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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091862
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20230626BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230626BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
H02J7/02 B
H02J7/00 P
H02J7/02 G
H02J13/00 301A
H02J13/00 311A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206691
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】森 英泰
(72)【発明者】
【氏名】大坪 憲一
(72)【発明者】
【氏名】瀧 小緒里
【テーマコード(参考)】
5G064
5G503
【Fターム(参考)】
5G064AC08
5G064CB06
5G064CB10
5G064DA11
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503FA06
(57)【要約】
【課題】既存マンション等に設置可能で利便性のよい充電システムを提供する。
【解決手段】車両への充電を行う充電器2と、顧客の携帯端末(4A、4B・・・)からの予約情報に基づき充電器の予約管理を行うクラウド管理装置3とを備え、充電器は、クラウド管理装置からの充電コネクタロック解除指示が入力されると予約車両への充電開始が可能となる充電システム1。クラウド管理装置は、顧客の携帯端末からの予約情報と、予約車両の位置情報に基づいて充電器の予約管理を行うことができる。充電器は、充電器に予約認証キーが読み込まれ、充電器の停止スイッチが押された場合に充電を中止することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両への充電を行う充電器と、
顧客の携帯端末からの予約情報に基づき前記充電器の予約管理を行うクラウド管理装置とを備え、
前記充電器は、前記クラウド管理装置からの充電コネクタロック解除指示が入力されると予約車両への充電開始が可能となることを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記クラウド管理装置は、前記顧客の携帯端末からの予約情報と、予約車両の位置情報に基づいて前記充電器の予約管理を行うことを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記充電器は、該充電器に予約認証キーが読み込まれ、該充電器の停止スイッチが押された場合に充電を中止することを特徴とする請求項1又は2に記載の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充電システムに関し、特に、既存マンション等に設置可能で屋外駐車場等の各駐車スペースで電気自動車等に充電するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脱炭素社会の実現のため、電気自動車の普及が進んでおり、戸建て住宅や商業施設等に充電設備が設置されていることが珍しくない。しかし、電気自動車の充電設備は設置場所の確保が難しく、また、コストが高いという点から、マンションやアパート等の既存の集合住宅への設置が進んでいない。
【0003】
また、集合住宅では、充電設備を使用した時間や電気量により課金できる仕組みになっていないと住民の間で不公平感が起こり、クレームの原因となる可能性も否めない。
【0004】
そこで、特許文献1において、屋外駐車場の各駐車スペースに電気自動車用充電装置を設置することなく、1台の電気自動車充電装置を使用して電気自動車に充電を行う設備が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3165170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の発明では、充電装置を設置した駐車場においてのみ充電予約が可能であり、現地に行かないと予約可能か否か判らず不便であった。また、課金システムより料金を入金すると予約が完了となり、待ち時間後に充電が開始されるため、待ち時間の間に車両に乗車して出掛けてしまうと、その間に他の車両が駐車場に駐車をし、待ち時間経過後に充電を開始するおそれがある。そのため、予約をしても、予約完了後に車両を動かすことができず不便である。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、既存マンション等に設置可能で利便性のよい充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は充電システムであって、車両への充電を行う充電器と、顧客の携帯端末からの予約情報に基づき前記充電器の予約管理を行うクラウド管理装置とを備え、前記充電器は、前記クラウド管理装置からの充電コネクタロック解除指示が入力されると予約車両への充電開始が可能となることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、充電予約を顧客の携帯端末で行うことができるため、充電設備まで出向かずとも予約可能な状態か否かが判り、顧客の利便性が向上する。また、車載器等ではなく携帯端末で予約できるため、さらに利便性が向上する。
【0010】
上記クラウド管理装置は、前記顧客の携帯端末からの予約情報と、予約車両の位置情報に基づいて前記充電器の予約管理を行うことができる。予約車両の位置情報に基づいて予約希望時間に充電を行う場所へ予約車両が到着可能か否かを考慮することで、予約希望時間が重複した場合でも柔軟に対応することができる。
【0011】
また、前記充電器は、該充電器に予約認証キーが読み込まれ、該充電器の停止スイッチが押された場合に充電を中止することができ、これにより、予約者以外の者が勝手に充電を中断させることができなくなり、いたずらなどを防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、既存マンション等に設置可能で利便性のよい充電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る充電システムの一実施の形態を示す全体構成図である。
図2図1に示す充電システムの充電器を設置した駐車場の一例を示す平面図である。
図3図1に示す充電システムのブロック図である。
図4図1に示す充電システムの動作を示すフローチャートである。
図5図1に示す充電システムの割り込み動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る充電システムの一実施の形態を示し、この充電システム1は、車両に充電するための充電器2と、クラウド管理装置3とで構成され、車両A、車両Bに乗車する顧客等は携帯端末4(4A、4B・・・)を操作して充電予約等を行う。
【0016】
図2は、充電器2を設置した駐車場の一例を示し、この駐車場は、例えば既存マンションの既存共用駐車場であって、No.1~6の6つの駐車スペースに1台の充電器2が設置され、各駐車スペースには、充電器2に接続された充電コネクタ2hと、回転灯2jが設置される。この駐車場では、1台の充電器2に対して充電コネクタ2hを複数設置している。ある程度大きな設置場所が必要な充電器を1台にすることで、省スペースでの設置が可能となる。また、充電コネクタ2hを複数設けることで、複数台の駐車場スペースNo.1~6を充電スペースとしても活用することができる。さらに、充電コネクタ2hが駐車場スペースNo.1~6毎に設置されているため、充電器2からホースの取り回しや長さを考慮せずに、どの駐車場スペースNo.1~6でも充電が可能となる。
【0017】
回転灯2jは、「充電待機中」、「充電中」及び「充電完了」を表示色を変えて告知するために設けられる。充電コネクタ2hの上部に回転灯2jを設けることで、充電器2の本体の場所まで行かなくても、車両のある場所で現在の充電状況が判るようになり、利便性が向上する。
【0018】
充電器2は、電源(不図示)、図1に示すカメラ2c、ディスプレイ2d、予約認証キー読取部2f及び緊急停止スイッチ2gに加え、図3に示すように、カメラ2cで撮影した車両No.等のデータをクラウド管理装置3に送信するためのデータ通信手段2aと、認証キー読取手段2bと、充電コネクタロック機構2eを備える。カメラ2cは、駐車した車両のNo.に加え、車両の位置も撮影する。
【0019】
クラウド管理装置3は、予め会員情報を記憶すると共に、顧客の携帯端末4からの予約依頼に基づき充電器2の予約管理を行うために設けられる。クラウド管理装置3は、予約情報を記憶する予約情報記憶手段3bと、充電・駐車状況記憶手段3cと、会員となっている顧客情報を記憶する会員情報記憶手段3dとからなるクラウド記憶手段3aと、予約決定手段3fと、車両到着時刻予測手段3gとからなる予約管理手段3eと、認証処理手段3hと、決済情報を決定するための決済情報決定手段3jと、カレンダー手段3kと、データ通信手段3mを備える。
【0020】
各車両A、B・・・(6)は、クラウド管理装置3とデータ通信を行うためのデータ通信手段6aと、GPSを利用した位置情報取得手段6bと、車載バッテリーの残量を記憶するバッテリー残量記憶手段6cを備える。
【0021】
次に、顧客の携帯端末4(4A、4B等)による事前登録によってクラウド管理装置3が予め記憶する会員情報、予約情報及び充電等の履歴について、表1を参照しながら説明する。尚、表1は現在時刻2021年10月1日12:00の情報を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1に示すように、個々の会員毎に氏名、住所、車両No.、決済方法、通知先が記憶される。また、現在の予約情報、過去の充電及び駐車の履歴がクラウド管理装置3のクラウド記憶手段3aに記憶される。表2は、一例としてAマンションの予約情報を示し、日時、予約者名、車両No.、駐車のみであるか充電もするかが駐車場No.毎に記憶される。また、表3は、一例としてAマンションの駐車場のリアルタイムの状況を示し、駐車場No.毎に、充電状況、駐車状況が記憶される。充電状況として「待機中」又は「充電完了」が記録され、駐車状況として車両の有無が記録される。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
次に、上記構成を有する充電システムの動作について、図4を中心に参照しながら説明する。尚、以下のフローチャートにおいて、ルートが分岐するステップにおいては、下方向がYes、横方向がNoに対応する。
【0027】
顧客(図1の顧客A、B等)は、駐車場へ行く前に自宅等で表1に示した氏名、住所、車両No.、決済方法、通知先をクラウド管理装置3に予め登録する。
【0028】
携帯端末4のステップS1において、顧客が予約希望日、予約希望時間、駐車のみか充電を行うかを入力すると(ステップS1;Yes)、ステップS2において、携帯端末4はこれらの情報に加え、顧客氏名、車両No.を含む予約情報をクラウド管理装置3に送信する。
【0029】
クラウド管理装置3のステップS11において、携帯端末4から予約情報の入力があると(ステップS11;Yes)、クラウド管理装置3はステップS12において、データベースに顧客の登録情報が存在するか否かを確認する。顧客の登録情報が存在する場合には(ステップS12;Yes)、ステップS13において車両の位置情報を取得し、予約の照会を行い、予約可能と判断された場合には(ステップS14;Yes)、予約認証キーを生成し(ステップS15)、ステップS17に進む。一方、ステップS12において顧客の登録情報が存在しない場合(ステップS12;No)、ステップS14において予約不可と判断された場合には(ステップS14;No)、ステップS16において予約不可として認証キーを生成せずにステップS17に進む。ステップS17において、クラウド管理装置3は予約の可否と共に、充電/駐車予約情報を携帯端末4に出力する。充電/駐車予約情報には、予約完了日時、充電/駐車場所、充電/駐車時の駐車場No.、予約認証キー、駐車のみか充電も行うかの情報が含まれる。
【0030】
携帯端末4のステップS3において、クラウド管理装置3から充電/駐車予約情報の入力があると(ステップS3;Yes)、携帯端末4は予約の可否と共に、充電/駐車予約情報を報知する。
【0031】
予約が可能であり、予約認証キーを携帯端末4で受信した顧客が充電器2の予約認証キー読取部2f(図1参照)に予約認証キーをかざして読み込ませると(充電器2のステップS51;Yes)、充電器2のカメラ2cで車両No.及び駐車位置を撮影し(ステップS52)、読み取った予約認証キーと撮影データをクラウド管理装置3に出力する(ステップS53)。撮影データには充電器2を設置した場所の住所と、車両No.及び車両駐車場所が判る画像が含まれる。
【0032】
クラウド管理装置3のステップS18において、充電器2から予約認証キーと撮影データの入力があると(ステップS18;Yes)、クラウド管理装置3は予約認証キーの有効性と、駐車位置が合っていることを確認し(ステップS19)、充電の予約であり(ステップS20;Yes)、予約認証キーが有効でかつ駐車位置が合っている場合には(ステップS21;Yes)、充電コネクタ2h(図2参照)のロック解除指示を充電器2に出力し、充電器2の状態を充電中にする(ステップS22)。一方、予約認証キーが無効か、駐車位置が間違っている場合には(ステップS21;No)、ステップS24において駐車位置が間違っているか否かを判断し、駐車位置が間違っている場合には(ステップS24;Yes)、正しい駐車位置を充電器2に出力する(ステップS25)。また、駐車位置が間違っていない場合には(ステップS24;No)、未予約である旨を携帯端末4に出力して(ステップS26)動作を終了する。
【0033】
ステップS20において、充電の予約ではなく(ステップS20;No)、予約認証キーが有効でかつ駐車位置が合っている場合には(ステップS27;Yes)、駐車のみの予約であるため、駐車可を充電器2に出力し(ステップS28)、予約情報と決済情報に基づいて決済指示をカード会社5に出力する(ステップS29)。一方、予約認証キーが無効か、駐車位置が間違っている場合には(ステップS27;No)、ステップS30において駐車位置が間違っているか否かを判断し、駐車位置が間違っている場合には(ステップS30;Yes)、正しい駐車位置を充電器2に出力する(ステップS31)。また、駐車位置が間違っていない場合には(ステップS30;No)、未予約である旨を携帯端末4に出力して(ステップS32)動作を終了する。
【0034】
充電器2のステップS54において、クラウド管理装置3から正しい駐車位置の入力があった場合には(ステップS54;Yes)、充電器2は正しい駐車位置を報知し(ステップS55)、ステップS52に戻る。一方、ステップS54において、クラウド管理装置3から正しい駐車位置の入力がなかった場合には(ステップS54;No)、ステップS56において、クラウド管理装置3から充電コネクタ2hのロック解除指示の入力があったか否かを判断する。
【0035】
ステップS56において、クラウド管理装置3から充電コネクタ2hのロック解除指示の入力があった場合には(ステップS56;Yes)、充電コネクタ2hのロックを解除し、その旨を報知する(ステップS57)。一方、ステップS56において、クラウド管理装置3から充電コネクタ2hのロック解除指示の入力がなかった場合には(ステップS56;No)、駐車可の入力がある場合のため、動作を終了する。
【0036】
ステップS58において、充電開始スイッチ(SW)が押下されるか、予約時間になった場合には(ステップS58;Yes)、充電を開始し(ステップS59)、充電が完了すると(ステップS60;Yes)、充電完了情報をクラウド管理装置3に出力する(ステップS61)。充電完了情報には、充電器2を設置した場所の住所、車両No.、充電終了時刻、充電電力量、バッテリー残量が含まれる。
【0037】
クラウド管理装置3のステップS23において、充電器2から充電完了情報の入力があると(ステップS23;Yes)、クラウド管理装置3はタイマーをスタートさせると共に、充電器2の状態を「充電完了」とし(ステップS33)、充電完了情報及び決済情報に基づいて決済指示をカード会社5に出力する(ステップS34)。カード会社5は、クラウド管理装置3のステップS29又はステップS34における決済指示の入力があると(ステップS71;Yes)、決済を行い(ステップS72)、決済完了信号をクラウド管理装置3に出力し(ステップS73)、動作を終了する。
【0038】
クラウド管理装置3のステップS35において、カード会社5から決済完了信号の入力があると(ステップS35;Yes)、クラウド管理装置3は携帯端末4に充電完了情報と決済完了通知を出力する(ステップS36)。携帯端末4のステップS7において、クラウド管理装置3から充電完了情報と決済完了通知の入力があると(ステップS7;Yes)、携帯端末4は充電完了情報と決済完了を報知する(ステップS8)。
【0039】
充電器2は、ステップS61で充電完了情報を出力した後、ステップS62において充電コネクタ2hが充電器2に戻されたか否かを判断し、戻された場合には(ステップS62;Yes)、充電コネクタ2hをロックし、クラウド管理装置3に充電コネクタ2hのロック完了信号を出力する(ステップS63)。
【0040】
ステップS36で携帯端末4に充電完了情報と決済完了通知を出力したクラウド管理装置3は、ステップS37において決済完了が充電完了によるものか否かを判断する。充電完了によるものの場合には(ステップS37;Yes)、ステップS38において充電器2から充電コネクタ2hのロック完了信号の入力があったか否かを判断し、ロック完了信号の入力があった場合には(ステップS38;Yes)、充電器2の状態を「待機中」にし(ステップS39)、動作を終了する。一方、ステップS38において充電器2から充電コネクタ2hのロック完了信号の入力がなく(ステップS38;No)、時間T1が経過した場合には(ステップS40;Yes)、充電コネクタ2hが戻されていない旨を知らせる信号を携帯端末4に送信し(ステップS41)、ステップS38に戻り、充電コネクタ2hのロック完了信号の入力を待つ。ステップS37で充電完了によるものでない場合には(ステップS37;No)、駐車のみの予約で決済完了しているため、動作を終了する。
【0041】
携帯端末4は、ステップS9において、充電コネクタ2hが戻されていない旨の入力があった場合には(ステップS9;Yes)、充電コネクタ2hを戻すように報知し(ステップS10)、動作を終了する。
【0042】
以上のように、充電システム1は、駐車場としても、充電施設としても一括して予約管理をすることができ、充電システム1を設置した駐車場は、充電だけでなく、駐車場としても利用できる。
【0043】
また、充電システム1において、充電する際には予約完了時に発行される予約認証キーを充電器2の予約認証キー読取部2fにかざすことで充電コネクタ2hのロックが解除され、充電が可能となる。そのため、予約が完了している車両のみ充電を行うことができ、事前に登録した決済方法での決済となる(現金での決済は行わない)。これにより、決済端末を設置する必要がなく、設備投資が少なくて済む。
【0044】
さらに、駐車場予約のみの場合にも、予約完了時に発行される予約認証キーを充電器の予約認証キー読取部2fにかざすことで駐車料金の決済がシームレスに可能となる。この場合も、事前に登録した決済方法での決済となるため、決済端末を設置する必要がなく、設備投資が少なくて済む。
【0045】
充電システム1では、充電完了後、一定時間が経過しても充電コネクタ2hが戻されない場合には、顧客の携帯端末4に充電コネクタ2hを戻すように報知している。これにより、充電完了の通知があっても充電コネクタ2hを外しに来ない顧客に対してリマインドを行うことができ、駐車場と充電コネクタ2hの占有を防ぐことが可能となる。
【0046】
充電を中断したい場合には、予約認証キーを充電器2に読み込ませ、停止スイッチを押すことで充電を中断することができる。これにより、予約者以外の者が勝手に充電を中断させることができなくなり、いたずらなどを防止することができる。
【0047】
また、クラウド管理装置3にAI機能を搭載し、充電周期を学習させて次回の充電の推奨時期を顧客の携帯端末4に知らせるレコメンド機能を設けることで直前予約を減らすことができ、充電器2の充電電力が不足したり、充電器2が調整不足となること防止し、利用者の利便性向上とシステム運用の効率化を図ることができる。
【0048】
また、各車両A、B・・・(6)は、車載バッテリーの残量を記憶するバッテリー残量記憶手段6cを備え、データ通信手段6aでクラウド管理装置3とデータ通信を行い、携帯端末4でクラウド管理装置3とデータ通信を行うことで、自分の車両のバッテリー残量を携帯端末4で確認することができる。
【0049】
次に、上記構成を有する充電システム1において、割り込みの充電予約(又は駐車予約)があった場合の動作について図5を中心に参照しながら説明する。
【0050】
顧客A(割り込み予約者)の携帯端末4AのステップS81において、顧客Aが予約希望日、予約希望時間、駐車のみか充電を行うかを入力すると(ステップS81;Yes)、携帯端末4AのステップS82において、携帯端末4Aはこれらの情報に加え、顧客氏名、車両No.を含む予約情報をクラウド管理装置3に送信する。
【0051】
クラウド管理装置3は、携帯端末4Aから予約情報の入力があると(ステップS91;Yes)、データベースに顧客Aの登録情報があるか否かを判断し、登録情報がある場合には(ステップS92;Yes)、車両Aの位置情報を取得する(ステップS93)。登録情報がない場合には(ステップS92;No)、予約不可とし(ステップS102)、その旨携帯端末4Aに出力し(ステップS101)、動作を終了する。
【0052】
ステップS93で車両Aの位置情報を取得したクラウド管理装置3は、ステップS94において予約時間に他の予約(元の予約、車両Bからの予約)があり、かつ当日(直近)の予約時間であるか否かを判断する。クラウド管理装置3は、予約時間に他の予約があり、かつ当日(直近)の予約時間である場合には、ステップS95において他の予約を行った車両Bの位置情報を取得する。一方、予約時間に他の予約がない場合や、他の予約があっても当日(直近)の予約時間でない場合には、通常の予約処理を行い(ステップS103)、動作を終了する。
【0053】
ステップS95で車両Bの位置情報を取得したクラウド管理装置3は、予約希望のあった車両(車両A)と他の車両(車両B)の到着時刻を算出し(ステップS96)、他の車両(車両B)が予約時間内に到着するか否か、及び予約希望のあった車両(車両A)が予約開始時刻までに到着するか否かを判断する(ステップS97)。
【0054】
ステップS97において、他の車両(車両B)が予約時間内に到着せず、かつ予約希望のあった車両(車両A)が予約開始時刻までに到着する場合には(ステップS97;Yes)、他の予約車両(車両B)の通知先(顧客Bの携帯端末4B)に車両Bの到着予想時刻、予約時間、予約取り消し可否を出力する(ステップS98)。
【0055】
携帯端末4Bは、クラウド管理装置3から車両Bの到着予想時刻、予約時間、予約取り消し可否などの入力があると(ステップS111;Yes)、これらの情報を報知し(ステップS112)、予約取消可が押下された場合には(ステップS113;Yes)、クラウド管理装置3に予約取消可を出力し(ステップS114)、動作を終了する。一方、予約取消可が押下されない場合には(ステップS113;No)、クラウド管理装置3に予約取消否を出力し(ステップS115)、動作を終了する。
【0056】
クラウド管理装置3は、携帯端末4Bから予約取消可の入力があった場合には(ステップS99;Yes)、予約認証キーを生成する(ステップS100)。一方、携帯端末4Bから予約取消可の入力がなかった場合には(ステップS99;No)、予約不可とする(ステップS102)。次に、クラウド管理装置3は、予約の可否と共に、充電/駐車予約情報を携帯端末4Aに出力し(ステップS101)、動作を終了する。充電/駐車予約情報には、予約完了日時、充電/駐車場所、充電/駐車時の駐車場No.、予約認証キーが含まれる。
【0057】
携帯端末4Aは、クラウド管理装置3から充電/駐車予約情報の入力があった場合には(ステップS83;Yes)、予約の可否及び充電/駐車予約情報を報知する(ステップS84)。
【0058】
次に、当日(直近)の割り込みの充電予約(又は駐車予約)があった場合の動作の具体例について説明する。
【0059】
現在時刻14:45において当日の15:00~15:30に車両Aに乗車する顧客Aの携帯端末4Aから充電予約があると、クラウド管理装置3は、予約状況と照合すると共に、車両Aの位置情報を取得する。
【0060】
照合の結果、当日の15:00~15:30に車両Bの予約があることが判ると、クラウド管理装置3は、車両Bの位置情報を取得した後、車両Bが駐車場に到着するまでの時間を算出する。
【0061】
その結果、車両Bが駐車場に45分以上の距離(すなわち、予約時間内である15:30までに到着しない距離)のところにいた場合で、かつ、車両Aが駐車場に到着する15分以内の距離(すなわち、予約開始時刻の15:00までに到着する距離)のところにいた場合には、車両Bの充電予約をした顧客Bの携帯端末4Bに予約を取り消してもよいか否かを確認し、顧客Bから予約を取り消してもよいとの回答があれば、車両Aの予約を許可する。
【0062】
以上のように、当日(直近)予約の場合には、車両到着時刻を加味して予約可否を判断することで、顧客が予約時刻に到着することが不可能である場合には、駐車場と充電器を空けておく必要がないため、効率的に駐車場と充電器を運用することが可能となり、他の顧客(予約者)や駐車場の管理者の両者の不利益を防ぐことができる。
【0063】
また、顧客が駐車場をすぐに利用したい場合には、予約状況に加えてリアルタイム状況を加味して予約の可否を判断することで、予約があっても充電が完了している場合に、すぐに利用したい顧客の予約を受け付けることが可能となる。
【0064】
尚、上記実施の形態では、トラブル防止のため、元の予約者である顧客Bにキャンセルの可否を決定してもらっているが、元の予約は成立しないため強制的にキャンセルすることもできる。
【0065】
また、上記実施の形態では、利用したい人が他にいない場合には予約をキャンセルする必要はないため、利用したい人が他にいる場合にのみ、元の予約車両(車両B)の位置情報を参照している。そのため、無駄な情報を得なくてよい。
【0066】
さらに、一般的には予約の交換が可能な2車両が存在する場合しか予約をキャンセルしたり予約を変更したりすることができないが、本発明では予約の交換ができなくても、新たに利用したい車両(車両A)が到着でき、元の予約の車両(車両B)が到着できない場合には、新たに利用したい車両(車両A)の予約に変更することができる。
【0067】
上記実施の形態では、No.1~6の6つの駐車スペースに1台の充電器2を設置し、各駐車スペースに、充電器2に接続された充電コネクタ2hと回転灯2jを設置したが、吊り下げ式の1台の充電器から一本の充電コネクタをホースリールを介して上下移動可能に構成することで、充電器及び付帯装置の設置場所を不要とすることもできる。
【0068】
また、上記実施の形態では、集合住宅の共用駐車場で説明したが、予め利用登録された駐車場であればどこでも対応することができる。
【0069】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術範囲を限定する趣旨の記述ではない。
【符号の説明】
【0070】
1 充電システム
2 充電器
3 クラウド管理装置
4(4A、4B・・・) 携帯端末
5 カード会社
図1
図2
図3
図4
図5