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特開2023-92058告知情報提供システム、保険加入受付システム、告知情報提供方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092058
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】告知情報提供システム、保険加入受付システム、告知情報提供方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 15/00 20180101AFI20230626BHJP
【FI】
G16H15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207037
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】514084923
【氏名又は名称】株式会社Ubicomホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】上野 直
(72)【発明者】
【氏名】北岡 明哲
(72)【発明者】
【氏名】安念 香奈子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】保険申込者が保険加入の申込にあたって感じる煩わしさを低減する。
【解決手段】告知情報提供システム20は、医療機関で発行されたレセプトに記載された診療行為情報および医薬品情報を提供する情報提供等記録開示システム3と、保険申込者の端末2から保険加入の申込を受け付ける申込処理システム10とに接続される。告知情報提供システム20は、申込処理システム10から保険契約に必要な告知情報の提供を要求された場合に、情報提供等記録開示システム3から診療行為情報および医薬品情報の少なくとも一方を、一の保険申込者について取得する取得手段21と、取得手段21が取得した情報に基づき、傷病歴抽出処理および治療歴抽出処理の少なくとも一方を実行する抽出手段22と、取得手段21および抽出手段22が取得した情報に基づき、告知情報を生成する生成手段23と、告知情報を申込処理システム10に提供する情報提供手段24とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関で発行されたレセプトに記載された診療行為に関する情報および医薬品に関する情報を提供する情報提供等記録開示システムと、保険申込者が使用する端末からオンラインで保険加入の申込を受け付ける申込処理システムと、に接続された告知情報提供システムであって、
前記申込処理システムから保険契約に必要な告知事項に関する情報の提供を要求された場合に、前記情報提供等記録開示システムから診療行為に関する情報および医薬品に関する情報の少なくとも一方を、一の保険申込者について取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した情報に基づき、傷病歴抽出処理および治療歴抽出処理の少なくとも一方を実行する抽出手段と、
前記取得手段および前記抽出手段が取得した情報に基づき、告知事項に関する情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した告知事項に関する情報を前記申込処理システムに提供する情報提供手段と、を備え、
前記傷病歴抽出処理は、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報と、所定の傷病の情報とを対応づけたリストを記憶した傷病歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為または医薬品の情報から、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報を抽出するとともに、抽出した情報に含まれる診療行為または医薬品に対応する傷病の情報を取得する処理であり、
前記治療歴抽出処理は、所定の治療歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶した治療歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為の情報から、所定の治療歴に該当する診療行為の情報を抽出する処理である、
ことを特徴とする告知情報提供システム。
【請求項2】
前記情報提供等記録開示システムは、健診に関する情報を提供可能であり、
前記抽出手段が取得した傷病の情報が特定の傷病を示す情報である場合、
前記取得手段は、前記情報提供等記録開示システムが提供可能な健診に関する情報のうち、少なくとも前記特定の傷病に関連する健診結果の情報を、前記一の保険申込者について取得し、
前記生成手段は、告知事項に関する情報に、前記取得手段が取得した健診結果の情報と、前記抽出手段が取得した特定の傷病の情報と、を含ませる、
ことを特徴とする請求項1に記載の告知情報提供システム。
【請求項3】
前記抽出手段は、健診結果に基づく健康状態の情報を記憶した健康状態判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した健診結果の情報から、前記一の保険申込者の健康状態の情報を取得し、
前記生成手段は、告知事項に関する情報に、前記抽出手段が取得した健康状態の情報を含ませる、
ことを特徴とする請求項2に記載の告知情報提供システム。
【請求項4】
前記傷病歴判定マスタは、所定の傷病の情報のうち所定の合併症の情報と、所定の合併症の原因となる原因傷病があることを示す情報とを対応させて記憶しており、
前記抽出手段が取得した傷病の情報が、原因傷病を示す情報と、当該原因傷病に対応する合併症を示す情報とを含む場合、
前記抽出手段は、前記傷病歴判定マスタを参照して、当該合併症について原因傷病があることを示す情報を取得し、
前記生成手段は、告知事項に関する情報に、前記抽出手段が取得した、合併症の情報と、当該合併症について原因傷病があることを示す情報と、を含ませる、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の告知情報提供システム。
【請求項5】
前記傷病歴判定マスタは、傷病を所定のグループに分類するための分類コードを、傷病の情報に対応させて記憶しており、
前記生成手段は、前記抽出手段が傷病の情報を取得した場合、告知事項に関する情報に、当該傷病の情報に対応する分類コードの情報を含ませることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の告知情報提供システム。
【請求項6】
前記生成手段は、
前記抽出手段が傷病の情報を取得した場合、告知事項に関する情報に、当該傷病の情報と、対応する診療行為の情報および当該診療行為を実施した年月の情報、または、対応する医薬品の情報および当該医薬品を投与した年月もしくは調剤した年月の情報と、を含ませ、
前記抽出手段が所定の治療歴に該当する診療行為の情報を抽出した場合、告知事項に関する情報に、当該診療行為の情報と、当該診療行為を実施した年月の情報と、を含ませる、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の告知情報提供システム。
【請求項7】
前記抽出手段は、前記取得手段が取得した情報に基づき、入院歴抽出処理をさらに実行し、
前記入院歴抽出処理は、所定の入院歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶した入院歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為の情報から、所定の入院歴に該当する診療行為の情報を抽出する処理であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の告知情報提供システム。
【請求項8】
前記生成手段は、前記抽出手段が所定の入院歴に該当する診療行為の情報を抽出した場合、告知事項に関する情報に、当該診療行為の情報と、入院年月日および退院年月日の情報と、を含ませることを特徴とする請求項7に記載の告知情報提供システム。
【請求項9】
前記生成手段が告知事項に関する情報に含ませる診療行為の情報は、診療行為の名称の情報、診療行為コードの情報および点数表区分番号の情報の少なくとも1つであり、
前記生成手段が告知事項に関する情報に含ませる医薬品の情報は、医薬品の名称の情報、医薬品コードの情報および薬価基準コードの情報の少なくとも1つである、
ことを特徴とする請求項6または請求項8に記載の告知情報提供システム。
【請求項10】
医療機関で発行されたレセプトに記載された診療行為に関する情報および医薬品に関する情報を提供する情報提供等記録開示システムに接続された保険加入受付システムであって、
保険申込者が使用する端末からオンラインで保険加入の申込を受け付ける申込受付手段と、
前記申込受付手段が保険加入の申込を受け付けた場合に、前記情報提供等記録開示システムから診療行為に関する情報および医薬品に関する情報の少なくとも一方を、一の保険申込者について取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した情報に基づき、傷病歴抽出処理および治療歴抽出処理の少なくとも一方を実行する抽出手段と、
前記取得手段および前記抽出手段が取得した情報に基づき、告知事項に関する情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した告知事項に関する情報を前記端末に表示させる表示手段と、を備え、
前記傷病歴抽出処理は、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報と、所定の傷病の情報とを対応づけたリストを記憶した傷病歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為または医薬品の情報から、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報を抽出するとともに、抽出した情報に含まれる診療行為または医薬品に対応する傷病の情報を取得する処理であり、
前記治療歴抽出処理は、所定の治療歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶した治療歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為の情報から、所定の治療歴に該当する診療行為の情報を抽出する処理である、
ことを特徴とする保険加入受付システム。
【請求項11】
前記端末に表示させた告知事項に関する情報について、保険申込者による承認を受け付ける承認受付手段をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の保険加入受付システム。
【請求項12】
医療機関で発行されたレセプトに記載された診療行為に関する情報および医薬品に関する情報を提供する情報提供等記録開示システムと、保険申込者が使用する端末からオンラインで保険加入の申込を受け付ける申込処理システムと、に接続された告知情報提供システムによる告知情報提供方法であって、
前記申込処理システムから保険契約に必要な告知事項に関する情報の提供を要求された場合に、前記情報提供等記録開示システムから診療行為に関する情報および医薬品に関する情報の少なくとも一方を、一の保険申込者について取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した情報に基づき、傷病歴抽出処理および治療歴抽出処理の少なくとも一方を実行する抽出ステップと、
前記取得ステップおよび前記抽出ステップで取得した情報に基づき、告知事項に関する情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成した告知事項に関する情報を前記申込処理システムに提供する情報提供ステップと、を有し、
前記傷病歴抽出処理は、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報と、所定の傷病の情報とを対応づけたリストを記憶した傷病歴判定マスタを参照して、前記取得ステップで取得した診療行為または医薬品の情報から、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報を抽出するとともに、抽出した情報に含まれる診療行為または医薬品に対応する傷病の情報を取得する処理であり、
前記治療歴抽出処理は、所定の治療歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶した治療歴判定マスタを参照して、前記取得ステップで取得した診療行為の情報から、所定の治療歴に該当する診療行為の情報を抽出する処理である、
ことを特徴とする告知情報提供方法。
【請求項13】
医療機関で発行されたレセプトに記載された診療行為に関する情報および医薬品に関する情報を提供する情報提供等記録開示システムと、保険申込者が使用する端末からオンラインで保険加入の申込を受け付ける申込処理システムと、に接続されたコンピュータを告知情報提供システムとして機能させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記申込処理システムから保険契約に必要な告知事項に関する情報の提供を要求された場合に、前記情報提供等記録開示システムから診療行為に関する情報および医薬品に関する情報の少なくとも一方を、一の保険申込者について取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した情報に基づき、傷病歴抽出処理および治療歴抽出処理の少なくとも一方を実行する抽出手段と、
前記取得手段および前記抽出手段が取得した情報に基づき、告知事項に関する情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した告知事項に関する情報を前記申込処理システムに提供する情報提供手段として機能させ、
前記傷病歴抽出処理は、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報と、所定の傷病の情報とを対応づけたリストを記憶した傷病歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為または医薬品の情報から、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報を抽出するとともに、抽出した情報に含まれる診療行為または医薬品に対応する傷病の情報を取得する処理であり、
前記治療歴抽出処理は、所定の治療歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶した治療歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為の情報から、所定の治療歴に該当する診療行為の情報を抽出する処理である、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、告知情報提供システム、保険加入受付システム、告知情報提供方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保険加入の申込にあたり、治療歴や傷病歴等の告知は、保険申込者自身が告知書に記入して提出したり、オンライン上で入力して送信したりして行う必要があった(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“医療保険・生命保険の告知|告知の必要性と告知義務違反のリスク”,[online],2020年6月19日,アクサダイレクト生命保険株式会社公式ホームページ,[令和3年12月21日検索],インターネット<URL:https://www.axa-direct-life.co.jp/knowledge/fpcolumn/medical/13.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
正確な告知を行うことは、保険加入者間の公平性を保つという観点から重要なことではあるが、保険申込者にとっては煩わしさを感じる場合もある。このため、例えば、保険申込者が告知事項の記入や入力の途中で保険加入の申込を断念してしまう可能性もあり、その場合には、保険会社にとっては顧客獲得の機会を失ってしまうという不利益が生じるし、何よりも保険申込者にとっては必要な保険に加入できないという不利益が生じる。
【0005】
ところで、近年、個人情報を、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)(マイナンバー法)に基づいて設置された情報提供等記録開示システム(マイナポータル(登録商標))から本人がオンラインで取得し、確認できるようにする仕組み作りが進められている。そして、その一環として、処方箋に基づいて調剤された医薬品に関する情報(薬剤情報)や、特定健診に関する情報(特定健診情報)等を情報提供等記録開示システムから本人や、本人の同意を得た医療機関、事業者等が取得し、確認、利用できるようにする仕組み作りも進められている。さらに、病院で実施された手術等の診療行為に関する情報を情報提供等記録開示システムから取得できるようにする計画もあり、確認、利用できるようになる個人情報の幅は広がっていく。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、保険申込者が保険加入の申込にあたって感じる煩わしさを低減することができる告知情報提供システム、保険加入受付システム、告知情報提供方法およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するための告知情報提供システムは、医療機関で発行されたレセプトに記載された診療行為に関する情報および医薬品に関する情報を提供する情報提供等記録開示システムと、保険申込者が使用する端末からオンラインで保険加入の申込を受け付ける申込処理システムと、に接続された告知情報提供システムであって、前記申込処理システムから保険契約に必要な告知事項に関する情報の提供を要求された場合に、前記情報提供等記録開示システムから診療行為に関する情報および医薬品に関する情報の少なくとも一方を、一の保険申込者について取得する取得手段と、前記取得手段が取得した情報に基づき、傷病歴抽出処理および治療歴抽出処理の少なくとも一方を実行する抽出手段と、前記取得手段および前記抽出手段が取得した情報に基づき、告知事項に関する情報を生成する生成手段と、前記生成手段が生成した告知事項に関する情報を前記申込処理システムに提供する情報提供手段と、を備え、前記傷病歴抽出処理は、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報と、所定の傷病の情報とを対応づけたリストを記憶した傷病歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為または医薬品の情報から、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報を抽出するとともに、抽出した情報に含まれる診療行為または医薬品に対応する傷病の情報を取得する処理であり、前記治療歴抽出処理は、所定の治療歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶した治療歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為の情報から、所定の治療歴に該当する診療行為の情報を抽出する処理である、ことを特徴とする。
【0008】
このようなシステムによれば、保険加入の申込にあたり、保険申込者自身が告知事項に関する情報、すなわち、傷病の情報や治療歴の情報を調べたり、入力したりする必要がなくなる。これにより、保険申込者が保険加入の申込にあたって感じる煩わしさを低減することができる。
【0009】
また、前記情報提供等記録開示システムは、健診に関する情報を提供可能であり、前記抽出手段が取得した傷病の情報が特定の傷病を示す情報である場合、前記取得手段は、前記情報提供等記録開示システムが提供可能な健診に関する情報のうち、少なくとも前記特定の傷病に関連する健診結果の情報を、前記一の保険申込者について取得し、前記生成手段は、告知事項に関する情報に、前記取得手段が取得した健診結果の情報と、前記抽出手段が取得した特定の傷病の情報と、を含ませる構成としてもよい。
【0010】
これによれば、保険加入の申込にあたり、保険申込者自身が健診結果の情報を調べたり、入力したりする必要がなくなる。これにより、保険申込者が保険加入の申込にあたって感じる煩わしさを低減することができる。
【0011】
また、前記抽出手段は、健診結果に基づく健康状態の情報を記憶した健康状態判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した健診結果の情報から、前記一の保険申込者の健康状態の情報を取得し、前記生成手段は、告知事項に関する情報に、前記抽出手段が取得した健康状態の情報を含ませる構成としてもよい。
【0012】
また、前記傷病歴判定マスタは、所定の傷病の情報のうち所定の合併症の情報と、所定の合併症の原因となる原因傷病があることを示す情報とを対応させて記憶しており、前記抽出手段が取得した傷病の情報が、原因傷病を示す情報と、当該原因傷病に対応する合併症を示す情報とを含む場合、前記抽出手段は、前記傷病歴判定マスタを参照して、当該合併症について原因傷病があることを示す情報を取得し、前記生成手段は、告知事項に関する情報に、前記抽出手段が取得した、合併症の情報と、当該合併症について原因傷病があることを示す情報と、を含ませる構成としてもよい。
【0013】
また、前記傷病歴判定マスタは、傷病を所定のグループに分類するための分類コードを、傷病の情報に対応させて記憶しており、前記生成手段は、前記抽出手段が傷病の情報を取得した場合、告知事項に関する情報に、当該傷病の情報に対応する分類コードの情報を含ませる構成としてもよい。
【0014】
また、前記生成手段は、前記抽出手段が傷病の情報を取得した場合、告知事項に関する情報に、当該傷病の情報と、対応する診療行為の情報および当該診療行為を実施した年月の情報、または、対応する医薬品の情報および当該医薬品を投与した年月もしくは調剤した年月の情報と、を含ませ、前記抽出手段が所定の治療歴に該当する診療行為の情報を抽出した場合、告知事項に関する情報に、当該診療行為の情報と、当該診療行為を実施した年月の情報と、を含ませる構成としてもよい。
【0015】
また、前記抽出手段は、前記取得手段が取得した情報に基づき、入院歴抽出処理をさらに実行する構成としてもよく、この場合、前記入院歴抽出処理は、所定の入院歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶した入院歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為の情報から、所定の入院歴に該当する診療行為の情報を抽出する処理である。
【0016】
これによれば、保険加入の申込にあたり、保険申込者自身が入院歴の情報を調べたり、入力したりする必要がなくなる。これにより、保険申込者が保険加入の申込にあたって感じる煩わしさを低減することができる。
【0017】
また、前記生成手段は、前記抽出手段が所定の入院歴に該当する診療行為の情報を抽出した場合、告知事項に関する情報に、当該診療行為の情報と、入院年月日および退院年月日の情報と、を含ませる構成としてもよい。
【0018】
また、前記生成手段が告知事項に関する情報に含ませる診療行為の情報は、診療行為の名称の情報、診療行為コードの情報および点数表区分番号の情報の少なくとも1つであり、前記生成手段が告知事項に関する情報に含ませる医薬品の情報は、医薬品の名称の情報、医薬品コードの情報および薬価基準コードの情報の少なくとも1つである構成としてもよい。
【0019】
また、前記した目的を達成するための保険加入受付システムは、医療機関で発行されたレセプトに記載された診療行為に関する情報および医薬品に関する情報を提供する情報提供等記録開示システムに接続された保険加入受付システムであって、保険申込者が使用する端末からオンラインで保険加入の申込を受け付ける申込受付手段と、前記申込受付手段が保険加入の申込を受け付けた場合に、前記情報提供等記録開示システムから診療行為に関する情報および医薬品に関する情報の少なくとも一方を、一の保険申込者について取得する取得手段と、前記取得手段が取得した情報に基づき、傷病歴抽出処理および治療歴抽出処理の少なくとも一方を実行する抽出手段と、前記取得手段および前記抽出手段が取得した情報に基づき、告知事項に関する情報を生成する生成手段と、前記生成手段が生成した告知事項に関する情報を前記端末に表示させる表示手段と、を備え、前記傷病歴抽出処理は、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報と、所定の傷病の情報とを対応づけたリストを記憶した傷病歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為または医薬品の情報から、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報を抽出するとともに、抽出した情報に含まれる診療行為または医薬品に対応する傷病の情報を取得する処理であり、前記治療歴抽出処理は、所定の治療歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶した治療歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為の情報から、所定の治療歴に該当する診療行為の情報を抽出する処理である、ことを特徴とする。
【0020】
このようなシステムによれば、保険加入の申込にあたり、保険申込者自身が告知事項に関する情報、すなわち、傷病の情報や治療歴の情報を調べたり、入力したりする必要がなくなる。これにより、保険申込者が保険加入の申込にあたって感じる煩わしさを低減することができる。
【0021】
また、保険加入受付システムは、前記端末に表示させた告知事項に関する情報について、保険申込者による承認を受け付ける承認受付手段をさらに備える構成としてもよい。
【0022】
また、前記した目的を達成するための告知情報提供方法は、医療機関で発行されたレセプトに記載された診療行為に関する情報および医薬品に関する情報を提供する情報提供等記録開示システムと、保険申込者が使用する端末からオンラインで保険加入の申込を受け付ける申込処理システムと、に接続された告知情報提供システムによる告知情報提供方法であって、前記申込処理システムから保険契約に必要な告知事項に関する情報の提供を要求された場合に、前記情報提供等記録開示システムから診療行為に関する情報および医薬品に関する情報の少なくとも一方を、一の保険申込者について取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した情報に基づき、傷病歴抽出処理および治療歴抽出処理の少なくとも一方を実行する抽出ステップと、前記取得ステップおよび前記抽出ステップで取得した情報に基づき、告知事項に関する情報を生成する生成ステップと、前記生成ステップで生成した告知事項に関する情報を前記申込処理システムに提供する情報提供ステップと、を有し、前記傷病歴抽出処理は、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報と、所定の傷病の情報とを対応づけたリストを記憶した傷病歴判定マスタを参照して、前記取得ステップで取得した診療行為または医薬品の情報から、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報を抽出するとともに、抽出した情報に含まれる診療行為または医薬品に対応する傷病の情報を取得する処理であり、前記治療歴抽出処理は、所定の治療歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶した治療歴判定マスタを参照して、前記取得ステップで取得した診療行為の情報から、所定の治療歴に該当する診療行為の情報を抽出する処理である、ことを特徴とする。
【0023】
このような方法によれば、保険加入の申込にあたり、保険申込者自身が告知事項に関する情報、すなわち、傷病の情報や治療歴の情報を調べたり、入力したりする必要がなくなる。これにより、保険申込者が保険加入の申込にあたって感じる煩わしさを低減することができる。
【0024】
また、前記した目的を達成するためのコンピュータプログラムは、医療機関で発行されたレセプトに記載された診療行為に関する情報および医薬品に関する情報を提供する情報提供等記録開示システムと、保険申込者が使用する端末からオンラインで保険加入の申込を受け付ける申込処理システムと、に接続されたコンピュータを告知情報提供システムとして機能させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記申込処理システムから保険契約に必要な告知事項に関する情報の提供を要求された場合に、前記情報提供等記録開示システムから診療行為に関する情報および医薬品に関する情報の少なくとも一方を、一の保険申込者について取得する取得手段と、前記取得手段が取得した情報に基づき、傷病歴抽出処理および治療歴抽出処理の少なくとも一方を実行する抽出手段と、前記取得手段および前記抽出手段が取得した情報に基づき、告知事項に関する情報を生成する生成手段と、前記生成手段が生成した告知事項に関する情報を前記申込処理システムに提供する情報提供手段として機能させ、前記傷病歴抽出処理は、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報と、所定の傷病の情報とを対応づけたリストを記憶した傷病歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為または医薬品の情報から、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報を抽出するとともに、抽出した情報に含まれる診療行為または医薬品に対応する傷病の情報を取得する処理であり、前記治療歴抽出処理は、所定の治療歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶した治療歴判定マスタを参照して、前記取得手段が取得した診療行為の情報から、所定の治療歴に該当する診療行為の情報を抽出する処理である、ことを特徴とする。
【0025】
このようなプログラムによれば、保険加入の申込にあたり、保険申込者自身が告知事項に関する情報、すなわち、傷病の情報や治療歴の情報を調べたり、入力したりする必要がなくなる。これにより、保険申込者が保険加入の申込にあたって感じる煩わしさを低減することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、保険申込者が保険加入の申込にあたって感じる煩わしさを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態に係る保険加入受付システム、保険申込者が使用する端末および情報提供等記録開示システムを示す図である。
図2】治療歴判定マスタの一例を説明する図である。
図3】入院歴判定マスタの一例を説明する図である。
図4】傷病歴判定マスタの一例を説明する図である。
図5】告知情報提供システムにおける処理の第1の例を説明する図である。
図6】告知情報提供システムにおける処理の第2の例を説明する図である。
図7】告知情報提供システムにおける処理の第3の例を説明する図である。
図8】告知情報提供システムにおける処理の第4の例を説明する図である。
図9】保険加入受付システム、保険申込者が使用する端末および情報提供等記録開示システムの動作の一例を説明するフローチャートであり、保険申込者が情報提供等記録開示システムの利用者登録をしている場合を示す。
図10】保険加入受付システム、保険申込者が使用する端末および情報提供等記録開示システムの動作の一例を説明するフローチャートであり、保険申込者が情報提供等記録開示システムの利用者登録をしていない場合を示す。
図11】保険加入受付システム、保険申込者が使用する端末および情報提供等記録開示システムの動作の一例を説明する、図9または図10に続くフローチャートである。
図12】保険申込者が使用する端末に表示される、ログイン画面の一例を示す図(a)と、保険の加入申込画面の一例を示す図(b)である。
図13】保険申込者が使用する端末に表示される、利用者登録確認画面の一例を示す図(a)と、医療情報取得の同意確認画面の一例を示す図(b)である。
図14】保険申込者が使用する端末に表示される、パスワード入力画面の一例を示す図(a)と、個人番号カードの読取完了画面の一例を示す図(b)である。
図15】保険申込者が使用する端末に表示される、利用者登録実施画面の一例を示す図(a)と、利用者登録の同意確認画面の一例を示す図(b)である。
図16】保険申込者が使用する端末に表示される、利用者登録完了通知画面の一例を示す図(a)と、医療情報取得完了通知画面の一例を示す図(b)である。
図17】保険申込者が使用する端末に表示される、特定健診情報取得通知画面の一例を示す図(a)と、告知内容確認画面の一例を示す図(b)である。
図18】保険申込者が使用する端末に表示される、告知内容確認画面の他の例を示す図(a)と、保険加入申込の受付完了画面の一例を示す図(b)である。
図19】健康状態判定マスタの一例を説明する図である。
図20】傷病歴判定マスタの変形例を説明する図である。
図21】変形例に係る告知情報提供システムにおける処理の一例を説明する図である。
図22】変形例に係る告知情報提供システムにおける処理の一例を説明する、図21に続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、実施形態に係る保険加入受付システム1は、オンラインで保険加入の申込を受け付けるシステムである。保険加入受付システム1は、インターネット等のネットワークを通じて、保険加入を希望する保険申込者が使用する端末2と、情報提供等記録開示システム3とに接続されている。
【0029】
保険申込者が使用する端末(以下、「保険申込者の端末」ともいう。)2は、一例として、スマートフォンである。
【0030】
情報提供等記録開示システム3は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)に基づいて設置された情報提供等記録開示システムであり、マイナポータルとも呼ばれている。情報提供等記録開示システム3は、本人や、本人の同意を得た事業者等からオンラインで情報取得要求を受けた場合に、行政機関等の情報提供者に情報提供要求を行い、情報提供者から情報提供者が保有する情報を取得する。そして、情報提供等記録開示システム3は、情報提供者から取得した情報を本人等にオンラインで提供する。
【0031】
情報提供等記録開示システム(以下、「マイナポータル」という。)3は、病院、診療所、薬局等の医療機関で発行されたレセプトに記載された診療行為に関する情報および医薬品に関する情報を提供可能である。診療行為に関する情報や医薬品に関する情報は、情報提供者である社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険中央会(以下、「支払基金・国保中央会」という。)が管理するオンライン資格確認等システムに蓄積されている。
【0032】
詳しくは、病院、診療所等は、手術、処置、入院等の診療行為に関する情報や、診療行為に伴って使用した医薬品に関する情報を含む医科レセプトを作成し、また、薬局は、処方箋に基づいて調剤した医薬品に関する情報を含む調剤レセプトを作成する。そして、病院、診療所、薬局等の医療機関は、作成したレセプト(レセプトデータ)を診療月または調剤月の翌月の所定の期日までに支払基金・国保中央会が管理するオンライン請求システムに送信する。オンライン請求システムに送信されたレセプトデータに含まれる診療行為に関する情報や医薬品に関する情報は、オンライン資格確認等システムに登録され、蓄積される。
【0033】
また、病院、診療所等は、電子処方箋を発行し、電子処方箋管理サービス運営主体が管理する電子処方箋管理サービスに登録する。そして、薬局は、電子処方箋管理サービスに登録された電子処方箋を取得して調剤を行い、調剤済みの電子処方箋を電子処方箋管理サービスに登録する。調剤済みの電子処方箋に含まれる医薬品に関する情報は、オンライン資格確認等システムに登録され、蓄積される。
【0034】
マイナポータル3は、保険加入受付システム1から情報取得要求を受けた場合に、オンライン資格確認等システムに情報提供要求を行い、オンライン資格確認等システムから診療行為に関する情報および医薬品に関する情報を取得する。そして、マイナポータル3は、オンライン資格確認等システムから取得した診療行為に関する情報および医薬品に関する情報を保険加入受付システム1に提供する。
【0035】
診療行為に関する情報(以下、「診療行為情報」という。)は、例えば、公的医療保険加入者の氏名、生年月日、男女区分、診療年月、診療行為を実施した医療機関のコード、診療行為を実施した医療機関の名称、診療日(診療年月日または実施年月日)、入院年月日、退院年月日、診療行為コード、診療行為の名称、回数、点数表区分番号等の情報を含む。
【0036】
医薬品に関する情報(以下、「医薬品情報」という。)は、医科レセプトに基づく場合、例えば、公的医療保険加入者の氏名、生年月日、男女区分、診療年月、医薬品を使用した医療機関のコード、医薬品を使用した医療機関の名称、診療日(診療年月日または実施年月日)、医薬品コード、医薬品の名称、使用量、回数、薬価基準コード等の情報を含む。
【0037】
また、医薬品情報は、調剤レセプトに基づく場合、例えば、公的医療保険加入者の氏名、生年月日、男女区分、診療年月、調剤した医療機関(薬局等)のコード、調剤した医療機関の名称、処方箋を発行した医療機関(病院、診療所等)のコード、処方箋を発行した医療機関の名称、調剤日(診療年月日、調剤年月日または実施年月日)、処方箋の発行年月日、用法名称、特別指示、医薬品コード、医薬品の名称、単位、使用量、1回用量、回数、調剤単位、薬価基準コード等の情報を含む。
【0038】
また、マイナポータル3は、健診(健康診査、健康診断)に関する情報の一例としての特定健診に関する情報を提供可能である。特定健診に関する情報も、オンライン資格確認等システムに蓄積されている。特定健診に関する情報は、健診を実施した健診機関(特定健診機関)から、健康保険事業の運営主体である自治体、健康保険組合等の保険者に提供され、保険者から特定健診等データ管理システムまたは中間サーバを介してオンライン資格確認等システムに登録され、蓄積される。
【0039】
マイナポータル3は、保険加入受付システム1から情報取得要求を受けた場合に、オンライン資格確認等システムに情報提供要求を行い、オンライン資格確認等システムから特定健診に関する情報を取得する。そして、マイナポータル3は、オンライン資格確認等システムから取得した特定健診に関する情報を保険加入受付システム1に提供する。
【0040】
特定健診に関する情報(以下、「特定健診情報」ともいう。)は、例えば、健康保険加入者の氏名、生年月日、男女区分、実施年月日、特定健診機関番号、特定健診機関名称、健診結果等の情報を含む。健診結果の情報は、例えば、身長、体重、腹囲、収縮期血圧、拡張期血圧、GOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GT(γ-GTP)、血糖値、HbA1c、尿蛋白、血清クレアチニン、eGFR等を含む。
【0041】
保険加入受付システム1は、申込処理システム10と、告知情報提供システム20とを備えて構成されている。一例として、申込処理システム10は、保険会社が管理するサーバであり、告知情報提供システム20は、保険会社に情報を提供するサービスを実施する事業者が管理するサーバである。
【0042】
申込処理システム10は、保険申込者が使用する端末2からオンラインで保険加入の申込を受け付けるシステムである。申込処理システム10は、図示しないCPU、RAM、ROM等と、記憶装置19を備えるコンピュータからなり、ネットワークを通じて、保険申込者の端末2と、告知情報提供システム20とに接続されている。
【0043】
申込処理システム10は、申込受付手段11と、告知情報取得手段12と、承認受付手段13と、表示手段14とを備える。申込処理システム10は、ROMや記憶装置19に記憶させておいたコンピュータプログラムをRAMに読み込んで実行することで各手段を実現する。言い換えると、コンピュータプログラムは、端末2と告知情報提供システム20とに接続されたコンピュータを、申込処理システム10として機能させる。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータを、申込受付手段11と、告知情報取得手段12と、承認受付手段13と、表示手段14として機能させる。
【0044】
申込受付手段11は、保険申込者が使用する端末2からオンラインで保険加入の申込を受け付ける。申込受付手段11は、保険申込者の端末2から保険加入の申込を受け付けた場合、保険申込者にマイナポータル3を利用するための利用者登録をしているか否かを確認させる画面(図13(a)参照)を、表示手段14によって保険申込者の端末2に表示させる。
【0045】
保険申込者が端末2を操作してマイナポータル3の利用者登録をしていると選択した場合、申込受付手段11は、告知情報提供システム20を介してマイナポータル3に連携サービスの利用を要求する。
【0046】
保険申込者が端末2を操作してマイナポータル3の利用者登録をしていない(未登録である)と選択した場合、申込受付手段11は、マイナポータル3の利用者登録を実施することを通知する画面(図15(a)参照)を、表示手段14によって保険申込者の端末2に表示させる。そして、保険申込者が端末2を操作してマイナポータル3の利用者登録を要求した場合、申込受付手段11は、告知情報提供システム20を介してマイナポータル3に利用者登録を要求する。
【0047】
告知情報取得手段12は、告知情報提供システム20から、後述する生成手段23が生成した、保険申込者の過去の治療歴、入院歴、傷病歴等の保険契約に必要な、告知事項に関する情報(以下、「告知情報」ともいう。)を取得する。詳しくは、告知情報取得手段12は、告知情報提供システム20を介してマイナポータル3から、保険申込者の本人確認が完了した旨の情報、または、保険申込者の利用者登録が完了した旨の情報を受信した場合、告知情報提供システム20に告知情報の提供を要求する。これにより、告知情報提供システム20から告知情報が提供され、告知情報取得手段12は、提供された告知情報を取得する。
【0048】
承認受付手段13は、告知情報取得手段12が取得した告知情報を、保険申込者に確認させる画面(図17(b)、図18(a)参照)を、表示手段14によって保険申込者の端末2に表示させ、端末2に表示させた告知情報について、保険申込者による承認を受け付ける。承認受付手段13は、保険申込者による承認を受け付けた場合、保険申込者の端末2に保険加入申込の受付が完了したことを通知する画面(図18(b)参照)を、表示手段14によって保険申込者の端末2に表示させる。
【0049】
表示手段14は、例えば、告知情報を保険申込者に確認させる画面等の所定の画面を保険申込者の端末2のディスプレイDSPに表示させる。
【0050】
告知情報提供システム20は、保険申込者の過去の治療歴、入院歴、傷病歴等の告知情報を申込処理システム10に提供するシステムである。告知情報提供システム20は、図示しないCPU、RAM、ROM等と、記憶装置29を備えるコンピュータからなり、ネットワークを通じて、マイナポータル3と、申込処理システム10とに接続されている。
【0051】
記憶装置29には、治療歴判定マスタと、入院歴判定マスタと、傷病歴判定マスタとが記憶されている。
【0052】
図2に示すように、治療歴判定マスタは、所定の治療歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶したテーブルとして構成されている。ここで、所定の治療歴とは、保険の加入に際して、告知事項として必要とされる手術、処置等の治療歴である。また、本実施形態において、診療行為は、厚生労働省が定める医科診療行為マスタに収載された診療行為である。治療歴判定マスタは、医科診療行為マスタに収載された診療行為の情報と、治療歴該当フラグとを対応させて記憶している。
【0053】
診療行為の情報は、一例として、医科診療行為マスタに収載された診療行為コードの情報と、点数表区分番号の情報と、診療行為の名称の情報である。
治療歴該当フラグは、対応する診療行為が所定の治療歴に該当するか否かを判定するためのフラグである。
【0054】
治療歴判定マスタには、例えば、「脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成)」のように、所定の治療歴に該当すると判定する診療行為に対応させて治療歴該当フラグ「1」が記憶されている。また、治療歴判定マスタには、例えば、「脊髄誘発電位測定等加算(脳、脊椎、脊髄又は大動脈瘤の手術)」のように、所定の治療歴に該当しないと判定する診療行為に対応させて治療歴該当フラグ「0」が記憶されている。治療歴判定マスタは、保険契約の内容等に応じて、治療歴該当フラグが設定されている。
【0055】
図3に示すように、入院歴判定マスタは、所定の入院歴に該当する診療行為の情報のリストを記憶したテーブルとして構成されている。ここで、所定の入院歴とは、保険の加入に際して、告知事項として必要とされる入院歴である。入院歴判定マスタは、医科診療行為マスタに収載された診療行為の情報と、入院歴該当フラグとを対応させて記憶している。
【0056】
診療行為の情報は、一例として、医科診療行為マスタに収載された診療行為コードの情報と、点数表区分番号の情報と、診療行為の名称の情報である。
入院歴該当フラグは、対応する診療行為が所定の入院歴に該当するか否かを判定するためのフラグである。
【0057】
入院歴判定マスタには、例えば、「急性期一般入院料2(夜勤時間特別入院基本料)」のように、所定の入院歴に該当すると判定する診療行為に対応させて入院歴該当フラグ「1」が記憶されている。また、入院歴判定マスタには、例えば、「特定時間退院減算(一般病棟入院基本料)」のように、所定の入院歴に該当しないと判定する診療行為に対応させて入院歴該当フラグ「0」が記憶されている。入院歴判定マスタは、保険契約の内容等に応じて、入院歴該当フラグが設定されている。
【0058】
図4に示すように、傷病歴判定マスタは、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報と、所定の傷病の情報とを対応づけたリストを記憶したテーブルとして構成されている。ここで、所定の傷病とは、保険の加入に際して、告知事項として必要とされる傷病である。また、本実施形態において、医薬品は、厚生労働省が定める医薬品マスタに収載された医薬品である。
【0059】
診療行為の情報は、一例として、医科診療行為マスタに収載された診療行為コードの情報と、点数表区分番号の情報と、診療行為の名称の情報である。医薬品の情報は、一例として、医薬品マスタに収載された医薬品コードの情報と、薬価基準コードの情報と、医薬品の名称の情報である。
【0060】
傷病の情報は、一例として、病気の情報である。詳しくは、病気の情報は、厚生労働省が定める傷病名マスタに収載された傷病名コードの情報と、傷病名(病名)の情報である。
【0061】
傷病歴判定マスタには、例えば、診療行為「結腸ポリープ切除術(開腹)」に対応させて傷病(病気)の情報、具体的には、傷病名コード「2113008」と、病名「大腸ポリープ」が記憶されている。また、傷病歴判定マスタには、例えば、医薬品「ノボリンR注 100単位/mL」に対応させて傷病の情報、具体的には、傷病名コード「2500013」と、病名「糖尿病」が記憶されている。傷病歴判定マスタは、保険契約の内容等に応じて、傷病の情報が設定されている。
【0062】
なお、図4では、一の診療行為または一の医薬品に対して病気の情報が1つだけ対応して記憶されている例を示しているが、一の診療行為または一の医薬品に対して複数の病気の情報が対応して記憶されている場合もある。
【0063】
また、本実施形態では、けがの治療等のように、診療行為に対応する病気の情報がない場合、マスタの格納領域に、傷病名コードの情報と、病名の情報は記憶されていない。例えば、診療行為「脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成)」について、対応する格納領域に、傷病名コードの情報と、病名の情報は記憶されていない。図面では、便宜上、情報が記憶されていない格納領域を「-」で表している。
【0064】
傷病歴判定マスタは、傷病(病気)を所定のグループに分類するための分類コードの情報を、傷病の情報に対応させてさらに記憶している。本実施形態では、一例として、病気を9つのグループに分類している。すなわち、分類コード「01」は、「心臓・血圧」に関する病気であり、分類コード「02」は、「脳」に関する病気であり、分類コード「03」は、肺や気管支等の「呼吸器」に関する病気である。また、分類コード「04」は、胃、腸、膵臓等の「消化器」に関する病気であり、分類コード「05」は、「肝臓」に関する病気であり、分類コード「06」は、「腎臓」に関する病気である。また、分類コード「07」は、「目」に関する病気であり、分類コード「08」は、「癌・腫瘍」に関する病気であり、分類コード「09」は、「糖尿病」に関する病気である。
【0065】
傷病歴判定マスタでは、例えば、「脳卒中」に対応させて分類コード「02」と分類「脳」が記憶され、「緑内障」に対応させて分類コード「07」と分類「目」が記憶され、「大腸ポリープ」に対応させて分類コード「08」と分類「癌・腫瘍」が記憶されている。
【0066】
また、傷病歴判定マスタは、特定の傷病の情報と、健診コードの情報とを対応させて記憶している。ここで、特定の傷病とは、保険の加入に際して、健診結果の提供が要求される傷病である。
【0067】
本実施形態において、特定の傷病(病気)は、高血圧、肝硬変、糖尿病および腎炎である。そして、傷病歴判定マスタでは、例えば、「高血圧症」と健診コード「G-01」とが対応して記憶され、「糖尿病」と健診コード「G-02」とが対応して記憶され、「肝硬変症」と健診コード「G-03」とが対応して記憶され、「腎炎」と健診コード「G-04」とが対応して記憶されている。傷病歴判定マスタは、保険契約の内容等に応じて、特定の傷病が設定されている。
【0068】
図1に示すように、告知情報提供システム20は、取得手段21と、抽出手段22と、生成手段23と、情報提供手段24とを備える。告知情報提供システム20は、ROMや記憶装置29に記憶させておいたコンピュータプログラムをRAMに読み込んで実行することで各手段を実現する。言い換えると、コンピュータプログラムは、マイナポータル3と申込処理システム10とに接続されたコンピュータを、告知情報提供システム20として機能させる。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータを、取得手段21と、抽出手段22と、生成手段23と、情報提供手段24として機能させる。
【0069】
取得手段21は、申込処理システム10から告知情報の提供を要求された場合に、マイナポータル3から診療行為情報および医薬品情報を、保険加入の申込を行った一の保険申込者について取得する。詳しくは、取得手段21は、申込処理システム10の申込受付手段11が保険申込者の端末2から保険加入の申込を受け付け、告知情報取得手段12から告知情報の提供を要求された場合に、マイナポータル3からAPI連携により診療行為情報および医薬品情報を取得する。
【0070】
取得手段21が取得する診療行為情報は、診療行為ごとの、診療行為コード、診療行為の名称の情報を含む。また、取得手段21が取得する診療行為情報は、診療行為ごとの、診療年月日、または、入院年月日と退院年月日の情報を含む。なお、取得手段21が取得する入院年月日と退院年月日の情報は、入院年月日や退院年月日そのものを示す情報に限定されず、入院した年月日と入院期間を算出可能な情報、例えば、診療行為(入院)初日の診療年月日と、入院日数に相当する当該診療行為の回数の情報等であってもよい。
【0071】
また、取得手段21が取得する医薬品情報は、医薬品ごとの、医薬品コード、医薬品の名称の情報を含む。また、取得手段21が取得する医薬品情報は、診療年月日、または、調剤年月日の情報を含む。
【0072】
抽出手段22は、取得手段21が取得した情報に基づき、治療歴抽出処理、入院歴抽出処理および傷病歴抽出処理を実行する。
【0073】
治療歴抽出処理は、治療歴判定マスタを参照して、取得手段21が取得した診療行為の情報から、所定の治療歴(手術、処置等)に該当する診療行為の情報を抽出する処理である。具体的には、抽出手段22は、治療歴抽出処理において、取得手段21が取得した、診療行為コードの情報、点数表区分番号の情報および診療行為の名称の情報の少なくとも1つから、図2に示したような治療歴判定マスタを参照して、治療歴該当フラグが「1」である、診療行為(手術、処置等)の情報を抽出する。
【0074】
入院歴抽出処理は、入院歴判定マスタを参照して、取得手段21が取得した診療行為の情報から、所定の入院歴に該当する診療行為の情報を抽出する処理である。具体的には、抽出手段22は、入院歴抽出処理において、取得手段21が取得した、診療行為コードの情報、点数表区分番号の情報および診療行為の名称の情報の少なくとも1つから、図3に示したような入院歴判定マスタを参照して、入院歴該当フラグが「1」である、診療行為(入院)の情報を抽出する。
【0075】
傷病歴抽出処理は、傷病歴判定マスタを参照して、取得手段21が取得した診療行為または医薬品の情報から、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報を抽出するとともに、抽出した情報に含まれる診療行為または医薬品に対応する傷病の情報を取得する処理である。
【0076】
具体的には、抽出手段22は、傷病歴抽出処理において、取得手段21が取得した、診療行為コードの情報、点数表区分番号の情報および診療行為の名称の情報の少なくとも1つから、図4に示したような傷病歴判定マスタを参照して、所定の傷病に対応する診療行為の情報を抽出する。さらに、抽出手段22は、抽出した診療行為の情報に含まれる、当該診療行為に対応する傷病名コード、傷病名の情報を取得する。
【0077】
また、抽出手段22は、傷病歴抽出処理において、取得手段21が取得した、医薬品コードの情報、薬価基準コードの情報および医薬品の名称の情報の少なくとも1つから、傷病歴判定マスタを参照して、所定の傷病に対応する医薬品の情報を抽出する。さらに、抽出手段22は、抽出した医薬品の情報に含まれる、当該医薬品為に対応する傷病名コード、傷病名の情報を取得する。
【0078】
抽出手段22は、傷病歴判定マスタに、取得した傷病の情報に対応する分類コードと分類の情報が記憶されている場合は、傷病の情報とともに、対応する分類コード、分類の情報を取得する。また、抽出手段22は、傷病歴判定マスタに、取得した傷病の情報に対応して健診コードの情報が記憶されている場合は、傷病の情報とともに、対応する健診コードの情報を取得する。
【0079】
本実施形態では、抽出手段22が取得した傷病の情報が特定の傷病を示す情報である場合、取得手段21は、マイナポータル3が提供可能な特定健診情報のうち、少なくとも当該特定の傷病に関連する健診結果の情報を、マイナポータル3から、保険加入の申込を行った一の保険申込者について取得する。
【0080】
詳しくは、抽出手段22が取得した病気の情報が高血圧を示す情報である場合、具体的には、抽出手段22が健診コード「G-01」を取得した場合、取得手段21は、マイナポータル3から、特定健診情報のうち、健診を実施した実施年月日の情報と、健診結果の情報としての収縮期血圧値、拡張期血圧値の情報を取得する。
【0081】
また、抽出手段22が取得した病気の情報が糖尿病を示す情報である場合、具体的には、抽出手段22が健診コード「G-02」を取得した場合、取得手段21は、マイナポータル3から、特定健診情報のうち、実施年月日の情報と、健診結果の情報としての血糖値、HbA1c値の情報を取得する。
【0082】
また、抽出手段22が取得した病気の情報が肝硬変を示す情報である場合、具体的には、抽出手段22が健診コード「G-03」を取得した場合、取得手段21は、マイナポータル3から、特定健診情報のうち、実施年月日の情報と、健診結果の情報としてのGOT(AST)値、GPT(ALT)値、γ-GT(γ-GTP)値の情報を取得する。
【0083】
また、抽出手段22が取得した病気の情報が腎炎を示す情報である場合、具体的には、抽出手段22が健診コード「G-04」を取得した場合、取得手段21は、マイナポータル3から、特定健診情報のうち、実施年月日の情報と、健診結果の情報としての尿蛋白、血清クレアチニン値、eGFRの情報を取得する。
【0084】
生成手段23は、取得手段21および抽出手段22が取得した情報に基づき、告知情報を生成する。
【0085】
詳しくは、生成手段23は、抽出手段22が所定の治療歴に該当する診療行為(手術、処置等)の情報を抽出した場合、告知情報に、当該診療行為の情報と、当該診療行為を実施した年月日(診療年月日)の情報とを含ませる。ここで、本実施形態において、生成手段23が告知情報に含ませる診療行為の情報は、診療行為の名称の情報、診療行為コードの情報および点数表区分番号の情報である。
【0086】
また、生成手段23は、抽出手段22が所定の入院歴に該当する診療行為(入院)の情報を抽出した場合、告知情報に、当該診療行為の情報と、入院年月日および退院年月日の情報とを含ませる。
【0087】
また、生成手段23は、抽出手段22が、取得手段21が取得した診療行為情報から傷病(病気)の情報を取得した場合、告知情報に、当該傷病の情報と、対応する診療行為の情報および当該診療行為を実施した年月日(診療年月日)の情報と、当該傷病の情報に対応する分類コード、分類の情報とを含ませる。
【0088】
また、生成手段23は、抽出手段22が、取得手段21が取得した医薬品情報から傷病(病気)の情報を取得した場合、告知情報に、当該傷病の情報と、対応する医薬品の情報および当該医薬品を投与した年月日(診療年月日)もしくは調剤した年月日(調剤年月日)の情報と、当該傷病の情報に対応する分類コード、分類の情報とを含ませる。ここで、本実施形態において、生成手段23が告知情報に含ませる医薬品の情報は、医薬品の名称の情報、医薬品コードの情報および薬価基準コードの情報である。
【0089】
また、本実施形態では、抽出手段22が取得した傷病の情報が特定の傷病(病気)を示す情報である場合、生成手段23は、告知情報に、取得手段21がマイナポータル3から取得した健診結果の情報と、抽出手段22が取得した特定の傷病(病気)の情報とを含ませる。
【0090】
詳しくは、抽出手段22が取得した病気の情報が高血圧を示す情報である場合、具体的には、抽出手段22が健診コード「G-01」を取得した場合、生成手段23は、告知情報に、取得手段21が取得した、健診を実施した実施年月日、収縮期血圧値、拡張期血圧値の情報と、抽出手段22が取得した高血圧の傷病名コード、傷病名、分類コード、分類の情報とを含ませる。
【0091】
また、抽出手段22が取得した病気の情報が糖尿病を示す情報である場合、具体的には、抽出手段22が健診コード「G-02」を取得した場合、生成手段23は、告知情報に、取得手段21が取得した実施年月日、血糖値、HbA1c値の情報と、抽出手段22が取得した糖尿病の傷病名コード、傷病名、分類コード、分類の情報とを含ませる。
【0092】
また、抽出手段22が取得した病気の情報が肝硬変を示す情報である場合、具体的には、抽出手段22が健診コード「G-03」を取得した場合、生成手段23は、告知情報に、取得手段21が取得した実施年月日、GOT(AST)値、GPT(ALT)値、γ-GT(γ-GTP)値の情報と、抽出手段22が取得した肝硬変の傷病名コード、傷病名、分類コード、分類の情報とを含ませる。
【0093】
また、抽出手段22が取得した病気の情報が腎炎を示す情報である場合、具体的には、抽出手段22が健診コード「G-04」を取得した場合、生成手段23は、告知情報に、取得手段21が取得した実施年月日、尿蛋白、血清クレアチニン値、eGFRの情報と、抽出手段22が取得した腎炎の傷病名コード、傷病名、分類コード、分類の情報とを含ませる。
【0094】
情報提供手段24は、生成手段23が生成した告知情報を申込処理システム10に提供する。詳しくは、情報提供手段24は、告知情報を、ネットワークを通じて、申込処理システム10の告知情報取得手段12に提供する。
【0095】
ここで、具体例を示しながら、告知情報提供システム20における処理の一例について説明する。
【0096】
第1の例では、図5(a)に示すように、取得手段21は、マイナポータル3から、診療行為情報として、診療行為ごとに、医療機関名称、診療年月日、診療行為名称、診療行為コード等を取得する。
【0097】
抽出手段22は、取得手段21が取得した診療行為情報に基づき、治療歴抽出処理を実行する。詳しくは、図5(b)に示すように、抽出手段22は、診療行為ごとに、治療歴判定マスタ(図2)を参照して、診療行為名称または診療行為コードに基づき、点数表区分番号および治療歴該当フラグを付加する。そして、抽出手段22は、図5(b)に示した複数のレコードのうち、所定の治療歴に該当する、治療歴該当フラグが「1」であるレコード以外のレコード(治療歴該当フラグが「0」であるレコード)を除外することで、図5(c)に示すように、診療行為「脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成)」を抽出する。
【0098】
生成手段23は、取得手段21および抽出手段22が取得した情報に基づき、図5(d)に示すように、診療年月日、診療行為名称、診療行為コード、点数表区分番号を含む告知情報(治療歴の情報)を生成する。
情報提供手段24は、生成手段23が生成した告知情報を申込処理システム10に提供する。
【0099】
第2の例では、図6(a)に示すように、取得手段21は、マイナポータル3から、診療行為情報として、診療行為ごとに、医療機関名称、診療年月日、回数、診療行為名称、診療行為コード等を取得する。診療行為が入院である場合、診療年月日は、入院初日の年月日(入院年月日)に相当し、回数は、退院年月日を計算するための入院日数に相当する。
【0100】
抽出手段22は、取得手段21が取得した診療行為情報に基づき、入院歴抽出処理を実行する。詳しくは、図6(b)に示すように、抽出手段22は、診療行為ごとに、入院歴判定マスタ(図3)を参照して、診療行為名称または診療行為コードに基づき、点数表区分番号および入院歴該当フラグを付加する。そして、抽出手段22は、図6(b)に示した複数のレコードのうち、所定の入院歴に該当する、入院歴該当フラグが「1」であるレコード以外のレコード(入院歴該当フラグが「0」であるレコード)を除外することで、図6(c)に示すように、診療行為「急性期一般入院料2(夜勤時間特別入院基本料)」を抽出する。
【0101】
生成手段23は、取得手段21および抽出手段22が取得した情報に基づき、退院年月日を算出し、図6(d)に示すように、入院年月日、退院年月日、診療行為名称、診療行為コード、点数表区分番号を含む告知情報(入院歴の情報)を生成する。
情報提供手段24は、生成手段23が生成した告知情報を申込処理システム10に提供する。
【0102】
第3の例では、図7(a)に示すように、取得手段21は、マイナポータル3から、診療行為情報として、診療行為ごとに、医療機関名称、診療年月日、診療行為名称、診療行為コード等を取得する。
【0103】
抽出手段22は、取得手段21が取得した診療行為情報に基づき、傷病歴抽出処理を実行する。詳しくは、図7(b)に示すように、抽出手段22は、傷病歴判定マスタ(図4)を参照して、診療行為名称または診療行為コードに基づき、点数表区分番号、傷病名コード、傷病名、分類コード、分類および健診コードを付加する。そして、抽出手段22は、図7(b)に示した複数のレコードのうち、対応する傷病名コード、傷病名があるレコード以外のレコードを除外することで、図7(c)に示すように、診療行為「結腸ポリープ切除術(開腹)」を抽出する。
【0104】
生成手段23は、取得手段21および抽出手段22が取得した情報に基づき、図7(d)に示すように、診療年月日、診療行為名称、診療行為コード、点数表区分番号、傷病名コード、傷病名、分類コード、分類を含む告知情報(傷病歴の情報)を生成する。
情報提供手段24は、生成手段23が生成した告知情報を申込処理システム10に提供する。
【0105】
なお、この例では、取得手段21が取得した情報に含まれる診療行為に、対応する健診コードがないため、取得手段21による特定健診情報の取得は実行されない。
【0106】
第4の例では、図8(a)に示すように、取得手段21は、マイナポータル3から、医薬品情報として、医薬品ごとに、医療機関名称、調剤年月日、医薬品名称、医薬品コード等を取得する。
【0107】
抽出手段22は、取得手段21が取得した医薬品情報に基づき、傷病歴抽出処理を実行する。詳しくは、図8(b)に示すように、抽出手段22は、傷病歴判定マスタ(図4)を参照して、医薬品名称または医薬品コードに基づき、薬価基準コード、傷病名コード、傷病名、分類コード、分類および健診コードを付加する。そして、抽出手段22は、図8(b)に示した複数のレコードのうち、対応する傷病名コード、傷病名があるレコード以外のレコードを除外することで、図8(c)に示すように、医薬品「ノボリンR注 100単位/mL」を抽出する。
【0108】
また、この例では、医薬品「ノボリンR注 100単位/mL」に、対応する健診コード「G-02」(糖尿病)があるため、抽出手段22が取得した傷病の情報が特定の傷病を示す情報である場合に該当する。この場合、図8(d)に示すように、取得手段21は、マイナポータル3から、特定健診情報として、特定健診機関名称、実施年月日、健診結果(項目、血糖値、HbA1c値)等を取得する。
【0109】
生成手段23は、取得手段21および抽出手段22が取得した情報に基づき、図8(e)に示すように、調剤年月日、医薬品名称、医薬品コード、薬価基準コード、傷病名コード、傷病名、分類コード、分類、健診実施年月日、健診結果を含む告知情報(傷病歴の情報)を生成する。
情報提供手段24は、生成手段23が生成した告知情報を申込処理システム10に提供する。
【0110】
次に、保険加入受付システム1による保険加入受付方法、詳しくは、申込処理システム10による申込処理方法と、告知情報提供システム20による告知情報提供方法について説明する。具体的には、ここでは、保険加入受付システム1(申込処理システム10と告知情報提供システム20)、保険申込者が使用する端末2およびマイナポータル3の動作の一例について、図9図11に示すフローチャートと、図12図18に示す端末2に表示される画面を参照しながら説明する。
【0111】
端末2は、保険加入を希望する保険申込者の操作によって、保険会社のアプリケーションソフト(アプリ)を立ち上げたり、保険会社のウェブサイトにアクセスしたりして、ディスプレイDSPに、図12(a)に示すようなログイン画面を表示する。保険申込者がログインボタンB1を押し、IDやパスワード等を入力することで、図9に示すように、端末2は、保険加入受付システム1、詳しくは、申込処理システム10にログインする(S101)。
【0112】
次に、端末2は、保険申込者の操作によって、ディスプレイDSPに、保険申込者が加入を希望する保険の加入申込画面(図12(b)参照)を表示する。保険申込者が加入申込ボタンB2を押すことで、端末2は、保険加入申込の情報を申込処理システム10に送信する(S102)。
【0113】
申込処理システム10は、端末2からの保険加入の申込を受け付ける(申込受付ステップ)(S103)。次に、申込処理システム10は、保険申込者がマイナポータル3の利用者登録をしているか否かを確認するため、端末2のディスプレイDSPに利用者登録確認画面(図13(a)参照)を表示させる(S104)。
【0114】
保険申込者がマイナポータル3の利用者登録をしている場合、保険申込者が登録済みボタンB3を選択することで、端末2は、申込処理システム10に登録済みである旨の情報を送信する(S105)。
【0115】
申込処理システム10は、マイナポータル3への連携サービス利用要求を告知情報提供システム20に送信する(S106)。告知情報提供システム20は、連携サービス利用要求をマイナポータル3に送信する(S107)。
【0116】
マイナポータル3は、連携サービス利用の同意要求を端末2に送信する(S108)。端末2は、ディスプレイDSPに医療情報取得の同意確認画面(図13(b)参照)を表示する。保険申込者が同意ボタンB5を押すことで、端末2は、同意の情報をマイナポータル3に送信する(S109)。
【0117】
マイナポータル3は、保険申込者の本人確認要求を端末2に送信する(S110)。端末2は、保険申込者に個人番号カード(以下、「マイナンバーカード」という。)の利用者証明用電子証明書のパスワードを入力させるため、ディスプレイDSPにパスワード入力画面(図14(a)参照)を表示する。
【0118】
保険申込者がパスワードを入力して「次へ」のボタンB6を押し、その後、図14(b)に示すようにマイナンバーカードMNCの読取操作を行い、読取が完了すると、端末2は、本人確認に必要な情報をマイナポータル3に送信する(S111)。
【0119】
マイナポータル3は、本人確認を実行し(S112)、本人確認が完了すると、本人確認完了の通知を告知情報提供システム20に送信する(S113)。告知情報提供システム20は、本人確認完了の通知を申込処理システム10に送信する(S114)。
【0120】
一方、図10に示すように、保険申込者がマイナポータル3の利用者登録をしておらず、利用者登録確認画面(図13(a)参照)において未登録ボタンB4を選択した場合(S120)、申込処理システム10は、端末2のディスプレイDSPに、利用者登録を実施することを通知する利用者登録実施画面(図15(a)参照)を表示させる(S121)。
【0121】
保険申込者が利用者登録ボタンB7を押すことで、端末2は、利用者登録要求を申込処理システム10に送信する(S122)。申込処理システム10に、マイナポータル3の利用者登録要求を告知情報提供システム20に送信する(S123)。告知情報提供システム20は、利用者登録要求をマイナポータル3に送信する(S124)。
【0122】
マイナポータル3は、利用者登録の同意要求を端末2に送信する(S125)。端末2は、ディスプレイDSPに利用者登録の同意確認画面(図15(b)参照)を表示する。保険申込者が同意ボタンB8を押すことで、端末2は、同意の情報をマイナポータル3に送信する(S126)。
【0123】
マイナポータル3は、利用者登録に必要な情報の送信の要求を端末2に送信する(S127)。端末2は、ディスプレイDSPにパスワード入力画面(図14(a)参照)を表示する。保険申込者がパスワードを入力して「次へ」のボタンB6を押し、その後、マイナンバーカードMNCの読取操作を行い、読取が完了すると、端末2は、利用者登録に必要な情報をマイナポータル3に送信する(S128)。
【0124】
マイナポータル3は、利用者登録を実行し(S129)、利用者登録が完了すると、端末2のディスプレイDSPに、利用者登録が完了したことを通知する利用者登録完了通知画面(図16(a)参照)を表示させる(S130)。保険申込者が「次へ」のボタンB9を押すことで、マイナポータル3は、連携サービス利用の同意要求を端末2に送信する(S131)。端末2は、ディスプレイDSPに同意確認画面(図13(b)参照)を表示する。保険申込者が同意ボタンB5を押すことで、端末2は、同意の情報をマイナポータル3に送信する(S132)。
【0125】
マイナポータル3は、利用者登録完了の通知を告知情報提供システム20に送信する(S133)。告知情報提供システム20は、マイナポータル3の利用者登録完了の通知を申込処理システム10に送信する(S134)。
【0126】
申込処理システム10は、告知情報提供システム20から、マイナポータル3の利用者登録完了の通知が送信された場合(図10、S134)、または、本人確認完了の通知が送信された場合(図9、S114)、図11に示すように、告知情報提供システム20に告知情報の提供を要求する(S140)。
【0127】
告知情報提供システム20は、マイナポータル3に、診療行為情報および医薬品情報を含む医療情報の取得を要求する(S141)。マイナポータル3は、オンライン資格確認等システムから医療情報を取得し(S142)、取得した医療情報を告知情報提供システム20に提供する(S143)。告知情報提供システム20は、医療情報を取得する(取得ステップ)(S144)。また、マイナポータル3は、端末2のディスプレイDSPに、医療情報の取得が完了したことを通知する医療情報取得完了通知画面(図16(b)参照)を表示させる(S145)。
【0128】
医療情報を取得した告知情報提供システム20は、取得ステップで取得した情報に基づき、治療歴抽出処理、入院歴抽出処理および傷病歴抽出処理を実行する(抽出ステップ)(S151~S153)。なお、治療歴抽出処理、入院歴抽出処理および傷病歴抽出処理を実行する順番は任意である。
【0129】
前述したように、治療歴抽出処理は、治療歴判定マスタ(図2)を参照して、取得ステップで取得した診療行為の情報から、所定の治療歴に該当する診療行為(手術、処置等)の情報を抽出する処理である。
【0130】
また、入院歴抽出処理は、入院歴判定マスタ(図3)を参照して、取得ステップで取得した診療行為の情報から、所定の入院歴に該当する診療行為(入院)の情報を抽出する処理である。
【0131】
また、傷病歴抽出処理は、傷病歴判定マスタ(図4)を参照して、取得ステップで取得した診療行為または医薬品の情報から、所定の傷病に対応する診療行為または医薬品の情報を抽出するとともに、抽出した情報に含まれる診療行為または医薬品に対応する傷病(病気)の情報等を取得する処理である。
【0132】
なお、取得ステップで取得した情報に含まれる診療行為が、例えば、入院を伴うけがの手術である場合、告知情報提供システム20は、所定の治療歴に該当する診療行為(手術)の情報と所定の入院歴に該当する診療行為(入院)の情報を抽出し、診療行為に対応する病気の情報は取得しない。
【0133】
また、取得ステップで取得した情報に含まれる診療行為が、例えば、入院を伴わない日帰りの傷の処置である場合、告知情報提供システム20は、所定の治療歴に該当する診療行為(処置)の情報のみを抽出し、所定の入院歴に該当する診療行為の情報と診療行為に対応する病気の情報は取得しない。
【0134】
告知情報提供システム20は、傷病歴抽出処理(S153)で取得した傷病の情報が特定の傷病(病気)を示す情報である場合(S161,Yes)、具体的には、高血圧、肝硬変または糖尿病を示す情報である場合、マイナポータル3に特定健診情報の取得を要求する(S162)。マイナポータル3は、オンライン資格確認等システムから特定健診情報を取得し(S163)、取得した特定健診情報を告知情報提供システム20に提供する(S164)。告知情報提供システム20は、特定健診情報を取得し(S165)、ステップS171の処理に進む。
【0135】
また、マイナポータル3は、端末2のディスプレイDSPに、特定健診情報を取得したことを通知する特定健診情報取得通知画面(図17(a)参照)を表示させる(S166)。これにより、保険申込者は、医療情報(診療行為情報および医薬品情報)だけでなく、特定健診情報が取得されたことを知ることができる。
【0136】
告知情報提供システム20は、傷病歴抽出処理(S153)で取得した傷病の情報が特定の傷病を示す情報でない場合(S161,No)、ステップS171の処理に進む。
【0137】
ステップS171において、告知情報提供システム20は、取得ステップおよび抽出ステップで取得した情報に基づき、告知情報を生成する(生成ステップ)。そして、告知情報提供システム20は、生成ステップで生成した告知情報を申込処理システム10に提供する(情報提供ステップ)(S181)。
【0138】
申込処理システム10は、告知情報を取得する(告知情報取得ステップ)(S182)。告知情報を取得した申込処理システム10は、端末2のディスプレイDSPに、保険申込者に告知情報の内容を確認させる告知内容確認画面を表示させる(表示ステップ)(S183)。
【0139】
例えば、保険申込者が、2021年10月1日に手術「結腸ポリープ切除術」(分類「癌・腫瘍」)を受け、2021年10月1日から10月3日までの3日間、入院をしていた場合、申込処理システム10は、端末2のディスプレイDSPに、図17(b)に示すような告知内容確認画面を表示させる。
【0140】
また、保険申込者が、2021年10月1日に医薬品「ノボリンR注 100単位/mL」(分類「糖尿病」)の調剤を受けていた場合、申込処理システム10は、端末2のディスプレイDSPに、図18(a)に示すような告知内容確認画面を表示させる。
【0141】
なお、糖尿病は、特定の傷病(病気)であるので、この例の動作の際に、申込処理システム10には、告知情報提供システム20から、糖尿病に関連する健診結果(血糖値、HbA1c値)の情報が提供されている。しかし、健診結果の情報は、保険加入の申込を受け付けた後、保険会社において保険加入の審査に利用する情報であるので、図18(a)に示した例では、健診結果の情報は表示させていない。申込処理システム10は、端末2のディスプレイDSPに健診結果の情報を表示させてもよい。
【0142】
また、図17(b)や図18(a)に示した例では、端末2のディスプレイDSPに、傷病歴判定マスタ等に記憶させた診療行為等の名称を表示させているが、この名称は、医科診療行為マスタや医薬品マスタに収載された名称に基づく。そのため、保険申込者にとって、どのような診療行為や医薬品であるのか一見して理解できない可能性がある。
【0143】
そこで、保険加入受付システム1は、図17(b)の「結腸ポリープ切除術」を、例えば、「大腸ポリープ切除」、図18(a)の「ノボリンR注 100単位/mL」を、例えば、「インスリン製剤」のような、医学の知識がない者にとっても理解しやすい、慣用的に使用されている名称(慣用名称)にして、端末2のディスプレイDSPに表示させるように構成されていてもよい。また、保険加入受付システム1は、図17(b)の「結腸ポリープ切除術」に併記する形で「大腸ポリープ切除」を表示させ、図18(a)の「ノボリンR注 100単位/mL」に併記する形で「インスリン製剤」を表示させるように構成されていてもよい。
【0144】
このような構成は、例えば、告知情報に、慣用名称を含ませることで実現することができる。具体的には、告知情報提供システム20が、マスタに記憶される診療行為等の情報と、慣用名称とを対応づけて記憶した慣用名マスタを有し、この慣用名マスタを参照して、慣用名称を取得し、慣用名称を含ませた告知情報を申込処理システム10に提供することで実現することができる。慣用名マスタは、慣用名称の情報を、診療行為等の情報に対応させて記憶した治療歴判定マスタ等であってもよい。すなわち、治療歴判定マスタ等を慣用名マスタとして構成してもよい。
【0145】
また、例えば、申込処理システム10が、告知情報に含まれる診療行為等の情報と、慣用名称の情報とを対応づけて記憶した変換マスタを有し、この変換マスタを参照して、告知情報提供システム20から取得した診療行為等の情報を慣用名称に変換し、慣用名称を端末2に表示させたり、診療行為等の情報から慣用名称を取得し、取得した慣用名称を併記する形で端末2に表示させたりすることで実現することができる。
【0146】
図17(b)や図18(a)に示したような告知内容確認画面を見て保険申込者が告知情報の内容を確認し、OKボタンB10を押すと、端末2は、告知情報承認の情報を申込処理システム10に送信する(S184)。申込処理システム10は、保険申込者による告知情報の承認を受け付ける(承認受付ステップ)(S185)。そして、申込処理システム10は、端末2のディスプレイDSPに、図18(b)に示すような、保険加入申込の受付が完了したことを通知する受付完了画面を表示させる(S186)。
【0147】
なお、保険加入申込の受付が完了した後は、申込処理システム10が取得した告知情報等に基づき、保険会社において保険加入の審査が行われ、審査結果が保険会社から保険申込者に通知される。申込処理システム10は、例えば、図示しない審査手段と通知手段とを備え、審査手段が告知情報提供システム20から提供された告知情報等に基づいて保険加入の審査を実行し、通知手段が審査結果を保険申込者の端末2に通知するように構成されていてもよい。また、申込処理システム10は、例えば、図示しない審査結果受付手段と通知手段とを備え、審査結果受付手段が保険会社の審査担当者が行った保険加入の審査結果の入力を受け付け、通知手段が審査結果を保険申込者の端末2に通知するように構成されていてもよい。
【0148】
以上の実施形態によれば、保険加入の申込にあたり、保険申込者自身が告知事項に関する情報、すなわち、治療歴の情報や入院歴の情報、傷病歴の情報、健診結果の情報を調べたり、入力したりする必要がなくなる。これにより、保険申込者が保険加入の申込にあたって感じる煩わしさを低減することができる。
【0149】
以上、実施形態について説明したが、本発明は以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
【0150】
前記実施形態では、特定健診情報を取得する場合、特定健診情報を取得した後に端末2に特定健診情報を取得したことを通知するだけであったが、例えば、特定健診情報を取得する前に保険申込者の端末に特定健診情報取得の同意確認画面等を表示させ、保険申込者の同意を得た上で、特定健診情報の提供、取得を行うように構成されていてもよい。そして、特定健診情報を取得した後に、前記実施形態と同様に、保険申込者の端末に特定健診情報を取得したことを通知するようにしてもよい。
【0151】
前記実施形態では、診療行為情報や医薬品情報を取得した後に必要に応じて特定健診情報を取得したが、例えば、診療行為情報や医薬品情報と同時に特定健診情報を取得してもよい。
【0152】
前記実施形態では、特定の傷病として高血圧、肝硬変、糖尿病、腎炎を例示したが、これに限定されない。例えば、前記実施形態では、健診結果の情報としてのGOT(AST)値、GPT(ALT)値、γ-GT(γ-GTP)値等から病状が判断できる特定の傷病として、肝硬変を例示したが、肝炎、脂肪肝、肝機能障害等であってもよい。また、例えば、前記実施形態では、健診結果の情報としての尿蛋白、血清クレアチニン値、eGFR等から病状が判断できる特定の傷病として、腎炎を例示したが、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎不全等であってもよい。また、例えば、特定の傷病は、健診結果の情報としての中性脂肪値、HDLコレステロール値、LDLコレステロール値等から病状が判断できる、脂質異常症等であってもよい。
【0153】
また、例えば、特定の傷病は、循環器疾患、代謝異常、肝機能障害、腎機能障害、膵機能疾患、呼吸器疾患および癌の少なくとも1つであってもよい。循環器疾患は、例えば、高血圧、心疾患、脳血管疾患等である。代謝異常は、例えば、糖尿病、脂質異常症等である。肝機能障害は、例えば、肝硬変、肝炎、脂肪肝、肝機能障害等である。腎機能障害は、例えば、腎炎、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎不全等である。膵機能疾患は、例えば、慢性膵炎等である。呼吸器疾患は、例えば、慢性閉塞性肺疾患等である。癌は、例えば、上皮内癌、癌腫、肉腫、白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫等である。
【0154】
前記実施形態では、健診に関する情報として、特定健診情報(特定健診に関する情報)を例示したが、健診に関する情報は、特定の傷病に関連する健診結果の情報を含む情報であって、マイナポータル3が提供可能(マイナポータル3から取得可能)な情報であれば、例えば、一般健診等に関する情報であってもよい。また、告知情報に、特定の傷病に関連する健診結果が、例えば、基準値以内であるか、異常値であるか等を示す情報を含ませてもよい。また、例えば、保険申込者が使用する端末に健診結果が基準値以内であるか異常値であるかの情報を表示させてもよい。
【0155】
前記実施形態では、傷病歴判定マスタが、診療行為または医薬品の情報と、傷病の情報としての病気の情報とを対応させて記憶するマスタであったが、保険契約の内容等に応じて、例えば、傷病歴判定マスタは、診療行為または医薬品の情報と、傷病の情報としてのけがの情報とを対応させて記憶するマスタであってもよい。また、傷病歴判定マスタは、診療行為または医薬品の情報と、病気の情報とを対応させて記憶するとともに、さらに、診療行為または医薬品の情報と、けがの情報とを対応させて記憶するマスタであってもよい。
【0156】
前記実施形態では、生成手段23は、抽出手段22が傷病の情報を取得した場合、告知情報に、当該傷病に対応する診療行為を実施した年月日の情報、または、当該傷病に対応する医薬品を投与した年月日もしくは調剤した年月日の情報を含ませたが、例えば、日の情報を含まない、年月の情報であってもよい。抽出手段が所定の治療歴に該当する診療行為の情報を抽出した場合も同様である。
【0157】
前記実施形態では、生成手段23が告知情報に含ませる診療行為の情報は、診療行為の名称の情報、診療行為コードの情報および点数表区分番号の情報の3つであったが、例えば、この3つの情報のうちの少なくとも1つであってもよい。また、前記実施形態では、生成手段23が告知情報に含ませる医薬品の情報は、医薬品の名称の情報、医薬品コードの情報および薬価基準コードの情報の3つであったが、例えば、この3つの情報のうちの少なくとも1つであってもよい。なお、告知情報に、コードの情報のみで、名称の情報が含まれない場合は、申込処理システムに、コードの情報と、名称の情報とを対応させて記憶したマスタを持たせ、このマスタを参照して、コードを名称に変換するようにしてもよい。また、ここでの名称は、医科診療行為マスタや医薬品マスタに収載された名称であってもよいし、医学の知識がない者にとって理解しやすい一般的な名称であってもよい。
【0158】
前記実施形態では、医薬品のコードとして、医薬品コードと薬価基準コードを例示したが、例えば、YJコード(個別医薬品コード)であってもよい。また、前記実施形態では、傷病のコードとして、傷病名コードを例示したが、例えば、ICD10等の国際疾病分類のICDコードであってもよい。
【0159】
前記実施形態では、抽出手段22が、傷病歴抽出処理と、治療歴抽出処理と、入院歴抽出処理とを実行する構成であったが、保険契約の内容等に応じて、抽出手段は、傷病歴抽出処理、治療歴抽出処理および入院歴抽出処理のうち2つ、例えば、傷病歴抽出処理と治療歴抽出処理を実行し、入院歴抽出処理を実行しない構成であってもよい。また、抽出手段は、傷病歴抽出処理と入院歴抽出処理を実行し、治療歴抽出処理を実行しない構成であってもよいし、治療歴抽出処理と入院歴抽出処理を実行し、傷病歴抽出処理を実行しない構成であってもよい。また、抽出手段は、傷病歴抽出処理、治療歴抽出処理および入院歴抽出処理のうち1つのみ、例えば、傷病歴抽出処理のみを実行する構成であってもよいし、治療歴抽出処理のみを実行する構成であってもよい。告知情報提供方法の抽出ステップも同様である。
【0160】
前記実施形態では、取得手段21が、マイナポータル3から診療行為情報および医薬品情報の両方を取得する構成であったが、例えば、抽出手段が実行する処理等に応じて、取得手段は、診療行為情報のみを取得する構成であってもよいし、医薬品情報のみを取得する構成であってもよい。告知情報提供方法の取得ステップも同様である。
【0161】
前記実施形態では、抽出手段22が取得した傷病の情報が特定の傷病を示す情報である場合、取得手段21は、特定健診情報(健診に関する情報)を取得したが、例えば、抽出手段が実行する処理や保険契約の内容等に応じて、健診に関する情報を取得しない構成であってもよい。
【0162】
前記実施形態では、取得手段21が、マイナポータル3から直接、診療行為情報等を取得する構成であったが、例えば、取得手段は、マイナポータルから申込処理システムを介して診療行為情報等を取得する構成であってもよい。言い換えると、申込処理システムは、マイナポータルから診療行為情報等を取得し、告知情報提供システムに告知情報の提供を要求する際に、マイナポータルから取得した診療行為情報等を告知情報提供システムに提供する構成であってもよい。
【0163】
前記実施形態では、図17(b)に示したように、告知情報を保険申込者に確認させる画面に「癌・腫瘍歴」のような傷病歴を表示させたが、例えば、傷病歴は表示せず、手術の情報(治療歴)と入院期間(入院歴)を表示させてもよい。また、治療歴は表示せず、傷病歴と入院歴を表示させてもよい。また、治療歴のみを表示させてもよいし、入院歴のみを表示させてもよい。また、前記実施形態では、図18(a)に示したように、告知情報を保険申込者に確認させる画面に「糖尿病歴」のような傷病歴を表示させたが、例えば、傷病歴は表示せず、治療に使用した医薬品の情報のみを表示させてもよい。
【0164】
前記実施形態では、保険加入受付システム1は、承認受付手段13を備え、端末2に表示させた告知情報について、保険申込者による承認を受け付けた後に保険加入申込の受付が完了したことを通知する構成であったが、例えば、保険加入受付システムは、承認受付手段を備えず、保険申込者の端末に告知情報を表示させるのに併せて、保険加入申込の受付が完了したことを通知する構成であってもよい。また、保険加入受付システムは、承認受付手段を備えず、保険申込者の端末に治療歴、入院歴、傷病歴等の告知情報を表示させることなく、保険加入申込の受付が完了したことのみを通知する構成であってもよい。
【0165】
前記実施形態では、告知情報に、特定の傷病(病気)の情報と、当該特定の傷病に関連する健診結果の情報とを含ませたが、例えば、健診結果に基づく健康状態の情報をさらに含ませてもよい。
【0166】
一例として、変形例に係る告知情報提供システム20の記憶装置29には、図19に示すような健康状態判定マスタがさらに記憶されている。
健康状態判定マスタは、健診結果に基づく健康状態の情報を記憶したテーブルとして構成されている。ここで、健康状態の情報とは、特定の傷病(病気)について、当該特定の傷病に関連する健診結果から推定可能な病状、進行具合等の目安を示す情報である。
【0167】
健康状態判定マスタは、健診コードの情報と、健診結果の情報(詳しくは、健診結果の判定基準値の情報)と、健康状態の情報とを対応づけて記憶している。健康状態は、例えば、健診コード「G-02」に対応する健診結果の血糖値、HbA1cについて、「I糖尿病再検査レベル」、「II糖尿病確定診断レベル」、「III糖尿病合併症懸念レベル」が設定されている。また、健診コード「G-03」に対応する健診結果のAST、ALTについて、「I脂肪肝レベル」、「II強活動性レベル」、「III劇症肝炎レベル」が設定されている。また、健診コード「G-04」に対応する健診結果の尿蛋白、eGFRについて、「I腎症前期」、「II早期腎症期」、「III顕性腎症期」、「IV腎不全期」、「V透析療法期」が設定されている。
【0168】
健康状態判定マスタでは、例えば、「I糖尿病再検査レベル」が「血糖値 126mg/dL以上」または(or)「HbA1c 6.5%以上」に設定され、「II糖尿病確定診断レベル」が「血糖値 126mg/dL以上」かつ(and)「HbA1c 6.5%以上7%未満」に設定され、「III糖尿病合併症懸念レベル」が「血糖値 126mg/dL以上」かつ「HbA1c 7%以上」に設定されている。
【0169】
取得手段21は、申込処理システム10から告知情報の提供を要求された場合に、マイナポータル3から特定健診に関する情報のうち少なくとも健診結果の情報を、一の保険申込者について取得する。例えば、取得手段21は、マイナポータル3から健診結果である血糖値およびHbA1c値の情報を取得する(図22(a)参照)。
【0170】
抽出手段22は、健康状態判定マスタを参照して、取得手段21が取得した健診結果の情報から、一の保険申込者の健康状態の情報を取得する。例えば、抽出手段22は、取得手段21が取得した血糖値(126mg/dL)およびHbA1c値(6.5%)から、健康状態判定マスタを参照して、健康状態の情報「II糖尿病確定診断レベル」を取得する(図22(b)参照)。
【0171】
生成手段23は、取得手段21が取得した健診結果の情報と、抽出手段22が取得した健康状態の情報とを含む告知情報を生成する。例えば、生成手段23は、告知情報に、取得手段21が取得した血糖値(126mg/dL)およびHbA1c値(6.5%)の情報と、抽出手段22が取得した健康状態の情報「II糖尿病確定診断レベル」とを含ませる(図22(c)参照)。
【0172】
情報提供手段24は、生成手段23が生成した告知情報を申込処理システム10に提供する。
【0173】
告知情報提供システム20は、抽出手段22が取得した傷病(病気)が合併症であること、および、当該合併症について原因傷病(原疾患)があることを示す情報を告知情報に含ませるように構成されていてもよい。
【0174】
例えば、図20に示すように、変形例に係る告知情報提供システム20の傷病歴判定マスタは、所定の傷病の情報のうち所定の合併症の情報と、所定の合併症の原因となる原因傷病があることを示す情報とを対応させて記憶している。具体的には、傷病歴判定マスタは、原因傷病コードの情報を、合併症に該当する傷病の情報に対応させてさらに記憶している。本変形例では、一例として、合併症を9つのグループに分類している。さらに言えば、原因傷病コードは、分類コードと同じコードに設定されている。
【0175】
すなわち、原因傷病コード「01」は、「心臓・血圧」に関する病気であり、原因傷病コード「02」は、「脳」に関する病気であり、原因傷病コード「03」は、「呼吸器」に関する病気である。また、原因傷病コード「04」は、「消化器」に関する病気であり、原因傷病コード「05」は、「肝臓」に関する病気であり、原因傷病コード「06」は、「腎臓」に関する病気である。また、原因傷病コード「07」は、「目」に関する病気であり、原因傷病コード「08」は、「癌・腫瘍」に関する病気であり、原因傷病コード「09」は、「糖尿病」に関する病気である。
【0176】
傷病歴判定マスタでは、例えば、合併症に該当し得る病気「食道静脈瘤」に対応させて原因傷病コード「05」と原因傷病「肝臓」が記憶され、合併症に該当し得る病気「白内障」に対応させて原因傷病コード「09」と原因傷病「糖尿病」が記憶され、合併症に該当し得る病気「糖尿病性腎不全」に対応させて原因傷病コード「09」と原因傷病「糖尿病」が記憶されている。
【0177】
変形例に係る告知情報提供システム20において、抽出手段22が取得した傷病の情報が、原因傷病を示す情報と、当該原因傷病に対応する合併症を示す情報とを含む場合、抽出手段22は、傷病歴判定マスタを参照して、当該合併症について原因傷病があることを示す情報を取得する。例えば、抽出手段22が取得した病気の情報が傷病名「糖尿病」と傷病名「白内障」とを含む場合、抽出手段22は、傷病歴判定マスタを参照して、傷病名(合併症)「白内障」について、原因傷病コード「09」と原因傷病「糖尿病」を取得する(図21(c)参照)。
【0178】
そして、生成手段23は、告知情報に、抽出手段22が取得した、合併症の情報と、当該合併症について原因傷病があることを示す情報とを含ませる。例えば、生成手段23は、告知情報に、傷病名(合併症)「白内障」と、原因傷病コード「09」および原因傷病「糖尿病」とを含ませる(図22(c)参照)。
【0179】
ここで、具体例を示しながら、変形例に係る告知情報提供システム20における処理の一例について説明する。
図21(a)に示すように、取得手段21は、マイナポータル3から、医療情報として、診療行為ごとの医療機関名称、診療年月日、診療行為名称、診療行為コード等を取得し、医薬品ごとの医療機関名称、診療年月日または調剤年月日、医薬品名称、医薬品コード等を取得する。
【0180】
抽出手段22は、取得手段21が取得した医療情報に基づき、傷病歴抽出処理を実行する。詳しくは、図21(b)に示すように、抽出手段22は、傷病歴判定マスタ(図20)を参照して、診療行為名称または診療行為コードに基づき、点数表区分番号、傷病名コード、傷病名、分類コード、分類、健診コード、原因傷病コードおよび原因傷病を付加する。また、抽出手段22は、傷病歴判定マスタを参照して、医薬品名称または医薬品コードに基づき、薬価基準コード、傷病名コード、傷病名、分類コード、分類、健診コード、原因傷病コードおよび原因傷病を付加する。
【0181】
そして、抽出手段22は、図21(b)に示した複数のレコードのうち、対応する傷病名コード、傷病名があるレコード以外のレコードを除外することで、図21(c)に示すように、医薬品「ノボリンR注 100単位/mL」と、診療行為「水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他)」を抽出する。
【0182】
また、この例では、医薬品「ノボリンR注 100単位/mL」に、対応する健診コード「G-02」(糖尿病)があるため、図22(a)に示すように、取得手段21は、マイナポータル3から、特定健診情報として、特定健診機関名称、実施年月日、健診結果(血糖値、HbA1c値)等を取得する。また、図22(b)に示すように、抽出手段22は、健康状態判定マスタ(図19)を参照して、健診結果から、実施年月日ごとの健康状態(II糖尿病確定診断レベル、III糖尿病合併症懸念レベル)を取得する。
【0183】
生成手段23は、取得手段21および抽出手段22が取得した情報に基づき、図22(c)に示すように、診療年月日または調剤年月日、診療行為名称または医薬品名称、診療行為コードまたは医薬品コード、点数表区分番号または薬価基準コード、傷病名コード、傷病名、分類コード、分類、原因傷病コード、原因傷病、健診実施年月日、健診結果、健康状態を含む告知情報を生成する。この例では、傷病名コード「3669004」と傷病名「白内障」が合併症の情報に相当し、原因傷病コード「09」と原因傷病「糖尿病」が原因傷病があることを示す情報に相当する。
【0184】
このような告知情報提供システム20によれば、異なる医療機関、異なる診療年月日・調剤年月日の傷病の情報や健診結果の情報を取得して、一連の治療歴、傷病歴、病状、進行具合等の情報を告知情報に含ませ、申込処理システム10に提供することができる。そして、例えば、図21および図22に示した例では、告知情報から、糖尿病の治療のための薬を使用していること、糖尿病の合併症と考えられる白内障の手術を受けていること、健診結果に基づく健康状態が「II糖尿病確定診断レベル」から「III糖尿病合併症懸念レベル」に移行していること等を判断することができる。
【0185】
なお、変形例において例示した白内障の原因傷病である糖尿病は、特定の傷病でもあり、「原因傷病」と「特定の傷病」が同じ傷病(病気)であったが、本発明において、「原因傷病」のグループと「特定の傷病」のグループは、完全に一致していてもよいし、部分的に一致するだけであってもよいし、一方が他方に包含されていてもよい。また、「原因傷病」のグループと「特定の傷病」のグループは、完全に異なっていてもよい。
【0186】
前記実施形態では、保険加入受付システム1が、申込処理システム10を構成するコンピュータと、告知情報提供システム20を構成するコンピュータとを備えて構成されていたが、例えば、保険加入受付システムは、申込処理システムと告知情報提供システムの両方の機能を備えるコンピュータから構成されていてもよい。この場合、保険加入受付システムは、例えば、申込受付手段と、取得手段と、抽出手段と、生成手段と、表示手段とを備える構成とすることができる。また、保険加入受付方法は、例えば、申込受付ステップと、取得ステップと、抽出ステップと、生成ステップと、表示ステップとを有する方法とすることができる。また、コンピュータプログラムは、マイナポータルに接続されたコンピュータを、保険加入受付システムとして機能させるコンピュータプログラムであって、当該コンピュータを、例えば、申込受付手段と、取得手段と、抽出手段と、生成手段と、表示手段として機能させる構成とすることができる。
【0187】
前記実施形態では、保険申込者が使用する端末2としてスマートフォンを例示したが、例えば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0188】
前記実施形態では、診療行為として、医科診療行為マスタに収載された診療行為を例示したが、本発明において、診療行為は、例えば、厚生労働省が定める歯科診療行為マスタに収載された診療行為であってもよいし、厚生労働省が定める調剤行為マスタに収載された調剤行為であってもよい。また、本発明において、診療行為は、医科診療行為マスタに収載された診療行為、歯科診療行為マスタに収載された診療行為、および、調剤行為マスタに収載された調剤行為のうち、少なくとも2つを含むものであってもよい。
【0189】
また、前記実施形態では、医薬品として、医薬品マスタに収載された医薬品を例示したが、本発明において、医薬品は、例えば、厚生労働省が定める特定器材マスタに収載された特定器材であってもよい。また、本発明において、医薬品は、医薬品マスタに収載された医薬品と、特定器材マスタに収載された特定器材の両方を含むものであってもよい。
【0190】
また、告知情報提供システムは、取得手段が、告知情報の提供を要求された場合に、マイナポータルから健診に関する情報を取得し、情報提供手段が、取得手段が取得した情報を申込処理システムに提供する構成であってもよい。また、保険加入受付システムは、取得手段が、申込受付手段が保険加入の申込を受け付けた場合に、マイナポータルから健診に関する情報を取得し、表示手段が、取得手段が取得した情報を端末に表示させる構成であってもよい。
【0191】
また、この場合、抽出手段は、取得手段が取得した健診に関する情報に基づき、例えば、健診結果の情報を抽出し、生成手段は、取得手段および抽出手段が取得した情報に基づき、健診結果を含む告知情報を生成し、情報提供手段が、生成手段が生成した告知情報を申込処理システムに提供したり、表示手段が、生成手段が生成した告知情報を端末に表示させたりする構成としてもよい。
【0192】
また、告知情報提供システムは、申込処理システムから告知情報の提供を要求された場合に、マイナポータルから健診結果を含む健診に関する情報のみを取得し、健診結果を含む告知情報を申込処理システムに提供する構成であってもよい。また、この場合において、告知情報に、健診結果に基づく健康状態の情報(例えば、図19参照)を含ませてもよい。告知情報に治療歴や傷病歴等の情報が含まれていなくても、健診結果から病気や病状、進行具合等を推定することができる。
【0193】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0194】
1 保険加入受付システム
2 端末
3 情報提供等記録開示システム(マイナポータル)
10 申込処理システム
11 申込受付手段
13 承認受付手段
14 表示手段
20 告知情報提供システム
21 取得手段
22 抽出手段
23 生成手段
24 情報提供手段
図1
図2
図3
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