(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092273
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】口腔洗浄装置用ノズルおよび口腔洗浄装置
(51)【国際特許分類】
A61C 17/02 20060101AFI20230626BHJP
【FI】
A61C17/02 G
A61C17/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207412
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】実松 渉
(72)【発明者】
【氏名】篠田 浩輝
(72)【発明者】
【氏名】筒井 真美
(72)【発明者】
【氏名】サフー、 サロジ クマール
(72)【発明者】
【氏名】マルンジカル、 プラシャント ランナス
(72)【発明者】
【氏名】スリマンガラム ソマセカーラン ナイル、 アヌプ
(57)【要約】
【課題】より効率よく口腔内を洗浄することが可能な口腔洗浄装置用ノズルおよび口腔洗浄装置を得る。
【解決手段】口腔洗浄装置用ノズル30は、先端部312を有するノズル本体31と、先端部312の先端面3121に形成された吐出口321と、先端面3121の吐出口321が形成されていない部位に設けられた撮像センサ80と、を備えている。そして、口腔洗浄装置用ノズル30は、先端部312に、先端面3121よりも前方に突出するように設けられた突出部3122を備えている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部を有するノズル本体と、
前記先端部の先端面に形成された吐出口と、
前記先端面の前記吐出口が形成されていない部位に設けられた撮像センサと、
前記先端部に、前記先端面よりも前方に突出するように設けられた突出部と、
を備える、
口腔洗浄装置用ノズル。
【請求項2】
前記撮像センサを囲むように前記突出部が設けられており、
前記突出部は、一部が切り欠かれた形状をしている、
請求項1に記載の口腔洗浄装置用ノズル。
【請求項3】
前記突出部は、複数個所が切り欠かれた形状をしている、
請求項2に記載の口腔洗浄装置用ノズル。
【請求項4】
前記突出部は、前記撮像センサの近傍が切り欠かれた形状をしている、
請求項2または請求項3に記載の口腔洗浄装置用ノズル。
【請求項5】
前記突出部が前記先端面の縁に沿って設けられている、
請求項1~4のうちいずれか1項に記載の口腔洗浄装置用ノズル。
【請求項6】
前記突出部の前記先端面からの突出距離が、前記先端面から前記撮像センサの焦点までの距離と同一である、
請求項1~5のうちいずれか1項に記載の口腔洗浄装置用ノズル。
【請求項7】
前記吐出口から前記撮像センサの法線に向けて液体が吐出される、
請求項1~6のうちいずれか1項に記載の口腔洗浄装置用ノズル。
【請求項8】
前記突出部の前記先端面からの突出距離が、前記先端面から液体の吐出方向に延在する直線と前記撮像センサの法線との交点までの距離と同一である、
請求項7に記載の口腔洗浄装置用ノズル。
【請求項9】
請求項1~8のうちいずれか1項に記載の口腔洗浄装置用ノズルと、
前記口腔洗浄装置用ノズルが取り付けられる把持部と、
を備える、
口腔洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、口腔洗浄装置用ノズルおよび口腔洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔洗浄装置用ノズルとしては、以下の特許文献1に開示されているように、先端部を有するノズル本体を備えるものが知られている。この特許文献1では、ノズル本体の先端部に、液体を吐出させることが可能な吐出口と、口腔内を撮像することが可能な撮像センサと、が設けられている。こうすることで、撮像センサで口腔内を撮像しつつ、液体を吐出口から口腔内に吐出させることができるようにし、口腔内を効率よく洗浄できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、撮像センサから口腔内の撮像対称までの距離を一定に保つことが難しく、口腔内を鮮明に撮像することができない場合がある。このように、口腔内を鮮明に撮像することができなかった場合、口腔内の汚れの状態を把握することが難しくなってしまうため、口腔内を効率よく洗浄することができなくなってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本開示は、より効率よく口腔内を洗浄することが可能な口腔洗浄装置用ノズルおよび口腔洗浄装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる口腔洗浄装置用ノズルは、先端部を有するノズル本体と、前記先端部の先端面に形成された吐出口と、前記先端面の前記吐出口が形成されていない部位に設けられた撮像センサと、前記先端部に、前記先端面よりも前方に突出するように設けられた突出部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様にかかる口腔洗浄装置は、上述した口腔洗浄装置用ノズルと、前記口腔洗浄装置用ノズルが取り付けられる把持部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、より効率よく口腔内を洗浄することが可能な口腔洗浄装置用ノズルおよび口腔洗浄装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態にかかる口腔洗浄装置の一例を一方向から見た斜視図である。
【
図2】実施の形態にかかる口腔洗浄装置の一例を他方向から見た斜視図である。
【
図3】実施の形態にかかる把持部およびノズルの一例を示す図であって、ノズルが左右両方向に回動できる状態を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態にかかる把持部およびノズルの一例を示す図であって、ノズルの左方向への回動が規制された状態を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態にかかる把持部およびノズルの一例を示す図であって、ノズルの右方向への回動が規制された状態を示す斜視図である。
【
図6】実施の形態にかかる把持部の内部を示す斜視図である。
【
図7】実施の形態にかかる第1,第2規制部および第1,第2接触壁によるノズルの回動の規制方法を説明する図であって、第1規制部と第1接触壁とが接触しておらず、第2規制部と第2接触壁とが接触していない状態を示す断面図である。
【
図8】実施の形態にかかる第1,第2規制部および第1,第2接触壁によるノズルの回動の規制方法を説明する図であって、第1規制部と第1接触壁とが接触している状態を示す断面図である。
【
図9】実施の形態にかかる第1,第2規制部および第1,第2接触壁によるノズルの回動の規制方法を説明する図であって、第2規制部と第2接触壁とが接触している状態を示す断面図である。
【
図10】実施の形態にかかるノズルの先端部の一例を拡大して示す斜視図である。
【
図11】一例として示すノズルの使用状態を示す断面図である。
【
図12】変形例として示すノズルの使用状態を示す断面図である。
【
図13】ノズルの先端部の変形例を拡大して示す斜視図である。
【
図14】口腔洗浄装置の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。たとえば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0011】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
また、以下の実施の形態では、ノズルの先端部を上側にしつつステム部の延在方向を上下方向に一致させた状態で、口腔洗浄装置の上下方向を規定して説明する。また、吐出部から液体が吐出される方向を前側と規定して説明する。
【0013】
(実施の形態)
以下では、実施の形態にかかる口腔洗浄装置用ノズルおよび口腔洗浄装置について説明する。
【0014】
本実施の形態にかかる口腔洗浄装置1は、
図1,2に示すように、ケース11を有する装置本体10と、使用者等が手で把持することが可能なグリップ部(把持部)20と、グリップ部20に取り付けられるノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30と、を備えている。この口腔洗浄装置1は、ノズル30の後述する吐出口321から水などの液体を吐出(噴出)させて、口腔内の歯90などに液流を当てることで、口腔内の洗浄を行う装置である。
【0015】
ここで、本実施の形態では、ノズル30は、ノズル本体31を備えており、ノズル本体31は、上下方向に細長いステム部311と、ステム部311の上端に、ステム部311の延在方向と交差する方向に延在するように連設された先端部312と、を備えている。このように、本実施の形態では、ノズル30は、先端が屈曲した形状をしている。
【0016】
そして、本実施の形態では、
図3~
図5に示すように、先端が屈曲した形状のノズル30がグリップ部20に回動可能に取り付けられている。
【0017】
このグリップ部20およびノズル30は、
図1に示すように、ホース13を介して装置本体10のケース11に接続されている。
【0018】
装置本体10は、上述したケース11と、液体を貯留することが可能な貯液タンク(貯液部)12と、を備えており、略直方体状をしている。このケース11および貯液タンク12は、合成樹脂等の材料を用いて形成することができるが、これに限らず様々な材料を用いて形成することが可能である。
【0019】
また、ケース11の内部には、図示省略したポンプが内蔵されており、貯液タンク12とホース13とがポンプを介して接続されている。そして、貯液タンク12に貯留されている液体が、ポンプを介してホース13に供給されるようになっている。このようなポンプとしては、例えば、ピストンポンプ式のポンプを用いることが可能である。ただし、ポンプの方式については、特に限定されるものではない。
【0020】
なお、装置本体10が貯液タンク12を備えている必要はなく、例えば、水道水等の液体を外部から直接的に引き込むようにすることも可能である。
【0021】
また、本実施の形態では、ケース11には、口腔洗浄装置1(装置本体10)が使用されていないときに、グリップ部20を保持するグリップ保持部11aと、ホース13を巻き付けて保持するホース保持部11bと、が設けられている。さらに、ケース11の内部には、ポンプ等の動作を制御する制御部としての制御基板などが設置されている。
【0022】
また、ケース11には、配線14および電源コード15が接続されており、電源コード15を介して外部からポンプ等を動作させるための電源が供給されるようにしている。また、配線14の先端には、後述するステッピングモータ(回動部)40、制御部60、撮像センサ80がそれぞれ接続されており、配線14を介してそれぞれの部材に電力が供給されるようになっている。
【0023】
さらに、ケース11には、
図2に示すように、電源のオン・オフを切り替える電源スイッチ16およびノズル30から吐出(噴出)される液体の液圧を切り替える液圧切替スイッチ17a,17bが設けられている。したがって、本実施の形態にかかる口腔洗浄装置1では、電源スイッチ16を操作して電源をオンにした状態で、液圧切替スイッチ17a,17bを操作することで、所望の液圧で液体をノズル30から吐出(噴出)させることができるようになっている。
【0024】
グリップ部20は、
図3~
図5に示すように、外郭を構成するハウジング21を備えている。このハウジング21は、例えば、絶縁性を有する合成樹脂材料を用いて形成することができる。
【0025】
また、本実施の形態では、ハウジング21は、
図6に示すように、複数の分割体を継ぎ合わせることで形成されており、分割体を継ぎ合わせて形成したハウジング21の内部には空洞が形成されている。そして、この空洞内には各種電気部品が収容されている。各種電気部品としては、ステッピングモータ(回動部)40や制御部60などがある。
【0026】
さらに、本実施の形態では、グリップ部20は、一部が表面側に露出する操作スイッチ20aを備えており、使用者等がグリップ部20を把持した状態で操作スイッチ20aを操作することで、液体の噴出のオン・オフなどを切り替えることができるようになっている。
【0027】
また、ノズル30には、長手方向に貫通する第1貫通孔32が形成されており、第1貫通孔32におけるステム部311の根元側の開口には、ホース13が接続されている。こうすることで、ホース13を介して貯液タンク12内の液体が第1貫通孔32に供給されるようにしている。そして、ホース13を介して第1貫通孔32に供給された液体が、第1貫通孔32内を通って、先端部312の先端面3121に形成された開口(吐出口321)から外部に吐出(噴出)されるようにしている。このように、吐出口321から液体を外部に吐出(噴出)させて、例えば、口腔内の歯90に当てるようにすることで、口腔内の洗浄が行えるようにしている。
【0028】
なお、口腔内に吐出(噴射)される液体としては、水を用いることができるが、水に限られるものではなく様々な液体を用いることができる。例えば、洗浄剤が水に混入された洗浄液などを用いることが可能である。
【0029】
このように、本実施の形態では、第1貫通孔32がノズル30に形成されて液体が通過する流路となっている。なお、第1貫通孔32内にホース13を挿入することでノズル30に流路が形成されるようにしてもよい。この場合、第1貫通孔32内に存在するホース13の内側空間が流路となる。
【0030】
そして、このノズル30が、グリップ部20の上側に回動可能に取り付けられている。さらに、本実施の形態では、グリップ部20のハウジング21内に、ノズル30を回動させるための回動部が収容されており、この回動部を動作させることでノズル30がグリップ部20に対して相対的に回動するようにしている。
【0031】
具体的には、回動部としてのステッピングモータ40がハウジング21内に収容されており、ノズル30のステム部311の根元側がステッピングモータ40の回動軸41に接続されている。こうすることで、ステッピングモータ40を作動させて回動軸41を回動させた際に、回動軸41とともにノズル30が回動するようにしている。なお、本実施の形態では、ステム部311の根元側にベアリング50が装着されており、ノズル30をグリップ部20に取り付けた状態で、ステム部311がベアリング50を介してハウジング21に挟まれるようにしている。こうすることで、ノズル30をよりスムーズにグリップ部20に対して相対的に回動させることができるようにしている。
【0032】
さらに、本実施の形態では、ステッピングモータ40の動作が制御部60によって制御されるようにしている。こうすることで、より精度よく回動角度を調整できるようにしている。このように、本実施の形態では、ノズル30の回動が自動で行われるようにし、口腔洗浄装置1の使用時におけるグリップ部20の移動が極力少なくなるようにしている。
【0033】
ここで、本実施の形態では、ノズル30が、吐出口321を有する先端部312がステム部311に対して屈曲した形状をしている。そして、このような形状のノズル30を用いた場合、口腔洗浄装置1の使用時に、ノズル30が意図せず大きく回動してしまうおそれがある。例えば、制御部60による回動角度の誤認識や制御不良等が発生した際に、口腔洗浄装置1の使用中にノズル30が大きく回動してしまうおそれがある。このように、口腔洗浄装置1の使用中にノズル30が大きく回動してしまうと、吐出口321の位置も大きく変わってしまい、口腔内の洗浄させたい部位に液体を適切に吐出させることができなくなってしまうおそれがある。また、吐出口321から吐出される液体が口腔内に吐出されず、口腔外に飛び散ってしまい、床や使用者の体等に液体がかかってしまうおそれもある。そして、このような問題は、ノズル30の回動を手動で行う場合でも生じるおそれがある。
【0034】
このように、ノズル30をグリップ部20に、単に回動可能に取り付けた(360度以上回動させることができる状態で取り付けた)だけでは、口腔洗浄装置1の使い勝手が悪化してしまうおそれがある。
【0035】
そこで、本実施の形態では、口腔洗浄装置1の使い勝手をより向上させることができるようにしている。
【0036】
具体的には、グリップ部20に、ノズル30の左方向(一方向)への回動を規制する第1規制部と、ノズル30の右方向(他方向)への回動を規制する第2規制部と、を設けている。
【0037】
本実施の形態では、第1規制部としての左側リミットスイッチ71と、第2規制部としての右側リミットスイッチ72と、をグリップ部20に設けている。
【0038】
そして、ノズル30を、所定の位置(基準位置)から左方向(一方向)へ所定角度だけ回動させた際に、左側リミットスイッチ71が操作されるようにしている。そして、左側リミットスイッチ71が操作されることで、ノズル30の左方向(一方向)へのそれ以上の回動が規制されるようにしている。
【0039】
本実施の形態では、左側リミットスイッチ71は、制御部60に電気的に接続されており、この左側リミットスイッチ71には、操作スイッチ71aが設けられている。そして、操作スイッチ71aが押圧されたことを制御部60により検知した際には、制御部60が、回動軸41を左方向(一方向)へそれ以上回動させないようにステッピングモータ40の回動を制御するようにしている。
【0040】
また、本実施の形態では、ノズル30を、所定の位置(基準位置)から左方向(一方向)へ所定角度だけ回動させた際に、左側リミットスイッチ71の操作スイッチ71aがノズル30によって押圧されるようにしている。
【0041】
こうすることで、所定の位置(基準位置)から左方向(一方向)へ所定角度だけノズル30を回動させた際には、ノズル30の左方向(一方向)へのそれ以上の回動が規制されるようにしている。
【0042】
同様に、ノズル30を、所定の位置(基準位置)から右方向(他方向)へ所定角度だけ回動させた際に、右側リミットスイッチ72が操作されるようにしている。そして、右側リミットスイッチ72が操作されることで、ノズル30の右方向(他方向)へのそれ以上の回動が規制されるようにしている。
【0043】
本実施の形態では、右側リミットスイッチ72は、制御部60に電気的に接続されており、この右側リミットスイッチ72には、操作スイッチ72aが設けられている。そして、操作スイッチ72aが押圧されたことを制御部60により検知した際には、制御部60が、回動軸41を右方向(他方向)へそれ以上回動させないようにステッピングモータ40の回動を制御するようにしている。
【0044】
また、本実施の形態では、ノズル30を、所定の位置(基準位置)から右方向(他方向)へ所定角度だけ回動させた際に、右側リミットスイッチ72の操作スイッチ72aがノズル30によって押圧されるようにしている。
【0045】
こうすることで、所定の位置(基準位置)から右方向(他方向)へ所定角度だけノズル30を回動させた際には、ノズル30の右方向(他方向)へのそれ以上の回動が規制されるようにしている。
【0046】
こうすることで、ノズル30が、所定の範囲内での回動のみが許容された状態でグリップ部20に取り付けられるようにしている。
【0047】
なお、本実施の形態では、
図7に示す状態を基準状態としている。そして、
図8に示すように、ノズル30を
図7に示す基準状態から左方向に所定角度回動させた際に、左側リミットスイッチ71が操作されるようにしている。また、
図9に示すように、ノズル30を
図7に示す基準状態から右方向に所定角度回動させた際に、右側リミットスイッチ72が操作されるようにしている。
【0048】
本実施の形態では、どちらも基準状態から30度回動させた場合にそれぞれのリミットスイッチが操作されるようにしている。こうすることで、左側リミットスイッチ(第1規制部)71および右側リミットスイッチ(第2規制部)72によってノズル30の回動範囲を60度とする(狭くする)ことができるようにしている。
【0049】
また、本実施の形態では、ノズル30に、左側リミットスイッチ(第1規制部)71に接触する第1接触壁と、右側リミットスイッチ(第2規制部)72に接触する第2接触壁と、を設けている。
【0050】
具体的には、
図6に示すように、ノズル30が、左側リミットスイッチ(第1規制部)71と右側リミットスイッチ(第2規制部)72との間での回動が許容されるカム部3111を有するようにしている。
【0051】
本実施の形態では、カム部3111は、ステム部311の回動軸Cに沿って見た状態における輪郭形状が、雫形をしている。具体的には、カム部3111の平面視における輪郭形状は、回動軸Cからの距離が同一の円弧部3111cと、円弧部3111cの左端に連設された左側直線部3111aと、円弧部3111cの右端に連設された右側直線部3111bと、左側直線部3111aと右側直線部3111bとを連結する連結部3111dと、を備えている。こうすることで、左側直線部3111aおよび右側直線部3111bの回動軸Cからの距離が連結部3111dに向かうにつれて大きくなるようにしている。
【0052】
そして、ノズル30を
図7に示す基準状態から左方向に回動させた際には、左側直線部3111aが左側リミットスイッチ71の操作スイッチ71aに接触して、操作スイッチ71aが左側直線部3111aによって左側に押圧されるようにしている。このとき、左側直線部3111aを左側リミットスイッチ71の操作スイッチ71aに面接触させるようにするのが好ましい。こうすれば、左側リミットスイッチ71の操作スイッチ71aが左側直線部3111aによって、より確実に左側に押圧されるようになる。
【0053】
同様に、ノズル30を
図7に示す基準状態から右方向に回動させた際には、右側直線部3111bが右側リミットスイッチ72の操作スイッチ72aに接触して、操作スイッチ72aが右側直線部3111bによって右側に押圧されるようにしている。このとき、右側直線部3111bを右側リミットスイッチ72の操作スイッチ72aに面接触させるようにするのが好ましい。こうすれば、右側リミットスイッチ72の操作スイッチ72aが右側直線部3111bによって、より確実に右側に押圧されるようになる。
【0054】
このように、本実施の形態では、ステム部311の根元側に設けたカム部3111が、第1接触壁としての左側直線部3111aと、第2接触壁としての右側直線部3111bと、を有するようにしている。こうすることで、一つの部材でノズル30の左右両方向の回動を規制することができるようにし、構成の簡素化を図ったり、部品点数の削減を図ったりすることができるようにしている。
【0055】
このように、本実施の形態では、左側リミットスイッチ(第1規制部)71および右側リミットスイッチ(第2規制部)72によってノズル30の回動範囲が狭くなるようにしている。そして、口腔洗浄装置1の使用時に、ノズル30が意図せずに回動してしまったとしても、所定の範囲以上回動してしまうことを抑制できるようにしている。すなわち、ノズル30が大きく回動してしまうことを抑制できるようにしている。そして、ノズル30が大きく回動してしまうことを抑制できるようにすることで、口腔洗浄装置1の使用時に、液体が意図しない方向に吐出されてしまい、口腔外に飛び散ってしまったりすることを抑制できるようにしている。
【0056】
こうすれば、口腔内の洗浄させたい部位に液体を、より適切に吐出させることができるようになるため、口腔洗浄装置1の使い勝手をより向上させることができるようになる。
【0057】
また、本実施の形態では、ノズル30の先端面3121の吐出口321が形成されていない部位には、口腔内の画像を撮像することが可能な撮像センサ80が設けられている。
【0058】
具体的には、ノズル30には、長手方向に貫通する第2貫通孔33が第1貫通孔32とは別の箇所に形成されている。そして、撮像センサ80は、
図11に示すように、ノズル30の先端部312側の開口(先端面3121に形成された開口)からレンズが露出するようにした状態で第2貫通孔33内に配置されている。このとき、先端面3121には、
図10に示すように、吐出口321と撮像センサ80とが上下方向に並ぶように形成されている。本実施の形態では、上側に吐出口321が形成されるようにしている。
【0059】
なお、第2貫通孔33の撮像センサ80よりも根元側には、撮像センサ80に接続される配線81が配置されている。このように、本実施の形態では、第2貫通孔33が、撮像センサ80に接続される配線81が配置される撮像センサ路となっている。
【0060】
この撮像センサ路(第2貫通孔33)と流路(第1貫通孔32)は、ステム部311においては、平行に形成されている。こうすることで、ステム部311が径方向に大型化してしまわないようにしている。
【0061】
そして、ノズル30を回動させた際には、第2貫通孔(撮像センサ路)33および第1貫通孔(流路)32もノズル30とともに回動するようにしている。このとき、第2貫通孔(撮像センサ路)33および第1貫通孔(流路)32は、いずれも回動軸Cから外れた位置に形成されている。そのため、ノズル30を回動させると、ホース13や配線81が絡まったり断線したりしてしまうおそれがあるが、本実施の形態では、ノズル30の回動範囲を狭くしているため、ホース13や配線81が絡まったり断線したりしてしまうことを抑制できるようになっている。
【0062】
さらに、本実施の形態では、制御部60が、撮像センサ80が撮像した画像に基づきステッピングモータ40によるノズル30の回動を制御するようにしている。例えば、制御部60が、撮像センサ80により撮像された画像を解析して液体を吐出して洗浄する必要がある箇所を判断し、その個所に向けて液体を吐出させることができるようにノズル30の回動を制御するようにすることができる。
【0063】
このように、本実施の形態では、撮像センサ80を用いて洗浄対象物を撮像し、制御部60が、撮像センサ80が撮像した画像に基づいて、液体を吐出して洗浄する必要がある箇所を判断するようにしている。そして、制御部60が、ステッピングモータ40の回動軸41を回動させることでノズル30を回動させて、液体を吐出して洗浄する必要がある箇所に吐出口321が向くようにしている。そして、口腔内の洗浄したい部位に吐出口321を向けた状態で、吐出口321から液体を吐出(噴出)させるようにしている。
【0064】
本実施の形態では、液体を吐出口321から吐出(噴出)させる制御も制御部60により行われるようにしている。具体的には、液体を吐出口321から吐出(噴出)させる動作、および、吐出口321からの液体の吐出(噴出)を中断させる動作が、制御部60によって制御されるようにしている。こうすることで、吐出口321から液体を吐出(噴出)させていない状態のときに、撮像センサ80を用いて洗浄対象物を撮像できるようにしている。また、口腔内の洗浄したい部位に吐出口321を向けた状態のときに、吐出口321から液体を吐出(噴出)させることができるようにしている。なお、ノズル30を回動させる制御と吐出口321から液体を吐出(噴出)させる制御とが別の制御部で行われるようにすることも可能である。
【0065】
そして、上述した制御を繰り返し行うことで、口腔内の洗浄が行われるようにしている。すなわち、本実施の形態では、口腔洗浄装置1の使用時には、上述した制御を行いながら、液体を口腔内に吐出させて洗浄対象物を洗浄するようにしている。こうすることで、より効率よく口腔内の洗浄を行えるようにしている。さらに、撮像センサ80が撮像した画像に基づきノズル30の回動を制御することで、口腔洗浄装置1の使用時にグリップ部20を動かす手間を極力省けるようにし、より一層効率的に口腔内の洗浄を行えるようにしている。
【0066】
このように、撮像センサ80を用いて洗浄対象物を撮像しながら口腔内の洗浄を行うようにする場合、撮像センサ80によって口腔内の洗浄対象物を鮮明に撮像できるようにするのが好ましい。
【0067】
そこで、本実施の形態では、撮像センサ80によって口腔内の洗浄対象物を、より鮮明に撮像できるようにしている。
【0068】
具体的には、
図10に示すように、ノズル30の先端部312に、先端面3121よりも前方(先端面3121の法線方向)に突出するように突出部3122を設けている。そして、口腔洗浄装置1を使用する際には、
図11に示すように、突出部3122の先端を、口腔内の洗浄対象物(
図11では、歯90の歯面91)に突き当てた状態で、歯面91を撮像センサ80によって撮像することができるようにしている。こうすることで、撮像センサ80と歯面(洗浄対象物)91との間の距離が所定の距離(突出部3122の突出距離D1)以下となってしまわないようにしている。すなわち、撮像センサ80と歯面(洗浄対象物)91との間に所定の距離を確保することができるようにしている。こうすれば、撮像対象物である歯面91の位置が撮像センサ80の焦点から大きく外れてしまうことが抑制され、歯面91をより鮮明に撮像することができるようになる。
【0069】
また、本実施の形態では、突出部3122は、先端面3121の縁3121aに沿って撮像センサ80の周囲を囲うように形成されている。そして、突出部3122の下端部には、先端面3121まで切り欠かれた切り欠き部3123が形成されている。このように、本実施の形態では、撮像センサ80を囲むように突出部3122が設けられている。そして、この突出部3122は、一部が切り欠かれた形状をしている。このとき、突出部3122は、撮像センサ80の近傍が切り欠かれた状態となるようにしている。すなわち、突出部3122は、撮像センサ80の近傍が切り欠かれた形状をしている。具体的には、突出部3122は、上下に並設された吐出口321および撮像センサ80の両方を囲うように形成されている。そして、吐出口321が存在する上側ではなく、撮像センサ80が存在する下側に切り欠き部3123が形成されるようにしている。このように、本実施の形態では、吐出口321および撮像センサ80の両方を囲うように突出部3122が形成されており、突出部3122の形状が、吐出口321よりも撮像センサ80に近い側(撮像センサ80からの距離が吐出口321からの距離よりも短い部位)が切り欠かれた形状となるようにしている。
【0070】
こうすることで、突出部3122と歯面(洗浄対象物)91との接触部分を2次元形状の線(湾曲線や屈曲線などの曲線)となるようにし、口腔洗浄装置1の使用時(突出部3122の先端を洗浄対象物に突き当てた際)にノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30がぐらついてしまうことを抑制できるようにしている。さらに、撮像センサ80のレンズ上に液体が溜まってしまうことを抑制できるようにしている。
【0071】
また、本実施の形態では、上述したように、突出部3122が先端面3121の縁3121aに沿って設けられている。
【0072】
こうすることで、突出部3122が先端面3121の縁3121aよりも外側にはみ出すことなく、歯面(洗浄対象物)91との接触面積を大きくできるようにしている。このように、突出部3122が先端面3121の縁3121aよりも外側にはみ出さないようにすれば、口腔内に挿入される部位である先端部312の大型化を抑制することができ、口腔洗浄装置1の使用時(先端部312を口腔内に挿入した際)に生じる違和感を極力なくすことができるようになる。また、ノズル30の先端部312にでっぱりが形成されてしまうことが抑制されるため、より安全に口腔洗浄装置1を使用することができるようになる。さらに、突出部3122と歯面(洗浄対象物)91との接触面積が大きくなるようにすれば、口腔洗浄装置1の使用時(突出部3122の先端を洗浄対象物に突き当てた際)にノズル30がぐらついてしまうことを抑制することができるようになる。
【0073】
こうすることで、口腔洗浄装置1の使用時に、突出部3122の先端を歯面(洗浄対象物)91に突き当てた状態をより容易に維持することができるようにし、撮像センサ80で歯面(洗浄対象物)91を撮像した際にブレた画像となってしまうことを抑制できるようにしている。
【0074】
このように、本実施の形態では、洗浄対象物である歯面91をより鮮明に撮像することができるようにしつつ、より安定した状態でノズル30を使用することができるようにしている。
【0075】
なお、本実施の形態では、ノズル30(ステム部311および先端部312)が円柱状に形成されており、先端面3121の形状が円形となっている。そのため、本実施の形態では、突出部3122は、先端面3121の縁3121aの円周に沿って湾曲した形状をしている。さらに、本実施の形態では、
図11に示すように、突出部3122の先端が、前方に凸となるように湾曲した形状をしている。こうすることで、ノズル30にエッジが極力形成されないようにし、口腔洗浄装置1をより安全に使用することができるようにしている。このように、本実施の形態では、撮像センサ80と歯面91との間の距離担保の安定性と口腔内の安全性の両立を図ることができるようにしている。
【0076】
さらに、本実施の形態では、突出部3122の先端面3121からの突出距離D1が、先端面3121から撮像センサ80の焦点Dまでの距離と同一となるようにしている。
【0077】
こうすることで、突出部3122を歯面(洗浄対象物)91に接触させたときに、撮像センサ80の焦点Dに歯面(洗浄対象物)91を位置させることができるようにしている。そして、洗浄対象物である歯面91をより鮮明に撮像することができるようにしている。
【0078】
また、吐出口321から撮像センサ80の法線L1に向けて液体が吐出されるようにしている。このとき、
図11に破線で示すように、撮像センサ80の法線L1と交わるように液体を吐出口321から吐出(噴出)させるのが好ましい。本実施の形態では、吐出口321から撮像センサ80の法線L1に向けて液体が吐出(噴出)されるように、第1貫通孔(流路)32をノズル本体31に形成している。
【0079】
具体的には、
図11に示すように、ノズル30の先端部312に形成される第1貫通孔32を、吐出口321に向かうにつれて撮像センサ80に近づくように傾斜させている。すなわち、
図11に示す状態(水平に延在させた配線81および撮像センサ80の上方に第1貫通孔32が位置するようにしつつ、先端面3121が鉛直面となるようにした状態)で、先端側(吐出口321側)が奥側(ステム部311側)よりも下側に位置するように第1貫通孔(流路)32を形成している。さらに、
図11に示す状態で、ノズル30の先端部312における第1貫通孔(流路)32の内面322は、上側内面3221および下側内面3222を備えている。そして、上側内面3221および下側内面3222の両方を、先端側(吐出口321側)に向かうにつれて下方となるように傾斜させており、上側内面3221の方が下側内面3222よりも傾斜角度が大きくなるようにしている。
【0080】
なお、吐出口321の周縁上部に斜め下方に突出する壁部を設けることで、吐出口321から撮像センサ80の法線L1に向けて液体が吐出されるようにしてもよい。
【0081】
そして、吐出口321から撮像センサ80の法線L1に向けて液体が吐出(噴出)されるようにすることで、撮像センサ80により撮像された部位の近傍に液体を吐出(噴出)させることができるようにしている。ここで、本実施の形態では、撮像センサ80の先端面3121から露出する面の法線が撮像センサ80の法線L1となっており、撮像センサ80の法線L1は、先端面3121の法線方向に延在している。
【0082】
なお、突出部3122の先端面3121からの突出距離D1は、
図12に示すように、先端面3121から液体の吐出方向に延在する直線L2と撮像センサ80の法線L1との交点Pまでの距離と同一となるようにすることも可能である。
【0083】
こうすれば、撮像センサ80により撮像された部位と液体を吐出させる部位とを一致させることができるようになる。すなわち、液体を吐出させる部位を撮像センサ80で撮像することができるようになる。
【0084】
さらに、
図12では、突出部3122の先端面3121からの突出距離D1が先端面3121から撮像センサ80の焦点Dまでの距離と同一となるようにもしている。
【0085】
こうすることで、撮像センサ80のピントを合わせた状態で液体を吐出させる部位を撮像できるようにし、より鮮明な画像を撮像できるようにしている。
【0086】
こうすれば、より一層効率的に口腔内の洗浄を行うことができるようになる。
【0087】
なお、突出部3122の形状は、上述した形状に限られるものではなく、様々な形状とすることが可能である。例えば、
図13に示す突出部3122とすることが可能である。
【0088】
図13に示す突出部3122も、先端面3121の縁3121aに沿って撮像センサ80の周囲を囲うように形成されている。そして、
図13に示す突出部3122も、撮像センサ80を囲むように設けられており、一部が切り欠かれた形状をしている。
【0089】
ここで、
図13に示す突出部3122は、2個所(複数個所)が切り欠かれた形状をしている。具体的には、突出部3122の上端部および下端部に、先端面3121まで切り欠かれた切り欠き部3123が形成されている。
【0090】
こうすることで、撮像センサ80のレンズ上の液体を上下方向(様々な方向)から排出させることができるようにしている。そして、様々な姿勢でノズル30を使用した場合であっても、撮像センサ80のレンズ上に液体が溜まってしまうことを抑制できるようにしている。
【0091】
このように、
図13に示す突出部3122とすることでも、より効率よく口腔内の洗浄を行うことができるようになる。
【0092】
なお、
図13に示す突出部3122も、撮像センサ80の近傍が切り欠かれた状態となるようにしている。すなわち、
図13に示す突出部3122も、撮像センサ80の近傍が切り欠かれた形状をしている。具体的には、
図13に示す突出部3122は、上下に並設された吐出口321および撮像センサ80の両方を囲うように形成されている。そして、吐出口321が存在する上側および撮像センサ80が存在する下側に切り欠き部3123が形成されるようにしている。
【0093】
また、
図13に示す突出部3122の先端面3121からの突出距離D1については、
図11で説明した距離となるように設定することも可能であるし、
図12で示した距離となるように設定することも可能である。
【0094】
なお、
図13には、2個所が切り欠かれた形状をした突出部3122を例示したが、3箇所以上が切り欠かれた形状の突出部3122とすることも可能である。
【0095】
上述したそれぞれの突出部3122は、先端面3121からの突出距離D1を5mm~10mm程度とすることができる。
【0096】
また、上記実施の形態では、電源コード15を介して外部からポンプ等を動作させるための電源が供給されるようにした口腔洗浄装置1を例示している。しかしながら、口腔洗浄装置の構成はこのような構成に限られるものではなく、様々な構成とすることが可能である。
【0097】
例えば、
図14に示す口腔洗浄装置1に上述した構成を適用させることが可能である。
図14に示す口腔洗浄装置1では、グリップ部(把持部)20に貯液タンク(貯液部)12が形成されており、グリップ部(把持部)20の内部に充電池等の電力供給手段が内蔵されている。このように、
図14に示す口腔洗浄装置1は、外部電源を用いずに使用することが可能な口腔洗浄装置となっている。
【0098】
そして、
図14に示す口腔洗浄装置1に上述した構成を適用させるようにすれば、使い勝手をより向上させることができるようになる。
【0099】
また、タンク伸縮式の口腔洗浄装置に上述した構成を適用させることも可能である。
【0100】
上述した口腔洗浄装置1は、例えば、下記のようにして使用することが可能である。
【0101】
まず、使用者等がグリップ部20を把持し、口腔内にノズル30の先端部312を挿入して、突出部3122の先端を歯90の歯面91に接触させる。
【0102】
次に、使用者等がグリップ部20を把持した状態で操作スイッチ20aを操作してオンにする。すると、撮像センサ80によって歯面91が撮像されることになる。このとき、突出部3122によって、撮像センサ80と歯面(洗浄対象物)91との間に所定の距離が確保され、この状態で歯面91が撮像されることになる。
【0103】
次に、制御部60が、撮像センサ80が撮像した画像に基づいて、液体を吐出して洗浄する必要がある箇所を判断する。そして、制御部60が、ステッピングモータ40の回動軸41を回動させることでノズル30を回動させて、液体を吐出して洗浄する必要がある箇所に吐出口321が向くようにする。このとき、ノズル30は、所定の範囲内で回動することになる。したがって、例えば、吐出口321が液体を吐出して洗浄する必要がある箇所を向くように回動させる途中で、左側直線部(第1接触壁)3111aが左側リミットスイッチ(第1規制部)71に接触した場合には、制御部60は、それ以上の左方向への回動を中止するように制御することになる。同様に、右側直線部(第2接触壁)3111bが右側リミットスイッチ(第2規制部)72に接触した場合には、制御部60は、それ以上の右方向への回動を中止するように制御することになる。
【0104】
なお、ノズル30の回動範囲を、歯面(洗浄対象物)91における撮像した画像と対応する領域の一端から他端まで回動させた際の回動角度よりも大きくなるように設定するのが好ましい。こうすれば、ノズル30の回動が規制されることなく、歯面(洗浄対象物)91における撮像した画像と対応する領域内の所望の箇所に吐出口321を向けることが可能になる。
【0105】
次に、口腔内の洗浄したい部位に吐出口321を向けた状態で、吐出口321から液体を吐出(噴出)させる。こうすることで、歯面91の洗浄が行われる。このとき、吐出口321から吐出(噴出)されて撮像センサ80のレンズ上に付着した液体は、撮像センサ80の周辺部に形成された切り欠き部3123から外部に排出されることになる。そのため、吐出口321からの液体の吐出(噴出)を中断した後に、撮像センサ80が歯面91を撮像したとしても、歯面91の撮像がレンズ上に溜まった液体によって妨げられてしまうことが抑制されることになる。
【0106】
そして、上述した動作を繰り返し行うことで、口腔内を洗浄する。なお、上記の口腔洗浄装置1の使用方法は一例に過ぎず、口腔洗浄装置1は、様々な方法で使用することができる。
【0107】
[作用・効果]
以下では、上記実施の形態およびその変形例で示した口腔洗浄装置用ノズルおよび口腔洗浄装置の特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
【0108】
上記実施の形態およびその変形例で示したノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30は、先端部312を有するノズル本体31と、先端部312の先端面3121に形成された吐出口321と、を備えている。また、ノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30は、先端面3121の吐出口321が形成されていない部位に設けられた撮像センサ80を備えている。さらに、ノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30は、先端部312に、先端面3121よりも前方に突出するように設けられた突出部3122を備えている。
【0109】
また、上記実施の形態およびその変形例で示した口腔洗浄装置1は、上述したノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30と、ノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30が取り付けられるグリップ部(把持部)20と、を備えている。
【0110】
このように、ノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30の先端部312に突出部3122を設けるようにすれば、撮像センサ80と歯面(洗浄対象物)91との間の距離が所定の距離(突出部3122の突出距離D1)以下となってしまうことを抑制することができる。すなわち、撮像センサ80と歯面(洗浄対象物)91との間に所定の距離を確保することができるようになる。
【0111】
そのため、撮像センサ80が口腔内の撮像対象物に近づきすぎることにより不鮮明な画像が撮像されてしまうことを抑制することができるようになる。その結果、歯面(洗浄対象物)91の画像をより鮮明に撮像することが可能になるため、洗浄対象物に付着した除去したい汚れを、より確実に撮像した画像で確認することができるようになって、より効率よく口腔内の洗浄を行うことができるようになる。
【0112】
このように、上記実施の形態およびその変形例によれば、より効率よく口腔内を洗浄することが可能なノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30および口腔洗浄装置1を得ることができる。
【0113】
また、撮像センサ80を囲むように突出部3122が設けられており、突出部3122は、一部が切り欠かれた形状をしていてもよい。
【0114】
このように、撮像センサ80を囲むように突出部3122を設ければ、突出部3122と歯面(洗浄対象物)91との接触部分を2次元形状の線(湾曲線や屈曲線などの曲線)とすることができる。その結果、口腔洗浄装置1の使用時(突出部3122の先端を洗浄対象物に突き当てた際)にノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30がぐらついてしまうことを抑制することが可能になる。また、突出部3122の形状を、一部が切り欠かれた形状となるようにすれば、撮像センサ80のレンズ上に液体が溜まってしまうことを抑制することができるようになるため、撮像対象物の撮像がレンズ上に溜まった液体によって妨げられてしまうことを抑制することが可能になる。すなわち、レンズ上に溜まった液体によって、撮像センサ80で撮像した歯面(洗浄対象物)91の画像が不鮮明になってしまうことを抑制することが可能になる。その結果、より効率よく口腔内の洗浄を行うことができるようになる。
【0115】
また、突出部3122は、複数個所が切り欠かれた形状をしていてもよい。
【0116】
こうすれば、撮像センサ80のレンズ上の液体を様々な方向から排出させることができるようになる。そのため、様々な姿勢でノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30を使用した場合であっても、撮像センサ80のレンズ上に液体が溜まってしまうことを抑制することができるようになる。その結果、より効率よく口腔内の洗浄を行うことができるようになる。
【0117】
また、突出部3122は、撮像センサ80の近傍が切り欠かれた形状をしていてもよい。
【0118】
こうすれば、撮像センサ80のレンズ上の液体を、より迅速かつ確実にレンズ外に排出させることができるようになるため、より確実かつ効率的に口腔内の洗浄を行うことができるようになる。
【0119】
また、突出部3122が先端面3121の縁3121aに沿って設けられていてもよい。
【0120】
こうすれば、突出部3122が先端面3121の縁3121aよりも外側にはみ出すことなく、歯面(洗浄対象物)91との接触面積を大きくすることが可能になる。このように、突出部3122が先端面3121の縁3121aよりも外側にはみ出さないようにすれば、口腔内に挿入される部位である先端部312の大型化を抑制することができ、口腔洗浄装置1の使用時(先端部312を口腔内に挿入した際)に生じる違和感を極力なくすことができるようになる。
【0121】
また、突出部3122と歯面(洗浄対象物)91との接触面積が大きくなるようにすれば、より確実に突出部3122を歯面(洗浄対象物)91に面接触させることが可能になる。そして、突出部3122を歯面(洗浄対象物)91に面接触させるようにすれば、口腔洗浄装置1の使用時(突出部3122の先端を洗浄対象物に突き当てた際)にノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30がぐらついてしまうことを抑制することが可能になる。そのため、口腔洗浄装置1の使用時に、突出部3122の先端を歯面(洗浄対象物)91に突き当てた状態をより容易に維持することが可能になって、撮像センサ80で歯面(洗浄対象物)91を撮像する際にブレが生じてしまうことを抑制することが可能になる。その結果、洗浄対象物である歯面91をより鮮明に撮像することができるようになる。
【0122】
また、突出部3122の先端を歯面(洗浄対象物)91に突き当てた状態をより容易に維持することができるため、より安定した状態でノズル(口腔洗浄装置用ノズル)30を使用することが可能になる。
【0123】
また、突出部3122の先端面3121からの突出距離D1が、先端面3121から撮像センサ80の焦点Dまでの距離と同一となるようにしてもよい。
【0124】
こうすれば、突出部3122を歯面(洗浄対象物)91に接触させたときに、撮像センサ80の焦点Dに歯面(洗浄対象物)91を位置させることができるようになる。そのため、洗浄対象物である歯面91をより鮮明に撮像することができるようになる。
【0125】
また、吐出口321から撮像センサ80の法線L1に向けて液体が吐出されるようにしてもよい。
【0126】
こうすれば、撮像センサ80により撮像された部位の近傍に液体を吐出させることが可能になる。その結果、より効率よく口腔内の洗浄を行うことができるようになる。
【0127】
また、突出部3122の先端面3121からの突出距離D1が、先端面3121から液体の吐出方向に延在する直線L2と撮像センサ80の法線L1との交点Pまでの距離と同一となるようにしてもよい。
【0128】
こうすれば、撮像センサ80により撮像された部位と液体を吐出させる部位とを一致させることが可能になる。すなわち、液体を吐出させる部位を撮像センサ80で撮像することが可能になる。その結果、より効率よく口腔内の洗浄を行うことができるようになる。
【0129】
[その他]
以上、本開示にかかる口腔洗浄装置用ノズルおよび口腔洗浄装置の内容を説明したが、上述の実施の形態およびその変形例は、本開示における技術を例示するためのものである。したがって、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0130】
例えば、上記実施の形態およびその変形例で説明した構成を適宜組み合わせた口腔洗浄装置用ノズルや口腔洗浄装置とすることが可能である。
【0131】
また、上記実施の形態およびその変形例では、制御部60が、撮像センサ80が撮像した画像に基づきステッピングモータ(回動部)40によるノズル30の回動を制御するものを例示している。しかしながら、このような構成に限られるものではなく、制御部60が、ステッピングモータ(回動部)40によるノズル30の回動を単に制御する構成とすることも可能である。
【0132】
また、上記実施の形態およびその変形例では、ステッピングモータ(回動部)40を用いてノズル30を回動させるようにしたものを例示している。しかしながら、このような構成に限られるものではなく、例えば、手動でノズル30を回動させるようにした口腔洗浄装置とすることも可能である。
【0133】
また、上記実施の形態およびその変形例では、ノズル30自体に第1接触壁3111aおよび第2接触壁3111bを設けたものを例示している。しかしながら、このような構成に限られるものではなく、例えば、ノズル30が接続されてノズル30とともに回動するステッピングモータ40の回動軸41に第1接触壁や第2接触壁を設けるようにすることも可能である。
【0134】
また、上記実施の形態およびその変形例では、左側リミットスイッチ71および右側リミットスイッチ72を用いてノズル30の回動を規制するようにしたものを例示している。しかしながら、このような構成に限られるものではなく、例えば、単なる壁部(スイッチ機能を有していない壁部)を第1,第2規制部として機能させ、ノズル30の回動が機械的に規制されるようにすることも可能である。このとき、グリップ部(把持部)20のハウジング21の内面に内側に突出する第1,第2規制部を設けるようにすることも可能であるし、グリップ部(把持部)20のハウジング21の内面を第1,第2規制部として機能させるようにすることも可能である。ハウジング21の内面を第1,第2規制部として機能させるようにした場合、構成のより一層の簡素化を図ることが可能になる。
【0135】
また、上記実施の形態およびその変形例では、先端面3121に撮像センサ80を設けたものを例示しているが、先端面3121に撮像センサ80が設けられていない口腔洗浄装置1とすることも可能である。
【0136】
また、上記実施の形態およびその変形例では、先端面3121の縁3121aに沿って突出部3122を設けたものを例示している。しかしながら、このような構成に限られるものではなく、様々な形状の突出部3122を様々な位置に設けることが可能である。例えば、縁3121aの内側に突出部3122を設けることも可能であるし、縁3121aの外側にはみ出すように突出部3122を設けることも可能である。また、円弧状ではなく直線状の突出部3122とすることも可能である。
【0137】
また、上記実施の形態およびその変形例では、撮像センサ80を囲う突出部3122の形状を、一部が切り欠かれた形状となるようにしたものを例示したが、突出部3122が撮像センサ80の全周を連続して囲うようにした突出部3122とすることも可能である。
【0138】
また、ノズル30を回動が規制された状態でグリップ部(把持部)20に取り付けるようにした口腔洗浄装置とすることも可能である。
【0139】
また、先端面3121に複数の吐出口321や複数の撮像センサ80が設けられるようにしてもよい。
【0140】
また、グリップ部(把持部)20に回動させないようにした状態でノズル30を取り付けた構成とすることも可能である。
【0141】
また、先端面3121に複数の吐出口321や複数の撮像センサ80が設けられるようにしてもよい。
【0142】
また、ノズル30に撮像センサ80が設けられており、手動でノズル30を回動させるようにした口腔洗浄装置とすることも可能である。また、ノズル30に撮像センサ80が設けられており、グリップ部(把持部)20に回動させないようにした状態でノズル30を取り付けるようにした口腔洗浄装置とすることも可能である。この場合、撮像センサ80で撮像された画像を使用者が確認した後に、洗浄したい部位に液体が吐出(噴出)されるように、使用者がノズル30を操作する(回動させたり移動させたりする)ことになる。
【0143】
また、ノズル本体や把持部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0144】
以上のように、本開示にかかる口腔洗浄装置用ノズルおよび口腔洗浄装置は、より効率よく口腔内を洗浄することが可能になるので、家庭用および業務用をはじめとする各種の口腔洗浄装置用ノズルおよび口腔洗浄装置に利用できる。
【符号の説明】
【0145】
1 口腔洗浄装置
20 グリップ部(把持部)
30 ノズル(口腔洗浄装置用ノズル)
31 ノズル本体
312 先端部
3121 先端面
3121a 縁
3122 突出部
3123 切り欠き部
321 吐出口
80 撮像センサ
D 焦点
D1 突出距離
L1 撮像センサの法線
L2 吐出方向に延在する直線
P 交点