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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092492
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】トレーラ及び車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 53/06 20060101AFI20230626BHJP
【FI】
B62D53/06 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198192
(22)【出願日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】202123233743.8
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220951238.2
(32)【優先日】2022-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】劉▲チォン▼
(72)【発明者】
【氏名】孫明
(72)【発明者】
【氏名】王志兵
(72)【発明者】
【氏名】▲カク▼佳男
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンテナのロックを手動で締め付けたり緩めたりする必要をなくし、積み下ろしのインテリジェントな制御を実現する。
【解決手段】トレーラ120は、構造梁と、前記構造梁に取り付けられた少なくとも1つのコンテナ保護装置と、を含み、そのうち、前記コンテナ保護装置は駆動部材と保護部材124とを含み、前記駆動部材は前記保護部材の昇降を駆動することに適し、前記保護部材は上昇すると前記トレーラ上のコンテナに位置制限作用を提供できる。本開示はコンテナをトレーラに取り付けた後、保護部材を自動的に上昇して、保護部材を当該コンテナを係止するようにさせ、またコンテナを下ろす前に、保護部材を自動的に収め、コンテナに対する位置制限作用を解除することができる。このような方式には、コンテナのロックを手動で締め付けたり緩めたりする必要がなく、それにより、積み下ろしのインテリジェントな制御が実現される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーラであって、
構造梁と、
前記構造梁に取り付けられた少なくとも1つのコンテナ保護装置と、を含み、
そのうち、前記コンテナ保護装置は駆動部材と保護部材とを含み、前記駆動部材は前記保護部材の昇降を駆動することに適し、前記保護部材は上昇すると前記トレーラ上のコンテナに位置制限作用を提供できる、ことを特徴とするトレーラ。
【請求項2】
前記コンテナ保護装置は前記構造梁の内側に取り付けられ、前記構造梁の上面に貫通溝が開設され、前記貫通溝のラジアンは前記保護部材の昇降軌跡にマッチングする、ことを特徴とする請求項1に記載のトレーラ。
【請求項3】
前記駆動部材は横方向に設置された第1のシリンダを含み、前記第1のシリンダは前記構造梁の内側に設置され、前記保護部材は前記第1のシリンダにヒンジで連結される、ことを特徴とする請求項1に記載のトレーラ。
【請求項4】
前記トレーラの底部を横断する支持梁をさらに含み、前記保護部材及び駆動部材は前記支持梁に設置され、前記駆動部材は前記支持梁の昇降を駆動することにより、前記保護部材を昇降させる、ことを特徴とする請求項1に記載のトレーラ。
【請求項5】
前記駆動部材は縦方向に設置された第2のシリンダを含み、前記トレーラの両側はそれぞれ少なくとも1つの縦梁を含み、前記支持梁は前記縦梁における開口を貫通する、ことを特徴とする請求項4に記載のトレーラ。
【請求項6】
前記コンテナ保護装置は前記構造梁の外側に取り付けられ、前記駆動部材は歯車構造を含み、前記保護部材は前記歯車構造にマッチングするリブ構造を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のトレーラ。
【請求項7】
前記駆動部材は2つの歯車構造を含み、前記2つの歯車構造の間に1つの前記保護部材が締め付けられる、ことを特徴とする請求項6に記載のトレーラ。
【請求項8】
前記保護部材は、前記コンテナに対する位置制限作用を解除するために、前記コンテナの底面以下まで降下可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のトレーラ。
【請求項9】
前記トレーラにコンテナ配置領域が区画されており、前記少なくとも1つのコンテナ保護装置は複数のコンテナ保護装置であり、前記複数のコンテナ保護装置における複数の保護部材はそれぞれ前記コンテナ配置領域の周辺境界のすぐ隣にある箇所に設置される、ことを特徴とする請求項8に記載のトレーラ。
【請求項10】
前記構造梁に設置された連結軸をさらに含み、前記駆動部材は前記連結軸を回って回転可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のトレーラ。
【請求項11】
前記構造梁の内側に位置する回転軸と、
両辺がそれぞれ駆動部材及び保護部材に連結されるプッシュロッドと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のトレーラ。
【請求項12】
前記コンテナ保護装置は遠隔制御命令に応答して昇降することに適し、前記遠隔制御命令はボタンのクリック操作又はマウスのクリック操作により生成される、ことを特徴とする請求項1に記載のトレーラ。
【請求項13】
前記トレーラは車両の1つの構成要素であり、前記車両はコンピューティングシステムを含み、前記コンテナ保護装置は前記コンピューティングシステムからのローカル制御命令に応答して昇降することに適する、ことを特徴とする請求項1に記載のトレーラ。
【請求項14】
前記コンピュータシステムは、
前記車両が1つの積載任務を完了すると確定することに応答して、前記コンテナ保護装置に上昇命令を送信し、
前記車両が下ろし任務を実行しようとすると確定することに応答して、前記コンテナ保護装置に下降命令を送信することに適する、ことを特徴とする請求項1に記載のトレーラ。
【請求項15】
牽引車と、
請求項1~14のいずれかに記載のトレーラと、を含む、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車両機器の技術分野に関し、特にトレーラ及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の自動運転トラックは、コンテナを完成した後、ロックを手動で締め付けてコンテナを係止し、またコンテナを下ろす前に、ロックを手動で緩める。このような方式は、人がトレーラ位置まで歩いてロック締め操作を行うことが不可避的であり、遠隔自動化制御を実現することができず、自動運転車両に要求される全フローの自動化を満たすことができない。したがって、よりインテリジェントなコンテナ積み下ろし方策を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の実施例は、以上言及された問題を解決するか、又は少なくとも解決するために、トレーラ及び車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例の一態様によれば、トレーラであって、構造梁と、前記構造梁に取り付けられた少なくとも1つのコンテナ保護装置と、を含み、そのうち、前記コンテナ保護装置は駆動部材と保護部材とを含み、前記駆動部材は前記保護部材の昇降を駆動することに適し、前記保護部材は上昇すると前記トレーラ上のコンテナに位置制限作用を提供できる、ことを特徴とするトレーラが提供される。
【0005】
本開示の実施例の一態様によれば、牽引車と、上記のトレーラと、を含む、ことを特徴とする車両が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示にて提供される技術的解決手段は、コンテナをトレーラに取り付けた後、保護部材を自動的に上昇して、保護部材を当該コンテナを係止するようにさせ、またコンテナを下ろす前に、保護部材を自動的に収め、コンテナに対する位置制限作用を解除することができる。このような方式には、特にコンテナのロックを手動で締め付けたり緩めたりする必要がなく、それにより、自動運転車両のインテリジェントな制御が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下、本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、本開示の実施例において使用する必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下説明される図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力をせず、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0008】
図1】本開示の一実施例の車両100の構造を示す図である。
図2】本開示の一実施例のトレーラ120の構造を示す図である。
図3】本開示の一実施例のコンテナ保護装置122の構造を示す図である。
図4】本開示の別の一実施例のコンテナ保護装置の構造を示す図である。
図5】本開示の別の一実施例のトレーラ120の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面及び実施例に合わせて本開示の実施形態についてさらに詳しく説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は、本開示の原理を例示的に示すためのものであるが、本開示の範囲を限定するものではなく、すなわち、本開示は説明される実施例に限定されない。
【0010】
なお、本開示の説明において、別段の説明がない限り、用語の「第1」、「第2」などは、説明のみに目的があり、相対的重要性を指示又は暗示するものとして理解することはできず、「複数」は2つ以上を意味し、用語の「内」、「外」、「頂部」、「底部」などが指示する方位又は位置関係は図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本開示の説明の便宜及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、いわれる装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されるものではなければならないことを指示又は暗示するものではなく、したがって、本開示を制限するものとして理解することはできない。
【0011】
図1は本明細書に開示される様々な技術が実装され得る車両100の概略図である。車両100は乗用車、トラック、オートバイ、バス、ボート、飛行機、ヘリコプター、芝刈り機、パワーシャベル、スノーモービル、航空機、レクリエーション用車両、アミューズメントパーク用車両、農場用車両、建設用車両、路面電車、ゴルフカート、列車、トロリーバス、又は他の車両とすることができる。車両100は完全又は部分的に自動運転モードで走行することができる。自動運転モードでは、車両100はそれ自身を制御することができ、例えば、車両100は、車両の現在の状態及び車両を取り巻く環境の現在の状態を確定し、当該環境における少なくとも1つの他の車両の予測挙動を確定し、当該少なくとも1つの他の車両が予測挙動を実行する可能性に対応する信頼レベルを確定し、また、確定した情報に基づいて、車両100自身を制御することができる。自動運転モードにある場合、車両100はインタラクション無しで走行できる。
【0012】
車両100は、例えば、駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザインタフェースシステム148、コンピューティングシステム150及び通信システム152など、様々な車両システムを含んでよい。車両100は、より多くのシステム又はより少ないシステムを含み得、各システムは複数のユニットを含むことができる。さらに、車両100のそれぞれのシステム及びユニットの間は相互接続することができる。例えば、コンピューティングシステム150は、駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザインタフェースシステム148及び通信システム152のうちの1つ又は複数とデータ通信を行うことができる。それにより、車両100の1つ又は複数の説明された機能は、付加的な機能的構成要素若しくは実体構成要素に分割するか、又はより少ない数の機能的構成要素又は実体構成要素になるように結合することができる。さらなる例では、付加的な機能的構成要素又は実体構成要素を図1に示すような例に追加することができる。
【0013】
駆動システム142は車両100に運動エネルギーを提供する複数の動作可能な構成要素(又はユニット)を含むことができる。一実施例において、駆動システム142は、エンジン又は電動機、車輪、変速機、電子システム、及び動力(又は動力源)を含むことができる。エンジン又は電動機は、内燃機関、電気モータ、蒸気機関、燃料電池エンジン、プロパンエンジン、或いは他の形態のエンジン又は電動機の任意の組み合わせであってよい。いくつかの実施例において、エンジンは動力源を機械的エネルギーに変換することができる。いくつかの実施例において、駆動システム142は複数種のエンジン又は電動機を含むことができる。例えば、ハイブリッド車両は、ガソリンエンジンと電動機とを含んでもよく、その他のものを含んでもよい。
【0014】
車両100の車輪は標準的な車輪とすることができる。車両100の車輪は、一輪、二輪、三輪、又は乗用車やトラックの四輪のような四輪形態を含む様々な形態の車輪とすることができる。他の数の車輪であってもよく、例えば六輪以上の車輪が挙げられる。車両100の1つ又は複数の車輪は、他の車輪の回転方向とは異なるように動作することができる。車輪は変速機に固定接続された少なくとも1つの車輪とすることができる。車輪は、金属とゴムとの組み合わせ、又は他の物質の組み合わせを含むことができる。変速機は、エンジンの機械的動力を車輪に伝達するように動作可能なユニットを含むことができる。この目的のために、変速機は歯車箱、クラッチ、差動歯車及び伝動軸を含むことができる。変速機は他のユニットを含むこともできる。伝動軸は、車輪にマッチングする1つ又は複数の輪軸を含むことができる。電子システムは車両100の電子信号を伝送又は制御するためのユニットを含むことができる。これらの電子信号は、車両100における複数のライト、複数のサーボ機構、複数の電動機、及び他の電気ドライバ又は制御装置を作動させるために用いることができる。動力源はエンジン又は電動機に動力を完全又は部分的に供給するエネルギー源とすることができる。すなわち、エンジン又は電動機は動力源を機械的エネルギーに変換することができる。一例として、動力源はガソリン、石油、石油系燃料、プロパン、他の圧縮ガス燃料、エタノール、燃料電池、ソーラーパネル、電池及び他の電気エネルギー源を含んでもよい。動力源は、付加的又は任意選択的に、燃料タンク、電池、コンデンサ、又はフライホイールの任意の組み合わせを含むことができる。動力源は車両100の他のシステムにエネルギーを供給することもできる。
【0015】
センサシステム144は、車両100の環境及び条件の情報を検知するための複数のセンサを含むことができる。例えば、センサシステム144は、慣性測定ユニット(センサネット)、(全地球航法衛星システム)トランシーバ(例えば、全地球測位システム(GPS)トランシーバ)、レーダー(RADAR)、レーザ距離計/(又は他の距離測定装置)、音響センサ、超音波センサ及びカメラ又は画像キャプチャ装置を含んでよい。センサシステム144は車両100を監視するための複数のセンサ(例えば、酸素(O2)モニタ、燃料計センサ、エンジン油圧センサ、及び温度、湿度、圧力センサなど)を含んでよい。他のセンサを配置してもよい。センサシステム144に含まれる1つ又は複数のセンサは、1つ又は複数のセンサの位置、方向、又はその両方を更新するために、個別に駆動されても、集合的に駆動されてもよい。
【0016】
IMUは、慣性加速に基づいて車両100の位置変化及び方向変化を検知するために、センサの組み合わせ(例えば、加速器とジャイロ)を含むことができる。GPSトランシーバは車両100の地理的位置を推定するための任意のセンサとすることができる。この目的のために、GPSトランシーバは、地球に対する車両100の位置情報を提供するために、受信機/送信機を含むことができる。なお、GPSは全地球航法衛星システムの一例であるため、いくつかの実施例において、GPSトランシーバを北斗衛星ナビゲーションシステムトランシーバ又はガリレオ衛星ナビゲーションシステムトランシーバに置き換えてもよい。レーダーユニットは、無線信号を使用して、車両100を取り巻く環境におけるオブジェクトを検知することができる。いくつかの実施例において、レーダーユニットは、オブジェクトを感知することに加えて、車両100に接近する物体の速度及び進行方向を検知するために用いることができる。レーザ距離計又はLIDARユニット(又は他の距離測定装置)は、レーザを使用して車両100を取り巻く環境における物体を検知する任意のセンサとすることができる。一実施例において、レーザ距離計/LIDARユニットは、レーザ光源、レーザスキャナー、及び感知器を含むことができる。レーザ距離計/LIDARユニットは、連続的(例えばヘテロダイン検出を用いる)又は不連続な検出モードで動作するために用いられる。カメラは、車両100を取り巻く環境の複数の画像をキャプチャするための装置を含むことができる。カメラは静止画像カメラであっても、動画カメラであってもよい。
【0017】
制御システム146は車両100及びその構成要素(又はユニット)への操作を制御するために用いられる。それに応じて、制御システム146は、例えば、ステアリングユニット、動力制御ユニット、制動ユニット及びナビゲーションユニットなど、様々なユニットを含むことができる。
【0018】
ステアリングユニットは車両100の進行方向を調整する機械の組み合わせとすることができる。動力制御ユニット(例えば、アクセルであってもよい)は、例えば、エンジンの回転速度を制御し、さらに、車両100の速度を制御するために用いられてもよい。制動ユニットは車両100を減速させるための機械の組み合わせを含むことができる。制動ユニットは標準的な方式で摩擦力により車両を減速させることができる。他の実施例において、制動ユニットは車輪の運動エネルギーを電流に変換することができる。制動ユニットは他の形態を用いてもよい。ナビゲーションユニットは車両100のために運転経路又はルートを確定する任意のシステムとすることができる。ナビゲーションユニットは、車両100の走行中に運転経路を動的に更新することもできる。制御システム146は、付加的又は任意選択的に、図示されない又は説明されない他の構成要素(又はユニット)を含むこともできる。
【0019】
ユーザインタフェースシステム148は、車両100と、外部センサ、他の車両、他のコンピュータシステム及び/又は車両100のユーザとの間のインタラクションを可能にするために用いることができる。例えば、ユーザインタフェースシステム148は、標準的な視覚的表示装置(例えば、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーンディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、又は他の同様のディスプレイ)と、スピーカ又は他の音声出力装置と、マイクロフォン又は他の音声入力装置とを含んでもよい。例えば、ユーザインタフェースシステム148は、ナビゲーションインタフェースと、車両100の内部環境(例えば、温度、ファンなど)を制御するインタフェースとを含んでもよい。
【0020】
通信システム152は、1つ又は複数の機器又は周囲の他の車両と通信する手段を車両100に提供することができる。例示的な一実施例において、通信システム152は、直接、又は通信ネットワークを介して1つ又は複数の機器と通信することができる。通信システム152は、例えば無線通信システムであってよい。例えば、通信システムは、3Gセルラ通信(例えば、CDMA、EVDO、GSM/GPRS)又は4Gセルラ通信(例えば、WiMAX又はLTEe)を用いてもよく、5Gセルラ通信を用いてもよい。任意選択的に、通信システムは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と通信することができる(例えば、WIFIを用いる)。いくつかの実施例において、通信システム152は、例えば、赤外線、ブルートゥース(登録商標)、又はZIGBEE(登録商標)を用いて、1つ又は複数の機器又は周囲の他の車両と直接通信することができる。様々な車載通信システムのような他の無線プロトコルも本開示の範囲内にある。例えば、通信システムは、車両及び/又は路側局と公開又は秘密のデータ通信を行うことが可能な、1つ又は複数の専用狭域通信(DSRC)装置と、V2V装置又はV2X装置とを含んでもよい。
【0021】
コンピューティングシステム150は車両100の機能の一部又は全部を制御することができる。コンピューティングシステム150における自動運転制御ユニットは、車両100を取り巻く環境における潜在的な障害物を認識し、評価し、回避し、又は越えるために用いることができる。一般的に、自動運転制御ユニットは、運転者無しで車両100を制御し、又は運転者による車両への制御に支援を提供するために用いることができる。いくつかの実施例において、自動運転制御ユニットは、GPSトランシーバからのデータ、レーダーデータ、LIDARデータ、カメラデータ、及び他の車両システムからのデータを組み合わせて、車両100の走行経路又は軌跡を確定するために用いられる。自動運転制御ユニットは、車両100が自動運転モードで運転されることを可能にするために、アクティブにすることができる。
【0022】
コンピューティングシステム150は少なくとも1つのプロセッサ(少なくとも1つのマイクロプロセッサを含んでよい)を含んでよく、プロセッサは不揮発性コンピュータ読み取り可能な媒体(例えば、データ記憶装置又はメモリ)に記憶された処理命令(すなわち、機械実行可能な命令)を実行する。コンピューティングシステム150は、分散して車両100の構成要素又はシステムを制御する複数のコンピューティング装置であってもよい。いくつかの実施例において、メモリは、プロセッサに実行されて車両100の様々な機能を実装する処理命令(例えば、プログラムロジック)を含むことができる。一実施例では、コンピューティングシステム150は、駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザインタフェースシステム148、及び/又は通信システム152とデータ通信を行うことができる。コンピューティングシステム内のインタフェースは、コンピューティングシステム150と、駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザインタフェースシステム148、通信システム152との間のデータ通信を容易にするために用いられる。
【0023】
メモリは、データ送信のための命令、データ受信のための命令、インタラクションのための命令、又は駆動システム142、センサシステム144、又は制御システム146若しくはユーザインタフェースシステム148を制御するための命令を含める他の命令を含むことができる。
【0024】
処理命令を記憶することに加えて、メモリは、例えば画像処理パラメータ、道路地図、及び経路情報のような複数種の情報又はデータを記憶することができる。これらの情報は、車両100が自動形態、半自動形態及び/又は手動モードで走行している間に、車両100及びコンピューティングシステム150に使用されてよい。
【0025】
自動運転制御ユニットは、プロセッサ及びメモリとは別個に示されているが、いくつかの実施形態において、自動運転制御ユニットの機能の何らか又は全部は、1つ又は複数のメモリ(又はデータ記憶装置)中に存在しているプログラムコード命令により実装し、1つ又は複数のプロセッサにより実行することができ、また、何らかの場合に、自動運転制御ユニットは同じのプロセッサ及び/又はメモリ(又はデータ記憶装置)を用いて実装することができることを理解されたい。いくつかの実施形態において、自動運転制御ユニットは少なくとも部分的に、様々な特定用途向け論理回路、様々なプロセッサ、様々なフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、様々な特定用途向け集積回路(「ASIC」)、様々なリアルタイムコントローラ及びハードウェアを用いて実装することができる。
【0026】
コンピューティングシステム150は、様々な車両システム(例えば、駆動システム142、センサシステム144及び制御システム146)から受信した入力、又はユーザインタフェースシステム148から受信した入力に基づいて、車両100の機能を制御することができる。例えば、コンピューティングシステム150は、制御システム146からの入力を用いてステアリングユニットを制御して、センサシステム144により検知された障害物を回避することができる。一実施例では、コンピューティングシステム150は、車両100及びそのシステムの複数の態様を制御するために用いることができる。
【0027】
図1には、車両100中に集積された様々な構成要素(又はユニット)が示されているが、これらの構成要素(又はユニット)のうちの1つ又は複数は、車両100に搭載され、又は車両100に個別に関連付けられてもよい。例えば、コンピューティングシステムは、一部又は全部が車両100から独立して存在してもよい。それにより、車両100は、別個の、又は集積された機器ユニットの形態で存在することができる。車両100を構成する機器ユニット間は、有線通信又は無線通信により相互通信を実現することができる。いくつかの実施例において、追加の構成要素又はユニットを各システムに追加し、又はシステムから1つ以上の構成要素又はユニット(例えば、図1に示されるLiDAR又はレーダー)を取り除くとすることができる。
【0028】
いくつかの実施例において、車両100はトラックであり、さらに自動運転トラックである。トラックは牽引車110(ヘッドと呼ばれてもよい)と、トレーラ120(付随車と呼ばれてもよい)と、を含む。牽引車110の後部はトレーラ120の頭部に連結されている。システム142~152はいずれも牽引車110に位置可能であり、そのうち、センサシステム144における一部のセンサ及び通信システム152の一部はトレーラ120に分布することもできる。自動運転トラックは、走行時に、一般に牽引車110が制御されて、トレーラ120を動かせて移動する。トレーラ120にはコンテナ130が積み降ろし可能である。
【0029】
図2は開示の一実施例のトレーラ120を示す図であり、具体的にはトレーラ120の側面図である。図5は本開示の別の一実施例のトレーラ120を示す図である。図3及び図4はそれぞれ本開示の一実施例のコンテナ保護装置122の構造を示す図である。図1図5に示すように、トレーラ120は構造梁121と、構造梁121に取り付けられた少なくとも1つのコンテナ保護装置122と、を含み、コンテナ保護装置122は駆動部材123と保護部材124とを含み、駆動部材123は伸縮機能を有し、保護部材124の昇降を駆動することに適し、保護部材124は上昇するとトレーラ120上のコンテナ130(図1参照)に位置制限作用を提供でき、保護部材124は所定位置まで下降するとコンテナ130に対する位置制限作用を解除できる。当該所定位置は、例えば、保護部材124の頂面の高さとコンテナ130の底面の高さとが面一となる位置である。ただし、コンテナ130の底面とは、コンテナ130が車両に積載されるとトレーラ120に接触する面であり、或いはトレーラ120の上面と呼ばれてもよい。
【0030】
なお、図2において用いられる駆動部材は構造梁121の内側に取り付けられ、側面から見ると遮蔽されるため、図2において当該駆動部材の構造が示されていない。当該駆動部材は構造梁121の外側に取り付けられてもよく(例えば図5における取り付け形態)、その取り付け位置は保護部材124を駆動して、コンテナ130に位置制限作用を提供するように上昇させることができることを保証すればよく、本開示はこれについて特に限定しない。
【0031】
任意選択的に、トレーラ120にはコンテナ取り付け領域、すなわち一般にコンテナを配置するために使用される領域が区画されている。保護部材124は、上昇するとコンテナ130を係止できるように、コンテナ取り付け領域の外周境界線に近づく位置に設置することができる。保護部材124は外周境界線からの所定距離内に設置することができる。例えばコンテナ取り付け領域が矩形のABCD領域であれば、保護部材124はAB、BC、CD、DAの四辺のすぐ隣に設置することができる。当該コンテナ取り付け領域は経験によって区画してもよく、予め設定された1つの一定のコンテナ取り付け位置としてもよい。具体的には、保護部材124はコンテナ取り付け領域の境界に最も近い構造梁上に設置することができる。したがって、本開示の構造梁121は特にコンテナ取り付け領域の外側境界に近づく構造梁を指してもよいし、特にトレーラの最も外側にある一回りの構造梁を指してもよく、当該構造梁121は短い横方向梁であってもよいし、短い縦方向梁であってもよく、本開示はこれについて限定しない。
【0032】
さらに、トレーラ120には複数のコンテナ保護装置122を設置することができ、例えば各辺に少なくとも1つのコンテナ保護装置122をそれぞれ設置することにより、複数の方向からコンテナ130に位置制限作用を提供する。この場合に、複数のコンテナ保護装置122における複数の保護部材124はコンテナ配置領域の周辺境界のすぐ隣にある箇所に設置される。当然のことながら、一定の耐欠陥性空間を確保するために、保護部材124の取り付け位置は適切に車外方向に一定の位置を移動してもよく、コンテナ130の取り付け位置がずれても、各コンテナ保護装置122はコンテナ130に位置制限作用を提供できることが確保される。
【0033】
図3は(a)の装置開け状態及び(b)の装置収め状態を含む、本開示の一実施例の横方向に駆動されるコンテナ保護装置122を提供する。図3に示すように、当該コンテナ保護装置122は構造梁121の内側に取り付けることができる。1つの実現形態において、駆動部材123は横方向に設置された第1のシリンダを含み、第1のシリンダは構造梁121の内側に設置され、保護部材124にヒンジで連結され、横方向の駆動力により保護部材124を昇降させる。駆動部材123は構造梁121に回転可能な連結され、例えば構造梁121に固定された連結軸140を回って回転可能である。また、構造梁121の内側に1つの回転軸125をさらに設置することができ、保護部材124は当該回転軸125を回って回転でき、保護部材124も1つの回転軸により構造梁121の内側に設置することができ、この場合に、当該保護部材124の第1側(例えば図3における保護部材124の左側)は構造梁124であり、第2側(例えば図3における保護部材124の右側)は1つのプッシュロッド160に連結することができ、プッシュロッド160は駆動部材123に連結され、このように駆動部材123は当該プッシュロッド160を押すと、保護部材124を回転軸125回りに回転するようにさせることができ、保護部材124の昇降を実現する。
【0034】
また、構造梁121の上面に貫通溝126が開設され、貫通溝126のラジアンは保護部材124の昇降軌跡にマッチングする。すなわち、保護部材124は第1のシリンダによる横方向の駆動力の作用で上昇又は下降し、その移動軌跡の構造梁121の上面におけるラジアンは都合よく貫通溝126にマッチングする。当然のことながら、コンテナ保護装置122は構造梁121の外側に取り付けられてもよく、取り付け位置はコンテナを係止できればよい。図3の例における構造梁121は内部空洞を有し、駆動部材123は内部空洞内に取り付けられる。当然のことながら、構造梁121は真っ直ぐな平板構造であってもよく、この場合に、コンテナ保護装置122を構造梁121の外面に直接取り付けることができる。
【0035】
図4は本開示の別の一実施例の縦方向に駆動されるコンテナ保護装置の一例を提供する。ここで、トレーラ120にはトレーラの底部を横断する支持梁127がさらに設置され、保護部材124及び駆動部材123はいずれも支持梁127に連結され、駆動部材123は伸縮力により支持梁127の昇降を駆動して、保護部材124を昇降させる。いくつかの実施例において、保護部材124は支持梁の上に固定され、駆動部材123は支持梁127の下に設置される。一番下にある駆動部材123は昇降すると、中間にある支持梁127を昇降させ、さらに一番上にある保護部材124を昇降させる。
【0036】
任意選択的に、駆動部材123は、支持梁127及び保護部材124に縦方向の駆動力を提供するために、縦方向に設置された第2のシリンダを含む。さらに、トラックには横方向及び縦方向の構造梁がたくさんあり、これらの構造梁の間は交差して複数の開口を形成することが理解されるべきである。トレーラの両側にそれぞれ少なくとも1つの縦梁があり、縦梁は開口を有し、又は縦梁と横梁との間に開口が形成される。したがって、支持梁127はトレーラ120の両側にある縦梁128上の開口129を通り抜けることができる。また、トレーラ120は、コンテナが取り付けられていない状態(非動作状態と呼ばれる)では、支持梁127が都合よく開口129の底辺としての横梁(すなわち矩形開口の底辺であり、底辺横梁と呼ぶことができ、図4には示されていないが、当該構造は図4において実際に開口129がある縦線の一番下にある点である)に配置され、この場合に、当該底辺横梁は支持梁127に支持作用を提供し、駆動部材123の高さは底辺横梁から地面までの高さより低いため、非動作状態では駆動部材123は地面に接触しない。任意選択的に、駆動部材123の筐体は縦梁128に固定可能であり、このように、動作状態ではロッド部分の昇降運動を駆動するだけでよい。また、保護部材124の縦方向の長さは底辺横梁からコンテナ130の底面(すなわちコンテナ130が車両に積載されるとトレーラ120に接触する面、又はトレーラ120の上面である)までの高さ以下であり、非動作状態では保護部材124がコンテナの底面を超えないことを保証する。
【0037】
動作状態にある時、例えば上昇動作状態にある時、駆動部材123は縦方向に支持梁127の上昇を駆動し、保護部材124をも上昇させ、それによりコンテナを係止する。下降動作状態にある時、駆動部材123は縦方向に支持梁127の下降を駆動し、保護部材124をも下降させ、それによりコンテナ130に対する位置制限作用を解除する。
【0038】
図5は本開示のさらに別の一実施例によるトレーラ120を提供し、ここで、(a)は側面図であり、(b)は上面図である。当該トレーラ120は歯車で縦方向に駆動される複数のコンテナ保護装置122を有する。ここで、駆動部材123は歯車構造を含み、それ相応に、保護部材124は当該歯車構造にマッチングするリブ構造(図5には図示せず)を含む。非動作状態では、保護部材124はコンテナ130の底面の下に位置し、上昇動作状態では、歯車構造は回転により保護部材124を最高位置まで上昇させ、下降動作状態では、歯車構造は回転により保護部材124をコンテナの底面以下まで下降させる。
【0039】
任意選択的に、コンテナ保護装置122は構造梁121の外側に取り付けることができ、例えばトレーラの最も外側にある梁の外側に取り付けられる。さらに、当該構造梁121の外側にハンドルリング(図5には図示せず)を設置することができ、歯車構造及び保護部材は当該ハンドルリング内に制限される。また、各駆動部材123は1つないし複数の歯車構造を含むことができ、1つの歯車による1つの保護部材124に対する駆動、又は複数の歯車による1つの保護部材に対する駆動を実現する。例えば、各駆動部材123は左右の2つの歯車構造を含んでもよく、左右の2つの歯車構造の間は1つの保護部材124を共有し、当該保護部材124の昇降を駆動するために用いられる。
【0040】
いくつかの実施例において、コンテナ保護装置122は遠隔制御器に通信可能に接続され、遠隔制御操作に対応する遠隔制御命令に応答して、上昇動作状態又は下降動作状態に入ることができる。作業者は遠隔制御器のボタン操作、又はマウスのクリック操作により、ワンキーでコンテナ保護装置122を動作状態に入らせる。例えば、駆動部材123は遠隔制御の上向き操作に応答して、保護部材124を上向きに移動し、第1の所定位置まで移動すると自動的に停止するように駆動し、遠隔制御器の下向き操作に応答して、保護部材124を下向きに移動し、第2の所定位置まで移動すると自動的に停止するように駆動する。当該第1の所定位置は保護部材124が現在の駆動条件で到達できる最高位置とすることができ、第2の所定位置はハンガーコンテナの底面以下の位置とすることができる。いくつかの別の実施例において、コンテナ保護装置122はコンピューティングシステム150に通信可能に接続することができ、当該コンピューティングシステム150からのローカル制御命令に応答して上昇動作状態又は下降動作状態に入る。遠隔制御命令及びローカル命令はいずれも上昇命令と下降命令とを含むことができる。例えば、コンピューティングシステム150は車両が所定の積載領域に停止しており且つ積載をすでに完了すると確定する場合、又はコンピューティングシステム150は車両が積載任務をすでに完了すると確定する場合、コンテナ保護装置122に上昇命令を送信し、コンピューティングシステム150は車両に貨物が積載されており且つ所定の下ろし領域に停止していると確定する場合、又はコンピューティングシステム150は下ろし任務を実行し始めると確定する場合、コンテナ保護装置122に下降命令を送信する。ただし、所定の積載領域及び下ろし領域はコンピューティングシステム150に予め記憶し、又はスケジューリングシステムから送信された積み下ろし任務につれてコンピューティングシステム150に伝送することができる。また、スケジューリングシステムは、コンピューティングシステム150がコンテナ保護装置122を昇降するか否かを容易に判断するために、下ろし任務を実行し始める前に、コンピューティングシステム150に下ろし指示を送信し、積載任務を完了した後に、コンピューティングシステムに積み済み指示を送信することもできる。
【0041】
いくつかの実施例において、保護部材124は真っ直ぐな平板構造であってもよいし、湾曲状となってもよく、例えば、コンテナの変化曲線によりぴったりするように、下から上に向かって車外方向に湾曲する。
【0042】
本開示の技術的解決手段によれば、ハンガーコンテナを積んだ後、保護部材をハンガーコンテナに位置制限作用を提供できる位置まで上昇可能にし、ハンガーコンテナを下ろす前に、コンテナに対する位置制限作用を解除するように、保護部材をコンテナの底面以下まで下降可能にする、インテリジェント化のコンテナ積み下ろし方策が提供される。このような方式には、人が特にトレーラ位置まで歩いてロックを締め付けたり緩めたりする必要がないことで、積み下ろしの遠隔自動制御が実現される。
【0043】
当業者であれば、以上の記載は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を限定するものではないことを理解すべきであろう。明らかに、当業者は、本願の要旨及び範囲から逸脱せず、本願に対して様々な変更及び変形を行うことができる。このように、本願のこれらの変更及び変形が本願の特許請求の範囲及びその同等の技術の範囲に属すると、本願はこれらの変更及び変形を含めることも意図している。
図1
図2
図3
図4
図5