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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091926
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】光学装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20230626BHJP
   G02B 26/10 20060101ALN20230626BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G02B26/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206806
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520001073
【氏名又は名称】パイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 充
【テーマコード(参考)】
2H045
5J084
【Fターム(参考)】
2H045AB13
5J084AA05
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA05
5J084BA36
5J084BA48
5J084BA49
5J084BB14
5J084BB26
5J084BB27
5J084BB28
5J084BB37
5J084EA01
(57)【要約】
【課題】少なくとも1つの光学ユニットから出射されたビームの散乱光が他の少なくとも1つの光学ユニットに照射されることを抑制する。
【解決手段】上方から見て、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3は、可動反射面202に互いに異なる入射角で入射している。遮光部300Aは、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の光学ユニット群100Aと可動反射部200との間の光路に設けられている。遮光部300Aは、開口302Aを画定している。第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3は、開口302Aを通過している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光学ユニットと、
前記複数の光学ユニットから出射された少なくとも2つのビームが異なる入射角で入射する可動反射部と、
前記少なくとも2つのビームの前記複数の光学ユニットと前記可動反射部との間の光路に設けられ、前記少なくとも2つのビームが通過する開口と、
を備える光学装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光学装置において、
前記複数の光学ユニットから出射されたいずれか2つの前記ビームの間の距離が、前記開口と前記可動反射部との間の領域の少なくとも一部分において前記開口から前記可動反射部に向かうにつれて増加している、光学装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光学装置において、
前記可動反射部の前記少なくとも2つのビームに照射される位置が互いに異なる、光学装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の光学装置において、
所定平面への前記少なくとも2つのビームの前記光路の投影が、前記光路の少なくとも一部分において交差している、光学装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の光学装置において、
前記開口の面積が前記可動反射部の反射面の面積より小さい、光学装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の光学装置において、
前記可動反射部が、前記光学装置の外部に存在する物体からの前記ビームの反射光又は散乱光を反射し、
前記光学ユニットが、前記可動反射部によって反射された前記反射光又は前記散乱光を受信する、光学装置。
【請求項7】
複数の光学ユニットと、
前記複数の光学ユニットから出射された少なくとも2つのビームが異なる入射角で入射する可動反射部と、
前記少なくとも2つのビームの前記複数の光学ユニットと前記可動反射部との間の光路に設けられ、前記少なくとも2つのビームを反射する反射部と、
を備える光学装置。
【請求項8】
請求項7に記載の光学装置において、
前記複数の光学ユニットから出射されたいずれか2つの前記ビームの間の距離が、前記反射部と前記可動反射部との間の領域の少なくとも一部分において前記反射部から前記可動反射部に向かうにつれて増加している、光学装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の光学装置において、
前記可動反射部の前記少なくとも2つのビームに照射される位置が互いに異なる、光学装置。
【請求項10】
請求項7~9のいずれか一項に記載の光学装置において、
前記少なくとも2つのビームの前記反射部への入射角が互いに異なっている、光学装置。
【請求項11】
請求項7~10のいずれか一項に記載の光学装置において、
前記反射部の反射面の面積が前記可動反射部の反射面の面積より小さい、光学装置。
【請求項12】
請求項7~11のいずれか一項に記載の光学装置において、
前記可動反射部が、前記光学装置の外部に存在する物体からの前記ビームの反射光又は散乱光を反射し、
前記光学ユニットが、前記可動反射部によって反射された前記反射光又は前記散乱光を受信する、光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LiDAR(Light Detection And Ranging)等の様々な光学装置が開発されている。光学装置は、レーザダイオード(LD)等の発光素子と、発光素子から出射されたビームを反射するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー等の可動反射部と、を備えている。例えば特許文献1~3に記載の光学装置では、複数の発光素子から出射された複数のビームを同一の可動反射部によって反射している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第11085997号明細書
【特許文献2】国際公開第2018/091970号
【特許文献3】国際公開第2020/098771号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1~3に記載されているように、複数の発光素子等の複数の光学ユニットから出射されたビームを同一の可動反射部によって反射することがある。この場合、可動反射部の反射面に傷や埃が存在する等、一定の条件下において、光学ユニットから出射された光が可動反射部において散乱することがある。可動反射部によって散乱されたこの光は、他の光学ユニットにとって迷光となり得る。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、少なくとも1つの光学ユニットから出射されたビームの散乱光が他の少なくとも1つの光学ユニットに照射されることを抑制することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
複数の光学ユニットと、
前記複数の光学ユニットから出射された少なくとも2つのビームが異なる入射角で入射する可動反射部と、
前記少なくとも2つのビームの前記複数の光学ユニットと前記可動反射部との間の光路に設けられ、前記少なくとも2つのビームが通過する開口と、
を備える光学装置である。
【0007】
請求項7に記載の発明は、
複数の光学ユニットと、
前記複数の光学ユニットから出射された少なくとも2つのビームが異なる入射角で入射する可動反射部と、
前記少なくとも2つのビームの前記複数の光学ユニットと前記可動反射部との間の光路に設けられ、前記少なくとも2つのビームを反射する反射部と、
を備える光学装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る光学装置を示す図である。
図2】実施形態1に係る第1光学ユニットの構成の一例を示す図である。
図3】実施形態2に係る光学装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0010】
図1は、実施形態1に係る光学装置10Aを示す図である。
【0011】
実施形態では、説明のため、図1の紙面の奥から手前に向かう方向が光学装置10Aの下方から上方に向かう方向となっており、図1の紙面の手前から奥に向かう方向が光学装置10Aの上方から下方に向かう方向となっている。以下、必要に応じて、図1の紙面に垂直な方向を、光学装置10Aの高さ方向という。なお、光学装置10Aの実際の配置はこの例に限定されない。例えば、図1の紙面の手前から奥に向かう方向が光学装置10Aの上方から下方に向かう方向となって、図1の紙面の奥から手前に向かう方向が光学装置10Aの上方から下方に向かう方向となっていてもよい。また、図1の紙面に平行な任意の一方向が鉛直方向に平行な状態で光学装置10Aが配置されていてもよい。
【0012】
実施形態1に係る光学装置10Aは、LiDAR等の光計測装置となっている。光学装置10Aは、光学ユニット群100A、可動反射部200及び遮光部300Aを備えている。光学ユニット群100Aは、第1光学ユニット110A、第2光学ユニット120A及び第3光学ユニット130Aを有している。
【0013】
上方から見て、第1光学ユニット110A、第2光学ユニット120A及び第3光学ユニット130Aは、互いにずれて位置している。また、光学装置10Aの高さ方向における第1光学ユニット110A、第2光学ユニット120A及び第3光学ユニット130Aの位置は、例えば、互いに揃っている。ただし、光学装置10Aの高さ方向における各光学ユニットの位置はこの例に限定されない。例えば、光学装置10Aの高さ方向における第1光学ユニット110A、第2光学ユニット120A及び第3光学ユニット130Aのうちの少なくとも2つの位置が、光学装置10Aの高さ方向に互いにずれていてもよい。
【0014】
第1光学ユニット110A、第2光学ユニット120A及び第3光学ユニット130Aは、それぞれ、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3を出射している。第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の波長帯域は、特に限定されない。また、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の波長は、互いに同一となっていてもよいし、又は第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3のうちの任意の少なくとも2つのビームの波長は互いに異なっていてもよい。
【0015】
可動反射部200は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーである。この例において、可動反射部200は、例えば、互いに直交する所定の2つの回転軸の周りに揺動可能になっている。或いは、可動反射部200は、ポリゴンミラー、ガルバノミラー等であってもよい。可動反射部200は、可動反射面202を有している。可動反射面202は、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3を反射している。したがって、可動反射面202によって反射された第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3によって、光学装置10Aの外部に存在する物体を走査することができる。
【0016】
上方から見て、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3は、可動反射面202に互いに異なる入射角で入射している。具体的には、上方から見て、第3ビームB3の可動反射面202への入射角は、第2ビームB2の可動反射面202への入射角より大きくなっており、第2ビームB2の可動反射面202への入射角は、第1ビームB1の可動反射面202への入射角より大きくなっている。
【0017】
遮光部300Aは、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の光学ユニット群100Aと可動反射部200との間の光路に設けられている。遮光部300Aは、開口302Aを画定している。実施形態において、開口302Aは、ピンホールとなっている。ただし、開口302Aの形状はピンホールに限定されず、例えばスリットや任意形状の開口などであってもよい。第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3は、開口302Aを通過している。図1に示す例では、上方から見て、遮光部300Aは、光学ユニット群100Aと可動反射部200との間に位置している。また、上方から見て、各光学ユニットから出射された各ビームの光路は、各光学ユニットから可動反射面202にかけて直線形状となっている。しかしながら、光学装置10Aの光学系はこの例に限定されない。例えば、各ユニットから出射された各ビームは、各ビームの各光学ユニットと可動反射面202との間の光路において、ミラー等の偏向部によって偏向されてもよい。
【0018】
図1に示す例では、光学装置10Aの高さ方向に垂直な所定平面への第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の光路の投影が当該光路の少なくとも一部分において交差している。このため、可動反射面202の第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3が照射される位置が互いに異なっている。また、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3のうちのいずれか2つのビームの間の距離が、開口302Aと可動反射面202との間の領域の少なくとも一部分において開口302Aから可動反射面202に向かうにつれて増加している。当該2つのビームの間の距離は、例えば、当該2つのビームのうちの一方の光路に垂直なスクリーン等の平面に投影される当該2つのビームのスポットの間の距離である。
【0019】
実施形態1では、可動反射面202に傷や埃が存在する等、一定の条件下において、第1ビームB1、第2ビームB2又は第3ビームB3が可動反射面202において散乱することがある。例えば図1において可動反射面202の第3ビームB3の照射位置から延びる複数の矢印は、可動反射面202における第3ビームB3の散乱光を模式的に示している。
【0020】
実施形態1では、遮光部300Aが設けられていない場合と比較して、光学ユニット群100Aに含まれる少なくとも1つの光学ユニットから出射されたビームの可動反射面202における散乱光が光学ユニット群100Aに含まれる他の少なくとも1つの光学ユニットに照射されることを抑制することができる。例えば、第3ビームB3が可動反射面202において散乱した場合を検討する。この例では、第3ビームB3の散乱光のうち遮光部300Aに照射された光は、遮光部300Aによって遮られて、第1光学ユニット110A及び第2光学ユニット120Aへ照射されないようにすることができる。同様にして、第1ビームB1の散乱光のうち遮光部300Aに照射された光は、遮光部300Aによって遮られて、第2光学ユニット120A及び第3光学ユニット130Aへ照射されないようにすることができる。同様にして、第2ビームB2の散乱光のうち遮光部300Aに照射された光は、遮光部300Aによって遮られて、第1光学ユニット110A及び第3光学ユニット130Aへ照射されないようにすることができる。
【0021】
第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の散乱光を遮光部300Aによって遮る観点からすると、開口302Aの面積は、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3を通過させることができる範囲で可能な限り小さいことが好ましい。例えば、開口302Aの面積は、可動反射面202の面積より小さくてもよい。
【0022】
また、開口302Aの面積を小さくする観点からすると、光学装置10Aの高さ方向に垂直な所定平面への第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の光路の投影は、上方から見て、開口302Aと重なる位置、又は開口302Aと重なる位置の比較的近傍で交差していることが好ましい。ただし、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の当該投影は、上方から見て開口302Aと重なる位置から比較的離れた位置で交差していてもよい。この場合においても、開口302Aの面積を適切な面積に設定することで、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の散乱光を遮光部300Aによって遮ることができる。
【0023】
なお、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3のすべての上記投影が1点で交差していなくてもよい。例えば、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3のうちの2つのみの上記投影が1点で交差していてもよい。また、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3のうちの少なくとも2つの光路は、図1の紙面に平行な方向から見て、交差していなくてもよい。すなわち、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3のうちの少なくとも2つの光路は、ねじれの位置にあってもよい。
【0024】
図2は、実施形態1に係る第1光学ユニット110Aの構成の一例を示す図である。一例において、第1光学ユニット110Aは、図2を用いて説明する以下の構成を有している。第2光学ユニット120A及び第3光学ユニット130Aも、第1光学ユニット110Aの以下の構成と同様の構成を有していてもよい。
【0025】
第1光学ユニット110Aは、発光素子112A、受光素子114A及びビームスプリッタ116Aを有している。
【0026】
発光素子112Aは、例えば、レーザダイオード(LD)である。発光素子112Aは、第1ビームB1を出射している。第1ビームB1は、発光素子112Aから出射されてビームスプリッタ116Aを透過して、第1光学ユニット110Aから出射されている。図1を用いて説明したように、第1ビームB1は、第1光学ユニット110Aから出射された後、開口302Aを通過して、可動反射面202によって反射されている。
【0027】
第1ビームB1は、可動反射面202によって反射された後、光学装置10Aの外部に存在する物体に照射されて、当該物体によって反射又は散乱される。第1ビームB1の当該物体からの反射光又は散乱光は、可動反射面202によって反射されて、第1光学ユニット110Aに照射される。図2において、当該反射光又は散乱光は、受信光Rとして図示されている。受信光Rは、ビームスプリッタ116Aによって反射されて受光素子114Aに照射されている。受光素子114Aは、例えば、アバランシェフォトダイオード(APD)である。このようにして、受信光Rは、受光素子114Aによって受信されている。
【0028】
光学装置10Aの構成は、実施形態1において説明した構成に限定されない。
【0029】
例えば、実施形態1において、光学ユニット群100Aは、3つの光学ユニットを有している。しかしながら、光学ユニット群100Aは、2つ又は4つ以上の光学ユニットを有していてもよい。
【0030】
また、実施形態1では、複数の光学ユニットから出射されるすべてのビームが互いに異なる角度で可動反射面202に入射している。しかしながら、複数の光学ユニットのうちの少なくとも2つの光学ユニットから出射される少なくとも2つのビームが同じ入射角で可動反射面202に入射してもよい。
【0031】
図3は、実施形態2に係る光学装置10Bを示す図である。実施形態2に係る光学装置10Bは、以下の点を除いて、実施形態1に係る光学装置10Aと同様である。
【0032】
実施形態2に係る光学装置10Bは、実施形態1に係る遮光部300Aに代えて、反射部300Bを備えている。反射部300Bは、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の光学ユニット群100Bと可動反射部200との間の光路に設けられている。また、反射部300Bは、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3を可動反射部200に向けて反射している。実施形態2においても、実施形態1と同様にして、上方から見て、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3は、可動反射面202に互いに異なる入射角で入射している。
【0033】
図3に示す例では、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の反射面302Bへの入射角が互いに異なっている。このため、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3が可動反射面202に照射される位置が互いに異なっている。また、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3のうちのいずれか2つのビームの間の距離が、反射面302Bと可動反射面202との間の領域の少なくとも一部分において反射面302Bから可動反射面202に向かうにつれて増加している。
【0034】
実施形態2では、反射部300Bが設けられてない状態で複数の光学ユニットから出射されたビームが可動反射面202に直接入射すると比較して、光学ユニット群100Aに含まれる少なくとも1つの光学ユニットから出射されたビームの可動反射面202における散乱光が光学ユニット群100Aに含まれる他の少なくとも1つの光学ユニットに照射されることを抑制することができる。例えば、第3ビームB3が可動反射面202において散乱した場合を検討する。この例では、第3ビームB3の散乱光のうち反射部300Bから逸れた光は、第1光学ユニット110B及び第2光学ユニット120Bへ照射されないようにすることができる。同様にして、第1ビームB1の散乱光のうち反射部300Bから逸れた光は、第2光学ユニット120B及び第3光学ユニット130Bへ照射されないようにすることができる。同様にして、第2ビームB2の散乱光のうち反射部300Bから逸れた光は、第1光学ユニット110B及び第3光学ユニット130Bへ照射されないようにすることができる。
【0035】
第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の散乱光を反射部300Bから逸らせる観点からすると、反射面302Bの面積は、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3を反射することができる範囲で可能な限り小さいことが好ましい。例えば、反射部300Bの面積は、可動反射面202の面積より小さくてもよい。
【0036】
反射部300Bの周辺領域の態様は、特に限定されない。例えば、反射部300Bの周辺領域は、中空となっている。この例において、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の散乱光のうち反射部300Bから逸れた光は、反射部300Bの中空領域を通過することができる。或いは、反射部300Bの周辺領域には、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の散乱光を透過させる透光性部材が設けられていてもよい。
【0037】
反射面302Bの面積を小さくする観点からすると、光学装置10Bの高さ方向に垂直な所定平面への第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の光路の投影は、上方から見て、反射面302Bと重なる位置、又は反射面302Bと重なる位置の比較的近傍で交差していることが好ましい。ただし、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の当該投影は、上方から見て反射面302Bと重なる位置から比較的離れた位置で交差していてもよい。この場合においても、反射面302Bの面積を適切な面積に設定することで、第1ビームB1、第2ビームB2及び第3ビームB3の散乱光を反射部300Bから逸らせることができる。
【0038】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0039】
10A 光学装置
10B 光学装置
100A 光学ユニット群
100B 光学ユニット群
110A 第1光学ユニット
110B 第1光学ユニット
112A 発光素子
114A 受光素子
116A ビームスプリッタ
120A 第2光学ユニット
120B 第2光学ユニット
130A 第3光学ユニット
130B 第3光学ユニット
200 可動反射部
202 可動反射面
300A 遮光部
300B 反射部
302A 開口
302B 反射面
B1 第1ビーム
B2 第2ビーム
B3 第3ビーム
R 受信光
図1
図2
図3