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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091979
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】支援システム及び支援方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20230626BHJP
   E03D 9/08 20060101ALI20230626BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20230626BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20230626BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
E03D9/08
H04Q9/00 341Z
H04M1/00 U
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206895
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 浩和
(72)【発明者】
【氏名】永田 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】渡 光次郎
(72)【発明者】
【氏名】西垣 洋志
(72)【発明者】
【氏名】戸屋 智和
(72)【発明者】
【氏名】町田 雅章
【テーマコード(参考)】
2D038
5K048
5K127
5L099
【Fターム(参考)】
2D038JH00
2D038KA01
2D038ZA03
5K048AA14
5K048BA01
5K048BA34
5K048DC01
5K048EB10
5K048EB11
5K048GC03
5K127AA36
5K127BA03
5K127BB22
5K127DA15
5K127GA14
5K127GD21
5K127GE02
5K127JA04
5K127JA12
5K127JA34
5K127JA49
5K127KA01
5K127KA02
5K127KA04
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】便器装置の使用者の利便性を向上させる。
【解決手段】支援システム1は、便器装置100と、便器装置100の使用者が携帯可能な携帯情報端末200と、便器装置100の使用者が装着可能なウェアラブル端末300と、を備える。便器装置100は、使用者による便器装置100の使用に関する使用情報を生成する使用情報生成部を備える。ウェアラブル端末300は、使用者の身体情報を測定する測定部を備える。使用情報及び身体情報は、使用者を特定可能な態様で、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300、及び便器装置100のうち少なくともいずれかに保持される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器装置と、
前記便器装置の使用者が携帯可能な第1端末装置と、
前記便器装置の使用者が装着可能な第2端末装置と、
を備え、
前記便器装置は、
前記使用者による前記便器装置の使用に関する使用情報を生成する使用情報生成部
を備え、
前記第2端末装置は、
前記使用者の身体情報を測定する測定部
を備え、
前記使用情報及び前記身体情報は、前記使用者を特定可能な態様で、前記第1端末装置、前記第2端末装置、及び前記便器装置のうち少なくともいずれかに保持される
支援システム。
【請求項2】
前記測定部は、前記使用者が前記便器装置を使用して排泄する前、排泄中、及び排泄した後のうち少なくともいずれかに前記使用者の身体情報を測定し、
前記身体情報は、測定されたときの前記使用者の排泄に関する状況を特定可能な態様で保持される
請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記第2端末装置は、前記測定部によって測定された前記使用者の身体情報を前記便器装置に送信する身体情報送信部を備え、
前記便器装置は、前記端末装置から受信した前記使用者の身体情報に基づいて前記便器装置を制御する制御部を備える
請求項1から2のいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項4】
前記便器装置は、前記使用情報を前記第1端末装置へ送信する使用情報送信部を備え、
前記第1端末装置は、前記便器装置から受信した前記使用情報を記録する使用情報記録部を備える
請求項1から3のいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項5】
前記便器装置は、
前記使用者を識別する識別部と、
前記識別部によって識別された前記使用者の識別情報と前記使用情報とを対応付けて保持する保持部と、
を備える
請求項1から4のいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項6】
前記使用情報及び前記身体情報を、前記便器装置、前記第1端末装置、及び前記第2端末装置のうち少なくともいずれかから取得して集約するサーバ装置を備える
請求項1から5のいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項7】
前記第1端末装置及び前記第2端末装置のうち少なくともいずれかは、複数の便器装置の使用に関する使用情報を保持可能である
請求項1から6のいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項8】
前記第1端末装置及び前記第2端末装置のうち少なくともいずれかは、前記便器装置の使用に関する使用情報を前記使用者から取得可能である
請求項1から7のいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項9】
便器装置を使用者が使用するときに、前記便器装置が、前記使用者による前記便器装置の使用に関する使用情報を生成するステップと、
前記使用者が装着可能な第2端末装置が、前記使用者の身体情報を測定するステップと、
を備え、
前記使用情報及び前記身体情報は、前記使用者を特定可能な態様で、前記使用者が携帯可能な第1端末装置、前記第2端末装置、及び前記便器装置のうち少なくともいずれかに保持される
支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便器装置の使用者を支援する支援システム及び支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末が広く普及し、多くの人が携帯情報端末を所有している。トイレなどの家電機器が多機能化しており、家電機器と携帯情報端末を連携させた様々なサービスが提供されている。例えば、特許文献1には、携帯情報端末を所持した人がトイレルームに入室すると、携帯情報端末に記憶された使用設定条件が温水洗浄便座に送信される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-159553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、トイレと携帯端末装置を連携させた、より便利で有益なサービスを使用者に提供することを課題として認識し、本開示の技術に想到した。
【0005】
本開示の目的は、便器装置の使用者の利便性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の支援システムは、便器装置と、便器装置の使用者が携帯可能な第1端末装置と、便器装置の使用者が装着可能な第2端末装置と、を備える。便器装置は、使用者による便器装置の使用に関する使用情報を生成する使用情報生成部を備える。第2端末装置は、使用者の身体情報を測定する測定部を備える。使用情報及び身体情報は、使用者を特定可能な態様で、第1端末装置、第2端末装置、及び便器装置のうち少なくともいずれかに保持される。
【0007】
本開示の別の態様は、支援方法である。この方法は、便器装置を使用者が使用するときに、便器装置が、使用者による便器装置の使用に関する使用情報を生成するステップと、使用者が装着可能な第2端末装置が、使用者の身体情報を測定するステップと、を備える。使用情報及び身体情報は、使用者を特定可能な態様で、使用者が携帯可能な第1端末装置、第2端末装置、及び便器装置のうち少なくともいずれかに保持される。
【0008】
以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る支援システムの全体構成を示す図である。
図2】実施の形態に係る支援方法の手順を示すシーケンス図である。
図3】実施の形態に係る支援方法の手順を示すシーケンス図である。
図4】実施の形態に係る支援方法の手順を示すシーケンス図である。
図5】実施の形態に係る便器装置の機能構成を示す図である。
図6】実施の形態に係る携帯情報端末の機能構成を示す図である。
図7】実施の形態に係るウェアラブル端末の機能構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。
【0011】
図1を参照して、支援システム1の全体構成を説明する。支援システム1は、便器装置100の使用者を支援するサービスを提供する。支援システム1は、便器装置100と、携帯情報端末200と、ウェアラブル端末300と、支援サーバ400と、それらの装置を接続する通信網の一例であるインターネット2とを備える。
【0012】
携帯情報端末200は、便器装置100の使用者によって携帯される端末装置の一例である。携帯情報端末200は、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット型端末などであってもよい。
【0013】
ウェアラブル端末300も、便器装置100の使用者によって携帯される端末装置の一例である。ウェアラブル端末300は、使用者の身体に装着可能に構成される。ウェアラブル端末300は、使用者の心拍数、歩数、移動距離、消費カロリー、運動時間、睡眠時間などの身体情報を計測する機能を有してもよい。
【0014】
便器装置100、携帯情報端末200、及びウェアラブル端末300は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)などの通信方式で互いに無線通信する機能を有する。また、便器装置100、携帯情報端末200、及びウェアラブル端末300は、アクセスポイントなどを経由してインターネット2に接続し、インターネット2を介して支援サーバ400などとの間で通信する機能を有する。
【0015】
支援サーバ400は、便器装置100、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300から使用者に関する情報を取得して蓄積する。支援サーバ400は、便器装置100から、使用者が便器装置100を使用した日時、使用時間、使用頻度、便の性状、尿の成分と量、体重、血圧、脈拍などの使用情報を取得してもよい。支援サーバ400は、携帯情報端末200から、使用者の属性情報、生活情報などを取得してもよい。使用者の属性情報は、例えば、使用者の年齢、性別、職業などである。使用者の生活情報は、例えば、使用者のスケジュール、食事の内容と時間、運動の内容と時間などである。支援サーバ400は、ウェアラブル端末300から、使用者の心拍数、歩数、移動距離、人体内の便、尿の量、体温などの身体情報を取得してもよい。支援サーバ400は、蓄積した情報を使用者の携帯情報端末200及びウェアラブル端末300の少なくともいずれかに提供してもよい。支援サーバ400は、蓄積した情報を分析し、分析結果を使用者の携帯情報端末200及びウェアラブル端末300の少なくともいずれかに提供してもよい。
【0016】
便器装置100は、複数の使用者によって使用される可能性があるので、便器装置100によって取得された便器装置100の使用情報が、どの使用者が便器装置100を使用したときの使用情報であるのかを特定する必要がある。ウェアラブル端末300によって測定された身体情報の推移を的確に分析するためには、排泄前、排泄中、排泄後など、どんな状況、タイミングで測定されたものであるかを特定する必要がある。
【0017】
使用者が便器装置100を使用する際に、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300などの端末装置を携帯している場合は、便器装置100と端末装置が直接無線接続して情報を送受信することが可能である。したがって、このような場合は、便器装置100の使用情報と、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300の使用者を紐付けて記録したり、ウェアラブル端末300によって測定された身体情報と、便器装置100を使用した排泄の状況とを紐付けて記録したりすることができる。
【0018】
これらの情報は、便器装置100、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300などのいずれの装置に一時的に保持されてもよい。これらの情報を分析したり使用者に提示したりする際に、これらの情報をいずれかの装置に集約すればよい。上述したように、支援サーバ400に情報を集約してもよいし、便器装置100、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300などに情報を集約してもよい。
【0019】
携帯情報端末200及びウェアラブル端末300のうち少なくともいずれかは、複数の便器装置の使用に関する使用情報を保持可能であってもよい。使用者が使用した特定の便器装置100の使用情報だけでなく、複数の便器装置の使用情報を保持可能とすることにより、使用者の排泄の状況をより正確に把握することができる。
【0020】
携帯情報端末200及びウェアラブル端末300のうち少なくともいずれかは、便器装置の使用に関する使用情報を使用者から取得可能に構成されてもよい。使用情報を携帯情報端末200及びウェアラブル端末300のうち少なくともいずれかに送信する機能を有しない便器装置を使用者が使用した場合などには、使用者が使用情報を携帯情報端末200及びウェアラブル端末300のうち少なくともいずれかに入力して保持させることにより、使用者の排泄の状況をより正確に把握することができる。
【0021】
携帯情報端末200及びウェアラブル端末300のうち少なくともいずれかは、複数台備えられてもよい。複数台の携帯情報端末200、複数台のウェアラブル端末300などに複合的に保持された情報を集約することにより、使用者の状態をより正確に把握することができる。
【0022】
一般に、携帯情報端末200は、便器装置100、ウェアラブル端末300などよりも大きな容量の記憶装置を備えているので、情報を一時的に保持する装置として好適である。便器装置100の使用者が携帯情報端末200を携帯していない場合は、便器装置100、ウェアラブル端末300などに情報を一時的に保持してもよい。情報を一時的に保持している装置が携帯情報端末200と通信可能になったときに、一時的に保持している情報を携帯情報端末200に転送してもよい。携帯情報端末200は、保持している情報を支援サーバ400に保存してもよい。
【0023】
便器装置100、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300などの間で用いられる無線通信方式が、同時に複数の装置と接続することができない方式である場合は、便器装置100の使用者が携帯情報端末200とウェアラブル端末300の双方を携帯していても、便器装置100はそれらの装置と同時に接続できない。このような場合には、便器装置100が接続先を自動的に切り替えながら、携帯情報端末200とウェアラブル端末300の双方と情報を送受信してもよい。
【0024】
図2を参照して、便器装置100が携帯情報端末200とウェアラブル端末300の双方と接続する場合の手順を説明する。
【0025】
使用者が便器装置100に着座すると(S10)、便器装置100とウェアラブル端末300は、接続を確立する(S12)。便器装置100が、使用者による便器装置100の使用を検知したときに、ウェアラブル端末300に接続を要求してもよい。便器装置100は、便器装置100が設置されたトイレ室の照明や換気扇などがオンになったこと、トイレ室のドアが開閉されたこと、トイレ室に設置された人感センサにより人が検知されたこと、トイレ室のドアなどに設置された通過センサにより人の通過が検知されたこと、便器装置100の便蓋が開かれたこと、便器装置100の着座センサにより着座が検知されたこと、便器装置100の温水洗浄機能などを操作するためのコントローラへの入力が検知されたことなどを検知することにより、使用者による便器装置100の使用を検知してもよい。
【0026】
ウェアラブル端末300が、使用者による便器装置100の使用を検知したときに、便器装置100に接続を要求してもよい。端末装置は、端末装置の位置、姿勢、及び動き、並びに端末装置の周囲の画像及び音声のうち少なくとも1つを検知するためのセンサにより検知された情報に基づいて、使用者による便器装置100の使用を検知してもよい。端末装置は、センサにより検知された情報に基づいて、使用者が衣服を降ろして便器装置100に着座する動作を検知してもよい。端末装置は、撮像装置により撮像された端末装置の周囲の画像の中に便器装置100が写っている場合に、使用者による便器装置100の使用を検知してもよい。
【0027】
ウェアラブル端末300は、使用者に関する情報を記憶装置から読み出して便器装置100へ送信する(S14)。便器装置100は、端末装置から受信した使用者に関する情報に基づいて、便器装置100の各構成の機能、動作、設定などを制御する(S16)。便器装置100は、使用者に関する情報に基づいて、光、音声、画像、動画像、香りなどを含む演出を実行する演出装置を制御し、使用者に合った演出を実行させてもよい。これにより、使用者をよりリラックスした状態にさせることができる。便器装置100は、使用者に関する情報に基づいて、温水洗浄便座から射出される温水の温度、射出強度、射出位置、射出角度などを制御してもよい。これにより、使用者の利便性を向上させることができる。
【0028】
使用者が排泄すると(S18)、ウェアラブル端末300は、使用者の身体情報を測定する(S20)。ウェアラブル端末300は、予め定められた測定タイミングが到来したときに、使用者の身体情報を測定してもよい。ウェアラブル端末300は、測定した身体情報を便器装置100へ送信する(S22)。便器装置100は、携帯情報端末200と接続するために、ウェアラブル端末300との接続を切断する(S24)。
【0029】
便器装置100は、ウェアラブル端末300から受信した身体情報に基づいて、便器装置100の各構成の機能、動作、設定などを制御する(S26)。便器装置100は、使用者の身体情報に基づいて、光、音声、画像、動画像、香りなどを含む演出を実行する演出装置を制御し、使用者に合った演出を実行させてもよい。例えば、血圧、心拍数などが基準値よりも高い場合、便器装置100は、使用者の精神を落ち着かせることが可能な演出を実行してもよい。これにより、排泄後の使用者をよりリラックスした状態にさせることができる。
【0030】
便器装置100は、携帯情報端末200に接続を要求し、携帯情報端末200との接続を確立する(S28)。便器装置100は、使用者による便器装置100の使用に関する情報を端末装置へ送信する(S30)。便器装置100の使用に関する情報は、例えば、使用日時、使用時間、便の量、便の性状、尿の量、尿の成分などである。携帯情報端末200は、便器装置100から受信した使用情報を記憶装置に記録する(S32)。これにより、便器装置100によって取得された便器装置100の使用情報を、使用者が特定できる形で記録することができる。携帯情報端末200は、使用情報を支援サーバ400へ送信してもよい。便器装置100が携帯情報端末200を介さずに使用情報を支援サーバ400へ送信してもよい。
【0031】
便器装置100は、使用者による便器装置100の使用後に、端末装置との接続を切断する(S34)。これにより、便器装置100及び端末装置は、別の装置と接続して通信することが可能となる。便器装置100及び端末装置の消費電力を抑えることもできる。便器装置100は、使用者が便器装置100から脱座したこと、便器装置100が洗浄されたこと、温水洗浄機能が停止されたこと、便座が閉じられたこと、便蓋が閉じられたことなどが検知されたときに、端末装置との接続を切断してもよいし、これらが検知されてから所定時間が経過したときに、端末装置との接続を切断してもよい。
【0032】
ウェアラブル端末300は、使用者が排泄した後に測定した身体情報を携帯情報端末200に送信する(S36)。携帯情報端末200は、ウェアラブル端末300から受信した身体情報を、使用者が排泄した後に測定したことが特定できる形で記憶装置に記録する(S38)。便器装置100がステップS30において使用情報を携帯情報端末200に送信するときに、ウェアラブル端末300から受信していた身体情報を携帯情報端末200に送信してもよい。
【0033】
図3を参照して、便器装置100が携帯情報端末200と接続する場合の手順を説明する。
【0034】
便器装置100がウェアラブル端末300と接続しない場合、図2に示した手順のうち、ステップS12、S14、S16、S22、S24、S26は省略される。この場合も、便器装置100によって取得された使用情報を、使用者が特定できる形で記録することができる。ウェアラブル端末300によって測定された身体情報を、排泄の際に測定されたことを特定できる形で記録することができる。
【0035】
図4を参照して、便器装置100がウェアラブル端末300と接続する場合の手順を説明する。
【0036】
ステップS24までは、図2に示した手順と同様である。図4に示した例では、使用者が携帯情報端末200を携帯していないなどの理由で、便器装置100は携帯情報端末200と接続しない。この場合、便器装置100は、使用者を識別し(S40)、使用者の識別情報と使用情報及び身体情報とを紐付けて記憶装置に記録する(S42)。したがって、この場合も、便器装置100によって取得された使用情報を、使用者が特定できる形で記録することができる。ウェアラブル端末300によって測定された身体情報を、排泄の際に測定されたことを特定できる形で記録することができる。
【0037】
便器装置100は、便器装置100の複数の使用者のそれぞれに割り当て可能な複数の入力ボタンなどを備えてもよい。使用者は、便器装置100を使用する際に、自身に割り当てられた入力ボタンを入力する。便器装置100は、入力された入力ボタンによって使用者を識別する。
【0038】
便器装置100は、使用者の顔、指紋、網膜、虹彩などを検知可能な撮像装置などを備えてもよい。便器装置100は、便器装置100の使用者の顔などを、任意の認証技術によって認証することにより、使用者を識別する。
【0039】
便器装置100は、使用者の携帯情報端末200の識別情報などを使用者ごとに保持してもよい。この場合、便器装置100は、識別情報が保持されている携帯情報端末200と通信可能になったときに、記憶装置から使用情報及び身体情報を読み出して携帯情報端末200へ送信してもよい。便器装置100は、使用情報及び身体情報と使用者の識別情報とを紐付けた情報を支援サーバ400へ送信してもよい。
【0040】
便器装置100の使用情報と使用者との対応関係は、使用情報と、使用者の移動履歴、行動履歴などとを突き合わせることによって事後的に特定されてもよい。例えば、住宅内に設置された便器装置100の場合、居住者以外の人が便器装置100を使用することはまれであるから、便器装置100が使用された日時と、それぞれの居住者の移動履歴、行動履歴、外出時刻、帰宅時刻などとを対照することによって、便器装置100の使用情報がそれぞれどの居住者のものであるかを特定することができる。会社に設置された便器装置100など、特定の人によって使用される便器装置100の場合も同様である。
【0041】
携帯情報端末200、ウェアラブル端末300などによって、使用者が便器装置を使用する動作を検知し、検知した日時と位置を記録しておいてもよい。便器装置を使用する動作が検知された位置にある便器装置100の使用情報の中から、検知された日時の使用情報を検索することによって、検索された使用情報がその使用者のものであることを特定することができる。
【0042】
身体情報と測定された状況との対応関係は、身体情報と、使用者による便器装置100の使用情報とを突き合わせることによって事後的に特定されてもよい。例えば、身体情報が測定された日時と、便器装置100が使用された日時とを対照することによって、身体情報の中から、便器装置100の使用時に測定された身体情報を特定することができる。
【0043】
図5を参照して、実施の形態に係る便器装置100の機能構成を説明する。便器装置100は、通信装置101、コントローラ102、センサ103、温水洗浄便座104、演出装置105、測定部106、処理装置120、及び記憶装置140を備える。
【0044】
通信装置101は、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300などの端末装置と無線通信する。通信装置101は、さらに、インターネット2を介して他の装置と通信する。
【0045】
温水洗浄便座104は、使用者の局部を洗浄するために、ノズルから温水を射出する機能を有する。
【0046】
コントローラ102は、温水洗浄便座104によって射出される温水の温度、射出強度、射出位置、射出角度などに関する使用者の指示を受け付け、処理装置120に伝達する。コントローラ102は、便器装置100が有するその他の機能に関する使用者の指示を受け付けてもよい。
【0047】
センサ103は、便器装置100の使用に関する各種の情報を検知する。センサ103は、例えば、着座センサ、人感センサ、排水センサ、流量センサ、便蓋の開閉センサなどを含む。
【0048】
演出装置105は、光、音声、画像、動画像、及び香りのうち少なくとも1つを含む演出を実行する。演出装置105は、ランプ、スピーカー、表示装置、アロマディフューザーなどを含んでもよい。
【0049】
測定部106は、使用者の身体情報を測定する。測定部106は、血圧計、心拍計、体重計、体温計などを含んでもよい。
【0050】
記憶装置140は、処理装置120によって使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置140は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置140は、端末装置情報保持部141、使用者情報保持部142、及び使用情報保持部143を備える。
【0051】
端末装置情報保持部141は、携帯情報端末200、ウェアラブル端末300などの端末装置の情報を保持する。端末装置情報保持部141は、例えば、端末装置の識別情報、アドレス、端末装置を携帯する使用者の識別情報、接続履歴などの情報を保持する。
【0052】
使用者情報保持部142は、便器装置100の使用者の情報を保持する。使用者情報保持部142は、例えば、使用者の識別情報、属性情報、生活情報、身体情報などを保持する。
【0053】
使用情報保持部143は、使用者による便器装置100の使用に関する情報を保持する。使用情報保持部143は、例えば、便器装置100の使用情報、それぞれの使用情報における使用者の識別情報などの情報を保持する。
【0054】
処理装置120は、身体情報受信部121、制御部122、使用情報生成部123、使用情報送信部124、識別部125、及び使用情報記録部126を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどの回路によって実現され、ソフトウエア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。本図では、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックが、ハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0055】
身体情報受信部121は、便器装置100の使用者の身体情報をウェアラブル端末300から受信し、受信した情報を使用者情報保持部142に格納する。
【0056】
制御部122は、使用者情報保持部142に保持された情報に基づいて、便器装置100の各構成を制御する。制御部122は、使用者の属性情報などに基づいて、温水洗浄便座104によって射出される温水の温度、射出強度、射出位置、射出角度などを制御する。制御部122は、使用者の身体情報などに基づいて、演出装置105によって実行される演出の内容、時間、タイミングなどを制御する。
【0057】
使用情報生成部123は、使用者による便器装置100の使用に関する使用情報を生成する。
【0058】
使用情報送信部124は、使用情報生成部123によって生成された使用情報を携帯情報端末200へ送信する。使用情報送信部124は、使用情報を支援サーバ400へ送信してもよい。
【0059】
識別部125は、便器装置100の使用者を識別する。
【0060】
使用情報記録部126は、識別部125によって識別された便器装置100の使用者の識別情報と、その使用者による便器装置100の使用に関する使用情報とを対応付けて使用情報保持部143に記録する。
【0061】
図6を参照して、実施の形態に係る携帯情報端末200の機能構成を説明する。携帯情報端末200は、通信装置201、表示装置202、入力装置203、センサ205、処理装置220、及び記憶装置240を備える。
【0062】
通信装置201は、便器装置100及びウェアラブル端末300と無線通信する。通信装置201は、さらに、インターネット2を介して他の装置と通信する。
【0063】
表示装置202は、処理装置220によって生成された表示画面を表示する。入力装置203は、使用者から受け付けた指示入力を処理装置220に伝達する。センサ205は、携帯情報端末200の位置、姿勢、速度、加速度、携帯情報端末200の周囲の画像、音声などを検知する。
【0064】
記憶装置240は、処理装置220によって使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置240は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置240は、使用者情報保持部241、使用情報保持部242、及び身体情報保持部243を備える。
【0065】
使用者情報保持部241は、携帯情報端末200の使用者の情報を保持する。使用者情報保持部241は、例えば、使用者の識別情報、属性情報、生活情報などを保持する。
【0066】
使用情報保持部242は、使用者による便器装置100の使用に関する情報を保持する。使用情報保持部242は、例えば、便器装置100の使用履歴などの情報を保持する。
【0067】
身体情報保持部243は、使用者の身体情報を保持する。身体情報保持部243は、例えば、ウェアラブル端末300によって測定された心拍数、睡眠時間などの身体情報を保持する。
【0068】
処理装置220は、身体情報受信部221、身体情報記録部222、使用情報受信部223、及び使用情報記録部224を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどの回路によって実現され、ソフトウエア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。本図では、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックが、ハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0069】
身体情報受信部221は、ウェアラブル端末300によって測定された身体情報をウェアラブル端末300から受信する。
【0070】
身体情報記録部222は、身体情報受信部221が受信した情報を身体情報保持部243に記録する。身体情報受信部221は、使用者が便器装置100を使用したときに測定された身体情報をウェアラブル端末300から受信した場合は、使用者が便器装置100を使用して排泄する前、排泄中、排泄した後のいずれの状況で測定された身体情報であるかを特定可能な態様で身体情報を身体情報保持部243に記録する。
【0071】
使用情報受信部223は、便器装置100によって生成された便器装置100の使用情報を便器装置100から受信する。
【0072】
使用情報記録部224は、使用情報受信部223が受信した使用情報を使用情報保持部242に記録する。
【0073】
情報送信部225は、使用情報保持部242に保持された使用情報、及び身体情報保持部243に保持された身体情報のうち少なくともいずれかを支援サーバ400へ送信し、これらの情報を支援サーバ400に保存する。
【0074】
図7を参照して、実施の形態に係るウェアラブル端末300の機能構成を説明する。ウェアラブル端末300は、通信装置301、表示装置302、入力装置303、測定部304、センサ305、処理装置320、及び記憶装置340を備える。
【0075】
通信装置301は、便器装置100及び携帯情報端末200と無線通信する。通信装置301は、さらに、インターネット2を介して他の装置と通信する。
【0076】
表示装置302は、処理装置320によって生成された表示画面を表示する。入力装置303は、使用者から受け付けた指示入力を処理装置320に伝達する。測定部304は、使用者の身体情報を計測する。センサ305は、ウェアラブル端末300の位置、姿勢、速度、加速度、ウェアラブル端末300の周囲の画像、音声などを検知する。
【0077】
記憶装置340は、処理装置320によって使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置340は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置340は、身体情報保持部341を備える。
【0078】
身体情報保持部341は、使用者の身体情報を保持する。身体情報保持部341は、例えば、測定部304によって測定された心拍数、睡眠時間などの身体情報を保持する。
【0079】
処理装置320は、使用検知部321、測定制御部322、身体情報取得部323、及び身体情報送信部324を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどの回路によって実現され、ソフトウエア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。本図では、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックが、ハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0080】
使用検知部321は、使用者による便器装置100の使用を検知する。
【0081】
測定制御部322は、測定部304による使用者の身体情報の測定を制御する。測定制御部322は、測定タイミングを制御し、予め定められた測定タイミングが到来すると、測定部304に測定を指示する。
【0082】
身体情報取得部323は、測定部304によって測定された身体情報を測定部304から取得し、取得した情報を身体情報保持部341に記録する。
【0083】
身体情報送信部324は、身体情報保持部341に保持された身体情報を携帯情報端末200へ送信する。身体情報送信部324は、使用者が便器装置100を使用する際に、身体情報保持部341に保持された身体情報を便器装置100へ送信する。
【0084】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。
【符号の説明】
【0085】
1…支援システム、100…便器装置、101…通信装置、121…身体情報受信部、122…制御部、123…使用情報生成部、124…使用情報送信部、125…識別部、126…使用情報記録部、140…記憶装置、143…使用情報保持部、200…携帯情報端末、201…通信装置、221…身体情報受信部、222…身体情報記録部、223…使用情報受信部、224…使用情報記録部、225…情報送信部、240…記憶装置、242…使用情報保持部、243…身体情報保持部、300…ウェアラブル端末、301…通信装置、304…測定部、321…使用検知部、322…測定制御部、323…身体情報取得部、324…身体情報送信部、340…記憶装置、341…身体情報保持部、400…支援サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7