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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092245
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】導光装置、及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/02 20060101AFI20230626BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20230626BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20230626BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20230626BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230626BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20230626BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230626BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20230626BHJP
【FI】
G02B6/02 391
F21V8/00 282
F21V8/00 241
G02B6/00 326
G02B6/42
F21Y115:10 300
F21Y115:15
F21Y115:30
F21Y113:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207374
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 健二
【テーマコード(参考)】
2H038
2H137
2H250
【Fターム(参考)】
2H038BA42
2H137AA10
2H137AB06
2H137BA04
2H137BA06
2H137BB02
2H137BB25
2H137DA13
2H137DB12
2H250AB36
2H250AB37
2H250AD32
2H250AD37
2H250AH02
2H250AH37
(57)【要約】
【課題】本開示は、太さの増加を図りつつ曲げ半径の縮小を図ることを課題とする。
【解決手段】導光装置B1は、シリコーン樹脂によって形成される中心部10と、透光性を有する材料によって中心部10の少なくとも一部を覆うように形成される周辺部11と、を備える。周辺部11を形成する材料は、難燃性又は不燃性を有する合成樹脂材料である。周辺部11を形成する材料の屈折率がシリコーン樹脂の屈折率よりも小さい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン樹脂によって形成される中心部と、
透光性を有する材料によって前記中心部の少なくとも一部を覆うように形成される周辺部と、
を備え、
前記材料は、難燃性又は不燃性を有する合成樹脂材料であり、
前記材料の屈折率が前記シリコーン樹脂の屈折率よりも小さい、
導光装置。
【請求項2】
前記材料は、フッ素樹脂である、
請求項1記載の導光装置。
【請求項3】
シリコーン樹脂によって形成される中心部と、
透光性を有するフッ素樹脂によって前記中心部の少なくとも一部を覆うように形成される周辺部と、
を備える、
導光装置。
【請求項4】
前記周辺部は筒状に形成され、
前記中心部は、前記中心部の一部を除いて前記周辺部の内部に収容される、
請求項1-3のいずれか1項に記載の導光装置。
【請求項5】
前記中心部は、光源から放射される光を入射させる入射面を有し、前記入射面から入射した前記光を導光する、
請求項1-4のいずれか1項に記載の導光装置。
【請求項6】
前記周辺部は、前記中心部に導光される前記光の一部を外部に放射する、
請求項5記載の導光装置。
【請求項7】
請求項1-6のいずれかの導光装置と、
前記導光装置の前記中心部に光を入射する1つ以上の光源と、
を更に有する、
照明装置。
【請求項8】
前記中心部の長手方向の第1端に第1の光を入射する第1の光源と、
前記中心部の長手方向の第2端に第2の光を入射する第2の光源と、
を有する、
請求項7記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1の光の光色と前記第2の光の光色が異なる、
請求項8記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、導光装置、及び照明装置に関し、より詳細には、光を導光しつつ一部の光を外部に出射させる導光装置、及び当該導光装置を備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の車両用照明装置(照明装置)及び照明部材(導光装置)を例示する。特許文献1記載の照明部材は、ガラスファイバ製の心線を有する光ファイバと、可撓性を有して光ファイバを収納する、透明な環状部材と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-11147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の照明部材(導光装置)は、ガラスファイバ製の心線を有する光ファイバを備えているため、太さの増加を図りつつ曲げ半径を縮小することが困難であった。
【0005】
本開示の目的は、太さの増加を図りつつ曲げ半径の縮小を図ることができる導光装置、及び照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る導光装置は、シリコーン樹脂によって形成される中心部と、透光性を有する材料によって前記中心部の少なくとも一部を覆うように形成される周辺部と、を備える。前記材料は、難燃性又は不燃性を有する合成樹脂材料である。前記材料の屈折率が前記シリコーン樹脂の屈折率よりも小さい。
【0007】
本開示の一態様に係る導光装置は、シリコーン樹脂によって形成される中心部と、透光性を有するフッ素樹脂によって中心部の少なくとも一部を覆うように形成される周辺部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る照明装置は、前記導光装置と、前記導光装置の前記中心部に光を入射する1つ以上の光源と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の導光装置、及び照明装置は、太さの増加を図りつつ曲げ半径の縮小を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1Aは、本開示の実施形態に係る導光装置の断面図である。図1Bは、同上の導光装置の正面図である。
図2図2は、同上の導光装置の一部省略した断面斜視図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係る照明装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係る導光装置B1及び照明装置A1について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(1)概要
実施形態に係る導光装置B1は、図1A及び図1Bに示すように、中心部10と、中心部10の少なくとも一部を覆うように形成される周辺部11と、を備える。中心部10は、シリコーン樹脂によって形成される。周辺部11は、透光性を有する材料によって形成される。周辺部11を形成する材料は、難燃性又は不燃性を有する合成樹脂材料である。
【0013】
中心部10を形成するシリコーン樹脂は、その厚み(直径)を2mmとした場合、直線透過率が85%以上であることが好ましく、直線透過率が90%以上であれば更に好ましい。なお、厚みを2mmとした場合の直線透過率が90%以上であれば、より低い屈折率(例えば、波長589nmの光に対して1.41程度)のシリコーン樹脂で中心部10が形成されても構わない。また、直線透過率が90%以上であれば好ましいが、例えば、波長589nmの光に対する屈折率が1.41よりも大きい材料では、直線透過率が85%以上でも構わない。さらに、中心部10を形成するシリコーン樹脂は、例えば、UL規格(Underwriters Laboratories Inc.)のUL94(合成樹脂材料の燃焼性試験)による評価試験方法における、UL94V-2以上のグレードの難燃性を有することが望ましい。
【0014】
周辺部11を形成する材料(合成樹脂材料)は、その厚みを0.5mmとした場合、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。また、周辺部11を形成する材料の屈折率は、中心部10を形成するシリコーン樹脂の屈折率よりも小さく、例えば、波長546nmの光に対して1.3~1.35程度であればよい。さらに、周辺部11を形成する材料(合成樹脂材料)は、中心部10を形成するシリコーン樹脂と同様に、UL94V-2以上のグレードの難燃性を有することが望ましい。周辺部11を形成する材料(合成樹脂材料)は、例えば、4フッ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE)、4フッ化エチレン・パーフルオロ(パーフルオロアルコキシアルカン:PFA)、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合樹脂(パーフルオロエチレンプロペンコポリマ:FEP)、3フッ化塩化エチレン樹脂(ポリクロロトリフルオロエチレン:PCTFE)、などのフッ素樹脂が好ましい。ただし、周辺部11を形成する合成樹脂材料は、上述したフッ素樹脂に1種類以上の難燃性付与成分が混合されたフッ素樹脂であっても構わない。
【0015】
導光装置B1は、周辺部11の屈折率を中心部10の屈折率よりも小さくしているため、中心部10内を導光する光の一部を中心部10から周辺部11を通して外部に出射させることができる(図2参照)。つまり、導光装置B1は、長手方向の一端又は両端から入射する光によって導光装置B1全体が発光するように構成される。このような導光装置B1は、例えば、自動車及び鉄道車両などの車内に設置されて装飾用又は演出用の照明に利用される。なお、導光装置B1は、装飾用又は演出用の照明に利用されるため、太さの増加を図りつつ曲げ半径を縮小することが望まれる。
【0016】
ここで、従来例のように中心部がガラスファイバのように固い材料で形成されている場合、中心部の太さ(直径)を増加しつつ中心部の曲げ半径を縮小することは困難である。これに対して導光装置B1は、中心部10がシリコーン樹脂で形成されるため、中心部の太さ(直径)を増加しつつ中心部の曲げ半径の縮小を図ることができる。
【0017】
さらに、導光装置B1は、難燃性を有する材料(例えば、フッ素樹脂)で形成される周辺部11で中心部10の少なくとも一部(例えば、中心部10の長手方向の両端を除く部分)を覆うことによって、燃えにくくして安全性の向上を図ることができる。
【0018】
(2)詳細
(2-1)導光装置の詳細
導光装置B1は、長尺の円柱状に形成された中心部10と、長尺の円筒状に形成されて中心部10を内部に収容した周辺部11と、を備える(図1A及び図1B参照)。ただし、中心部10の形状は円柱状に限定されず、だ円柱状のほか、3角柱状、4角柱状などの多角柱状も含まれる。同様に、周辺部11の形状は円筒状に限定されず、中心部10の形状に合わせて、だ円柱状、及び多角筒状も含まれる。
【0019】
中心部10は、シリコーン樹脂で形成されている。中心部10を形成するシリコーン樹脂は、可視光に対する透光性、可撓性、難燃性などの特性を有している。可視光に対する透光性は、90%以上であることが好ましい。なお、中心部10を形成するシリコーン樹脂の屈折率は、1.40~1.57程度である。可撓性(曲げ半径の最大値)は、中心部10の直径の6倍~8倍程度であることが好ましい。難燃性は、例えば、UL規格のUL94V-2以上のグレードであることが好ましい。
【0020】
周辺部11は、フッ素樹脂で形成されている。例えば、PTFE、PFA、FEP、PCTFE、AF(アモルファスフルオロポリマー)、などのフッ素樹脂が好ましい。周辺部11を形成するフッ素樹脂は、可視光に対する透光性、可撓性、難燃性などの特性を有している。可視光に対する透光性は、90%以上であることが好ましい。なお、フッ素樹脂の屈折率は、一般に1.30~1.43程度であり、中心部10を形成するシリコーン樹脂の屈折率よりも小さい。可撓性(曲げ半径の最大値)は、中心部10と同様に中心部10の直径の6倍~8倍程度であることが好ましい。難燃性は、例えば、UL規格のUL94V-2以上のグレードであることが好ましい。なお、中心部10の外周面と周辺部11の内周面は、すきまなく密着していることが好ましい。
【0021】
導光装置B1の直径(周辺部11の外径)は、一例として6mm~8mm程度である。また、中心部10の直径は、一例として5mm~6mm程度である。さらに、周辺部11の厚みは、中心部10の半径の約55%以下であることが好ましい。ただし、これらの数値は一例にすぎない。
【0022】
導光装置B1は、長手方向(軸方向)に沿った任意の長さに切断して使用することができる。導光装置B1の端面(あるいは切断面)に中心部10の端面(入射面12)が露出している(図1B参照)。導光装置B1は、中心部10の入射面12から入射する光(後述する光源から放射される可視光)を中心部10内で導光する。そして、導光装置B1は、周辺部11の屈折率を中心部10の屈折率よりも小さくしているので、中心部10内を導光する光の一部を中心部10から周辺部11を通して外部に出射させることができる(図2参照)。
【0023】
ここで、導光装置B1は、中心部10がシリコーン樹脂で形成されるため、中心部の太さ(直径)を増加しつつ中心部の曲げ半径の縮小を図ることができる。しかも、導光装置B1は、難燃性を有するフッ素樹脂で形成される周辺部11で中心部10を覆っているので、燃えにくく、延焼を抑えて安全性の向上を図ることができる。
【0024】
(2-2)照明装置の詳細
実施形態に係る照明装置A1(以下、照明装置A1と略す。)は、導光装置B1と、2つの光源ユニット(第1光源ユニットC1及び第2光源ユニットC2)と、を有している(図3参照)。第1光源ユニットC1は、導光装置B1の長手方向の一端(第1端13)に取り付けられている。第2光源ユニットC2は、導光装置B1の長手方向の他端(第2端14)に取り付けられている。
【0025】
第1光源ユニットC1は、発光素子20Aと、ユニット本体21Aと、放熱体22Aと、を備えている。同じく、第2光源ユニットC2は、発光素子20Bと、ユニット本体21Bと、放熱体22Bと、を備えている。
【0026】
発光素子20A、20Bは、パッケージ型又はCOB(チップオンボード)型の発光ダイオードである。発光素子20A、20Bは、単一色の可視光(例えば、白色光)を放射する。ただし、発光素子20A、20Bは、1色又は複数色の光を放射しても構わない。また、2つの発光素子20A、20Bがそれぞれ異なる色の光を放射してもよい。なお、発光素子20A、20Bは発光ダイオードに限定されず、有機エレクトロルミネッセンス素子、あるいは、半導体レーザ素子などであっても構わない。
【0027】
ユニット本体21A、21Bは、発光素子20A、20Bを収容する容器である。ユニット本体21A、21Bは、熱伝導性の高い材料、例えば、アルミダイカストによって扁平な円筒状に形成されている。ただし、ユニット本体21A、21Bの形状は円筒状に限定されず、例えば、角筒状であっても構わない。ユニット本体21A、21Bの一方の底面の中心に円筒状のボス210A、210Bが突出している。ただし、ボス210A、210Bの形状は円筒状に限定されず、例えば、角筒状であっても構わない。ボス210A、210Bは、ユニット本体21A、21Bに収容された発光素子20A、20Bと対向している。
【0028】
ユニット本体21Aのボス210Aに、導光装置B1の第1端13が挿入され、ユニット本体21Bのボス210Bに、導光装置B1の第2端14が挿入される。導光装置B1の第1端13及び第2端14は、ボス210A、210Bの側面に対してねじ止めされる。
【0029】
放熱体22A、22Bは、円板状のベース220A、220Bと、ベース220A、220Bの一方の表面から等間隔に突出する複数の放熱フィン221A、221Bと、を有している。ベース220A、220Bと複数の放熱フィン221A、221Bは、熱伝導性の高い材料、例えば、アルミダイカストによって一体に形成されている。放熱体22A、22Bは、ユニット本体21A、21Bの他方の底面に密着した状態でユニット本体21A、21Bに取り付けられる。すなわち、放熱体22A、22Bは、発光素子20A、20Bが発する熱をベース220A、220Bから複数の放熱フィン221A、221Bに伝動して放熱するように構成されている。
【0030】
(3)実施形態のその他の利点
導光装置B1において、周辺部11はフッ素樹脂で形成されている。例えば、導光装置がシリコーン樹脂製の中心部のみで構成された場合、露出した中心部の外周面のタック性(軽い力で短時間に被着体に接着する特性:日本産業規格JIS Z 0109参照)によって、導光装置の取扱いに手間がかかる。また、埃などの異物が、露出した中心部の外周面に付着した場合に特性(特に光学的な特性)が変化する可能性がある。しかしながら、導光装置B1は、シリコーン樹脂に比べてタック性が低いフッ素樹脂製の周辺部11で中心部10を覆っているので、取扱い及び保守が容易になるという利点がある。
【0031】
また、導光装置B1は、周辺部11の内部に中心部10を収容するため、周辺部11によって中心部10を保護することができるという利点がある。
【0032】
さらに、導光装置B1は、発光素子20A、20Bから放射される光を入射させる入射面12を中心部10に有し、入射面12から入射した光を中心部10で導光する。そのため、導光装置B1は、中心部10に効率的に光を入射させ、かつ、導光することができる。そして、導光装置B1は、中心部10に導光させた光の一部を周辺部11から外部に放射させるので、周辺部11全体を発光させてライン状の照明(装飾用及び演出用の照明)を行うことができる。
【0033】
照明装置A1は、中心部10の長手方向の第1端13に光を入射する発光素子20Aと、中心部10の長手方向の第2端14に光を入射する発光素子20Bと、を有している。しかして、照明装置A1は、導光装置B1の両端(第1端13、第2端14)から入射する光をそれぞれ反対方向に導光するので、導光装置B1から放射される光の均斉度の向上を図ることができる。
【0034】
さらに、照明装置A1において、第1光源ユニットC1から出力される光の色(発光素子20Aの光色)と、第2光源ユニットC2から出力される光の色(発光素子20Bの光色)とが異なっていてもよい。例えば、発光素子20Aの光色を青色、発光素子20Bの光色を赤色としてもよいし、発光素子20Aの光色を緑色、発光素子20Bの光色を青色としてもよいし、発光素子20Aの光色を赤色、発光素子20Bの光色を緑色としてもよい。あるいは、発光素子20A、20Bの光色は、赤色、青色、緑色以外の色であってもよい。
【0035】
照明装置A1は、発光素子20Aの光色と発光素子20Bの光色を異ならせることによって、更に多彩な装飾効果及び演出効果を得ることができる。
【0036】
(4)まとめ
本開示の第1の態様に係る導光装置(B1)は、シリコーン樹脂によって形成される中心部(10)と、透光性を有する材料によって中心部(10)の少なくとも一部を覆うように形成される周辺部(11)と、を備える。[周辺部(11)を形成する]材料は、難燃性又は不燃性を有する合成樹脂材料である。[周辺部(11)を形成する]材料の屈折率がシリコーン樹脂の屈折率よりも小さい。
【0037】
第1の態様に係る導光装置(B1)は、中心部(10)がシリコーン樹脂で形成されるため、中心部(10)の太さ(直径)を増加しつつ中心部(10)の曲げ半径の縮小を図ることができる。
【0038】
本開示の第2の態様に係る導光装置(B1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る導光装置(B1)において、[周辺部(11)を形成する]材料は、フッ素樹脂であることが好ましい。
【0039】
第2の態様に係る導光装置(B1)は、シリコーン樹脂に比べてタック性が低いフッ素樹脂で周辺部(11)を形成しているので、周辺部(11)がシリコーン樹脂で形成される場合に比べて、取扱い及び保守が容易になる。
【0040】
本開示の第3の態様に係る導光装置(B1)は、シリコーン樹脂によって形成される中心部(10)と、透光性を有するフッ素樹脂によって中心部(10)の少なくとも一部を覆うように形成される周辺部(11)と、を備える。
【0041】
第3の態様に係る導光装置(B1)は、中心部(10)がシリコーン樹脂で形成されるため、中心部(10)の太さ(直径)を増加しつつ中心部(10)の曲げ半径の縮小を図ることができる。また、第3の態様に係る導光装置(B1)は、シリコーン樹脂に比べてタック性が低いフッ素樹脂で周辺部(11)を形成しているので、周辺部(11)がシリコーン樹脂で形成される場合に比べて、取扱い及び保守が容易になる。
【0042】
本開示の第4の態様に係る導光装置(B1)は、第1-第3のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る導光装置(B1)において、周辺部(11)は筒状に形成されることが好ましい。中心部(10)は、中心部(10)の一部を除いて周辺部(11)の内部に収容されることが好ましい。
【0043】
第4の態様に係る導光装置(B1)は、周辺部(11)によって中心部(10)を保護することができる。
【0044】
本開示の第5の態様に係る導光装置(B1)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る導光装置(B1)において、中心部(10)は、光源(発光素子20A、20B)から放射される光を入射させる入射面(12)を有し、入射面(12)から入射した光を導光することが好ましい。
【0045】
第5の態様に係る導光装置(B1)は、中心部(10)に効率的に光を入射させ、かつ、導光することができる。
【0046】
本開示の第6の態様に係る導光装置(B1)は、第5の態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る導光装置(B1)において、周辺部(11)は、中心部(10)に導光される光の一部を外部に放射することが好ましい。
【0047】
第6の態様に係る導光装置(B1)は、中心部(10)に導光させた光の一部を周辺部(11)から外部に放射させるので、周辺部(11)全体を発光させてライン状の照明(装飾用及び演出用の照明)を行うことができる。
【0048】
本開示の第7の態様に係る照明装置(A1)は、第1-第6のいずれかの態様に係る導光装置(B1)と、導光装置(B1)の中心部(10)に光を入射する1つ以上の光源と、を有する。
【0049】
第7の態様に係る照明装置(A1)は、中心部(10)の太さ(直径)を増加しつつ中心部(10)の曲げ半径の縮小を図ることができる。
【0050】
本開示の第8の態様に係る照明装置(A1)は、第7の態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る照明装置(A1)は、中心部(10)の長手方向の第1端(13)に第1の光を入射する第1の光源(発光素子20A)と、中心部(10)の長手方向の第2端(14)に第2の光を入射する第2の光源(発光素子20B)と、を更に有することが好ましい。
【0051】
第8の態様に係る照明装置(A1)は、導光装置(B1)の両端(第1端13、第2端14)から入射する光をそれぞれ反対方向に導光するので、導光装置(B1)から放射される光の均斉度の向上を図ることができる。
【0052】
本開示の第9の態様に係る照明装置(A1)は、第8の態様との組合せにより実現され得る。第9の態様に係る照明装置(A1)において、第1の光の光色と第2の光の光色が異なることが好ましい。
【0053】
第9の態様に係る照明装置(A1)は、第1の光の光色と第2の光の光色を異ならせることによって、更に多彩な装飾効果及び演出効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0054】
A1 照明装置
B1 導光装置
10 中心部
11 周辺部
12 入射面
13 第1端
14 第2端
20A 発光素子(光源;第1の光源)
20B 発光素子(光源;第2の光源)
図1
図2
図3