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特開2023-9223果糖と、低分子化したプロテインと、黒胡椒抽出物とを含有する栄養補助食品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009223
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】果糖と、低分子化したプロテインと、黒胡椒抽出物とを含有する栄養補助食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20230112BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20230112BHJP
   A23L 33/125 20160101ALI20230112BHJP
   A23L 33/17 20160101ALI20230112BHJP
   A23L 33/19 20160101ALI20230112BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L33/105
A23L33/125
A23L33/17
A23L33/19
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183042
(22)【出願日】2022-11-16
(62)【分割の表示】P 2018038589の分割
【原出願日】2018-03-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日 平成29年9月12日 ウェブサイトのアドレス https://futoremax.jp/
(71)【出願人】
【識別番号】518068899
【氏名又は名称】ふるさと和漢堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 富彦
(72)【発明者】
【氏名】新竹 政宏
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018MD20
4B018MD28
4B018MD61
4B018ME14
4B018MF01
(57)【要約】
【課題】従来の栄養補助食品に比べて、効果的に体重を増加できる栄養補助食品を提供する。
【解決手段】栄養補助食品であって、果糖と、低分子化したプロテインと、黒胡椒抽出物とを含有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果糖と、低分子化したプロテインと、黒胡椒抽出物とを含有することを特徴とする栄養補助食品。
【請求項2】
前記プロテインは、体内への吸収力を高めて体重を増加させることを目的として高分子を低分子化し、前記低分子化したプロテインは、コラーゲンペプチドと乳タンパク質とを含むことを特徴とする請求項1記載の栄養補助食品。
【請求項3】
配合の比率を、前記果糖が約50%、前記コラーゲンペプチドが約25%、前記乳タンパク質が約6%、前記黒胡椒抽出物が約0.025%としたことを特徴とする請求項2記載の栄養補助食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栄養補助食品に関する。
【背景技術】
【0002】
サプリメントなどの栄養補助食品として、食事におけるビタミンやミネラルの摂取不足を補うためにこれらの成分が含有された構成のものが良く知られている。その他、栄養補助食品として、筋肉の増量を図るためのものが知られている。このような筋肉増量を目的として摂取される栄養補助食品は、タンパク質を主成分として構成されるものが多く、従来より、プロテインとも称され、特にスポーツ選手に愛用されている。
【0003】
近年においては、タンパク質を主成分とする栄養補助食品は、体重増加を目的として摂取されることが多くなっており、特に、いわゆるガリガリ体型などと称される痩せ型の人によって、体型の改善を目的として摂取されることが増えてきている。この場合、人が栄養補助食品を摂取すると、体内でタンパク質が消化吸収され、その結果、摂取者の体重が増加することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003-524427号公報
【特許文献2】特開2017-141201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
人のタンパク質の消化吸収能力には個人差がある。また、人のタンパク質の吸収力は、例えばその人の食生活や、健康状態などの要因によっても大きく変化する。このため、タンパク質の吸収力が比較的高くない人では、タンパク質の摂取量を単に増大させたとしても、体重を効果的に増加させることは難しい。したがって、従来のタンパク質を主成分とする栄養補助食品では、タンパク質の吸収力が比較的高くない状態の人に対しては、効果的な体重増加の実現が難しいといった課題を有している。
【0006】
また、上記特許文献1には、果物等の保存を維持するためにバイオペリン(登録商標)を使用することが開示されている。また、上記特許文献2には、糖化阻害剤としてバイオペリンを使用することが開示されている。しかし、上記特許文献1及び2においてはいずれも栄養の吸収をサポートする効果については開示されていない。
【0007】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、従来の栄養補助食品に比べて、効果的に体重を増加できる栄養補助食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の栄養補助食品は、果糖と、低分子化したプロテインと、黒胡椒抽出物とを含有する。また、上記栄養補助食品において、プロテインは、体内への吸収力を高めて体重を増加させることを目的として高分子を低分子化し、低分子化したプロテインは、コラーゲンペプチドと乳タンパク質とを含んでもよい。また、該栄養補助食品において、配合の比率を、果糖が約50%、コラーゲンペプチドが約25%、乳タンパク質が約6%、黒胡椒抽出物が約0.025%としてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の栄養補助食品によれば、タンパク質及び炭水化物(糖)が豊富に含まれるとともに、タンパク質の消化吸収性が比較的高い。このため、摂取者は、効率的にタンパク質及び炭水化物を摂取することができる。したがって、本発明の栄養補助食品によれば、これを人が摂取するだけで、摂取者の体重を効果的に増加させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の説明では、実施形態に係る栄養補助食品を、単に「栄養補助食品」という。
【0011】
栄養補助食品は、人が飲用するなどによって摂取可能に形成されており、粉末状に形成されている。なお、栄養補助食品は、粉末状に限定されず、例えば、粉末を所定形状に固めた錠剤状や、顆粒状などであってもよいし、液状であってもよい。
【0012】
栄養補助食品は、1回に摂取される量に小分けされ、それぞれ包装袋に密封されている。このため、摂取者は、栄養補助食品を容易に携帯することができ、外出先などでも栄養補助食品を適宜摂取することが可能となる。また、栄養補助食品は包装袋に1回分の摂取量が収容されているので、摂取者は、計量を行う必要がなく容易かつ確実に所定量の栄養補助食品を摂取することができる。なお、栄養補助食品は、包装袋に収容されるものに限定されず、例えば、缶などの包装容器やカプセルに収容されるものであってもよい。また、栄養補助食品は、1回分の摂取量に小分けされているものに限定されず、例えば、より大きな包装袋や包装容器に複数回分の摂取量が収容されるものであってもよい。この場合、栄養補助食品は、飲用される際に、包装から計量スプーン等により1回分を計量して取り出されるものであってもよい。
【0013】
栄養補助食品は、牛乳に混合されて飲用可能に形成されている。上述したように、栄養補助食品は粉末状に形成されているので、摂取者は、栄養補助食品を牛乳に溶かすように容易に混合することができる。なお、栄養補助食品は、牛乳に混合されて飲用されるものに限定されず、例えば、水やジュースといった牛乳以外の飲料に混合されて飲用されるものであってもよいし、飲料に混ぜられずにそのままの状態で摂取されるものであってもよい。
【0014】
栄養補助食品は、果糖と、低分子化したプロテインと、黒胡椒抽出物と、生姜と、乳酸菌と、カカオ粉末に含まれるカカオポリフェノールと、発芽玄米に含まれるGABAとを含み構成されている。これらの栄養補助食品を構成する各成分は、例えば、包装袋内において万遍なく均一に混合された状態となっている。
【0015】
低分子化したプロテイン(低分子プロテイン)とは、たんぱく質(プロテイン)を酵素分解などで小さくした物質をいう。この酵素分解には、例えばプロアテーゼなどが用いられる。ここで低分子化とは、プロテインなどの高分子を小さな分子とすることをいう。このようにプロテインを低分子化することで、吸収力を高めることができる。栄養補助食品には、低分子プロテインとして、コラーゲンペプチド及び乳タンパク質が含有されている。ただし、栄養補助食品に含有される低分子プロテインは、コラーゲンペプチド及び乳タンパク質の双方であることに限定されない。すなわち、栄養補助食品に含有される低分子プロテインは、例えば、コラーゲンペプチド及び乳タンパク質のいずれか一方のみであってもよいし、大豆由来のタンパク質であるソイプロテインなど、乳タンパク質以外のタンパク質であってもよい。
【0016】
果糖は、フルクトースとも称され、糖の一種である。果糖を含む糖は、タンパク質などと同様に身体を構成する重要な栄養素である。そして、糖は、炭水化物の最小単位であり、炭水化物摂取による分解の負担がないため、身体に効率的に吸収される。果糖は、他種糖類に比べて高い水溶性を有する。これにより、栄養補助食品が牛乳に混合されると、果糖は他種糖類に比べて容易に牛乳に溶出する。また、果糖は、単糖の一つでもあり、満腹感に影響を与えることがない。このため、栄養補助食品を摂取したことに起因して摂取者の食事量が減少することを抑制できる。栄養補助食品に用いられる果糖としては、例えばてんさいから製造されたものが用いられる。栄養補助食品において果糖は、例えばパウダー状で含有されている。栄養補助食品はこのような果糖を含有するので、摂取者は、果糖の甘味を感じながら栄養補助食品を楽に摂取することができるとともに、これにより身体に糖分を効率よく吸収させることができる。
【0017】
コラーゲンペプチドは、コラーゲンペプタイドとも称され、例えば魚や、牛、豚の皮などに含まれるコラーゲン(タンパク質)を酵素分解して低分子化したものである。このため、コラーゲンペプチドは、体内でアミノ酸に分解されやすく、したがって一般的なプロテインと比べて高い消化吸収性を有している。栄養補助食品においてコラーゲンペプチドは、例えばパウダー状で含有されている。また、コラーゲンペプチドは、後述するホエイペプチドに比べて20%以上も高いタンパク質含有量を誇る。栄養補助食品はこのようなコラーゲンペプチドを含有するので、摂取者は、タンパク質を効率的に摂取することができる。
【0018】
乳タンパク質は、ミルクプロテインとも称され、乳(にゅう)に由来するたんぱく質である。なお、ここでいう乳タンパク質は、乳タンパク質を酵素分解してなるペプチドを含む。栄養補助食品に含有される乳タンパク質は、例えばホエイペプチドである。
【0019】
ホエイペプチドは、ホエイタンパク質を酵素分解して低分子化したものである。このため、ホエイペプチドは、体内でアミノ酸に分解されやすく、したがって一般的なプロテインと比べて高い消化吸収性を有している。栄養補助食品においてホエイペプチドは、例えばパウダー状で含有されている。栄養補助食品はこのようなホエイペプチドを含有するので、摂取者は、タンパク質を効率的に摂取することができる。
【0020】
黒胡椒抽出物は、黒胡椒エキスなどの黒胡椒から抽出された物質である。栄養補助食品に含有される黒胡椒抽出物は、例えば、黒胡椒エキスから水分を除去して造られたもので、パウダー状のものである。ただし、黒胡椒抽出物は、エキス状であってもよい。栄養補助食品に含有される黒胡椒抽出物は、例えばバイオペリンである。バイオペリンは、栄養の吸収をサポートする作用を有している。栄養補助食品はこのような黒胡椒抽出物を含有するので、摂取者は、栄養補助食品に含まれる各種栄養を、より一層余すことなくスムーズに吸収することができる。
【0021】
生姜は、ショウガ科の多年草であり、料理などにおいて香辛料として用いられる食材である。栄養補助食品において生姜は、例えば乾燥したパウダー状で含有されている。栄養補助食品はこのような生姜を含有するので、摂取者の食欲が刺激される。したがって、摂取者は無理なく食事をすることができる。
【0022】
乳酸菌は、代謝により乳酸を産生する細菌類である。栄養補助食品において乳酸菌は、例えばパウダー状で含有されている。栄養補助食品に含有される乳酸菌は、例えば有胞子性乳酸菌である。有胞子性乳酸菌は、バチルス コアグランス(Bacillus Coagulans)とも称され、麦芽から発見された乳酸菌の一種である。有胞子性乳酸菌は、胃酸に強く、生きて腸まで届くことが知られている。栄養補助食品において乳酸菌は、例えば乾燥したパウダー状で含有されている。栄養補助食品はこのような乳酸菌を含有するので、摂取者の体内における栄養補助食品の成分の消化吸収不良を抑制することができる。
【0023】
カカオポリフェノールは、ココアパウダーやチョコレートに含まれる成分であり、比較的強い抗酸化作用や、ストレスを軽減する効果を有することが知られている。栄養補助食品にはココアパウダーが含まれており、このココアパウダー中にカカオポリフェノールが含有されている。栄養補助食品はココアパウダーを含有するので、摂取者は、栄養補助食品を摂取することにより、ココアやチョコレートなどを飲用した際に感じるホッとした安心感を得ることができる。また、栄養補助食品はカカオポリフェノールを含有するので、摂取者は、ストレスを低減できる。
【0024】
GABA(Gamma Amino Butyric Acid)は、γ-アミノ酪酸の略称であり、天然アミノ酸の一つである。GABAは、発芽玄米において豊富に含まれている。GABAは、摂取されることにより、摂取者のストレスを低減し、摂取者をリラックスさせる効果を有している。栄養補助食品には発芽玄米が含まれており、この発芽玄米中にGABAが含有されている。栄養補助食品はこのようなGABAを含有するので、摂取者をリラックスした状態へ導くことができる。
【0025】
栄養補助食品を構成する原材料の重さの配合の比率は、果糖が約50%、コラーゲンペプチドが約25%、乳タンパク質が約6%、黒胡椒抽出物が約0.025%、その他の成分(生姜や乳酸菌等)が約18.975%となっている。例えば、栄養補助食品における原材料の重さの配合の比率は、果糖が例えば48~52%、コラーゲンペプチドが例えば23~27%、乳タンパク質が例えば4~8%、黒胡椒抽出物が例えば0.023~0.027%である。
【0026】
以上のように構成される栄養補助食品には、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、トレオニン、及びトリプトファンの計9種の必須アミノ酸、並びに、アルギニン、チロシン、及びシスチンの計3種の準必須アミノ酸が含まれている。
【0027】
なお、栄養補助食品は、上記構成に限定されるものではない。例えば、上記構成の栄養補助食品は、果糖、コラーゲンペプチド、乳タンパク質、黒胡椒抽出物、乳酸菌、生姜、カカオポリフェノール、及び発芽玄米GABAを含み構成されていたが、これに限定されず、少なくとも、果糖、低分子化したプロテイン、及び黒胡椒抽出物の3種を含む限りにおいて、栄養補助食品を構成する原材料の配合は任意である。すなわち、栄養補助食品は、例えば、果糖、低分子化したプロテイン、及び黒胡椒抽出物から構成されてもよいし、上記3種の原材料のいずれとも異なる原材料(例えば、乳酸菌や、生姜、アセロラ)や種々の添加物などを含有するものであってもよい。また、上記の栄養補助食品では、これを構成する原材料の重さの配合の比率は、果糖が約50%、コラーゲンペプチドが約25%、乳タンパク質が約6%、黒胡椒抽出物が約0.025%としていたが、これに限定されず、上記比率は任意に設定可能である。
【0028】
以上説明した栄養補助食品によれば、果糖、低分子化したプロテイン、及び黒胡椒抽出物を含有するので、タンパク質及び炭水化物(糖)が豊富に含まれているとともに、タンパク質の消化吸収性が比較的高い。したがって、栄養補助食品によれば、これを人が摂取するだけで、摂取者の体重を効果的に増加させることができる。
【0029】
また、栄養補助食品によれば、その原材料の重さの配合の比率が、果糖が約50%、コラーゲンペプチドが約25%、乳タンパク質が約6%、黒胡椒抽出物が約0.025%に設定されているので、最適な栄養バランスとなっている。したがって、栄養補助食品によれば、摂取者に対して、より一層効果的に、タンパク質及び炭水化物の吸収を促進させることができる。
【0030】
また、栄養補助食品によれば、果糖、コラーゲンペプチド、乳タンパク質、黒胡椒抽出物、乳酸菌、及び生姜の各成分の働きによって摂取者の肉体(外面)を改善するとともに、カカオポリフェノール及びGABAの各成分の働きによって摂取者の精神(内面)を良好な状態とする。このように、栄養補助食品は、摂取者の内面及び外面の両面に対して作用する。その結果、栄養補助食品によれば、これを摂取者が摂取することにより、上述した各成分の相乗効果によって、摂取者の体重増加を効率的かつ効果的に実現することができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。