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特開2023-91977支援システム、便器装置、端末装置、及び制御プログラム
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  • 特開-支援システム、便器装置、端末装置、及び制御プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091977
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】支援システム、便器装置、端末装置、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20230626BHJP
   E03D 9/08 20060101ALI20230626BHJP
   H04W 76/30 20180101ALI20230626BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
H04W76/10
E03D9/08
H04W76/30
A61B5/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206893
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 浩和
(72)【発明者】
【氏名】永田 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】渡 光次郎
(72)【発明者】
【氏名】西垣 洋志
(72)【発明者】
【氏名】戸屋 智和
(72)【発明者】
【氏名】町田 雅章
【テーマコード(参考)】
2D038
4C117
5K067
【Fターム(参考)】
2D038JH00
2D038KA01
2D038ZA03
4C117XC04
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE23
4C117XG05
5K067DD11
5K067EE02
(57)【要約】
【課題】便器装置の使用者の利便性を向上させる。
【解決手段】支援システム1は、便器装置100と、便器装置100の使用者が携帯する端末装置とを備える。便器装置100は、端末装置と通信する便器装置側通信装置と、便器装置を使用する使用者が携帯する端末装置と便器装置側通信装置との接続を制御する便器装置側接続制御部とを備える。端末装置は、便器装置100と通信する端末装置側通信装置と、端末装置を携帯する使用者が使用する便器装置100と端末装置側通信装置との接続を制御する端末装置側接続制御部とを備える。使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことが検知されたときに、便器装置側接続制御部と端末装置側接続制御部との間で接続が確立される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器装置と、
前記便器装置の使用者が携帯する端末装置と、
を備え、
前記便器装置は、
前記端末装置と通信する便器装置側通信装置と、
前記便器装置を使用する使用者が携帯する端末装置と前記便器装置側通信装置との接続を制御する便器装置側接続制御部と、
を備え、
前記端末装置は、
前記便器装置と通信する端末装置側通信装置と、
前記端末装置を携帯する使用者が使用する便器装置と前記端末装置側通信装置との接続を制御する端末装置側接続制御部と、
を備え、
前記使用者が前記便器装置を使用するために前記便器装置に接近したときに、前記便器装置側接続制御部と前記端末装置側接続制御部とが接続する
支援システム。
【請求項2】
端末装置と通信する便器装置側通信装置と、
便器装置を使用する使用者が携帯する端末装置と前記便器装置側通信装置との接続を制御する便器装置側接続制御部と、
を備え、
前記使用者が前記便器装置を使用するために前記便器装置に接近したときに、前記便器装置側接続制御部は、前記端末装置と接続する
便器装置。
【請求項3】
前記便器装置側接続制御部は、当該便器装置が使用者により使用されることが検知されたときに、その使用者が携帯する端末装置に接続を要求する
請求項2に記載の便器装置。
【請求項4】
当該便器装置を使用する使用者が携帯する端末装置を識別する識別部を備え、
前記便器装置側接続制御部は、前記識別部により識別された端末装置に接続を要求する
請求項2から3のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項5】
前記識別部は、当該便器装置の所定位置の近傍に端末装置が近づけられたことが検知されたときに、その端末装置を、当該便器装置を使用する使用者が携帯する端末装置と識別する
請求項4に記載の便器装置。
【請求項6】
使用者と使用者が携帯する端末装置の識別情報との対応関係を保持し、
前記識別部は、当該便器装置を使用する使用者を識別し、識別された使用者に対応付けられた端末装置を、当該便器装置を使用する使用者が携帯する端末装置と識別する
請求項4から5のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項7】
前記便器装置側接続制御部により接続された端末装置から前記使用者に関する情報を受信する使用者情報受信部を備える
請求項2から6のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項8】
前記使用者情報受信部により受信された前記使用者に関する情報に基づいて当該便器装置を制御する制御部を備える
請求項7に記載の便器装置。
【請求項9】
前記便器装置側接続制御部により接続された端末装置へ前記使用者による当該便器装置の使用に関する情報を送信する使用情報送信部を備える
請求項2から8のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項10】
前記便器装置側接続制御部は、前記使用者が当該便器装置の使用を終了したときに前記端末装置との接続を切断する
請求項2から8のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項11】
便器装置と通信する端末装置側通信装置と、
端末装置を携帯する使用者が使用する便器装置と前記端末装置側通信装置との接続を制御する端末装置側接続制御部と、
を備え、
前記使用者が前記便器装置を使用するために前記便器装置に接近したときに、前記端末装置側接続制御部は、前記便器装置と接続する
端末装置。
【請求項12】
前記端末装置側接続制御部は、当該端末装置を携帯する使用者が便器装置を使用することが検知されたときに、その便器装置に接続を要求する
請求項11に記載の端末装置。
【請求項13】
当該端末装置の位置、姿勢、及び動き、並びに当該端末装置の周囲の画像及び音声のうち少なくとも1つを検知するためのセンサを備え、
前記端末装置側接続制御部は、前記センサにより検知された情報に基づいて、当該端末装置を携帯する使用者が前記便器装置を使用することを検知する
請求項12に記載の端末装置。
【請求項14】
前記端末装置側接続制御部は、前記便器装置と接続することを使用者に報知する
請求項11から13のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項15】
前記端末装置側接続制御部は、前記便器装置との接続を使用者が容認した場合に前記便器装置と接続する
請求項11から14のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項16】
使用者に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記使用者に関する情報を前記端末装置側接続制御部により接続された便器装置へ送信する使用者情報送信部と、
を備える
請求項11から15のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項17】
前記端末装置側接続制御部により接続された便器装置から前記便器装置の使用に関する情報を受信する使用情報受信部を備える
請求項11から16のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項18】
前記使用情報受信部により受信された情報を記憶装置に記録する記録部を備える
請求項17に記載の端末装置。
【請求項19】
使用者の身体情報を測定する測定部と、
前記使用情報受信部により受信された情報に基づいて前記測定部を制御する制御部と、
を備える
請求項17から18のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項20】
コンピュータを、
便器装置を使用する使用者が携帯する端末装置と、前記端末装置と通信するために前記便器装置に備えられた便器装置側通信装置との接続を制御する便器装置側接続制御部、
として機能させ、
前記便器装置側接続制御部は、前記使用者が前記便器装置を使用するために前記便器装置に接近したときに、前記端末装置と接続する
制御プログラム。
【請求項21】
コンピュータを、
端末装置を携帯する使用者が使用する便器装置と、前記便器装置と通信するために前記端末装置に備えられた端末装置側通信装置との接続を制御する端末装置側接続制御部、
として機能させ、
前記端末装置側接続制御部は、前記使用者が前記便器装置を使用するために前記便器装置に接近したときに、前記便器装置と接続する
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便器装置の使用者を支援するための支援システム、便器装置、端末装置、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末が広く普及し、多くの人が携帯情報端末を所有している。トイレなどの家電機器が多機能化しており、家電機器と携帯情報端末を連携させた様々なサービスが提供されている。例えば、特許文献1には、携帯情報端末を所持した人がトイレルームに入室すると、携帯情報端末に記憶された使用設定条件が温水洗浄便座に送信される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-159553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、トイレと携帯端末装置を連携させた、より便利で有益なサービスを使用者に提供することを課題として認識し、本開示の技術に想到した。
【0005】
本開示の目的は、便器装置の使用者の利便性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の支援システムは、便器装置と、便器装置の使用者が携帯する端末装置と、を備える。便器装置は、端末装置と通信する便器装置側通信装置と、便器装置を使用する使用者が携帯する端末装置と便器装置側通信装置との接続を制御する便器装置側接続制御部と、を備える。端末装置は、便器装置と通信する端末装置側通信装置と、端末装置を携帯する使用者が使用する便器装置と端末装置側通信装置との接続を制御する端末装置側接続制御部と、を備える。使用者が便器装置を使用するために便器装置に接近したことが検知されたときに、便器装置側接続制御部と端末装置側接続制御部との間で接続が確立される。
【0007】
本開示の別の態様は、便器装置である。この装置は、端末装置と通信する便器装置側通信装置と、便器装置を使用する使用者が携帯する端末装置と便器装置側通信装置との接続を制御する便器装置側接続制御部と、を備える。使用者が便器装置を使用するために便器装置に接近したことが検知されたときに、便器装置側接続制御部は、端末装置との間で接続を確立する。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、端末装置である。この装置は、便器装置と通信する端末装置側通信装置と、端末装置を携帯する使用者が使用する便器装置と端末装置側通信装置との接続を制御する端末装置側接続制御部と、を備える。使用者が便器装置を使用するために便器装置に接近したことが検知されたときに、端末装置側接続制御部は、便器装置との間で接続を確立する。
【0009】
本開示のさらに別の態様は、制御プログラムである。このプログラムは、コンピュータを、便器装置を使用する使用者が携帯する端末装置と、端末装置と通信するために便器装置に備えられた便器装置側通信装置との接続を制御する便器装置側接続制御部、として機能させ、便器装置側接続制御部は、使用者が便器装置を使用するために便器装置に接近したときに、端末装置と接続する。
【0010】
本開示のさらに別の態様は、制御プログラムである。このプログラムは、コンピュータを、端末装置を携帯する使用者が使用する便器装置と、便器装置と通信するために端末装置に備えられた端末装置側通信装置との接続を制御する端末装置側接続制御部、として機能させ、端末装置側接続制御部は、使用者が便器装置を使用するために便器装置に接近したときに、便器装置と接続する。
【0011】
以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】支援システムの全体構成を示す図である。
図2】実施の形態に係る支援方法の手順を示すシーケンス図である。
図3】実施の形態に係る支援方法の手順を示すシーケンス図である。
図4】実施の形態に係る便器装置の機能構成を示す図である。
図5】実施の形態に係る端末装置の機能構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。
【0014】
図1を参照して、支援システム1の全体構成を説明する。支援システム1は、便器装置100の使用者を支援するサービスを提供する。支援システム1は、便器装置100と、携帯情報端末200と、ウェアラブル端末300と、支援サーバ400と、それらの装置を接続する通信網の一例であるインターネット2とを備える。
【0015】
携帯情報端末200は、便器装置100の使用者によって携帯される端末装置の一例である。携帯情報端末200は、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット型端末などであってもよい。
【0016】
ウェアラブル端末300も、便器装置100の使用者によって携帯される端末装置の一例である。ウェアラブル端末300は、使用者の身体に装着可能に構成される。ウェアラブル端末300は、使用者の心拍数、歩数、移動距離、消費カロリー、運動時間、睡眠時間などの身体情報を計測する機能を有してもよい。
【0017】
便器装置100、携帯情報端末200、及びウェアラブル端末300は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)などの通信方式で互いに無線通信する機能を有する。また、便器装置100、携帯情報端末200、及びウェアラブル端末300は、アクセスポイントなどを経由してインターネット2に接続し、インターネット2を介して支援サーバ400などとの間で通信する機能を有する。
【0018】
支援サーバ400は、便器装置100、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300から使用者に関する情報を取得して蓄積する。支援サーバ400は、便器装置100から、使用者が便器装置100を使用した日時、使用時間、使用頻度、便の性状、尿の成分と量、体重、血圧、脈拍などの使用情報を取得してもよい。支援サーバ400は、携帯情報端末200から、使用者の属性情報、生活情報などを取得してもよい。使用者の属性情報は、例えば、使用者の年齢、性別、職業などである。使用者の生活情報は、例えば、使用者のスケジュール、食事の内容と時間、運動の内容と時間などである。支援サーバ400は、ウェアラブル端末300から、使用者の心拍数、歩数、移動距離、人体内の便、尿の量、体温などの身体情報を取得してもよい。支援サーバ400は、蓄積した情報を使用者の携帯情報端末200及びウェアラブル端末300の少なくともいずれかに提供してもよい。支援サーバ400は、蓄積した情報を分析し、分析結果を使用者の携帯情報端末200及びウェアラブル端末300の少なくともいずれかに提供してもよい。
【0019】
使用者が便器装置100を使用する際に、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300などの端末装置を携帯している場合は、便器装置100と端末装置が直接無線接続して情報を送受信することが可能である。例として、端末装置が便器装置100へ使用者の属性情報、生活情報、身体情報などを送信することができる。これにより、便器装置100が使用者に合わせて、便座の温度、温水洗浄の際に洗浄水を射出する態様、照明、音、香りなどを制御することができる。別の例として、便器装置100が端末装置へ便器装置100の使用情報などを送信することができる。これにより、端末装置が使用者の排泄タイミングや排泄頻度などを記録し、使用者の健康状態を管理することができる。
【0020】
便器装置100と端末装置が自動的に接続して情報を送受信することができるように構成すれば、使用者の利便性を更に向上させることができる。しかし、便器装置100と通信可能な範囲に端末装置が入るたびに便器装置100と端末装置を自動的に接続するのは効率的でない。なぜならば、使用者が便器装置100を使用するのではなく、単に便器装置100の近くを通過しただけである場合などもありうるからである。使用者が便器装置100を使用するのではない場合にも便器装置100と端末装置が自動的に接続すると、便器装置100も端末装置も電力を無駄に消費することになる。端末装置が他の通信装置と接続できなくなったり、便器装置100が便器装置100を実際に使用する使用者の端末装置と接続できなくなったりする場合もありうる。
【0021】
このような課題を解決するために、本実施の形態では、使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことが検知された場合に、その使用者が携帯している端末装置と便器装置100とを自動的に接続する。これにより、無駄な誤接続を抑えることができるので、便器装置100及び端末装置の消費電力を低減させることができる。端末装置が他の通信装置と接続できなくなったり、便器装置100が便器装置100を実際に使用する使用者の端末装置と接続できなくなったりする不具合を抑えることもできる。なお、便器装置100と通信可能な範囲に端末装置が入るたびに便器装置100と端末装置を自動的に接続してもよい。これにより、便器装置100と端末装置をより迅速かつ確実に通信可能とすることができる。便器装置100の使用者の端末装置ではない端末装置と便器装置100が接続した場合は、使用者が接続を切断することができるようにしてもよい。
【0022】
使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことは、便器装置100が検知してもよい。この場合、便器装置100が端末装置へ接続を要求する。使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことは、端末装置が検知してもよい。この場合、端末装置が便器装置100へ接続を要求する。使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことは、便器装置100と端末装置の双方が検知してもよい。この場合、便器装置100が端末装置へ接続を要求してもよいし、端末装置が便器装置100へ接続を要求してもよい。
【0023】
便器装置100が端末装置へ接続を要求する場合、便器装置100は、便器装置100が使用者により使用されることが検知されたことを契機として便器装置100の近傍にある端末装置を探索し、探索された端末装置に接続を要求してもよい。
【0024】
便器装置100が使用者により使用されることは、便器装置100が設置されたトイレ室の照明や換気扇などがオンになったこと、トイレ室のドアが開閉されたこと、トイレ室に設置された人感センサにより人が検知されたこと、トイレ室のドアなどに設置された通過センサにより人の通過が検知されたこと、便器装置100の便蓋が開かれたこと、便器装置100の着座センサにより着座が検知されたこと、便器装置100の温水洗浄機能などを操作するためのコントローラへの入力が検知されたこと、便器装置100の便鉢や排水管などに設置されたセンサにより排尿及び排便のうち少なくとも一方が検知されたこと、便器装置100の洗浄レバーやコントローラの洗浄ボタンなどが操作されたこと、排水管などに設置されたセンサにより排水が検知されたこと、などの少なくとも1つにより検知されてもよい。
【0025】
便器装置100は、便器装置100を使用する使用者が携帯する端末装置を識別してもよい。これにより、誤接続を更に抑えることができる。便器装置100は、便器装置100の所定位置の近傍に端末装置が近づけられたことが検知されたときに、その端末装置を、便器装置100を使用する使用者が携帯する端末装置と識別してもよい。便器装置100は、所定位置に近距離無線通信のリーダを備え、端末装置は、NFCタグを備えてもよい。この場合、便器装置100と端末装置は、近距離無線通信により情報を送受信してもよい。便器装置100は、バーコードや二次元コードなどの図形コードのリーダを備え、端末装置は、図形コードを備えてもよい。便器装置100は、使用者と使用者が携帯する端末装置の識別情報との対応関係を保持してもよい。この場合、便器装置100は、便器装置100を使用する使用者を顔、指紋、声などを用いた認証技術などにより識別し、識別された使用者に対応付けられた端末装置を、便器装置100を使用する使用者が携帯する端末装置と識別してもよい。
【0026】
便器装置100は、便器装置100から所定の距離の範囲内にある端末装置と自動的に接続してもよい。所定の距離は、便器装置100が設置されたトイレ室の形状、面積、他の便器装置100までの距離などに応じて設定されてもよい。便器装置100と端末装置との間の距離は、Bluetoothなどにより提供される測距機能によって取得してもよい。所定の距離の範囲内にある端末装置が複数ある場合は、最も近い端末装置と接続してもよい。使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことが検知されたにもかかわらず、便器装置100から所定の距離の範囲内に端末装置がなかった場合は、使用者が端末装置を携帯していないと判定し、端末装置と接続しなくてもよい。
【0027】
端末装置が便器装置100へ接続を要求する場合、端末装置は、端末装置を携帯する使用者が便器装置100を使用することが検知されたときに、その便器装置に接続を要求してもよい。
【0028】
使用者が便器装置100を使用することは、端末装置の位置、姿勢、及び動き、並びに端末装置の周囲の画像及び音声のうち少なくとも1つを検知するためのセンサにより検知された情報に基づいて検知されてもよい。端末装置は、センサにより検知された情報に基づいて、使用者が衣服を降ろして便器装置100に着座する動作を検知してもよい。端末装置は、撮像装置により撮像された端末装置の周囲の画像の中に便器装置100が写っていることを検知してもよい。端末装置は、排泄に伴って発生する音声や身体情報の変化などを検知してもよい。
【0029】
端末装置は、便器装置100へ接続を要求する前に、便器装置100と接続することを使用者に報知してもよい。端末装置は、便器装置100から接続を要求されたときに、便器装置100から接続を要求されたことを使用者に報知してもよい。端末装置は、便器装置100との接続を使用者が容認した場合に、便器装置100と接続してもよい。これにより、誤接続を抑えることができる。
【0030】
図2を参照して、便器装置100が端末装置へ接続を要求する場合の手順を説明する。
【0031】
便器装置100は、使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことを検知する(S10)。便器装置100が、使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことを検知しなかった場合は(S12のN)、S10に戻り、引き続き使用者の接近を検知する。使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近した場合(S14)、便器装置100は、使用者が接近したことを検知して(S12のY)、端末装置に接続を要求する(S17)。
【0032】
端末装置は、便器装置100から接続を要求されたことを表示、振動、音、音声などによって使用者に報知する(S18)。端末装置は、使用者が便器装置100との接続を容認した場合(S20)、端末装置と便器装置100は、接続を確立する(S22)。端末装置は、表示画面に併設されたタッチパッド、ボタンなどの入力装置、音声認識機能などによって、使用者が便器装置100との接続を容認したことを検知してもよい。
【0033】
端末装置は、使用者に関する情報を記憶装置から読み出して便器装置100へ送信する(S24)。便器装置100は、端末装置から受信した使用者に関する情報に基づいて、便器装置100の機能や動作などを制御する(S26)。
【0034】
使用者が排泄を済ませると(S28)、便器装置100は、使用者による便器装置100の使用に関する情報を端末装置へ送信する(S30)。便器装置100の使用に関する情報は、例えば、使用日時、使用時間、便の量、便の性状、尿の量、尿の成分などである。端末装置は、便器装置100から受信した使用情報を記憶装置に記録する(S32)。端末装置は、使用情報を支援サーバ400へ送信してもよい。便器装置100が端末装置を介さずに使用情報を支援サーバ400へ送信してもよい。
【0035】
便器装置100は、使用者による便器装置100の使用後に、端末装置との接続を切断する(S34)。これにより、便器装置100及び端末装置は、別の装置と接続して通信することが可能となる。便器装置100及び端末装置の消費電力を抑えることもできる。便器装置100は、使用者が便器装置100から脱座したこと、便器装置100が洗浄されたこと、温水洗浄機能が停止されたこと、便座が閉じられたこと、便蓋が閉じられたことなどが検知されたときに、端末装置との接続を切断してもよいし、これらが検知されてから所定時間が経過したときに、端末装置との接続を切断してもよい。
【0036】
図3を参照して、端末装置が便器装置100へ接続を要求する場合の手順を説明する。
【0037】
端末装置は、使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことを検知する(S11)。端末装置が、使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことを検知しなかった場合は(S13のN)、S11に戻り、引き続き使用者の接近を検知する。使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近した場合(S14)、端末装置は、使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことを検知して(S13のY)、便器装置100と接続することを使用者に報知する(S15)。使用者が便器装置100との接続を容認した場合(S16)、端末装置は、便器装置100に接続を要求する(S17)。端末装置と便器装置100は、接続を確立する(S22)。以降の手順は、図2と同様である。
【0038】
図2及び図3に示した例では、使用者が端末装置と便器装置100の接続を容認した場合に、端末装置と便器装置100が接続を確立した。別の例では、端末装置と便器装置100の接続を容認するか否かを使用者に確認することなく、自動的に端末装置と便器装置100が接続を確立してもよい。さらに別の例では、端末装置と便器装置100の双方が、使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことを検知した場合には、自動的に接続を確立し、いずれか一方のみが検知した場合には、使用者に確認するようにしてもよい。
【0039】
図4を参照して、実施の形態に係る便器装置100の機能構成を説明する。便器装置100は、通信装置101、コントローラ102、センサ103、温水洗浄便座104、処理装置120、及び記憶装置170を備える。
【0040】
通信装置101は、便器装置側通信装置である。通信装置101は、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300などの端末装置と無線通信する。通信装置101は、さらに、インターネット2を介して他の装置と通信する。
【0041】
温水洗浄便座104は、使用者の局部を洗浄するために、ノズルから温水を射出する機能を有する。
【0042】
コントローラ102は、温水洗浄便座104によって射出される温水の温度、射出強度、射出位置、射出角度などに関する使用者の指示を受け付け、処理装置120に伝達する。コントローラ102は、便器装置100が有するその他の機能に関する使用者の指示を受け付けてもよい。
【0043】
センサ103は、便器装置100の使用に関する各種の情報を検知する。センサ103は、例えば、着座センサ、人感センサ、排水センサ、流量センサ、便蓋の開閉センサなどを含む。センサ103は、血圧計、心拍計、体重計、体温計などを含んでもよい。これにより、使用者が端末装置を携帯していない場合、使用者が携帯している端末装置がそれらのセンサを有していない場合などにも、使用者の身体情報を測定して記録することができる。
【0044】
記憶装置140は、処理装置120によって使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置140は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置140は、端末装置情報保持部141、使用者情報保持部142、及び使用情報保持部143を備える。
【0045】
端末装置情報保持部141は、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300などの端末装置の情報を保持する。端末装置情報保持部141は、例えば、端末装置の識別情報、アドレス、端末装置を携帯する使用者の識別情報、接続履歴などの情報を保持する。
【0046】
使用者情報保持部142は、便器装置100の使用者の情報を保持する。使用者情報保持部142は、例えば、使用者の識別情報、属性情報、生活情報、身体情報などを保持する。
【0047】
使用情報保持部143は、使用者による便器装置100の使用に関する情報を保持する。使用情報保持部143は、例えば、便器装置100の使用情報、それぞれの使用情報における使用者の識別情報などの情報を保持する。
【0048】
処理装置120は、接近検知部121、接続制御部122、識別部123、使用者情報受信部124、制御部125、及び使用情報送信部126を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどの回路によって実現され、ソフトウエア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。本図では、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックが、ハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0049】
接近検知部121は、使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことを検知する。
【0050】
接続制御部122は、便器装置側接続制御部である。接続制御部122は、接近検知部121によって、使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことが検知されたときに、端末装置との接続を制御する。接続制御部122は、使用者が便器装置100の使用を終了したときに、端末装置との接続を切断する。
【0051】
識別部123は、便器装置100を使用する使用者の端末装置を識別する。
【0052】
使用者情報受信部124は、便器装置100の使用者の情報を端末装置から受信し、受信した情報を使用者情報保持部142に格納する。
【0053】
制御部125は、使用者情報保持部142に保持された情報に基づいて、便器装置100の各構成を制御する。制御部125は、例えば、使用者の属性情報に基づいて、温水洗浄便座104によって射出される温水の温度、射出強度、射出位置、射出角度などを制御する。
【0054】
使用情報送信部126は、使用者による便器装置100の使用に関する情報を端末装置へ送信する。
【0055】
図5を参照して、実施の形態に係る端末装置の機能構成を説明する。携帯情報端末200及びウェアラブル端末300は、それぞれ、通信装置201、表示装置202、入力装置203、計測部204、処理装置260、及び記憶装置270を備える。
【0056】
通信装置201は、端末装置側通信装置である。通信装置201は、便器装置100と無線通信する。通信装置201は、さらに、インターネット2を介して他の装置と通信する。
【0057】
表示装置202は、処理装置260によって生成された表示画面を表示する。入力装置203は、使用者から受け付けた指示入力を処理装置260に伝達する。計測部204は、使用者の身体情報を計測する。
【0058】
記憶装置270は、処理装置260によって使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置270は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置270は、使用者情報保持部271、使用情報保持部272、及び身体情報保持部273を備える。
【0059】
使用者情報保持部271は、端末装置の使用者の情報を保持する。使用者情報保持部271は、例えば、使用者の識別情報、属性情報、生活情報などを保持する。
【0060】
使用情報保持部272は、使用者による便器装置100の使用に関する情報を保持する。使用情報保持部272は、例えば、便器装置100の使用履歴などの情報を保持する。
【0061】
身体情報保持部273は、使用者の身体情報を保持する。身体情報保持部273は、例えば、計測部204によって計測された心拍数、睡眠時間などの身体情報を保持する。
【0062】
処理装置260は、接近検知部261、接続制御部262、使用者情報送信部263、使用情報記録部264、及び身体情報取得部265を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどの回路によって実現され、ソフトウエア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。本図では、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックが、ハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0063】
接近検知部261は、使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことを検知する。
【0064】
接続制御部262は、端末装置側接続制御部である。接続制御部262は、接近検知部261によって、使用者が便器装置100を使用するために便器装置100に接近したことが検知されたときに、便器装置100との接続を制御する。接続制御部262は、便器装置100に接近したことが検知されたこと、便器装置100から接続を要求されたことなどを表示、振動、音、音声などによって使用者に報知する。接続制御部262は、使用者が表示画面の操作、音声操作などをすることにより便器装置100との接続を容認した場合、便器装置100との接続を確立する。接続制御部262は、使用者が便器装置100の使用を終了したときに、便器装置100との接続を切断する。
【0065】
使用者情報送信部263は、使用者情報保持部271に保持された使用者情報を便器装置100へ送信する。使用者情報は、端末装置の他の機能によって取得された情報を含んでもよい。例えば、使用者情報は、携帯情報端末200において実行されるスケジューラなどのアプリケーションによって管理される使用者のスケジュール情報や、使用者が摂取した食事を管理するアプリケーションによって取得された食事の履歴情報などを含んでもよい。
【0066】
使用情報記録部264は、使用者が便器装置100を使用したときの使用情報を便器装置100から受信し、受信した情報を使用情報保持部272に記録する。
【0067】
身体情報取得部265は、計測部204によって計測された身体情報を計測部204から取得し、取得した情報を身体情報保持部273に記録する。
【0068】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。
【符号の説明】
【0069】
1…支援システム、2…インターネット、100…便器装置、101…通信装置、121…接近検知部、122…接続制御部、123…識別部、124…使用者情報受信部、125…制御部、126…使用情報送信部、200…携帯情報端末、201…通信装置、204…計測部、261…接近検知部、262…接続制御部、263…使用者情報送信部、264…使用情報記録部、265…身体情報取得部、300…ウェアラブル端末、400…支援サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5