(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092475
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】高電圧の元で作業可能とするアース付き電気靴
(51)【国際特許分類】
A43B 13/10 20060101AFI20230626BHJP
【FI】
A43B13/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022195474
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】522043747
【氏名又は名称】石黒 稜人
(72)【発明者】
【氏名】石黒 稜人
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050GA30
4F050JA23
4F050JA30
4F050LA01
(57)【要約】
【課題】作業途中で他の作業員が誤って機械の電源を付けても感電死したくない。
【解決手段】配管・配線・高電圧のかかっている金属部品・漏電している可能性のある部品等の電圧がかかっている部品と電気的に接続可能なケーブル等の部品を持つ履物を用いる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管・配線・高電圧のかかっている金属部品・漏電している可能性のある部品等の電圧がかかっている部品と電気的に接続可能なケーブル等の部品を持つ履物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は履物についてである。新しい履物のため電気靴と呼ぶ。
【背景技術】
【0002】
安全靴を履いていても200Vのコンセントに金属部品をつっこむと感電してしまう。また、最初は電気が流れていない状態だったが、作業途中に他の作業者が誤って電源を入れた場合に普通の安全靴だと感電死する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業途中で他の作業員が誤って機械の電源を付けても感電死しない安全靴が欲しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
図1のような配管・配線・高電圧のかかっている金属部品・漏電している可能性のある部品等の電圧がかかっている部品と電気的に接続可能なケーブル等の部品を持つ履物を履くことで解決できる。
デメリットとしては、通電部に安全靴を電気的に接続した状態で走ったりジャンプしながら壁に触ると感電します。また、通電部の電源を入れた際に通電部と床がショートしてしまう。
靴と床との間に電気が流れた(ショートした)場合にアラームを鳴らす機能を搭載した安全靴ならなお安全である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
【手続補正書】
【提出日】2023-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
図1に履物の構造を示す。
基本的には靴やスリッパ等の履物の下に金属板があり、金属板からケーブルがのびていて、ケーブルの先端にフックや丸型端子が付けられているものが電気靴である。請求項にある電気的に接続可能なケーブル等とは、最低限の場合はケーブルだけである。スリッパなどの履物を銅板等の金属板に貼り付け、ケーブルの一端を銅板に溶接(はんだ等)し、通電部に設けられたねじ止め端子に配線を接続することで、ケーブルのみで通電部と接続可能となる構造となる。より楽に接続するために丸型圧着端子を取り付けたり、絶縁のためにスリーブを取り付けたりカバーを取り付けることがあるため、ケーブル等と表記されている。
通電部への接続部はバイスのような形状でも良い。市販のフックの場合接続の面積が狭すぎるため、ケーブルを接続(溶接等)したバイスで通電部を挟むことで接続する方法が考えられる。
高電圧検知回路を金属板と地面との間に入れることで、通電部に電圧が印加されたことを検知したら音を鳴らす方がより安全である。また、音が鳴ったら即座に脱げるよう、図2のような靴を履いたまま履けるスリッパのような履物が好ましい。
通電予定部にケーブルを接続する際に、作業員のミスにより、通電部に元々電圧が印加されていた場合の感電を防ぐため、図3のように縄を投げ入れるタイプの接続方法も考えられる。また、図4のような電線に縄を投げて上に載せる方法も考えられる。接続の抵抗については、バイスで接続したケーブルを通って電気靴の金属板を通って地面へ抜けるまでの抵抗値が、人間の手を通電部に接続して体を通って電気靴の金属板を通って地面へ抜けるまでの抵抗値よりも十分に小さければ良い。
金属板だけでは接地抵抗が高い場合があり、金属板から地面への接地抵抗が大きい場合、通電部に電気が流れていて、それ以外の場所を触った際に人間を通って大きな電気が流れる可能性が有る。そのため、金属板は接地する必要がある。そのため補助接地極を用意することも考えられる。その場合、図5のように補助接地極や接地極は金属板に接続(溶接等)する。接地抵抗は人間より十分に小さければ問題ない。接地抵抗の目安は通電部に印加される可能性のある電圧と電流次第である。
前記で金属板と書いているが、金属板ではなく銅線を編み込んだ厚いメッシュ等でも問題ない。効率良く電気を地面に逃がすことが可能で、ケーブルを接続さえできればよい。製造の安易さや、価格や、電気伝導率や、ケーブルを溶接する可能性があることから、銅板が適しているといえる。
通電部と接続するケーブル等は1本でなくても良い。接続部の抵抗値が大きくなる場合にケーブルを複数本用意することも考えられる。また、ケーブルが切れた場合に感電する危険があることから、ケーブルは二本以上あった方が安全である。
金属板の上側にケーブルを繋げても良いし、側面に繋げても良い。ケーブルを踏んで転ぶ危険を少しでも減らすため、側面前方が適していると思われる。
作業時に通電部に接続した銅板を踏んで作業する場合は銅板は床であり、履物ではない。
200Vの電圧が加わる通電部を触っても良い電気靴を設計する場合を考える。湿った皮膚の抵抗が2000オーム、体の抵抗が300オーム、足元の抵抗を2000オームとすると、4300オームが人体の抵抗値となる。ここで安全率を1として考えて4300オームとする。200[V]÷4300[オーム]=0.046511[A]がそのままだと体に流れる電流となる。人間に流しても良い電流を10mAとする。10mAは作業員がピリッとする程度である。10mAと比べると通常の500倍の電流が流れることになる。機械の流せる電流の量は一定である。人間側に流れる電流を電気靴で少なくして500分の1程度にすれば良い。そのためには金属板から地面までの接地抵抗が人間の500分の1程度である必要と、通電部から丸型端子とケーブルなどを通じて金属板までの抵抗が人間の500分の1程度である必要がある。並列抵抗の抵抗で片方の抵抗に500倍の電流を流す場合、金属板の接地に関してはA種の接地(10オーム程度)であれば問題無さそうである。通電部から丸型端子とケーブルなどを通じて金属板までの抵抗は、機械に接続用の端子を設ければ解決できる。理想としては機械に200Vと0Vの両方の接続用端子があって、電気靴をそこに接続する事ができれば良い。機械がショートを検知して自動で止まってくれる可能性もある。電気靴を履いていればショートさせるまでの間も安全である。AWG10のケーブルを2m使用した場合、配線の抵抗は6.4オーム程度となる。その場合、全体で10オームまでとしたいため、端子の抵抗が3オーム程度であれば問題ない。
この設計方法のメリットは200V程度の設備であれば、作業者が200Vの場所を触っても、0Vの場所を触っても感電しないことである。-200Vの場所は触っても死にはしないがかなりビックリする可能性が有る。後述する設計方法を選択した場合、さらに高圧の設備でも問題ないが、200Vの通電部と電気靴を接続している場合に200Vの部分しか触ることができなくなる。
1000Vの電圧が加わる通電部を触っても良い電気靴を設計する場合を考える。方法は2つあって、1つ目は金属板と床の間の抵抗を十分に大きくする方法である。しかし、その場合、1000Vの部分しか触ることができなくなる。また、転んで手をついたり壁などにもたれかかると感電死する。
2つ目は床や壁を3300Vとして電気靴を履く方法である。床や壁を3300Vとすることで少しの事では感電死しなくなる。床を3300Vとして電気靴を床に接地し、輪投げ方式で3300Vと宙に浮いた電線2つの通電部と接続した場合、3300Vと宙に浮いた二つの電線を繋げる工事は通電したまま行うことが理論上可能となる。床の3300Vの実現方法は通電部に接続するのが最も楽である。
乾電池で動くおもちゃ(1.5Vの電圧が加わる通電部)を触っても良い電気靴を設計する場合を考える。大げさであるが、200Vや3300Vの時と同じ設計で問題ない。
金属板と人間の足の裏の間にゴムなどの絶縁体を設けることで、計算する上での人間の抵抗値を大きくすることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2023-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は履物についてである。新しい履物のため電気靴と呼ぶ。
【背景技術】
【0002】
安全靴を履いていても200Vのコンセントに金属部品をつっこむと感電してしまう。また、最初は電気が流れていない状態だったが、作業途中に他の作業者が誤って電源を入れた場合に普通の安全靴だと感電死する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業途中で他の作業員が誤って機械の電源を付けても感電死しない安全靴が欲しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
図1のような配管・配線・高電圧のかかっている金属部品・漏電している可能性のある部品等の電圧がかかっている部品と電気的に接続可能なケーブル等の部品を持つ履物を履くことで解決できる。
デメリットとしては、通電部に安全靴を電気的に接続した状態で走ったりジャンプしながら壁に触ると感電します。また、通電部の電源を入れた際に通電部と床がショートしてしまう。
靴と床との間に電気が流れた(ショートした)場合にアラームを鳴らす機能を搭載した安全靴ならなお安全である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に履物の構造を示す。
基本的には靴やスリッパ等の履物の下に金属板があり、金属板からケーブルがのびていて、ケーブルの先端にフックや丸型端子が付けられているものが電気靴である。請求項にある電気的に接続可能なケーブル等とは、最低限の場合はケーブルだけである。スリッパなどの履物を銅板等の金属板に貼り付け、ケーブルの一端を銅板に溶接(はんだ等)し、通電部に設けられたねじ止め端子に配線を接続することで、ケーブルのみで通電部と接続可能となる構造となる。より楽に接続するために丸型圧着端子を取り付けたり、絶縁のためにスリーブを取り付けたりカバーを取り付けることがあるため、ケーブル等と表記されている。
通電部への接続部はバイスのような形状でも良い。市販のフックの場合接続の面積が狭すぎるため、ケーブルを接続(溶接等)したバイスで通電部を挟むことで接続する方法が考えられる。
高電圧検知回路を金属板と地面との間に入れることで、通電部に電圧が印加されたことを検知したら音を鳴らす方がより安全である。また、音が鳴ったら即座に脱げるよう、図2のような靴を履いたまま履けるスリッパのような履物が好ましい。
通電予定部にケーブルを接続する際に、作業員のミスにより、通電部に元々電圧が印加されていた場合の感電を防ぐため、図3のように縄を投げ入れるタイプの接続方法も考えられる。また、図4のような電線に縄を投げて上に載せる方法も考えられる。接続の抵抗については、バイスで接続したケーブルを通って電気靴の金属板を通って地面へ抜けるまでの抵抗値が、人間の手を通電部に接続して体を通って電気靴の金属板を通って地面へ抜けるまでの抵抗値よりも十分に小さければ良い。
金属板だけでは接地抵抗が高い場合があり、金属板から地面への接地抵抗が大きい場合、通電部に電気が流れていて、それ以外の場所を触った際に人間を通って大きな電気が流れる可能性が有る。そのため、金属板は接地する必要がある。そのため補助接地極を用意することも考えられる。その場合、図5のように補助接地極や接地極は金属板に接続(溶接等)する。接地抵抗は人間より十分に小さければ問題ない。接地抵抗の目安は通電部に印加される可能性のある電圧と電流次第である。
前記で金属板と書いているが、金属板ではなく銅線を編み込んだ厚いメッシュ等でも問題ない。効率良く電気を地面に逃がすことが可能で、ケーブルを接続さえできればよい。製造の安易さや、価格や、電気伝導率や、ケーブルを溶接する可能性があることから、銅板が適しているといえる。
通電部と接続するケーブル等は1本でなくても良い。接続部の抵抗値が大きくなる場合にケーブルを複数本用意することも考えられる。また、ケーブルが切れた場合に感電する危険があることから、ケーブルは二本以上あった方が安全である。
金属板の上側にケーブルを繋げても良いし、側面に繋げても良い。ケーブルを踏んで転ぶ危険を少しでも減らすため、側面前方が適していると思われる。
作業時に通電部に接続した銅板を踏んで作業する場合は銅板は床であり、履物ではない。
200Vの電圧が加わる通電部を触っても良い電気靴を設計する場合を考える。湿った皮膚の抵抗が2000オーム、体の抵抗が300オーム、足元の抵抗を2000オームとすると、4300オームが人体の抵抗値となる。ここで安全率を1として考えて4300オームとする。200[V]÷4300[オーム]=0.046511[A]がそのままだと体に流れる電流となる。人間に流しても良い電流を10mAとする。10mAは作業員がピリッとする程度である。10mAと比べると通常の500倍の電流が流れることになる。機械の流せる電流の量は一定である。人間側に流れる電流を電気靴で少なくして500分の1程度にすれば良い。そのためには金属板から地面までの接地抵抗が人間の500分の1程度である必要と、通電部から丸型端子とケーブルなどを通じて金属板までの抵抗が人間の500分の1程度である必要がある。並列抵抗の抵抗で片方の抵抗に500倍の電流を流す場合、金属板の接地に関してはA種の接地(10オーム程度)であれば問題無さそうである。通電部から丸型端子とケーブルなどを通じて金属板までの抵抗は、機械に接続用の端子を設ければ解決できる。理想としては機械に200Vと0Vの両方の接続用端子があって、電気靴をそこに接続する事ができれば良い。機械がショートを検知して自動で止まってくれる可能性もある。電気靴を履いていればショートさせるまでの間も安全である。AWG10のケーブルを2m使用した場合、配線の抵抗は6.4オーム程度となる。その場合、全体で10オームまでとしたいため、端子の抵抗が3オーム程度であれば問題ない。
この設計方法のメリットは200V程度の設備であれば、作業者が200Vの場所を触っても、0Vの場所を触っても感電しないことである。-200Vの場所は触っても死にはしないがかなりビックリする可能性が有る。後述する設計方法を選択した場合、さらに高圧の設備でも問題ないが、200Vの通電部と電気靴を接続している場合に200Vの部分しか触ることができなくなる。
1000Vの電圧が加わる通電部を触っても良い電気靴を設計する場合を考える。方法は2つあって、1つ目は金属板と床の間の抵抗を十分に大きくする方法である。しかし、その場合、1000Vの部分しか触ることができなくなる。また、転んで手をついたり壁などにもたれかかると感電死する。
2つ目は床や壁を3300Vとして電気靴を履く方法である。床や壁を3300Vとすることで少しの事では感電死しなくなる。床を3300Vとして電気靴を床に接地し、輪投げ方式で3300Vと宙に浮いた電線2つの通電部と接続した場合、3300Vと宙に浮いた二つの電線を繋げる工事は通電したまま行うことが理論上可能となる。床の3300Vの実現方法は通電部に接続するのが最も楽である。
乾電池で動くおもちゃ(1.5Vの電圧が加わる通電部)を触っても良い電気靴を設計する場合を考える。大げさであるが、200Vや3300Vの時と同じ設計で問題ない。
金属板と人間の足の裏の間にゴムなどの絶縁体を設けることで、計算する上での人間の抵抗値を大きくすることができる。