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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092227
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】遊技機用実演ケース兼輸送箱
(51)【国際特許分類】
   G09F 5/02 20060101AFI20230626BHJP
   A63F 7/02 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
G09F5/02
A63F7/02 355Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207347
(22)【出願日】2021-12-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社 藤商事(大阪府大阪市中央区内本町1丁目1番4号)、令和3年8月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000133157
【氏名又は名称】株式会社TANAX
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】続木 政光
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA23
2C088FA01
(57)【要約】
【課題】複数の荷物と共に運搬しやすい形状で遊技機見本を収容することができ、内部に収容された遊技機見本の遊技盤を広範囲から見易い状態にすることができる遊技機用実演ケース兼輸送箱を提供する。
【解決手段】本発明は、遊技機本体と遊技盤とを有する遊技機見本を収容するためのケースであって、前記遊技機本体の厚さに対応する深さを有し、前記遊技盤の少なくとも一部が露出した状態で前記遊技機見本が収容される、上部に開口を有する箱本体10と、前記箱本体の前記開口の4つの辺のうち一方の対向する2つの辺から延設され、該辺から前記遊技盤の厚さに対応する距離だけ上方の位置に該辺と平行な折目を有し、前記遊技盤の側方及び上方を覆う一対の側蓋片20,21と、前記箱本体の前記開口の4つの辺のうち他方の対向する2つの辺から延設され、該辺から少なくとも前記遊技盤の厚さに対応する高さを有し、前記遊技盤の少なくとも側方を覆う一対の側片30,31とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御基板を含む遊技機本体と該遊技機本体の前面に配置された遊技盤とを有する遊技機見本を収容するための遊技機用実演ケース兼輸送箱であって、
前記遊技機本体の厚さに対応する深さを有し、前記遊技盤の少なくとも一部が露出した状態で前記遊技機見本が収容される、上部に矩形状の開口を有する直方体状の箱本体と、
前記箱本体の前記開口の4つの辺のうち一方の対向する2つの辺から延設され、該辺から前記遊技盤の厚さに対応する距離だけ上方の位置に該辺と平行な折目を有し、前記遊技盤の側方及び上方を覆う一対の側蓋片と、
前記箱本体の前記開口の4つの辺のうち他方の対向する2つの辺から延設され、該辺から少なくとも前記遊技盤の厚さに対応する高さを有し、前記遊技盤の少なくとも側方を覆う一対の側片と、
を備えることを特徴とする遊技機用実演ケース兼輸送箱。
【請求項2】
前記一対の側片が、前記辺から前記遊技盤の厚さに対応する距離だけ上方の位置に該辺と平行な折目を有し、前記遊技盤の側方と該遊技盤の上方の少なくとも一部を覆うものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機用実演ケース兼輸送箱。
【請求項3】
前記箱本体が、前記開口の4つの辺に折目を設けたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機用実演ケース兼輸送箱。
【請求項4】
前記一対の側蓋片又は前記一対の側片の少なくとも1つの内側面が、文字や図柄が印刷可能な印刷面又は文字や図柄が印刷されたシートを貼付可能な貼付面であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機用実演ケース兼輸送箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、スロットマシン等の遊技機の見本が収容される遊技機用実演ケース兼輸送箱に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のパチンコ機、スロットマシン等(以下、これらを遊技機という)は演出表示のための大型の液晶表示装置を備えており、当たりの種類に応じた様々な装飾図柄を前記液晶表示装置に表示するようになっている。このような遊技機の新製品を顧客である遊技機設置店舗に売り込む場合、カタログ等を提示して説明するだけでは商品の特徴を十分に伝えられない。そこで、実機を模した見本装置を用いてデモンストレーションを行いながら製品を紹介する販促活動が行われている。そのような中、持ち運びがしやすいようキャスター付きスーツケースのような箱体に収容された遊技機見本装置が開発されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1の可搬式遊技機プレゼンテーション装置は、前面開口を有する筐体と、該筐体内部に収容された遊技機見本(遊技盤及び制御基板)と、前記筐体の前面開口を覆う蓋体とを備えている。筐体と蓋体とはバックル状の留め具によって脱着可能に構成されており、留め具を開放して蓋体を筐体から分離することにより、筐体の開口をフルオープンの状態にして内部に収納した遊技盤を顧客に見せ易くしている。筐体の上面には起倒式の手提げ用把手が、底面には4個のキャスターが、背面には伸縮可能な手押し用の把手が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-320359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の遊技機プレゼンテーション装置は、筐体の開口をフルオープンの状態にすることができるが、顧客に見せたい遊技盤が筐体内部に完全に収納されているため、見る角度によっては遊技盤が見え難いという問題がある。また、筐体には把手やキャスター等の部品が外部に取り付けられているため、一つずつ装置を引っ張って持ち運ぶには適した構造になっている反面、複数の装置をまとめて運んだり、他の荷物と一緒に運ぶ際には、上記部品が邪魔になり、装置や荷物を積み上げたり横に並べたりし難い。
【0006】
さらに、昨今の遊技機においては、遊技盤に付属する「前飾り」と呼ばれる部分の大型化が進んでいる。前飾りは島と呼ばれる遊技機の設置台からせり出した台枠部分を指す。大きな前飾りは遊技客の目に留まりやすく、演出上においても大きな役割を果たしている。このような前飾りを有する遊技盤を備えた遊技機を輸送する場合、従来は遊技盤から前飾りを取り外して該遊技盤とは別に輸送している。ところが、この方法では輸送先で遊技盤に前飾りを取り付けるという作業が必要となる。
【0007】
上記の問題は遊技機プレゼンテーション装置の筐体の深さを大きくすることで解消できるが、この場合は、遊技機見本を筐体に収容した時に前飾りの外側部分が筐体内に隠れてしまうという問題が生じる。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、複数の荷物と共に運搬しやすい形状で遊技機見本を収容することができるとともに、内部に収容された遊技機見本の遊技盤を広範囲から見易い状態にすることができる遊技機用実演ケース兼輸送箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために成された本発明は、制御基板を含む遊技機本体と該遊技機本体の前面に配置された遊技盤とを有する遊技機見本を収容するための遊技機用実演ケース兼輸送箱であって、
前記遊技機本体の厚さに対応する深さを有し、前記遊技盤の少なくとも一部が露出した状態で前記遊技機見本が収容される、上部に矩形状の開口を有する直方体状の箱本体と、
前記箱本体の前記開口の4つの辺のうち一方の対向する2つの辺から延設され、該辺から前記遊技盤の厚さに対応する距離だけ上方の位置に該辺と平行な折目を有し、前記遊技盤の側方及び上方を覆う一対の側蓋片と、
前記箱本体の前記開口の4つの辺のうち他方の対向する2つの辺から延設され、該辺から少なくとも前記遊技盤の厚さに対応する高さを有し、前記遊技盤の少なくとも側方を覆う一対の側片と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、一対の側蓋片の上部を互いに向かい合う方向に前記折目でL字状に折り曲げることで、遊技機用実演ケース兼輸送箱に収納された遊技機見本のうち、箱本体から露出する遊技盤を側方及び上方から覆うことができ、遊技機見本全体を箱本体、側蓋片、及び側片の内側に収容することができる。この状態の遊技機用実演ケース兼輸送箱は直方体形状であるため、複数の荷物と共に運搬する際、荷物同士を積み上げたり、横に並べたりし易い。また、上記した遊技機用実演ケース兼輸送箱は、一対の側蓋片及び一対の側片を箱本体の開口の4つの辺で外側に折り曲げることで、各側蓋片及び側片に覆われていた遊技盤の部分が側方及び上方に露出される。したがって、遊技盤、若しくは前飾りを備える遊技盤の場合は該遊技盤及び該前飾りの双方を広範囲から見やすい状態にすることができる。この状態において、遊技機見本の実演を行えば、より効果的に顧客に商品特徴を伝えることができる。なお、上記した遊技機用実演ケース兼輸送箱は、遊技機用展示ケース兼輸送箱として使用することもできる。
【0011】
上記の遊技機用実演ケース兼輸送箱においては、さらに、
前記一対の側片が、前記辺から前記遊技盤の厚さに対応する距離だけ上方の位置に該辺と平行な折目を有し、前記遊技盤の側方と該遊技盤の上方の少なくとも一部を覆うものであることが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、一対の側片の上部を互いに向かい合う方向に各折目でL字状に折り曲げることで、前記一対の側蓋片によって覆われる遊技盤の側方とは別の側方と上方の少なくとも一部が側片により覆われる。このため、遊技盤を側方及び上方から確実に覆うことができる。また、一対の側蓋片と同様、一対の側片が遊技盤の側方及び上方の全体を覆うものとした場合は、遊技機見本の梱包状態における遊技機用実演ケース兼輸送箱の天面において側蓋片及び側片が上下に重なるため、該天面の強度が増し、遊技盤の上面を保護することができる。
【0013】
上記の遊技機用実演ケース兼輸送箱においては、さらに、
前記箱本体が、前記開口の4つの辺に折目を設けたものであることが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、折目に沿って各側蓋片及び各側片を折り曲げることができるため、遊技機用実演ケース兼輸送箱を簡単に実演状態にすることができる。
【0015】
上記の遊技機用実演ケース兼輸送箱においては、さらに、
前記一対の側蓋片又は前記一対の側片の少なくとも1つの内側面が、文字や図柄が印刷可能な印刷面又は文字や図柄が印刷されたシートを貼付可能な貼付面であることが好ましい。
【0016】
上記の遊技機用実演ケース兼輸送箱において、印刷面又は貼付面に貼付されるシートに印刷される文字や図柄は、製品に関する情報や顧客が興味を惹く図柄等である。上記構成によれば、各側蓋片及び各側片を箱本体の開口の各辺で外側に折り曲げた際に、印刷面又は貼付面に表示された文字や図柄によって、より効果的に遊技機見本を展示することができる。すなわち、各側蓋片及び各側片は製品説明を行うための販促ツールとして利用される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る遊技機用実演ケース兼輸送箱によれば、複数の荷物と共に運搬しやすい形状で遊技機見本を収容することができる。また、内部に収容された遊技機見本の遊技盤を広範囲から見易い状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機用実演ケース兼輸送箱を上方から見た斜視図であり、(a)は上部開口が閉鎖された状態、(b)上部開口が開放された状態を示す。
図2】ブランクシートの平面図。
図3】下パッドの平面図。
図4】固定具を上方から見た斜視図。
図5】固定具を上方から見た斜視図。
図6】上パッドの平面図。
図7】スペーサーを上方から見た斜視図。
図8】遊技機用実演ケース兼輸送箱に遊技機見本が収容された状態を示す図であり、(a)はその側面図、(b)はその上面図。
図9】遊技機用実演ケース兼輸送箱に遊技機見本が収容された状態を上方ら見た斜視図。
図10】遊技機見本の右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
本発明の遊技機用実演ケース兼輸送箱は、パチンコ機、スロットマシン等の遊技機の見本を収容するために用いられるものである。本実施形態では、図10に示すパチンコ機の見本(以下、遊技機見本1という)が収容される遊技機用実演ケース兼輸送箱を例に挙げて説明する。図10は遊技機見本1の側面図である。図10において左右及び上下が、それぞれ遊技機見本1の上下及び前後に相当する。
【0021】
上記遊技機見本1は、矩形箱状の遊技機本体2と該遊技機本体2の前面に配置された遊技盤3とを有する。遊技機本体2は、前部本体2aと該前部本体2aよりもやや小さい後部本体2bとからなる。遊技機本体2には制御基板が収容されている。遊技盤3は、パチンコ機の実機の遊技盤を模したものであり、その下部において遊技機本体2よりも下方に突出する突出部3aを有する。
【0022】
次に、本実施形態に係る遊技機用実演ケース兼輸送箱について説明する。図1は、遊技機用実演ケース兼輸送箱(以降、遊技機用ケースと呼ぶ)100を上方から見た斜視図であり、図1(a)は上部開口が閉鎖された状態、図1(b)は、上部開口が開放された状態を示している。
【0023】
(基本構成)
遊技機用ケース100は、図1(a),(b)に示すように、上部に矩形状の開口を有する直方体状の箱本体10と、箱本体10の開口の4つの辺のうち対向する2つの長辺から延設された一対の側蓋片20,21と、箱本体10の開口の4つの辺のうち対向する2つの短辺から延設された一対の側片30,31とを備える。箱本体10の開口の4つの辺には、それぞれ折目101が設けられている。遊技機用ケース100は、例えば段ボール等の厚紙により形成されている。
【0024】
(箱本体)
箱本体10の開口の長辺及び短辺は、遊技機見本1の高さ(図10における左右方向の長さ)及び横幅(図10における紙面に対して垂直な奥行方向の長さ)とほぼ同じ長さを有している。遊技機見本1は、遊技盤3が突出部3aを有しており、遊技機本体2よりも遊技盤3の方が高さ寸法が大きいため、箱本体10の横幅は遊技機本体2の横幅とほぼ同じであるが、縦幅は遊技機本体2の高さ寸法よりも大きい。また、箱本体10は、遊技機本体2の厚さとほぼ同じ長さの高さを有する。箱本体10の側面には、遊技機用ケース100を運搬したり、横置き状態の遊技機用ケース100を縦置き状態にしたりするときの持ち手となる複数の孔11が設けられている。これらの孔11は、遊技盤3の実演時に配線を通すための孔として利用することができる。なお、本実施形態では、箱本体10の高さを遊技機見本1の遊技機本体2の厚さとほぼ同じ長さにしたが、遊技機本体2の厚さよりもやや大きい長さにしてもよく、やや小さい長さにしてもよく、要するに遊技機本体2の厚さに対応する高さであればよい。
【0025】
(側蓋片)
側蓋片20,21は、それらが延設された箱本体10の開口の辺から遊技機見本1の遊技盤3の厚さに対応する距離(本実施形態では、遊技盤3の厚さよりもやや長い距離)だけ上方の位置に、該辺と平行な折目201,211を有する。また、側蓋片20,21は、側蓋片20の前記折目201から先端までの長さと側蓋片21の前記折目211から先端までの長さの和が、箱本体10の開口の対向する長辺間の距離と同じになるように構成されている。以下の説明では、側蓋片20,21のうち箱本体10の開口の辺から折目201,211までの領域を側面部220,221、折目201,211から先端までの領域を天面部230,231と呼ぶ。
【0026】
(側片)
側片30,31は、側蓋片20,21と同じ長さを有しており、該側蓋片20,21の折目201,211と同様に、側片30,31が延設される箱本体10の開口の辺から遊技機見本1の遊技盤3の厚さよりもやや長い距離だけ上方の位置に、該辺と平行な折目301,311を有する。また、折目301,311から先端までの長さは、側蓋片20,21の折目201,211から先端までの長さと等しくなっている。以下の説明では、側片30,31のうち箱本体10の開口の辺から折目301,311までの領域を側面部320,321、折目301,311から先端までの領域を天面部330,331と呼ぶ。
【0027】
側蓋片20,21の内外側面、及び側片30,31の内外側面は適宜の印刷が可能な印刷面又は適宜の印刷がされた紙、プラスチック等のシートを貼付可能(つまり、接着剤を塗布可能)な貼付面となっている。本実施形態では、側蓋片20,21の内側面、側片30のうち側面部320の内側面、及び側片31のうち天面部331の外側面に、製品に関する文字や図柄が印刷された紙製シートが貼付されている。
【0028】
(ブランクシート)
図2は、遊技機用ケース100のブランクシート40の平面図である。遊技機用ケース100は、矩形状のブランクシート40を2枚継ぎ合わせて形成されている。ブランクシート40は、8個の区画401~408と、区画406に延設された糊しろ部409とから成る。2枚のブランクシート40の一方の糊しろ部409を他方のブランクシート40の区画405に、他方のブランクシート40の糊しろ部409を一方のブランクシート40の区画405に接着剤、粘着テープ、ステープラー等により固定することにより遊技機用ケース100のブランクが形成される。
【0029】
ブランクシート40の区画405,406は、箱本体10の側面に対応し、区画407,408は箱本体10の底面に対応する。区画401,403は、側蓋片20又は側蓋片21の天面部230,231及び側面部220,221に対応し、区画402,404は、側片30又は側片31の天面部330,331及び側面部320,321に対応する。図2において、破線410は、折目201又は211に対応し,破線411,413は折目101に対応し、破線412は折目301又は311に対応する。2枚のブランクシート40を継ぎ合わせてブランクを形成した後、区画408が内側、区画407が外側になるように区画405と区画407の間、区画406と区画408の間の破線の箇所で折り曲げて、区画407同士を粘着テープ等で貼り合わせたりステープラーでつなぎ合わせたりすることにより図1(b)に示す状態の箱本体10が構成される。
【0030】
(遊技機用ケース100に遊技機見本1を収容する手順)
次に、遊技機用ケース100に遊技機見本1を収容する手順について、図1及び図3図9を参照しつつ説明する。図3図7は遊技機用ケース100内に配置される補強材又は緩衝材を示しており、図8及び図9は遊技機用ケース100に遊技機見本1が収容された状態を示している。図8、9では、遊技機用ケース100内に収容された遊技機見本を破線で示している。また、図9では遊技機見本1のうち遊技盤3の図示を省略している。まず、補強材又は緩衝材について説明する。
【0031】
図3に示す下パッド50は、箱本体10の開口の一対の長辺に対応する側面及び底面に沿って配置される補強材である。下パッド50は、箱本体10の4個の側面のうち側蓋片20,21が延設された側面と該箱本体10の底面に対応する大きさの矩形状の段ボールシートを折り曲げてコの字状としたものである。下パッド50は、箱本体10の孔11に対応する孔51を有する。
【0032】
図4に示す固定具60は、箱本体10の開口の一対の短辺のうちの一方に対応する側面に沿って該箱本体10の内部に配置される緩衝材である。固定具60は、段ボールシートを折り曲げて四角筒状にしたもので、箱本体10の深さ及び短辺とほぼ同じ高さ及び長さを有している。
【0033】
図5に示す固定具70は、遊技機本体2の四隅と箱本体10との間に配置される緩衝材であり、固定部71と固定部72から成る。固定部71,72はいずれも帯状の段ボールシートを複数回折り重ねた後、L字状に折り曲げて構成されている。固定部71は遊技機本体2とほぼ同じ高さを有しており、固定部72は、遊技機本体2の後部本体2bとほぼ同じ高さを有している。
【0034】
図6に示す上パッド80は、遊技機用ケース100に遊技機見本1を収容した後、該遊技機見本1の上に被せられる緩衝材であり、矩形状の段ボールシートから成る。遊技盤3の形状に沿わせることができるように上パッド80には折目が設けられている。折目から折目に近い端部までの長さは、側蓋片20,21の側面部220,221の高さより大きくなるよう構成されている。
【0035】
図7に示すスペーサー90は、遊技機用ケース100に収容された遊技機見本1が該ケース100内で動かないようにするための緩衝材であり、大きさの異なる四角形状の段ボール片の積層体によりL字状に構成されている。
【0036】
次に、遊技機見本1を遊技機用ケース100に収容する手順を説明する。
まず、遊技機用ケース100の箱本体10に下パッド50を配置する。続いて、側蓋片20,21及び側片30,31を折目101で外側に折り曲げ、この状態で箱本体10内に固定具60を配置する。その後、箱本体10内のうち固定具60が配置されていない空間に遊技機見本1の遊技機本体2を、固定具70を遊技機本体2の四隅と箱本体10又は固定具60との間の隙間に嵌め込みつつ、収容する。これにより、遊技機本体2が遊技機用ケース100の箱本体10内に固定される。本実施形態では、箱本体10が遊技機本体2の厚さとほぼ同じ長さの高さを有するため、箱本体10の内部には遊技機本体2の全体が収容される。
【0037】
次に、スペーサー90を遊技盤3の上端部と箱本体10の開口の短辺に対応する側面との間に配置した後、上パッド80を破線で折り曲げて遊技盤3の上方から被せる。そして、遊技機用ケース100の側蓋片20,21、及び側片30,31を上方に起こす。上パッド80の側蓋片20,21に沿う部分は、該側蓋片20,21の側面部220,221の高さよりも大きい高さを有しているため、上パッド80は、側蓋片20,21及び箱本体10にわたって配置されることになり、折目101が設けられた部分を補強することができる。
【0038】
最後に、側片30,31の上部を折目301,311で内側に折り曲げた後、側蓋片20,21の上部を折目201,211で折り曲げる。これにより、側蓋片20,21の一部が側片30,31の上に重なる。以上により、側蓋片20,21及び側片30,31によって遊技盤3の全体が覆われ、遊技機用ケース100内に遊技機見本1が収容された状態となる。以下、遊技機用ケース100に遊技機見本1が収容されたものを遊技機見本装置と呼ぶ。また、遊技機見本装置において側蓋片20,21及び側片30,31によって箱本体10の開口が閉じられた状態を梱包状態(図8(a)、(b)に示す状態)と呼び、開口が開放された状態を実演状態(図9に示す状態)と呼ぶ。梱包状態にある遊技機見本装置において、側蓋片20,21は、箱本体10の底面を形成した際と同様に、テープやステープラーにより継ぎ合わされても良いが、後記する方法により内部に収容された遊技機見本1をすぐに展示できるよう、複数本の紐を側蓋片20,21の両方を横断するようにケースの外側にかけて固定するのが好ましい。
【0039】
箱本体10の辺から折目201,211,301,311までの距離がいずれも遊技盤3の厚さとほぼ同じであり、側蓋片20の折目201から先端までの距離と側蓋片21の折目211から先端までの距離との和が、該側蓋片20,21が延設される箱本体10の2つの長辺の間の距離と等しいため、側蓋片20,21及び側片30,31により形成される部分と箱本体10とによって直方体状の遊技機用ケース100が構成される。このため、複数の遊技機見本装置をまとめて運んだり、積み上げたりするときの安定性が優れる。
【0040】
上記遊技機用ケース100は、遊技機見本に応じた高さを有するため、大きな前飾りを有する遊技盤を備えた遊技機見本でも収容することができる。したがって、遊技盤から前飾りを取り外して該遊技盤とは別に輸送する手間が生じず、輸送先においても、両者を再び取り付けるという作業が不要となる。
【0041】
上記遊技機用ケース100は、側蓋片20,21及び側片30,31を折目101で外側に折り曲げれば高さが低くなるため、箱本体10の内部まで手が届き易くなり、遊技機見本1を箱本体10の内部に固定し易くなる。
【0042】
本実施形態に係る遊技機用ケース100は、遊技機見本1を収容するだけでなく、図9に示すように、収容された遊技機見本1を広範囲から見やすく実演に適した実演状態にすることができるものである。以下、本実施形態に係る遊技機見本装置を実演状態にする方法を図1図9を参照して説明する。
【0043】
(本実施形態に係る遊技機見本装置を実演状態にする方法)
まず、遊技機見本装置を梱包状態にするために遊技機用ケース100にかけ渡されていた紐(図示せず)を解く。次に、側蓋片20,21および側片30,31を折目101で外側に折り曲げる。側片30については、天面部330が側面部320の裏側に来るよう、さらに折目301で後方に折り曲げる。側片31については、天面部331が側面部321の表側に来るよう、さらに折目311で前方に折り曲げる。最後に、箱本体10の内部の上方中央に配置されたスペーサー90に側片31の上端部を当接させる。以上により、側蓋片20,21及び側片30,31に覆われていた遊技盤3の部分が側方及び上方に露出され、遊技盤3を広範囲から見やすい実演状態にすることができる。
【0044】
実演状態において、スペーサー90は緩衝材の役割だけでなく、遊技機見本1を箱本体10の内部に固定する役割を有する。このため、遊技機見本装置を立てた状態にしたときに遊技機見本1が前に倒れてくることが防止される。加えて、スペーサー90は、側片31が開かないようにするためのストッパーの役割も有する。本実施形態では、側蓋片20,21の内側面、側片30の側面部320の内側面、及び側片31の天面部331の外側面に製品に関する文字や図柄が印刷された紙が貼付されているため、印刷内容を遊技機見本1の周囲に表示することができ、遊技機見本1を効果的に展示することができる。しかも、梱包状態において貼付面が外部から見えない位置にあるため、遊技機見本装置の運搬時に貼付面に貼付された文字や図柄が傷ついたり汚れたりすることがない。
【0045】
上記実施形態では、側蓋片20,21を折目101で外側に折り曲げて実演状態としたが、側蓋片20,21を折目101で外側に折り曲げた後、さらに側蓋片20,21の側面部220,221の外側面と、箱本体10の両側面とをそれぞれ貼り合わせて実演状態としてもよい。また、側蓋片20,21を折目101で外側に折り曲げた後、天面部230,231が側面部220,221の裏側にそれぞれ来るよう、さらに折目220,221で後方に折り曲げてもよい。このようにすれば、側蓋片20,21が広がりすぎずコンパクトに遊技機見本装置を実演状態にすることができる。
【0046】
また、本実施形態の遊技機見本装置は、遊技機見本1の遊技機本体2と遊技機用ケース100の箱本体10の間に嵌め込まれた固定具60,70、スペーサー90を取り外すだけで遊技機用ケース100から遊技機見本1を取り出すことができるため、両者を容易に分離することができる。したがって、収容する遊技機見本1の交換が容易である。また、遊技機用ケース100、固定具60,70、スペーサー90、下パッド50、上パッド80がいずれも段ボール製であるため、これらをまとめて廃棄することができる。
【0047】
上記実施形態では、2枚のブランクシート40を継ぎ合わせて遊技機用ケース100のブランクを形成したが、1枚のブランクシートによりブランクを形成してもよい。すなわち、2枚のブランクシート40の一方の糊しろ部409を他方のブランクシート40の区画405に接着した形状に相当する形状の1枚のブランクシートによりブランクを形成してもよい。この場合、継ぎ合わせる箇所が1カ所で済み、ブランクの作成が簡易になる。
【0048】
上記実施形態では、固定具70の固定部71,72は上面視L字形状をなしていたが、上面視矩形板状等、他の形状でもよい。例えば固定具が、高さの異なる2つの矩形板状の固定部から構成されている場合は、遊技機本体2の各角部の両側と箱本体10又は固定具60との間にそれぞれ1個の固定具を配置するとよい。
【0049】
上記実施形態では、箱本体10に下パッド50を配置したが、収容する遊技機見本1の重量がそれほど大きくない場合は下パッド50を配置しなくてもよい。また、重量に応じて、箱本体10を両面段ボール(シングルフルート)で形成するか、複両面段ボール(ダブルフルート)で形成するかを適宜選択することで下パッド50を不要にすることができる。
【0050】
本実施形態の遊技機用ケース100は、収容する遊技機見本1を取り換えて、繰り返し使用することができる。遊技機見本1の縦幅及び横幅(図10における上下方向の長さ及び前後方向の長さ)は予め決められた大きさに設定されているため、遊技機見本1の遊技盤3の高さが遊技機用ケース100の折目101と折目201,211,301,311との間の距離より小さいものであれば、どのような種類の遊技機見本1でも収容することができる。
【0051】
本実施形態の遊技機用ケース100は、遊技機見本1が収容されていない場合に箱本体10の高さを低くすることができる。すなわち、箱本体10の底面から折目101までの高さにすることができる。このような状態にすれば、遊技機用ケース100を使用する前の保管スペースを小さくすることができる。
【符号の説明】
【0052】
1・・・遊技機見本
2・・・遊技機本体
3・・・遊技盤
100…遊技機用実演ケース兼輸送箱(遊技機用ケース)
10…箱本体
101・・・折目
20,21・・・側蓋片
201,211・・・折目
30,31・・・側片
301,311・・・折目
40・・・ブランクシート
50・・・下パッド
60・・・固定具
70・・・固定具
80・・・上パッド
90・・・スペーサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10