(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092508
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】抗菌特性を有するエアフィルタ並びにその製造のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B01D 39/14 20060101AFI20230626BHJP
B01D 39/16 20060101ALI20230626BHJP
D06M 11/42 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
B01D39/14 G
B01D39/16 A
D06M11/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022202135
(22)【出願日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】289218
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(71)【出願人】
【識別番号】522492657
【氏名又は名称】アロニム フィルター マーケティング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALONIM FILTER MARKETING LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レヴィー イツィク
(72)【発明者】
【氏名】ベリ マオール
(72)【発明者】
【氏名】アマー イスラエル
(72)【発明者】
【氏名】アブラハム ポラック
【テーマコード(参考)】
4D019
4L031
【Fターム(参考)】
4D019AA01
4D019BA13
4D019BB02
4D019BB03
4D019BC05
4D019BC06
4D019BC07
4D019BD01
4D019CA02
4D019CB01
4D019CB04
4D019CB06
4L031AA18
4L031AB34
4L031BA04
4L031BA09
4L031DA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改良されたエアフィルタ及び製造システムを提供する。
【解決手段】抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含む少なくとも1つのフィルタ媒体を含むエアフィルタ、並びにエアフィルタを製造するための方法であって、少なくとも1つのフィルタ媒体のロールを提供することと、ロールツーロール方式で、少なくとも1つのフィルタ媒体を、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つをその中に堆積させるために音響化学槽に通過させることと、その後、少なくとも1つのフィルタ媒体を乾燥させることであって、少なくとも1つのフィルタ媒体は、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含む、乾燥させることと、を含む、方法。
【選択図】
図1D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含む少なくとも1つのフィルタ媒体
を含む、エアフィルタ。
【請求項2】
抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのフィルタ媒体と、
抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの前記少なくとも1つを含む前記少なくとも1つのフィルタ媒体に接着された少なくとも1つの追加のフィルタ媒体と、
を含む、エアフィルタ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの追加のフィルタ媒体が、高効率フィルタ媒体を含む、請求項2に記載のエアフィルタ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの追加のフィルタ媒体と、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの前記少なくとも1つを含む前記少なくとも1つのフィルタ媒体との間の炭素粒子の層を更に含む、請求項2に記載のエアフィルタ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのフィルタ媒体が、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含む、請求項2から4のいずれか一項に記載のエアフィルタ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのフィルタ媒体が、不織ポリマーフィルタ媒体を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のエアフィルタ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのフィルタ媒体が、不織ポリエステル予備濾過マットを含む、請求項1に記載のエアフィルタ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのフィルタ媒体が、メッシュを含む、請求項1に記載のエアフィルタ。
【請求項9】
射出成形されたフレーム構造を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のエアフィルタ。
【請求項10】
前記フィルタ媒体が、前記フィルタ媒体1平方メートル当たり0.5g以上の前記ナノ粒子及び前記マイクロ粒子の前記少なくとも1つの分布を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のエアフィルタ。
【請求項11】
前記フィルタ媒体が、前記フィルタ媒体1平方メートル当たり1g以上の前記ナノ粒子及び前記マイクロ粒子の前記少なくとも1つの分布を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のエアフィルタ。
【請求項12】
前記フィルタ媒体が、0.3mm~2.0mmの厚さを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のエアフィルタ。
【請求項13】
前記フィルタ媒体が、0.1mm~1.5mmの厚さを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のエアフィルタ。
【請求項14】
前記フィルタ媒体が、2mm~20mmの厚さを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のエアフィルタ。
【請求項15】
エアフィルタを製造するための方法であって、
少なくとも1つのフィルタ媒体のロールを提供することと、
ロールツーロール方式で、前記少なくとも1つのフィルタ媒体を、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つをその中に堆積させるために音響化学槽に通過させることと、
その後、前記少なくとも1つのフィルタ媒体を乾燥させることであって、前記少なくとも1つのフィルタ媒体は、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含む、乾燥させることと、
を含む、方法。
【請求項16】
抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの前記少なくとも1つを含む前記少なくとも1つのフィルタ媒体に、少なくとも1つの追加のフィルタ媒体を接着すること
を更に含む、請求項15に記載のエアフィルタを製造するための方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの追加のフィルタ媒体が、高効率フィルタ媒体を含む、請求項16に記載のエアフィルタを製造するための方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの追加のフィルタ媒体と、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの前記少なくとも1つを含む前記少なくとも1つのフィルタ媒体との間に炭素粒子の層を提供及び保持すること
を更に含む、請求項16に記載のエアフィルタを製造するための方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのフィルタ媒体が、不織ポリマーフィルタ媒体を含む、請求項16から18のいずれか一項に記載のエアフィルタを製造するための方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのフィルタ媒体が、不織ポリエステル予備濾過マットを含む、請求項1に記載のエアフィルタを製造するための方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのフィルタ媒体が、メッシュを含む、請求項1に記載のエアフィルタを製造するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアフィルタ並びにその製造のシステム及び方法に関し、より詳細には、抗菌特性を有するエアフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
抗菌特性を有する種々のタイプのエアフィルタが当技術分野で知られている。
【0003】
物体の音響化学コーティングのための種々の技術は、とりわけ以下の刊行物、すなわち米国特許第10,370,787号及び第9,315,937号、米国特許出願公開第2011/097957号、PCT特許出願公開第WO2014/181329号、欧州特許出願公開第17166865.0号、並びに前述の特許文書において参照される特許文献及び非特許文献に記載されている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、改良されたエアフィルタと、その製造のための改良されたシステム及び方法とを提供しようとするものである。
【0005】
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含む少なくとも1つのフィルタ媒体を含む、エアフィルタが提供される。
【0006】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのフィルタ媒体と、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのフィルタ媒体に接着された少なくとも1つの追加のフィルタ媒体と、を含む、エアフィルタも提供される。
【0007】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの追加のフィルタ媒体は、高効率フィルタ媒体を含む。
【0008】
好ましくは、エアフィルタはまた、少なくとも1つの追加のフィルタ媒体と、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのフィルタ媒体との間の炭素粒子の層を含む。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのフィルタ媒体は、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含む。
【0010】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのフィルタ媒体は、不織ポリマーフィルタ媒体を含む。好ましくは、少なくとも1つのフィルタ媒体は、不織ポリエステル予備濾過マットを含む。好ましくは、少なくとも1つのフィルタ媒体は、メッシュを含む。
【0011】
好ましくは、エアフィルタは、射出成形フレーム構造を含む。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、フィルタ媒体は、フィルタ媒体1平方メートル当たり0.5g以上のナノ粒子及びマイクロ粒子の少なくとも1つの分布を有する。あるいは、本発明の好ましい実施形態によればフィルタ媒体は、フィルタ媒体1平方メートル当たり1g以上のナノ粒子及びマイクロ粒子の少なくとも1つの分布を有する。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、フィルタ媒体は、0.3mm~2.0mmの厚さを有する。あるいは、本発明の好ましい実施形態によれば、フィルタ媒体は、0.1mm~1.5mmの厚さを有する。あるいは、本発明の好ましい実施形態によれば、フィルタ媒体は、2mm~20mmの厚さを有する。
【0014】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、エアフィルタを製造するための方法であって、少なくとも1つのフィルタ媒体のロールを提供することと、ロールツーロール方式で、少なくとも1つのフィルタ媒体を、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つをその中に堆積させるために音響化学槽に通過させることと、その後、少なくとも1つのフィルタ媒体を乾燥させることであって、少なくとも1つのフィルタ媒体は、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含む、乾燥させることと、を含む、方法も提供される。
【0015】
好ましくは、本方法はまた、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのフィルタ媒体に、少なくとも1つの追加のフィルタ媒体を接着することを含む。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、本方法はまた、少なくとも1つの追加のフィルタ媒体と、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのフィルタ媒体との間に炭素粒子の層を提供及び保持することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、図面と併せて以下の詳細な説明からより完全に理解され、認識されるであろう。
【
図1A】本発明の好ましい実施形態によるエアフィルタの製造のシステム及び方法の簡略図である。
【
図1B】本発明の別の好ましい実施形態によるエアフィルタ媒体の製造のシステム及び方法の簡略図である。
【
図1C】本発明の更に別の好ましい実施形態によるエアフィルタ媒体の製造のシステム及び方法の簡略図である。
【
図1D】本発明の更に別の好ましい実施形態によるエアフィルタの製造のシステム及び方法の簡略図である。
【
図1E】本発明の更に別の好ましい実施形態によるエアフィルタの製造のシステム及び方法の簡略図である。
【
図2A-1】側壁接着機を使用する
図1Aのシステム及び方法によって製造されたエアフィルタの簡略図である。
【
図2A-2】射出成形機を使用する
図1Aのシステム及び方法によって製造されたエアフィルタの簡略図である。
【
図2B】
図1Bのシステム及び方法によって製造されたエアフィルタ媒体の簡略図である。
【
図2C】
図1Cのシステム及び方法によって製造されたエアフィルタ媒体の簡略図である。
【
図2D-1】側壁接着機を使用する
図1Dのシステム及び方法によって製造されたエアフィルタの簡略図である。
【
図2D-2】射出成形機を使用する
図1Dのシステム及び方法によって製造されたエアフィルタの簡略図である。
【
図2E-1】側壁接着機を使用する
図1Eのシステム及び方法によって製造されたエアフィルタの簡略図である。
【
図2E-2】射出成形機を使用する
図1Eのシステム及び方法によって製造されたエアフィルタの簡略図である。
【
図3A】
図1A~
図1Eのシステム及び方法において好ましく用いられる音響化学槽アセンブリの簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで
図1Aを参照すると、
図1Aは、本発明の好ましい実施形態によるプリーツ付きエアフィルタのシステム100及び製造方法の簡略図である。
図1Aに見られるように、システム100は、好ましくは供給ロール114からフィルタ媒体112の連続ウェブを受け取る音響化学槽アセンブリ110を含む。フィルタ媒体112は、不織ポリエステルウェブなどの不織ポリマーフィルタ媒体であることが好ましく、その一例は、ドイツのFreudenbergの子会社であるFlic Sloveniaから市販されているHDF H19323である。
【0019】
音響化学槽アセンブリ110は、
図3A及び
図3Bにより詳細に示されており、槽118が取り付けられたシャーシ116を含む。軸受に取り付けられた入口ローラ120及び軸受に取り付けられた出口ローラ122は、少なくとも部分的に槽118の上にあるシャーシ116に取り付けられる。複数の超音波発生器(典型的には2~5個、ここでは5個として示されている)が、それぞれ対応する複数の中空横ロッド124の1つに位置しており、これらの中空横ロッドは、互いに対向する対向壁126及び128に取り付けられている。超音波発生器の動作は、コントローラ130によって管理される。槽118は、好ましくは抗菌特性を有するナノ粒子及び金属酸化物粒子などの抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを含有する音響化学処理溶液132で横ロッド124より上のレベルまで充填される。音響化学処理溶液132の一例は、CuO粒子を含有する水である。代替の溶液は、とりわけ、酸化亜鉛及び酸化銀などの他の金属酸化物を含み得る。
【0020】
特に
図3Bに見られるように、フィルタ媒体112は、入口ローラ120を通過して槽118に入り、音響化学処理溶液132内の横ロッド124を通過して出口ローラ122に巻き付けられる。フィルタ媒体112は、複数のスペーサロッド133によって各横ロッド124から離間されており、スペーサロッドは、各横ロッド124の円周の約半分に沿って槽118の互いに対向する対向壁126及び128に取り付けられ、それぞれそこから約2cm離間されている。結果として生じる音響化学処理は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる以下の刊行物、
すなわち米国特許第10,370,787号及び第9,315,937号、米国特許出願公開第2011/097957号、PCT特許出願公開第WO2014/181329号、欧州特許出願公開第17166865.0号、並びに前述の特許文書において参照される特許文献及び非特許文献のうちの1又は複数の教示に従って、抗菌ナノ粒子及び抗菌マイクロ粒子のうちの少なくとも1つによるフィルタ媒体112の含浸をもたらす。
【0021】
フィルタ媒体112とともに使用するのに特に適した槽アセンブリ110の好ましい動作パラメータは、以下の通りである。
【0022】
音響化学処理溶液:CuO抗菌粒子を含有する脱イオン水
溶液濃度:溶液1リットル当たり約2gのCuO抗菌粒子
抗菌性CuO粒子のサイズ範囲:0.001μm~1μm
溶液温度:30℃~70℃
溶液pH:7.0~8.5
フィルタ媒体のスループット速度:0.5メートル/分~5メートル/分
槽アセンブリ110の下流で、音響化学処理されたフィルタ媒体134は、乾燥機140内で乾燥され、次いで好ましくは巻き取りロール150上に巻き取られる。乾燥された音響化学処理されたフィルタ媒体160は、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含むフィルタ媒体であることが理解される。次に、乾燥した音響化学処理されたフィルタ媒体160は、例えば、カタログ番号DBWR-W800HSとして韓国のDoubelwin Co Ltdから市販されているプリータなどのローラ又はナイフプリータなどのプリータ170に供給される。次いで、複数のプリーツ182を有する、プリーツ加工され、乾燥され、音響化学処理されたフィルタ媒体180は、例えば、カタログ番号DKV 12 EHSとして韓国京畿道のDaekyung Hydraulic Machinery Co.LTD(www.dkv2000.com)から市販されている射出成型機などの、フレーマ190に供給される。あるいは、フレーマ190は、インドのデリのA2Z Filtration(www.A2Zfiltration.com)から市販されている機械などのサイドストリップ接着機であってもよい。
【0023】
サイドストリップ接着機がフレーマ190として使用される場合、最終製品は、
図2A-1にも示されるエアフィルタ192であり、これは、LVキャビンエアフィルタ、空気清浄機、及びHVSCシステムでの使用に特に適しており、複数の側壁193を含む。
【0024】
射出成形機がフレーマ190として使用される場合、最終製品は、
図2A-2にも示されるエアフィルタ194であり、これは、HD自動車キャビンエアフィルタでの使用に特に適しており、一体的に射出成形されたフレーム構造195及び複数のリブ196を含む。
【0025】
エアフィルタ192及び194はそれぞれ、好ましくは、以下の構造パラメータ及び動作パラメータを有する。
【0026】
乾燥された音響化学処理されたフィルタ媒体160の厚さ:0.3mm~2.0mm
フィルタ媒体中の抗菌性粒子の分布:フィルタ媒体1平方メートル当たり0.5g以上のCuO粒子
ここで
図1Bを参照すると、
図1Bは、本発明の別の好ましい実施形態によるエアフィルタ媒体のシステム200及び製造方法の簡略図である。
図1Bに見られるように、システム200は、好ましくは供給ロール214からフィルタ媒体212の連続ウェブを受け取る音響化学槽アセンブリ210を含む。フィルタ媒体212は、好ましくは、2mm~20mmの範囲内の厚さの不織ポリエステル予備濾過マットであり、その一例は、NU-M5として指定され、イスラエルのNoam Urimから市販されている。
【0027】
音響化学槽アセンブリ210は、上記の
図3A及び
図3Bにより詳細に示されており、この説明は、
図1Bの実施形態にも等しく適用可能である。
【0028】
フィルタ媒体212とともに使用するのに特に適した槽アセンブリ210の好ましい動作パラメータは、以下の通りである。
【0029】
音響化学処理溶液:CuO抗菌粒子を含有する脱イオン水
溶液濃度:溶液1リットル当たり約2gのCu粒子
抗菌性CuO粒子のサイズ範囲:0.001μm~1μm
溶液温度:30℃~70℃
溶液pH:7.0~8.5
フィルタ媒体のスループット速度:0.5メートル/分~5メートル/分
槽アセンブリ210の下流で、音響化学処理されたフィルタ媒体234は、乾燥機240内で乾燥され、次いで好ましくは巻き取りロール250上に巻き取られる。乾燥された音響化学処理されたフィルタ媒体260は、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含むフィルタ媒体であることが理解される。次に、乾燥した音響化学処理されたフィルタ媒体260は、カッター270に供給される。切断され、乾燥された音響化学処理されたフィルタ媒体280は、その後、とりわけプレフィルタ282として使用するために顧客に供給されてもよく、その一例が
図2Bに示されている。
【0030】
切断され、乾燥された音響化学処理されたフィルタ媒体280は、好ましくは、以下の構造パラメータ及び動作パラメータを有する。
【0031】
厚さ:2mm~20mm
フィルタ媒体中の抗菌性粒子の分布:フィルタ媒体1平方メートル当たり1g以上のCuO粒子
ここで
図1Cを参照すると、
図1Cは、本発明の別の好ましい実施形態によるエアフィルタ媒体のシステム300及び製造方法の簡略図である。
図1Cに見られるように、システム300は、好ましくは供給ロール314からフィルタ媒体312の連続ウェブを受け取る音響化学槽アセンブリ310を含む。フィルタ媒体312は、0.1mm~1.5mmの範囲内の厚さのプラスチックメッシュであることが好ましく、その一例は、米国のIndustrial Netting Inc.から市販されているWN 0100である。
【0032】
音響化学槽アセンブリ310は、上記の
図3A及び
図3Bにより詳細に示されており、この説明は、
図1Cの実施形態にも等しく適用可能である。
【0033】
フィルタ媒体312とともに使用するのに特に適した槽アセンブリ310の好ましい動作パラメータは、以下の通りである。
【0034】
音響化学処理溶液:CuO抗菌粒子を含有する脱イオン水
溶液濃度:溶液1リットル当たり約2gのCu粒子
抗菌性CuO粒子のサイズ範囲:0.001μm~1μm
溶液温度:30℃~70℃
溶液pH:7.0~8.5
フィルタ媒体のスループット速度:0.5メートル/分~5メートル/分
槽アセンブリ310の下流で、音響化学処理されたフィルタ媒体334は、乾燥機340内で乾燥され、次いで好ましくは巻き取りロール350上に巻き取られる。乾燥された音響化学処理されたフィルタ媒体360は、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含むフィルタ媒体であることが理解される。次に、乾燥した音響化学処理されたフィルタ媒体360は、特にロール形態で使用するために顧客に供給されてもよく、その一例が
図2Cに示されている。
【0035】
乾燥した音響化学処理されたフィルタ媒体360は、好ましくは、以下の構造パラメータ及び動作パラメータを有する。
【0036】
厚さ:0.1mm~1.5mm
フィルタ媒体中の抗菌性粒子の分布:フィルタ媒体1平方メートル当たり1g以上のCuO粒子
ここで
図1Dを参照すると、
図1Dは、本発明の更に別の好ましい実施形態によるエアフィルタのシステム400及び製造方法の簡略図である。
図1Dに見られるように、システム400は、好ましくは供給ロール414からフィルタ媒体412の連続ウェブを受け取る音響化学槽アセンブリ410を含む。フィルタ媒体412は、不織ポリエステルウェブなどの不織ポリマーフィルタ媒体であることが好ましく、その一例は、カタログ番号JTT 90としてRetop filtration Material Co.LTD Dongguan China(www.retopfiber.com)から市販されている。
【0037】
音響化学槽アセンブリ410は、上述の
図3A及び
図3Bにより詳細に示されており、この説明は、
図1Dの実施形態にも等しく適用可能である。
【0038】
フィルタ媒体412とともに使用するのに特に適した槽アセンブリ410の好ましい動作パラメータは、以下の通りである。
【0039】
音響化学処理溶液:CuO抗菌粒子を含有する脱イオン水
溶液濃度:溶液1リットル当たり約2gのCu粒子
抗菌性CuO粒子のサイズ範囲:0.001μm~1μm
溶液温度:30℃~70℃
溶液pH:7.0~8.5
フィルタ媒体のスループット速度:0.2メートル/分~3メートル/分
槽アセンブリ410の下流で、音響化学処理されたフィルタ媒体434は、乾燥機440内で乾燥され、次いで好ましくは巻き取りロール450上に巻き取られる。乾燥された音響化学処理されたフィルタ媒体460は、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含むフィルタ媒体であることが理解される。次に、乾燥した音響化学処理されたフィルタ媒体460は、炭素粒子堆積機470に供給される。炭素粒子堆積機470は、乾燥した音響化学処理されたフィルタ媒体460上に、典型的には厚さ1mm~5mmの炭素粒子472の層を堆積させることが好ましい。その上に炭素粒子の層が堆積された乾燥された音響化学処理されたフィルタ媒体(ここでは482と指定される)は、次に、保持層オーバーレイ機484に供給され、保持層オーバーレイ機484は、不織ポリエステルウェブ485の層を、その上に炭素粒子の層が堆積された乾燥された音響化学処理されたフィルタ媒体482上に接着させる。保持層オーバーレイ機484は、不織ポリエステルウェブ485の層を炭素粒子472の層の上に接着し、それにより、不織ポリエステルウェブ485の層は、好ましくは、乾燥した音響化学処理されたフィルタ媒体480上に炭素粒子472の層を保持する。保持層オーバーレイ機484の出力は、ここでは、炭素粒子の層及び保持層486をその上に堆積させた多層乾燥音響化学処理フィルタ媒体と称され、巻き取りロール488上に巻き取られ得る。不織ポリエステルウェブ485の層はフィルタ媒体であり、高効率フィルタ媒体であってもよいが、そうである必要はないことが理解される。
【0040】
次に、多層フィルタ媒体486は、ローラ又はナイフプリータなどのプリータ490、例えば、カタログ番号DBWR-800 HSとして韓国京畿道のDoubelwin Co.Ltd.(www.doublewin.kr)から市販されているプリータに供給される。次いで、複数のプリーツ493を有する、プリーツ加工され、乾燥され、音響化学処理されたフィルタ媒体492は、例えば、カタログ番号DKV 12 EHSとして韓国京畿道のDaekyung Hydraulic Machinery Co.LTD(www.dkv2000.com)から市販されている射出成型機などの、フレーマ494に供給される。あるいは、フレーマ494は、インドのデリのA2Z Filtration(www.A2Zfiltration.com)から市販されている機械などのサイドストリップ接着機であってもよい。
【0041】
サイドストリップ接着機がフレーマ494として使用される場合、最終製品は、
図2D-1にも示されるエアフィルタ495であり、これは、LVキャビンエアフィルタ、空気清浄機、及びHVSCシステムでの使用に特に適しており、複数の側壁496を含む。
【0042】
射出成形機がフレーマ494として使用される場合、最終製品は、
図2D-2にも示されるエアフィルタ497であり、これは、HD自動車キャビンエアフィルタでの使用に特に適しており、一体的に射出成形されたフレーム構造498及び複数のリブ499を含む。
【0043】
エアフィルタ495及び497はそれぞれ、以下の構造パラメータ及び動作パラメータを有することが好ましい。
【0044】
多層フィルタ媒体486の厚さ:2mm~8mm
フィルタ媒体中の抗菌性粒子の分布:フィルタ媒体1平方メートル当たり1g以上のCuO粒子
ここで
図1Eを参照すると、
図1Eは、本発明の更に別の好ましい実施形態によるエアフィルタのシステム500及び製造方法の簡略図である。
図1Eに見られるように、システム500は、好ましくは供給ロール514からフィルタ媒体512の連続ウェブを受け取る音響化学槽アセンブリ510を含む。フィルタ媒体512は、不織ポリエステルウェブなどの不織ポリマーフィルタ媒体であることが好ましく、その一例は、カタログ番号JTT 90としてRetop filtration Material Co.LTD Dongguan China(www.retopfiber.com)から市販されている。
【0045】
音響化学槽アセンブリ510は、上述の
図3A及び
図3Bにより詳細に示されており、この説明は、
図1Eの実施形態にも等しく適用可能である。
【0046】
フィルタ媒体512とともに使用するのに特に適した槽アセンブリ510の好ましい動作パラメータは、以下の通りである。
【0047】
音響化学処理溶液:CuO抗菌粒子を含有する脱イオン水
溶液濃度:溶液1リットル当たり約2gのCu粒子
抗菌性CuO粒子のサイズ範囲:0.001μm~1μm
溶液温度:30℃~70℃
溶液pH:7.0~8.5
フィルタ媒体のスループット速度:0.2メートル/分~4メートル/分
槽アセンブリ510の下流で、音響化学処理されたフィルタ媒体534は、乾燥機540内で乾燥され、次いで好ましくは巻き取りロール550上に巻き取られる。乾燥された音響化学処理されたフィルタ媒体560は、抗菌特性を有するナノ粒子及び抗菌特性を有するマイクロ粒子のうちの少なくとも1つを音響化学堆積させたものを含むフィルタ媒体であることが理解される。次に、乾燥した音響化学処理されたフィルタ媒体560は、厚さ0.2mm~1.5mmのポリエステル微細繊維585の層を乾燥した音響化学処理されたフィルタ媒体560上に接着する高効率フィルタ層オーバーレイ機584に供給される。層オーバーレイ機584の出力は、ここでは、多層高効率乾燥音響化学処理フィルタ媒体586と称され、巻き取りロール588上に巻き取られ得る。ポリエステル微細繊維585の層はフィルタ媒体であり、好ましくは高効率フィルタ媒体であることが理解される。
【0048】
次に、多層フィルタ媒体586は、例えば、カタログ番号DBWR-800 HSとして韓国のDoubelwin Co.Ltdから市販されているプリータなどのローラ又はナイフプリータなどのプリータ590に供給される。次いで、複数のプリーツ593を有する、プリーツ加工され、乾燥され、音響化学処理されたフィルタ媒体592は、例えば、カタログ番号DKV 12 EHSとして韓国京畿道のDaekyung Hydraulic Machinery Co.LTD(www.dkv2000.com)から市販されている射出成型機などの、フレーマ594に供給される。あるいは、フレーマ594は、インドのデリのA2Z Filtration(www.A2Zfiltration.com)から市販されている機械などのサイドストリップ接着機であってもよい。
【0049】
サイドストリップ接着機がフレーマ594として使用される場合、最終製品は、
図2E-1にも示されるエアフィルタ595であり、これは、LVキャビンエアフィルタ、空気清浄機、及びHVSCシステムでの使用に特に適しており、複数の側壁596を含む。
【0050】
射出成形機がフレーマ594として使用される場合、最終製品は、
図2E-2にも示されるエアフィルタ597であり、これは、HD自動車キャビンエアフィルタでの使用に特に適しており、一体的に射出成形されたフレーム構造598及び複数のリブ599を含む。
【0051】
エアフィルタ595及び597はそれぞれ、以下の構造パラメータ及び動作パラメータを有することが好ましい。
【0052】
多層フィルタ媒体586の厚さ:2mm~8mm
フィルタ媒体中の抗菌性粒子の分布:フィルタ媒体1平方メートル当たり1g以上のCuO粒子
本発明であれば、本発明が上記に具体的に示され説明されたものによって限定されないことを理解するであろう。本発明の範囲は、上記で説明した種々の特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びにそれらの修正を含み、それらの全ては先行技術にはなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲によって定義される。
【外国語明細書】