IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロールス・ロイス・ピーエルシーの特許一覧

<>
  • 特開-連続体アームロボット 図1a
  • 特開-連続体アームロボット 図1b
  • 特開-連続体アームロボット 図2
  • 特開-連続体アームロボット 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092493
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】連続体アームロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 18/06 20060101AFI20230626BHJP
   B25J 3/00 20060101ALI20230626BHJP
   G02B 23/24 20060101ALN20230626BHJP
【FI】
B25J18/06
B25J3/00 Z
G02B23/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022198546
(22)【出願日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】2118604.4
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
(71)【出願人】
【識別番号】591005785
【氏名又は名称】ロールス・ロイス・ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】ROLLS-ROYCE PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ディー・ノートン
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ・ルッソ
(72)【発明者】
【氏名】シン・ドーン
【テーマコード(参考)】
2H040
3C707
【Fターム(参考)】
2H040AA01
2H040BA21
2H040DA17
2H040DA42
3C707AS27
3C707AS29
3C707BS17
3C707HT34
3C707JT04
3C707JU12
3C707KS16
(57)【要約】
【課題】連続体アームロボットのセクションを、上記ロボット上の強磁性セクション、および、電磁デバイスの手段によって剛直化する手段を提供すること。
【解決手段】連続体アームロボットシステムに対するロッキングシステムであって、ロボットシステムは、
操作可能先端部と、操作可能先端部を制御する受動ロボットセクション貫通部と、少なくとも1つの強磁性カラーとを有する連続体アームロボットと、
少なくとも1つの外部制御可能電磁デバイスであって、連続体アームロボット上の強磁性セクションが上記電磁デバイスに引き付けられるように活動化され得る、少なくとも1つの外部制御可能電磁デバイスと
を含む、ロッキングシステム。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続体アームロボットシステムに対するロッキングシステムであって、前記ロボットシステムは、
操作可能先端部と、前記操作可能先端部を制御する受動ロボットセクション貫通部と、少なくとも1つの強磁性カラーとを有する連続体アームロボットと、
少なくとも1つの外部制御可能電磁デバイスであって、前記連続体アームロボット上の前記強磁性セクションが前記電磁デバイスに引き付けられるように活動化され得る、少なくとも1つの外部制御可能電磁デバイスと
を含む、ロッキングシステム。
【請求項2】
前記強磁性セクションは、前記ロボットのスパインにおける円板である、請求項1に記載のロッキングシステム。
【請求項3】
前記強磁性セクションは、カラーである、請求項1に記載のロッキングシステム。
【請求項4】
前記外部制御可能電磁デバイスは、操縦者により位置設定される、請求項1に記載の連続体アームロボットシステムに対するロッキングシステム。
【請求項5】
前記外部制御可能電磁デバイスは、さらなる制御可能ロボティックデバイスにより位置設定される、請求項1に記載の連続体アームロボットシステムに対するロッキングシステム。
【請求項6】
前記外部制御可能電磁デバイスは、前記連続体アームロボットが作業するために内へと挿入される作業空間の壁の中で場所設定される、請求項1に記載の連続体アームロボットシステムに対するロッキングシステム。
【請求項7】
前記外部制御可能電磁デバイスは、間をおいて離隔される、および、個々に対処可能である、複数の電磁デバイスを含む、請求項1に記載の連続体アームロボットシステムに対するロッキングシステム。
【請求項8】
前記強磁性カラーは、前から存在する連続体アームロボット上へと追加導入される、請求項1に記載の連続体アームロボットシステムに対するロッキングシステム。
【請求項9】
前記連続体アームロボットおよび/または前記制御可能電磁デバイスの両方は、前記連続体アームロボットの位置設定、および/または、前記制御可能電磁デバイスの前記活動化において支援するための、センサおよびフィードバックデバイスを有する、請求項1に記載の連続体アームロボットシステムに対するロッキングシステム。
【請求項10】
請求項1に記載の連続体アームロボットを固定する方法であって、
前記連続体アームロボットを、作業空間内へと、出入口を通して挿入するステップと、
前記連続体アームロボットの前記先端部を、対処されることになる前記作業空間の中の区域に近く位置設定するステップと、
前記電磁デバイスを、前記作業空間の壁に対して前記連続体アームを引き付けロックするように活動化するステップと、
前記連続体アームロボットによって、所望されるタスクを実行するステップと、
前記電磁デバイスを、前記連続体アームロボットを解放するように非活動化するステップと、
前記連続体アームロボットを、前記作業空間から除去するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、連続体アームロボットを剛直化する(stiffen)手段に関係する。特に、本開示は、連続体アームロボットのセクション(section)を、上記ロボット上の強磁性セクション、および、電磁デバイスの手段によって剛直化する手段に関係する。
【背景技術】
【0002】
連続体アームまたはスネークアームロボットは、いくつかの用途において関心が高まっているものである。このことは、上記ロボットが、他のロボティックシステムまたは人間操縦者がたやすく接近し得ない空間内へと操作され得るからである。このことは、端部器具が正確および容易に位置設定され得るように、いくつかの自由度によって本体を操作する能力に起因する。この位置設定は、アームの各関節が、高い度合の位置的正確性の範囲内へと個々に制御され得るように、ロボットの中の腱を操作するアクチュエータにより制御される。
【0003】
大多数のロボティックアームシステムは、6以下の自由度を有する。しかしながら、タスクが、より大である量の器用さを要するならば、要される自由度の数は増大される。自由度の数におけるこの増大は、アームが、例えば、複雑な構造の補修において、または、最小限に侵襲的な外科手術における使用に対して、限局された区域において動作することができるということを意味する。連続体アームロボットは、2つの主な方針に沿って設計され、第1に、剛性R/U/S(回転/自在/球)関節によって、または、コンプライアント関節によってのいずれかで接続される複数個の剛性リンクセクションからなるスネーク型ロボットが存する。各セクションは、1つまたは複数の断片から組成され、オンボードまたは遠隔作動によって、他のものから独立して制御される。第2に、コンプライアントバックボーンからなる連続体ロボットが存し、そのバックボーンの局所的および大域的変形は、1つまたは複数のアクチュエータにより制御される。
【0004】
上記機能性にもかかわらず、ロボットアームにおいて要される関節の数から結果的に生じる、高度にコンプライアントなロボットの現在の設計に関する問題点が存する。これらの関節の結果として、ロボットアームは、従来型の6自由度ロボットと比較されるときに、低い度合の剛直性という難点がある。この低減される剛直性は、低減された負荷容量もまた結果的に生じさせて、アームが、中でそのアームが動作している環境と有し得る相互作用を低減する。現在の技術は、このことを、アクチュエータをロックすることによってシステムを「凍結すること」により、または、バックボーンに対する剛直化手段の追加により克服することを目標とする。このことは、より短い長さのロボティックアームに対して奏功し得るが、より長い長さのロボットに関して用いられるとき、アームは、長い片持ち梁の梁のようにふるまい、梁のたわみは、位置および進行の著しい問題を引き起こす。このことは、ロボット、および/または、ロボットが作業を行っている物体を損傷することのおそれのために、そのようなロボットの使用を軽量のタスクに制限する。それゆえに、これらの問題点を克服するための改善された連続体アームロボットシステムに対する要求が存する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様は、連続体アームロボットシステムに対するロッキングシステムであって、ロボットシステムは、
操作可能先端部と、操作可能先端部を制御する(control for)受動ロボットセクション貫通部(passive robot section through)と、少なくとも1つの強磁性カラー(ferromagnetic collar)とを有する連続体アームロボットと、
少なくとも1つの外部制御可能電磁デバイスであって、連続体アームロボット上の強磁性セクションが上記電磁デバイスに引き付けられるように活動化され得る、少なくとも1つの外部制御可能電磁デバイスと
を含む、ロッキングシステムに関係する。
【0006】
強磁性セクションは、ロボットのスパインにおける円板であり得る。
強磁性セクションは、カラーであり得る。
【0007】
外部制御可能電磁デバイスは、操縦者により位置設定され得る。
外部制御可能電磁デバイスは、さらなる制御可能ロボティックデバイスにより位置設定され得る。
外部制御可能電磁デバイスは、連続体アームロボットが作業するために内へと挿入される作業空間の壁の中で場所設定され得る。
外部制御可能電磁デバイスは、間をおいて離隔される、および、個々に対処可能(addressable)である、複数の電磁デバイスを含み得る。
【0008】
電磁デバイスは、制御可能電磁デバイスのオンおよびオフの切り替えが、漸進的に、電磁ロボットをオンに切り替え、一方で、先行する電磁ロボットをオフに変えることにより、作業空間を通して連続体アームロボットセクションを引く力をもたらすように対処され得る。
強磁性カラーは、前から存在する連続体アームロボット上へと追加導入され得る。
【0009】
連続体アームロボットおよび/または制御可能電磁デバイスの両方は、連続体アームロボットの位置設定、および/または、制御可能電磁デバイスの活動化において支援するための、センサおよびフィードバックデバイスを有し得る。
【0010】
カラーは、被覆物を有し得る。
被覆物は、Teflonであり得る。
複数の強磁性カラーが、連続体アームロボットの受動セクション、および、複数の制御可能電磁デバイスに沿って位置設定され、各カラーが、制御可能電磁デバイスと関連付けられることが、上記制御可能電磁デバイスが活動化されるときに、連続体アームロボットの受動セクションが複数個の場所においてロックされるように行われ得る。
制御可能電磁デバイスは、遠隔で制御され得る。
【0011】
本開示の第2の態様によれば、先の請求項のいずれか一項に記載の連続体アームロボットを固定する方法であって、
連続体アームロボットを、作業空間内へと、出入口を通して挿入するステップと、
連続体アームロボットの先端部を、対処されることになる作業空間の中の区域に近く位置設定するステップと、
電磁デバイスを、作業空間の壁に対して連続体アームを引き付けロックするように活動化するステップと、
連続体アームロボットによって、所望されるタスクを実行するステップと、
電磁デバイスを、連続体アームロボットを解放するように非活動化するステップと、
連続体アームロボットを、作業空間から除去するステップと
を含む、方法が提供される。
【0012】
位置設定するステップは、複数の制御可能電磁デバイスに対処することを、それらの複数の制御可能電磁デバイスが、連続体アームロボットを、作業空間を通して、所望される場所に引くことができるように行うことにより実行され得る。
【0013】
位置設定するステップの間、センサおよびフィードバックデバイスは、電磁デバイスを活動化するステップより前に、連続体アームロボットが正しい位置にあるということを確実にするために使用され得る。
【0014】
当業者は、相互に排他的な場合を除いて、上述の態様のうちの任意の1つとの関係において説明される特徴は、任意の他の態様に準用され得るということを察知することになる。さらにまた、相互に排他的な場合を除いて、本明細書において説明される任意の特徴は、任意の態様に適用され、および/または、本明細書において説明される任意の他の特徴と組み合わされ得る。
実施形態が、今から、図を参照して、単に例として説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1a図1aは、連続体アームロボットの切取内部図の従来技術例を示す図である。
図1b図1bは、連続体アームロボットの関節の例を示す図である。
図2】本開示によるコンプライアントアームロボットシステムの外形を示す図である。
図3】本開示によるコンプライアントロボットの動作のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の態様および実施形態が、今から、付随する図を参照して論考されることになる。さらなる態様および実施形態が、当業者に明らかであることになる。
【0017】
図1aは、連続体アームロボットの切取内部図の従来技術例を示す。従来技術の連続体アームロボットは、永続的に統合され、アクチュエータパック102から外に伸張する、連続体アームロボット部分101を含む。アクチュエータパック102は、複数の独立したアクチュエータ103を内包する。これらのアクチュエータは、連続体アーム101を通って延びる腱の中の張力を調節するために使用される。腱は、アームの中の関節と関連付けられ、これらの関節の各々は、関節と関連付けられる腱の緊張または弛緩に応答して動くように設計される。腱のこの緊張または弛緩は、それゆえに、関節の収縮または伸張を引き起こし、そのことは、連続体アームが曲がることを可能とする。アクチュエータパックは、検査されることになる構成要素に近く位置設定される、レールまたは支持体104上に位置設定されることを示される。アクチュエータは、さらには、アクチュエータに給電および対処するために使用される、複数の電力および信号ケーブル105を設けられる。アクチュエータの並びを横断する個々の信号は、連続体アーム101が指図され得るように、関節の制御をもたらす。連続体アームの動きを制御するために、および、所望されるタスクを実行するために、アクチュエータにリンクされるコンピューティングデバイスを伴う操縦者に対する必要性がさらには存するということが、図1においては示されない。連続体アームはアクチュエータパックへと永続的に統合されるので、異なる器具が要されるならば、そのことは、アクチュエータを含む完全形の連続体アームロボットシステムの使用を要する。従来技術のアクチュエータに接続されるコンピューティングデバイスは、連続体アームが制御されることを可能とする、ロボットに対する必須のオペレーティングソフトウェア、および、ジョイスティックなどの制御入力部を特徴としてもつ、ラップトップコンピュータなどの任意の適したコンピューティングシステムであり得る。
【0018】
図1bは、連続体アームロボットの関節の例を示す。アームは、関節ごとに少なくとも2つのケーブルを要する、複数個の関節を含む。例えば、関節ごとに4つの腱を各々が有する、3つの関節を有するシステムは、駆動するための12個のアクチュエータを要することになる。関節の数を増大するためには、アクチュエータの数が増大されることを必要とし、さもなければ、関節ごとの腱の数が低減されることを必要とする。強調表示される関節106、107、108は、3つの次元において動くように操作される能をもつ。上記関節は、関節106および108が、アームの中心に相対的に同じ平面において屈曲することができる能をもち、一方で、関節107が動くことができる平面が、関節106および108に対して90°だけずらされるように構成される。アームが3つの次元において操作されることを可能とするのは、徹底して、交互の関節角度であって、それらの各々が、異なる直交平面における動きを結果的に生じさせる、交互の関節角度のこの繰り返す構成である。アームの中の各関節は、それらの関節が屈曲することができる量に対する限度を有し、この限度は、アームの設計、および、使用される材料により規定される。各関節における屈曲の限度は、最小曲げ半径などの特性、および、関節の中で結果的に生じる変化を引き起こすために要されるトルクに対する所要量を設定する。関節が動くことを、および、同じ長さの他のロボティックアームとの比較においてアームの低い剛直性を結果的に生じさせる関節の動きの容易さを可能とするのは、関節における空間の存在である。このことは、スネーク型ロボティックマニピュレータの構造的挙動が、荷重のもとでの片持ち梁の梁にたとえられ得るからであり、このことは、システムが、1つの端部において、作動パックを伴う基部に固定され、アームの残部が、他の接触の点なしに、環境を通って進行するために使用されるからである。この状況において、スネーク型ロボットの本体および/または先端部に付与される、そのスネーク型ロボット自体の重量を含む、あらゆる荷重が、理想的な位置からの著しいたわみを負わせる。アームの端部において、連続体アームが適位置にあると1つまたは複数の機能を実行するように設計される器具または探触子が位置設定される。連続体アームロボットの頭部は、操縦者が、頭部を視認することを、その頭部が構成要素内へと挿入されている際に行うこと、および、頭部を制御することを、その頭部がその頭部のタスクを実行する際に行うことができるように、光学システムをしばしば設けられる。光学システムは、さらには度々、照明システムに結合される。器具に対する制御ケーブル、照明システムに対する電力コネクタ、および光学ケーブルは、普通、連続体アームの中の関節の中心を通って延びることができる。このことは、何らかの潜在的な損傷からケーブルを保護することの利益を有する。
【0019】
上述で論考されたようなロボットを使用することに関する問題点のうちの1つは、大きい数のDoFは、これらのロボットが、従来型の6軸ロボットと比較されると、達するのが困難な空間内へと進行し巧妙に動くことを可能にするが、それらのロボットは、コンプライアント要素のフレキシビリティに起因して、低い剛直性という難点があるということである。このことは、それらのロボットの荷重能力、および、修理/検査タスクの間に環境に対して付与され得る力/トルクなどの特徴を著しく制限する。さらにまた、大きいバックボーン長さ対セクション直径比率(一部の用途において100:1より大である)、および、受動/非制御可能セクションの存在に起因して、ロボットの挙動は、片持ち梁にされた梁と類似した様態になる。そのため、ロボットの、そのロボットがあるべきであるところに対するたわみは、位置および進行の著しい誤りを引き起こす。その結果、これらの種類のスネーク型連続体ロボットは、普通、軽量のエンドエフェクタに、および、環境と交換される力がないタスク(例えば、カメラ検査)に制限される。
【0020】
図2は、本開示による、上述の列挙された問題点を克服する手段の例を示す。図は、囲まれた作業空間201に進入する連続体アームロボット202の概略図を示す。連続体アームロボットは、連続体アームロボットそれ自体、ただしさらには、スレーブロボットシステムの両方を組み込む、ロボティックシステムの一部分を形成する。本開示は、ロボティックマニピュレータであって、論考されるように、荷重のもとでのそれらのロボティックマニピュレータのたわみに起因して、制限される能力を有する、ロボティックマニピュレータの剛直性および性能を増大する。この制限を克服するために、ロボティックシステムは、ロボティックシステムと、中でそのロボティックシステムが作業している環境との間の相互作用を引き起こす、制御可能保持プラットフォームを特徴としてもつ。保持プラットフォームは、ロボットシステムのスレーブロボットと連続体アームセクションとの間の接合セクションである。図2において、保持プラットフォームは、電磁作動システムに基づくスレーブロボットの固定化およびインサイチュ制御のための補助マスターロボットである。図2において、ロボティックシステムは、所望される動作を実行するために、限局された作業空間201内へと挿入される。作業空間内への進入は、制限される出入口203を通してもたらされ、この口は、任意の適した出入口であり得る。例えば、この口は、ガスタービンエンジン上のボアスコープ孔であり得る。ロボットシステムを制御するためのアクチュエータ(図示せず)が、作業空間の外側で場所設定される。連続体アームロボット202は、要される工程を果たし、要される器具を、限局された空間201内へと、出入孔203を通して送出するために使用される。連続体アームロボットは、受動セクション204、すなわち、制御可能でないセクションと、ロボット基部またはアクチュエータから制御可能である能動セクション205とからなる。可動マスターロボット206が、電磁力の手立てにより遠隔でスレーブロボット202を固定化および制御するために使用される。このことを行うために、制御可能電磁アクチュエータが、マスターロボット206に取り付けられ、スレーブロボット202に取り付けられる強磁性カラー207によってスレーブロボットを制御するために使用される。カラーは、そのカラーが作業空間の表面を損傷しないように被覆され得る。このことは、任意の適した被覆物であり得るものであり、例えば、この被覆物は、Teflonであり得る。1つまたは複数のカラーは、受動セクションに沿って、任意の適した点において接続され得る。任意の適した数のカラーが、受動または能動セクションの長さに沿って使用され得る。電磁制御器は、ロボットの外部にあり、電磁石が、カラーと係合し、作業空間の壁に対してロボットをロックする前に、ロボティックシステムが、限局された作業空間の中で使用され正確に操作される能をもつように、制御される能をもつ。そのようなロボティックシステムは、航空宇宙工学の、ガスタービンエンジンまたは他の局限された区域の中で、さらには、原子力、テレコム、または、石油およびガス産業において使用され得る。ロボティックシステムは、電磁力がロボティックシステムに与えられることなく、作業空間内へと挿入され得る。そのような事例において、ロボットは、連続体ロボットを操作するアクチュエータによって適位置へと展開および操作される。ロボット先端部が、作業空間の関心の区域の中の正しい位置において位置設定されると、ロボティックシステムは、ロボットを引き付け、そのロボットを壁に対して保持するように、電磁制御器をオンに切り替えることにより、適所に固定され得る。このことを行うために、電磁デバイスは、作業空間の中のロボット上のカラーの場所に対応する、作業空間の外側の領域において位置設定される。制御器上で使用される電磁石の数は、1つであり得るものであり、さもなければ、複数の電磁石が存し得る。複数の電磁石の使用は、カラーと電磁デバイスとの間の不整列に関係する問題点を克服する。電磁石がオンに切り替えられてしまうと、それらの電磁石の力が、カラーと係合し、壁に対して作業空間の中の適所に連続体アームロボットをロックする。このことの結果として、ロボティックシステムの自由端部の長さは低減され、そのため、先端部のたわみが低減される。その結果、先端部の正確性が、先端部の荷重耐久力がそうであるように改善される。修理工程が、それゆえに着手され、この修理工程が生み出す反作用力が補償され得る。かくして、本開示は、マスターロボットを使用することによる、限局された空間の中で作業する連続体アームロボットに対する固定化および制御方法を提供する。電磁石の強度は、その電磁石が作業空間の壁を通してカラーと安固に係合することができるように、任意の適した強度であり得る。壁の厚さに依存して、より強い、または、より弱い電磁石が用いられ得る。電磁石は、操縦者により手動で作業空間の外側で位置設定され、さもなければ、さらなる適したロボティックデバイスにより位置設定され得る。カラーは、連続体ロボットがそのカラーの中で動き得るようにサイズ設定され得る。このカラーは、カーテンポールにわたって滑動するカーテンリングに相当することになる。このカラーは、ロボットが、所望されるタスクを実行するために、動かされる、および位置設定される、ならびに回転させられることを可能とすることになる。代替法として、そのカラーは、窮屈な合い具合であり得る。
【0021】
ロボットの直径を増大することの影響を有し得る、上述で示されたような、カラーを使用することに対する代替法として。代わりに、ロボットスパインの、1つまたは複数の円板が、強磁性材料から機械加工され得る。このことは、ロボットの直径を同じに保つことの効果を有し、そのため、ロボットの挿入または抜き出し時の、引っ掛けること、または、かぎ裂きをつくることの機会を低減することになる。ロボットは、そのロボットのスパインの中に、2つ以上の強磁性円板を有し得る。このことは、さらには、ロボット上の異なる点において配置されるカラーと連関して使用され得る。
【0022】
本開示は、非常に迅速な様式において、スネーク型、連続体、または同様のロボティックシステムの剛直性および制御を改善することにより利益をもたらす。このことは、電磁システムが、迅速に位置設定され、活動化され、非活動化され得るからである。それゆえに、そのようなシステムの使用は、タスクを実行するためにとられる時間を甚だしく増大するのではなく、先端部に付与され得る力、および、システムの正確性を増大することにより、システムの利益になる。このことは、そのことが、片持ち梁のような梁のようにふるまうデバイスの影響を低減するからである。ロボティックシステムは、カラーの追加は別として、変化を要さないので、そのことは、ロボティックシステムの構造が非常に単純であるということを意味する。そのことは、さらには、ロボティックシステムのサイズへの影響を有さず、そのため、限局された空間内への、および、限局された空間から外への、ロボティックシステムの出入を制限しない。このことは、設計に対する制限される空間の障壁を取り除く。さらにまた、システムは、ロボティックシステムの本体の内側で使用される他の従来技術ロッキング/剛直化機構より良好な性能および剛直性をもたらす。強磁性カラーは、一方で、組み立て局面の間にロボティックシステムの中に含められ得る。代替法として、強磁性カラーは、既存のロボティックシステム上へと追加導入され得るものであり、このことは、その強磁性カラーが、既存のロボットの性能を増大することを可能とする。
【0023】
上述で論考されたように、電磁結合は、自動化された、または手動の手立てにおいて制御され得る。例えば、電磁石206は、ロボティックシステムカラー207が適所へとロックされるように、手動操縦者により外被上へと場所設定され得る。代替法として、磁気206は、どこに強磁性カラー207が場所設定されるかを承知している、(例えば、車輪を付けられた)小さいロボットにより表面の全域で動かされ得るものであり、このことは、どこにロボティックシステムがあるかを知っている操縦者によるものであり、さもなければ、ロボットを、そのロボットが適場所へと指向され得るように適切にプログラムすることによってのものである。ロボティックシステムに相対的な電磁石のこの位置設定を支援するために、1つまたは両方は、エンジンの内側で206があるところを決定するために使用され得るセンサおよびフィードバックデバイスを含み得る。制御可能電磁デバイスは、遠隔でオンおよびオフに切り替わるように対処され得る。ロボットは、さらには、外部磁石を動かし、作業空間を通してロボットを引っ張ることにより動かされ得る。
【0024】
単一の電磁デバイスを利用するシステムに加えて、いくつものもの、連続体アームロボットのセクションを「ピン留めする」ために、複数の電磁デバイス206および207を使用することが、さらには可能である。そのようなシステムが使用されるならば、これらの電磁石は、協調させられる手立てにおいてそれらの電磁石がオンおよびオフに切り替えられるように、中央制御システムにリンクされ得る。例えば、セクション1が、先端部セクションがさらに作業空間内へと押し出されるように、オフに切り替えられ得るものであり、一方で、別のものが、システムの中にいくらかの剛直性が存するように、オンに切り替えられ得る。このことは、毛虫歩行と類似したロボットシステムの動きを操作するために使用され得る。そのため、このことは、受動領域のセクションが、総体的なシステムがあまりにもコンプライアントになることなく、環境内へと動かされることを可能とし得る。
【0025】
さらにまた、磁石の使用は、限局された区域の中の案内管などの他の展開プラットフォームに対して使用され得る。そのような事例において、強磁性カラーは、これらのシステムに、それらのシステムが作業環境の内側でピン留めされることを可能とするように、追加導入され得る。
【0026】
ここで説明される磁石は、多数の異なる手立てにおいて設計され得る。例えば、磁石は、ロボットアームの外側で場所設定され得るものであり、または代替法として、それらの磁石は、ロボットアームの内側で場所設定され得る。さらにまた、外側から内側への整列の助けとなるように、磁石の配列が存し得る。代替法として、磁石206は、別々のシステムの一部分であることの代わりに、作業空間の壁の中に埋め込まれ得る。ガスタービンエンジンの例において、このことは、防衛手段エンジンのジェットパイプにおける、または、ボアスコープからの経路に沿ったものであり得る。位置設定により、壁の中の磁石は、能動/受動システムと比較されると、ロボットのより容易な展開を可能とする。システムを改善するために、とりわけ、複数個の磁石が壁の中で使用されるならば、そのことは、磁石が中央制御システムによりオンおよびオフに切り替えられ得るならば有益である。作業空間の壁の中で位置設定される磁石の配列の使用によって、協調させられる手立てにおいてオンおよびオフに切り替えられることにより、作業空間の中での連続体アームロボットシステムの前進運動をもたらすことが可能であることになる。構成要素内への埋め込まれた磁気システムの使用は、ロボットより下流の長い距離にわたる容易な動きを可能とし得る。このこと、または、ロボットを連れて引く外部磁石の使用は、それゆえに、目標区域が口から長い道のりである作業空間内へのコンプライアントロボットの使用を増大することになり、それゆえに、このことは、これらのロボットが内で展開され得る産業の数を増大する。そのことは、さらには、より細いロボットの使用がこれらの区域の中で使用されることを可能とするものであり、なぜならば、それらのより細いロボットは、従前のシステムよりさらに接近し得るものであり、強度における増大は、ロボットが、より難題なタスクを実行し得るということを意味するからである。そのため、そのより細いロボットは、より太い断面積にされたロボットと、より等価であることになる。
【0027】
図3は、本開示の連続体アームロボットの動作のフローチャートを示す。ステップ1 301は、連続体アームロボットを、作業空間内へと、出入口を通して挿入するステップを含む。ステップ2 302は、連続体アームロボットを、作業空間内へと、およびさらに作業空間内へと動かし、その連続体アームロボットを位置設定するステップを含む。動かしおよび位置設定は、作業空間を通して連続体アームロボットを引くように、制御可能電磁デバイスに対処することにより実行され得る。上述で論考されたものなどのセンサおよびフィードバックデバイスが、操縦者に連続体アームロボットの位置を通知することを、その操縦者がいつ制御可能電磁デバイスと係合すべきかを知るように行うために使用され得る。ステップ3 303、連続体アームロボットが適位置にある様態で、制御可能電磁デバイスは、作業空間の壁に対して適位置にコンプライアントロボットをロックするように活動化される。電磁デバイスがロボットを引くために使用されたならば、この事例において、そのロボットは、適位置にまさに停止される。ステップ4 304、連続体アームロボットは、その連続体アームロボットの所望されるタスクを実行する。ステップ5 305、制御可能電磁デバイスは、連続体アームロボットが作業空間の壁に対して、もはやロックされないように非活動化される。ステップ6 306、連続体アームロボットは、作業空間から除去される。
【0028】
本発明は、上述で説明された実施形態に制限されず、様々な修正および改善が、本明細書において説明される概念から逸脱することなくなされ得るということが理解されることになる。相互に排他的な場合を除いて、特徴のうちの任意のものは、別々に、または、任意の他の特徴と組み合わせて用いられ得るものであり、本開示は、本明細書において説明される1つまたは複数の特徴の、すべての組み合わせおよび副組み合わせに広がり、それらのすべての組み合わせおよび副組み合わせを含む。
【符号の説明】
【0029】
101 連続体アームロボット部分、連続体アーム
102 アクチュエータパック
103 アクチュエータ
104 レールまたは支持体
105 電力および信号ケーブル
106 関節
107 関節
108 関節
201 囲まれた作業空間、限局された作業空間、限局された空間
202 連続体アームロボット、スレーブロボット
203 出入口、出入孔
204 受動セクション
205 能動セクション
206 可動マスターロボット、マスターロボット、電磁石、磁気、電磁デバイス、磁石
207 強磁性カラー、ロボティックシステムカラー、電磁デバイス
301 ステップ1
302 ステップ2
303 ステップ3
304 ステップ4
305 ステップ5
306 ステップ6
図1a
図1b
図2
図3
【外国語明細書】