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特開2023-92108採便用容器及びそれに用いるための取外し具
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  • 特開-採便用容器及びそれに用いるための取外し具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092108
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】採便用容器及びそれに用いるための取外し具
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/04 20060101AFI20230626BHJP
【FI】
G01N1/04 J
G01N1/04 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207110
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】515316517
【氏名又は名称】株式会社ビケンバイオミクス
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】深草 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】明石 文
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AD12
2G052AD32
2G052BA17
2G052DA02
2G052DA08
2G052DA12
2G052DA27
2G052DA33
2G052ED17
2G052JA07
(57)【要約】
【課題】起立安定性が高く、遠心分離処理も容易に行うことができる採便用容器を提供する。
【解決手段】採便用容器1は、上端が開口した容器本体20と、上端の開口を閉鎖するための蓋10とを備え、容器本体20の底部に、容器本体20を支持するための支持部30が該底部から取り外し可能に設けられており、容器本体20の底部の外径は、遠心分離器に挿入可能な外径に設定されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が開口した容器本体と、
前記上端の開口を閉鎖するための蓋とを備え、
前記容器本体の底部に、前記容器本体を支持するための支持部が該底部から取り外し可能に設けられており、
前記容器本体の前記底部の外径は、遠心分離器に挿入可能な外径に設定されていることを特徴とする採便用容器。
【請求項2】
前記支持部は、前記容器本体の前記底部の外周を囲うように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の採便用容器。
【請求項3】
前記容器本体の前記底部と前記支持部との間には、前記底部と前記支持部とを接続し、且つ、力の負荷を受けることにより破断して前記底部と前記支持部との接続を解除する接続部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の採便用容器。
【請求項4】
前記接続部は、複数の接続片と複数の貫通孔とを含むことを特徴とする請求項3に記載の採便用容器。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項の採便用容器における前記容器本体の前記底部から前記支持部を取り外すための取外し具であって、
前記容器本体の前記底部は挿入できるが前記支持部は挿入できない内径で且つ上下方向に延びる挿入孔が設けられている本体部と、
前記本体部の前記挿入孔内に配置されたブロック部と、
前記本体部の前記挿入孔内の前記ブロック部の下方に配置され、前記ブロック部を上方に付勢する弾性部材とを備えていることを特徴とする取外し具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便を収容するための採便用容器及びそれに用いるための取外し具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、便潜血検査や腸内フローラ検査等の検査のために、生体試料としての便を採取するための採便棒と、便を採便棒とともに収容するための採便用容器を備えた採便キットが用いられている(例えば特許文献1等を参照。)。通常、採便キットに用いられる採便用容器は、該容器の開口を開閉可能な蓋を含む細長い筒状であり、容器中に予め保存液等の液体が収容されている。従って、採便用容器は、起立させることは可能であるが不安定であり、僅かな衝撃で転倒するおそれがあり、蓋を開けた状態で転倒すると容器中の液体が外部へ流れ出たり、採便後であれば採取した便も外部に流れ出るおそれもある。
【0003】
一方、特許文献2には、採便用容器の底部が拡径された形状の採便用容器が提示されている。特許文献2の採便用容器の場合、容器を起立させる場合であっても比較的安定性が高く、転倒を防止できる可能性は高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-64028号公報
【特許文献2】特開2018-59776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2の採便用容器の場合、容器底部が拡径されており起立安定性は高いものの、例えば容器中のサンプルに対して遠心分離器を用いて遠心分離処理をする必要がある場合、当該容器を遠心分離器に挿入できない、又は挿入できたとしても容器と挿入孔が適合せず、適切に遠心分離処理ができないおそれがある。このため、溶液中のサンプルに対して遠心分離処理が必要な場合、遠心分離処理をするのに適切な他の遠沈管等の容器に当該サンプルを移す必要があり、作業が煩雑となる。
【0006】
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、起立安定性が高く、遠心分離処理も容易に行うことができる採便用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、採便用容器の底部に取り外し可能な支持部を設けた。
【0008】
具体的に、本発明の一実施形態に係る採便用容器は、上端が開口した容器本体と、前記上端の開口を閉鎖するための蓋とを備え、該底部に、前記容器本体を支持するための支持部が該底部から取り外し可能に設けられており、容器本体の底部の外径は、遠心分離器に挿入可能な外径に設定されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の一実施形態に係る採便用容器は、その底部に容器本体を支持するための支持部が設けられているため、採便用容器の起立安定性を向上できる。このため、採便者による採便時や、検査者による検査時において採便用容器の転倒を防止することができ、採便用容器内の内容物が容器外に流れ出ることを防止することができる。さらに、支持部が容器本体の底部から取外し可能に設けられているため、検査者が遠心分離処理をする際に支持部を底部から取り外すことができるので、採便用容器を遠心分離器に適切に挿入することができる。
【0010】
本発明の一実施形態に係る採便用容器において、支持部は、容器本体の底部の外周を囲うように設けられていることが好ましい。
【0011】
このようにすると、容器本体の底部の周囲全体に支持部があるため、採便用容器の起立安定性をより向上することができる。
【0012】
本発明の一実施形態に係る採便用容器において、容器本体の底部と支持部との間には、底部と支持部とを接続し、且つ、力の負荷を受けることにより破断して底部と支持部との接続を解除する接続部が設けられていることが好ましい。この場合、接続部は、複数の接続片と複数の貫通孔とを含むことがより好ましい。
【0013】
このようにすると、容器本体の底部から支持部のみを容易且つ迅速に取り外すことができる。
【0014】
本発明の一実施形態に係る取外し具は、上記のいずれかの採便用容器における容器本体の底部から支持部を取り外すための取外し具であって、容器本体の底部は挿入できるが支持部は挿入できない内径で且つ上下方向に延びる挿入孔が設けられている本体部と、本体部の挿入孔内に配置されたブロック部と、本体部の挿入孔内のブロック部の下方に配置され、ブロック部を上方に付勢する弾性部材とを備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態に係る取外し具において、上記採便用容器における容器本体の底部を、弾性部材に付勢されたブロック部に抗いながら挿入孔内に挿入しようとすると、挿入孔は底部を挿入できるが支持部を挿入できない内径を有するため、支持部は挿入孔の開口周縁部に当たって上方への力を受ける。このため、容器本体の底部が挿入孔に挿入される際に、底部と支持部との間の接続部において破断が生じ、その結果、支持部が底部から取り外されることとなる。このように、本発明の一実施形態に係る取外し具によると、上記採便用容器における容器本体の底部から支持部を容易且つ迅速に取り外すことができる。その後、容器本体の底部を挿入孔に挿入しようとする力を弱めると、弾性部材による付勢力によって容器本体が上方へ持ち上げられるため、作業者が容易に容器本体を取外し具から抜き取ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る採便用容器によると、採便用容器の起立安定性を向上できるため、採便者による採便時や、検査者による検査時において採便用容器の転倒を防止することができ、採便用容器内の内容物が容器外に流れ出ることを防止することができる。さらに、検査者が遠心分離処理をする際に支持部を底部から取り外すことができるので、採便用容器を遠心分離器に適切に挿入することができる。また、本発明に係る取外し具によると、上記採便用容器における容器本体の底部から支持部を容易且つ迅速に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る採便用容器を示す側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る採便用容器の容器本体を示す側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る採便用容器の容器本体を示す底面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る採便用容器の支持部を取り外すための工程を説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態に係る採便用容器の支持部を取り外すための工程を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態に係る採便用容器の支持部を取り外すための工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用方法或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0019】
本発明の一実施形態に係る採便用容器1は、図1に示すように、容器本体20と蓋10とを備えている。本実施形態に係る容器本体20及び蓋10の材料は特に限定されないが、通常の化学的又は生物学的実験に用いられる樹脂等の材料からなる。
【0020】
図2に示すように容器本体20は、一端(上端)のみが開口した中空状の容器であり、上部21の外周面に蓋10が螺合するための雄ねじ部22が形成されている。従って、図示はしないが、蓋10の内周面には、上記雄ねじ部22に対応する雌ねじ部が形成されている。
【0021】
また、容器本体20は、蓋10が螺合する上部21の下にフランジ部23が設けられている。本実施形態では、フランジ部23の外径は、例えば蓋10の外径及び後に説明する支持部30の外径と同等に形成されているが、特に限定されない。フランジ部23は、後に説明するように、本実施形態の採便用容器1に収容したサンプルの検査時において、採便用容器1を遠心分離器の挿入孔に挿入する際に、挿入孔の周辺部に当接してそれ以上奥に挿入されないようにストッパとして機能する。従って、その機能を生じさせ得ることができる外径であれば特に限定されない。
【0022】
また、容器本体20は、上記フランジ部23の下にフランジ部23から下方に延びる胴部24を有する。胴部24は、フランジ部23よりも外径が小さく形成されており、具体的に、上記の通り検査時に採便用容器1を遠心分離器に挿入するために、胴部24は遠心分離器に挿入できる大きさに設定されている。具体的に、胴部24の外径は、10mm~11mmであることが好ましい。
【0023】
さらに、容器本体20は、胴部24の下に胴部24と連続し、底面26を構成する底部25を有する。底部25は胴部24と同等の外径で構成されている。また、底部25には、採便用容器1の起立安定性を向上するための支持部30が設けられている。具体的に、図3に示すように、底部25と支持部30との間には接続部33が設けられており、支持部30は接続部33を介して底部25に接続されている。採便用容器1の起立安定性を特に向上するために、支持部30は、支持部30の底面と容器本体20の底面26とが同一平面上に位置するように構成されていることが好ましく、また、支持部30は、容器本体20の底部25の外周を囲うように設けられることが好ましい。
【0024】
上記の通り、接続部33は、底部25に支持部30を接続するために設けられているが、後に説明するように、検査時において底部25から支持部30は取り外されるため、接続部33は他の部分よりも脆弱に形成されていることが好ましい。そのために、本実施形態では、図3に示すように、支持部30が接続部33を挟んで底部25の外周を囲うように形成されており、具体的に接続部33は、底部25の外周面と支持部30の内周面とを接続する4つの接続片31が互いに空隙(貫通孔)32を空けて設けられている。このように接続部33を形成すると、底部25と支持部30との接続部分が小さいため、小さい力で容易に底部25から支持部30を取り外すことができる。また、本実施形態では、接続片31が、底部25側が短辺であり支持部30側が長辺である略台形状に形成されており、このようにすると、底部25と接続片31との接続よりも支持部30と接続片31との接続の方が強いため、底部25から支持部30を切り離す際に、通常は接続片31が底部25から切り離され、支持部30とは接続したままとなる。そうすると、底部25の外周面に不要な突起が生じることがないので、後に採便用容器1を遠心分離器に挿入する際に邪魔にならないため好ましい。
【0025】
本実施形態の接続部33では、図3に示すように、4つの接続片31が等間隔で設けられているが、上記接続部33の役割を果たすことを条件に、接続片31の配置や数は適宜変更可能である。また、本実施形態では、接続片31と貫通孔32とで構成された接続部33を例示したが、底部25に支持部30を接続できて且つ底部25から容易に支持部30を取り外すことができるような構成であれば特に限定はされず、接続部33は例えば底部25と支持部30との間に支持部30よりも薄肉である薄肉部により構成されていてもよい。
【0026】
また、本実施形態では、円筒状の容器本体20について示したが、横断面や底面が四角形又は六角形等の多角形状の容器本体20であっても構わない。その場合、支持部30を底面の形状と同様の形状にしても構わない。例えば、容器本体20の底面が四角形である場合、支持部30の形状を該容器本体20の底部の外周を囲む四角形状にしても構わない。
【0027】
本実施形態に係る採便用容器1は、上記の通り、底部25に支持部30を有するため起立安定性が高い。このため、採便者が便の採取時に採便用容器1を転倒させて、内容物が採便用容器1の外へ流れ出ることを防止できる。また、採便者が採便用容器1に便を収容した後、検査者が便について検査する際に、採便用容器1について遠心分離処理をする場合があるが、上述の通り、本実施形態に係る採便用容器1の支持部30は容易に取り外すことができるため、採便用容器1を遠心分離器に適切に挿入することが可能となる。従って、本実施形態に係る採便用容器1は、起立安定性を向上できると共に、遠心分離器にも適用可能であるため極めて有用である。
【0028】
次に、本実施形態に係る採便用容器1の支持部30を底部25から取り外す手段について説明する。本実施形態に係る採便用容器1の支持部30は、例えば検査者の手によって底部25から取り外すことも可能であるが、以下に説明するような取外し具40を用いることにより、容易且つ迅速に支持部30を採便用容器1から取り外すことができる。まず、本実施形態に係る取外し具40について図4を参照しながら説明する。
【0029】
図4に示すように、取外し具40は、上方が開口し、採便用容器1を挿入するための挿入孔42を有する本体部41を備えている。挿入孔42の開口形状は、採便用容器1の容器本体20の底部25及び胴部24の横断面形状に対応する形状で形成されており、本実施形態では円形状に形成されている。本体部41の挿入孔42には段差部43が設けられており、段差部43の下方よりも上方の挿入孔42の方が、内径が小さく形成されている。
【0030】
また、本体部41の上面には窪み部44が設けられており、窪み部44は挿入孔42の開口を中心にその拡径方向に拡がるように設けられている。挿入孔42は容器本体20の底部25及び胴部24が挿入でき且つ支持部30は挿入できない大きさに形成されており、窪み部44は、支持部30が収まる大きさに形成されている。また、本実施形態では、窪み部44は、容器本体20の底面26の形状に対応するように、平面円形状に形成されているが、該底面26の形状に応じて適宜変更しても構わない。例えば、底面26が四角形状である容器本体20に適用するために、窪み部44の平面形状を四角形状にすることもできる。その場合、上記挿入孔42の開口形状も四角形状に形成される。
【0031】
挿入孔42の底部には軸部48が設けられており、軸部48はその中央に上方に延びる軸49を有する。軸49には、後に説明するブロック部45を上方に付勢する弾性部材としてばね部材50が取り付けられている。ばね部材50は、例えば、つるまきばねであり、軸49の外周を囲うように取り付けられている。また、挿入孔42における軸部48の上方にはブロック部45が設けられており、ブロック部45はその上部から下部までを貫通する貫通孔46を有する。ブロック部45の貫通孔46に軸49が挿入されており、ブロック部45は軸49に沿って上下方向に移動可能に構成されている。またブロック部45は、その上部よりも下部の方が径が大きく形成されており、その下部と上部との間には段差部47が形成されている。具体的に、ブロック部45における段差部47よりも上部の外径は、挿入孔42における段差部43よりも上部の内径と同等又はわずかに小さく、挿入孔42内を上下に移動可能な外径で構成されている。また、ブロック部45における段差部47よりも下部の外形は、挿入孔42における段差部43よりも上部の内径よりも大きく且つ挿入孔42における段差部43よりも下部の内径と同等又はわずかに小さく、挿入孔42内を上下に移動可能な外径で構成されている。ブロック部45は、軸49に取り付けられているばね部材50により上方に付勢されているが、ブロック部45の段差部47が挿入孔42の段差部43に当接することにより、それ以上ブロック部45が上方に移動することを防止する。なお、この状態において、ブロック部45の上面と、本体部41の窪み部44における上面とが同一面になるように構成されている。
【0032】
次に、図4図6を参照しながら、取外し具40を用いて、採便用容器1の容器本体20から支持部30を取り外す方法について説明する。まず、図4に示すように、取外し具40の窪み部44の上に支持部30が収まるように、容器本体20を載置する。なお、図4では、容器本体20のみを示しているが、当然に容器本体20が蓋10で閉じられた状態であっても構わない。このとき、ブロック部45は、ばね部材50により上方に付勢されており、ブロック部45の段差部47が挿入孔42の段差部43に当接した状態である。
【0033】
その後、図5に示すように、容器本体20をブロック部45に抗って挿入孔42に挿入させるように下方に押し込む。そうすると、容器本体20の底部25は挿入孔42に挿入可能な外径であるため、ブロック部45に抗いながら挿入孔42内を通って下方に移動しようとするが、支持部30の外径は挿入孔42の開口径よりも大きいため、支持部30は窪み部44の上面から上方への力が付加されることとなる。そうすると、接続部33の接続片31が破断し、支持部30が容器本体20の底部25から取り外されることとなり、容器本体20の底部25が、ばね部材50により上方に付勢されたブロック部45に抗いながら挿入孔42内を下方に進む。このとき、接続片31が上記のように略台形状に形成されていると、接続片31が底部25から切り離され、支持部30側に接続したままとなるため、容器本体20の底部25をスムーズに挿入孔42に挿入できる。
【0034】
その後、図6に示すように、容器本体20の下方への押し込みを止める又は弱めると、容器本体20はばね部材50により上方に付勢されたブロック部45によって上方の挿入孔42外へ押し出される。このとき、既に容器本体20は支持部30から切り離されているため、支持部30を含まない容器本体20のみを得ることができる。このとき、ブロック部45は、ばね部材50によりブロック部45の段差部47が挿入孔42の段差部43に当接するまで上方に移動し、また、支持部30は窪み部44の上に残る。この支持部30を窪み部44から取り除き、新たに支持部30が接続した容器本体20を取外し具40にセットして、同様の操作を行うことで繰り返し容器本体20から支持部30の取外しを行うことができる。
【0035】
以上のような方法により、容器本体20から支持部30を容易且つ迅速に取り外すことができる。このため、検査者は、容器本体20のみを遠心分離器に挿入することができ、検査を迅速に行うことができる。
【0036】
以上のように、本実施形態に係る採便用容器1は、支持部30により起立安定性を向上できるため、採便者による採便時や、検査者による検査時において採便用容器1の転倒を防止することができ、採便用容器1内の内容物が容器外に流れ出ることを防止することができる。さらに、検査者が遠心分離処理をする際に支持部30を容器本体20の底部25から取り外すことができるので、採便用容器1を遠心分離器に適切に挿入することができる。また、本実施形態に係る取外し具40によると、上記採便用容器1における容器本体20の底部25から支持部30を容易且つ迅速に取り外すことができるため、検査者が検査を迅速に行うことができる。
【符号の説明】
【0037】
1 採便用容器
10 蓋
20 容器本体
21 上部
22 雄ねじ部
23 フランジ部
24 胴部
25 底部
26 底面
30 支持部
31 接続片
32 貫通孔
33 接続部
40 取外し具
41 本体部
42 挿入孔
43 段差部
44 窪み部
45 ブロック部
46 貫通孔
47 段差部
48 軸部
49 軸
50 ばね部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6