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特開2023-91942血圧予測装置、血圧予測プログラム、及び、血圧予測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091942
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】血圧予測装置、血圧予測プログラム、及び、血圧予測方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20230626BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20230626BHJP
【FI】
G16H10/00
G06Q10/04
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206832
(22)【出願日】2021-12-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】521557539
【氏名又は名称】Essence research株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】澤田 真如
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L099AA22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】血圧予測装置、血圧予測プログラム及び血圧予測方法を提供する。
【解決手段】血圧予測装置は、連続して計測された被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出する手段と、測定者に対して、投薬による被測定者の治療への介入を行う場合と行わない場合の双方における、所定時間後の予測血圧値を提示するための手段と、を備える。算出する手段は、実測血圧値及び被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数である血圧予測因子に基づき被測定者の治療への介入を行わない場合の予測血圧値を算出し、実測血圧値及び被測定者に薬剤が投与される場合に実測血圧値の遷移に与えられる影響を示す効果値に基づき、被測定者の治療への介入を行う場合の予測血圧値を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測装置であって、
連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出する手段と、
測定者に対して、投薬による前記被測定者の治療への介入を行う場合と行わない場合の双方における、所定時間後の前記予測血圧値を提示するための手段と、を備え、
前記算出する手段は、前記実測血圧値、及び、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数である血圧予測因子に基づき前記被測定者の治療への介入を行わない場合の前記予測血圧値を算出し、前記実測血圧値、及び、前記被測定者に薬剤が投与される場合に前記実測血圧値の遷移に与えられる影響を示す効果値に基づき前記被測定者の治療への介入を行う場合の前記予測血圧値を算出することを特徴とする血圧予測装置。
【請求項2】
前記血圧予測因子は、連続する前記実測血圧値間における血圧変化の割合を示す血圧変化率であって、
前記算出する手段は、前記被測定者の所定時間後における前記実測血圧値が直近の前記実測血圧値からどれだけ変化するかの割合を予測した予測血圧変化率を、前記血圧変化率に基づき算出し、
前記予測血圧変化率は、予め定められた設定値よりも高い値の前記血圧変化率に基づき算出される第1の前記予測血圧変化率と、前記設定値又は前記設定値よりも低い別の設定値よりも低い値の前記血圧変化率に基づき算出される第2の前記予測血圧変化率と、である請求項1に記載の血圧予測装置。
【請求項3】
前記算出する手段は、前記血圧変化率が正の値であった場合、前記効果値が負の値を有する降圧効果を持つ薬剤を選択し、前記血圧変化率が負の値であった場合、前記効果値が正の値を有する昇圧効果を持つ薬剤を選択し、前記実測血圧値と選択された薬剤の前記効果値に基づき、治療への介入を行う場合の前記実測血圧値を算出する請求項1又は2に記載の血圧予測装置。
【請求項4】
前記算出する手段は、前記血圧変化率の値が一定以上であった場合に、前記予測血圧値の算出を行う請求項1~3の何れかに記載の血圧予測装置。
【請求項5】
前記提示するための手段は、前記予測血圧値を提示する際、算出した前記予測血圧値を用いて前記実測血圧値が所定時間後に入ると予測される範囲としての予測領域を決定する請求項1~4の何れかに記載の血圧予測装置。
【請求項6】
前記算出する手段は、前記実測血圧値に基づき、前記被測定者の前記予測血圧値が、合併症を引き起こす可能性の高い血圧の範囲である限度血圧範囲に到達するまでの予測時間を算出する請求項1~5の何れかに記載の血圧予測装置。
【請求項7】
前記算出する手段は、前記被測定者への複数回の投薬が行われた場合、前記実測血圧値に基づき前記効果値を再決定する請求項1~6の何れかに記載の血圧予測装置。
【請求項8】
被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測プログラムであって、コンピュータを、
連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出する手段と、
測定者に対して、投薬による前記被測定者の治療への介入を行う場合と行わない場合の双方における、所定時間後の前記予測血圧値を提示するための手段と、として機能させ、
前記算出する手段は、前記実測血圧値、及び、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数である血圧予測因子に基づき前記被測定者の治療への介入を行わない場合の前記予測血圧値を算出し、前記実測血圧値、及び、前記被測定者に薬剤が投与される場合に前記実測血圧値の遷移に与えられる影響を示す効果値に基づき前記被測定者の治療への介入を行う場合の前記予測血圧値を算出することを特徴とする血圧予測プログラム。
【請求項9】
被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測方法であって、
血圧予測装置が、
連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出するステップと、
測定者に対して、投薬による前記被測定者の治療への介入を行う場合と行わない場合の双方における、所定時間後の前記予測血圧値を提示するためのステップと、を有し、
前記算出するステップは、前記実測血圧値、及び、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数である血圧予測因子に基づき前記被測定者の治療への介入を行わない場合の前記予測血圧値を算出し、前記実測血圧値、及び、前記被測定者に薬剤が投与される場合に前記実測血圧値の遷移に与えられる影響を示す効果値に基づき前記被測定者の治療への介入を行う場合の前記予測血圧値を算出することを特徴とする血圧予測方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧予測装置、血圧予測プログラム、及び、血圧予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血圧の予測は困難とされており、その理由として、患者の個人差や、環境変化の影響を強く受けること等が挙げられる。経験を積んだ医療者であれば、手術中の血圧変化から患者の血圧変化の特徴を読み取ることで、その後の血圧変化を予測可能であるが、経験の浅い医療者に同様の予測を行うことは困難である。
【0003】
特許文献1では、生体の血圧値を周期的に測定し、今後の血圧値を予測することで、血圧の変動に迅速に対処することを可能とする血圧監視装置についての発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-107144号公報
【0005】
特許文献1記載の発明は、血圧測定手段により測定された測定血圧値に基づいて、所定時間後に予測される予測血圧値範囲の中心予測血圧値を決定することで、経験を積んだ医療者でなくとも、その後の血圧変化の予測を行うことを可能とする。しかしながら、特許文献1記載の発明では、迅速な処置をする必要があるかを示すことは可能でも、投薬の結果患者の血圧がどのように変化するかについては示していないことから、経験の浅い医療者では、薬剤を投与した際にどの程度血圧が変化するかの予測を行うことが困難なままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記事情を鑑みて、本発明は、血圧予測装置に係る新規な技術を提供することを、解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測装置であって、連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出する手段と、測定者に対して、投薬による前記被測定者の治療への介入を行う場合と行わない場合の双方における、所定時間後の前記予測血圧値を提示するための手段と、を備え、前記算出する手段は、前記実測血圧値、及び、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数である血圧予測因子に基づき前記被測定者の治療への介入を行わない場合の前記予測血圧値を算出し、前記実測血圧値、及び、前記被測定者に薬剤が投与される場合に前記実測血圧値の遷移に与えられる影響を示す効果値に基づき前記被測定者の治療への介入を行う場合の前記予測血圧値を算出することを特徴とする。このような構成とすることで、本発明は、治療に介入した場合と介入しなかった場合における予測血圧値を提示し、被測定者の血圧が危険な数値となる前に、測定者が迅速に治療へ介入することを可能にする。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記血圧予測因子は、連続する前記実測血圧値間における血圧変化の割合を示す血圧変化率であって、前記算出する手段は、前記被測定者の所定時間後における前記実測血圧値が直近の前記実測血圧値からどれだけ変化するかの割合を予測した予測血圧変化率を、前記血圧変化率に基づき算出し、前記予測血圧変化率は、予め定められた設定値よりも高い値の前記血圧変化率に基づき算出される第1の前記予測血圧変化率と、前記設定値又は前記設定値よりも低い別の設定値よりも低い値の前記血圧変化率に基づき算出される第2の前記予測血圧変化率と、であることを特徴とする。このような構成とすることで、本発明は、予め定められた設定値よりも高い、或いは、当該設定値又は当該設定値よりも低い別の設定値よりも低い値の血圧変化率に基づき予測血圧変化率を決定することで、より正確な予測血圧値を求めることができる。
また、血圧予測因子は、血圧を構成する要素である心臓状態(心拍数や駆出率等)、血管状態(血管抵抗等)、及び、循環血液状態(血液量や出血量等)等の複数の要素から構成されるため、各データを個別に処理して予測することが望ましい。しかし、詳細な血圧予測因子については世界的に複数の報告がなされているものの未だ研究途上である。その為、現段階では、上記複数の因子の総合結果である血圧値自体の変化率に着目して、簡易予測を行なう。なお、上記簡易予測は、被測定者の直近の血圧変化率に対して、同被測定者で既に測定され蓄積された血圧変化率のデータを参照して求められる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記算出する手段は、前記血圧変化率が正の値であった場合、前記効果値が負の値を有する降圧効果を持つ薬剤を選択し、前記血圧変化率が負の値であった場合、前記効果値が正の値を有する昇圧効果を持つ薬剤を選択し、前記実測血圧値と選択された薬剤の前記効果値に基づき、治療への介入を行う場合の前記実測血圧値を算出することを特徴とする。このような構成とすることで、本発明は、血圧の変化に応じて、降圧効果を持つ薬剤又は昇圧効果を持つ薬剤を投薬した場合、被測定者の血圧がどのように変化するかを提示することができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記算出する手段は、前記血圧変化率の値が一定以上であった場合に、前記予測血圧値の算出を行うことを特徴とする。このような構成とすることで、本発明は、予測が成立しやすく且つ予測の必要性が高い、血圧が急激に変化する恐れのある場合にのみ予測血圧値の算出を行い、不要なデータの算出を行わないことで予測の精度を上げることができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記提示するための手段は、前記予測血圧値を提示する際、算出した前記予測血圧値を用いて前記実測血圧値が所定時間後に入ると予測される範囲としての予測領域を決定することを特徴とする。このような構成とすることで、本発明は、算出する手段によって算出される予測血圧値だけでなく、所定時間後に実測血圧値が入る可能性のある範囲を示すことができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記算出する手段は、前記実測血圧値に基づき、前記被測定者の前記予測血圧値が、合併症を引き起こす可能性の高い血圧の範囲である限度血圧範囲に到達するまでの予測時間を算出することを特徴とする。このような構成とすることで、本発明は、被測定者の実測血圧値が危険域に到達するまでの時間を測定者に提示することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記算出する手段は、前記被測定者への複数回の投薬が行われた場合、前記実測血圧値に基づき前記効果値を再決定することを特徴とする。このような構成とすることで、本発明は、同量の投薬であっても、被測定者毎や被測定者の状態の変化に伴い異なって発揮される薬剤の効果値を再定義することで、予測の正確性を高めることができる。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は、被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測プログラムであって、コンピュータを、連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出する手段と、測定者に対して、投薬による前記被測定者の治療への介入を行う場合と行わない場合の双方における、所定時間後の前記予測血圧値を提示するための手段と、として機能させ、前記算出する手段は、前記実測血圧値、及び、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数である血圧予測因子に基づき前記被測定者の治療への介入を行わない場合の前記予測血圧値を算出し、前記実測血圧値、及び、前記被測定者に薬剤が投与される場合に前記実測血圧値の遷移に与えられる影響を示す効果値に基づき前記被測定者の治療への介入を行う場合の前記予測血圧値を算出することを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明は、被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測方法であって、血圧予測装置が、連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出するステップと、測定者に対して、投薬による前記被測定者の治療への介入を行う場合と行わない場合の双方における、所定時間後の前記予測血圧値を提示するためのステップと、を有し、前記算出するステップは、前記実測血圧値、及び、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数である血圧予測因子に基づき前記被測定者の治療への介入を行わない場合の前記予測血圧値を算出し、前記実測血圧値、及び、前記被測定者に薬剤が投与される場合に前記実測血圧値の遷移に与えられる影響を示す効果値に基づき前記被測定者の治療への介入を行う場合の前記予測血圧値を算出することを特徴とする血圧予測方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、血圧予測装置に係る新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの構成を示すブロック図。
図2】本発明の一実施形態に係るハードウェア構成図を示す。
図3】本発明の一実施形態に係る機能ブロック図を示す。
図4】本発明の一実施形態に係る相関テーブルを示す。
図5】本発明の一実施形態に係る予測血圧値の算出と描画の手順のフローチャート図を示す。
図6】本発明の一実施形態に係る血圧推移画面0w1を示す。
図7】本発明の一実施形態に係る予測領域の算出手順のフローチャート図を示す。
図8】本発明の一実施形態に係る予測領域を算出する際に用いられるデータの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書は、本発明の一実施形態にかかる構成や作用効果等について、好ましい実施形態が示された図面を交えて、以下に説明する。しかし、本発明は以下の実施形態に限定されず、様々な構成を採用し得る。
【0019】
例えば、本実施形態では血圧予測装置の構成、動作等について説明するが、実行される方法、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、血圧予測装置でその機能を実現する為に外部のコンピュータにおいて当該プログラムを起動させてもよい(いわゆるクラウドコンピューティング)。
【0020】
また、本実施形態において「手段」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0021】
広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0022】
<全体構成>
図1は、本実施形態における血圧予測装置の概要図である。血圧予測装置は、情報処理装置1と、測定装置2と、を備える。なお、測定装置2は、図1では、観血的動脈圧測定による測定を実施するための装置として例示されているが、腕を通すアームイン式の血圧計であってよく、腕帯巻きつけタイプの血圧計等であってもよい。また、図1では、血圧予測装置は情報処理装置1と測定装置2を備えているが、両装置の構成を有する一つの装置として具体化されてもよい。
【0023】
図1に例示されるように、情報処理装置1と測定装置2は、USBケーブル等による有線接続、Bluetooth(登録商標)等による無線接続、及び、有線/無線LAN等によって直接的に接続されてよく、また、他のネットワーク機器等を介し、インターネット等のネットワーク経由で接続されてもよい。また、本実施形態において、情報処理装置1は、測定装置2以外の外部の機器と通信可能であってもよい。
【0024】
また、情報処理装置1として、汎用のパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、情報処理装置1をサーバ向けのコンピュータを使用して構成すると共に、ネットワークを介してサーバと通信可能なクライアントコンピュータより、サーバとしての情報処理装置1の機能構成要素を利用する構成としてもよい。また、複数のコンピュータを用いて情報処理装置1を構成することも可能である。
【0025】
<ハードウェア構成>
図2(a)は、情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置1は、ハードウェア構成として、制御部101と、記憶部102と、通信部103と、出力部104と、入力部105と、を備える。
【0026】
制御部101は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る血圧予測プログラム、OSやその他のアプリケーションを実行することで、情報処理装置1の動作処理全体を制御する。
【0027】
記憶部102は、HDD、ROM、RAM等であって、本発明に係る血圧予測プログラム及び、制御部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部101が、記憶部102に記憶されている血圧予測プログラムに基づき処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0028】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報処理装置1を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。また、通信部103は、後述の予測血圧値等のデータを外部の機器に送信可能であってよく、外部の機器から送信されるデータの受信が可能であってよい。
【0029】
上述の通り、制御部101は、記憶部102に格納された血圧予測プログラムに基づき処理を実行する。これにより、出力部104は、視覚的・聴覚的な報知を可能とし、後述の画面の表示や、測定者への警告を行うことができる。また、利用者は、この画面に対して入力部105を操作して操作入力を行う。通信部103、及び、通信ネットワークNWを介して測定装置2と通信が行われ、出力部104で出力される情報の少なくとも一部や、入力部105を介して操作入力された情報がやり取りされる。
【0030】
図2(b)は、測定装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。測定装置2は、ハードウェア構成として、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、を備える。また、測定装置2は、ハードウェア構成として、出力部204と、入力部205と、を備えてよい。
【0031】
測定装置2の制御部201は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、測定装置2の動作処理全体を制御する。測定装置2の記憶部202は、HDD、ROM、RAM等であって、測定装置2を操作する為のアプリケーション等を記憶する。測定装置2の通信部203は、通信ネットワークNWとの通信を制御する。測定装置2の出力部204は、例としてモニター等の、測定装置2によって測定された被測定者の実際の血圧値を表示するためのインタフェースである。測定装置2の入力部205は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、被測定者又は測定者による操作要求を制御部201に入力する。なお、本実施形態では、患者等の血圧を測定される立場の者を被測定者とし、医師等の被測定者の血圧を測定する立場の者を測定者とする。
【0032】
〈機能構成〉
図3(a)に例示されるように、情報処理装置1は、格納手段11と、算出手段12と、提示手段13と、出力処理手段14と、データベースDBと、を有する。
【0033】
また、図3(b)に例示されるように、測定装置2は、測定手段21を有する。
【0034】
<機能構成要素細部>
格納手段11は、測定装置2によって一連の流れで測定された同一の被測定者の実際の血圧値である実測血圧値を、データベースDBに格納する。また、格納手段11は、実測血圧値に基づいて算出手段12によって算出・更新された種々の値や表を、当該実測血圧値と対応付けてデータベースDBに格納してよい。
【0035】
算出手段12は、測定装置2から送信された実測血圧値のデータが欠測データであった場合、当該実測血圧値の前後の値から均等に変化するような補完値を算出する。本実施形態では、例として、当該欠損データの前の実測血圧値が91(mmHg)であり、後の実測血圧値が86(mmHg)であった場合、補完値を89(mmHg)とする。この際、補完値における小数点第一位の数値は四捨五入されるものとする。なお、当該補完値は、測定者の手作業により算出されてよく、入力部105を介して情報処理装置1に入力され、データベースDBに格納されてもよい。
【0036】
また、算出手段12は、実測血圧値から、被測定者の血圧変化率を算出する。本実施形態において、血圧変化率とは、連続する2つの実測血圧値が前後でどれだけ変化したかの割合を示す数値であり、実測血圧値の数値が前後で上昇した場合は正の数値となり、数値が前後で減少した場合は負の数値となる。なお、本実施形態における「連続する実測血圧値」とは、一定時間以内に測定された実測血圧値であり、当該一定時間とは、被測定者の血圧変化の特徴や傾向を測定者が読み取ることが可能な程度の間隔である。例として、実測血圧値は、1秒や1分等の所定の間隔で測定された連続データである。また、当該血圧変化率は、当該血圧変化率を算出するのに用いた実測血圧値と対応付けてデータベースDBに格納されてよい。
【0037】
また、算出手段12は、予測血圧値を算出するための血圧予測因子の算出を行う。血圧予測因子とは、被測定者の血圧を構成する要素である心臓状態(心拍数や心拍出量等)、血管状態(血管抵抗等)、及び、循環血液状態(血液量や出血量等)等の血圧に影響を与える複数の要素に基づいて決定される、実測血圧値と組み合わせて予測血圧値を算出するための1又は複数の変数である。
【0038】
なお、以下に記載の予測血圧値の算出方法、及び、後述の予測血圧値の算出と描画を行うための手順を示すフローチャートでは、上記血圧予測因子の総合影響結果である血圧値自体の変化率に着目して簡易に予測を行う。簡易予測は、測定された被測定者の過去の血圧変化率に対して統計処理を行うことで算出した予測血圧変化率を用いる。本実施形態では、算出手段12は、被測定者の実測血圧値に基づき算出された血圧変化率の整数化を行い、前記整数化された過去の血圧変化率を参照し、所定時間後における被測定者の実測血圧値が現在の実測血圧値からどれだけ変化するかを予測した割合である予測血圧変化率を決定する。血圧変化率は、小数点第一位の数値を四捨五入することで整数化される。上記予測血圧変化率は、それまでに算出した過去の血圧変化率を目的変数、血圧の測定を開始した時点を0として当該血圧変化率が算出された時間を説明変数、及び、定数項(切片)を0と仮定する回帰直線における回帰係数(傾き)として求められる。また、本実施形態では、上記予測血圧変化率は、予め定められた設定値よりも高い値の血圧変化率に基づいて算出される第1の予測血圧変化率と、当該設定値又は当該設定値よりも低い別の設定値よりも低い値の血圧変化率に基づいて算出される第2の予測血圧変化率と、の2種類の予測血圧変化率である。なお、上記設定値は、正の値を有する第1の設定値と負の値を有する第2の設定値であってよく、予測血圧変化率を算出する際に用いられるデータの集合は、第1の設定値よりも大きな目的変数とそれに対応する説明変数のデータの集合と、第2の設定値よりも小さな目的変数とそれに対応する説明変数のデータの集合と、であってよい。当該設定値は、測定者が任意に変更可能な1又は複数の数値であってよく、第1及び第2の設定値はそれぞれ絶対値が異なっていてよい。例として、予め定められた設定値は5%(第1の設定値)であり、当該設定値よりも低い別の設定値はマイナス6%(第2の設定値)である。本実施形態では、実測血圧値に基づき血圧予測因子を算出するが、被測定者の心拍数や心拍出量等を実測血圧値に加えて、或いは替えて、血圧予測因子を決定してもよい。
【0039】
また、算出手段12は、実測血圧値と、血圧予測因子(血圧変化率)と、に基づき、所定時間後における被測定者の血圧を予測した数値である予測血圧値を算出する。なお、当該予測血圧値は下記の式により求められ、下記の式では、直前の血圧変化量が正の数値であった場合、正の値の予測血圧変化率が用いられ、直前の血圧変化量が負の数値であった場合、負の値の予測血圧変化率が用いられる。
予測血圧値=実測血圧値×(100+予測血圧変化率)/100
本実施形態において、上記式に基づき算出される予測血圧値は、測定者が治療に介入しない場合における所定時間後の血圧値である。上記所定時間とは、予め定められた時間であってよく、血圧を測定する測定間隔の整数倍の時間であってよい。また、算出手段12は、血圧変化率が予め定められた設定値よりも高い値、或いは、当該設定値又は当該設定値よりも低い別の設定値よりも低い値を示した際に予測血圧値を算出してよい。なお、予測血圧変化率に基づいて予測血圧値を算出するための方法は、上記の式だけに限定されることはなく、それ以外の方法を採用してもよい。例として、算出手段12は、血圧変化率の確率密度関数を算出し、当該確率密度関数が多峰性である場合、最新の血圧変化率に最も近いピーク値を採用することで、所定時間後における被測定者の予測血圧値を算出してよい。また、上記予測血圧変化率は、血圧変化率の最頻値や平均値、その他統計学的手法で算出した値であってよく、機械学習や統計学等のデータ分析によって算出された値であってよい。なお、統計学的手法やデータ分析によって上記予測血圧変化率を算出する際に用いられるデータの集合は、上述の回帰分析に基づく予測血圧変化率の算出を行う際に用いられるデータの集合と同様であってよい。前記機械学習の手法は、学習データセットを用いた教師あり学習であれば特に限定されず、例として、被測定者の実測血圧値や血圧変化率、年齢や性別等を含めたデータに基づく重回帰分析等である。
【0040】
なお、算出手段12は、被測定者の血圧予測因子が算出可能であれば、血圧変化率に基づく予測血圧変化率の算出以外の方法を採用可能であってよく、上記血圧予測因子は心拍数や心拍出量等に基づき算出されてよい。また、被測定者の予測血圧値が算出可能であれば、上記式以外の算出方法を採用可能であってよい。
【0041】
また、算出手段12は、実測血圧値と、薬剤が被測定者の血圧値に与える影響を示す効果値と、に基づき、所定時間後における被測定者の予測血圧値を算出する。なお、当該予測血圧値は下記の式により求められ、下記の式において、直前の血圧変化量が正の数値であった場合、降圧効果を持つ薬剤による効果値が用いられ、直前の血圧変化量が負の数値であった場合、昇圧効果を持つ薬剤による効果値が用いられる。本実施形態で用いられる降圧効果を持つ薬剤は例として、カルシウムブロッカーやβ遮断薬(βブロッカー)等が挙げられ、昇圧効果を持つ薬剤は例として、塩酸エフェドリン、エピネフリン、及び、ノルアドレナリン等が挙げられる。
予測血圧値=実測血圧値×(100+効果値)/100
当該予測血圧値とは、測定者が投薬によって治療に介入した場合における所定時間後の血圧値であり、本実施形態では、被測定者に対して投与される薬剤を一定量と仮定することで、降圧効果を持つ薬剤又は昇圧効果を持つ薬剤が被測定者に与える効果を示す効果値を予め定められた一定の数値として扱う。なお、被測定者に対して1回以上の投薬が行われた場合、算出手段12は、投薬後の実測血圧値に基づき投薬後の予測血圧変化率を算出し、当該予測血圧変化率を効果値としてよい。また、測定者が実際に投薬を行ったか否かは、入力部105を介して測定者が投薬を行ったことを、情報処理装置1に入力することによって判断されてよく、通信部103を介して外部の機器に入力された情報を受け付けることによって判断されてもよい。
【0042】
また、算出手段12は、実測血圧値と、限度血圧範囲の最大値又は最小値と、予測血圧値と、に基づき、被測定者の血圧値が限度血圧範囲を超えるまでの予測時間を算出する。本実施形態では、限度血圧範囲は、被測定者に合併症を引き起こす可能性が高い血圧の範囲であり、1又は複数の当該範囲が予め定められていてよい。また、本実施形態では、上記予測時間は、上記予測血圧値が限度血圧範囲の最大値を下回った場合又は最小値を上回った場合に算出される。なお、本実施形態では、当該限度血圧範囲の代わりに、被測定者の容態が安定状態を維持可能な血圧の範囲である理想的血圧維持範囲を用いてよく、上記予測時間の算出も、上記予測血圧範囲が理想的血圧維持範囲の最小値を下回った場合又は最大値を上回った場合に行われてよい。
【0043】
データベースDBは、図4に示すような、被測定者の年代や既往歴等の個人情報に係るデータと、限度血圧範囲と、の相関を表すテーブルを有してよく、被測定者の限度血圧範囲は、当該テーブルに基づき決定されてよい。当該テーブルは、被測定者の年代と、被測定者の既往歴と、病気の詳細と、限度血圧範囲と、を有してよい。上記既往歴は、被測定者が過去から現在までの間に罹患した病気や健康状態であり、本実施形態では特に血圧の管理に大きく影響する病気(例として脳動脈瘤や狭心症等)を示す。また、上記病気の詳細は、脳動脈瘤が破裂した状態である又は未破裂の状態である、狭心症の原因が高度な動脈硬化によるものである又は冠攣縮によるものである等の、被測定者が罹患経験のある病気の詳細な情報を示す。なお、図4におけるテーブルは一例であり、当該テーブルでは、被測定者の年代は、新生児、乳児、及び、後期高齢者等のあらゆる年代が想定されてよく、既往歴は、被測定者の血圧に影響を及ぼし得る全ての病気が想定されてよい。
【0044】
また、算出手段12は、予測血圧値と実測血圧値の差が予め定められた数値以内であった場合、当該予測血圧値にフラグを対応付けて記憶し、予測の総数とフラグ数から正答率を算出する。
【0045】
提示手段13は、被測定者の血圧変化率が予め定められた数値よりも大きな値を示した際に、測定者が治療に介入しなかった場合の予測血圧値と、投薬によって治療に介入した場合の予測血圧値と、を測定者に提示する画面である血圧推移画面0w1の表示処理要求を表示処理手段14に対して行う。また、提示手段13は、算出手段12によって算出された予測血圧値が、限度血圧範囲又は理想的血圧維持範囲を超えた際に、出力部104を介して測定者に対して通知を行ってもよい。
【0046】
出力処理手段14は、情報処理装置1からのリクエストに応じて、所定の画面を表示処理し、表示処理結果を送信する。情報処理装置1は、測定装置2から送信された情報に基づいて、後述の画面を出力部104に表示させる。これにより、情報処理装置1において、後述の画面が表示される。
【0047】
データベースDBは、実測血圧値や血圧変化率等の、本実施形態で扱われる各種情報の少なくとも一部が格納される。データベースDBは、記憶部102により構成されてよく、クラウドストレージであってよい。
【0048】
測定手段21は、被測定者の実際の血圧値である実測血圧値の測定を行う。測定手段21を介した被測定者の実測血圧値の測定は、実測血圧値が測定可能であれば、どのような測定方法、及び、測定のための構成を採用してもよい。本実施形態では、実測血圧値の測定方法として観血的動脈圧測定を採用するが、その他の測定方法(例として、容積振動法、コロトコフ法、及び、オシロメトリック法等)を採用してもよい。測定手段21は例として、ヘパリン入り生理食塩液、耐圧チューブ、三方コック、フラッシュ用シリンジ、血管内留置針、血圧トランスデューサ、及び、専用増幅器等を備えていてよい。
なお、本実施形態において、測定手段21を用いた実測血圧値の測定は、予め定められた一定の間隔で測定を行うが、血圧変化率が予め定められた数値よりも大きな値を示した場合、測定の間隔を狭めてもよい。
【0049】
<情報処理手順>
図5、及び、図7が示すように、本発明にかかる一連の処理は以下のステップを含む。なお、図5,及び、図7に示される各ステップの順序は一例であり、指定がない限り適宜、当該順序は変更され得る。
【0050】
図5は、予測血圧値の算出と描画を行うための手順を示すフローチャートである。
【0051】
本実施形態では、被測定者の実測血圧値の測定を開始する前に、被測定者の年代や既往歴等の個人情報を、入力部104や外部の機器を介して情報処理装置1に入力してよい。なお、被測定者が罹患している病気の状態が測定中に変化した場合、入力部104や外部の機器を介して、既に入力されている病気の詳細に係るデータを上書きできてよい。
【0052】
<予測血圧値の算出手順>
測定装置2は、被測定者の実測血圧値を測定する(ステップS101)。また、測定装置2は測定した実測血圧値を、通信部203を介して情報処理装置1に送信し、格納手段11は当該実測血圧値をデータベースDBに格納する。
【0053】
算出手段12は、ステップS101で測定された実測血圧値のデータに欠損が発生した場合、次の実測血圧値を用いて当該実測血圧値の補完を行う(ステップS102)。なお、情報処理装置1は、次の実測血圧値が測定されるまでの間、ステップS103以降の処理を行わず、次の実測血圧値を受信すると、前後の実測血圧値に基づき、欠損が発生した実測血圧値のデータの補完を行う。
【0054】
算出手段12は、ステップS101で測定された実測血圧値に基づき、血圧変化率を算出する(ステップS103)。当該血圧変化率は、格納手段11によってデータベースDBに格納されてよい。
【0055】
算出手段12は、ステップS103で算出された血圧変化率の整数化を行う(ステップS104)。当該血圧変化率は、格納手段11によってデータベースDBに格納されてよい。
【0056】
算出手段12は、データベースDBに格納される血圧変化率に基づき、予測血圧変化率を算出する(ステップS105)。本実施形態では、予め定められた設定値よりも高い値の血圧変化率、及び、当該設定値又は当該設定値よりも低い別の設定値よりも低い値の血圧変化率に基づき予測血圧変化率を算出するが、当該予測血圧変化率の算出に用いられる設定値の数値に制限はない。なお、当該予測血圧変化率は、格納手段11によってデータベースDBに格納されてよく、データベースDBに既に格納されている場合、当該予測血圧変化率は更新されてよい。
【0057】
算出手段12は、ステップS104で整数化した血圧変化率が、予め定められた設定値(第1の設定値)よりも高い値の血圧変化率、或いは、当該設定値又は当該設定値よりも低い別の設定値(第2の設定値)よりも低い値の血圧変化率であった場合、ステップS101で測定された実測血圧値と、ステップS105で算出された予測血圧変化率と、に基づき、測定者が治療に介入しなかった場合における予測血圧値を算出する(ステップS106)。また、算出手段12は、実測血圧値と、降圧効果を持つ薬剤又は昇圧効果を持つ薬剤による効果値と、に基づき測定者が治療に介入した場合における予測血圧値を算出する。出力処理手段14は、実測血圧値と、算出手段12が算出した予測血圧値の双方と、に基づき、血圧推移画面0w1の出力処理を行う。
【0058】
図6に例示されるように、出力部104は、血圧表示部0w1aを含む血圧推移画面0w1を表示する。血圧表示部0w1aには、測定装置2が測定した実測血圧値と、算出手段12が算出した予測血圧値と、が示される。本実施形態において、測定装置2が測定した最新の実測血圧値と予測血圧値は予測線で結ばれていてよい。また、本実施形態では、算出手段12は実測血圧値に基づき、実測血圧値が所定時間後に入ると予測される範囲である予測領域の最大値及び最小値を算出する。なお、図6に例示される予測領域中においては、領域中に描かれた円の中心が最も実測血圧値として測定される確率が高く、領域の端になるほど測定される確率は低くなる。また、当該予測領域中に描かれた点は、後述のステップS204で求められる血圧変化率の最頻値を示す点であってよく、当該予測領域は、ステップS106で算出された予測血圧値を中心とした予め定められた範囲であってもよい。
【0059】
<予測領域の算出手順>
次に、予測領域の算出方法について説明する。図7は、予測領域を算出する手順を示すフローチャートである。ここでは、直近の血圧変化率が負の値であった場合における予測領域の算出方法を説明する。また、図8は、予測領域の算出の際に使用されるデータの一例を示す。
【0060】
データベースDBには、一連の流れで測定された同一の被測定者の実際の血圧値である実測血圧値と、連続する2つの実測血圧値が前後でどれだけ変化したかの割合を示す血圧変化率と、が格納されている。本実施形態では、これらの値を用いて予測領域の算出を行う。
【0061】
まず、情報処理装置1は、特定の被測定者の直近の血圧変化率と同一の値を有する血圧変化率を、データベースDBに格納される当該血圧変化率が算出された測定と同一の測定におけるデータから探す。当該血圧変化率を算出する際に用いられた後の実測血圧値と、当該変化後の実測血圧値が測定されてから指定時間後における実測血圧値と、を取得する(ステップS201)。本実施形態では、当該指定時間は、当該後の実測血圧値の測定から1分後、3分後、及び、5分後であってよく、それ以外の任意の時間であってもよい。
【0062】
算出手段12は、図8(a)に例示されるように、上記変化後の実測血圧値と、指定時間後における実測血圧値と、の間における血圧変化率を算出する(ステップS202)。より詳細には、当該血圧変化率は、上記後の実測血圧値と1分後の実測血圧値の間における血圧変化率であってよく、上記後の実測血圧値と3分後の実測血圧値の間における血圧変化率であってよく、また、上記後の実測血圧値と5分後の実測血圧値の間における血圧変化率であってよい。
【0063】
直近の血圧変化率が負の値を示し、且つステップS202で算出された血圧変化率が正の値を示す場合、医療者による介入があったと判断されることから、血圧変化が生じないと仮定して、算出手段12は、図8(b)に例示されるように当該算出された血圧変化率に0を代入する(ステップS203)。また、直近の血圧変化率が正の値を示し、且つステップS202で算出された血圧変化率が負の値を示す場合においても同様に、当該算出された血圧変化率に0を代入する。
【0064】
算出手段12は、図8(b)に例示されるように、同一の指定時間後における血圧変化率の最頻値を求め、また、図8(c)に例示されるように、ステップS202で算出された血圧変化率を最頻値に近い順に並べることで順位付けを行う(ステップS204)。本実施形態では、最頻値から最も遠い血圧変化率の距離を10割(100%)として、算出された血圧変化率を等距離に並べるものとする。
【0065】
算出手段12は、ステップS204で順位付けされた血圧変化率の中から、上記最頻値からの距離が8割(80%)以内の血圧変化率における最大値と最小値を決定し、直近の実測血圧値と、当該最大値及び最小値と、に基づき、予測領域を算出する(ステップS205)。なお、本実施形態では、当該最大値及び最小値の両方が0でなければよく、上記最頻値からの距離が8割以上の血圧変化率を用いてもよい。例として、図8(c)では、上記最頻値からの距離が8割以内の場合、3分後と5分後における変化率が全て0%であるため、上記最頻値からの距離が86%である血圧変化率を最小値として、予測領域の最小値を求めるものとしてよい。
【0066】
また、算出手段12は、ステップS205で決定された上記最大値及び最小値に基づき、直近の実測血圧値の測定から1分後における予測血圧値の最大値及び最小値を算出する。直近の実測血圧値の測定から3分後及び5分後における予測血圧値の最大値及び最小値の算出も同様に行う。本実施形態では、当該算出された最大値及び最小値を線で結ぶことで、図6に例示される予測領域を描画する。
【0067】
なお、本実施形態では、ステップS203において0が代入された血圧変化率は、ステップS204における最頻値の算出の際に用いられなくてよい。また、上記最大値及び最小値は、同一の指定時間後において同一の血圧変化率が算出された回数及び当該回数の偏りに基づき決定されてよい。具体的には、血圧変化率の最頻値を基準として、算出された回数がより多い血圧変化率を予測領域に含むように最大値及び最小値を決定する。
例として、ステップS202において、同一の指定時間後における血圧変化率が、4%が2回、5%が2回、6%が7回、7%が8回、8%が3回、9%が3回、及び、10%が1回ずつ算出された場合を考える。先ず、当該血圧変化率の最頻値を求める(この場合、血圧変化率の最頻値は7%であり、当該血圧変化率を基準として決定する)。次に、基準から見て前後の血圧変化率を、算出回数の多い順に予測領域に入れていく。この際、血圧変化率が算出された回数の合計が、全算出回数の8割以内になるように予測領域に入れていく。当該合計が全算出回数の8割以内に収まる場合、算出回数の多い順に予測領域に入れてもよいが、8割以内に収まらない場合、全算出回数の8割以内に収まる中から算出回数の多い血圧変化率を優先して予測領域に入れていく。なお、予測領域には、当該合計が8割を超えるまで血圧変化率を入れられてもよい。上記例では、6%、7%、8%、及び、9%の血圧変化率が予測領域に入り、血圧変化率の最小値は6%であり、最大値は9%となる。
【0068】
なお、本実施形態では、直近の血圧変化率と同じ値を有する血圧変化率のデータが少ない場合、算出手段12は設定した範囲内(例として、直近の変化率から±1%の数値を有する血圧変化率など)の血圧変化率を併せて用いることで、ステップS201~205における予測領域の算出を行ってよい。また、算出手段12は、直近の血圧変化率に対して上記設定した範囲内の血圧変化率を含めても十分なデータがない場合、予測領域の算出を行わなくてよい。
【0069】
情報処理装置1は、測定装置2による実測血圧値の測定が終了し、最後の通信から一定時間経過した場合、一連の処理を終了する。情報処理装置1は、測定装置2から実測血圧値を受信する限り、一連の処理をステップS101から再開する。また、測定装置2は、入力部105等を介した測定の停止を要求する信号が入力されるまで、実測血圧値の測定を継続する。
【0070】
本発明によれば、血圧予測装置に係る新規な技術を提供することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 :情報処理装置
2 :測定装置
101 :制御部
102 :記憶部
103 :通信部
104 :出力部
105 :入力部
201 :制御部
202 :記憶部
203 :通信部
11 :格納手段
12 :算出手段
13 :提示手段
14 :出力処理手段
21 :測定手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測装置であって、
連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出する手段と、
測定者に対して、所定時間後の前記予測血圧値を提示するための手段と、を備え、
前記算出する手段は、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数であり連続する前記実測血圧値間における血圧変化の割合を示す血圧変化率に基づき、前記被測定者の所定時間後における前記実測血圧値が直近の前記実測血圧値からどれだけ変化するかの割合を予測した予測血圧変化率を算出し、前記実測血圧値及び前記予測血圧変化率に基づき前記予測血圧値を算出することを特徴とする血圧予測装置。
【請求項2】
前記予測血圧変化率は、予め定められた設定値よりも高い値の前記血圧変化率に基づき算出される第1の予測血圧変化率と、前記設定値又は前記設定値よりも低い別の設定値よりも低い値の前記血圧変化率に基づき算出される第2の予測血圧変化率と、である請求項1に記載の血圧予測装置。
【請求項3】
前記算出する手段は、前記血圧変化率が正の値であった場合、前記被測定者に薬剤が投与される場合に前記実測血圧値の遷移に与えられる影響を示す効果値が負の値を有する降圧効果を持つ薬剤を選択し、前記血圧変化率が負の値であった場合、前記効果値が正の値を有する昇圧効果を持つ薬剤を選択し、前記実測血圧値と選択された薬剤の前記効果値に基づき、治療への介入を行う場合の前記実測血圧値を算出する請求項1又は2に記載の血圧予測装置。
【請求項4】
前記算出する手段は、前記血圧変化率の値が一定以上であった場合に、前記予測血圧値の算出を行う請求項1~3の何れかに記載の血圧予測装置。
【請求項5】
前記提示するための手段は、前記予測血圧値を提示する際、算出した前記予測血圧値を用いて前記実測血圧値が所定時間後に入ると予測される範囲としての予測領域を決定する請求項1~4の何れかに記載の血圧予測装置。
【請求項6】
前記算出する手段は、前記実測血圧値に基づき、前記被測定者の前記予測血圧値が、合併症を引き起こす可能性の高い血圧の範囲である限度血圧範囲に到達するまでの予測時間を算出する請求項1~5の何れかに記載の血圧予測装置。
【請求項7】
前記算出する手段は、前記被測定者への複数回の投薬が行われた場合、前記実測血圧値に基づき前記効果値を再決定する請求項3又は請求項3を引用する請求項4~6の何れかに記載の血圧予測装置。
【請求項8】
被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測プログラムであって、コンピュータを、
連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出する手段と、
測定者に対して、所定時間後の前記予測血圧値を提示するための手段と、として機能させ、
前記算出する手段は、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数であり連続する前記実測血圧値間における血圧変化の割合を示す血圧変化率に基づき、前記被測定者の所定時間後における前記実測血圧値が直近の前記実測血圧値からどれだけ変化するかの割合を予測した予測血圧変化率を算出し、前記実測血圧値及び前記予測血圧変化率に基づき前記予測血圧値を算出することを特徴とする血圧予測プログラム。
【請求項9】
前記予測血圧変化率は、予め定められた設定値よりも高い値の前記血圧変化率に基づき算出される第1の予測血圧変化率と、前記設定値又は前記設定値よりも低い別の設定値よりも低い値の前記血圧変化率に基づき算出される第2の予測血圧変化率と、である請求項8に記載の血圧予測プログラム。
【請求項10】
被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測方法であって、
血圧予測装置が、
連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出するステップと、
測定者に対して、所定時間後の前記予測血圧値を提示するためのステップと、を有し、
前記算出するステップは、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数であり連続する前記実測血圧値間における血圧変化の割合を示す血圧変化率に基づき、前記被測定者の所定時間後における前記実測血圧値が直近の前記実測血圧値からどれだけ変化するかの割合を予測した予測血圧変化率を算出し、前記実測血圧値及び前記予測血圧変化率に基づき前記予測血圧値を算出することを特徴とする血圧予測方法。
【請求項11】
前記予測血圧変化率は、予め定められた設定値よりも高い値の前記血圧変化率に基づき算出される第1の予測血圧変化率と、前記設定値又は前記設定値よりも低い別の設定値よりも低い値の前記血圧変化率に基づき算出される第2の予測血圧変化率と、である請求項10に記載の血圧予測方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測装置であって、
連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出する手段と、
測定者に対して、所定時間後の前記予測血圧値を提示するための手段と、を備え、
前記算出する手段は、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数であり連続する前記実測血圧値間における血圧変化の割合を示す血圧変化率に基づき、前記被測定者の所定時間後における前記実測血圧値が直近の前記実測血圧値からどれだけ変化するかの割合を予測した予測血圧変化率を算出し、前記実測血圧値及び前記予測血圧変化率に基づき前記予測血圧値を算出し、前記血圧変化率が正の値であった場合、前記被測定者に薬剤が投与される場合に前記実測血圧値の遷移に与えられる影響を示す効果値が負の値を有する降圧効果を持つ薬剤を選択し、前記血圧変化率が負の値であった場合、前記効果値が正の値を有する昇圧効果を持つ薬剤を選択し、前記実測血圧値と選択された薬剤の前記効果値に基づき、治療への介入を行う場合の前記予測血圧値を算出することを特徴とする血圧予測装置。
【請求項2】
前記予測血圧変化率は、予め定められた設定値よりも高い値の前記血圧変化率に基づき算出される第1の予測血圧変化率と、前記設定値又は前記設定値よりも低い別の設定値よりも低い値の前記血圧変化率に基づき算出される第2の予測血圧変化率と、である請求項1に記載の血圧予測装置。
【請求項3】
前記算出する手段は、前記血圧変化率の値が一定以上であった場合に、前記予測血圧値の算出を行う請求項1又は2に記載の血圧予測装置。
【請求項4】
前記提示するための手段は、前記予測血圧値を提示する際、算出した前記予測血圧値を用いて前記実測血圧値が所定時間後に入ると予測される範囲としての予測領域を決定する請求項1~3の何れかに記載の血圧予測装置。
【請求項5】
前記算出する手段は、前記実測血圧値に基づき、前記被測定者の前記予測血圧値が、合併症を引き起こす可能性の高い血圧の範囲である限度血圧範囲に到達するまでの予測時間を算出する請求項1~4の何れかに記載の血圧予測装置。
【請求項6】
前記算出する手段は、前記被測定者への複数回の投薬が行われた場合、前記実測血圧値に基づき前記効果値を再決定する請求項1~5の何れかに記載の血圧予測装置。
【請求項7】
被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測プログラムであって、コンピュータを、
連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出する手段と、
測定者に対して、所定時間後の前記予測血圧値を提示するための手段と、として機能させ、
前記算出する手段は、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数であり連続する前記実測血圧値間における血圧変化の割合を示す血圧変化率に基づき、前記被測定者の所定時間後における前記実測血圧値が直近の前記実測血圧値からどれだけ変化するかの割合を予測した予測血圧変化率を算出し、前記実測血圧値及び前記予測血圧変化率に基づき前記予測血圧値を算出し、前記血圧変化率が正の値であった場合、前記被測定者に薬剤が投与される場合に前記実測血圧値の遷移に与えられる影響を示す効果値が負の値を有する降圧効果を持つ薬剤を選択し、前記血圧変化率が負の値であった場合、前記効果値が正の値を有する昇圧効果を持つ薬剤を選択し、前記実測血圧値と選択された薬剤の前記効果値に基づき、治療への介入を行う場合の前記予測血圧値を算出することを特徴とする血圧予測プログラム。
【請求項8】
前記予測血圧変化率は、予め定められた設定値よりも高い値の前記血圧変化率に基づき算出される第1の予測血圧変化率と、前記設定値又は前記設定値よりも低い別の設定値よりも低い値の前記血圧変化率に基づき算出される第2の予測血圧変化率と、である請求項7に記載の血圧予測プログラム。
【請求項9】
被測定者の血圧の推移の予測を行う血圧予測方法であって、
血圧予測装置が、
連続して計測された前記被測定者の実際の血圧値である実測血圧値に基づき、所定時間後における前記被測定者の血圧の予測値である予測血圧値を算出するステップと、
測定者に対して、所定時間後の前記予測血圧値を提示するステップと、を有し、
前記算出するステップは、前記被測定者の血圧に影響を与える要素に基づいて決定される変数であり連続する前記実測血圧値間における血圧変化の割合を示す血圧変化率に基づき、前記被測定者の所定時間後における前記実測血圧値が直近の前記実測血圧値からどれだけ変化するかの割合を予測した予測血圧変化率を算出し、前記実測血圧値及び前記予測血圧変化率に基づき前記予測血圧値を算出し、前記血圧変化率が正の値であった場合、前記被測定者に薬剤が投与される場合に前記実測血圧値の遷移に与えられる影響を示す効果値が負の値を有する降圧効果を持つ薬剤を選択し、前記血圧変化率が負の値であった場合、前記効果値が正の値を有する昇圧効果を持つ薬剤を選択し、前記実測血圧値と選択された薬剤の前記効果値に基づき、治療への介入を行う場合の前記予測血圧値を算出することを特徴とする血圧予測方法。
【請求項10】
前記予測血圧変化率は、予め定められた設定値よりも高い値の前記血圧変化率に基づき算出される第1の予測血圧変化率と、前記設定値又は前記設定値よりも低い別の設定値よりも低い値の前記血圧変化率に基づき算出される第2の予測血圧変化率と、である請求項9に記載の血圧予測方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記算出する手段は、前記血圧変化率が正の値であった場合、前記効果値が負の値を有する降圧効果を持つ薬剤を選択し、前記血圧変化率が負の値であった場合、前記効果値が正の値を有する昇圧効果を持つ薬剤を選択し、前記実測血圧値と選択された薬剤の前記効果値に基づき、治療への介入を行う場合の前記予測血圧値を算出することを特徴とする。このような構成とすることで、本発明は、血圧の変化に応じて、降圧効果を持つ薬剤又は昇圧効果を持つ薬剤を投薬した場合、被測定者の血圧がどのように変化するかを提示することができる。