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特開2023-92038炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092038
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/02 20060101AFI20230626BHJP
   A47K 3/28 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
A61H33/02 A
A47K3/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207006
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】512083883
【氏名又は名称】株式会社ホットアルバム炭酸泉タブレット
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100173668
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 吉之助
(72)【発明者】
【氏名】小星 重治
【テーマコード(参考)】
2D132
4C094
【Fターム(参考)】
2D132FA02
2D132FA17
2D132FC04
2D132FE02
2D132FJ04
4C094BC12
4C094DD06
4C094DD14
4C094DD17
4C094EE24
4C094GG03
(57)【要約】
【目的】使用中のシャワーヘッドのシャワー放水構成に影響を与えることなく炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる炭酸マイクロバブルの製造器及び製造方法を提供する。
【構成】ホースとシャワーヘッドとの間に、炭酸入浴剤の入浴剤収容部を配設し、湯水によって炭酸入浴剤が溶解して炭酸マイクロバブルが発生すると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成されてシャワーヘッドの湯水噴出孔からシャワー放出される構成において、
製造器がホースとシャワーヘッドとの間に着脱可能に接続される別体構成であり、
製造器の本体にシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま入浴剤収容部の開閉が可能な蓋体が取り付けられ、
蓋体は、本体から離脱分離することなく接続を維持した状態で入浴剤収容部の開口部の開閉を行う構成である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤が溶解して炭酸マイクロバブルが発生すると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッドの湯水噴出孔からシャワー放出される構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造器において、
該製造器が、シャワーヘッドとは別体構成であると共に、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
該製造器の本体には、ホース後端の接続部と接続するホース接続部と、シャワーヘッドの接続部と接続するシャワーヘッド接続部と、炭酸入浴剤を収容する入浴剤収容部と、を有し、
更に製造器の本体には、該本体がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま前記入浴剤収容部への炭酸入浴剤を収容するための開口部の開閉が可能な蓋体が取り付けられており、
該蓋体は、前記本体から離脱分離することなく接続を維持した状態で前記入浴剤収容部の開口部の開閉を行う構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項2】
入浴剤収容部の蓋体は、製造器の本体から離脱分離することなく接続を維持した状態で水流に直交する方向にスライド移動して該本体から離開可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部の開口部が設けられた構成であることを特徴とする請求項1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項3】
入浴剤収容部の開口部は、水流の下流側に向かって開口される構成であることを特徴とする請求項2に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項4】
ホースから送水される湯水は入浴剤収容部に直線的に送水されることなく該湯水は製造器の本体の内側と入浴剤収容部の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部に入り込む構成であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項5】
前記蓋体は、スライド移動による離開を規制するロック機構が設けられており、水流方向に直交する方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除することによりスライド移動による離開が可能となる構成であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項6】
前記蓋体のスライド移動による離開範囲が、少なくとも入浴剤収容部の開口部が離開した部分から露出するまでであると共に、該開口部が露出したところまででスライド移動が規制されて止まる構成であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項7】
製造器の本体及び/又は蓋体の少なくとも一部が透明部材で構成されており、この透明部材の部分を通して前記入浴剤収容部の内部を目視可能であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項8】
シャワーヘッドの湯水噴出孔から放出する湯水のpHが6.8~8.5であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項9】
ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤を溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水を生成し、この炭酸マイクロバブル混合水をシャワーヘッドの湯水噴出孔からシャワー放出させる構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法において、
ホース後端の接続部と接続するホース接続部と、シャワーヘッドの接続部と接続するシャワーヘッド接続部と、炭酸入浴剤を収容する入浴剤収容部と、を有し、シャワーヘッドとは別体構成の製造器を、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続する構成であり、
製造器の本体には、該本体がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま前記入浴剤収容部への炭酸入浴剤を収容するための開口部の開閉が可能な蓋体が取り付けられており、
該蓋体は、前記本体から離脱分離することなく接続を維持した状態で前記入浴剤収容部の開口部の開閉を行う構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項10】
入浴剤収容部の蓋体が、製造器の本体から離脱分離することなく接続を維持した状態で水流に直交する方向にスライド移動して該本体から離開可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部の開口部が設けられた構成であることを特徴とする請求項9に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項11】
入浴剤収容部の開口部は、水流の下流側に向かって開口される構成であることを特徴とする請求項10に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項12】
ホースから送水される湯水は入浴剤収容部に直線的に送水されることなく該湯水は製造器の本体の内側と入浴剤収容部の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部に入り込む構成であることを特徴とする請求項9~11のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項13】
前記蓋体は、スライド移動による離開を規制するロック機構が設けられており、水流方向に直交する方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除することによりスライド移動による離開が可能となる構成であることを特徴とする請求項9~12のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項14】
前記蓋体のスライド移動による離開範囲が、少なくとも入浴剤収容部の開口部が離開した部分から露出するまでであると共に、該開口部が露出したところまででスライド移動が規制されて止まる構成であることを特徴とする請求項9~13のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項15】
製造器の本体及び/又は蓋体の少なくとも一部が透明部材で構成されており、この透明部材の部分を通して前記入浴剤収容部の内部を目視可能であることを特徴とする請求項9~14のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項16】
シャワーヘッドの湯水噴出孔から放出する湯水のpHが6.8~8.5であることを特徴とする請求項9~15のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血行促進などの炭酸泉入浴効果を著しく向上させ炭酸マイクロバブル効果を併せ持つ炭酸マイクロバブル混合水の製造方法、及び前記炭酸マイクロバブル混合水を簡易に得られる製造器に関する。
【背景技術】
【0002】
重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)と、有機酸とを含む混合物を打錠等によって成型し、発泡性組成物(固形物)とすることは、洗浄剤、入浴剤、風呂水清浄剤、プール用殺菌剤等の製品に適用されている。これらの製品(固形物)は、水に投入すると、その成分が反応して炭酸ガスを発生しつつ速やかに溶解する利点を有すると同時に、消費者に快適な使用感を与えるので商品価値を高める効果があり、特に浴剤(入浴剤ということもある。)においては、発生する炭酸ガスの血行促進効果が積極的に利用されている。
【0003】
一方、マイクロバブルと称される、例えば直径0.05mm以下の微細気泡は、濁水や排水の浄化処理、生活用水の殺菌等に広く利用されており、例えば、水浄化処理施設などの濁水処理槽中でマイクロバブルを発生した場合には濁水中に浮遊している汚濁物に気泡を付着させて浮上分離させることができ、湖沼や養殖池等の閉鎖水域でマイクロバブルを発生させた場合には水中への酸素の溶解を促すことができる等の効果を有するものである。
【0004】
従来、このマイクロバブルを利用したマイクロバブルシャワーとして、旋回流を利用した水道水圧使用型のものが知られている(特許文献1参照)。
【0005】
また、炭酸ガス発生成分を湯水に溶解させる技術と、マイクロバブルを発生させて液体中の浄化殺菌を行う技術とを組み合わせたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
特許文献1の技術は、各種入浴剤の如き炭酸ガス発生体を気体発生体として気液混合装置内に配設し、更に該気液混合装置の吐出口側をシャワーヘッドに接続する構成により、入浴成分とマイクロバブルとを混合した湯水をシャワーヘッドから吐出させ、このことによって、洗浄効果と血行促進等の健康増進効果をも期待できる技術である。
一方、炭酸ガス入浴錠剤をシャワーヘッド内の吐出口付近に収容した技術も知られている(特許文献3~5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-229516号公報
【特許文献2】特開2011-194390号公報
【特許文献3】特許第4177660号
【特許文献4】実用新案登録第3183630号
【特許文献5】実用新案登録第3066561号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記背景技術に挙げた公知技術では、水道水圧の水流による溶解によって従来の入浴剤成分や錠剤では、速やかに溶解してしまい、炭酸ガス発生浴剤の溶解持続時間がきわめて短く、また発泡する泡の径が極めて大きく、体に触れても皮膚や血管中への作用は起き難いという問題があった。特に、シャワーによる湯水の掛流しの場合、シャワーヘッドから吐出する湯水は身体に触れた後は速やかに流れ落ちてしまうため、浴槽内の湯に浸かる場合に比して身体と湯水との接触時間が短く、接触熱容量も面積も大きくない。そのため、前記した炭酸成分による血行促進等の健康増進効果を得るには、身体への接触確立を最大にするためには泡の径が大きすぎること、及び、入浴錠剤の溶解持続時間が短いことが、致命的であることを本発明者は突き止めた。
【0009】
そこで、本出願人は、先に「炭酸ガス成分を混合したマイクロバブル混合水をシャワー吐出した場合であっても、通常のシャワーの使用時間中、炭酸成分を持続的に供給可能で、炭酸ガスの泡径がミクロサイズで体への接触量が大きく、かつ炭酸成分の経皮吸収効率が瞬間的に行われる炭酸入浴錠剤成分によって、血行促進等の健康増進効果を十分に発揮することが期待できるマイクロバブル混合水の製造器を提供すること」を課題とする特許出願(特願2012-236289)を行った。この先出願に係る発明は、その解決手段として、「湯水の導入口と吐出口との間に設けられたマイクロバブル発生部を有する通水路に導入された湯水と、前記マイクロバブル発生部に収容された炭酸入浴錠剤を湯水によって溶解させて得られるマイクロバブル(微細気泡)と、を混合し、前記吐出口から吐出させて、マイクロバブル混合水を得るマイクロバブル混合水の製造方法において、前記マイクロバブル発生部に収容される炭酸入浴錠剤が重炭酸塩、有機酸及びポリエチレングリコールの存在下で、圧縮成形して直径及び厚みがそれぞれ7mm以上、硬度が特定値以上であり、錠剤を湯水に溶かした直後のPHが5.5から8.5の範囲となる錠剤であることを特徴とするマイクロバブル混合水の製造器」を提案した。
【0010】
この先出願に係る発明によれば、「炭酸ガス成分の発生が長時間持続することになるので、炭酸ガス成分が溶解したマイクロバブル混合水と身体との接触時間が長くなり血行促進等の健康増進効果の向上を手軽に図ることができる」等の効果を得ることができる。
【0011】
しかし、本発明者は、この先出願に係る発明について、更に研究を続けたところ、マイクロバブル混合水の製造器に収容される炭酸入浴剤についての工夫だけでは、強い水流に曝され、急速に、短時間で溶解してしまい、重炭酸イオンの身体への接触時間が短くなり、身体を温める十分な効果が得られ難い不都合があるだけではなく、前半に高い濃度の重炭酸シャワーを浴びてしまい、後半は水だけの淡水シャワーとなってしまうため、シャワーを浴びる1回のバスタイム内で、新たな錠剤に交換しなければならず、洗剤やシャンプー剤等で手が滑る中で、シャワーヘッドの開放部を開けての交換作業は煩雑でやり難いという問題点があることを見出した。
【0012】
以上のことから、本発明者は、錠剤状の炭酸入浴剤を収容したマイクロバブル混合水を製造するためのシャワー機器を使用して、炭酸ガスマイクロバブル混合水をシャワー吐出する場合において、血行促進等の健康増進効果を高め、適度な濃度の重炭酸シャワーを長時間享受できる効果を維持しつつ、錠剤状の炭酸入浴剤の溶解速度を最適化し、該錠剤を長持ちさせ、該炭酸入浴剤の交換頻度を減少させることで、ランニングコストも抑えることができるシャワー機器について研究を続けている。
【0013】
そこで本発明の課題は、炭酸入浴剤を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる構成の炭酸ガスマイクロバブル混合水を吐出することができる炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法を提供することにある。
更に本発明の課題は、既存のシャワーヘッドを使用したままであっても健康増進効果を高める炭酸マイクロバブルシャワーを浴することができる炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1.ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤が溶解して炭酸マイクロバブルが発生すると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッドの湯水噴出孔からシャワー放出される構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造器において、
該製造器が、シャワーヘッドとは別体構成であると共に、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続される構成であり、
該製造器の本体には、ホース後端の接続部と接続するホース接続部と、シャワーヘッドの接続部と接続するシャワーヘッド接続部と、炭酸入浴剤を収容する入浴剤収容部と、を有し、
更に製造器の本体には、該本体がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま前記入浴剤収容部への炭酸入浴剤を収容するための開口部の開閉が可能な蓋体が取り付けられており、
該蓋体は、前記本体から離脱分離することなく接続を維持した状態で前記入浴剤収容部の開口部の開閉を行う構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0015】
2.入浴剤収容部の蓋体は、製造器の本体から離脱分離することなく接続を維持した状態で水流に直交する方向にスライド移動して該本体から離開可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部の開口部が設けられた構成であることを特徴とする上記1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0016】
3.入浴剤収容部の開口部は、水流の下流側に向かって開口される構成であることを特徴とする上記2に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0017】
4.ホースから送水される湯水は入浴剤収容部に直線的に送水されることなく該湯水は製造器の本体の内側と入浴剤収容部の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部に入り込む構成であることを特徴とする上記1~3のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0018】
5. 前記蓋体は、スライド移動による離開を規制するロック機構が設けられており、水流方向に直交する方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除することによりスライド移動による離開が可能となる構成であることを特徴とする上記1~4のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0019】
6.前記蓋体のスライド移動による離開範囲が、少なくとも入浴剤収容部の開口部が離開した部分から露出するまでであると共に、該開口部が露出したところまででスライド移動が規制されて止まる構成であることを特徴とする上記1~5のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0020】
7.製造器の本体及び/又は蓋体の少なくとも一部が透明部材で構成されており、この透明部材の部分を通して前記入浴剤収容部の内部を目視可能であることを特徴とする上記1~6のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0021】
8.シャワーヘッドの湯水噴出孔から放出する湯水のpHが6.8~8.5であることを特徴とする上記1~7のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0022】
9.ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に、固形の炭酸入浴剤を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部を配設し、
ホースからシャワーヘッドへ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤を溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水を生成し、この炭酸マイクロバブル混合水をシャワーヘッドの湯水噴出孔からシャワー放出させる構成の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法において、
ホース後端の接続部と接続するホース接続部と、シャワーヘッドの接続部と接続するシャワーヘッド接続部と、炭酸入浴剤を収容する入浴剤収容部と、を有し、シャワーヘッドとは別体構成の製造器を、ホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に着脱可能に接続する構成であり、
製造器の本体には、該本体がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態のまま前記入浴剤収容部への炭酸入浴剤を収容するための開口部の開閉が可能な蓋体が取り付けられており、
該蓋体は、前記本体から離脱分離することなく接続を維持した状態で前記入浴剤収容部の開口部の開閉を行う構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0023】
10.入浴剤収容部の蓋体が、製造器の本体から離脱分離することなく接続を維持した状態で水流に直交する方向にスライド移動して該本体から離開可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部の開口部が設けられた構成であることを特徴とする上記9に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0024】
11.入浴剤収容部の開口部は、水流の下流側に向かって開口される構成であることを特徴とする上記10に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0025】
12.ホースから送水される湯水は入浴剤収容部に直線的に送水されることなく該湯水は製造器の本体の内側と入浴剤収容部の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部に入り込む構成であることを特徴とする上記9~11のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0026】
13.前記蓋体は、スライド移動による離開を規制するロック機構が設けられており、水流方向に直交する方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除することによりスライド移動による離開が可能となる構成であることを特徴とする上記9~12のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0027】
14.前記蓋体のスライド移動による離開範囲が、少なくとも入浴剤収容部の開口部が離開した部分から露出するまでであると共に、該開口部が露出したところまででスライド移動が規制されて止まる構成であることを特徴とする上記9~13のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0028】
15.製造器の本体及び/又は蓋体の少なくとも一部が透明部材で構成されており、この透明部材の部分を通して前記入浴剤収容部の内部を目視可能であることを特徴とする上記9~14のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0029】
16.シャワーヘッドの湯水噴出孔から放出する湯水のpHが6.8~8.5であることを特徴とする上記9~15のいずれかに記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【発明の効果】
【0030】
請求項1又は請求項9に示す発明によれば、入浴剤収容部をホース後端の接続部とシャワーヘッドの接続部との間に接続する構成、即ち、シャワーヘッドよりも上流側に配設する構成によって、使用中のシャワーヘッドのシャワーの噴射形態や放水量はそのままの状態、或いは、種々の放水モードが備わっているシャワーヘッドの場合には各放水モードに影響を与えることなく、シャワーヘッドのすぐ上流の位置で健康増進効果を高める炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる。
また、これらの効果は日ごろ使用しているシャワーヘッドに限らず、旅先のホテルやスポーツジム等に配備されている既存のシャワーヘッドとしても適用することができる。
特に、製造器がシャワーヘッドとホースの両方との接続を維持した状態、即ち、分離や分解などをすることなく、単に蓋体を開けるだけで炭酸入浴剤を収容することができるので、入浴前は勿論のこと、入浴中であっても炭酸入浴剤を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッドを浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッドの破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
ホース接続部とシャワーヘッド接続部とを有する本体を一体成形品とすれば、極めて簡単な構成が故に破損・故障の問題が生じ難いため、シャワーヘッドとホースとの接続部における強度を落とすことなく製造器を介在させることができる。
【0031】
請求項2又は請求項10に示す発明によれば、蓋体をスライド移動によって本体から離開することにより入浴剤収容部の開口部を露出させて炭酸入浴剤の収容ができるので、入浴前は勿論のこと、入浴中であっても炭酸入浴剤を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる。
【0032】
請求項3又は請求項11に示す発明によれば、シャワーヘッドを片手で持った状態やシャワーフックに掛けた状態で入浴剤収容部の蓋体を開けた際に、入浴剤収容部の開口部は上方を向いた状態で開口される構成なので、炭酸入浴剤を開口部から落とし込むだけで入浴剤収容部内に容易に収容させることができる。従って、複数回の収容による慣れによって目視することなく炭酸入浴剤の収容が可能となる。
【0033】
請求項4又は請求項12に示す発明によれば、入浴剤収容部に収容された炭酸入浴剤にホースから送水された湯水が直撃することなく迂回によって衝撃が和らげられるため炭酸入浴剤の急激な減りを抑制することができる。
【0034】
請求項5又は請求項13に示す発明によれば、ロック機構をロックすることによりシャワー使用中に蓋体がスライド移動して離開することを防止することができると共に、ロック解除によって容易にスライド移動による離開が可能である。また、このロック機構のロックとロック解除は蓋体の回動によって極めて容易に可能である。
【0035】
請求項6又は請求項14に示す発明によれば、スライド移動範囲が、入浴剤収容部への炭酸入浴剤を収容する際に必要充分な範囲であると共に、本体と蓋体とが分離してしまうことを防止することができる。従って、入浴時に炭酸入浴剤を新たに収容する際に手指やシャワーヘッドが濡れていても容易に収容が可能である。
【0036】
請求項7又は請求項15に示す発明によれば、入浴剤収容部に収容された炭酸入浴剤の溶解状態を外部から常に容易に把握することができる。
【0037】
請求項8又は請求項16に示す発明によれば、湯水噴出孔から放出する湯水のpHが中性を保つことにより湯水中に重炭酸イオンが多く存在することになるため血行促進効果や洗浄効果が多く期待できる。
【0038】
尚、本発明において、「湯水」とは、いわゆる水、若しくは加温乃至は加熱してある湯又はこの両者の混合物をいう。また、「マイクロバブル」とは、いわゆる微細気泡と称されるものをいう。尚また、本発明において、「量」は特に断りのない限り「質量」を表し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を表し、「部」は特に断りのない限り「質量部」を表す。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法の実施例を示す概略構成図
図2】製造器の実施例を示す6面図(正面図、平面図、底面図、左側面図、右側面図、蓋体が開いた状態の正面図)
図3】製造器の実施例の部品構成を説明する分散斜視図
図4】製造器の実施例の部品構成を説明する図3とは別角度からの分散斜視図
図5】入浴剤収容部への炭酸入浴剤の収容構成を説明する概略正面図
図6】入浴剤収容部への炭酸入浴剤の収容構成を説明する概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器(以下、単に製造器ということもある。)、及び炭酸マイクロバブル混合水の製造方法(以下、単に製造方法ということもある。)について図1図6に基づき説明する。
【0041】
本発明の製造器1は、ホース3の後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に、固形の炭酸入浴剤4を湯水の送水経路中に留置させる入浴剤収容部11を配設し、
ホース3からシャワーヘッド2へ送水される湯水によって前記炭酸入浴剤4が溶解して炭酸マイクロバブルが発生すると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水が生成され、この炭酸マイクロバブル混合水がシャワーヘッド2の湯水噴出孔22からシャワー放出される構成において、
該製造器1が、シャワーヘッド2とは別体構成であると共に、ホース3の後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に着脱可能に接続される構成であり、
該製造器1の本体10には、ホース3の後端の接続部31と接続するホース接続部13と、シャワーヘッド2の接続部21と接続するシャワーヘッド接続部12と、炭酸入浴剤4を収容する入浴剤収容部11と、を有し、
更に製造器1の本体10には、該本体10がシャワーヘッド2とホース3の両方との接続を維持した状態のまま前記入浴剤収容部11への炭酸入浴剤4を収容するための開口部11Aの開閉が可能な蓋体14が取り付けられており、
該蓋体14は、前記本体10から離脱分離することなく接続を維持した状態で前記入浴剤収容部11の開口部11Aの開閉を行う構成であること、
を主構成とするものであり、かかる構成によって、炭酸泉入浴効果とマイクロバブル効果を併せ持つ炭酸マイクロバブル混合水を簡易に得ることにより洗浄効果と血行促進等の健康増進効果をも期待できる技術である。
【0042】
本実施例に示す製造器1は、シャワーヘッド接続部12及びース接続部13が一体的に成形された本体10と、該本体10の内部空間内に配設される入浴剤収容部11と、該入浴剤収容部11の開閉機構と成る蓋体14と、の3部材構成と成っている。
【0043】
入浴剤収容部11の蓋体14の開閉機構としてはは、製造器1の本体10から離脱分離することなく接続を維持した状態で水流に直交する方向(図2の正面図の矢符X方向)にスライド移動して該本体10から離開可能であり、この離開した部分から内部の入浴剤収容部11の少なくとも一部が露出し、この露出した部分に入浴剤収容部11の開口部11Aが設けられた構成となっている。かかる構成によれば、蓋体14をスライド移動によって本体10から離開することにより入浴剤収容部11の開口部11Aを露出させて炭酸入浴剤4の収容ができるので、入浴前は勿論のこと、入浴中であっても炭酸入浴剤4を簡単かつ容易に短時間で交換・装填することができる。。
【0044】
入浴剤収容部11の開口部11Aは、水流の下流側に向かって開口される構成、即ち、シャワーヘッド2を片手で持った状態や浴室のシャワーフックに掛けた状態で入浴剤収容部11の蓋体14を開けた際に、入浴剤収容部11の開口部11Aは上方を向いた状態で開口される構成なので、炭酸入浴剤4を開口部11Aから落とし込むだけで入浴剤収容部11内に容易に収容させることができる。従って、複数回の収容による慣れによって目視することなく炭酸入浴剤4の収容が可能となる。
【0045】
また、シャワー使用時に蓋体14が不用意に開放することがないようにスライド移動による離開を規制するロック機構が設けられており、水流方向に直交する方向を軸芯とする回動によって前記ロック機構を解除することによりスライド移動による離開が可能となる構成であることが好ましい。
【0046】
ロック機構の具体的構成例としては、蓋体を水流方向に直交する方向を軸芯とする回動(図2の左側面図に示す矢符Y方向に回動)することによって蓋体14側に設けられたロック爪部15と該ロック爪部15と係合していた本体10側に設けられた被ロック爪部16との係合が解除され、このロック機構の解除によって蓋体14を水流と直交する方向(図2の正面図に示す矢符X方向)にスライド移動させることができる。この蓋体14のスライド移動によって蓋体14を本体10から離脱分離することなく接続を維持した状態で該本体10から離開することが可能となり、この離開した部分に入浴剤収容部11の開口部11Aが露出することになる。
入浴剤収容部11に炭酸入浴剤4を収容した後、該蓋体14を本体10方向(前記矢符X方向とは逆方向)にスライド移動させて閉じた後、該蓋体14をロック解除時とは逆方向(前記矢符Y方向とは逆方向)に回動することによって該蓋体14をロックさせることができる。
かかる構成によれば、ロック機構をロックすることによりシャワー使用中に蓋体14がスライド移動して離開することを防止することができると共に、ロック解除によって容易にスライド移動による蓋体14の離開が可能である。また、このロック機構のロックとロック解除は蓋体14の回動によって極めて容易に可能である。
【0047】
蓋体14のスライド移動による離開範囲として、少なくとも入浴剤収容部11の開口部11Aが離開した部分から露出するまでであると共に、該開口部11Aが露出したところまででスライド移動が規制されて止まる構成であることが好ましい。かかる構成によれば、スライド移動範囲が、入浴剤収容部11への炭酸入浴剤4を収容する際に必要充分な範囲であると共に、本体10と蓋体14とが分離してしまうことを防止することができる。従って、入浴時に炭酸入浴剤4を新たに収容する際に手指やシャワーヘッド2が濡れていても容易に収容が可能である。
【0048】
入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4は、湯水の送水開始によって該湯水がホース3を介して本体10内に送られ、該本体10内に配設された入浴剤収容部11内に湯水が入り込んで該入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4を溶解して炭酸マイクロバブルを発生する。この際、本体10内に送水される湯水は入浴剤収容部11に直線的に送水されることなく本体10の内側と入浴剤収容部11の外側との間を通って迂回した後に入浴剤収容部11に入り込む構成であることが好ましい。
かかる構成によれば、入浴剤収容部11に収容された炭酸入浴剤4にホース3から送水された湯水が直撃することなく迂回によって衝撃が和らげられるため炭酸入浴剤4の急激な減りを抑制することができる。炭酸入浴剤4の急激な減りが抑制できることによって炭酸泉効果を長く持続することができる。
【0049】
入浴剤収容部11に収容されている炭酸入浴剤4の溶解状態をシャワー吐出中であっても外部から常に容易に把握することができるように、製造器1の本体10及び/又は蓋体14の少なくとも一部が透明部材で構成されており、この透明部材の部分を通して前記入浴剤収容部11の内部を目視可能な構成であることが好ましい。
【0050】
次に本発明に用いることができる炭酸入浴剤4について説明する。
本発明に用いることができる炭酸入浴剤4は、その組成を問わず、固形のものであれば、いずれのものであってもよい。形状や大きさについても特に限定せず、錠剤状、球状、立方形状以外の顆粒状などであってもよい。例えば、最も好ましく用いられる炭酸入浴剤4としては、本発明者が先に提案した特許第6268332号公報に記載のものを挙げることができ、以下に例示する。
【0051】
重炭酸塩をポリエチレングリコール(以下「PEG」ということもある。)等で造粒した後、有機酸(特にクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸)等をPEGと混合してもしくは造粒し、それぞれを一定比率内の条件で混合し、本発明の賦形剤を加えて錠剤を圧縮成形によって成形し、錠剤の溶解直後のpHが下記範囲となるよう設計することで、錠剤に水が浸透するとき激しく均一にかつ持続的に炭酸ガスを発泡するよう反応させ、かつ発生する炭酸ガス泡はミクロサイズの微細炭酸ガスとして長時間発生させることができ、錠剤は溶解し終わるまでミクロサイズの泡を発泡し続け、泡が空気中に揮散するまえに水中で中和され重炭酸イオンに解離して高濃度の重炭酸イオンが溶存するよう水のpHは5.5から9.0であるよう設計され、好ましくは6.0から8.5、特に前記したように湯水噴出孔21から吐出された際のpHが6.8から8.5の範囲であるときに洗浄効果と血行促進等の健康増進効果という効果が最大限に発揮される。
【0052】
更に、重炭酸塩の混合物が流動層を用いて、PEGで、コーテイングして作成された造粒物であることにより、錠剤中での継続的で均一な反応など、前記効果の発現が大きく発揮される。
【0053】
また、錠剤硬度が15kg以上、好ましく25kg以上、特に好ましくは30kg以上に高硬度とされるほど、塩素中和化合物の継続的で安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応を抑え錠剤が溶解した部分が湯中で塩素を迅速に除去するよう高硬度に成形されることが好ましい。
塩素除去効果が高いほど、シャワー入浴時の場合でも血行促進や体温上昇等の健康増進が大きい効果が発揮される
【0054】
更にまた、錠剤摩損度が10.0wt%以下、特に好ましくは5.0wt%以下、さらに好ましくは3.0wt%以下であるほど、塩素中和化合物の継続的安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応効率を最大にできるだけでなく、シャワー入浴時の場合でさえも血行促進及び体温上昇等の健康増進効果を発揮できる。
【0055】
本発明に好ましく用いられる炭酸入浴剤4の錠剤を作製する圧縮成形には、公知の圧縮成形機を特別の制限なく使用でき、例えば、油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、ブリケッティングマシンなどを用いることができる。この打錠機などに用いる杵の大きさは、杵が円形である場合は直径が7mm以上であることが好ましく、杵が三角形や四角形の場合、円形杵に換算して直径が7mm以上となるものが好ましい。そして杵の厚みについても同様である。円形の打錠品を得る場合、錠剤の直径は7mm以上が望ましく、より望ましくは10mm以上とし、厚みも7mm以上、好ましくは10mm以上とし、三角形や四角形等の錠剤とされる場合、円形錠剤に換算して、直径及び厚みの各々が7mm以上、特に10mm以上とすることが好ましい。
【0056】
炭酸入浴剤4の錠剤は、必ずしも平面を持つ円形でなくてもよく、7mm以上の固形物であれば、楕円形でもいわゆるタブレット状でも球体でも、形は何ら制限されない。
【0057】
上記した硬度及び摩損度並びに一定サイズ以上の錠剤中でミクロサイズの発泡をゆっくり起こさせ、湯水中への炭酸ガスの溶解をより効率的に行うことが好ましく、そのため硬度は15kg以上、望ましくは25kg以上、特に好ましくは35kg以上であり、また摩損度は10.0wt%以下、好ましくは5wt%以下、特に好ましくは3wt%以下であり、直径や厚みは10mm以上が特に好ましく、錠剤中での炭酸ガスの発生がより効果的に起こり、水中への炭酸ガスの溶解が効率的に行われ、泡の径が細かくなり、本発明に用いて好ましい炭酸入浴剤4となる。
【0058】
上記構成を有する製造器1によってシャワーヘッド2内に送水された後、該シャワーヘッド2の湯水噴出孔21からシャワー吐出される炭酸泉マイクロバブル混合水は、湯水のpHが6.8~8.5であることが好ましい。かかる構成によれば、湯水噴出孔21から放出する湯水のpHが中性を保つことにより湯水中に重炭酸イオンが多く存在することになるため血行促進効果や洗浄効果が多く期待できる。
【0059】
本発明の製造器1・製造方法が適用されるシャワーヘッド2は、公知のいずれのものでよく、一般に、湯水が供給されるホース3と、該ホース3が接続される+持ち手部と、該持ち手部と一体構成であると共に湯水噴出孔21を有するヘッド部と、を有して成る構成を有するものであるが、持ち手部とヘッド部とは一体構成であってもよいし、別体で形成されたものを一体となるように接続又は結合したものであってもよいし、ヘッド部が持ち手部に対して向きや角度が変えられるように直接又は間接的に接続されたものであってもよいし、種々の放水モードを備えており気分や状況に応じて所望の放水モードを選択することができるものであってもよいし、少なくとも湯水噴出孔21を有するヘッド部を備えた構成のもの、即ち、タイプ・形状・大きさ等が異なる様々な構成を有する既存の一般的なシャワーヘッド2を用いることができる。即ち、日ごろ使用しているシャワーヘッドや、旅先のホテルやスポーツジム等に配備されている既存のシャワーヘッドを用いることができる。
【0060】
本発明の製造器1が接続されるシャワーヘッド2とホース3は、元々は、一般的に雄ネジ構成であるシャワーヘッド2の接続部と、一般的に雌ネジ構成であるホース3の接続部と、が螺合接続されており、この螺合接続を取り外し、この間に本発明の製造器1を介在させた状態で接続する構成である。
従って、製造器1のシャワーヘッド接続部12はシャワーヘッド2の接続部21と螺合接続可能な雌ネジ構成を有し、ホース接続部13はホース3の接続部31と螺合接続可能な雄ネジ構成を有する。尚、シャワーヘッド2の接続部21とホース3の接続部31の雄ネジ構成・雌ネジ構成が逆である場合はシャワーヘッド接続部12・ホース接続部13についても逆の雄ネジ構成・雌ネジ構成となる。
尚、既存のシャワーヘッド2の接続部21(雄ネジ部分)に、本発明の製造器1を接続する際に、製造器1のシャワーヘッド接続部12(雌ネジ部分)がネジ径やネジピッチ等の違いによって螺合できない場合、前記接続部21とシャワーヘッド接続部12との間に調整用接続部を用いればよい。
尚また、ホース3の後端の接続部31(雌ネジ部分)に、本発明の製造器1を接続する際に、製造器1のホース接続部13(雄ネジ部分)がネジ径やネジピッチ等の違いによって螺合できない場合、前記接続部31とホース接続部13との間に調節用接続部を用いればよい。
【0061】
上記構成を有する本発明の製造器1・製造方法によれば、製造器1をホース3後端の接続部31とシャワーヘッド2の接続部21との間に接続する構成、即ち、シャワーヘッド2よりも上流側に配設する構成によって、使用中のシャワーヘッド2のシャワーの噴射形態や放水量はそのままの状態、或いは、種々の放水モードが備わっているシャワーヘッド2の場合には各放水モードに影響を与えることなく、シャワーヘッド2のすぐ上流の位置で炭酸マイクロバブル発生効果を付加することができる。
また、これらの効果は日ごろ使用しているシャワーヘッド2に限らず、旅先のホテルやスポーツジム等に配備されている既存のシャワーヘッド2としても適用することができる。
特に、製造器1がシャワーヘッド2とホース3の両方との接続を維持した状態、即ち、分離や分解などをすることなく、単に蓋体14を開けるだけで炭酸入浴剤4を収容することができるので、入浴前は勿論のこと、入浴中であっても炭酸入浴剤4を簡単に短時間で交換・装填することができる。従って、入浴時において濡れた手で炭酸入浴剤4の収容作業を行った場合であってもシャワーヘッド2を浴室の床に取り落としてしまうおそれがなく、シャワーヘッド2の破損・浴室床の損傷を防ぐことができる。
ホース接続部13とシャワーヘッド接続部12とを有する本体10を一体成形品とすれば、極めて簡単な構成が故に破損・故障の問題が生じ難いため、シャワーヘッド2とホース3との接続部における強度を落とすことなく製造器1を介在させることができる。
尚、ホース接続部13及び/又はシャワーヘッド接続部12は本体10と一体成型品でなくてもよく、別部品構成として形成されたものを取付接続することによって一部品とする構成であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 炭酸マイクロバブル混合水の製造器
10 本体
11 入浴剤収容部
11A 開口部
12 シャワーヘッド接続部
13 ホース接続部
14 蓋体
15 ロック爪部
16 被ロック爪部
2 シャワーヘッド
21 接続部
22 湯水噴出孔
3 ホース
31 接続部
4 炭酸入浴剤
X 蓋体のスライド方向を示す矢符
Y 蓋体の回動方向を示す矢符
図1
図2
図3
図4
図5
図6