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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091974
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】回路基板、回転電機、およびポンプ
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/046 20060101AFI20230626BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20230626BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
H01H85/046
H02K11/33
H05K1/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206890
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】▲高山▼ 康夫
(72)【発明者】
【氏名】関口 知里
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 勇希
(72)【発明者】
【氏名】▲高谷▼ 隆司
(72)【発明者】
【氏名】傳刀 聖
【テーマコード(参考)】
5E338
5G502
5H611
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB75
5E338CC04
5E338CD13
5E338CD14
5E338EE12
5G502AA01
5G502AA03
5G502BA10
5G502BB07
5G502BB16
5G502FF10
5H611AA03
5H611BB01
5H611BB08
5H611TT01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子部品の短絡等によって、回路基板に過電流が流れた場合であっても、電流ヒューズを溶断することなく、電子部品等を保護する回路基板、回転電機及びポンプを提供する。
【解決手段】回路基板80は、複数の電子部品81、82と、回路層に設けられる配線パターンと、を備える。配線パターンは、複数の電子部品及び電源を電気的に接続する主パターン83と、主パターン83から分岐し、1つの電子部品と接続される副パターン84と、を有する。副パターンは、複数の細線パターン84aを有する。複数の細線パターン同士は、それぞれ、主パターンと、1つの電子部品との間において、互いに並列に接続される。複数の細線パターンのうち、少なくとも、2つの細線パターンの断面積が互いに異なる。複数の細線パターンそれぞれの断面積の和は、主パターンの断面積以下である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子部品と、
回路層に設けられる配線パターンと、
を備え、
前記配線パターンは、
複数の前記電子部品、および電源を電気的に接続する主パターンと、
前記主パターンから分岐し、1つの前記電子部品と接続される副パターンと、を有し、
前記副パターンは、複数の細線パターンを有し、
複数の前記細線パターン同士は、それぞれ、前記主パターンと、1つの前記電子部品との間において、互いに並列に接続され、
複数の前記細線パターンのうち、少なくとも、2つの細線パターンの断面積が互いに異なり、
複数の前記細線パターンそれぞれの断面積の和は、前記主パターンの断面積以下である、回路基板。
【請求項2】
前記副パターンは、第1細線パターンと、第2細線パターンと、を有し、
前記第1細線パターンの断面積は、前記第2細線パターンの断面積と異なり、
前記副パターンは、複数の前記第1細線パターンを有する、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記副パターンは、複数の前記第2細線パターンを有する、請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
複数の前記細線パターンのうち、少なくとも、2つの細線パターンの最小の断面積が互いに異なり、
複数の前記細線パターンそれぞれの最小の断面積の和は、前記主パターンの最小の断面積以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項5】
複数の前記細線パターンそれぞれの厚さ方向の寸法は、前記主パターンの厚さ方向の寸法と同じ寸法であり、
複数の前記細線パターンそれぞれの幅方向の寸法は、前記主パターンの幅方向の寸法と異なる寸法である、請求項1から4のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項6】
互いに隣り合って配置される2つの細線パターンの幅方向の中心位置同士の間隔は全て同じ間隔である、請求項1から5のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項7】
1つの前記電子部品は、コンデンサである、請求項1から6のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項8】
複数のコンデンサと、複数の前記副パターンと、を備え、
複数の前記副パターンは、それぞれ、1つの前記コンデンサと電気的に接続される、請求項7に記載の回路基板。
【請求項9】
積層された複数の回路層を有する回路基板であって、
前記主パターン、および、前記副パターンは、最も外側に積層された回路層に設けられる、請求項1から8のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項10】
中心軸を中心として回転可能なロータと、
前記ロータと隙間を介して対向するステータと、
請求項1から9のいずれか一項に記載の回路基板と、
を備え、
前記回路基板は、前記ステータに供給する電流を制御する回転電機。
【請求項11】
請求項10に記載の回転電機と、
前記ロータに接続されるポンプ機構と、
を備える、ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板、回転電機、およびポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商用電源に接続して使用する電気機器では、電気素子の短絡等によって、過電流が流れた場合、電気回路が備える電流ヒューズを溶断させて電気回路への電流供給を停止して、電気部品等の保護を行っている。例えば、特許文献1には、プリント配線板にヒューズを取り付ける電子回路装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-17293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電子回路装置において、電流ヒューズが溶断すると、電子回路装置への電流供給が停止する。そのため、電気機器を再び駆動するためには、電流ヒューズの交換が必要となりメンテナンスが煩雑であった。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、電子部品の短絡等によって、回路基板に過電流が流れた場合であっても、電流ヒューズを溶断することなく、電子部品等を保護することができる回路基板、回転電機、およびポンプを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の回路基板の一つの態様は、複数の電子部品と、回路層に設けられる配線パターンと、を備える。前記配線パターンは、複数の前記電子部品、および電源を電気的に接続する主パターンと、前記主パターンから分岐し、1つの前記電子部品と接続される副パターンと、を有する。前記副パターンは、複数の細線パターンを有する。複数の前記細線パターン同士は、それぞれ、前記主パターンと、1つの前記電子部品との間において、互いに並列に接続される。複数の前記細線パターンのうち、少なくとも、2つの細線パターンの断面積が互いに異なる。複数の前記細線パターンそれぞれの断面積の和は、前記主パターンの断面積以下である。
【0007】
本発明の回転電機の一つの態様は、中心軸を中心として回転可能なロータと、前記ロータと隙間を介して対向するステータと、上記の回路基板と、を備える。上記の回路基板は、前記ステータに供給する電流を制御する。
【0008】
本発明のポンプの一つの態様は、上記回転電機と、前記ロータに接続されるポンプ機構と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの態様によれば、回路基板、回転電機、およびポンプにおいて、電子部品の短絡等により、回路基板に過電流が流れた場合であっても、電流ヒューズを溶断することなく、電子部品等を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態のポンプを模式的に示す断面図である。
図2図2は、第1実施形態の回路基板が搭載されるポンプの回路ブロック図である。
図3図3は、第1実施形態の回路基板の一部を示す上面図である。
図4図4は、第1実施形態の回路基板を模式的に示す断面図である。
図5図5は、第1実施形態の制御回路に流れる過電流を説明する回路ブロック図である。
図6図6は、第2実施形態の回路基板の一部を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明において図には、適宜、Z軸を示す。Z軸は、以下に説明する実施形態のロータの中心軸Jが延びる方向を示している。各図に示す中心軸Jは、仮想軸線である。以下の説明においては、中心軸Jが延びる方向、つまりZ軸と平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「軸方向一方側」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「軸方向他方側」と呼ぶ。
【0012】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態のポンプ1は、車両5に搭載される機器に取り付けられる電動ポンプである。ポンプ1が取り付けられる機器は、自動変速機であってもよいし、車両5の車軸を駆動する駆動装置であってもよい。ポンプ1は、例えば、車両5に搭載される機器にオイルを供給する電動オイルポンプである。
【0013】
ポンプ1は、回転電機2と、ポンプ機構60と、オイルシール77と、を備える。本実施形態において回転電機2は、モータである。本実施形態の回転電機2は、インナーロータ型の三相ブラシレスDCモータである。回転電機2は、4相以上の多相モータであってもよい。回転電機2は、ハウジング40と、モータ部3と、第1ベアリング75と、第2ベアリング76と、回路基板80を備える。
【0014】
ハウジング40は、モータ部3と、第1ベアリング75と、第2ベアリング76と、オイルシール77と、ポンプ機構60と、回路基板80と、を内部に収容している。ハウジング40は、本体カバー41と、ポンプカバー42とを有する。本体カバー41とポンプカバー42とは、互いに別部材である。ポンプカバー42は、本体カバー41の軸方向他方側に固定されている。
【0015】
本体カバー41は、モータ収容部41aと、ポンプ収容部41bと、ベアリング保持部41eと、回路基板保持部41fと、を有する。本実施形態において、モータ収容部41aと、ポンプ収容部41bと、ベアリング保持部41eと、回路基板保持部41fとは互いに同一の単一部材の一部である。モータ収容部41aは、モータ部3、第1ベアリング75、第2ベアリング76、と、オイルシール77と、回路基板80と、を内部に収容している。本実施形態において、モータ収容部41aは、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。モータ収容部41aの軸方向一方側の端部は、本体カバー41の軸方向一方側の端部である。モータ収容部41aの軸方向他方側の端部は、軸方向他方側に開口する孔部41cを有している。孔部41cは、中心軸Jを中心とする円形状である。孔部41cの軸方向他方側の端部は、ポンプ収容部41bの内部と繋がっている。
【0016】
ポンプ収容部41bは、モータ収容部41aの軸方向他方側に繋がっている。ポンプ収容部41bは、ポンプ機構60を内部に収容している。ポンプ収容部41bは、軸方向他方側に開口している。ポンプ収容部41bの軸方向他方側の開口は、ポンプカバー42によって塞がれている
【0017】
モータ収容部41aの内部のうちロータ10およびステータ71よりも軸方向一方側の部分には、ベアリング保持部41eが設けられている。ベアリング保持部41eは、中心軸Jを中心とする円環板状である。ベアリング保持部41eの板面は、軸方向を向く。ベアリング保持部41eの内周面には、第1ベアリング75が保持されている。
【0018】
回路基板保持部41fは、ベアリング保持部41eから軸方向一方側に延びる円柱状である。回路基板保持部41fは、モータ収容部41aの内部に配置されている。回路基板保持部41fは、周方向に沿って間隔をあけて複数設けられる。本実施形態において、回路基板保持部41fは、3個設けられている。各回路基板保持部41fは、それぞれ、第1部分41gと、第2部分41hとを有している。各第1部分41gは、それぞれ、ベアリング保持部41eから軸方向一方側に延びる円柱状である。各第2部分41hは、それぞれ、第1部分41gから軸方向一方側に延びる円柱状である。各第2部分41hの外径は、各第1部分41gの外径よりも小さい。各第1部分41gの軸方向一方側を向く面は、それぞれ、回路基板80を支持する。これにより、軸方向における回路基板80の位置が決まる。各第2部分41hは、それぞれ、回路基板80に設けられる孔80fに嵌め合わされる。これにより、回路基板80は、回路基板保持部41fに保持される。
【0019】
図1に示すように、モータ部3は、ロータ10とステータ71とを有する。本実施形態においてモータ部3は、回路基板80から供給される電流によって、ロータ10が中心軸Jを中心として回転駆動し、ポンプ機構60に回転駆動トルクを伝達する。
【0020】
ロータ10は、中心軸Jを中心として回転可能である。ロータ10は、ロータ本体11と、シャフト20と、を有する。シャフト20はロータ本体11に固定されている。ロータ10は、シャフト20を支持する第1ベアリング75と、第2ベアリング76とによって、中心軸Jを中心として回転可能に支持されている。ロータ本体11は、ロータコア12と図示しないマグネットとを有する。ロータコア12は、中心軸Jを中心として、軸方向に延びる略円筒状である。本実施形態において、ロータコア12は、磁性体によって構成される。マグネットは、ロータコア12に固定されている。本実施形態において、マグネットは、永久磁石である。
【0021】
シャフト20は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。シャフト20の軸方向一方側の部分は、ロータコア12よりも軸方向一方側に延び、第1ベアリング75に支持されている。シャフト20の軸方向他方側の部分は、ロータコア12よりも軸方向一方側に延び、モータ収容部41aの内部から、孔部41cを介して、ポンプ収容部41bの内部に突出している。シャフト20の軸方向他方側の部分は、第2ベアリング76に支持されている。シャフト20の軸方向他方側の部分は、オイルシール77と接触している。シャフト20の軸方向他方側の部分は、インナーロータ61と連結されている。
【0022】
図1に示すように、ステータ71は、ロータ10と隙間を介して対向している。ステータ71は、ロータ10の径方向外側に位置している。ステータ71は、ステータコア72と、インシュレータ73と、複数のコイル74と、を有する。ステータ71は、モータ収容部41aの内周面に固定されている。
【0023】
ステータ71は、電流が流されることで磁場を発生する。ロータ10は、ステータ71の磁場によって回転する。より具体的には、ステータ71の複数のコイル74には、交流電流が流される。これにより、ステータ71に発生する磁場の磁極が切り替わり、マグネットとの磁気力によってロータ10に回転トルクが発生する。複数のコイル74は、それぞれ、後述する回路基板80のパワーモジュール87と接続される。これにより、複数のコイル74に3相交流電流が供給される。つまり、モータ部3に3相交流電流が供給される。
【0024】
図1に示すように、孔部41cには、オイルシール77が保持されている。また、孔部41cには、オイルシール77の軸方向一方側に第2ベアリング76が保持されている。
【0025】
本実施形態において、第1ベアリング75および第2ベアリング76は、転がり軸受であってもよいし、ボールベアリングであってもよい。第1ベアリング75は、シャフト20のうちロータ本体11よりも軸方向一方側に位置する部分を回転可能に支持している。第2ベアリング76は、シャフト20のうちロータ本体11よりも軸方向他方側に位置する部分を回転可能に支持している。
【0026】
本実施形態において、オイルシール77は、径方向内側にリップ部を有するリップシールである。オイルシール77は、第2ベアリング76の軸方向他方側に配置されている。オイルシール77のリップ部は、シャフト20の外周面に接触している。これにより、オイルシール77は、シャフト20とモータ収容部41aとの間を封止している。
【0027】
図1に示すように、ポンプ機構60は、インナーロータ61と、アウターロータ62と、を有している。インナーロータ61は、シャフト20のうちポンプ収容部41bの内部に突出した部分と連結されている。これにより、ポンプ機構60は、ロータ10に接続されている。インナーロータ61は、シャフト20を囲む環状である。アウターロータ62は、インナーロータ61を囲む環状である。インナーロータ61とアウターロータ62とは、互いに噛み合っている。したがって、ロータ10によってインナーロータ61が回転すると、アウターロータ62も回転する。
【0028】
図1に示すように、回路基板80は、モータ収容部41aの内部に収容されている。回路基板80は、シャフト20の軸方向一方側に配置されている。上述のように、回路基板80は、回路基板保持部41fに保持されている。回路基板80は、中心軸Jを中心とする略円板状である。回路基板80の板面は、軸方向を向いている。図2に示すように、回路基板80は、後述する電源6と、モータ部3との間に電気的に接続される。回路基板80は、電源6から供給される直流電流を、交流電流に変換し、モータ部3のステータ71に供給する。回路基板80は、ステータ71に供給する電流を制御する。
【0029】
電源6は、車両5に搭載される複数のバッテリの一つである。電源6の正極端子は、電流ヒューズ7および正バスバー8aを介して、回路基板80と電気的に接続される。電源6の負極端子は、負バスバー8bを介して、回路基板80と電気的に接続される。これらにより、回路基板80に直流電流が供給される。なお、電源6の負極端子は、接地されている。
【0030】
電流ヒューズ7は、車両5に搭載される電子部品の一つである。電流ヒューズ7は、電源6の正極端子と、正バスバー8aとを電気的に接続する。本実施形態において、電流ヒューズ7は、図示しないガラス管と、ガラス管内に配置される図示しないリード線とによって構成される。リード線は、電源6の正極端子と、正バスバー8aとを電気的に接続する。リード線には、電源6から回路基板80に供給される全ての電流が流れる。電流ヒューズ7は、例えば、回路基板80が備える電子部品81の故障等により、回路基板80の後述する制御回路90が短絡した場合に発生する過電流から、回路基板80が備える他の電子部品81、および、回路基板80と電気的に接続されるモータ部3を保護するために設けられている。後述するように、制御回路90が短絡した場合、電源6から制御回路90に流れる過電流Isは、リード線を流れる。このとき、リード線には大きなジュール熱が発生する。リード線の温度が融点に達すると、リード線が溶断する。これにより、電源6と回路基板80との電気的接続が遮断される。そのため、制御回路90に流れる過電流が遮断され、回路基板80が備える他の電子部品81、および、モータ部3を保護できる。
【0031】
正バスバー8aは、電流ヒューズ7と、回路基板80の正極側接続端子80cとを電気的に接続する。負バスバー8bは、電源6の負極端子と、回路基板80負極側接続端子80dとを電気的に接続する。正バスバー8aと負バスバー8bを介して、電源6から回路基板80に直流電流が供給される。
【0032】
図4に示すように、本実施形態において、回路基板80は、回路層80bに設けられる配線パターン80aと、複数の電子部品81とを備える。複数の電子部品81は、コンデンサ82、およびスイッチング素子81eを含む。配線パターン80aと複数の電子部品81とは、制御回路90を構成する。制御回路90は、電源6から供給される直流電流を、交流電流に変換し、モータ部3のステータ71に供給する。図2に示すように、本実施形態において、制御回路90は、少なくとも、パワーモジュール87とコンデンサモジュール89とを有している。
【0033】
図4に示すように、本実施形態において、回路基板80は、第1回路層80b1と、第2回路層80b2と、第3回路層80b3と、第4回路層80b4とを有している。各回路層80b1,80b2,80b3,80b4は、軸方向に積層されている。つまり、回路基板80は、積層された複数の回路層80b1,80b2,80b3,80b4を有している。また、回路基板80は、第1絶縁層88aと、第2絶縁層88bと、第3絶縁層88cとを有している。第1回路層80b1は、第1絶縁層88aの軸方向一方側を向く面上に設けられている。第2回路層80b2は、第1絶縁層88aの軸方向他方側を向く面上に設けられている。第2絶縁層88bは、第1回路層80b1の軸方向一方側に設けられている。第3回路層80b3は、第2絶縁層88bの軸方向一方側を向く面上に設けられている。第3絶縁層88cは、第2回路層80b2の軸方向他方側に設けられている。第4回路層80b4は、第3絶縁層88cの軸方向他方側を向く面上に設けられている。
【0034】
各回路層80b1,80b2,80b3,80b4には、それぞれ、配線パターン80aが設けられている。本実施形態において、配線パターン80aは銅箔によって構成されている。各回路層80b1,80b2,80b3,80b4に設けられる配線パターン80aの軸方向の寸法、すなわち、厚さ方向の寸法は全て70μmである。つまり、配線パターン80aの厚さ方向の寸法は同じである。各回路層80b1,80b2,80b3,80b4は、第1絶縁層88a、第2絶縁層88b、第3絶縁層88cに設けられる図示しない複数のスルーホール、および、スルーホールと電気的に接続される複数の電子部品81を介して、互いに電気的に接続される。
【0035】
第1絶縁層88aは、ガラス布基材にエポキシ樹脂を浸潤させた絶縁性を有する板状である。第1絶縁層88aの融点は550℃である。第1絶縁層88aは、軸方向一方側を向く面上に第1回路層80b1を、軸方向他方側を向く面上に第2回路層80b2を有する。配線パターン80aは、銅箔層が設けられた第1絶縁層88aの両面にドライフィルムを貼り付け、ドライフィルム上に配線パターンが印刷されたマスクを重ね合わせて紫外線を露光し、不要なドライフィルムを溶解除去した後、配線パターン以外の部分の銅箔をエッチング加工により除去する工程により構成される。
【0036】
第2絶縁層88bは、第1絶縁層88aの軸方向一方側を向く面に接着固定される。第2絶縁層88bは、軸方向一方側を向く面上に第3回路層80b3を有する。第3絶縁層88cは、第1絶縁層88aの軸方向他方側を向く面に接着固定される。第3絶縁層88cは、軸方向他方側を向く面上に第4回路層80b4を有する。第2絶縁層88bおよび第3絶縁層88cは、第1絶縁層88aと同様に、ガラス布基材にエポキシ樹脂を浸潤させた絶縁性を有する板状である。第2絶縁層88bおよび第3絶縁層88cの融点は550℃である。なお、第1絶縁層88a、第2絶縁層88b、および第3絶縁層88cの構成は、本実施形態に限定されず、例えば、フッ素樹脂やセラミックなどの絶縁性を有する材料を用いることができる。第2絶縁層88bおよび第3絶縁層88cは、それぞれ、プリプレグにより第1絶縁層88aに接着固定される。プリプレグは、例えば、ガラス布に樹脂を含侵した樹脂シートである。本実施形態において、プリプレグは、第1接着層88dおよび第2接着層88eを構成する。
【0037】
第3回路層80b3および第4回路層80b4は、上述の第1回路層80b1を構成する手順と同様の手順により構成される。第3回路層80b3および第4回路層80b4の表面には、それぞれ、絶縁性を有する第1保護層88fおよび第2保護層88gが設けられる。本実施形態において、第1保護層88fおよび第2保護層88gは、それぞれ、エポキシ樹脂によって構成される。本実施形態において、第1保護層88fおよび第2保護層88gの耐熱温度は150℃である。
【0038】
図2に示すように、パワーモジュール87は、電源6から供給される直流電流を三相の交流電流に変換し、モータ部3に供給する。パワーモジュール87は、複数(本実施形態では6つ)のスイッチング素子81eを有する。本実施形態において、スイッチング素子81eは、回路基板80が備える複数の電子部品81の一つである。本実施形態のスイッチング素子81eは、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)である。スイッチング素子81eは、IGBT以外のパワー半導体素子であってもよい。例えば、スイッチング素子81eは、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)などの電界効果トランジスタであってもよい。
【0039】
パワーモジュール87は、6個のスイッチング素子81eにより構成される3相インバータである。すなわち、パワーモジュール87は、2つのスイッチング素子により構成されるアームをU相、V相、W相に対応する3相分有する。各アームの中間点が、モータ部3に接続される。なお、本実施形態の回路基板80には、1つのパワーモジュール87が設けられ、パワーモジュール87が6つのスイッチング素子81eを有する。パワーモジュール87の構成は、本実施形態の構成に限定されず、2つのスイッチング素子81eを有する3つのパワーモジュールによって構成されていてもよい。図4に示すように、本実施形態において、スイッチング素子81eは、回路基板80の軸方向他方側を向く面に取り付けられる。なお、各スイッチング素子81eは、回路基板80の軸方向一方側を向く面上に取り付けられてもよい。
【0040】
図2に示すように、パワーモジュール87の3つのアームの正極側端子87pは、後述する主パターン83を介して、コンデンサモジュール89の正極側に接続される。パワーモジュール87の3つのアームの負極側端子87nは、負極側主パターン86を介して、コンデンサモジュール89の負極側に接続される。本実施形態において、正極側端子87pおよび負極側端子87nは、それぞれ3つずつ設けられる。なお、パワーモジュール87は、モータ部3に代えて、図示しない発電機に接続されていてもよい。この場合、回路基板80は、発電機から入力される電力を直流電力に変換し、電源6を充電する。
【0041】
コンデンサモジュール89は、パワーモジュール87に供給される直流電流を平滑化する。コンデンサモジュール89は、電源6およびパワーモジュール87と並列接続される。コンデンサモジュール89は、主パターン83と、副パターン84と、負極側副パターン85と、負極側主パターン86と、コンデンサ82と、によって構成される。主パターン83と、副パターン84と、負極側副パターン85と、負極側主パターン86とは、配線パターン80aの一部である。本実施形態において、コンデンサ82は、複数の電子部品81の一つである。本実施形態において、コンデンサ82は、セラミックコンデンサである。コンデンサ82は、本実施形態に限定されず、例えば、フィルムコンデンサを用いることもできる。
【0042】
本実施形態において、コンデンサモジュール89は、副パターン84と、負極側副パターン85と、コンデンサ82とを、それぞれ、5つずつ有している。つまり、回路基板80は、複数のコンデンサ82を備える。各コンデンサ82は、それぞれ、電源6およびパワーモジュール87と並列に接続される。各コンデンサ82は、それぞれ、互いに並列に接続される。各コンデンサ82の正極側端子は、副パターン84を介して、主パターン83に接続される。各コンデンサ82の負極側端子は、負極側副パターン85を介して、負極側主パターン86に接続される。図4に示すように、コンデンサ82は、回路基板80の軸方向一方側を向く面取り付けられている。
【0043】
なお、本実施形態において、コンデンサモジュール89の5つのコンデンサ82のうち、何れか1つのコンデンサを回路基板80から取り外した状態で、回転電機2およびポンプ1を駆動させても、コンデンサモジュール89は、パワーモジュール87に供給される直流電流を平滑化できる。つまり、本実施形態の回路基板80では、5つのコンデンサ82のうち、1つのコンデンサ82がオープン(開放)状態であっても、回転電機2およびポンプ1を安定的に駆動できる。すなわち、本実施形態の回路基板80では、5つの副パターン84のうち、1つの副パターン84がオープン(開放)状態であっても、回転電機2およびポンプ1を安定的に駆動できる。コンデンサモジュール89は、冗長性を確保するために、複数のコンデンサ82を有する。
【0044】
図4に示すように、本実施形態において、主パターン83と、副パターン84と、負極側副パターン85と、負極側主パターン86とは、それぞれ、第3回路層80b3に設けられる。つまり、主パターン83、および、副パターン84は、最も外側に積層された第3回路層80b3に設けられる。主パターン83、副パターン84、負極側副パターン85、および負極側主パターン86の厚さ方向の寸法は全て70μmである。
【0045】
図2に示すように、主パターン83は、回路基板80が有する正極側接続端子80cと、副パターン84と、正極側端子87pとを電気的に接続する。主パターン83は、正極側接続端子80cと、正バスバー8aと、電流ヒューズ7とを介して、電源6の正極端子と電気的に接続される。つまり、配線パターン80aは、複数の電子部品81と、電源6とを電気的に接続する主パターン83を有する。主パターン83には、電源6から制御回路90に供給される全ての電流が流れる。図3に示すように、本実施形態において、主パターン83の幅方向の寸法Wmは1400μmである。主パターン83の断面積Smは98000μmである。
【0046】
図2に示すように、負極側主パターン86は、回路基板80が有する負極側接続端子80dと、負極側副パターン85と、負極側端子87nとを電気的に接続する。負極側主パターン86は、負極側接続端子80dと、負バスバー8bとを介して、電源6の負極端子と電気的に接続される。負極側主パターン86は接地される。図3に示すように、本実施形態において、負極側主パターン86の幅方向の寸法Wm2は1400μmである。よって、負極側主パターン86の断面積Sm2は98000μmである。
【0047】
図2に示すように、副パターン84は、主パターン83と、コンデンサ82とを電気的に接続する。上述のように、本実施形態において、副パターン84は5つ設けられる。つまり、回路基板80は、複数の副パターン84を備える。各副パターン84は、主パターン83と負極側主パターン86との間において、互いに並列接続されている。各副パターン84の一端は、それぞれ、主パターン83と繋がっている。各副パターン84は、それぞれ、主パターン83から分岐している。図4に示すように、各副パターン84の他端は、それぞれ、コンデンサ82の正極側端子82pと接続されている。図2に示すように、1つのコンデンサ82には、1つの副パターン84が繋がっている。つまり、各副パターン84は、それぞれ、1つのコンデンサ82と電気的に接続される。すなわち、副パターン84は、1つの電子部品81と接続される。本実施形態において、各副パターン84の構成は、主パターン83と接続される位置を除いて同じ構成である。図3に示すように、本実施形態において、各副パターン84は、第1細線パターン84a1および第2細線パターン84a2を有している。つまり、副パターン84は、複数の細線パターン84aを有している。
【0048】
第1細線パターン84a1と、第2細線パターン84a2とは、それぞれ、主パターン83およびコンデンサ82と繋がっている。つまり、複数の細線パターン84aは、主パターン83と、1つの電子部品81との間において、互いに並列に接続されている。第1細線パターン84a1および第2細線パターン84a2パターンの一端は、それぞれ、主パターン83と繋がっている。第1細線パターン84a1および第2細線パターン84a2は、それぞれ、主パターン83から分岐している。図4に示すように、第1細線パターン84a1および第2細線パターン84a2の他端は、それぞれ、コンデンサ82の正極側端子82pと接続されている。図3に示すように、本実施形態において、各副パターン84は、第1細線パターン84a1および第2細線パターン84a2を、それぞれ、2つずつ有している。つまり、副パターン84は、複数の第1細線パターン84a1を有する。また、副パターン84は、複数の第2細線パターン84a2を有する。本実施形態において、2つの第1細線パターン84a1は、2つの第2細線パターン84a2に挟まれて配置される。なお、2つの第1細線パターン84a1は、2つの第2細線パターン84a2を挟んで配置されてもよい。また、互いに隣り合って配置される2つの細線パターン84aの幅方向の中心位置同士の間隔Wsは全て600μmである。つまり、つまり、互いに隣り合って配置される2つの細線パターン84aの幅方向の中心位置同士の間隔Wsは全て同じ間隔である。
【0049】
本実施形態において、第1細線パターン84a1の幅方向の寸法W1は280μmであり、第2細線パターン84a2の幅方向の寸法W2は300μmである。上述のように、本実施形態において、副パターン84の厚さ方向の寸法は、70μmである。したがって、1つの第1細線パターン84a1の断面積S1は19600μmであり、1つの第2細線パターン84a2の断面積S2は21000μmである。つまり、複数の細線パターン84aのうち、少なくとも2つの細線パターン84a1,84a2の断面積S1,S2が互いに異なる。なお、本実施形態において、第1細線パターン84a1および第2細線パターン84a2の長さ方向の寸法Laは全て500μmである。
【0050】
また、上述のように、主パターン83の厚さ方向の寸法は70μmである。よって、複数の細線パターン84aそれぞれの厚さ方向の寸法は、主パターン83の厚さ方向の寸法と同じ寸法である。また、上述のように、主パターン83の幅方向の寸法Wmは1400μmである。つまり、複数の細線パターン84a1,84a2それぞれの幅方向の寸法W1,W2は、主パターン83の幅方向の寸法Wmと異なる寸法である。また、上述のように、主パターン83の断面積Smは98000μmである。2つの第1細線パターン84a1の断面積と2つの第2細線パターン84a2の断面積の和Saは81200μmである。つまり、複数の細線パターン84aの断面積の和Saは、主パターン83の断面積Sm以下である。
【0051】
図2に示すように、負極側副パターン85は、負極側主パターン86と、コンデンサ82とを電気的に接続する。上述のように、本実施形態において、負極側副パターン85は、5つ設けられる。各負極側副パターン85は、主パターン83と負極側主パターン86との間において、互いに並列接続されている。各負極側副パターン85の一端は、それぞれ、負極側主パターン86と繋がっている。各負極側副パターン85は、それぞれ、負極側主パターン86から分岐している。図4に示すように、各負極側副パターン85の他端は、それぞれ、コンデンサ82の負極側端子82nと接続されている。なお、本実施形態において、各負極側副パターン85の構成は、負極側主パターン86と接続される位置を除いて同じ構成である。図3に示すように、本実施形態において、負極側副パターン85の幅方向の寸法Wnは2200μmである。負極側副パターン85の断面積Snは154000μmである。なお、本実施形態において、負極側副パターン85の長さ方向の寸法Lnは500μmである。
【0052】
次に、回路基板80が備える1つのコンデンサ82aの内部が短絡した場合に、制御回路90に流れる電流および副パターン84の溶断について説明する。図5に示すように、コンデンサ82aの内部が短絡すると、電源6の正極端子と負極端子とが直接電気的に接続された状態になる。そのため、電流ヒューズ7と、正バスバー8aと、主パターン83の一部と、負極側主パターン86の一部と、負バスバー8bと、コンデンサ82aと繋がる副パターン84および負極側副パターン85とには、過電流Isが流れる。上述のように、電流ヒューズ7の図示しないリード線に過電流Isが流れると、リード線において大きなジュール熱が発生するため、リード線が溶断する虞がある。電流ヒューズ7のリード線が溶断すると、回転電機2およびポンプ1を再び駆動させるためには、車両5に取り付けられる電流ヒューズ7の交換が必要になり、交換作業が煩雑になる。
【0053】
本実施形態によれば、配線パターン80aは、複数の電子部品81と、電源6と、を電気的に接続する主パターンと、主パターン83から分岐し、1つの電子部品81と接続される副パターン84と、を有する。副パターン84は、複数の細線パターン84aを有し、複数の細線パターン84a同士は、それぞれ、主パターン83と、1つの前記電子部品との間において、互いに並列に接続される。複数の細線パターン84aのうち、少なくとも、2つの細線パターン84a1,84a2の断面積S1,S2が互いに異なり、複数の細線パターン84aそれぞれの断面積の和Saは、主パターン83の断面積Sm以下である。上述のように、1つの電子部品81が短絡すると、過電流Isが副パターン84の複数の細線パターン84aに流れるため、各細線パターン84aそれぞれにおいて、大きなジュール熱が発生する。過電流Isが流れる際の各細線パターン84aの温度は、第1に各細線パターン84aで発生するジュール熱量、第2に各細線パターン84aの外部に放熱する、各細線パターン84aの放熱量によって決まる。第1に、各細線パターン84aで発生するジュール熱量は、各細線パターン84aの抵抗値に比例する。すなわち、各細線パターン84aで発生するジュール熱量は、各細線パターン84aの断面積に反比例する。そのため、各細線パターン84aのうち、断面積が小さい細線パターンのジュール熱量の方が、断面積が大きい細線パターンのジュール熱量よりも大きい。第2に、各細線パターン84aの放熱は、各細線パターン84aから主パターン83への伝熱が主である。よって、各細線パターン84aの放熱量は、各細線パターン84aの断面積が大きいほど大きい。そのため、各細線パターン84aのうち、断面積が小さい細線パターンの放熱量の方が、断面積が大きい細線パターンの放熱量よりも小さい。以上より、副パターン84に過電流Isが流れる場合、断面積が最も小さな細線パターンの温度上昇が最も大きくなるため、断面積が最も小さな細線パターンが最初に溶断する。断面積が最も小さな細線パターンが溶断すると、他の細線パターンに流れる電流が大きくなるため、断面積が2番目に小さい細線パターンが速やかに溶断する。その後、断面積が小さい細線パターンから順次速やかに溶断し、最後に最も断面積が大きな細線パターンが溶断されると、副パターン84が溶断される。これにより、電源6の正極端子と負極端子とが直接電気的に接続される状態が解消されるため、制御回路90を流れる過電流Isが解消される。本実施形態では、各細線パターン84aの断面積を小さく設けているため、過電流Isによって、各細線パターン84aで発生するジュール熱を好適に大きくできる。よって、各細線パターン84aは速やかに溶断し、その結果、副パターン84を速やかに溶断できる。そのため、電流ヒューズ7のリード線が溶断する以前に、副パターン84を溶断できる。つまり、本実施形態では、電流ヒューズ7のリード線が溶断することを抑制できる。また、副パターン84が速やかに溶断して、制御回路90を流れる過電流Isを速やかに解消できるため、回路基板80が備える他の電子部品81、および、モータ部3を保護することができる。したがって、電流ヒューズ7を溶断することなく、電子部品81等を保護することができる。
【0054】
また、本実施形態では、複数の細線パターン84aそれぞれの断面積の和Saは、主パターン83の断面積Sm以下である。つまり、副パターン84の断面積Saは、主パターン83の断面積Sm以下である。よって、副パターン84で発生するジュール熱量の方が、主パターン83で発生するジュール熱量よりも大きい。また、副パターン84の放熱量の方が、主パターン83の放熱量よりも小さい。よって、電子部品81が短絡して、制御回路90に過電流Isが流れた場合、主パターン83の温度よりも副パターン84の温度の方が高くなるため、副パターン84が溶断する。つまり、主パターン83の溶断を抑制できる。よって、短絡した電子部品81と繋がる1つの副パターン84が溶断した後も、主パターン83は、他の電子部品81に電流を供給できる。
【0055】
本実施形態によれば、副パターン84は、第1細線パターン84a1と、第2細線パターン84a2と、を有し、第1細線パターン84a1の断面積S1は、第2細線パターン84a2の断面積S2と異なり、副パターン84は、複数の第1細線パターン84a1を有する。そのため、各第1細線パターン84a1それぞれの断面積S1を第2細線パターン84a2の断面積S2よりも容易に小さくできる。よって、各第1細線パターン84a1で発生するジュール熱量を、第2細線パターン84a2で発生するジュール熱量よりも大きくできる。第2に、各第1細線パターン84a1の放熱量を、第2細線パターン84a2の放熱量よりも小さくできる。そのため、電子部品81が短絡して、制御回路90に過電流Isが流れると、各第1細線パターン84a1をより速やかに溶断できる。各第1細線パターン84a1が溶断すると、第2細線パターン84a2に流れる電流が大きくなるため、第2細線パターン84a2を速やかに溶断できる。よって、本実施形態では、副パターン84をより速く溶断できるため、電流ヒューズ7のリード線が溶断することをより好適に抑制できる。したがって、電流ヒューズ7を溶断することなく、電子部品81等を保護することができる。
【0056】
本実施形態によれば、副パターン84は、複数の第2細線パターン84a2を有する。
そのため、各第2細線パターン84a2それぞれの断面積S2を容易に小さくできる。本実施形態では、1つの第1細線パターン84a1の断面積S1は、1つの第2細線パターン84a2の断面積S2よりも小さい。よって、各第1細線パターン84a1が溶断した後、各第2細線パターン84a2をより速やかに溶断できる。つまり、副パターン84をより速やかに溶断できる。したがって、電流ヒューズ7を溶断することなく、電子部品81等を保護することができる。
【0057】
本実施形態によれば、複数の細線パターン84aそれぞれの厚さ方向の寸法は、主パターン83の厚さ方向の寸法と同じ寸法であり、複数の細線パターン84aそれぞれの幅方向の寸法W1,W2は、主パターン83の幅方向の寸法Wmと異なる寸法である。主パターン83断面積と、複数の細線パターン84aそれぞれの断面積とを異なる断面積にするためには、各パターンの厚さ方向の寸法、または、幅方向の寸法の少なくともいずれか一方の寸法を異なる寸法にする必要がある。しかしながら、回路基板80が有する各絶縁層面上に設けられる銅箔の厚さ方向の寸法は、各絶縁層面内において均一の寸法である。そのため、主パターン83と複数の細線パターン84aの厚さ方向の寸法を異なる寸法にするためには、主パターン83と複数の細線パターン84aとを、互いに異なる回路層に配置する必要がある。この場合、配線パターン80aの経路が複雑になるとともに、銅箔の厚みが異なる別個の回路層を設ける必要が生じる虞がある。そのため、回路基板80の製造コストが増大する。本実施形態では、主パターン83と複数の細線パターン84aの厚さ方向の寸法は全て同じ寸法であるため、主パターン83および複数の細線パターン84aを同一の第3回路層80b3に配置できる。よって、配線パターン80aの経路の簡易化を図ることができるとともに、別個の回路層を設ける必要が無い。一方、主パターン83の幅方向の寸法Wm、および、複数の細線パターン84a幅方向の寸法W1,W2は、マスクに印刷される配線パターンの形状によって、容易に異なる寸法に設けることができる。よって、主パターン83断面積と複数の細線パターン84aの断面積とを容易に異なる断面積にできる。したがって、回路基板80の製造コストが増大することを抑制できる。
【0058】
本実施形態によれば、互いに隣り合って配置される2つの細線パターン84aの幅方向の中心位置同士の間隔Wsは全て同じ間隔である。配線パターン80aの形状を設計する際に、複数の細線パターン84a等の幅方向の中心位置を決めた後に、複数の細線パターン84a等の幅方向の寸法を決定する。上述のように、細線パターン84a等の幅方向の寸法は、マスクに印刷される配線パターンによって容易に変更できる。そのため、互いに隣り合う2つの細線パターン84aの幅方向の中心位置同士の間隔Wsが同一であることにより、配線パターン80aの設計が容易となる。したがって、そのため、回路基板80の設計工数が増大することを抑制できる。
【0059】
本実施形態によれば、1つの電子部品は、コンデンサ82である。そのため、コンデンサ82が故障により短絡して、制御回路90に過電流Isが流れても、副パターン84を速やかに溶断できる。したがって、電流ヒューズ7を溶断することなく、電子部品81等を保護することができる。
【0060】
また、本実施形態では、1つの副パターン84と、1つの負極側副パターン85との間に、1つのコンデンサ82を備えるのみである。例えば、1つの副パターン84と、1つの負極側副パターン85との間に、2つ以上のコンデンサ82を直接に接続して備える場合、1つの電子部品コンデンサ82が故障により短絡しても、残りのコンデンサ82により、制御回路90に過電流Isが流れることを抑制できる。しかしながら、係る回路基板80では、コンデンサ82が広い設置面積を要するため、回路基板80が大型化する。また、回路基板80、回転電機2、ポンプ1の製造工数および製造コストが増大する。上述にように、本実施形態では、コンデンサ82が故障により短絡して、制御回路90に過電流Isが流れても、副パターン84を速やかに溶断できるため、回路基板80の大型化や、回路基板80、回転電機2、ポンプ1の製造工数および製造コストが増大することを抑制できる。
【0061】
本実施形態によれば、複数のコンデンサ82と、複数の副パターン84と、を備え、複数の副パターン84は、それぞれ、1つのコンデンサ82と電気的に接続される。したがって、1つのコンデンサ82が短絡して、制御回路90に過電流Isが流れる場合、短絡したコンデンサ82と電気的に接続される副パターン84を速やかに溶断できる。そのため、電流ヒューズ7を溶断することなく、電子部品81等を保護することができる。
【0062】
また、本実施形態では、上述のように、5つの副パターン84のうち、1つの副パターン84が溶断等によってオープン状態となっても、ポンプ1を安定的に駆動できる。また、上述のように、1つのコンデンサ82が短絡して、制御回路90に過電流Isが流れても、短絡したコンデンサ82と電気的に接続される副パターン84を速やかに溶断できるため、電流ヒューズ7が溶断することなく、電源6の正極端子と接地との短絡を解消できる。また、上述のように、副パターン84の断面積Saは、主パターン83の断面積Sm以下であるため、制御回路90に過電流Isが流れても、主パターン83の溶断を抑制できる。また、上述にように、負極側主パターン86の断面積Sm2は98000μmである。つまり、副パターン84の断面積Saは、負極側主パターン86の断面積Sm2以下である。そのため、制御回路90に過電流Isが流れても、負極側主パターン86の溶断を抑制できる。よって、短絡したコンデンサ82と繋がる1つの副パターン84が溶断した後も、制御回路90は、他の電子部品81に電流を供給できる。よって、1つのコンデンサ82が短絡しても、回路基板80および電流ヒューズ7を交換することなく、継続して回転電機2およびポンプ1を駆動できる。したがって、回転電機2およびポンプ1のメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0063】
本実施形態によれば、積層された複数の回路層80bを有する回路基板80であって、主パターン83、および、副パターン84は、最も外側に積層された回路層に設けられる。本実施形態では、主パターン83、および、副パターン84は、最も軸方向一方側に積層された第3回路層80b3に設けられる。また、上述のように、第3回路層80b3の軸方向他方側に配置される第2絶縁層88bの溶融温度よりも、第3回路層80b3の軸方向一方側に位置する、第1保護層88fの耐熱温度の方が低い。そのため、コンデンサ82が短絡して、過電流Isによって副パターン84の温度が上昇すると、第1保護層88fのうち、副パターン84と接触する部分が溶融するため、副パターン84が回路基板80の外部に露出する。よって、溶融した副パターン84は、回路基板80の軸方向一方側の表面に漏れ出るため、溶融した副パターン84が、第3回路層80b3に配置される他の配線パターン、および、他の回路層の配線パターンと接触することを抑制できる。そのため、第3回路層内80b3に配置される他の配線パターン、および、他の回路層の配線パターン80aの短絡などの故障を抑制できる。したがって、1つのコンデンサ82が短絡しても、回路基板80および電流ヒューズ7を交換することなく、継続して回転電機2およびポンプ1を駆動できる。したがって、回転電機2およびポンプ1のメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0064】
また、本実施形態では、主パターン83と副パターン84は、第3回路層80b3に設けられる。よって、配線パターン80aの構成の簡易化を図ることができる。そのため、回路基板80の製造工数が増大することを抑制できる。したがって、回転電機2およびポンプ1の製造工数が増大することを抑制できる。
【0065】
<第2実施形態>
図6に示すように、本実施形態の回路基板280において、副パターン284が有する複数の細線パターン284aは、それぞれ、長さ方向において幅方向の寸法が異なる部分を有している。なお、本実施形態において、パターンの長さ方向とは、各パターンにおいて、電流が流れる方向である。図6において、主パターン83および負極側主パターン86の長さ方向は左右方向である。副パターン284、各細線パターン284aおよび負極側副パターン85の長さ方向は上下方向である。本実施形態において、副パターン284は、2つの第1細線パターン284a1と2つの第2細線パターン284a2とを有している。
【0066】
第1細線パターン284a1と、第2細線パターン284a2とは、それぞれ、主パターン83およびコンデンサ82と繋がっている。複数の細線パターン284aは、主パターン83と、コンデンサ82との間において、互いに並列に接続されている。本実施形態において、2つの第1細線パターン284a1は、2つの第2細線パターン284a2に挟まれて配置される。また、互いに隣り合って配置される2つの細線パターン284aの幅方向の中心位置同士の間隔Wsは全て600μmである。つまり、つまり、互いに隣り合って配置される2つの細線パターン284aの幅方向の中心位置同士の間隔Wsは全て同じ間隔である。
【0067】
本実施形態において、第1細線パターン284a1は、長さ方向において、幅方向の寸法が異なる。第1細線パターン284a1は、第1部分284a11と、第2部分284a12と、第3部分284a13と、を有する。第1部分284a11の一端は、主パターン83と繋がる。第1部分284a11の幅方向の寸法W11は280μmである。第1部分284a11の断面積S11は19600μmである。第2部分284a12の一端は、第1部分284a11の他端と繋がる。第2部分284a12の幅方向の寸法W1minは200μmである。第2部分284a12の断面積S1minは14000μmである。第3部分284a13の一端は、第2部分284a12の他端と繋がる。第3部分284a13の他端は、コンデンサ82の正極側端子82pと繋がる。第3部分284a13の幅方向の寸法W13は280μmである。第3部分284a13の断面積S13は19600μmである。つまり、第1細線パターン284a1は幅方向の寸法および断面積が他の部分よりも小さい第2部分284a12を有する。第1細線パターン284a1の最小の幅方向の寸法W1minは200μmである。第1細線パターン284a1の最小の断面積S1minは14000μmである。
【0068】
本実施形態において、第2細線パターン284a2は、長さ方向において、幅方向の寸法が異なる。第2細線パターン284a2は、第4部分284a21と、第5部分284a22と、第6部分284a23と、を有する。第4部分284a21の一端は、主パターン83と繋がる。第4部分284a21の幅方向の寸法W21は300μmである。第4部分284a21の断面積S21は21000μmである。第5部分284a22の一端は、第4部分284a21の他端と繋がる。第5部分284a22の幅方向の寸法W2minは220μmである。第5部分284a22の断面積S2minは15400μmである。第6部分284a23の一端は、第5部分284a22の他端と繋がる。第6部分284a23の他端は、コンデンサ82の正極側端子82pと繋がる。第6部分284a23の幅方向の寸法W23は280μmである。第6部分284a23の断面積S23は21000μmである。つまり、第2細線パターン284a2は幅方向の寸法および断面積が他の部分よりも小さい第5部分284a22を有する。第2細線パターン284a2の最小の幅方向の寸法W2minは220μmである。第2細線パターン284a2の最小の断面積S2minは15400μmである。つまり、複数の細線パターン284aのうち、少なくとも、2つの細線パターン284a1,284a2の最小の断面積S1min,S2minが互いに異なる。
【0069】
本実施形態において、主パターン83の幅方向の寸法は、長さ方向全域において1400μmである。つまり、主パターン83の最小の幅方向の寸法Wmminは1400μmであり、最小の断面積Smminは98000μmである。また、2つの第1細線パターン84a1の最小の断面積S1minと2つの第2細線パターン84a2の最小の断面積S2minの和Saminは58800μmである。つまり、複数の細線パターン284aそれぞれの最小の断面積の和Saminは、主パターン83の最小の断面積Smmin以下である。すなわち、副パターン284の最小の断面積Saminは、主パターン83の最小の断面積Smmin以下である。
【0070】
また、本実施形態において、負極側主パターン86の幅方向の寸法は、長さ方向全域において1400μmである。つまり、負極側主パターン86の最小の幅方向の寸法Wm2minは1400μmであり、最小の断面積Sm2minは98000μmである。つまり、複数の細線パターン284aそれぞれの最小の断面積の和Saminは、負極側主パターン86の最小の断面積Sm2min以下である。
【0071】
本実施形態において、負極側副パターン85の幅方向の寸法Wnは、長さ方向全域において2200μmである。つまり、負極側主パターン86の最小の幅方向の寸法Wnminは2200μmであり、最小の断面積Snminは154000μmである。つまり、複数の細線パターン284aそれぞれの最小の断面積の和Saminは、負極側副パターン85の最小の断面積Snmin以下である。本実施形態の回路基板280のその他の構成は、第1実施形態の回路基板80のその他の構成と同様である。
【0072】
本実施形態によれば、複数の細線パターン284aのうち、少なくとも、2つの細線パターン284a1および284a2の最小の断面積S1minおよびS2minが互いに異なり、複数の細線パターン284aそれぞれの最小の断面積の和Saminは、主パターン83の最小の断面積Smmin以下である。複数の細線パターン284aおよび主パターン83それぞれにおいて、長さ方向において断面積が異なる部分がある場合、長さ方向において最小の断面積を有する部分の抵抗が最も大きくなる。そのため、1つのコンデンサ82が短絡して、制御回路290に過電流Isが流れると、複数の細線パターン284aおよび主パターン83それぞれにおいて、最小の断面積を有する部分の温度上昇が最も大きくなる。本実施形態では、第1細線パターン284a1では、他の部分よりも断面積が小さい第2部分284a12の温度が他の部分よりも高くなるため、第2部分284a12が溶断する。また、第2細線パターン284a2では、第5部分284a22の温度が他の部分よりも高くなるため、第5部分284a22が溶断する。本実施形態では、第2部分284a12の断面積S1minの方が、第5部分284a22の断面積S2minよりも小さい。よって、制御回路290に過電流Isが流れると、最初に第2部分284a12が溶断した後に、第5部分284a22が溶断する。また、本実施形態において、第2部分284a12の断面積S1minおよび第5部分284a22の断面積S2minを小さく設けるため、制御回路290に過電流Isが流れると、第2部分284a12および第5部分284a22をより速やかに溶断できる。つまり、副パターン84をより速やかに溶断できる。したがって、電流ヒューズ7を溶断することなく、電子部品81等を保護することができる。
【0073】
また、本実施形態では、複数の細線パターン284aそれぞれの最小の断面積の和Saminは、主パターン83の最小の断面積Smmin以下である。すなわち、副パターン284の最小の断面積Saminは、主パターン83の最小の断面積Smmin以下である。また、副パターン284の最小の断面積Saminは、負極側主パターン86の最小の断面積Sm2min以下である。そのため、制御回路90に過電流Isが流れると、副パターン84が溶断するため、主パターン83および負極側主パターン86の溶断を抑制できる。よって、1つのコンデンサ82が短絡しても、回路基板280および電流ヒューズ7を交換することなく、継続して回転電機202およびポンプ201を駆動できる。したがって、回転電機202およびポンプ201のメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0074】
なお、本実施形態において、各細線パターン284aの形状は、各細線パターン284aそれぞれの最小の断面積の和Saminが、主パターン83の最小の断面積Smmin以下であれば、本実施形態に限定されない。例えば、第1細線パターン284a1において、第3部分284a13の幅方向の寸法を、第1部分284a11の幅方向の寸法より大きく設けてもよし、第1部分284a11の幅方向の寸法もしくは第3部分284a13の幅方向の寸法を、第2部分284a12の方向の寸法より小さく設けてもよい。また、第2細線パターン284a2において、第6部分284a23の幅方向の寸法を第4部分284a21の幅方向の寸法より大きく設けてもよし、第4部分284a21の幅方向の寸法もしくは第6部分284a23の幅方向の寸法を、第5部分284a22の方向の寸法よりも小さく設けてもよい。
【0075】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。例えば、回路基板が有する回路層は4層でなくてもよく、3層以下もしくは5層以上の回路層を有していてもよい。また、主パターン83および副パターンは、例えば、第4回路層に設けられていてもよい。
【0076】
コンデンサモジュールがパワーモジュールに供給する直流電流を平滑化できるならば、回路基板が備えるコンデンサの個数は5つに限定されず、例えば、2つ以上4つ以下のいずれの個数であってもでも良い。また、6つ以上のコンデンサを備えていてもよい。
【0077】
電子部品が短絡した場合に、副パターンが速やかに溶断されることで、制御回路を流れる過電流を速やかに解消でき、回路基板が備える他の電子部品、および、モータ部を保護することができるならば、電流ヒューズは設けられなくてもよい。
【0078】
本発明が適用される回路基板の用途は、特に限定されない。回路基板は、回転電機以外の機器に搭載されてもよい。また、本発明が適用される回路基板を備える回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、ポンプ以外の機器に搭載されてもよい。回転電機は、モータに限られず、発電機であってもよい。回転電機を備えるポンプの用途は、特に限定されない。ポンプによって送られる流体の種類は、特に限定されず、水などであってもよい。回転電機およびポンプは、車両以外の機器に搭載されてもよい。なお、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0079】
1,201…ポンプ、2,202…回転電機、6…電源、10…ロータ、60…ポンプ機構、80a…配線パターン、80b…回路層、81…電子部品、82…コンデンサ、83…主パターン、84,284…副パターン、84a,84a1,84a2,284a,284a1、284a2…細線パターン、J…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6