1を示す。DP12は、貯蔵部20、貯蔵部プランジャ21、投薬部30、投薬部プランジャ31、充填用導管22、充填ポート隔壁23、充填ポートウェル24、出口ポート導管32、出口ポートウェル34、カニューレ36、カニューレ隔壁33、カニューレ開口部35、および貯蔵部-投薬部導管37の少なくとも複数の複数(いくつかの実施形態では、全て)を含み得る。
【0061】
貯蔵部20の充填(この場合、インスリンであるが、ユーザの組織への送達のための任意の物質であり得る)は、指定された注射器(図示せず)、または支援デバイス4(
図3および
図5~19)を用いて行うことができる。注射器で、ユーザはインスリンをバイアルから引き、充填ポート隔壁23を注射器の針で穿孔し、充填ポートウェル24の中へインスリンを注入して、充填用導管22を通して、貯蔵部20にいれる(例えば、注射器は、バイアルからパッチポンプ貯蔵部20へのインスリン送達のための「輸送ツール」である)。支援デバイス4で、インスリンはバイアルからパッチポンプ貯蔵部20(「搬送ツール」なし)に直接送達され、インスリンは充填ポート隔壁23を通して充填ポートウェル24に送達され、充填用導管22を通して貯蔵部20内に送達される。
【0062】
バイアルから引き出され、貯蔵部20に注入されるインスリンの量は、ユーザのインスリンの毎日の摂取および予測される使用日に依存することができる。例えば、毎日の摂取が50単位/日(50U/日)で、交換サイクル(交換の間の時間)が3日である場合、必要なインスリン量は150U(50Ux3日)である。インスリンはウェル24から充填用導管22を通して貯蔵部20内に送達される。貯蔵部20の充填中に、貯蔵部プランジャ21は、太字の矢印の方向にその最終的な位置(下向きの対角線)に変位される。貯蔵部プランジャ21の最終位置は、ユーザが貯蔵部20内に注入するインスリンの量に依存するように構成される。
図4Aでは、貯蔵部は四つの目盛り(50U、100U、150U、および200U)でマークされてもよく、貯蔵部は150Uで充填され、貯蔵部プランジャ21の最終位置(下向きの対角線)は150Uのマークである。
【0063】
パッチポンプ1の動作中、投薬部プランジャ31は、RP駆動機構(図示せず)によって後方および前方に変位されるように構成され得る。投薬部プランジャ31が後方に変位すると、インスリンは貯蔵部投薬部導管37を通して投薬部30内に送達され得る。投薬部プランジャ31が前方に変位されると、インスリンは投薬部30から、出口ポート導管32、出口ポートウェル34、カニューレ開口部35、およびカニューレ36を通して、ユーザの身体へと送達され得る。
【0064】
図4B、4C、および4Dは、それぞれ断面平面(点線)y-y(4B)、z-z(4C)、およびx-x(4D)を通るDP12の断面図を示す。
図4Bは、
図4Aの平面y-yの長軸方向の断面図を示す。DP12は、貯蔵部20、貯蔵部プランジャ21(充填前、黒色、充填後150Uのインスリンで下向きの対角線)、充填用導管22、充填ポート隔壁23、および充填ポートウェル24を含む。
図4Cは、
図4Aの平面z-zの長手方向断面図を示す(カニューレ36挿入後)。DP12は、投薬部30、投薬部プランジャ31、出口ポート導管32、出口ポートウェル34、カニューレ36、カニューレ隔壁33、およびカニューレ開口部35を含む。ユーザへのインスリン投与の間、インスリンは投薬部30から、出口ポート導管32、出口ポートウェル34、カニューレ開口部35、およびカニューレ36を通して、ユーザの身体へと送達され得る。カニューレ36(
図5)の挿入前に、カニューレ隔壁33およびカニューレ開口部35はDP12の外側に位置し、カニューレ36先端はDP12内に位置する。いくつかの実施形態では、DP12は、支援デバイス(
図3、5~8、および19)とともにあらかじめ組み立てることができ、貯蔵部20の充填およびDP-RP接続(支援デバイス内)の後、パッチポンプ1が支援デバイスでユーザの皮膚に接着され、カニューレ36が、カニューレ挿入機構の作動によって挿入される(
図19)。
【0065】
いくつかの実施形態では、カニューレ挿入中に、カニューレ36およびカニューレ開口部35は、
図4Cに示す位置に下向きに変位され、カニューレ隔壁33は出口ポートウェル34を密封し、カニューレ開口部35は出口ポートウェル34の中に位置し、カニューレ36の先端はDP12の底部の下に位置する。
図4Dは、
図4Aの平面x-xの横方向断面図を示す。DP12は、充填ポート隔壁23、充填ポートウェル24、出口ポートウェル34、カニューレ36、カニューレ隔壁33、およびカニューレ開口部35を含む。
【0066】
図5は、支援デバイス4および予め組み立てられたDP12の主要構成要素のスキームを示す。いくつかの実施形態では、支援デバイス4には、貯蔵部充填機構200およびカニューレ挿入機構300のうち少なくとも一つが含まれ得る。別の実施形態では(図示せず)、インスリン充填およびカニューレ挿入は、二つの分離したデバイス、つまり、充填デバイスおよび挿入デバイス(インサータ)を用いて実施でき、各デバイスは別個のハウジングを有することができる(およびいくつかの実施形態では別個のハウジングを有する)。充填デバイスは貯蔵部充填機構200で構成することができ、挿入デバイスはカニューレ挿入機構300を有する。以下、本開示の少なくとも一つおよび/または別の実施形態に関する貯蔵部充填機構200は、交換可能に、支援デバイス4(挿入機構300を含む)、または別個のハウジングおよび別個の貯蔵部充填機構200を有するスタンドアロンの充填デバイスの一部とし得る。
【0067】
図5に示す支援デバイス4は、予め組み立てられたDP12、貯蔵部充填機構200、およびカニューレ挿入機構300を含む。貯蔵部充填機構200は、バイアルアダプタ41、充填針43、通気針44、充填ピストン42、充填空所48、搬送針47、ピストンバネ45、および通気開口部46のうちの少なくとも一つ(および、いくつかの実施形態では、二つ以上、およびいくつかの実施形態では、全て)を含んでもよい。カニューレ挿入機構300は、トリガー52、インサータバネ69、およびインサータハンマー54を含み得る。DP12は、充填ポート隔壁23、充填ポートウェル24、出口ポートウェル34、カニューレ36、カニューレ隔壁33、およびカニューレ開口部35を含み得る。従って、カニューレ挿入後、カニューレ隔壁33は、出口ポートウェル34を密封するように構成され、カニューレ開口部35は出口ポートウェル34内に位置し、カニューレ36の先端はDP12の底部の下に位置する(
図4C)。
図5は、空所48の充填フェーズ(フェーズ3、
図8Aおよび12)の間の貯蔵部充填機構200を示し、バイアル50はバイアルアダプタ41に接続され、インスリンはバイアル50から空所48に送達される。搬送針47は、充填ポート隔壁23を貫通し、搬送針47の先端は充填ポートウェル34内に位置する。
【0068】
図6、7A~B、および8A~Bは、いくつかの実施形態による、支援デバイス4(
図6)の空間的図および貯蔵部充填機構(
図7A~Bおよび8A-B)の動作フェーズを示す。第一に、バイアル接続(7A)において、-バイアル50は、バイアルアダプタ41、第二の間隔充填(7B)に接続され、バイアルが下向きに押され、インスリンがバイアルから空所48に送達される。第三に、貯蔵部充填(8A)において、バイアル50から圧力が除去され、バイアル50が引き込まれ、インスリンが空所48から貯蔵部20へ送達される。第四に、バイアル切り離し(8B)において、バイアル50は支援デバイス4から取り外される。
【0069】
図6は、いくつかの実施形態による、支援デバイス4の空間図を示す。支援デバイス4は、トリガー52、安全キャッチ51、およびバイアルコネクタ80を含む。バイアルコネクタ80は、バイアルアダプタ41および針プロテクタ53を含んでもよい。
【0070】
図7Aは、いくつかの実施形態による、貯蔵部充填(バイアル接続)のフェーズ1での支援デバイス4の空間的図を示す。支援デバイスは、トリガー、52、安全キャッチ51、およびバイアルコネクタ80(バイアルアダプタ41および針プロテクタ53)を含む。貯蔵部充填のフェーズ1の間、バイアル50はバイアルアダプタ41に接続される(
図10の動作スキーム)。
【0071】
図7Bは、いくつかの実施形態による、貯蔵部充填(空所充填)のフェーズ2での支援デバイス4の空間的図を示す。支援デバイスは、トリガー52、安全キャッチ51、およびバイアルコネクタ80(バイアルアダプタ41および針プロテクタ53)を含み得る。貯蔵部充填のフェーズ2の間、バイアル50は太字の矢印の方向に下方に、強制され得る。インスリンをバイアル50から空所48に送達することができる(
図11の動作スキーム)。
【0072】
図8Aは、いくつかの実施形態による、充填プロセス(貯蔵部充填)のフェーズ3での支援デバイス4の空間的図を示す。支援デバイス4は、トリガー52、安全キャッチ51、およびバイアルコネクタ80(バイアルアダプタ41および針プロテクタ53)を含む。充填プロセスのフェーズ3の間、バイアル50は太字の矢印の方向に格納され得る。インスリンは、空所48から貯蔵部20へと送達される(
図12の動作スキーム)。
【0073】
図8Bは、いくつかの実施形態による、充填プロセス(バイアル切り離し)のフェーズ4での支援デバイス4の空間的図を示す。支援デバイス4は、トリガー52、安全キャッチ51、およびバイアルコネクタ80(バイアルアダプタ41および針プロテクタ53)を含む。充填プロセスのフェーズ4の間、バイアル50は支援デバイス4から取り外される(
図13の動作スキーム)。
【0074】
図9~14は、いくつかの実施形態による、支援デバイス4(
図9)の貯蔵部充填機構200のスキーム、および貯蔵部充填(
図10~14)の動作フェーズ(フェーズ1→フェーズ4)を示す。
図9は、貯蔵部充填機構200の断面のスキームを示す。貯蔵部充填機構200は、バイアルアダプタ41、スライド式ロッド65、スライド式ロッド開口部67、充填針43、通気針44、充填ピストン42、充填空所48、ピストン導管64、搬送針47、ピストンガスケット49、空所ガスケット63、第一の一方向バルブ61、第二の一方向バルブ62、第三の一方向バルブ68、搬送針47、目盛りマーク60、充填スリーブ66、ピストンバネ45、および通気開口部46の複数、および好ましくは全てを含んでもよい。いくつかの実施形態では、貯蔵部充填機構200は、支援デバイス4(図示せず)内のDP12とあらかじめ組み立てられ得る。
【0075】
DP12はまた、充填ポート隔壁23、充填ポートウェル24、充填用導管22、貯蔵部20、および貯蔵部プランジャ21の複数、および好ましくは全てを含んでもよい。搬送針47は、充填ポート隔壁23を貫通するように構成され、搬送針47の先端は充填ポートウェル24の中に存在する。バイアルアダプタ41は、円筒形状のスライド式ロッド65を介して充填ピストン42と接続され得る。充填スリーブ66は、ピストンバネ45のうちの複数、および好ましくは全てを含んでもよいシリンダ、充填ピストン42、通気開口部46、および充填スリーブ開口部67のうちの少なくとも一つ、およびいくつの実施形態では、複数、および、いくつの実施形態では、全てを含んでもよい。空所ガスケット63は、スライド式ロッド65が、充填スリーブ開口部67内で直線的に変位した時に(太字の矢印XおよびYの方向に)、空所48の密封を提供する充填スリーブ開口部67に接続され得る。充填ピストン42は、充填ピストン42が充填スリーブ66内で直線的に変位した時に、空所48の密封を提供するガスケット49を含み得る。太字の矢印Xの方向に充填ピストン42の変位は、空所48の容積を増加させ、ピストンバネ45を圧縮するように構成され、太字Y方向における充填ピストン42の変位は、空所48の容積を減少させ、ピストンバネ45を伸張させるように構成される。充填針43は、鋭利な先端を含み、スライド式ロッド65を横断することが好ましい。充填針43は、充填ピストン42を横断するピストン導管64を経由して、空所48と一方向の水圧連通を含み得る。
【0076】
第一の一方向バルブ61は、充填針43の先端からピストン導管64を通って空所48へと一方向のインスリン送達を提供する。空所48は、搬送針47、充填ポートウェル24、貯蔵部充填用導管22、および貯蔵部20を介して、貯蔵部20との一方向の水圧連通を含むことが好ましい。第二の一方向バルブ62は、搬送針47、充填ポートウェル24および貯蔵部充填用導管22を介して、空所48から貯蔵部20への一方向のインスリン送達を提供することが好ましい。通気針44は、鋭利な先端を含み、スライド式ロッド65を横断することが好ましい。通気針44は、充填スリーブ66と通気針44の先端との間の空気連通を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、ピストンスリーブ66内の通気針44の端部に配置され得る、第三の一方向バルブ68を提供することができる。第三の一方向バルブ68は、大気からバイアル50への一方向空気送達を提供するように構成されており、バイアル50内の圧力が大気圧超えている場合(例えば、バイアルが、貯蔵部充填用の注射器を使用して空気で充填された場合には、これが起こり得る)、不注意のインスリン送達を防止するように構成される。
【0077】
通気開口部46は、大気と充填スリーブ66との間の大気圧(P)平衡を提供するように構成される。バイアルがバイアルアダプタ41に接続されていない場合、通気針44の先端での圧力は大気圧(P)であり、通気針44に沿った空気移動はない。スライド式ロッド65は、動作サイクル(すなわち、1~5日)中の必要なインスリン摂取量に従い、バイアル50から貯蔵部20に送達されるインスリンの容積の表示をユーザに提供する目盛りマーク60を使って構成されることが好ましい。
図9は、50、100、150、および200のインスリン単位のマークの実施例を示す。充填プロセス中、ユーザはバイアル50を押し、バイアルアダプタ41およびスライド式ロッド65を太字の矢印Xの方向に移動させる。変位(スライド式ロッド65および充填ピストン42の直線的な移動)の程度は、バイアル50から貯蔵部20へ送達されるインスリンの量と相関するように構成される。例えば、必要な量が150ユニット(150U)である場合、ユーザはバイアル41およびスライド式ロッド65を150単位のマークのレベルに押す。別の実施形態では、貯蔵部充填機構200には、スライド式ロッド65上に位置付けられる容積設定ノブ(図示せず)が提供され得る。ユーザによる一方向または反対方向(例えば、時計回りまたは反時計回り)によるノブの回転は、それぞれ送達されるインスリン量を増加または減少させる。目盛りをノブ(つまり0U~200U)にマークすることができる。ユーザは、容積設定ノブを望ましい量(すなわち、150単位)に回転させ、バイアル50を押す(
図11)。別の好ましい実施形態では、バイアル50から貯蔵部20へ送達されるインスリンの量は、固定量(すなわち、50インスリン単位)に事前設定され得る。スライド式ロッド65の下向きの変位(太字X)の程度は、プリセットされてもよく、従って、一回の押しでバイアル50から貯蔵部20に送達されるインスリンの量は、プリセットされる。送達されたインスリンの総量=量(インスリン単位)×押した数、例えば、固定量が50単位(50U)であり、一つの交換サイクル(すなわち、1~5日)に対するユーザ要求が150ユニット(150U)である場合、ユーザはバイアルを3回(50U×3=150U)を押すべきである。
図9に示す実施例では、貯蔵部の最大容積が200Uである場合、それに応じて、フルな貯蔵を達成するために、最大の押す数は4(50U×4=200U)である。
【0078】
図10は、いくつかの実施形態による、充填プロセス(バイアル接続)のフェーズ1での貯蔵部充填機構200の断面を示す。貯蔵部充填機構200は、バイアルアダプタ41、スライド式ロッド65、スライド式ロッド開口部67、充填針43、通気針44、充填ピストン42、充填空所48、ピストン導管64、搬送針47、ピストンガスケット49、空所ガスケット63、第一の一方向バルブ61、第二の一方向バルブ62、第三の一方向バルブ68、搬送針47、目盛りマーク60、充填スリーブ66、ピストンバネ45、および通気開口部46の複数、および好ましくは全てを含む。貯蔵部充填機構200は、搬送針47を通してバイアル50から(DP12内に存在する)貯蔵部20へのインスリンの送達を提供する。DP12は、充填ポート隔壁23、充填ポートウェル24、充填用導管22、貯蔵部20、および貯蔵部プランジャ21の複数、および好ましくは全てを含む。充填プロセスのフェーズ1で、バイアル50はバイアルアダプタ41に接続されている。充填針43および通気針44は、バイアルカバー55のゴム隔壁を貫通する。
【0079】
図11は、いくつかの実施形態による、充填プロセス(空所充填)のフェーズ2での貯蔵部充填機構200の断面のスキームを示す。貯蔵部充填機構200は、バイアルアダプタ41、スライド式ロッド65、スライド式ロッド開口部67、充填針43、通気針44、充填ピストン42、充填空所48、ピストン導管64、搬送針47、ピストンガスケット49、空所ガスケット63、第一の一方向バルブ61、第二の一方向バルブ62、第三の一方向バルブ68、搬送針47、目盛りマーク60、充填スリーブ66、ピストンバネ45、および通気開口部46の複数、および好ましくは全てを含む。DP12は、充填ポート隔壁23、充填ポートウェル24、充填用導管22、貯蔵部20、および貯蔵部プランジャ21の複数、および好ましくは全てを含む。充填プロセスのフェーズ2で、バイアル50は太字の矢印の方向に押され、同時に、スライド式ロッド65および充填ピストン42が同じ方向(太字の矢印)に変位する。充填ピストン42の変位は、ピストンガスケット49および空所ガスケット63によって密封封止される空所48内の陰圧を作り出す。バイアル50内のインスリン(波状線)は、圧力勾配に従い、充填針43、ピストン導管64、および第一の一方向バルブ61を通って空所48の中へと破線矢印Xの方向に送達される。
【0080】
図11の実施例では、スライド式ロッド65は150単位のマークに移動でき、従って、空所48はインスリンの150単位で充填される。充填ピストン42の変位の間、ピストンバネ45は圧縮される。第二の一方向バルブ62は、空気が空所内に入り、気泡を生成することを防止するように構成され得る。バイアル50から空所48内へのインスリン送達中に、バイアル50内の圧力は大気圧(P-)以下に低下する。バイアル内の圧力降下(P-)の後、空気は圧力勾配に従い、充填スリーブ66から通気針44を通って破線矢印Yの方向に送達され、オプションの第三のバルブ68を通ってバイアル50に送達される。充填フェーズ2の終了時に、バイアル50内の圧力は大気圧である。
【0081】
図12いくつかの実施形態による、充填プロセス(貯蔵部充填)のフェーズ3での貯蔵部充填機構200の断面のスキームを示す。貯蔵部充填機構200は、バイアルアダプタ41、スライド式ロッド65、スライド式ロッド開口部67、充填針43、通気針44、充填ピストン42、空所48、ピストン導管64、搬送針47、ピストンガスケット49、空所ガスケット63、第一の一方向バルブ61、第二の一方向バルブ62、搬送針47、目盛りマーク60、充填スリーブ66、ピストンバネ45、および通気開口部46の複数、および好ましくは全てを含む。DP12は、以下の複数、および好ましくは全てを含む。充填ポート隔壁23、充填ポートウェル24、充填用導管22、貯蔵部20、貯蔵部プランジャ21。充填プロセスのフェーズ3で、バイアル50上にユーザによって加えられる圧力が除去され、圧縮ピストンバネ45内で貯蔵されたエネルギーが解放される。充填ピストン42、スライド式ロッド65、およびバイアルアダプタ41は、太字の矢印の方向に変位される。充填ピストン42の移動は、空所48の容積を減少させるが、空所48に一時的に保存されたインスリンは、空所48から変位し、第二の一方向バルブ62、搬送針47、充填ポートウェル24、充填用導管22を通って破線矢印Xの方向に送達され、貯蔵部20内に送達される。貯蔵部20の充填中、貯蔵部プランジャ21は、貯蔵部20の後側に向かって薄い矢印の方向に変位される。第一の一方向バルブ61は、空所48からインスリンバイアルへの逆インスリン送達を防止するように構成され得る。バイアル50内の圧力(P)は、充填スリーブ66内の大気圧と等しいままである。
【0082】
図13は、いくつかの実施形態による、充填プロセス(バイアル切り離し)のフェーズ4での貯蔵部充填機構200の断面のスキームを示す。貯蔵部充填機構200は、バイアルアダプタ41、スライド式ロッド65、充填針43、通気針44、充填ピストン42、空所48、ピストン導管64、搬送針47、ピストンガスケット49、空所ガスケット63、第一の一方向バルブ61、第二の一方向バルブ62、第三の一方向バルブ68、搬送針47、目盛りマーク60、充填スリーブ66、ピストンバネ45、および通気開口部46の複数、および好ましくは全てを含む。DP12は、充填ポート隔壁23、充填ポートウェル24、充填用導管22、貯蔵部20、および貯蔵部プランジャ21の複数、および好ましくは全てを含む。充填プロセスのフェーズ4では、バイアル50は取り外される(湾曲した太字の矢印)。取り外されたバイアル50内の圧力は大気圧と等しく、バイアル50は別の充填サイクルの準備ができている。
【0083】
図14は、いくつかの実施形態による、充填プロセス完了後、およびカニューレ挿入およびユーザの皮膚90からの支援デバイス4の取り外し後の、DP12の断面のスキームを示す(カニューレ挿入機構、カニューレ挿入、およびカニューレは図示しない)。DP12はまた、接着ベース40、充填ポート隔壁23、充填ポートウェル24、充填用導管22、貯蔵部20、および貯蔵部プランジャ21の複数、および好ましくは全てを含んでもよい。貯蔵部20は充填され(揺り動かす)、貯蔵部プランジャ21は後部位置にある。貯蔵部は、150単位のインスリン(150U)(
図10~12で述べた実施例に示す)で充填される。
【0084】
図15~16は、いくつかの実施形態による、貯蔵部充填機構200およびDP12(
図15)およびスタンドアロン貯蔵部充填機構200(
図16)の断面図を示す。
図15は、貯蔵部充填機構200およびDP12の断面図を示す。貯蔵部充填機構200は、バイアルアダプタ41、針プロテクタ53、スライド式ロッド65、充填針43、通気針44、充填ピストン42、空所48、ピストン導管64、搬送針47、ピストンガスケット49、空所ガスケット63、第一の一方向バルブ61、第二の一方向バルブ62、搬送針47、充填スリーブ66、ピストンバネ45、および通気開口部46の複数、および好ましくは全てを含むことができる。DP12は、充填ポート隔壁23、充填ポートウェル24、充填用導管22、貯蔵部20、および貯蔵部プランジャ21の複数、および好ましくは全てを含む。針プロテクタ53は、帯の「葉」(例えば、一つまたは複数の葉)を有するペタル様のバネを含み得る。いくつかの実施形態では、四つの葉が、それぞれが「葉」(例えば、四つの葉)を含み、好ましくは剛直な葉(
図6~8の空間図)を含むバイアルアダプタ41内に配置される。バイアルアダプタ41は、針プロテクタ43に対して直線的に下方、および上方(太字の矢印XおよびY)を変位することができる。バイアルアダプタ41へのバイアル50の接続前に、針プロテクタの葉は充填針43および通気針44と平行である。バイアル50の取り外し後、針プロテクタ53の葉は、針43および44の両方の上に曲げるように再構成され、それによってユーザが不注意による自分を刺すのを保護する(
図18)。
【0085】
図16は、いくつかの実施形態による、バイアル接続前の貯蔵部充填機構200の拡大断面図を示す。貯蔵部充填機構200は、バイアルアダプタ41、針プロテクタ53、スライド式ロッド65、充填針43、通気針44、充填ピストン42、空所48、ピストン導管64、搬送針47、ピストンガスケット49、空所ガスケット63、第一の一方向バルブ61、第二の一方向バルブ62、搬送針47、充填スリーブ66、ピストンバネ45、および通気開口部46の複数、および好ましくは全てを含む。針プロテクタ53の葉は、バイアル50の接続(連続線53)の前、およびバイアル50の分離(破線53)の後に示されている。
【0086】
図17A~Cは、いくつかの実施形態による、つまり、フェーズ1-バイアル接続(17A)、フェーズ2-空所充填(17B)、およびフェーズ3-貯蔵部充填(17C)による、充填プロセスの最初の三つのフェーズでの貯蔵部充填機構200の断面図を示す。
図17A~C(断面図)は、それぞれ
図10~12(スキーム)に対応する:
図17Aは
図10、
図17Bは
図11、および
図17Cは
図12に対応する。貯蔵部充填機構200は、バイアルアダプタ41、針プロテクタ53、スライド式ロッド65、充填針43、通気針44、充填ピストン42、空所48、ピストン導管64、搬送針47、ピストンガスケット49、空所ガスケット63、第一の一方向バルブ61、第二の一方向バルブ62、オプションの第三の一方向バルブ68(図示せず)、搬送針47、充填スリーブ66、ピストンバネ45、および通気開口部46の複数、および好ましくは全てを含む。
図17Aは、充填プロセス(バイアル50接続)のフェーズ1を示す。バイアル50は、バイアルアダプタ41に接続され、充填針43および通気針44は、バイアルゴムシール(
図10および11に示す)を穿孔し、充填針43および通気針の先端がバイアル含有量(すなわち、インスリン)と接触する。
【0087】
図17Bは、いくつかの実施形態による、充填プロセス(空所48充填)のフェーズ2を示す。バイアル50は、ユーザによって太字の矢印(下方)の方向に、貯蔵部内で充填されるインスリンの所望量に対応する量に押される量に、押される(すなわち、必要な量が150Uの場合、バイアルは150Uマークに近づくまで押されるべきである)(
図11)。スライド式ロッド65および充填ピストン42は、太字の矢印の方向に変位され、ピストンバネ45は圧縮される。インスリンは、充填針43、ピストン導管64、および第一の一方向バルブ61を介して空所48内にバイアル50から送達される。空気は圧力勾配に従い、充填スリーブ66(大気圧)からバイアル50(サブ大気圧)まで通気針44を通して送達される。空所充填フェーズの終了時に、空所48は望ましい量のインスリンで充填され、バイアル50内の圧力は大気圧である。
図17Cは、充填プロセスのフェーズ3を示し、これは貯蔵部の充填も含む。従って、バイアル50からの圧力が取り除かれ、充填ピストン42、スライド式ロッド65、およびバイアルアダプタ41は、太字の矢印(フェーズ1の間にピストンバネ45に保存されたエネルギーの解放)の方向に変位する。空所48の容積は減少され、インスリンは、第二の一方向バルブ62および搬送針47を介して空所48から貯蔵部(
図15)へと移動する。
【0088】
図18は、いくつかの実施形態による、充填プロセスが完了し、バイアルが切り離された後の貯蔵部充填機構200の拡大断面図を示す。貯蔵部充填機構200は、バイアルアダプタ41、針プロテクタ53、スライド式ロッド65、充填針43、通気針44、充填ピストン42、空所48、ピストン導管64、搬送針47、ピストンガスケット49、空所ガスケット63、第一の一方向バルブ61、第二の一方向バルブ62、搬送針47、充填スリーブ66、ピストンバネ45、および通気開口部46の複数、および好ましくは全てを含む。ペタル様のバネ(針プロテクタ53)の葉は、充填針43および通気針44の上に曲がり、ユーザが不注意による自分を刺すのを保護する。針プロテクタ53のバネの葉は、直線の位置(充填針43、通気針44およびバイアルアダプタ41と平行)にあらかじめロードされ、バイアル変位後にそれらのプリセットされた形状(バネはアンロードされる)を再開する。
【0089】
図19は、貯蔵部充填機構200、カニューレ挿入機構300、およびDP12のいくつかの構成要素を含む支援デバイス4の横断面図を示す。貯蔵部充填機構200(破線)は、バイアルアダプタ41、針プロテクタ53、スライド式ロッド65、充填針43、通気針44、充填ピストン42、空所48、ピストン導管64、搬送針47、ピストンガスケット49、空所ガスケット63、搬送針47、充填スリーブ66、ピストンバネ45、および通気開口部46の複数、および好ましくは全てを含む。カニューレ挿入機構300(破線)は、トリガー52およびインサータバネ69(その他の部品が図示されていない)の複数、および好ましくは全てを含む。DP12は、充填ポート隔壁23、充填ポートウェル24、貯蔵部20、および貯蔵部プランジャ21の複数、および好ましくは全てを含む。バイアルアダプタ41、充填針43の先端、および通気針44の先端は、トリガー52への自由なアクセスを提供するトリガー52の下に配置されることが好ましい。
【0090】
図20は、
図4に示す平面XXに沿った支援デバイス401の断面を示す。支援デバイス401は、カニューレ挿入機構300および貯蔵部充填機構201を含む。いくつかの実施形態による、貯蔵部充填機構201は、バイアルアダプタ541、プランジャ548、通気針543、充填針544、充填針キャップ545、およびシリンダ546を含む。
【0091】
充填針544および通気針543は、プランジャ548の本体を通して走り、その端部はプランジャの先端から突出する。プランジャ548の第一の端部550は、バイアルアダプタ541と接続され得る。通気針543の第一の端部および充填針544の第一の端部は、両方ともプランジャ548の第一の端部550からバイアルアダプタ541の内部へと突出し得る。さまざまな実施形態によるさまざまな他の特徴は、以下の機能/構造/明瞭化を含み得る。
- プランジャ548の第二の端部は、シリンダ546内に摺動可能にまたはその他の方法で嵌合するように構成され得る。プランジャ548とシリンダ546との間の気密シールは、ガスケット549によって確立され得る。シリンダ546の閉鎖端は、隔壁552を使って構成され得る。
- 充填および通気針は、鋼、またはプラスチックなどの金属から作製され得る。充填用針および通気針は、両端の鋭利な先端を使って構成され得る。
- バイアルアダプタ541は、バイアル501を可逆的に受けるように構成され得る。バイアルアダプタ541にバイアル501が配置されるときはいつでも、バイアルアダプタの隔壁は通気針543の第一の端部および充填針544の第一の端部によって貫通される。
- 通気針543は、空気がシリンダ546の内部からバイアル501の内部へ流れることを可能にする一方向バルブ547を使って構成され得る。
および/または
- 充填針544の第二の端部には、充填針キャップ545が設けられ得る。充填針キャップ545はプラスチック製であり得る。充填針キャップ545は、充填針544の第二の先端を封止するように構成され得る。
【0092】
図21~26を参照し、いくつかの実施形態による、
図4の平面YYに沿った動作中の貯蔵部充填機構201の断面を示す。貯蔵部充填機構201は、シリンダ546の隔壁552が充填ポート隔壁23に隣接またはそれと接触するように、支援デバイス401内に構成され得る(
図21)。いくつかの実施形態による、貯蔵部充填機構401を使用したポンプ使い捨て部品12の充填貯蔵部20の第一の工程では、通気針543の第一の先端および充填針544の第一の先端がバイアル501の隔壁を貫通するように、バイアル501をバイアルアダプタ541に配置する(
図22)。従って、バイアルアダプタ541にバイアル501の配置の後、シリンダ546の内部からの空気は、通気針543を通ってバイアル501の内部へと流れ得る。最初に、シリンダ543内の圧力は大気圧Pであり得る。充填ポートウェル24、充填用導管22の内部の圧力、および貯蔵部プランジャ21の外部の圧力は、大気圧Pであり得る。バイアル501内の圧力はPより大きいか同じであっても良い。バイアル501は、最初、空気(図示せず)またインスリンの容積を含んでもよい。プランジャ548の端550は、最初はシリンダ546の開放端付近に配置され得る。
【0093】
第二の工程(
図23)において、ユーザはシリンダ546の閉鎖端の方向に下方にバイアル501を押し、それによってプランジャ548の端部550をシリンダ546の閉鎖端に向かって押す。その結果、シリンダ546の内部に閉じ込められた空気の容積が減少し、その空気が圧縮される。シリンダ546の内部内の空気圧はP+>Pに増加する。シリンダ546の内部がバイアル501の内部と流体連通しているため、バイアル501内のインスリンはP+に加圧される。プランジャ543は、充填針キャップ545がシリンダ隔壁552と接触する位置にシリンダ546内を進み得る。
【0094】
第三の工程(
図24)において、ユーザはシリンダ546の閉鎖端の方向にバイアル501を押し続ける。充填針544は、充填針キャップ545、シリンダ隔壁552および充填ポート隔壁23を貫通する。充填針544の第二の先端が充填ポート隔壁23を出て充填ウェル24の中へ入ると、バイアル501の内部と充填ウェル24の間に流体連通が確立される。バイアル501中の圧力P+は充填ウェル24中の大気圧Pよりも大きいため、インスリンはバイアル501からウェル24へ流れ始め、空気は通気ニードル543を通してシリンダ546の内部からバイアル501に流れ始める(
図25)。一方向バルブ547は、インスリンまたは空気のバイアル501からシリンダ546への逆流を防止し得る。圧力P+は、充填ウェル24および充填用導管22で確立されている。その結果、貯蔵部プランジャ21は後方に移動し、およびインスリンは、貯蔵部20に入る(
図25)。インスリンは、バイアル501およびウェル24の圧力が大気圧に等しくなるまで、貯蔵部を満たす(
図26)。その後、バイアル501はバイアルアダプタ541から取り外され、充填プロセスが完了する。
【0095】
図27は、
図4に示す平面XXに沿った支援デバイス402の断面を示す。支援デバイス402は、カニューレ挿入機構300および貯蔵部充填機構202を含む。貯蔵部充填機構202は、バイアルアダプタ641、プランジャ648、通気針643、充填針644、シリンダ646、および一方向バルブ651を随意に装備し得る導管647を含む。充填針644および通気針643は、バイアルアダプタ641の底端650から突出してバイアル601の隔壁を穿孔し、バイアル601の内部と連通するように構成され得る。通気針643は、導管647と流体連通してもよく、導管647は、シリンダ646の内部と流体連通し得る。バルブ651は、シリンダ646の内部から通気針643への導管647を通して空気の流れを可能にすることができ、それでもなお、空気またはインスリンの流れが逆方向になることを防止する。充填針644は、初めに、充填ポート隔壁23を横切って配置され、それによってバイアル601の内部と充填ウェル24の間の流体連通が可能となり得る。プランジャ648は、シリンダ646内に摺動可能に嵌合するように構成され得る。プランジャ648とシリンダ646との間の気密シールは、ガスケット649によって確立され得る。その他の機能/特徴/明確化には以下が含まれる。
- 充填および通気針は、鋼、またはプラスチックなどの金属から作製され得る。充填用針および通気針は、両端の鋭利な先端を使って構成され得る。
および/または
- バイアルアダプタ641は、バイアル601を可逆的に受けるように構成され得る。バイアル601がバイアルアダプタ641内に配置されるときはいつでも、バイアルアダプタの隔壁は、通気針643の第一の端部および針644の第一の端部によって貫通される。
【0096】
図28~
図31を参照し、いくつかの実施形態による、
図4の平面YYに沿った動作中の貯蔵部充填機構202の断面を示す。最初に、プランジャ648は、ガスケット649がシリンダの開口部652の近くであるように、シリンダ646内に配置される(
図28)。いくつかの実施形態による、貯蔵部充填機構202を使用したポンプ使い捨て部品12の充填貯蔵部20の第一の工程では、通気針643の先端653および充填針644の第一の先端654がバイアル601の隔壁を貫通するように、バイアル601をバイアルアダプタ641に配置する(
図29)。従って、バイアルアダプタ641にバイアル601を配置した後、シリンダ646の内部からの空気は、通気針643を通ってバイアル601の内部へと流れ得る。最初に、シリンダ643内の圧力は大気圧Pであり得る。充填ポートウェル24、充填用導管22の内部の圧力、および貯蔵部プランジャ21の外部の圧力は、大気圧Pであり得る。バイアル601内の圧力はPより大きいか同じであっても良い。バイアル601は、最初、空気(図示せず)またインスリンの容積を含んでもよい。
【0097】
第二の工程(
図30)において、ユーザは、シリンダ646の閉鎖端の方向にプランジャ648を下向きに押す。その結果、シリンダ646の内部に閉じ込められた空気の容積が減少し、その空気が圧縮される。シリンダ646の内部内の空気圧はP+>Pに増加する。シリンダ646の内部がバイアル601の内部と流体連通しているため、バイアル601内のインスリンはP+に加圧される。インスリンは、バイアル601から充填ウェル24および充填用導管22へと流れ、これによってP+に加圧される。貯蔵部プランジャ21にわたる圧力差の結果、貯蔵部プランジャは貯蔵部20内で後方に移動し、これによってインスリンで充填される。バイアル601からシリンダ646へのインスリンの流れは、任意の一方向バルブ651によって防止されるが、これは特にバイアル601が最初に加圧された場合に必要である。貯蔵部がインスリンで完全に充填されるまで(貯蔵部20には、プランジャ21が貯蔵部の内部から出るのを防ぐストッパーを装備できる)、またはプランジャ648の端部656がシリンダ646の閉鎖端655に到達するまで(
図31)、またはバイアル601内の圧力が大気圧Pと等しくなるまで、プロセスは続行する。貯蔵部20内のインスリンのレベルを測定するセンサは、貯蔵部内のインスリンの望ましいレベルに達すると、ユーザに表示を提供し得る。その後、バイアル601はバイアルアダプタ641から取り外され、充填プロセスが完了する(
図32)。
【0098】
図33は、
図4に示す平面XXに沿った支援デバイス403の断面を示す。支援デバイス403は、デバイス402のような手動の凹部の代わりに、シリンダ内のプランジャを押圧する自動機構を含むことを除いて、支援デバイス402と類似している。
【0099】
デバイス403は、カニューレ挿入機構300および貯蔵部充填機構203を含む。貯蔵部充填機構203は、バイアルアダプタ741、プランジャ748、通気針743、充填針744、シリンダ746、および一方向バルブ751を随意に装備し得る導管747を含む。充填針744および通気針743は、バイアルアダプタ741の底端750から突出してもよく、バイアル701の隔壁を穿孔するように構成され、バイアルの内部と連通するように構成され得る。通気針743は、導管747と流体連通してもよく、導管747は、シリンダ746の内部と流体連通し得る。バルブ751は、シリンダ746の内部から通気針743への導管747を通る空気の流れを可能にすることができ、それでもなお、空気またはインスリンの流れが逆方向になることを防止する。充填針744は、初めに充填ポート隔壁23を横切って配置され、それによってバイアル701の内部と充填ウェル24の間の流体連通が可能となり得る。プランジャ748は、シリンダ746内に摺動可能に嵌合するように構成され得る。プランジャ748とシリンダ746との間の気密シールは、ガスケット749によって確立され得る。
【0100】
充填および通気針は、ステンレスまたはプラスチックなどの金属から作製され得る。充填用針および通気針は、両端の鋭利な先端を使って構成され得る。
【0101】
バイアルアダプタ741は、バイアル701を可逆的に受けるように構成され得る。バイアルアダプタ741内にバイアル701が配置されるときはいつでも、バイアルアダプタの隔壁は、通気針743の第一の端部および針744の第一の端部によって貫通される。
【0102】
充填機構203は、駆動機構770を含み得る。駆動機構は、電源771、コントローラ772、モータ773、およびギア774を含み得る。電源は、例えば、一回使用の電池または再充電可能電池とし得る。制御ユニットは、マイクロプロセッサおよびメモリを含むマイクロコンピュータであり得る。モータは、ブラシモータ、ブラシレスモータ、またはステッピングモータなどの直流モータであり得る。電源は、支援デバイス403に存在するインスリンポンプの電池であってもよく、コントローラはポンプのコントローラであり得る。ギアは、例えば、親ネジまたはラックの手段によってプランジャに結合され得る。駆動機構770は、操作ボタンなどの入力デバイスも含み得る。
【0103】
動作中、充填機構203は、充填機構202と同様の方法で機械的に機能する。従って、機械の詳細な説明は省略される。しかし、機構203では、シリンダ746におけるプランジャ748の押し下げは、駆動機構770の動作によってもたらされる。バイアルアダプタ741へのバイアル701の接続に際して、ユーザは、駆動機構770に指示し、入力/出力デバイスを介してシリンダ746内のプランジャ748を押下する。別の方法として、光学センサなどのセンサは、アダプタへのバイアルの接続を検知してもよく、その後、駆動機構770に自動的に指示し、プランジャ748を押下する。ユーザまたはセンサからの命令は、電源771からモータ773へ電圧を供給し得るコントローラ772に送達され得る。モータ773は、ギア774によってシリンダ746においてプランジャ748を押下させ、それによって機構202に対して以前に記述されたように、インスリンをバイアル701から充填ウェル24およびポンプ貯蔵部に送達させる。
【0104】
図34は、
図4に示される平面XXに沿った支援デバイス404の断面を示す。デバイス404は、カニューレ挿入機構300および貯蔵部充填機構204を含む。
図35は、
図4に示す平面ZZに沿った充填機構204の断面を示す。
【0105】
図34を参照する。いくつかの実施形態では、貯蔵部充填機構204は、バイアルアダプタ841、通気針843、充填針844、および一方向バルブ851を随意に装備し得る導管847を含む。充填針844および通気針843は、バイアルアダプタ841の底端850から突出してもよく、バイアル801の隔壁を穿孔するように構成され、バイアルの内部と連通し得る。通気針843は、導管847と流体連通してもよく、導管847は、大気と流体連通し得る。オプションのバルブ851は、導管847を通して、大気から通気針843への空気の流れを可能にすることができ、それでもなお、空気またはインスリンの流れが逆方向になることを防止する。充填針844は、初めに充填ポート隔壁23を横切って位置付けられ、それによってバイアル801の内部と充填ウェル24との間の流体連通が可能となり得る。
【0106】
図35を参照する。いくつかの実施形態では、貯蔵部充填機構204は、駆動機構870および連結ストリングをさらに含み得る。駆動機構は、電源871、コントローラ872、モータ873、およびリール874を含み得る。電源は、例えば、一回使用の電池または再充電可能電池とし得る。制御ユニットは、マイクロプロセッサおよびメモリを含むマイクロコンピュータであり得る。モータは、ブラシモータ、ブラシレスモータ、またはステッピングモータなどの直流モータであり得る。電源は、支援デバイス404に存在するインスリンポンプの電池であってもよく、コントローラはポンプのコントローラであり得る。駆動機構770は、操作ボタンなどの入力デバイスも含み得る。連結ストリング880は、リール874に接続された第一の端部881、および貯蔵部プランジャ21に接続された第二の端部882を有し得る。ストリング880は、その遠位端882付近のニック883を使って構成され得る。貯蔵部20は、その開放端885付近に配置されたストッパー884を使って構成され得る。ストリング880は、貯蔵部プランジャ882を引き込むために十分である駆動機構870によって加えられる引っ張り力を伝達するが、貯蔵部プランジャがストッパーに対してストリングによって引っ張られる際に、ニック883で破断するように構成され得る。
【0107】
いくつかの実施形態による、
図4のZZ平面に沿って動作中の支援デバイス404の断面を図示する
図35~40を参照する。操作の第一の工程(
図35)において、バイアルアダプタ841は空であり、貯蔵部プランジャ21は充填用導管22の近傍の貯蔵部端にある。第二の工程(
図36)において、ユーザはバイアルアダプタ841にバイアル801を挿入する。充填針843の第一の端部は、バイアル801の隔壁を貫通し、それによってバイアルの内部と大気の間の流体連通を可能にする。充填針844の第一の端部はまた、バイアル801の隔壁を貫通する。充填針844の第二の端部は、充填ポート隔壁23を横断し、それによってバイアル801の内部、充填ポートウェル24および充填ポート導管22の間の流体連通を可能にする。第三の工程(
図37)では、ユーザは、駆動機構に指示し、貯蔵部をインスリンで充填する。命令は、入力デバイスを介して提供され得る。別の方法として、光学的または機械的センサなどのバイアルアダプタのセンサは、バイアルアダプタ841内のバイアル801の存在を検出し、駆動機構に自動的にインスリン充填を開始するよう指示し得る。ユーザまたはセンサからの命令は、その後電源871からモータ873へ電圧を供給し得るコントローラ872に送達され得る。モータは、リール874を湾曲した矢印(反時計回り)の方向に回転させて、それによって直線矢印(右)の方向に連結ストリング880を引いてもよい。従って、ストリングは貯蔵部プランジャ21をストッパー884に向かって移動させ、それによってバイアル801の内部に陰圧を形成する。従って、インスリンはバイアルから貯蔵部へと流れる。大気からの空気は、通気針843を通しておよび随意にバルブ851を通ってバイアル801に流れ、それによってバイアルにおいて貯蔵部に供給されるインスリンを置換させる。このプロセスは、貯蔵部プランジャ21が、貯蔵部充填の終了を示すストッパー884に達するまで続けることができる(
図38)。駆動機構は、ストリング880がニック883で破断するまで、ストッパー884に対してストリング880引き続ける(
図39)。この時点で、駆動機構870は、リール874を、例えば、モータ電流センサからの命令、またはモータ回転カウンターによって回転させることを中止する。バイアル801は、充填プロセスを完了するバイアルアダプタ841から取り外され得る(
図40)。
【0108】
図41は、いくつかの実施形態による、
図4に示される平面XXに沿った支援デバイス405の断面を示す。支援デバイス405は、カニューレ挿入機構300および貯蔵部充填機構205を含む。貯蔵部充填機構205は、機構201のシリンダ546およびプランジャ548が充填機構205内の蛇腹949と置き換えられることを除いて、デバイス401の貯蔵部充填機構201と類似している。
【0109】
貯蔵部充填機構205は、バイアルアダプタ941、シャフト948、通気針943、充填針944、充填針キャップ945、および折り畳み可能な蛇腹949を含む。充填針944および通気針943は、シャフト948の本体を通して走り、その端部はシャフトの先端から突出する。シャフト948の第一の端部950は、バイアルアダプタ941と接続され得る。通気針943の第一の端および充填針944の第一の端部は、両方ともプランジャ948の第一の端部950からバイアルアダプタ941の内部へと突出し得る。
【0110】
シャフト948の第二の端部は、蛇腹949の第一の端部951に接続され得る。蛇腹949の第二の端部954は、蛇腹隔壁952を使って構成され得る。シャフトへの蛇腹の接続は気密であり得る。
【0111】
充填および通気針は、鋼、またはプラスチックなどの金属から作製され得る。充填用針および通気針は、両端の鋭利な先端を使って構成され得る。
【0112】
バイアルアダプタ941は、バイアル901を可逆的に受けるように構成され得る。バイアルアダプタ941内にバイアル901が配置されるときはいつでも、バイアルアダプタの隔壁は、通気針943の第一の端部および針944の第一の端部によって貫通され得る。
【0113】
通気針943は、空気がシリンダ943の内部からバイアル901の内部へと流れるが、空気または流体がバイアルの内部から蛇腹の内部への流れを防ぐ一方向バルブ947を用いて随意に構成され得る。
【0114】
充填針943の第二の端部には、充填針キャップ945が設けられ得る。充填針キャップ945はプラスチック製であり得る。充填針キャップ945は、充填針945の第二の先端を封止するように構成され得る。
【0115】
充填機構205の動作は、充填機構201と類似している。従って、その詳細な説明は省略される。簡潔に述べると、第一の工程は、バイアル901をバイアルアダプタ941に接続することである。流体連通は、蛇腹949の内部とバイアル901の内部との間に確立される。次に、ユーザはバイアルを押し下げ、それによって蛇腹内に閉じ込められた空気を圧縮する。増加した圧力はバイアルの内部に伝達される。これは、充填針キャップ945が蛇腹隔壁952に接触するまで続く。次にユーザはボトルを押し続け、それによって充填針944を引き続き、キャップ、蛇腹隔壁、および充填ポート隔壁23を貫通する。バイアルの内部と充填ポートウェル24の間に流体連通が確立される。バイアルにおける圧力の増加により、インスリンがバイアルから充填ポートウェルへと流れるようになる。充填ポートの圧力が増加すると、貯蔵部プランジャが格納され、それによって貯蔵部がインスリンで充填される。貯蔵部が充填されると、バイアルはバイアルアダプタから切り離され、充填プロセスが完了する。
【0116】
図42を参照し、いくつかの実施形態による、インスリンポンプ302のさまざまな概略図を示す。
図42Aは、ポンプ302の概略上面図を示す。
図42Bは、平面YYに沿った概略断面図を示す。
図42Cは、平面ZZに沿った概略断面を示す、および
図42Dは、平面XXに沿った概略断面を示す。
【0117】
ポンプ302は、使い捨て部品12が使い捨て部品312と交換されることを除いて、上述のポンプ1と非常に類似している。使い捨て部品312は、(1)出口ポート隔壁33が、使い捨て部品312と一体化されたカップ穴385の中に構成された上部出口ポート隔壁313と置き換えられ、(2)出口ポートウェル34が、出口ポートウェル(314)と置き換えられ、(3)底部出口ポート隔壁311を追加しているということ以外で、使い捨て部品12と非常に類似している(
図42CおよびD)。
【0118】
図43を参照し、いくつかの実施形態による、その中に組み立てられたポンプ302を含む支援デバイス406の概略図を示す。支援デバイス406は、上述の貯蔵部充填機構200、ならびに軟質カニューレ挿入機構301を含む。軟質カニューレ挿入機構301は、トリガー352、インサータバネ369、インサータハンマー354、鋼カニューレ336(剛直なカニューレとも称する)、軟質カニューレ377、カップ381、およびカップ隔壁382を含む。カップ381は、最終的にカップ穴385内にぴったりと嵌合するように構成される(すなわち、しっかりと嵌合する)。
【0119】
鋼カニューレ336は、鋼などの金属、例えば硬質プラスチックから作製され得る。軟質カニューレ377は、例えば、テフロン(登録商標)などの柔らかいプラスチックから作製され得る。鋼カニューレ336は、鋼カニューレサイド穴337を使って構成され得る。軟質カニューレ377は軟質カニューレサイド穴378を使って構成され得る。最初に、サイド穴337および378が一致するように、鋼カニューレ336は軟質カニューレ377の内腔内に配置され得る。
【0120】
鋼カニューレ336の上端は、インサータハンマー354に強固に接続され得る。軟質カニューレ377の上端は、軟質カニューレ377がカップ381の底端部から滑り落ちるのを防止するように構成されたストッパー379を含み得る。ストッパーは、カニューレと一体型であり得る。カップ隔壁382は、カップ381の内部を封止し得る。鋼針336は、最初にカップ隔壁382を横切ってもよい。最初に、鋼カニューレ336の鋭い底端は、軟質カニューレ377の底端を越えて突出し得る。両端は、最初は出口ポートウェル314にあり得る。最初に、鋼カニューレ336および軟質カニューレ377の両方は、トップ出口ポート隔壁313を横切ってもよい。初めに、インサータバネ369はコック化されてもよく、すなわち、インサータバネが潜在エネルギーを含む状態に置かれてもよい。カニューレ曲げバネ371はまた、コック化されてもよく(すなわち、曲げバネが潜在エネルギーを含む状態に置かれてもよい)、ポンプ302の側部によってカニューレに向かって曲がることが防止される。
【0121】
図43~45を参照する。いくつかの実施形態によれば、動作中、支援デバイス406は、ポンプ302を再使用可能かつ使い捨て部品から組み立てるために前述したように使用され得る。貯蔵部充填機構200は、貯蔵部をインスリンで充填するために使用され得る。貯蔵部が完全に充填されると、投薬部30を操作し流体を出口ポート導管32に通して充填ポートウェル314に、およびそこから鋼カニューレ336の内腔およびサイド穴337および378の外へポンピングすることにより、ポンプに呼び水をする(
図43)。呼び水ロセスは、空気が投薬部および貯蔵部を抜け出、インスリンがサイド穴/開口部378から外に滴り落ちるまで続けてもよい。鋼カニューレ336の上端は封止されてもよく、軟質カニューレ377の上端は鋼カニューレ336との密封を形成してもよく、従ってインスリンが、呼び水中、出口ポートウェル314から流れ出す唯一の方法は、サイド穴337および378を通してである。
【0122】
呼び水が完了すると、ユーザはライナーを接着ベース(図示せず)から剥がし、支援デバイス406を使用してポンプ302を身体上に可逆的に配置することができる。次に、ユーザは、軟質カニューレ挿入機構301を使用して、軟質カニューレ377の底部先端を皮膚の下に置くことができる。これは以下の方法で行うことができる(
図43)。第一に、ユーザは、トリガー352および安全キャッチ(図示せず)を押して、コック化されたインサータバネ369に保存されたエネルギーを解放し、底方向にインサータハンマー354を駆動することができる。従って、カップ381、カップ隔壁382、鋼カニューレ336および軟質カニューレ377は、患者の皮膚に向かって移動し得る。鋼カニューレ336の鋭利な先端は、皮膚および皮下組織を穿刺し、軟質カニューレ377が続くための経路を作り出し得る。挿入プロセスは、カップ381の底部が、上部隔壁313にあり、カップ81が、カップ穴385内に配置され、サイド穴337および378が出口ポートウェル314と流体連通するとき、終了し得る(
図44)。鋼カニューレ336および軟質カニューレ377の底端は、患者の皮膚下にある。
【0123】
次に、ユーザは支援デバイス301を取り外し(
図45)、それによって、鋼カニューレ336を軟質カニューレ377の内腔から除去し得る。カニューレ曲げバネ371に保存された弾性エネルギーは、支援デバイスとポンプの分離に伴い解放され得る。バネは鋼カニューレ336の方向に曲がってもよく、それによって鋼カニューレを支援デバイスの内部に曲げる。従って、鋼カニューレによる鋭い損傷が防止される。ポンプ302は、患者の体に接着されたままであり、軟質カニューレ377が患者の皮膚の下の底端で経皮的に挿入され、サイド穴378が出口ポートウェル314と流体連通する。ユーザおよび投薬部30は、出口ポート導管32(
図42C)、出口ポートウェル314、軟質カニューレサイド穴378、および患者の皮下組織を介して流体連通している。カップ隔壁382は鋼カニューレ336が取り外されると封止されるので、インスリンが投薬部30から流れる唯一の場所は、ユーザに対してである。ポンプは、インスリンをユーザに送達する準備が整っている。
【0124】
貯蔵部充填機構200、201、202、303、204、または205の任意の組合せは、支援デバイスを製造するために、カニューレ挿入機構300または軟質カニューレ挿入機構301のいずれかと組み合わせて使用され得ることに注意すべきである。
【0125】
図46を参照し、いくつかの実施形態による、閉ループインスリン送達システム(または人工膵臓)1000を示す。閉ループシステム1000は、ポンプ1001、コントローラ1002、充電器3および支援デバイス1004を含み得る。ポンプ1001は、可逆的に取り付け可能な再使用可能なモータユニット1011および使い捨てカニューレユニット1012を含む。
【0126】
いくつかの実施形態による、モータユニット1011は、前述のモータユニット11と実質的に類似している。従って、それは、電子機器モジュール、駆動機構および電池(全て図示しない)を含み得る。電子機器モジュールは、マイクロプロセッサ、メモリ、および低エネルギーブルートゥース(登録商標)無線(BLE)などの通信を含み得る。メモリは、例えば、連続的なグルコースセンサで感知された過去におよび現在のグルコースレベルを含む入力の関数として、瞬間インスリン注入速度を計算する閉ループアルゴリズムを含むソフトウェアを含み得る。モータユニット1011(
図47)には、電子機器モジュールに電気的に接続された電気接点1020が含まれ得る。電気接点1020は、一つまたは複数の接点を含み得る。電気接点1020は、二つの接点1021が、モータユニットから電力を供給するように構成され、二つの接点1022が、データを送信するように構成された、四つの接点を含んでもよい。データはアナログまたはデジタル形式で送信され得る。
【0127】
いくつかの実施形態によれば、カニューレユニット1012(
図48)は、前述のカニューレユニット12と実質的に類似している。カニューレユニット1012は、カニューレユニット12の対応する部分と同様に、貯蔵部20、投薬部30、および接着ベース40を含み得る。主な違いは、カニューレユニット1012が、それを上から下へと横断するチャネル1013を含み得ることである。チャネル1013は、連続的なグルコースセンサを受信し、モータユニット1011上と連続的なグルコースセンサ上の接点1020の間の電気接点の確立を支援するように構成される。
【0128】
いくつかの実施形態による、と、コントローラ1002は、それが、システム1000の閉ループアルゴリズムをサポートする追加のソフトウェアを含み得ることを除いて、システム1のコントローラ2と実質的に類似している。システム1000の充電器は、システム1の充電器3と類似している。
【0129】
いくつかの実施形態による、支援デバイス1004は、それが、連続的なグルコースセンサを保存し、それを患者の皮膚の下に挿入することができる改変インサータモジュールを含むことを除いて、支援デバイス4と類似している。
【0130】
図49を参照する。
図49Aは、いくつかの実施形態による、ユーザに配置された時のポンプ1001の概略上面図を示す。モータユニット1011がカニューレユニット1012とインターフェースしている平面は、WWで示され、WWに並行で、および充填ポート隔壁23および出口ポート隔壁33と交差するに平面は、XXとして示されている。連続的なグルコースセンサ1050は、チャネル1013に配置される。
図49Bは、チャネル1013に配置された連続的なグルコースセンサ1050を用いて、平面WWに沿ったポンプ1001の断面を示し、センサ1050の尖頭端は、ポンプ1001の皮膚に面する平面を越えて突出する。
図49Cは、平面XXに沿ったポンプ1001の断面を示し、カニューレ36の鋭利な端部がポンプ1001の皮膚に面する平面から突出する。
【0131】
図50を参照し、いくつかの実施形態による、連続的なグルコースセンサ1050の正面図を示す。センサ1050は、ヘッド1051とプロング1052とを含み、その両方は、生体適合性プラスチックまたはセラミックなどの絶縁体から作製された基礎を含み得る。電気接点1060は、例えば、印刷によってヘッド上に配置され得る。電気接点1060は、モータユニット1011上の接点1020と接触するように構成された一つまたは複数の接点を含み得る。電気接点1060は、モータユニットから電力を送信するための一対の接点、およびアナログデータまたはデジタルデータを送信するための一対の接点1062を含む四つの接点を含み得る。センサ1050は、アナログ・デジタル変換器、作用電極1080、およびその背面上のカウンター電極1090を含む前端チップ1070を含んでもよい(
図51)。センサ1050は、随意に基準電極(図示せず)を含み得る。基準電極が使用されるたびに、追加的な接点1020および1060は五つ以上の接点を含み得る。
【0132】
作用電極1080(
図51)には、プラチナなどの金属から作製されたコンダクタ1081、周辺グルコース濃度に比例する電流を生成するように構成された、ぶどう糖酸化酵素などの酵素1082、および非グルコース電子化学的活性薬剤からのインターフェースを防止するように構成された、PTFEなどの選択的膜1082が含まれ得る。作用電極のさまざまな層は印刷され得る。カウンター電極1090は、例えば、銀または塩化銀から作製され得る。作用電極1080は、コンダクタ1066によって前端チップ1070に電気的に接続され得る。カウンター電極1090は、プロング1052をプロングの穴を通して前方から後方へと横切るように構成されたコンダクタ1067によって前端チップ1070に接続され得る。
【0133】
作用電極1080は、酵素の代わりに金属触媒を含んでもよい。選択的膜1082は任意であり得る。
【0134】
電気接点1060は、両側に接着剤であり得るテープ1063によって覆われ得る。テープ1063は、Z方向に高い電気伝導率を有し、XおよびY方向に非常に低い電気伝導率を有し得る。例えば、テープ1063は、3Mで作製されたZ軸導電テープであり得る。随意に、テープ1063は、両面接着剤のリングまたはフレームによって囲まれてもよく、これは、二つの平面の表面の間に押し付けられた時、接点1020および1060の周りに防水シールを生成し得る(図示せず)。接点1061は、電力供給コンダクタ1064によって前端チップ1070に電気的に接続されてもよく、データはデータコンダクタ1065によってチップ1070に送信されてもよく、またチップ1070から送信され得る。
【0135】
いくつかの実施形態による、センサ1050のヘッドは、ライナー1100によって覆われてもよい(
図51)。ライナー1100は、例えば、プラスチックの薄い層、紙の薄い層、またはプラスチック層によって被覆された紙の薄層から製造され得る。ライナー1100は、モータユニットに面する部分(MUに面する部分)1101およびカニューレユニットに面する部分(CUに面する部分)1102を含んでもよい。CUに面する部分1102は、それ自体で折り畳まれ、接着層を使用してヘッド1051の後側に接続され得る。MUに面する部分1101はまた、それ自体で折り畳まれ、テープ1063を使用してヘッドの前方に接続され得る。近位端1103は、支援デバイス1004の挿入機構1300のハンマー1054に接続され得る(
図52)。
【0136】
図52および53を参照し、いくつかの実施形態による、支援デバイス1004を概略的に示す。いくつかの実施形態による、支援デバイス1004は、例えば、支援デバイス4と類似している。これには、充填機構200と、カニューレ36と連続的なグルコースセンサ1050の両方を皮下に挿入するように構成された挿入機構1300が含まれる。
図52は、
図49Aに示されるXX平面に沿った支援デバイス1004の概略断面を示す、および
図53は、
図49Aに示されるWW平面に沿った支援デバイス1004の概略断面を示す。支援デバイス1004と支援デバイス4との間の主な違いは、デバイス1004がポンプ1の代わりにポンプ1001を含み、挿入機構1300がセンサ1050を含み、インサータハンマー54がインサータハンマー1054と置き換えられることである。インサータハンマー1054は、カニューレ36とセンサ1050の両方をポンプ(チャネル1013を介して後者)を通して同時に配置し、ユーザの皮膚を横断するように構成される。別の方法として、カニューレおよびセンサを挿入するために、二つの別個のハンマーを挿入機構1300で使用し得る。
【0137】
いくつかの実施形態による、システム1000の動作は、上述のシステム1の動作と類似している。モータユニット1011は、支援デバイス1004のスロットに挿入されてもよく、それによってポンプ1001をモータユニット1011およびカニューレユニット1012から組み立てる。ポンプ1001は、上述の通り、インスリン充填機構200を使用してインスリンで充填され得る。次に、ポンプは、コントローラ1002からの命令を使用して呼び水され得る。ポンプ1001の皮膚に面する側上の接着剤は、ライナー(図示せず)を剥がすことによって露出され得る。次に、支援デバイス1004を使用して、ポンプ1001を望ましい場所でユーザの皮膚に配置することができる。ポンプが皮膚に接着されると、トリガー52を押して、バネ69に貯蔵された弾性エネルギーを解放することによってカニューレおよびセンサを発射させ得る。バネによって生成される力は、ハンマー1054によってカニューレ36およびセンサ1050に伝達され得る。
【0138】
プロング1052の鋭利な先端は、ユーザの皮膚を貫通し得る。あるいは、案内針(図示せず)を使用して、皮膚を貫通し、プロング1052の途を導くことができる。
【0139】
図51は、いくつかの実施形態による、ハンマー1054によってチャネル1013を通して駆動された直後のセンサ1050を示す。ライナー1100のCUに面する折り目1102は、カニューレユニット1012とセンサヘッド1051の裏面との間に位置する。ライナー1100のMUに面する折り目1101は、センサヘッド1051の前面とモータユニット1011の間に位置する。モータユニット上の接点1020は、センサヘッド上の対応する接点1060と整列する。
【0140】
人工膵臓1001のユーザへの接続を完了するために、いくつかの実施形態では、支援デバイス1004を患者の皮膚から引き離すことができる(
図54)。これにより、ライナー1100のMUに面する折り目1101がテープ1063から剥がされ、テープを露出させる。これにより、また、CUに面する折り目1102がセンサヘッド1051をモータユニット1011に向かって押し、それによって、Z方向のテープの高い伝導率によって、センサ1050およびモータユニット1011を電気的に接続する。XおよびY方向の低伝導率は、非対応する接点間のクロストークが十分に低いことを確保する。さらに、接点1022および1062を通して送信される信号が、前端チップ1070によってデジタル化され、より多くのエラーしがちなアナログ形態で送信されないため、システムはクロストークに対する感受性が低くなる。テープ1063は、その一方の側上の接点1060およびその他の側上の接点1029をカバーして、防水形態でそれらを封止し得る。
【0141】
図55は、いくつかの実施形態による、その皮下に挿入された構成のセンサを示し、モータユニットを介してポンプ1001に電気的に接続されている。従って、人工膵臓1000は作動のために準備される。
【0142】
さまざまな発明の実施形態が本明細書で説明され例示されてきたが、当業者は、本明細書に記載する機能を実行し、ならびに/または結果および/もしくは利点のうちの一つまたは複数を得るための、さまざまな他の手段および/または構造を容易に想到するであろうし、このような変形および/または修正は各々、本明細書に記載する発明の実施形態の範囲内であるとみなされる。さらに通常、本明細書に記載する全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が例であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が使用される、特定の一つのまたは複数の適用に依存するであろうことを、当業者は容易に理解するだろう。当業者は、通常の実験法を使用するのみで、本明細書に記載する特定の発明の実施形態の多くの同等物を認識し、または解明できるだろう。そのため、前述の実施形態は例としてのみ提示され、添付の請求の範囲およびその同等物の範囲内において、本発明は、特に記載および請求の範囲に記載された以外の別の方法で実施され得ることが理解されるだろう。本開示の発明の実施形態は、本明細書に記載する各個別の特徴、機能、システム、物品、材料、キット、および/または方法/工程を対象とする。加えて、このような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法/工程が互いに矛盾したものでない場合、このような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法/工程を二つ以上組み合わせることも、本開示の発明範囲内に含まれる。いくつかの実施形態は、一つまたは複数の特徴部/要素/機能を具体的に欠く従来技術と区別できる(すなわち、こうした実施形態に対する特許請求の範囲は、一つまたは複数の負の制限を含み得る)。
【0143】
さらに、また、一つまたは複数の方法として具現化されたさまざまな発明的概念に関して、方法の一部として実施される作用は、任意の適切な方法で順序付けられてもよい。従って、実施形態は、例示と異なる順序で行為が実施されるように構築されてもよく、これには、例示の実施形態で連続した行為として示しているにもかかわらず、一部の行為を同時に実施することが含まれ得る。
【0144】
本出願のいずこかに提示した特許、特許出願、論説、ウェブページ、書籍などを含むがこれらに限定されない、刊行物または他の文書への全ての参照は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本明細書で定義し使用した全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文献の定義、および/または定義した用語の通常の意味に優先すると理解すべきである。
【0145】
本明細書において使用する、明細書中および特許請求の範囲中の「一つの(aおよびan)」という不定冠詞は、明確にそれと反対であると示されない限り、「少なくとも一つの」を意味するものと理解すべきである。
【0146】
本明細書において使用する、明細書中および特許請求の範囲中の「および/または」という表現は、そのように接続された要素の「いずれかまたは両方」を意味するもの、すなわち、ある場合には接続的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素と理解すべきである。「および/または」を用いて挙げた複数の要素は、同じ様式で、すなわち、そのように接続された要素の「一つまたは複数」と解釈すべきである。「および/または」節により具体的に特定された要素以外の他の要素は、この具体的に特定された要素に関連するしないにかかわらず、任意選択で存在することができる。従って、非限定的な例として、「含む(comprising)」などのオープンエンドな語とともに使用する場合の「Aおよび/またはB」への言及は、一実施形態ではAのみ(任意選択でB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態ではBのみ(任意選択でA以外の要素を含む)を指し、また別の実施形態ではAおよびBの両方(任意選択で他の要素を含む)を指す、などの可能性がある。
【0147】
明細書中および特許請求の範囲中の本明細書に使用するように、「または」は、上で定義した「および/または」と同じ意味を有するように理解すべきである。例えば、リスト中の分離的項目「または」または「および/または」は、包括的であると解釈すべきであり、すなわち、いくつかの要素または要素のリストのうちの少なくとも一つだが、また二つ以上も、そして任意選択でリストされていないさらなる項目も含むよう解釈すべきである。明確にそれとは反対のことを示す用語のみ、例えば、「~のうちの一つのみ」もしくは「~のうちのちょうど一つ」、または特許請求の範囲で使用される「~から成る(consisting of)」が、いくつかの要素または要素のリストのうちのちょうど一つの要素の含むことを指す。概して、本明細書で使用する「または」という用語は、「いずれか」、「~のうちの一つ」、「~のうちの一つのみ」、または「~のうちのちょうど一つ」など、排他的な用語が先行する場合のみ、排他的な代替物(すなわち、「一つまたは他方だが両方ではない」)を示すと解釈すべきである。特許請求の範囲で使用する「本質的に~から成る(consisting essentially of)」は、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0148】
明細書中および特許請求の範囲中の本明細書に使用するように、一つまたは複数の要素のリストに関する「少なくとも一つ」という表現は、要素のリストの中の要素のうちの任意の一つまたは複数から選択される、少なくとも一つの要素を意味するものと理解すべきであるが、必ずしも、要素のリスト内に具体的に挙げられたあらゆる要素のうちの少なくとも一つを含むとは限らず、また要素のリストの中の要素の任意の組合せを排除しない。また、当該定義は、「少なくとも一つ」という表現が指す要素のリスト内で、具体的に特定された要素以外の他の要素が、具体的に特定された要素に関連するしないにかかわらず、任意選択で存在し得ることも可能にする。従って、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも一つ」(または同等のものとして「AまたはBのうちの少なくとも一つ」、もしくは同等のものとして「Aおよび/またはBのうちの少なくとも一つ」)は、ある実施形態では、少なくとも一つの(任意選択で二つ以上を含む)A、ただしBは存在しない(任意選択でB以外の要素を含む)ことを指し、別の実施形態では、少なくとも一つの(任意選択で二つ以上を含む)B、ただしAは存在しない(任意選択でA以外の要素を含む)ことを指し、また別の実施形態では、少なくとも一つの(任意選択で二つ以上を含む)A、および少なくとも一つの(任意選択で二つ以上を含む)B(任意選択で他の要素を含む)を指す、などの可能性がある。
【0149】
特許請求の範囲および上記の明細書における全ての移行句、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(carrying)」、「有する(having)」、「包含する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「~から構成される(composed of)」、および同類のものはオープンエンドである、すなわち限定されずに含むことを意味すると理解すべきである。「~から成る(consisting of)」、「~から本質的に成る(consisting essentially of)」という移行句のみが、米国特許庁の特許審査基準の2111.03節に記載のように、それぞれクローズドまたはセミクローズドな移行句であるものとする。
【外国語明細書】