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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092098
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】コンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/28 20060101AFI20230626BHJP
【FI】
B65G47/28 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207096
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】391019289
【氏名又は名称】マルヤス機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 澄人
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA20
3F081BC04
3F081CC08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】搬送物を搬送中に整列させるための整列機能を高めたコンベヤの提供。
【解決手段】コンベヤベルトは、上流端ローラと下流端ローラと傾斜ローラに巻回されており、傾斜した一のローラと他のローラとにより、コンベヤベルトの中央部に幅方向の一端側と他端側が持ち上げられる事によって、コンベヤベルトの幅方向に谷部を形成して向かい合う搬送面を作り、そのコンベヤベルトの谷部に沿って搬送物を整列させるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流端ローラと、下流端ローラと、傾斜ローラと、コンベヤベルトを備え、上流端ローラ及び下流端ローラは、コンベヤベルトの幅方向と平行な軸を有し、コンベヤベルトが巻回されており、傾斜ローラは、コンベヤベルトの幅方向の一端寄りに設けられた一のローラと、コンベヤベルトの幅方向の他端寄りに設けられた他のローラを有しており、上流端ローラと下流端ローラとの間に配置され、コンベヤベルトは、柔軟性を有し、傾斜ローラにより中間部が持ち上げられており、一のローラは、コンベヤベルトの幅方向の一側部を持ち上げるよう軸が傾斜しており、他のローラは、コンベヤベルトの幅方向の他側部を持ち上げるよう軸が傾斜しており、一のローラと他のローラは、幅方向中央で向かい合い、コンベヤベルトの幅方向に谷部を形成した搬送面を作っており、谷部は、上流端ローラから一のローラ及び他のローラに至る範囲において、無段階で徐々に角度が高くなると共に、一のローラ及び他のローラから下流端ローラに至る範囲において、無段階で徐々に角度が低くなるようにされていることを特徴とするコンベヤ。
【請求項2】
上流端ローラと、下流端ローラと、傾斜ローラと、コンベヤベルトを備え、上流端ローラ及び下流端ローラは、コンベヤベルトの幅方向と平行な軸を有し、コンベヤベルトが巻回されており、傾斜ローラは、コンベヤベルトの幅方向の一端寄りに設けられており、上流端ローラと下流端ローラとの間に配置されていると共に、コンベヤベルトの幅方向の側部を持ち上げるよう軸が傾斜しており、コンベヤベルトは、傾斜ローラにより中間部が持ち上げられており、コンベヤベルトの幅方向に角部が形成され、該角部を境にそれぞれ搬送面を作っており、角部は、上流端ローラから傾斜ローラに至る範囲において、無段階で徐々に角度が高くなると共に、傾斜ローラから下流端ローラに至る範囲において、無段階で徐々に角度が低くなるようにされていることを特徴とするコンベヤ。
【請求項3】
傾斜ローラは、コンベヤベルトの搬送方向に複数備えられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項4】
コンベヤベルトは、幅方向で分割された2本の環状帯体と、2本の環状帯体の間に介在された連結環状帯体を備え、2本の環状帯体は、同じ径であり、それぞれ搬送面を有し、連結環状帯体は、コンベヤベルトの谷部の底又は角部を構成するものであり、環状帯体の径と同じであると共に、環状帯体よりも柔軟性が高くされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1項に記載のコンベヤ。
【請求項5】
一方の搬送面は、他方の搬送面よりも摩擦抵抗が低いことを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか1項に記載のコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤに関し、搬送される搬送物を整列させる機能を有するコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ランダムで搬送される搬送物を整列させる機能を有するコンベヤは、例えば、下記特許文献1に記載のものが知られている。
この従来のコンベヤは、複数のローラを搬送方向に縦列配置し、搬送物が乗る領域の左右のローラの速度に速度差をつけることで、搬送物を整列させるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11―322059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の従来のコンベヤは、複数のローラを備えたローラコンベヤを利用するものであるため、搬送物の整列状態がローラの転がりによりずれるおそれがあった。
さらに、搬送物のローラ間への潜り込みや搬送物がローラに接触しない等のおそれがった。
このため、搬送物を搬送中に整列させるための整列機能を高めたコンベヤが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために請求項1記載によるコンベヤは、上流端ローラと、下流端ローラと、傾斜ローラと、コンベヤベルトを備え、上流端ローラ及び下流端ローラは、コンベヤベルトの幅方向と平行な軸を有し、コンベヤベルトが巻回されており、傾斜ローラは、コンベヤベルトの幅方向の一端寄りに設けられた一のローラと、コンベヤベルトの幅方向の他端寄りに設けられた他のローラを有しており、上流端ローラと下流端ローラとの間に配置され、コンベヤベルトは、柔軟性を有し、傾斜ローラにより中間部が持ち上げられており、一のローラは、コンベヤベルトの幅方向の一側部を持ち上げるよう軸が傾斜しており、他のローラは、コンベヤベルトの幅方向の他側部を持ち上げるよう軸が傾斜しており、一のローラと他のローラは、幅方向中央で向かい合い、コンベヤベルトの幅方向に谷部を形成した搬送面を作っており、谷部は、上流端ローラから一のローラ及び他のローラに至る範囲において、無段階で徐々に角度が高くなると共に、一のローラ及び他のローラから下流端ローラに至る範囲において、無段階で徐々に角度が低くなるようにされていることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2によるコンベヤは、上流端ローラと、下流端ローラと、傾斜ローラと、コンベヤベルトを備え、上流端ローラ及び下流端ローラは、コンベヤベルトの幅方向と平行な軸を有し、コンベヤベルトが巻回されており、傾斜ローラは、コンベヤベルトの幅方向の一端寄りに設けられており、上流端ローラと下流端ローラとの間に配置されていると共に、コンベヤベルトの幅方向の側部を持ち上げるよう軸が傾斜しており、コンベヤベルトは、傾斜ローラにより中間部が持ち上げられており、コンベヤベルトの幅方向に角部が形成され、該角部を境にそれぞれ搬送面を作っており、角部は、上流端ローラから傾斜ローラに至る範囲において、無段階で徐々に角度が高くなると共に、傾斜ローラから下流端ローラに至る範囲において、無段階で徐々に角度が低くなるようにされていることを特徴とする。
【0007】
(請求項追加)
傾斜ローラは、コンベヤベルトの搬送方向に複数備えられていることが好ましい。
【0008】
コンベヤベルトは、幅方向で分割された2本の環状帯体と、2本の環状帯体の間に介在された連結環状帯体を備え、2本の環状帯体は、同じ径であり、それぞれ搬送面を有し、連結環状帯体は、コンベヤベルトの谷部の底又は角部を構成するものであり、環状帯体の径と同じであると共に、環状帯体よりも柔軟性を高くすることが好ましい。
【0009】
一方の搬送面は、他方の搬送面よりも摩擦抵抗が低いことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、前述の構成により、搬送物を搬送中に整列させるための整列機能を高めたコンベヤを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る実施形態のコンベヤの概略正面図である。
図2図1の概略側面図である。
図3図1の概略平面図である。
図4】上流端側から見た概略断面図である。
図5】上流端側から見た傾斜ローラ部分の概略断面図である。
図6】コンベヤの変形例1を示す図であり、コンベヤベルトの搬送面側のみを図示する。
図7】コンベヤの変形例2を示す図であり、コンベヤベルトの搬送面側のみを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1図5を参照して本発明に係る実施形態のコンベヤ1を説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0013】
[コンベヤの基本構成]
コンベヤ1は、図1図3に示すように、姿勢が上流側コンベヤ100の幅方向に一定でないランダムに並べられた搬送物101や姿勢が搬送方向に対して傾いている搬送物101が上流側コンベヤ100から移送され、
下流側への搬送中に搬送物を整列すると共に、整列させた搬送物を下流側コンベヤ102に移送するものである。
このコンベヤ1は、フレームFの上流側に軸支された上流端ローラ2と、フレームFの下流側に軸支された下流端ローラ3と、上流端ローラ2と下流端ローラ3との間に配置された傾斜ローラ4と、上流端ローラ2と下流端ローラ3と傾斜ローラ4に巻回されたコンベヤベルト5を備えている。
上流端ローラ2及び下流端ローラ3は、コンベヤベルト5の幅方向と平行な軸を有して軸支され、巻回されたコンベヤベルト5が搬送方向と戻り方向に上流端ローラ2及び下流端ローラ3によって、搬送動作と戻り動作に切換えられるようにされている。
また、傾斜ローラ4によって、コンベヤベルト5の搬送側の中間部における幅方向の一端側と他端側が持ち上げられており、これによって、コンベヤベルト5の幅方向に谷部dが形成され、この谷部dの幅方向の両面に搬送面5a、5bが作られている。
【0014】
コンベヤベルト5の駆動方法は限定されるものではなく、例えば、コンベヤベルト5の戻り側をローラにより上下で挟み、ローラの駆動回転によって回転させる構成(図示せず)、上流端ローラ2又は下流端ローラ3のいずれかを駆動回転させる構成(図示せず)が例示できる。
なお、フレームFは、脚部で支持されるが、本実施形態では省略している。
【0015】
[傾斜ローラの構成]
傾斜ローラ4は、コンベヤベルト5の幅方向の一端(以下「左」という)寄りに設けられた一のローラ40a(上流側)、40b(下流側)と、コンベヤベルト5の幅方向の他端(以下「右」という)寄り(図3において右側)に設けられた他のローラ41a(上流側)、41b(下流側)を有しており、上流端ローラ2と下流端ローラ3との間に配置されている。
なお、以下の説明では、上流側の一のローラ40aを左上流ローラ40a、下流側の一のローラ40bを左下流ローラ40bとし、上流側の他のローラ41aを右上流ローラ41a、下流側の他のローラ41bを右下流ローラ41bとする。
【0016】
左上流ローラ40a、左下流ローラ40b、右上流ローラ41a、右下流ローラ41bは、図1図3に示すように、フレームFに対して取り付けられており角度調整機能を有する支持具aに回転自在に軸支されている。
左上流ローラ40a、左下流ローラ40bは、コンベヤベルト5の左側部を持ち上げるよう軸を傾斜させて支持具aに軸支され、右上流ローラ41a、右下流ローラ41bは、コンベヤベルト5の右側部を持ち上げるよう軸を傾斜させて支持具aに軸支されている。
【0017】
このような構成とする傾斜ローラ4は、図1に示すように、コンベヤベルト5の搬送側の中間部における左右側部を持ち上げることができ、これによって、コンベヤベルト5に左右方向の谷部dを形成でき、この谷部dの左側に左搬送面5aを、右側に右搬送面5bを互いに向かい合うように作ることができる。
また、上流端ローラ2から左上流ローラ40a及び右上流ローラ41aに向かって、コンベヤベルト5の搬送面5a、5bの角度を無段階で徐々に鋭角にすることができると共に、左下流ローラ40b及び右下流ローラ41bから下流端ローラ3に向かってコンベヤベルト5の搬送面5a、5bの角度を無段階で徐々に鈍角にすることができる。
また、コンベヤベルト5は、上流端ローラ2及び下流端ローラ3で巻回される部位において谷部dが解消された略水平となる。
【0018】
なお、支持具aは、フレームFに対する取付位置を調整できるようにすることが好ましい。
また、傾斜ローラ4を構成する一のローラ及び他のローラは、図示においてそれぞれ2個一対としているが、この一のローラ及び他のローラに含まれるローラの本数は、一対に限るものではなく、それぞれ一対以上の本数或いは1本としてもよい。
【0019】
[コンベヤベルトの構成]
コンベヤベルト5は、柔軟性を有する素材からなり、図4及び図5に示すように、谷部dの底d1を境として左側の環状帯体(以下「左環状帯体」という)50と、右側の環状帯体(以下「右環状帯体」という)51と、左環状帯体50と右環状帯体51の間に介在された連結環状帯体52を備えている。
左環状帯体50と右環状帯体51は、同じ径であると共に、同じ厚みのものであり、左環状帯体50の幅が右環状帯体51の幅よりも広くしたものである。
また、左環状帯体50には、左搬送面5aが確保され、右環状帯体51には、右搬送面5bが確保されている。
【0020】
左環状帯体50は、外周面(搬送側で左搬送面5aとなる面)の摩擦抵抗が、右環状帯体51の外周面(搬送側で右搬送面5bとなる面)の摩擦抵抗よりも低くされ、左搬送面5aでは、搬送物101を滑りやすくする一方、右搬送面5bでは、搬送物101を滑りにくくしている。
搬送物101を滑りやすくする構成については、左環状帯体50の外周面の摩擦抵抗を低くすることで達成でき、例えば、左環状帯体50の素材を摩擦抵抗が低いものとする、あるいは左環状帯体50の外周面に摩擦抵抗を低くするための加工を施す等の手段が考えられる。
【0021】
連結環状帯体52は、柔軟性を有する素材からなり、図4及び図5に示すように、左環状帯体50及び右環状帯体51の径と同じ径を有しており、コンベヤベルト5の谷部dの底d1を搬送方向と平行となるように構成するものである。
連結環状帯体52は、左環状帯体50及び右環状帯体51の厚みよりも薄くされており、左環状帯体50及び右環状帯体51よりも柔軟性を高くしたものである。
連結環状帯体52は、左環状帯体50及び右環状帯体51の向かい合う両端部に周設された凹部520に嵌合されていると共に、接着又は溶着等の手段により固定され、外周面が左環状帯体50及び右環状帯体51の外周面と面一にされている。
すなわち、コンベヤベルト5の谷部dの底d1を構成する連結環状帯体52の厚みを薄くしたことにより、曲がりやすくすることができ、これによって、搬送回転するコンベヤベルト5に確実、且つ底d1を小さい屈曲径とする谷部dを形成することができる。
【0022】
[コンベヤの搬送物整列動作]
次に、前述した構成のコンベヤ1による搬送物整列動作を説明する。
本実施形態のコンベヤ1は、図3に示すように、上流側コンベヤ100で搬送される搬送物101が、コンベヤベルト5の左搬送面5aに移送される位置に設定され、コンベヤ1で搬送される搬送物101が、下流側コンベヤ102の中央に移送される位置に設定される。
【0023】
上流側コンベヤ100からの搬送物101の移送直後においては、図1及び図4に示すように、上流端ローラ2に巻回されたコンベヤベルト5の左搬送面5aの略水平部分に移送される。
そして、移送された搬送物101は、図1及び図5に示すように、搬送物101の広い面である正面部分が左搬送面5aに載った状態で搬送される。
次々に搬送される搬送物101は、角度が徐々に高くなる左搬送面5aを滑って、同じく角度が徐々に高くなる右搬送面5bに向かい、コンベヤベルト5の谷部dの角度が最も高くなる中間部分において、搬送物101の側面部分が右搬送面5bに当接して整列状態となって搬送される。
コンベヤベルト5の谷部dの底d1は、搬送方向と平行であるため、搬送物101の側面部分が右搬送面5bに当接した状態で位置決めされて整列状態となり、左上流ローラ40a及び右上流ローラ41a部分を通過した時点で完全に整列状態となる。
【0024】
このとき、左搬送面5aの摩擦抵抗を右搬送面5bの摩擦抵抗よりも低くして滑りやすくしているため、搬送される搬送物101の右搬送面5b側への移動がスムースである。
また、コンベヤベルト5の搬送回転時に、右搬送面5bが搬送物101の側面部分を支持した状態で、搬送物101を左搬送面5aで滑らせながら搬送することができるため、搬送中の搬送物101のずれを抑制し、整列状態を保持することができる。
【0025】
整列状態となった搬送物101は、左下流ローラ40b及び右下流ローラ41bを通過すると、搬送物101の正面部分が、角度が徐々に低くなる左搬送面5aに預けられると共に、搬送物101の側面部分が、同じく角度が徐々に低くとなる右搬送面5bから徐々に離れ、搬送物101が左搬送面5aのみで搬送される。
このとき、搬送物101が左搬送面5aを右搬送面5bに向かって滑ろうとするが、鈍角であっても谷部dが存在しており、谷部dの底d1付近に搬送物101の側面部分の角部が当接するため、次々に搬送される搬送物の整列状態を保持できる。
また、搬送物101の正面部分が預けられる左搬送面5aの角度が徐々に鈍角になるものであるため、搬送状態の搬送物101も徐々にその角度が鈍角になると共に、下流端ローラ3に巻回される部分において略水平状態となって、この状態で下流側コンベヤ102に移送することができる。
すなわち、搬送物を下流端まで無段階で徐々に水平となるように搬送することができるため、下流側コンベヤ102への移送時に整列状態を保持することができ、すべての搬送物101をずれなく下流側コンベヤ102の中央に移送することができる。
【0026】
このコンベヤ1は、図1及び図3に示すように、谷部dの角度が最も鋭角となる部分の左側に上流側コンベヤ100(仮想線で示す)を配置し、搬送物101を左側の斜め上方からコンベヤベルト5の谷部dに滑り落とすように直接移送することもできる。
この場合、移送される搬送物101は、右搬送面5bに向かって滑り落とされるため、搬送物101の正面部分が左搬送面5aに預けられた状態で、搬送物101の側面部分が右搬送面5bに当接する。
そして、コンベヤベルト5の谷部dの最も鋭角となる部分に移送された搬送物101は、この部分以降から下流端まで無段階で徐々に水平となるように搬送される。
【0027】
本実施形態のコンベヤ1によると、上流側コンベヤ100の幅方向に一定でないランダムに並べられた姿勢で移送される搬送物101や搬送方向に対して傾いた姿勢で移送される搬送物101を搬送中に整列させることができると共に、整列状態を保持して搬送物101を搬送でき、且つ搬送物101を整列させた状態で下流側コンベヤ102に移送することができる。
よって、搬送物を搬送中に整列させるための整列機能を高めたコンベヤ1を提供できる。
【0028】
[コンベヤの変形例1]
次に、図6を参照してコンベヤ1の変形例1を説明する。
本変形例のコンベヤ1は、コンベヤベルト5の構成の一部のみが異なるものであるため、コンベヤベルト5の搬送側のみを図示して説明する。
コンベヤベルト5は、左環状帯体50と右環状帯体51の幅を同じとしたものであり、中央に連結環状帯体52が介在され、連結環状帯体52が折り曲がって谷部dを構成したときに、谷部dの底d1を境に左右対称となるようにされている。
このようなコンベヤベルト5の場合、搬送物101を左搬送面5aと右搬送面5bとにわたるように載せて搬送することが想定される。
この場合、左搬送面5aと右搬送面5bの摩擦抵抗を同じものとすることで、搬送時の搬送物101のずれを防ぐことができる。
【0029】
[コンベヤの変形例2]
次に、図7を参照してコンベヤ1の変形例2を説明する。
本変形例のコンベヤ1は、傾斜ローラ4及びコンベヤベルトの構成の一部のみが異なるものであるため、コンベヤベルト5の搬送側のみを図示して説明する。
コンベヤ1は、傾斜ローラ4が左上流ローラ40a及び左下流ローラ40bのみを有したものであり、右上流ローラ41a及び右下流ローラ41bがないものである。
このような傾斜ローラ4に巻回されるコンベヤベルト5は、左上流ローラ40a及び左下流ローラ40bによって、左側部が持ち上げられて傾斜した左搬送面5aが作られ、左搬送面5aを除く部分に水平の右搬送面5bが作られる。
傾斜した左搬送面5aと水平の右搬送面5bとの間には、前述の実施形態における谷部dの底d1に相当する角部d2が形成される。
この角部d2に搬送される搬送物101の角部が当接することで、搬送される搬送物101を整列させることができる。
傾斜ローラ4は、図示においてそれぞれ2個一対としているが、この傾斜ローラに含まれるローラの本数は、一対に限るものではなく、それぞれ一対以上の本数或いは1本としてもよい。
【0030】
[コンベヤの搬送物搬送形態]
コンベヤ1は、前述した搬送形態の他にも、コンベヤベルト5における谷部dの底d1又は角部d2を構成する一対の左上流ローラ40a及び左下流ローラ40bの角度、あるいは一対の右上流ローラ41a及び右下流ローラ41bの角度を変更することで、搬送物101を整列させながらその表裏を逆転させて下流側に搬送する形態、あるいは、上流側から寝かせた状態で移送される搬送物101を整列させながら立たせて下流側に搬送する形態等が想定される。
【0031】
以上、本発明のコンベヤ1について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1:コンベヤ
2:上流端ローラ
3:下流端ローラ
4:傾斜ローラ
5:コンベヤベルト
40a:左上流ローラ
40b:左下流ローラ
41a:右上流ローラ
41b:右下流ローラ
5a:左搬送面
5b:右搬送面
50:左環状帯体
51:右環状帯体
52:連結環状帯体
d:谷部
d1:底
d2:角部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7