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特開2023-92419情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092419
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/18 20120101AFI20230626BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
G06Q20/18
G07G1/00 311E
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056724
(22)【出願日】2022-03-30
(31)【優先権主張番号】P 2021207297
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】509288725
【氏名又は名称】サインポスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】蒲原 寧
(72)【発明者】
【氏名】冨澤 一憲
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 篤
(72)【発明者】
【氏名】川端 崇嗣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 凱人
【テーマコード(参考)】
3E142
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA10
3E142CA12
3E142DA08
3E142EA04
3E142GA02
3E142GA13
3E142GA41
5L055AA38
(57)【要約】
【課題】バーコードを備える商品を販売する店舗のセルフレジ化を実現すること。
【解決手段】セルフレジ1は、書籍H1、H2に付された2段のバーコードを読み取るセルフレジ1であり、画像取得部101、バーコード領域検出部103、ペア判定部104を備える。画像取得部101は、2段のバーコードが夫々付された1以上の書籍H1、H2を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する。バーコード領域検出部103は、撮像画像から、バーコードを含むバーコード領域B1乃至B4を抽出する。ペア判定部104は、2以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペアを特定する。これにより上記課題を解決する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に付された2段のバーコードを読み取る情報処理装置において、
前記2段のバーコードが夫々付された1以上の商品を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する撮像画像取得手段と、
前記撮像画像から、前記バーコードを含む領域をバーコード領域として2以上抽出するバーコード領域抽出手段と、
2以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペアを特定するペアリング手段と、
前記ペアリング手段により特定された1以上の前記ペアの夫々について、前記2段のバーコードの内容を読み取るバーコード読取手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記ペアリング手段は、
処理の対象として着目すべきバーコード領域を着目バーコード領域として、
当該着目バーコード領域に対する所定の位置関係により規定される所定条件が満たされる他のバーコード領域と、当該着目バーコード領域とを前記ペアとして特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定条件は、前記着目バーコード領域と他のバーコード領域との夫々の対応点の間の距離が閾値未満という条件である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定条件は、前記着目バーコード領域と他のバーコード領域との夫々の対応点を結んだ線分の傾きが閾値未満という条件である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定条件は、前記着目バーコードの矩形領域と他のバーコード矩形領域との夫々の縁線の平行度合いが閾値未満という条件である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定条件は、前記着目バーコード領域内の予め決められた第1の点と、他のバーコード領域内の予め決められた第2の点との距離又は傾きのうち少なくとも一方が閾値未満という条件である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記商品は書籍であり、
前記ペアリング手段により特定された前記バーコード領域のペアについて、前記バーコード読取手段により第1バーコード領域から読み取られた第1バーコードが第1の文字列から始まるものがあり、第2バーコード領域から読み取られた第2バーコードが第2の文字列から始まるものであるという条件に適合しない場合には誤検出であると判定する誤検出判定手段、
をさらに備える請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
入力される前記商品の個数を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた前記商品の個数と、前記バーコード読取手段により読み取られた前記2段のバーコードのペア数又は前記商品の個数との整合性を確認する確認手段と、
を備える請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
商品に付された2段のバーコードを読み取る情報処理装置が実行する情報処理方法において、
前記2段のバーコードが夫々付された1以上の商品を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する撮像画像取得ステップと、
前記撮像画像から、前記バーコードを含む領域をバーコード領域として2以上抽出するバーコード抽出ステップと、
2以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペアを特定するペアリングステップと、
前記ペアリングステップの処理により特定された1以上の前記ペアの夫々について、前記2段のバーコードの内容を読み取るバーコード読取ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項10】
商品に付された2段のバーコードを読み取るコンピュータに、
前記2段のバーコードが夫々付された1以上の商品を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する撮像画像取得ステップと、
前記撮像画像から、前記バーコードを含む領域をバーコード領域として2以上抽出するバーコード抽出ステップと、
2以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペアを特定するペアリングステップと、
前記ペアリングステップの処理により特定された1以上の前記ペアの夫々について、前記2段のバーコードの内容を読み取るバーコード読取ステップと、
を含むプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、書籍の各ページに配置されたバーコードを読み取ることで、消費者に対して、書籍をページ単位に販売することが可能な書籍販売システムが存在する(例えば、特許文献1参照)。
この書籍販売システムの場合、書籍にページが綴じられているため、複数のページのバーコードが順に読み取られることから、多重読み取り等の問題は生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-135175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、バーコードを備える商品、例えば書籍等を販売する店舗においては、セルフレジ化が要求されている。
セルフレジでは、一つの手法としてカメラを利用して書籍に付されている1以上のバーコードを読み取ることが想定される。
しかしながら、カメラの撮像範囲に購入対象の複数の書籍が無造作に置かれた際に、複数の書籍から読み取った1以上のバーコードと書籍との対応関係が不明になり、カメラを用いたセルフレジ化の実現が難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、バーコードを備える商品を販売する店舗のセルフレジ化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
商品に付された2段のバーコードを読み取る情報処理装置において、
2段のバーコードが夫々付された1以上の商品を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する撮像画像取得手段と、
前記撮像画像から、前記バーコードを含む領域をバーコード領域として2以上抽出するバーコード抽出手段と、
2以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペアを特定するペアリング手段と、
前記ペアリング手段により特定された1以上の前記ペアの夫々について、前記2段のバーコードの内容を読み取るバーコード読取手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の上記情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バーコードを備える商品を販売する店舗のセルフレジ化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報処理装置の一例としてのセルフレジの概要を示す図である。
図2図1のセルフレジのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図1のセルフレジの機能的構成を示す図である。
図4図1乃至図3のセルフレジの動作を示すフローチャートである。
図5】セルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第1パターンを示す図である。
図6】セルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第2パターンを示す図である。
図7】セルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第3パターンを示す図である。
図8】セルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第4パターンを示す図である。
図9】セルフレジが実行する誤検出判定処理の例を示す図である。
図10】購入者がセルフレジを操作して書籍を購入する際の購入フローを示す図である。
図11】購入者がセルフレジを操作して書籍を購入する際の購入フローを示す図である。
図12】セルフレジの初期画面を示す図である。
図13】書籍の冊数が不一致であることを通知する通知画面を示す図である。
図14】書籍の明細情報を含む確認画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の情報処理装置の一例としてのセルフレジの概要を示す図である。
図1に示すように、セルフレジ1は、例えば書籍H1、H2等の商品に付された2段のバーコードを読み取るものであり、透明な台面に照明装置SM#1が埋設された商品台2と、商品台2の上に空間を設けるように配置された枠部3と、枠部3の天面下部に突出して設けられた目隠し部4と、この目隠し部4の中に隠すようにして配置された照明装置SM#2及び商品カメラCA#1と、商品台2の前面部5に正面(枠部3で形成される空間の開口方向)に向けて配置されたフロントカメラCA#2及びフロントディスプレイFDとを備える。なお、商品台2の上の空間が、ある程度明るい環境では照明装置SM#2は必ずしも常設する必要はない。
【0011】
商品台2は、商品処理の際に、処理対象の1以上の書籍H1、H2等が購入者により載せられる台であり、セルフレジ本体から取り外し可能である。
照明装置SM#1は、台面の下から上方に向けて枠部3の空間内を照明ムラが生じないように照明する。
照明装置SM#2は、枠部3の天井部から下方に向けて枠部3の空間内を照明ムラが生じないように照明する。
商品カメラCA#1は、枠部3の天井部から下方の台面に光軸を向けて、商品台2の上に置かれた書籍H1、H2を被写体として被写体を少なくとも含むように撮像する。
フロントカメラCA#2は、セルフレジ1の前方に光軸を向けてセルフレジ1の前に立った人(例えば書籍H1、H2の購入者等)を被写体として、被写体を含むように撮像する。
また、フロントカメラCA#2は、コードリーダとしても機能する。例えば、フロントカメラCA#2の撮像範囲内にある二次元コードを読み取ることで、セルフレジアプリケーションの設定画面を呼び出すことができる。
フロントディスプレイFDは、例えばタッチパネル等であり、メニュー画面等を表示し、メニュー画面に対する購入者の操作を受け付けると共に、受け付けた操作に応じた情報を表示する。
【0012】
続いて、図2を参照してセルフレジのハードウェア構成を説明する。
図2は、図1のセルフレジのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0013】
図2に示すように、セルフレジ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、フロントディスプレイFDと、照明装置SM#1、SM#2と、商品カメラCA#1と、フロントカメラCA#2と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0014】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0015】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
入出力インターフェース15には、フロントディスプレイFD、照明装置SM#1、SM#2、商品カメラCA#1、フロントカメラCA#2、記憶部18、通信部19、及びドライブ20が接続されている。
【0016】
フロントディスプレイFDは、例えばタッチパネル等であり、購入者の指示操作を受け付け、受け付けた指示操作に応じて各種情報を表示する。
照明装置SM#1、SM#2は、例えばLED照明装置等である。商品カメラCA#1及びフロントカメラCA#2は、例えばCCD等の撮像装置である。
【0017】
記憶部18は、ハードディスク等で構成され、各種情報のデータを記憶する。
通信部19は、他のセルフレジ1や上位装置等との間で行う通信を制御する。
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。なお、上記以外に、プリンタ及びスピーカ等の出力装置も設けられる。プリンタは、レシートを印刷する。スピーカは、購入者へ音声による案内メッセージ等を出力する。
【0018】
続いて、図3を参照してセルフレジの機能的構成を説明する。
図3は、図1乃至図3に示したセルフレジの機能的構成を示す図である。なお、図3においてセルフレジの機能的構成を説明するにあたり、数を区別しない場合は、符号を簡略する。例えば照明装置SM#1、SM#2等は、照明装置SMと呼ぶ。
図3に示すように、セルフレジ1の記憶部18には、CPU11に、商品としての書籍H1、H2のバーコード(領域)のペアを判定させたり、商品(書籍H1、H2等)の精算処理を実行させるためのデータが記憶されている。
具体的には、記憶部18には、画像DB_Qや商品DB_S等のデータベースが記憶されている。
【0019】
画像DB_Qには、商品カメラCA#1及びフロントカメラCA#2により撮像された画像のデータが記憶される。画像のデータは、CPU11による処理(バーコードに関する処理等)に利用される。バーコードに関する処理とは、例えば撮像画像全体からバーコードの領域を切り出す処理や領域間の距離や傾きの検出処理、その検出結果と条件によりペア判定の処理等である。
【0020】
商品DB_Sには、商品(書籍)のバーコードから読み取られる商品(書籍)の情報(書籍名、出版日、著者、出版社等)と商品の精算に関する情報(書籍の販売価格等)とが紐付けられて記憶されている。
【0021】
また、図3に示すように、セルフレジ1では、CPU11が処理を実行する際に、画像取得部101、操作受付部102、バーコード領域検出部103、ペア判定部104、バーコード読取部105、誤検出判定部106、商品処理部107、機器制御部108等が機能する。
【0022】
画像取得部101は、2段のバーコードが夫々付された1以上の商品(例えば図5の書籍H1、H2等)を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する。
具体的には、
【0023】
操作受付部102は、フロントディスプレイFDに対するユーザの操作を受け付ける。
操作受付部102は、例えば入力者(購入者等)により入力される商品(書籍等)の個数(冊数等)を受け付ける。
また、フロントディスプレイFDの画面から、購入者により「支払い」等の入力操作が行われると、その入力操作を受け付ける。
【0024】
バーコード領域検出部103は、商品カメラCA#1により撮像された撮像画像(例えば図5の領域全体等)から、バーコードを含む領域をバーコード領域B1乃至B4等として2以上抽出する。
具体的には、購入者による「支払い」等の入力操作が、操作受付部102により受け付けられると、機器制御部108は、商品カメラCA#1を制御して、商品台2にランダムに置かれた商品(書籍H1、H2等)の画像を撮像させる。また、照明装置SM#1が常時点灯していない場合、購入者の入力操作に応じて、機器制御部108が照明装置SM#1を点灯するようにしても良い。
【0025】
そして、画像取得部101により取得された画像が画像DB_Qに保存されると、バーコード領域検出部103は、その画像を画像DB_Qから読み出し、読み出した画像からバーコード領域を検出する。
なお、画像取得部101により取得された画像をそのままバーコード領域検出部103へ入力し、バーコード領域検出部103は、入力された画像を用いてバーコード領域を検出してもよい。
【0026】
ペア判定部104は、バーコード領域検出部103により検出された2以上のバーコード領域B1乃至B4の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペア(領域B1と領域B2のペア、領域B3と領域B4のペア等)を特定する。
【0027】
具体的には、ペア判定部104は、処理の対象として着目すべきバーコードの領域を着目バーコードの領域B1とし、その着目バーコードの領域B1に対する所定の位置関係(例えば対応点間の距離、基準線(バーコード領域の縦又は横の端辺等)に対する対応点間を結ぶ線分の傾斜、2つの矩形領域の所定の一辺の平行具合等)により規定される所定条件が満たされる他のバーコードの領域B2と、当該着目バーコードの領域B1とをペアとして特定する。
これにより、複数の商品(例えば図5の書籍H1、H2等)から読み取った1以上のバーコード領域と書籍(例えば図5のバーコードの領域B1、B2と書籍H1、バーコードの領域B3、B4と書籍H2等)とをペアと判定することができる。
【0028】
ペア判定部104は、距離処理部110、傾き処理部111、間隔処理部112を有する。
距離処理部110は、図5図7のように着目バーコード領域B1に対する他のバーコード領域B2との距離D1の関係に基づいて、所定条件に適合する2つのバーコード領域B1、B2をペアとして特定する。
【0029】
所定条件は、例えば着目バーコードの領域B1と他のバーコードの領域B2との夫々の対応点P1、P2の間の距離D1が予め書籍H1に設定されているバーコード間の規定の距離D0(閾値:例えば50ピクセル等)未満という条件である。この他、距離D0は、例えば50ピクセル以上、75ピクセル以下といった許容範囲内という条件であってもよい。
これにより、書籍H1に書籍H2の一部が重ねられていた場合であっても書籍H1のバーコードと書籍H2のバーコードを誤認することなく、バーコードどうしのペアを検出することができる。
【0030】
傾き処理部111は、図6図8の着目バーコード領域B1に対する他のバーコード領域B2との傾きの関係に基づいて、所定条件に適合する2つのバーコード領域B1、B2をペアとして特定する。
【0031】
所定条件は、図6に示すように、着目バーコードの領域B1と他のバーコードの領域B2との夫々の対応点P1、P2を結んだ線分K1、K2の傾きが予め書籍H1に設定されているバーコードどうしの傾きK0度(閾値)の許容範囲(例えば0°から1°の範囲)未満という条件である。
これにより、線分の傾きが許容範囲外の領域をペアリング対象から除外することができるので、ペアを誤認することなく正しいバーコードどうしをペアリングすることができる。
【0032】
距離処理部110と傾き処理部111とを動作させた場合の所定条件は、図5図6のように、着目バーコードの領域B1内の予め決められた第1の点P1と、他のバーコードの領域B2内の予め決められた第2の点P2との距離D1又は傾きK1のうち少なくとも一方が閾値(距離D0、傾きK0)の許容範囲未満という条件となる。
【0033】
間隔処理部112は、図7図8の着目バーコード領域B1の一辺である端辺T1に対する他のバーコード領域B2の一辺である端辺T2との距離及び/又は傾きの関係に基づいて、所定条件に適合する2つのバーコード領域B1、B2をペアとして特定する。
【0034】
所定条件は、図7に示すように、着目バーコードの矩形領域B1と他のバーコードの矩形領域B2との夫々の縁線の平行度合いが予め書籍H1に設定されているバーコードの領域B1の端辺T1と他の領域B2の端辺T2との平行度(閾値)の許容範囲(例えば0°から1°の範囲))未満という条件である。
これにより、商品(書籍等)が斜めにずれて並べられているものは別の商品として識別されるので、1以上の商品を誤認することなく特定することができる。
【0035】
傾き処理部111と間隔処理部112を組み合わせて動作させた場合は、図6図8の着目バーコード領域B1の端辺T1に対する他のバーコード領域B2の端辺T2の距離及び/又は傾きの関係に基づいて、所定条件に適合する2つのバーコード領域B1、B2をペアとして特定する。
この際の所定条件は、着目バーコードの領域B1内の予め決められた領域端辺T1と、他のバーコードの領域B2内の予め決められた端辺T2との距離D1(図6参照)又は領域端辺T1と端辺T2との傾きK1(図8参照)のうち少なくとも一方が閾値(距離D0、傾きK0)の許容範囲未満という条件となる。
これにより、どのような形状の領域についても2点間の距離か2点間を結ぶ線分の傾きの少なくとも一方での比較で領域のペアを識別できるので、1以上の商品を誤認することなく特定することができる。
【0036】
バーコード読取部105は、ペア判定部104により特定された1以上のペアの夫々について、2段のバーコードの情報(内容)を読み取る。
具体的には、バーコード読取部105は、ペア判定部104により特定された1以上のバーコードの領域のペア(領域B1と領域B2のペアと、領域B3と領域B4のペア)夫々について、2段のバーコードの情報を読み取り、誤検出判定部106に出力する。
【0037】
誤検出判定部106は、ペア判定部104により特定されたバーコードの領域のペアについて、バーコード読取部105により着目バーコードの領域B1から読み取られたバーコードの情報が、例えば978から始まるものがあり、他のバーコードの領域B2から読み取られたバーコードの情報が例えば192から始まるものであるという条件に適合しない場合には誤検出であると判定する。
【0038】
購入者による「冊数」の入力が、操作受付部102により受け付けられると、誤検出判定部106は、操作受付部102により受け付けられた書籍の冊数と、バーコード読取部105により読み取られた書籍の冊数とを照合し、冊数の整合性を確認する。なお、読み取ったバーコードが全て2段のバーコードであれば、書籍の冊数ではなく、2段のバーコードのペア数としてもよい。
誤検出判定部106は、冊数が整合しない場合、つまり冊数が不一致の場合は機器制御部108に対して、フロントディスプレイFDに対して不一致の旨のメッセージを表示するよう指示し、機器制御部108は、その指示に従い不一致の旨のメッセージをフロントディスプレイFDに表示する。冊数が整合した場合、誤検出判定部106は、誤検出無しと判定する。
【0039】
一般に、書籍には、2段バーコードのうち、上段のバーコードに978から始まるコードを付し、下段のバーコードに192から始まるコードを付すというルールがある。これを誤検出判定部106のペア判定条件とする。
誤検出判定部106は、読み取られたペアのバーコードの情報が、予め設定されたバーコードのペア判定条件に適合した場合はバーコードの領域を正常に検知したものと判定し、バーコードの情報を商品処理部107へ出力する一方、ペアのバーコードの情報が、条件に適合しない場合はバーコードの領域を誤検出したものと判定し、ペア判定部104に再度ペアを判定するように指示する。
具体的には、誤検出判定部106は、2つの領域のバーコードを読み取った際に、978と192の組み合わせにならない場合、誤検出と判定する。
これにより、バーコード読取部105により正常に読み取られたバーコードの情報が商品処理部107へ出力されるので、商品(書籍H1と書籍H2の価格等)を誤ることなく商品の処理を実行することができる。
【0040】
また、誤検出判定部106は、店員通知機能を有する。
店員通知機能は、バーコードの情報が条件に適合しない場合に、購入者に対して書籍の置き変え等の操作を促すメッセージをフロントディスプレイFDに表示し、購入者による書籍の置き変え操作がなかった場合に、店員を呼ぶメッセージを、店員が管理(携行)する携帯端末KTへ出力する。これにより、店内のバックヤードで作業をしている店員がセルフレジのところに駆けつけ、購入者に対応することができる。
【0041】
この他、店員通知機能は、操作受付部102にも備えられており、フロントディスプレイFDに対する購入者の操作が一定時間ない場合やフロントカメラCA#2で撮像される購入者の画像に基づいてAIが購入者の行動や仕草を判定して、不審な行動や仕草の場合、店員を呼ぶメッセージを、携帯端末KTへ出力する。
なお、店員を呼ぶメッセージを、店舗のバックヤードに設置されたストアコンピュータや遠隔地に設置されたサーバなどへ出力し、そこから店員が管理(携行)する携帯端末KTへ出力してもよい。
【0042】
商品処理部107は、誤検出判定部106により正常に検出されたバーコードの情報により特定される商品(書籍)に対する処理を実行する。
具体的には、商品処理部107は、誤検出判定部106により正常に検出されたバーコードの情報に基づいて、商品DB_Sから、対応する商品(書籍)の情報を読み出して、所定の処理を実行する。
ここで、所定の処理とは、商品台2に置かれた全ての商品(この例では書籍H1、H2等)の価格を集計し精算金額(支払金額)を計算する処理や、精算金額(支払金額)と商品(書籍H1、H2等)の情報を機器制御部108へ出力する処理等である。
【0043】
機器制御部108は、操作受付部102により受け付けられた入力操作の内容や商品処理部107からの指示に応じて機器を制御する。具体的には、機器制御部108は、照明装置SM、フロントカメラCA#2、商品カメラCA#1、フロントディスプレイFD等の各機器を制御する。
例えば、機器制御部108は、商品(書籍H1、H2等)の精算の際に、商品処理部107から入力された商品(書籍H1、H2等)の情報と精算する精算金額(支払金額)を表示するようフロントディスプレイFDを制御する。
【0044】
ここで、図4を参照して実施形態のセルフレジの動作を説明する。
図4は、実施形態のセルフレジの動作を示すフローチャートである。
図4のステップS101において、画像取得部101は、2段のバーコードが夫々付された1以上の商品(書籍H1、H2等)を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する。
ステップS102において、バーコード領域検出部103は、撮像画像から、バーコードを含む領域をバーコード領域B1乃至B4として2以上抽出する。
ステップS103において、ペア判定部104は、2以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペア(例えば図5の領域B1と領域B2のペア、領域B3と領域B4のペア等)を特定する。
ステップS104において、バーコード読取部105は、ペア判定部104により特定された1以上のペアの夫々について、2段のバーコードの内容を読み取る。
【0045】
このように実施形態のセルフレジ1の動作によれば、画像取得部101により撮像された撮像画像から、バーコードの領域B1乃至B4を2以上抽出し、2以上のバーコード領域B1乃至B4の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペア(例えば書籍H1はバーコードの領域B1、B2がペア、書籍H2はバーコードの領域B3、B4がペア等)を特定するので、夫々のペアの領域から商品の情報を正しく読み取って商品の処理を実行することができる。
【0046】
以下、図5乃至図8を参照してペア判定処理のいくつかのパターンを具体的に説明する。
まず、図5を参照してセルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第1パターンを説明する。図5は、セルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第1パターンを示す図である。
【0047】
図5に示す第1パターンは、抽出されるバーコード領域B1乃至B4の中心同士の距離に着目してペアを判定する例である。
この場合、ペア判定部104では、距離処理部110が、抽出されたバーコード領域B1乃至B4のうち、処理の対象として着目すべきバーコード領域を、例えば着目バーコード領域B1とする。
そして、距離処理部110は、当該着目バーコード領域B1の対応点、例えば中心点P1を特定し、その中心点P1に対する他のバーコード領域、例えば領域B2の中心点P2との位置関係、具体的に距離D1を計算する。
【0048】
なお、この実施形態では、バーコード領域の対応点を、各領域の中心点P1、P2、P3…としたが、ここで示した例はあくまでも一例であり、各領域の左上の角の点同士を対応点としてもよく、また右上と左下と別のか所に対応点を設定してもよい。
距離間の判断には、一般にピクセル数が用いられるが、撮像画像から実際の距離(センチメートル、ミリメートル等)を推定し、その単位を用いることができる。
【0049】
続いて、距離処理部110は、距離D1が予め設定されている、ペア間の規定の距離D0未満か否かを判定し、距離D1が既定の距離D0未満であれば、所定条件が満たされたもの(〇)と判定し、そのバーコード領域B2と、当該着目バーコード領域B1とをペアとして特定する。
【0050】
次に、距離処理部110は、着目バーコード領域を領域B2として、その中心点P2に対する他のバーコード領域、例えば領域B3の中心点P3との位置関係、具体的に距離D2を計算する。
そして、距離処理部110は、距離D2が予め設定されている、ペア間の規定の距離D0未満か否かを判定する。
この場合、距離D2が既定の距離D0を超えているため、所定条件が満たされていないもの(×)と判定し、そのバーコードの領域B3と、当該着目バーコード領域B2とはペアでないものと判定する。
【0051】
さらに、距離処理部110は、着目バーコード領域を領域B3として、上記同様に中心点間の距離を計算し、既定の距離D0と比較することで、バーコード領域B4と、当該着目バーコード領域B3とをペアとして特定する。
このように第1パターンでは、バーコード領域の対応点同士の距離に基づいて、書籍H1のバーコード領域のペアを、領域B1と領域B2として特定し、書籍H2のバーコード領域のペアを領域B3と領域B4として特定することができる。
【0052】
次に、図6を参照してセルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第2パターンを説明する。図6は、セルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第2パターンを示す図である。
図6に示す第2パターンは、抽出されるバーコード領域B1乃至B4の中心同士を結んだ線の傾き(傾斜角度)に着目してペアを判定する例である。
この場合、ペア判定部104では、傾き処理部111が、抽出されたバーコード領域B1乃至B4のうち、処理の対象として着目すべきバーコード領域を、例えば着目バーコード領域B1とする。
そして、傾き処理部111は、当該着目バーコード領域B1の中心点P1を特定し、その中心点P1に対する他のバーコード領域、例えば領域B2の中心点P2との位置関係、具体的に中心点P1、P2間を結ぶ線分のバーコード領域B1の縁線Gに対する傾きK1を計算する。
【0053】
続いて、傾き処理部111は、線分の傾きK1が予め設定されている、ペア間の既定の傾きK0(例えばバーコード領域の垂直方向の縁線に対して1°)未満か否かを判定し、線分の傾きK1が既定の傾きK0未満(つまりバーコード領域B1の縦方向の縁線Gと平行)であれば、所定条件が満たされたもの(〇)と判定し、中心点P1、P2間で結ばれる2つのバーコード領域B1、B2をペアとして特定する。
【0054】
次に、傾き処理部111は、着目バーコード領域を領域B2とし、その中心点P2と、他のバーコード領域、例えば領域B3の中心点P3とを結ぶ線分の傾きK2を上記同様に計算する。
そして、傾き処理部111は、線分の傾きK2が予め設定されている、ペア間を結ぶ線分の既定の傾きK0未満か否かを判定する。
この事例の場合、線分の傾きK2が既定の傾きK0を超えているため、所定条件が満たされていないもの(×)と判定し、そのバーコードの領域B3と、当該着目バーコード領域B2とはペアでないものと判定する。
【0055】
さらに、傾き処理部111は、着目バーコード領域を領域B3として、上記同様に中心点を結ぶ線分の傾きを計算し、既定の傾きK0と比較することで、バーコード領域B4と、当該着目バーコード領域B3とをペアとして特定する。
このように第2パターンでは、バーコード領域の対応点同士の傾きに基づいて、書籍H1のバーコード領域のペアを領域B1と領域B2として特定し、書籍H2のバーコード領域のペアを領域B3と領域B4として特定することができる。
【0056】
次に、図7を参照してセルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第3パターンを説明する。図7は、セルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第3パターンを示す図である。
図7に示す第3パターンは、バーコード領域の端辺同士に着目してペアを判定する例である。
この場合、ペア判定部104では、間隔処理部112が、抽出されたバーコード領域B1乃至B4のうち、処理の対象として着目すべきバーコード領域を、例えば着目バーコード領域B1とする。
そして、間隔処理部112は、当該着目バーコード領域B1の端辺T1を特定し、その端辺T1に対する他のバーコード領域B2の端辺T2との位置関係、具体的に端辺T1、T2間の距離D1を計算する。
【0057】
なお、この実施形態では、上のバーコード領域B1の下端と下のバーコード領域B2の上端との間の距離に基づいて領域をペアリングしたが、ここで示した例はあくまでも一例であり、各領域の上端同士や下端同士に着目してもよい。
画像内における距離の単位には、一般にピクセル数が用いられるが、撮像画像から実際の距離(センチメートル、ミリメートル等)を推定することで、センチメートルやミリメートル等の単位を用いることができる。
【0058】
続いて、間隔処理部112は、領域B1の端辺T1と、領域B2の端辺T2間の距離D1が、予め設定されているペア間の規定の距離D0未満か否かを判定し、距離D1が既定の距離D0未満であれば、所定条件が満たされたもの(〇)と判定し、そのバーコード領域B2と、当該着目バーコード領域B1とをペアとして特定する。
【0059】
次に、間隔処理部112は、着目バーコード領域を領域B2とし、その端辺T3に対する他のバーコード領域、例えば領域B3の端辺T4との距離D2を計算する。
そして、間隔処理部112は、距離D2が予め設定されているペア間の規定の距離D0未満か否かを判定する。
この場合、距離D2が既定の距離D0を超えているため、所定条件が満たされていないもの(×)と判定し、そのバーコードの領域B3と、当該着目バーコード領域B2とはペアでないものと判定する。
【0060】
さらに、間隔処理部112は、着目バーコード領域を領域B3として、上記同様に領域B3の端辺と他のバーコード領域B4の端辺との間の距離を計算し、既定の距離D0と比較することで、バーコード領域B4と、当該着目バーコード領域B3とをペアとして特定する。
このように第3パターンでは、バーコード領域の端辺同士の距離に基づいて、書籍H1のバーコード領域のペアを、領域B1と領域B2として特定し、書籍H2のバーコード領域のペアを領域B3と領域B4として特定することができる。
【0061】
次に、図8を参照してセルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第4パターンを説明する。図8は、セルフレジが実行するバーコードのペア判定処理の第4パターンを示す図である。
図8に示す第4パターンは、バーコード領域同士の傾きに着目してペアを判定する例である。
この場合、ペア判定部104では、傾き処理部111は、抽出されたバーコード領域B1乃至B4のうち、処理の対象として着目すべきバーコード領域を、例えば着目バーコード領域B1とする。
そして、傾き処理部111は、当該着目バーコード領域B1の端辺T1を特定し、その端辺T1に対する他のバーコード領域B2の端辺T2との間隔(距離D1)を計算する。
【0062】
続いて、傾き処理部111は、バーコード領域B1、B2の端辺T1、T2とが予め設定されているペア間の既定の傾きK0(図示せず)(例えば端辺T1に対して端辺T2の傾きが1°)未満か否かを判定し、端辺T1に対する端辺T2の傾きが既定の傾きK0未満(つまり端辺T1がバーコード領域B1の横方向の端辺T2と平行)であれば、所定条件が満たされたもの(〇)と判定し、2つのバーコード領域B1、B2をペアとして特定する。
【0063】
次に、傾き処理部111は、着目バーコード領域を領域B2とし、その領域B2の下側の端辺T3と、他のバーコード領域、例えば領域B3の上側の端辺T4とを上記同様に計算する。
そして、傾き処理部111は、領域B2の端辺T3と領域B3の端辺T4との傾きが、予め設定されているペア間の既定の傾きK0未満か否かを判定する。
この事例の場合、端辺T3と端辺T4との傾きが既定の傾きK0を超えているため、所定条件が満たされていないもの(×)と判定し、そのバーコードの領域B3と、当該着目バーコード領域B2とはペアでないものと判定する。
【0064】
さらに、傾き処理部111は、着目バーコード領域を領域B3として、上記同様に領域B3と領域B4の端辺同士の傾きを計算し、既定の傾きK0と比較することで、バーコード領域B4と、当該着目バーコード領域B3とをペアとして特定する。
なお、2つのバーコード領域B1、B2がペアであることが特定された場合は残りの領域B3、B4は、他の書籍H2のペアであることが分かるため、領域B3と領域B4との傾きに関する処理を省力することも可能である。
このように第4パターンでは、バーコード領域の端辺同士の傾きに基づいて、書籍H1のバーコード領域のペアを領域B1と領域B2として特定し、書籍H2のバーコード領域のペアを領域B3と領域B4として特定することができる。
【0065】
なお、この第4パターンに比べて、上述した第1乃至第3パターンの方が優れている点は、以下のとおりである。
第1乃至第3パターンは、各バーコード領域の中の一点を把握できれば比較することができる。第3パターンでも、便宜上、上段のバーコードの下端と下段のバーコードの上端に線を引いているが、この場合でも、下端の一番下の点と上端の一番上の点を把握できれば、その距離感を推定することが可能である。
一方、第4パターンでは、傾きに着目するため、各バーコード領域内の二点以上を結んだ線を引き、その線同士の傾きを演算する必要があるため、その分、処理上の計算コストがかさむことになる。
【0066】
ここで、図9を参照して雑誌と書籍が混在する際のバーコードのペアの誤検出判定の仕方について説明する。
図9は、セルフレジが実行する誤検出判定処理の例を示す図である。
【0067】
一般に、書籍H1の裏面には、2段バーコードが配置されている一方、雑誌の裏面には、バーコードが1つ配置されている。
具体的には、図9に示すように、書籍H1には、2段バーコードB1、B2が設けられており、雑誌H2には、バーコードB3が設けられている。
そして、例えば書籍H1の上に、書籍H1の1段目のバーコードB1を隠すように雑誌H2が載せられたケースでは、抽出された領域B1、B3の距離判定や傾き判定だけではバーコード領域を誤検出する可能性がある。
【0068】
雑誌のバーコードは、基本的には、JANコード(13桁)とアドオンコード(5桁)が横並びに配置されている。このように、雑誌のバーコードは、雑誌の分野で、書籍とは異なる独自のコード体系を有している。
【0069】
そこで、このようなケースでは、誤検出判定部106が、雑誌コードに合致するもの(基本的にコードが49から始まる)と、書籍コードに合致するもの(例えばコードが978か192から始まる)とはペアになり得ない、という条件に基づいて誤検出判定処理を実行することで、書籍H1と雑誌H2のバーコードを正しく識別して、夫々の本を処理することができる。
【0070】
以上説明したように、実施形態のセルフレジ1によれば、複数の商品(例えば図5の書籍H1、H2等)から読み取った1以上のバーコード領域と商品(例えば図5の領域B1、B2と書籍H1、領域B3、B4と書籍H2等)とを対応付けることができるので、1以上の商品(例えば書籍等)を誤認することなく夫々の商品(例えば書籍等)に対する処理(例えば料金の精算処理等)を実行することができる。
この結果、バーコードを備える商品(例えば図5の書籍H1、H2等)を販売する店舗において、店員が関与することなく消費者による商品(例えば図5の書籍H1、H2等)の精算を済ますことができる。
即ち、バーコードを備える商品(例えば図5の書籍H1、H2等)を販売する店舗においてセルフレジ化を実現することができる。
【0071】
この他、実施形態のセルフレジ1では、以下のような効果が得られる。
1.複数の本を(書籍や雑誌等を混在させて)一括読み取り可能である。
購入者(消費者)は、購入する本を商品台2に並べてフロントディスプレイFDに表示されているスタートボタンを押し、画面の案内に従って処理を進めるだけで、複数の本を一度に簡単に精算することができる。
2.消費者の使いやすさを追求することができる。
セルフレジ1のノウハウを活かし、操作に迷わないシンプルな画面UIを独自開発。さらに、音声による操作案内を搭載しているので、初めてセルフレジ1を操作する人でも迷わずに商品の精算をすることができる。
3.店員通知機能を有する。
セルフレジ1は、店員が管理する携帯端末との通信機能を搭載し、購入者から問い合わせがあると、店員の携帯端末へ呼び出し通知をしたり、エラー通知を携帯端末へ送信するので、セルフレジ1の位置にスタッフが常駐しなくても速やかに接客対応することができる。
4.自由な外装デザインも可能である。
店舗の雰囲気に合わせてセルフレジ1の外装に自由なデザインを印刷することができるので、キャンペーン等に合わせたPOPを外装に表示(印刷)することが可能である。
【0072】
ここで、セルフレジ1を店舗に導入する効果について説明する。
1.少ないスタッフでレジオペレーションが可能になる。
利用客の使いやすさを追求し、店舗スタッフがサポートにつくことなく、セルフ会計を実現することができる。
2.会計時間を大幅短縮することができる。
セルフレジ1は、1冊でも複数冊でもほぼ同じ時間で会計することができるので、一般的な有人レジと比較すると、購入点数が多いほど会計時間を短縮することができる。
3.非接触・非対面での販売を実現することができる。
コロナ禍で広がりつつある、非接触ニーズがある。セルフレジ1は、消費者が簡単に操作できることでセルフレジ1の利用が広がり、非接触・非対面での販売を実現することができる。
4.スタッフがレジ以外の業務へ集中することができる。
店舗のスタッフは、バックヤードで作業中でも店員通知機能を活用することで、利用客からの呼び出しや設定した条件の通知を携帯端末で受信し、すぐに駆け付けることができる。
【0073】
この他、複数組の二段バーコードを一括で同時に読み取るので、商品台2に複数冊の書籍が置かれたとしても、つまり複数組の二段バーコードが発見されたとしても、それらを一括で同時に読み取ることができる。
これにより、書籍を一冊一冊読み取る煩わしい作業から作業者(購入者や店員等)を解放することができる。また、商品台2の上部に設置した固定カメラ(カメラCA#1)で撮像した撮像画像から画像処理により書籍のバーコードを読み取るため、専用のバーコードスキャナーやそのスキャナーを持って操作することも不要になり、セルフレジ化の実現が可能になる。
【0074】
以下、図1図3図10乃至図14を参照して、購入者がセルフレジを操作して書籍を購入する際の購入フロー(購入者の操作に対するセルフレジの動作)を説明する。
図10は、購入者がセルフレジを操作して書籍を購入する際の購入フローを示す図である。図11は、購入者がセルフレジを操作して書籍を購入する際の購入フローを示す図である。図12は、セルフレジの初期画面を示す図である。図13は、書籍の冊数が不一致であることを通知する通知画面を示す図である。図14は、書籍の明細情報を含む確認画面を示す図である。
【0075】
このセルフレジの場合、図10のステップS201において、購入者は、購入対象の1以上の書籍を図1の商品台2に置き、ステップS202において、フロントディスプレイFDの初期画面121(図12参照)内の、購入予定の冊数の指定欄に表示された冊数ボタンの中から購入予定の冊数を指定入力し、「次へ」ボタンを押下する。
【0076】
セルフレジ1では、「次へ」ボタンの押下操作が操作受付部102により受け付けられると、機器制御部108は、ステップS203において、初期画面121に「スタート」ボタンを表示する。
【0077】
ステップS204において、購入者が、初期画面121に表示された「スタート」ボタンを押下すると、ステップS205において、セルフレジ1は、1以上の書籍からバーコードを読み取る。
具体的には、セルフレジ1において、機器制御部108が商品カメラCA#1を動作させることで、商品カメラCA#1により書籍を含む画像が撮像され、画像取得部101により取得され、ペア判定部104により、撮像画像から1以上の書籍に付されたバーコード領域が抽出されてペアが判定され、そのペア毎にバーコードが読み取られる。
【0078】
続いて、ステップS206において、セルフレジ1では、誤検出判定部106が、メニュー画面から入力された冊数と、バーコードから読み取った冊数とを照合する。
そして、照合の結果、冊数が一致しない場合(ステップS206のNo)、誤検出判定部106は、ステップS207において、入力された冊数と、読み取った冊数とが一致しない旨のメッセージをフロントディスプレイFDの通知画面122(図14参照)に表示する。
【0079】
一方、照合の結果、冊数が一致した場合(ステップS206のYes)、機器制御部108は、ステップS208において、商品処理部107により処理され読取結果(書籍の情報(価格や名称)と冊数等の明細情報)をフロントディスプレイFDの読取結果確認画面(図示せず)に表示する。
【0080】
フロントディスプレイFDの読取結果確認画面に表示された読取結果を確認した購入者が、ステップS209において、読取結果確認画面に表示された「次へ」ボタンを押下すると、ステップS210において、機器制御部108は、明細情報と共に、レジ袋の有無、種類、枚数等を含む確認画面123(図14参照)をフロントディスプレイFDに表示する。
【0081】
ステップS211において、購入者が、レジ袋の有無、種類、枚数を確認画面123に入力すると、ステップS212において、機器制御部108は、入力されたレジ袋の枚数からレジ袋が必要か否かを判定する。
例えばレジ袋の枚数が0枚であれば、機器制御部108は、レジ袋不要と判定し(ステップS212のNo)、ステップS215に進む。
また、例えば1枚であれば、機器制御部108は、レジ袋が必要と判定し(ステップS212のYes)、次の処理ステップであるステップS213に進む。
【0082】
ステップS213において、機器制御部108は、明細にレジ袋を追加し、確認画面123に表示する。
【0083】
ステップS214において、購入者が、確認画面123の明細内容を確認し、「次へ」ボタンを押下すると、ステップS215において、機器制御部108は、支払い方法選択画面(図示せず)をフロントディスプレイFDに表示する。
【0084】
ステップS216において、購入者が、支払い方法選択画面の支払い方法の中から所望の支払い方法を選択し、ステップS217において、選択した支払い方法で精算を済ませることで、支払いが終了する。
【0085】
この購入フローによれば、フロントディスプレイFDの画面から入力された冊数と、バーコードから読み取った冊数とを照合し、冊数が一致しない場合は、冊数の不一致をフロントディスプレイFDに表示し、購入者に通知するので、書籍の冊数を間違うことなく精算することができる。
【0086】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0087】
上述した実施形態では、バーコード領域検出部103は、商品カメラCA#1の撮像画像から、バーコードを含む領域をバーコード領域B1乃至B4として抽出したが、これ以外であってもよく、撮像画像から、バーコードを含む領域をバーコード領域として2以上抽出すればよい。
上述した実施形態では、ペア判定部104は、2つのバーコード領域B1、B2の夫々の距離や傾き等の関係に基づいて、同一の書籍H1、H2に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域B1乃至B4の中からペア(例えば図5の領域B1と領域B2のペア、領域B3と領域B4のペア等)を特定したが、これ以外であってもよく、2以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペアを特定すればよい。
上述した実施形態では、バーコード読取部105は、ペア判定部104により特定された2つのバーコード領域(領域B1、B2のペアと領域B3、B4のペア)の夫々について、2段のバーコードの内容を読み取ったが、これ以外であってもよく、ペア判定部104により特定される1以上のペアの夫々について、2段のバーコードの内容を読み取ればよい。
ここで言う「2段」とは、縦方向に2つのバーコードが配置されているだけでなく、横方向に2つ配置される、例えば雑誌のバーコード等も2段に含まれる。
【0088】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図3に特に限定されず、任意でよい。例えば、各種処理の実行に必要となる機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、携帯端末等に移譲させてもよい。逆に携帯端末の機能ブロック及びデータベースを情報処理装置に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0089】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0090】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。
【0091】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0092】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、
商品(例えば図5の書籍H1、H2等)に付された2段のバーコードを読み取る情報処理装置(例えば図3のセルフレジ1等)において、
前記2段のバーコードが夫々付された1以上の商品(例えば図5の書籍H1、H2等)を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する撮像画像取得手段(例えば図3の画像取得部101等)と、
前記撮像画像(例えば図5の領域全体等)から、前記バーコードを含む領域をバーコード領域(例えば図5の領域B1乃至B4等)として2以上抽出するバーコード領域抽出手段(例えば図3のバーコード領域検出部103等)と、
2以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペア(例えば図5の領域B1と領域B2のペア、領域B3と領域B4のペア等)を特定するペアリング手段(例えば図3のペア判定部104等)と、
前記ペアリング手段により特定された1以上の前記ペアの夫々について、前記2段のバーコードの内容を読み取るバーコード読取手段(例えば図3のバーコード読取部105等)と、
を備える。
これにより、複数の商品(例えば図5の書籍H1、H2等)から読み取った1以上のバーコード領域と商品(例えば図5の領域B1、B2と書籍H1、領域B3、B4と書籍H2等)とを対応付けることができるので、1以上の商品(例えば書籍等)を誤認することなく夫々の商品(例えば書籍等)に対する処理(例えば料金の精算処理等)を実行することができる。
この結果、バーコードを備える商品(例えば図5の書籍H1、H2等)を販売する店舗において、店員が関与することなく消費者による商品(例えば図5の書籍H1、H2等)の精算を済ますことができる。
即ち、バーコードを備える商品(例えば図5の書籍H1、H2等)を販売する店舗においてセルフレジ化を実現することができる。
【0093】
上記情報処理装置(例えば図3のセルフレジ1等)において、
前記ペアリング手段(例えば図3のペア判定部104等)は、
処理の対象として着目すべきバーコード領域を着目バーコード領域(例えば図5のバーコード領域B1等)として、
当該着目バーコード領域B1に対する所定の位置関係により規定される所定条件が満たされる他のバーコード領域(例えば図5の領域B2等)と、当該着目バーコード領域(例えば図5の領域B1等)とを前記ペアとして特定する。
これにより、複数の商品(例えば図5の書籍H1、H2等)から読み取った1以上のバーコード領域と書籍(例えば図5のバーコード領域B1、B2と書籍H1、バーコード領域B3、B4と書籍H2等)とを対応付けることができる。
【0094】
上記情報処理装置(例えば図3のセルフレジ1等)において、
前記所定条件は、前記着目バーコード領域(例えば図5の領域B1等)と他のバーコード領域(例えば図5の領域B2等)との夫々の対応点(例えば図5の点P1、P2等)の間の距離(例えば図5の距離D1等)が閾値(予め書籍H1に設定されているバーコード間の距離D0の許容範囲)未満という条件である。
これにより、書籍H1に書籍H2の一部が重ねられていた場合であっても書籍H1のバーコードと書籍H2のバーコードを誤認することなく、読み取ることができる。
【0095】
上記情報処理装置(例えば図3のセルフレジ1等)において、
前記所定条件は、前記着目バーコード領域(例えば図6の領域B1等)と他のバーコード領域(例えば図6の領域B2等)との夫々の対応点(例えば図6の点P1、P2等)を結んだ線分(例えば図6線K1、K2等)の傾きが閾値(予め書籍H1に設定されているバーコードどうしの傾きK0度の許容範囲)の傾きが閾値未満という条件である。
これにより、複数の書籍が乱雑に置かれた場合であっても夫々の書籍のバーコード領域のペアを確実に検出し、バーコード領域のペア毎に、夫々の書籍のバーコードの情報を読み取ることができる。
【0096】
上記情報処理装置(例えば図3のセルフレジ1等)において、
前記所定条件は、前記着目バーコードの矩形領域(例えば図7の領域B1等)と他のバーコードの矩形領域(例えば図7の領域B2等)との夫々の縁線の平行度合いが閾値(予め書籍H1に設定されているバーコードの領域B1の一辺T1と他の領域B2の一辺T2との平行度の許容範囲(0°から1°の範囲))未満という条件である。
これにより、商品(書籍等)が斜めにずれて並べられているものは別の商品として識別されるので、1以上の商品を誤認することなく特定することができる。
【0097】
上記情報処理装置(例えば図3のセルフレジ1等)において、
前記所定条件は、前記着目バーコード領域(例えば図6の領域B1等)内の予め決められた第1の点(例えば図6の点P1等)と、他のバーコード領域(例えば図6の領域B2等)内の予め決められた第2の点(例えば図6の点P2等)との距離D1又は傾きK1のうち少なくとも一方が閾値未満という条件である。
これにより、どのような形状の領域についても2点間の距離か2点間を結ぶ線分の傾きの少なくとも一方での比較で領域のペアを識別できるので、1以上の商品を誤認することなく特定することができる。
【0098】
上記情報処理装置(例えば図3のセルフレジ1等)において、
前記商品は書籍であり、
前記ペアリング手段(例えば図3のペア判定部104等)により特定された前記バーコード領域のペアについて、前記バーコード読取手段(例えば図3のバーコード読取部105等)により第1バーコード領域(着目バーコード領域B1等)から読み取られた第1バーコードが第1の文字列(例えば978等)から始まるものがあり、第2バーコード領域(他のバーコード領域B2等)から読み取られた第2バーコードが第2の文字列(例えば192)から始まるものであるという条件に適合しない場合には誤検出であると判定する誤検出判定手段(例えば図3の誤検出判定部106等)、
をさらに備える。
これにより、バーコード読取手段(例えば図3のバーコード読取部105等)により正しく読み取られたバーコードの情報を用いて商品(書籍)の処理を実行することができる。
【0099】
上記情報処理装置(例えば図3のセルフレジ1等)において、
入力者(購入者又は店員等)により入力される前記商品(書籍等)の個数(冊数等)を受け付ける受付手段(例えば図3の操作受付部102等)と、
前記受付手段により受け付けられた前記商品(書籍等)の個数(冊数等)と、前記バーコード読取手段により読み取られた前記2段のバーコードのペア数又は前記商品(書籍等)の個数(冊数等)との整合性を確認する個数確認手段(例えば図3の誤検出判定部106等)と、
を備える。
このように、フロントディスプレイFDの画面から入力者(購入者又は店員等)により入力された商品(書籍等)の個数(冊数等)と、バーコードから読み取った商品(書籍等)の個数(冊数等)との整合性を確認することで、個数(冊数等)が一致しない場合は、個数(冊数等)の不一致をフロントディスプレイFDに表示し、購入者に確認を促すことで、商品(書籍等)を正しい個数(冊数等)で処理(精算処理等を)することができる。
【符号の説明】
【0100】
FD・・・フロントディスプレイ、CA#1・・・商品カメラ、CA#2・・・フロントカメラ、H1、H2・・・書籍、SM#1、SM#2・・・照明装置、1・・・セルフレジ、2・・・商品台、3・・・枠部、4・・・目隠し部、5・・・前面部、11・・・CPU、18・・・記憶部、19・・・通信部、101・・・画像取得部、102・・・操作受付部、103・・・バーコード領域検出部、104・・・ペア判定部、105・・・バーコード読取部、106・・・誤検出判定部、107・・・商品処理部、108・・・機器制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に付された2段のバーコードを読み取る情報処理装置において、
前記2段のバーコードが夫々付された1以上の商品を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する撮像画像取得手段と、
前記撮像画像から、前記バーコードを含む領域をバーコード領域として2以上抽出するバーコード領域抽出手段と、
2以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペアを特定するペアリング手段と、
前記ペアリング手段により特定された1以上の前記ペアの夫々について、前記2段のバーコードの内容を読み取るバーコード読取手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記ペアリング手段は、
処理の対象として着目すべきバーコード領域を着目バーコード領域として、
当該着目バーコード領域に対する所定の位置関係により規定される所定条件が満たされる他のバーコード領域と、当該着目バーコード領域とを前記ペアとして特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定条件は、前記着目バーコード領域と他のバーコード領域との夫々の対応点の間の距離が閾値未満という条件である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定条件は、前記着目バーコード領域と他のバーコード領域との夫々の対応点を結んだ線分の傾きが閾値未満という条件である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定条件は、前記着目バーコードの矩形領域と他のバーコード矩形領域との夫々の縁線の平行度合いが閾値未満という条件である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定条件は、前記着目バーコード領域内の予め決められた第1の点と、他のバーコード領域内の予め決められた第2の点との距離又は傾きのうち少なくとも一方が閾値未満という条件である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記商品は書籍であり、
前記ペアリング手段により特定された前記バーコード領域のペアについて、前記バーコード読取手段により第1バーコード領域から読み取られた第1バーコードが第1の文字列から始まるものがあり、第2バーコード領域から読み取られた第2バーコードが第2の文字列から始まるものであるという条件に適合しない場合には誤検出であると判定する誤検出判定手段、
をさらに備える請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
入力される前記商品の個数を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた前記商品の個数と、前記バーコード読取手段により読み取られた前記2段のバーコードのペア数又は前記商品の個数との整合性を確認する確認手段と、
を備える請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記商品はN個(Nは2以上の整数値)あり、
前記撮像画像取得手段は、前記2段のバーコードが夫々付された前記N個の商品を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得し、
前記バーコード領域抽出手段は、前記撮像画像から、2×N以上のバーコード領域を抽出し、
前記ペアリング手段は、前記2×N以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、前記N個の商品毎に、前記2つのバーコード領域のペアを夫々特定し、
前記バーコード読み取り手段は、前記ペアリング手段により特定された前記N個の商品毎の前記ペアの夫々について、前記N個の商品の夫々についての前記2段のバーコードの内容を読み取る、
請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の情報処理装置
【請求項10】
商品に付された2段のバーコードを読み取る情報処理装置が実行する情報処理方法において、
前記2段のバーコードが夫々付された1以上の商品を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する撮像画像取得ステップと、
前記撮像画像から、前記バーコードを含む領域をバーコード領域として2以上抽出するバーコード抽出ステップと、
2以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペアを特定するペアリングステップと、
前記ペアリングステップの処理により特定された1以上の前記ペアの夫々について、前記2段のバーコードの内容を読み取るバーコード読取ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項11】
商品に付された2段のバーコードを読み取るコンピュータに、
前記2段のバーコードが夫々付された1以上の商品を被写体として撮像された結果得られる撮像画像を取得する撮像画像取得ステップと、
前記撮像画像から、前記バーコードを含む領域をバーコード領域として2以上抽出するバーコード抽出ステップと、
2以上のバーコード領域の夫々の位置関係に基づいて、同一の商品に付された2段のバーコードの夫々を示す2つのバーコード領域のペアを特定するペアリングステップと、
前記ペアリングステップの処理により特定された1以上の前記ペアの夫々について、前記2段のバーコードの内容を読み取るバーコード読取ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。