(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092006
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】添削者マッチング装置、添削者マッチング方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20230626BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206948
(22)【出願日】2021-12-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】506142716
【氏名又は名称】株式会社Z会
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 淳
(72)【発明者】
【氏名】上田 倫也
(72)【発明者】
【氏名】辻 太一郎
(72)【発明者】
【氏名】秋元 佑希
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】生徒と添削者の相性を考慮して添削者を割り当てることができる添削者マッチング装置を提供する。
【解決手段】ユーザ評価を対応するユーザIDおよび対応する添削者IDと共に記憶するユーザ評価データベースと、指導成果を対応するユーザIDおよび対応する添削者IDと共に記憶する指導成果データベースと、添削方針を対応する添削者IDと共に記憶する添削方針データベースと、ユーザIDと答案を取得し、取得したユーザIDと添削者IDの組合せのうち、指導成果が高い添削者IDを最も優先して検索し、ユーザ評価が高い添削者IDを二番目に優先して検索して答案と組み合わせ、指導成果またはユーザ評価を基準に検索された添削者IDが割当不能な場合に限り、割当不能な添削者IDと同一または類似の添削方針を有する添削者IDを検索して答案と組み合わせる添削者マッチング部を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題の回答者であるユーザの、添削者に対する評価であるユーザ評価を、対応するユーザIDおよび対応する添削者IDと共に記憶するユーザ評価データベースと、
前記ユーザIDと前記添削者IDの組み合わせごとに予め解析された指導成果を、対応する前記ユーザIDおよび対応する前記添削者IDと共に記憶する指導成果データベースと、
前記添削者の添削に関する方針を表す添削方針を、対応する前記添削者IDと共に記憶する添削方針データベースと、
ユーザIDと答案を取得し、取得したユーザIDと添削者IDの組合せのうち、前記指導成果が高い添削者IDを最も優先して検索し、前記ユーザ評価が高い添削者IDを二番目に優先して検索して前記答案と組み合わせ、前記指導成果または前記ユーザ評価を基準に検索された添削者IDが割当不能な場合に限り、割当不能な添削者IDと同一または類似の添削方針を有する添削者IDを検索して前記答案と組み合わせる添削者マッチング部を含む
添削者マッチング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の添削者マッチング装置であって、
前記ユーザIDと、前記ユーザIDに対応するユーザの成績の推移または答案提出の履歴を表す成績データと、前記ユーザIDに対応する答案の添削をいつ、どの添削者IDの添削者が担当したかを示す履歴データに基づき、所定の時期に前記ユーザの成績データが所定の閾値を超えて向上している場合にプラスの指導成果を生成して、前記指導成果を前記所定の時期に対応する所定の期間内に前記ユーザの添削を担当した添削者の添削者IDに対応付け、前記指導成果データベースに記憶する指導成果解析部を含む
添削者マッチング装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の添削者マッチング装置であって、
前記添削者IDと、対応する添削者が添削した答案を取得し、前記答案を解析して、添削により記入された文字の大きさ、添削により記入された記載量の多さ、添削により作図された図形の量、添削に用いられている文言を自然言語処理して得られる添削者のタイプ、のうち、少なくとも何れか一つを含む添削方針を、前記添削者IDと共に前記添削方針データベースに記憶する添削方針解析部を含む
添削者マッチング装置。
【請求項4】
請求項3に記載の添削者マッチング装置であって、
前記添削者マッチング部は、
ユーザIDと答案と共にユーザが希望する添削方針を取得するものとし、割当不能な添削者IDと同一または類似の添削方針を有し、かつユーザが希望する添削方針と同一または類似の添削方針を有する添削者IDを検索して前記答案と組み合わせる
添削者マッチング装置。
【請求項5】
添削者マッチング装置が実行する添削者マッチング方法であって、
問題の回答者であるユーザの、添削者に対する評価であるユーザ評価を、対応するユーザIDおよび対応する添削者IDと共に記憶するステップと、
前記ユーザIDと前記添削者IDの組み合わせごとに予め解析された指導成果を、対応する前記ユーザIDおよび対応する前記添削者IDと共に記憶するステップと、
前記添削者の添削に関する方針を表す添削方針を、対応する前記添削者IDと共に記憶するステップと、
ユーザIDと答案を取得し、取得したユーザIDと添削者IDの組合せのうち、前記指導成果が高い添削者IDを最も優先して検索し、前記ユーザ評価が高い添削者IDを二番目に優先して検索して前記答案と組み合わせ、前記指導成果または前記ユーザ評価を基準に検索された添削者IDが割当不能な場合に限り、割当不能な添削者IDと同一または類似の添削方針を有する添削者IDを検索して前記答案と組み合わせるステップを含む
添削者マッチング方法。
【請求項6】
コンピュータを請求項1から4の何れかに記載の添削者マッチング装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回答者(ユーザ)と添削者を適切にマッチングする添削者マッチング装置、添削者マッチング方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
受講者の回答を採点・添削する遠隔教育システムの従来技術として特許文献1が開示されている。特許文献1の遠隔教育システムは、記述式の問題を含む課題に対する回答を効率よく処理することを目的とし、教育システム用サーバ2、受講者端末3、複数の講師端末4を含む。教育システム用サーバ2は、受講者端末3に対して選択式問題と記述式問題とを含む課題を送信し、送信された課題に対して受講者端末3から送信されるレポートを受信すると、受信したレポートのうち、選択式問題に対する回答を採点処理して選択式問題添削結果を作成する。また、レポートのうち記述式問題に対する回答についての添削処理を複数の講師端末4に割り当て、講師端末4により添削処理を行った記述式問題採点結果を取得し、選択式問題添削結果と記述式問題添削結果とを統合して返却用データを作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生徒と添削者の相性が良ければ、生徒の成績やモチベーションに良い影響が生じることがある。しかし生徒と添削者の相性を考慮して添削者を割り当てることを目的としたシステムはこれまで存在しなかった。例えば上述の特許文献1は、記述式問題の添削を複数の講師端末に割り振ることにより効率的な添削を実現できたものの、生徒と添削者の相性を考慮した割り振りにはなっていない。
【0005】
そこで本発明では、生徒と添削者の相性を考慮して添削者を割り当てることができる添削者マッチング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の添削者マッチング装置は、ユーザ評価データベースと、指導成果データベースと、添削方針データベースと、添削者マッチング部を含む。
【0007】
ユーザ評価データベースは、問題の回答者であるユーザの、添削者に対する評価であるユーザ評価を、対応するユーザIDおよび対応する添削者IDと共に記憶する。指導成果データベースは、ユーザIDと添削者IDの組み合わせごとに予め解析された指導成果を、対応するユーザIDおよび対応する添削者IDと共に記憶する。添削方針データベースは、添削者の添削に関する方針を表す添削方針を、対応する添削者IDと共に記憶する。添削者マッチング部は、ユーザIDと答案を取得し、取得したユーザIDと添削者IDの組合せのうち、指導成果が高い添削者IDを最も優先して検索し、ユーザ評価が高い添削者IDを二番目に優先して検索して答案と組み合わせ、指導成果またはユーザ評価を基準に検索された添削者IDが割当不能な場合に限り、割当不能な添削者IDと同一または類似の添削方針を有する添削者IDを検索して答案と組み合わせる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の添削者マッチング装置によれば、生徒と添削者の相性を考慮して添削者を割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1の添削者マッチング装置の機能構成を示すブロック図。
【
図2】実施例1の添削者マッチング装置のユーザ評価取得動作を示すフローチャート。
【
図3】実施例1の添削者マッチング装置の指導成果解析動作を示すフローチャート。
【
図4】実施例1の添削者マッチング装置の添削方針解析動作を示すフローチャート。
【
図5】実施例1の添削者マッチング装置の添削者マッチング動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例0011】
以下、
図1を参照して実施例1の添削者マッチング装置の機能構成を説明する。同図に示すように、本実施例の添削者マッチング装置は、ユーザ評価取得部11と、ユーザ評価データベース11Bと、ユーザデータベース12Aと、指導成果解析部12と、指導成果データベース12Bと、添削者データベース13Aと、添削方針解析部13と、添削方針データベース13Bと、添削者マッチング部14を含む。以下、
図2~
図5を参照して、各部の動作を説明する。
【0012】
<ユーザ評価取得部11>
ユーザ評価取得部11は、問題の回答者であるユーザの添削者に対する評価であるユーザ評価を取得して、対応するユーザIDおよび対応する添削者IDと共にユーザ評価データベース11Bに記憶する(S11)。
【0013】
<ユーザ評価データベース11B>
ユーザ評価データベース11Bはユーザ評価を対応するユーザIDおよび対応する添削者IDと共に記憶する。ユーザ評価の例として、例えば「字が綺麗」、「解説がわかりやすい」、「図が多くて見やすい」、「激励の一言が良い」、…などがある。
【0014】
<ユーザデータベース12A>
ユーザデータベース12Aは、ユーザIDと、ユーザIDに対応するユーザの成績の推移または(および)答案提出の履歴を表す成績データと、ユーザIDに対応する答案の添削をいつ、どの添削者IDの添削者が担当したかを示す履歴データを記憶している。
【0015】
ユーザの成績の推移に基づいて、該当ユーザの成績が所定の時期に向上/低下/変化がないの何れかの状態となっていたことがわかり、所定の時期(例えば10月)に対応する所定の期間内(一般的には、所定の時期よりも少し前の期間。例えば9月初め~9月末)に該当ユーザの添削を担当した添削者が、ユーザの成績推移の要因の一部となっている可能性がある。
【0016】
また、答案提出の履歴に基づいて、該当のユーザの答案提出の頻度が、所定の時期に向上/低下/変化がないの何れかの状態となっていたことがわかり、同様に所定の時期に対応する所定の期間内に該当ユーザの添削を担当した添削者が、答案提出頻度の推移の要因の一部となっている可能性がある。
【0017】
そこで、次に説明するステップS12において、ユーザの成績の推移または(および)答案提出の履歴を成績データとして取り扱い、成績データが所定の閾値を超えて向上している場合に、該当する添削者に対してプラスの指導成果を与える処理を行う。
【0018】
<指導成果解析部12>
指導成果解析部12は、ユーザデータベース12Aから、ユーザIDと、成績データと、履歴データを取得し、これらのデータに基づいて、所定の時期にユーザの成績データが所定の閾値を超えて向上している場合にプラスの指導成果を生成して、指導成果を所定の時期に対応する所定の期間内にユーザの添削を担当した添削者の添削者IDに対応付け、指導成果データベース12Bに記憶する(S12)。
【0019】
<指導成果データベース12B>
指導成果データベース12Bは、ステップS12でユーザIDと添削者IDの組み合わせごとに解析された指導成果を、対応するユーザIDおよび対応する添削者IDと共に記憶する。
【0020】
<添削者データベース13A>
添削者データベース13Aは、添削者IDと、対応する添削者が添削した答案を記憶する。
【0021】
<添削方針解析部13>
添削方針解析部13は、添削者データベース13Aから、添削者IDと、対応する添削者が添削した答案を取得し、答案を解析して、例えば添削により記入された文字の大きさ、添削により記入された記載量の多さ、添削により作図された図形の量、添削に用いられている文言を自然言語処理して得られる添削者のタイプ、…などのうち、少なくとも何れか一つを含む添削方針を、添削者IDと共に、添削方針データベース13Bに記憶する(S13)。添削方針の具体例として表1を示す。
【表1】
添削者のタイプとして、例えばユーザを称賛するタイプ、叱咤激励するタイプ、…などがある。
【0022】
<添削方針データベース13B>
添削方針データベース13Bは、添削者の添削に関する方針を表す添削方針を、対応する添削者IDと共に記憶する。
【0023】
<添削者マッチング部14>
添削者マッチング部14は、ユーザIDと答案を取得し、取得したユーザIDと添削者IDの組合せのうち、指導成果が高い添削者IDを最も優先して指導成果データベース12Bを検索し、ユーザ評価が高い添削者IDを二番目に優先してユーザ評価データベース11Bを検索して、検索された添削者IDを該当する答案と組み合わせる(S14-1)。
【0024】
添削者マッチング部14は、該当するユーザIDにおいて指導成果の高い添削者IDを検索し、この添削者IDは最も優先される。さらに、添削者マッチング部14は、該当するユーザIDにおいてユーザ評価が高い添削者IDを検索し、この添削者IDは2番目に優先される。例えば、指導成果の高い添削者IDが割当不能であった場合、ユーザ評価が高い添削者IDが繰り上がって該当の答案と組み合わせられる。
【0025】
添削者が割当不能な場合の典型的な例として、該当の添削者が他のユーザの添削を担当しており割当できない、該当の添削者が休暇を取っており割当できない、などが考えられる。
【0026】
添削者マッチング部14は、指導成果またはユーザ評価を基準に検索された添削者IDが割当不能な場合に限り、割当不能な添削者IDと同一または類似の添削方針を有する添削者IDを添削方針データベース13Bを検索して、検索された指導方針が同一または類似の添削者IDを該当する答案と組み合わせる(S14-2)。
【0027】
なお、添削者マッチング部14は、ユーザIDと答案と共にユーザが希望する添削方針(例えば文字の大きさ、記載量の多さ、図形の量、添削者のタイプのうち、1つ以上の希望を指定)を取得するものとし、割当不能な添削者IDと同一または類似の添削方針を有し、かつユーザが希望する添削方針と同一または類似の添削方針を有する添削者IDを検索して答案と組み合わせてもよい。
【0028】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0029】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0030】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0031】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0032】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0033】
上述の各種の処理は、
図6に示すコンピュータの記録部10020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部10010、入力部10030、出力部10040などに動作させることで実施できる。
【0034】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electrically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0035】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0036】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0037】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。