(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009251
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】アマンタジン組成物、その調製、および使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/13 20060101AFI20230112BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20230112BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20230112BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
A61K31/13
A61P25/16
A61P25/14
A61K9/48
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022183927
(22)【出願日】2022-11-17
(62)【分割の表示】P 2020511528の分割
【原出願日】2018-08-23
(31)【優先権主張番号】62/549,921
(32)【優先日】2017-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517360697
【氏名又は名称】アダマス ファーマ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Adamas Pharma LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ティー. ウェント
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ジェイ. フルツ
(72)【発明者】
【氏名】サンギタ ゴーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ナタリー マクルーア
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC01
4C076FF31
4C076FF68
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA29
4C206KA14
4C206MA02
4C206MA05
4C206MA57
4C206MA72
4C206NA06
4C206NA10
4C206NA12
4C206ZA02
4C206ZA15
(57)【要約】
【課題】アマンタジン組成物、その調製、および使用方法の提供。
【解決手段】本明細書においてアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含み、低濃度の有機溶媒を有する経口医薬組成物が提供される。アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含み、低減された胃腸副作用または睡眠障害を有する組成物を対象に経口投与する方法もまた提供される。更に、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含み、1日1回の投与に適切である徐放性経口組成物が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月24日に出願の米国仮出願第62/549,921号の利益を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口医薬組成物に関し、より具体的には、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む徐放性経口医薬組成物、かかる組成物の調製、およびかかる組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アマンタジンは、特発性パーキンソン病(振戦麻痺)、脳炎後パーキンソン症候群、および一酸化炭素中毒による神経系の損傷後に生じ得る症候性パーキンソン症候群の治療を含む、NMDA受容体アンタゴニストによって治療することができる種々の病態に必要とされる。アマンタジンは、ウイルスのM2チャネル阻害剤としての活性も有し、ウイルス疾患、特にインフルエンザAウイルスの感染の予防および治療に使用される。
【0004】
パーキンソン病(PD)において最も一般的に処方され、症状緩和のための有効な薬物治療であるレボドパは、レボドパ誘発ジスキネジア(LID)として公知の異常な不随意運動を含む用量を制限する運動副作用と関連付けられる。継続的なレボドパ治療と共に、PDが中等度および重度の段階に進行するにつれて、ジスキネジアは、著しく身体に障害を引き起こし得、生活の質の減少と関連付けられる。Encarnacion,E.V.and Hauser,R.A.,Levodopa-induced dyskinesias in Parkinson’s disease:etiology,impact on quality of life,and treatments.Eur Neurol,2008.60(2):p.57-66。LIDの治療のための承認された薬物は、現在存在せず、したがって、まだ満たされていない重要な医療上の必要性が存在する(2017年8月時点で)。
【0005】
LIDは、レボドパ用量の減少を必要とし得、これにより患者は最適以下のPD治療を受けることになる。著しく身体に障害を引き起こし、生活の質の減少をもたらすLIDの治療は、まだ満たされていない医療上の必要性である。Encarnacionら(前掲)。
【0006】
2018年8月時点で、塩酸アマンタジンの徐放性製剤であるGOCOVRI(商標)が、ドーパミン作動薬を併用するかまたは併用しないレボドパベースの治療を受けているパーキンソン病を有する人々のジスキネジアの治療のための、米国食品医薬品局(FDA)に承認された最初かつ唯一の医薬品であった。GOCOVRI(商標)は、レボドパを受けているパーキンソン病患者においてジスキネジアおよびオフタイムの両方を低減することが対照試験において証明された最初のパーキンソン病薬である。
【0007】
アマンタジン(amantadine)は、ドーパミンの放出を促進する、弱い非競合性のN-メチル-d-アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニストである。Guttman,M.,Kish,S.J.,Furukawa,Y.,Current concepts in the diagnosis and management of Parkinson’s disease.Cmaj,2003.168(3):p.293-301。アマンタジンは、LIDの動物モデルにおいて有効性を示しており、PD患者のLIDを治療するために神経科医および運動障害の専門医によって未認可で使用される。Blanchet,P.J.,Konitsiotis,S.,Chase,T.N.,Amantadine reduces levodopa-induced
dyskinesias in parkinsonian monkeys.Mov
Disord,1998.13(5):p.798-802。Fox,S.H.,Lang,A.E.,Brotchie,J.M.,Translation of non-dopaminergic treatments for levodopa-induced dyskinesia from MPTP-lesioned nonhuman primates to phase IIa clinical studies:keys to success and roads to failure.Mov Disord,2006.21(10):p.1578-94。
【0008】
PD患者における異なるデザインおよび評価項目を有するいくつかの小規模の研究が、アマンタジン(IR製剤)がLIDの治療に有効であることを示している。200mg/日のアマンタジン用量では、LIDの約25%の減少が報告され(da Silva-Junior,F.P.,Braga-Neto,P.,Monte,F.S.,et al.,Amantadine reduces the duration of levodopa-induced dyskinesia:a randomized,double-blind,placebo-controlled study.
Parkinsonism Relat Disord,2005.11(7):p.449-52、Snow,B.J.,Macdonald,L.,Mcauley,D.,et al.,The effect of amantadine on levodopa-induced dyskinesias in Parkinson’s disease:a double-blind,placebo-controlled
study.Clin Neuropharmacol,2000.23(2):p.82-85)、300mg/日の用量では、LIDの減少が約40%であることが報告された(Luginger,E.,Wenning,G.K.,Bosch,S.,et al.,Beneficial effects of amantadine on L-dopa-induced dyskinesias in Parkinson’s disease.Mov Disord,2000.15(5):p.873-8、Paci,C.,Thomas,A.,Onofrj,M.,Amantadine for dyskinesia in patients affected by severe Parkinson’s disease.Neurol Sci,2001.22(1):p.75-6、Thomas,A.,Iacono,D.,Luciano,A.L.,et al.,Duration of amantadine benefit on dyskinesia of severe Parkinson’s
disease.J Neurol Neurosurg Psychiatry,2004.75(1):p.141-3)。300~400mg/日で実施された1つの研究では、減少は約60%であることが報告された(Metman,L.V.,Del Dotto,P.,Lepoole,K.,et al.,Amantadine for
levodopa-induced dyskinesias:a 1-year follow-up study.Arch Neurol,1999.56(11):p.1383-6)。一般に、LIDの減少は、アマンタジン用量の増加と共に増加するように見える。
【0009】
多数の市販されているアマンタジンの形態は、一般に、典型的には1日に2回以上投与される即放性製剤である。アマンタジンの使用は、用量に関連するCNS副作用(眩暈、錯乱、幻覚、不眠、および悪夢が含まれる)によって制限され(Gracies JM,Olanow CW;Current and Experimental Therapeutics of Parkinson’s Disease;Neuropsychopharmacology:the Fifth Generation of Progress pp1802;American College of Neuropsychopharmacology 2002)、この副作用は、アマンタジンが夜間に投与された場合に特に悪化し得る(Jackson et al.,Bull Pan Am Health Org,147,595-603(1967))、Jackson,JAMA,235(25),(1976),2739-2742;Hayden,AAC,19(2)1981,pp.226-233、およびHayden,AAC,23(3)1983,pp.458-464)。
【0010】
アマンタジン(IR製剤)の200mg/日の用量は、一般に大多数のPD患者によって許容された。しかしながら、この用量レベルでは、LIDにおけるアマンタジンの有効性は、多数の患者にとって最適以下である。300mg/日以上の用量のアマンタジンIRは、LID症状のより大きな減少をもたらすが、幻覚、不眠、悪心、および眩暈(意識朦朧)を含む中枢神経系(CNS)副作用ならびに食思不振、悪心、嘔吐、および下痢を含む胃腸(GI)副作用に関連付けられる(Jacksonら(前掲)、Hayden(前掲))。即放性アマンタジンの1つの研究において、血漿濃度の増加は、CNSおよび睡眠に関連した副作用のより高い発生率に関連付けられたがGI副作用には関連付けられなかった(Hayden 1983(前掲))。
【0011】
即放性アマンタジンは、不眠および睡眠障害を引き起こす刺激薬として作用し得ることが公知である。したがって、これらの副作用を最小にするために、最終用量は、典型的に午後4時までに投与される(Fachinformation-Amantadin CT 100 mg Filmtabletten,March,2008、Fung et al,Aust.Prescriber,24(4)2001,pp 92-95)。かかるアマンタジンの投与により、夕方または夜にアマンタジン血漿濃度がピークに達し、朝の血漿濃度が非常に低くなる。
【0012】
アマンタジンの徐放性形態は当該技術分野において記載されている。Guittardらに属する米国特許第5,358,721号およびEdgrenらに属する米国特許第6,217,905号は、各々がそれぞれ抗ウイルス薬または抗パーキンソン病薬を含む経口浸透圧剤形を開示しており、いずれの場合においてもアマンタジンは当該剤形で使用される利用可能な薬物として列挙されている。Smithらに属する米国特許第6,194,000号は、アマンタジンなどのNMDA受容体アンタゴニストを活性薬剤として使用した鎮痛性の即放性および制御放出医薬組成物を開示している。全てWentらに属する米国特許出願公開第US2006/0252788号、US2006/0189694号(米国特許第8,389,578号)、US2006/0142398号、US2008/0227743号、およびUS2011/0189273号(米国特許第8,741,343号)は、それぞれ、所望により制御放出形態のNMDA受容体アンタゴニスト(アマンタジンなど)の投与を開示している。
近年、アマンタジンの徐放性製剤が、レボドパを服用しているパーキンソン病患者のLIDを低減することを示した(Pahwa et al. Amantadine Extended Release for Levodopa-Induced Dyskinesia in Parkinson’s Disease(EASED Study),Mov Disord.2015.30(6):788-795)。これらの徐放性組成物は、睡眠に関連する有害作用を増加させることなく260~420mgで夜間に1回投与される(US20110189273、US20150087721、Pahwa et al.,(前掲))。アマンタジンの即放性形態は、多発性硬化症を有する患者の疲労を処置するために使用されている。近年、徐放性組成物は、多発性硬化症を有する患者の運動低下性運動障害の処置について調査されている(US2016/0228388)。上述のように、近年、塩酸アマンタジンの徐放性製剤であるGOCOVRI(商標)が、ドーパミン作動薬を併用するかまたは併用しないレボドパベースの治療を受けているパーキンソン病を有する人々のジスキネジアの処置のための、FDAに承認された最初かつ唯一の医薬品として、FDAにより承認された。GOCOVRI(商標)は、レボドパを受けているパーキンソン病患者においてジスキネジアおよびオフタイムの両方を低減することが対照試験において証明された最初のパーキンソン病薬である。
しかしながら、即放性および既知の徐放性アマンタジン製剤の投与に関連した胃腸副作用が、大きな課題として残っており、したがって、改善された組成物および方法が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,358,721号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0252788号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0189694号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0142398号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2008/0227743号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Encarnacion,E.V.and Hauser,R.A.,Levodopa-induced dyskinesias in Parkinson’s disease:etiology,impact on quality of life,and treatments.Eur Neurol,2008.60(2):p.57-66
【非特許文献2】Guttman,M.,Kish,S.J.,Furukawa,Y.,Current concepts in the diagnosis and management of Parkinson’s disease.Cmaj,2003.168(3):p.293-301
【非特許文献3】Blanchet,P.J.,Konitsiotis,S.,Chase,T.N.,Amantadine reduces levodopa-induced dyskinesias in parkinsonian monkeys.Mov Disord,1998.13(5):p.798-802
【非特許文献4】Fox,S.H.,Lang,A.E.,Brotchie,J.M.,Translation of non-dopaminergic treatments for levodopa-induced dyskinesia from MPTP-lesioned nonhuman primates to phase IIa clinical studies:keys to success and roads to failure.Mov Disord,2006.21(10):p.1578-94
【非特許文献5】da Silva-Junior,F.P.,Braga-Neto,P.,Monte,F.S.,et al.,Amantadine reduces the duration of levodopa-induced dyskinesia:a randomized,double-blind,placebo-controlled study.Parkinsonism Relat Disord,2005.11(7):p.449-52
【非特許文献6】Snow,B.J.,Macdonald,L.,Mcauley,D.,et al.,The effect of amantadine on levodopa-induced dyskinesias in Parkinson’s disease:a double-blind,placebo-controlled study.Clin Neuropharmacol,2000.23(2):p.82-85
【非特許文献7】Luginger,E.,Wenning,G.K.,Bosch,S.,et al.,Beneficial effects of amantadine on L-dopa-induced dyskinesias in Parkinson’s disease.Mov Disord,2000.15(5):p.873-8
【非特許文献8】Paci,C.,Thomas,A.,Onofrj,M.,Amantadine for dyskinesia in patients affected by severe Parkinson’s disease.Neurol Sci,2001.22(1):p.75-6
【非特許文献9】Thomas,A.,Iacono,D.,Luciano,A.L.,et al.,Duration of amantadine benefit on dyskinesia of severe Parkinson’s disease.J Neurol Neurosurg Psychiatry,2004.75(1):p.141-3
【非特許文献10】Metman,L.V.,Del Dotto,P.,Lepoole,K.,et al.,Amantadine for levodopa-induced dyskinesias:a 1-year follow-up study.Arch Neurol,1999.56(11):p.1383-6
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本明細書では、既知の製剤と比較して改善された胃腸有害事象発生率を提供する、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む徐放性経口組成物およびアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)を投与する方法が記載される。また本開示の組成物は、以前に記載された徐放性製剤と比較して改善された胃腸有害事象発生率を提供する。これらの徐放性経口組成物が50mg~500mgのアマンタジン用量または当量のその薬学的に許容される塩で対象パーキンソン病に夜間に1回投与される場合、当該組成物は、良好な耐容性を示し、パーキンソン病の症状、運動症状の変動、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)の改善を提供し、臨床医による変化の全般印象度(CGIC)の改善を提供する。本明細書に記載のアマンタジン経口組成物の夜間に1回の投与の有効性尺度は、現在利用可能なアマンタジン製剤、例えば、分割量で投与される即放性形態より優れている。更に、本開示の組成物は、特に1日1回投与される場合、とりわけ就寝時刻の0~4時間前に1日1回投与される場合に、既知の製剤と比較して改善された忍容性を提供する。
【0016】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の組成物形態の、50mg~500mg、60mg~400mg、60mg~300mg、137mg~500mg、好ましくは260mg~420mgのアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む徐放性経口組成物を提供し、単一用量の対象への投与の際に、絶食時のヒト薬物動態研究は、以下の胃腸障害のうちの1つ以上を含む胃腸副作用の低い発生率を提供する:腹部膨満、便秘、下痢、消化不良、歯肉痛、口唇乾燥、下腹部痛、悪心、胃不快感、歯痛、上腹部痛、および嘔吐。いくつかの変形形態では、徐放性経口組成物は、6000ppm未満の有機溶媒、例えば、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は複数のコアシードを含み、ここで、各コアシードは薬物コーティングによって囲まれており、複数のコーティングされたコアシードは、6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、または約274mgのアマンタジンを含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、または約245mg~約305mgのアマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約85mg、約170mg、約255mgまたは約340mgの塩酸アマンタジンを含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、または約305~約375mgの塩酸アマンタジンを含む。
【0017】
第2の態様では、本開示は、50mg~500mg、60mg~400mg、60mg~300mg、137mg~500mg、好ましくは260mg~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む徐放性経口組成物を1日1回ヒト対象に投与する方法であって、当該徐放性経口組成物が、当該対象の処置に治療上有効であり、絶食状態での単一用量ヒト薬物動態研究の対象に投与される場合に当該徐放性経口組成物が、上述の胃腸副作用のうちの1つ以上の低い発生率を有する方法を提供する。いくつかの実施形態では、単一用量での絶食状態のヒト薬物動態研究は、一晩の絶食後の朝に投薬される。いくつかの変形形態では、徐放性経口組成物は、6000ppm未満の有機溶媒、例えば、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は複数のコアシードを含み、ここで、各コアシードは薬物コーティングによって囲まれており、複数のコーティングされたコアシードは、6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、または約274mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、または約245mg~約305mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約85mg、約170mg、約255mgまたは約340mgの塩酸アマンタジンを含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、または約305~約375mgの塩酸アマンタジンを含む。
【0018】
第3の態様では、本開示は、50mg~500mg、60mg~400mg、60mg~300mg、137mg~500mg、好ましくは260mg~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む徐放性経口組成物を1日1回ヒト対象に就寝時刻の0~4時間前に投与する方法であって、当該徐放性経口組成物が、当該対象の処置に治療上有効であり、絶食状態での単一用量ヒト薬物動態研究の対象に投与される場合に当該徐放性経口組成物が、上述の胃腸副作用のうちの1つ以上の低い発生率を有する方法を提供する。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、または約274mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、または約245mg~約305mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約85mg、約170mg、約255mgまたは約340mgの塩酸アマンタジンを含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、または約305~約375mgの塩酸アマンタジンを含む。
【0019】
本明細書に記載されている態様のいずれかのいくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、絶食状態での単一用量ヒト薬物動態研究の対象に投与される場合に、睡眠に関連する有害作用の低い発生率を有する。本明細書に記載されている態様のいずれかのいくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、絶食状態での単一用量ヒト薬物動態研究の対象に治療的有効量で投与される場合に、睡眠に関連する有害作用の低い発生率を有する。本明細書に記載されている態様のいずれかのいくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、絶食状態での単一用量ヒト薬物動態研究の対象に投与される場合に、胃腸有害事象の低い発生率を有する。本明細書に記載されている態様のいずれかの他の実施形態では、徐放性経口組成物は、絶食状態での単一用量ヒト薬物動態研究の対象に治療的有効量で投与される場合に、睡眠に関連した有害事象および胃腸有害事象の低い発生率を有する。いくつかの実施形態では、胃腸有害事象の低い発生率は、絶食状態での単一用量ヒト薬物動態研究のうちの、12%未満、10%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満の少なくとも1つの胃腸有害事象を経験している対象を含む。
【0020】
本開示のいくつかの態様では、本明細書に記載の組成物形態のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)は、パーキンソン病を有する対象において睡眠に関連する有害作用なしに、50mg~500mg、60mg~400mg、60mg~300mg、137mg~500mg、好ましくは209mg~339mgで夜間に1回、就寝時刻の0~4時間前に投与され、以下のうちの1つ(またはそれ以上)である:A.当該対象におけるLIDが有意に改善される;B.PD症状が改善される;C.変化の臨床全般印象度が(プラセボと比較して)有意に改善される;および/またはD.変化の臨床全般印象度は、有意であるが、より高用量およびより低用量はプラセボと有意な差がない。本開示のいくつかの態様では、Aにおけるジスキネジア評価尺度は、UDysRSからのものまたは後述する他の種類の評価尺度の一部であり得る。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、または約274mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、または約245mg~約305mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約85mg、約170mg、約255mgまたは約340mgの塩酸アマンタジンを含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、または約305~約375mgの塩酸アマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、アマンタジンは、260mg~420mgの塩酸アマンタジンとして投与される。ある種の実施形態では、340mgの塩酸アマンタジンが、投与される(すなわち274mgのアマンタジンに相当する)。
【0021】
本開示のいくつかの態様では、本明細書に記載の組成物形態のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)は、パーキンソン病を有する対象に、50mg~500mg、60mg~400mg、60mg~300mg、137mg~500mg、好ましくは260mg~420mg(より好ましくは340mg)で夜間に1回、就寝時刻の0~4時間前に投与され、以下のうちの1つ以上をもたらす:A.プラセボと比較して1日の煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムが増加する;B.プラセボと比較して1日のジスキネジアを伴わないオンタイムが増加する;C.1日のジスキネジアを伴うオンタイムがプラセボと比較して(または用量反応性の様式で)減少する;D.1日の煩わしいジスキネジアを伴うオンタイムがプラセボと比較して(または用量反応性の様式で)減少する;および/または
E.プラセボおよび/またはより高いアマンタジン投与力価と比較して1日のオフタイムが減少する。したがって、いくつかの実施形態では、この薬物の夜間に1回の就寝時刻前の投与は、有効性(例えば、ジスキネジアを伴わないオンタイムの増加、オフタイムの減少、ジスキネジアの改善)および/または忍容性の翌日の測定について顕著な改善を提供する。当該技術分野において、胃腸副作用の低い発生率を有し、好ましくは睡眠に悪影響を及ぼすことなく、従来のアマンタジン治療と比較して朝に目覚めた際により高い血漿濃度のアマンタジンを有する対象をもたらす、アマンタジン(またはその薬学的に許容される塩)の改善された製剤およびかかる製剤を用いた処置の方法の必要性が存在する。特に、当該技術分野において、不眠および睡眠障害の副作用を低減し、胃腸副作用の低い発生率を提供し、目覚めた際にアマンタジンの有効な血漿濃度を提供する、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を午後遅くまたは夕方(例えば、午後4時以後)に投与する方法の必要性が存在する。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、または約274mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、または約245mg~約305mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約85mg、約170mg、約255mgまたは約340mgの塩酸アマンタジンを含む。ある種の実施形態では、徐放性経口組成物は、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、または約305~約375mgの塩酸アマンタジンを含む。
【0022】
したがって、当該技術分野において、不眠または睡眠障害を引き起こさずに対象が眠ることを望む直前(例えば、就寝時刻 )に対象に施され得、胃腸副作用の低い発生
率を提供する、パーキンソン病、パーキンソン病におけるLID、および運動症状の変動を含むパーキンソン病の全般的症状の処置のためのアマンタジン治療の改善された方法の必要性が存在する。加えて、対象が眠る前に対象に施され得、次いで、一晩の睡眠後、例えば朝に対象が目覚めた際に適切なアマンタジン血漿濃度を提供する、アマンタジン治療の必要性が存在する。更に、当該技術分野において、例えば、歩行速度を改善する方法、全体的な可動性を改善する方法、および/または立ち上がる能力を改善する方法を含む、多発性硬化症を有する対象における歩行障害を処置する改善された方法の必要性が存在する。
【0023】
本開示のいくつかの態様では、アマンタジンを投与する必要がある対象にアマンタジンを投与する方法であって、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む徐放性(ER)経口組成物を就寝時刻(例えば、当該対象が眠ることを望む時間)の3時間未満前に経口投与することを含む方法が提供される。またこの態様は、本明細書に記載される薬剤の製造のためのかかる組成物の使用およびアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の使用も含む。あるいは、組成物は、就寝時刻の約4時間未満前に投与される。いくつかの変形形態では、組成物は、6000ppm未満の有機溶媒を含む。ある種の変形形態では、組成物は、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。特定の変形形態では、組成物は、複数のコアシードを含み、ここで、各コアシードは薬物コーティングによって囲まれており、複数のコーティングされたコアシードは、6000ppm未満の有機溶媒、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。いくつかの変形形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコールである。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシドなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ビス(2-メトキシエチル)エーテル(ジグリム)、ジメトキシエタン(グリム)、1,4-ジオキサンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、リンアミド(例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HPMA)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、塩素化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、窒素含有溶媒(例えば、ピリジン、アセトニトリルなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコール(例えば、C1-C6アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、グリセロール))である。いくつかの実施形態では、2つ以上の溶媒の混合物が使用され得る。本明細書に記載されている有機溶媒の濃度のいくつかの実施形態では、提供される濃度は、2つ以上の有機溶媒の総量を指す。
【0024】
いくつかの態様では、投与は、就寝時刻の2時間30分未満、2時間未満、1時間30分未満、1時間未満、または30分未満前に行われる。
【0025】
いくつかの態様では、本開示は、アマンタジンによる処置を受けているヒト対象において睡眠障害を低減する方法であって、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む徐放性(ER)経口組成物を就寝時刻(例えば、当該対象が眠ることを望む時間)の3時間未満前に投与することを含む方法を提供する。またこの態様は、本明細書に記載される薬剤の製造のためのかかる組成物の使用およびアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の使用も含む。あるいは、組成物は、就寝時刻の約4時間未満前に投与される。
【0026】
本開示のいくつかの態様では、本明細書に記載の組成物形態のアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)は、維持投与量の1日1回の投与の前に、低減された量、例えば、68.5~260mg/日または当量のその薬学的に許容される塩で少なくとも1週間投与される。この用量設定期間は、維持投与量の忍容性を改善し得る。本開示のいくつかの態様では、対象は、用量を137または274mg/日または当量のその薬学的に許容される塩に増加させる前に少なくとも1週間、68.5または137mg/日のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を本明細書に記載の組成物形態で投与され、この態様では、アマンタジンは、塩酸アマンタジンなどの薬学的に許容される塩の形態であり得、塩酸アマンタジンの量は、用量を170または340mg/日に増加させる前に少なくとも1週間、85または170mg/日であり得る。用量設定期間および本明細書に記載の方法において使用するための経口医薬組成物を含む方法のいくつかの実施形態では、対象は、パーキンソン病を有する。ある種の実施形態では、本方法は、レボドパ誘発性ジスキネジア、または疲労、または認知症、またはパーキンソン病の任意の他の症状を処置することを含む。ある種の実施形態では、本方法は、パーキンソン病を有する対象においてオフタイムを減少させること、または煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させること、またはこれらの組み合わせを含み、ここで、当該対象はパーキンソン病の薬物療法により処置されている。いくつかの実施形態では、パーキンソン病の薬物療法は、レボドパである。ある種の実施形態では、パーキンソン病の薬物療法は、レボドパを含む。いくつかの実施形態では、パーキンソン病の薬物療法は、カルビドパと組み合わされたレボドパを含む。用量設定期間および本明細書に記載の方法に使用するための経口医薬組成物を含む方法の他の実施形態では、当該対象は、多発性硬化症を有する。ある種の実施形態では、本発明の方法は、多発性硬化症を有する対象の運動減少障害を処置することを含む。いくつかの実施形態では、運動減少障害は、歩行障害である。いくつかの実施形態では、運動減少障害を処置することは、歩行速度を改善すること、歩行能力を改善すること、全体的な可動性を改善すること、および/または立ち上がる能力を改善することを含む。
【0027】
いくつかの態様では、本開示は、レボドパ誘発性ジスキネジア、または疲労、または認知症、またはパーキンソン病の任意の他の症状を処置する方法であって、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む徐放性(ER)経口組成物を就寝時刻(例えば、当該対象が眠ることを望む時間)の約3時間未満前に投与することを含む、方法を提供する。他の態様では、本開示は、多発性硬化症を有する対象の運動減少障害を処置する方法であって、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む徐放性(ER)経口組成物を就寝時刻の3時間未満前に投与することを含む方法を提供する。また本明細書において、これらの方法のうちの1つ以上において使用するための経口医薬組成物も提供される。例えば、いくつかの態様では、本明細書において、パーキンソン病を有する対象におけるレボドパ誘発性ジスキネジアを処置すること、またはパーキンソン病を有する対象におけるオフタイムを減少させること、またはパーキンソン病を有する対象における煩わしいジスキネジアを伴うオンタイムを減少させること、またはパーキンソン病を有する対象における煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させること、または多発性硬化症を有する対象における運動減少障害を治療すること、に使用するための経口医薬組成物が提供される。これらの態様は、本明細書に記載される薬剤の製造のためのかかる組成物の使用およびアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の使用も含む。いくつかのでは、薬剤は、6000ppm未満の有機溶媒を含む。ある種の変形形態では、組成物は、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。いくつかの変形形態では、薬剤は、複数のコアシードを含み、ここで、各コアシードは薬物コーティングによって囲まれており、複数のコーティングされたコアシードは、6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。いくつかの変形形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコールである。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシドなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ビス(2-メトキシエチル)エーテル(ジグリム)、ジメトキシエタン(グリム)、1,4-ジオキサンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、リンアミド(例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HPMA)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、塩素化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、窒素含有溶媒(例えば、ピリジン、アセトニトリルなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコール(例えば、C1-C6アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、グリセロール))である。いくつかの実施形態では、2つ以上の溶媒の混合物が使用され得る。本明細書に記載されている有機溶媒の濃度のいくつかの実施形態では、提供される濃度は、2つ以上の有機溶媒の総量を指す。
【0028】
いくつかの態様では、本開示は、脳損傷、頭部外傷、認知症、アルツハイマー病、脳卒中、ハンチントン病、ALS、多発性硬化症、神経変性疾患、痴呆、脳血管病態、運動障害、脳神経障害、神経精神障害を処置する方法であって、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含むある種の徐放性(ER)経口組成物を就寝時刻(例えば、対象が眠ることを望む時間)の約3時間未満前に対象に投与することを含む、方法、を提供する。この態様は、多発性硬化症における歩行障害などの運動減少障害を含む、上述の障害に関連する症状を処置する方法も含む。またこの態様は、本明細書に記載される薬剤の製造のためのかかる組成物の使用およびアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の使用も含む。
【0029】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、投与は、就寝時刻(例えば、対象が眠ることを望む時間)の2時間30分未満、2時間未満、1時間30分未満、1時間未満、または30分未満前に行われる。
【0030】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、パーキンソン病と診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、多発性硬化症と診断されている。
【0031】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、夜間に1回投与される。
【0032】
他の実施形態では、アマンタジンの1日量は、50mg~500mg、60mg~400mg、60mg~300mg、137~274mg(好ましくは274mg)、または当量のその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、1日量は、60mg~340mgもしくは170~340mgの塩酸アマンタジン、または当量の異なるその薬学的に許容される塩であり、通常および/またはEL形態のサイズ0、1、または2の1つ、2つ、または3つのカプセルで投与される(例えば、カプセルのサイジング)。
【0033】
ある種の実施形態では、アマンタジンの1日量は、約68.5mg、約137mg、約205.5mgもしくは約274mgまたは当量のその薬学的に許容される塩である。ある種の実施形態では、アマンタジンの1日量は、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、もしくは約245mg~約305mgまたは当量のその薬学的に許容される塩である。更なる他の実施形態では、1日量は、約85mg、約170mg、約255mg、または約340mgの塩酸アマンタジンである。ある種の実施形態では、1日量は、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、または約305~約375mgの塩酸アマンタジンである。これらの実施形態のいずれかでは、いくつかの実施形態では、用量は、通常および/またはEL形態のサイズ0、1、または2の1つ、2つ、または3つのカプセルで投与され得る(例えば、カプセルのサイジング)。
【0034】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、パーキンソン病を有する対象への本発明の組成物の投与は、レボドパ誘発性ジスキネジア(LID)の有意な低減をもたらす。特定の実施形態では、本発明の組成物の投与は、レボドパ誘発性ジスキネジアの約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%の低減をもたらす。更なる実施形態では、レボドパ誘発性ジスキネジアの低減は、LIDを低減することを示した薬物の有効性を評価するためにFDAによって使用されている数値尺度で測定される。更なる特定の実施形態では、LIDの低減の測定に使用される尺度は、UDysRS、UPDRSパートIV(サブスコア32、33)、MDS-UPDRSパートIVならびにサブスコア4.1および4.2、ジスキネジア評価尺度(DRS)、異常不随意運動尺度(AIMS)、またはこの目的のために開発された他の尺度であり得る。
【0035】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、パーキンソン病を有する対象への経口組成物の投与は、運動症状の変動を含むパーキンソン病症状の有意な低減をもたらす。特定の実施形態では、本発明の組成物の投与は、運動症状の変動を含むパーキンソン病症状の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、または40%の低減をもたらす。更なる特定の実施形態では、パーキンソン病の症状の減少は、運動症状の変動を含むパーキンソン病症状を低減することを示した薬物の有効性を評価するためにFDAによって使用されている数値尺度で測定される。更なる特定の実施形態では、運動症状の変動を含むパーキンソン病の症状の低減を測定する際に使用される尺度は、統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)、MDS-UPDRS、または(運動症状の変動に関する)PD Diaryデータの解析であり得る。
【0036】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、対象への経口組成物の投与は、臨床医の全般印象度(CGI)または対象の全体的な状態の任意の他の医師測定における有意な改善をもたらす。特定の実施形態では、本発明の組成物の投与は、CGIの約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%または40%の改善をもたらす。更なる特定の実施形態では、CGIの改善は、CNS障害を処置することが示された薬物の有効性を評価するためにFDAによって使用されている数値尺度で測定される。
【0037】
更に他の実施形態では、パーキンソン病を有する対象においてオフタイムを低減する方法およびオフタイムを低減するのに使用するための経口医薬組成物が本明細書において提供され、ここで、当該対象は、本明細書に記載されるような経口医薬組成物を当該対象に投与することを含むパーキンソン病の薬物療法により処置されている。いくつかの実施形態では、オフタイムの1日の総時間は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または少なくとも70%低減される。いくつかの実施形態では、オフタイムは、プラセボ対照二重盲検臨床試験において評価されるように、プラセボと比較して低減される。他の実施形態では、オフタイムは、経口医薬組成物の投与を開始する前の対象のオフタイムと比較して低減される。
【0038】
更なる他の実施形態では、パーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴わずにオンタイムを増加させる方法および煩わしいジスキネジアを伴わずにオンタイムを増加させるのに使用するための経口医薬組成物が本明細書において提供され、ここで、当該対象は、本明細書に記載されるような医薬組成物を対象に投与することを含むパーキンソン病の薬物療法により処置されている。いくつかの実施形態では、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの1日の総時間は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少または少なくとも70%増加する。いくつかの実施形態では、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムは、プラセボ対照二重盲検臨床試験において評価されるように、プラセボと比較して増加する。他の実施形態では、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムは、経口医薬組成物の投与を開始する前の対象の煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムと比較して増加する。
【0039】
本明細書において提供される、多発性硬化症を有する対象における運動減少障害を処置する方法および多発性硬化症を有する対象における運動減少障害を処置するのに使用するための経口医薬組成物のいくつかの実施形態では、歩行速度が改善されるか、歩行能力が改善されるか、全体的な可動性が改善されるか、もしくは立ち上がる能力が改善されるか、またはこれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、多発性硬化症を有する対象への本明細書に記載されるような組成物の投与は、歩行速度、歩行能力、全体的な可動性、または立ち上がる能力のうちの1つ以上における5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、または60%の改善をもたらす。全体的な可動性には、例えば、1日を通じた総歩行量、もしくは1日を通じて1回以上立ち上がる能力、またはこれらの組み合わせが含まれ得る。いくつかの実施形態では、歩行速度、歩行能力、全体的な可動性、または立ち上がる能力は、以下のうちの少なくとも1つまたはこれらの組み合わせにより評価される:25フィート時間制限性歩行試験(T25FW)、タイムドアップアンドゴー(TUG)、2分間歩行テスト、6分間歩行テスト(6MTW)、および/または12項目多発性硬化症歩行尺度(MSWS-12)。いくつかの実施形態では、T25FW、TUG、2分間歩行、6MTW、および/またはMSWS-12は、プラセボ対照二重盲検臨床試験において評価されるようにプラセボと比較して有意に改善される。他の実施形態において、T25FW、TUG、2分間歩行、6MTW、および/またはMSWS-12は、対象において本明細書に記載されるように組成物の投与を開始する前と比較して有意に改善される。いくつかの実施形態では、低減歩行障害は、歩行障害の処置のための認可薬物の有効性を評価するため、およびこれを認可するためにFDAまたは他の規制機関によって使用されるかまたは受け入れられている数値尺度で測定される。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、本明細書に記載の評価スコアのうちの1つ以上における約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、または60%の改善をもたらす。
【0040】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、定常状態血漿濃度での投与後の少なくとも1時間、アマンタジン血漿濃度が増加しない。
【0041】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、定常状態血漿濃度での投与後の少なくとも2時間、アマンタジン血漿濃度が増加しない。
【0042】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ヒト対象への経口組成物の定常状態アマンタジン血漿濃度での投与は、アマンタジン血漿濃度をかかる投与の1、2、2.5または3時間後に5%、10%、15%、20%または25%未満増加させる。例えば、ヒト対象への組成物の定常状態アマンタジン血漿濃度での投与は、アマンタジン血漿濃度をかかる投与の1、2、2.5または3時間後に5%未満;またはかかる投与の1、2、2.5または3時間後に10%未満;またはかかる投与の1、2、2.5または3時間後に15%未満;またはかかる投与の1、2、2.5または3時間後に20%未満;またはかかる投与の1、2、2.5または3時間後に25%未満増加させる。
【0043】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、アマンタジンは、11~19時間の単一用量Tmaxを有する。より具体的な実施形態では、アマンタジンは、投与後の11~18時間の単一用量Tmaxを有する。いくつかの実施形態では、アマンタジンのTmaxは、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象への投与後の11、12、13、14時間~15、16、17、18、19時間である。
【0044】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、アマンタジンは、7~16時間の定常状態Tmaxを有する。ある種の実施形態では、アマンタジンは、投与後の7~14時間の定常状態Tmaxを有する。他の実施形態では、アマンタジンは、投与後の8~12時間の定常状態Tmaxを有する。いくつかの実施形態では、定常状態Tmaxは、健常な対象における複数用量、絶食時のヒト薬物動態研究から得られた中央値である。
【0045】
本明細書に記載されている態様のいずれかのいくつかの実施形態では、生物学的利用率から判定されるように、同程度の用量での同じ原薬の即放性経口製剤と比較して少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%のアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩が、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の対象に投与した際に本発明の組成物から放出される。
【0046】
本明細書に記載されている態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本開示の組成物についてアマンタジンのAUCinfは、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の対象への組成物の投与により判定されるように、組成物の薬物1mgにつき40、41、42、43、44または45~64、66、68、70または72ng*hr/mlである。いくつかの実施形態では、組成物は、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の対象への組成物の投与により判定されるように、組成物の薬物1mgにつき42~72ng*hr/mlのAUCinfを有する。ある種の実施形態では、組成物は、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の対象への組成物の投与により判定されるように、組成物の薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのAUCinfを有する。
【0047】
本明細書中に記載のいくつかの実施形態では、本開示の組成物についてアマンタジンのpAUC0-6は、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の対象への組成物の投与により判定されるように、組成物の薬物1mgにつき1.0ng*hr/ml以下である。好ましくは、本発明の組成物についてアマンタジンのpAUC0-6は、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の対象への組成物の投与により判定されるように、組成物の薬物1mgにつき0.1、0.2、0.3、0.4または0.5~0.6、0.7、0.8、0.9または1.0ng*hr/mlである。より好ましくは、本発明の組成物についてアマンタジンのpAUC0-6は、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の対象への組成物の投与により判定されるように、組成物の薬物1mgにつき0.3~0.9ng*hr/mlである。
【0048】
本明細書中に記載のいくつかの実施形態では、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の対象への組成物の投与により判定されるように、本開示の組成物についてアマンタジンのpAUC0-8は、組成物の薬物1mgにつき2.0ng*hr/ml以下である。好ましくは、本発明の組成物についてアマンタジンのpAUC0-8は、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の対象への組成物の投与により判定されるように、組成物の薬物1mgにつき1.0、1.1、1.2、1.3または1.4~1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3または2.4ng*hr/mlである。より好ましくは、本発明の組成物についてアマンタジンのpAUC0-8は、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の対象への組成物の投与により判定されるように、組成物の薬物1mgにつき1.0~2.0ng*hr/mlである。
【0049】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ヒト対象への本発明の組成物の夜間に1回の経口投与は、投与の3時間後での25%未満のアマンタジン濃度の増加を特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供する。より具体的な実施形態では、定常状態血漿濃度プロファイルは、投与の4時間後での25%未満のアマンタジン濃度の増加を特徴とする。
【0050】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、1日1回投与され、定常状態でのCminに対するCmaxの比は、1.3~1.8、またはより具体的には1.4~1.7、またはより具体的には約1.6である。
【0051】
本明細書における態様のいずれかの実施形態では、本発明の組成物の就寝時刻でのヒト対象への複数回投与後の定常状態血漿濃度プロフィールは、日中の平均血漿濃度(「C-ave-日中」、ヒトPK研究で測定されるような日中平均アマンタジン血漿濃度として定義)が夜間の平均血漿濃度(「C-ave-夜」、ヒトPK研究で測定されるような夜間平均アマンタジン血漿濃度として定義)の1.2~1.7倍であることを特徴とする。より具体的な実施形態では、C-ave-日中は、午前5時、午前6時、午前7時、午前8時または午前9時~午後4時、午後5時、午後6時、午後7時または午後8時の間、例えば、午前6時~午後4時、午前6時~午後4時、午前7時~午後6時、または午前7時~午後5時の間で測定される平均アマンタジン血漿濃度である。C-ave-夜は、午後4時、午後5時、午後6時、午後7時、午後8時、午後9時、午後10時または午後11時~午前5時、午前6時、午前7時、午前8時または午前9時の間、例えば、午後8時~午前5時、午後10時~午前6時、午後7時~午前6時、または午後8時~午前6時の間で測定される平均アマンタジン血漿濃度である。
【0052】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、アマンタジンは、薬学的に許容される塩、好ましくは塩酸アマンタジンとして投与される。
【0053】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ヒト対象への本発明の組成物の単一用量の投与は、以下を特徴とする血漿濃度プロファイルを提供する:AUC0-infの1%未満、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.3%未満、最も好ましくは0.2%未満である0~4時間の部分的AUC;AUC0-infの4.5%以下、好ましくは1.0%~4.0%、より好ましくは1.5%~3.75%、最も好ましくは1.75%~3.5%である0~8時間の部分的AUC;AUC0-infの約5%~15%、好ましくは約7.0%~12.0%である0~12時間の部分的AUC;AUC0-infの約20%~35%、好ましくは約22.5%~27.5%である0~18時間の部分的AUC;およびAUC0-infの約34%~48%、好ましくは約36%~44%である0~24時間の部分的AUC。いくつかの実施形態では、対象は、単一用量での絶食状態でのヒト薬物動態研究における対象である。いくつかの実施形態では、単一用量での絶食状態のヒト薬物動態研究は、一晩の絶食後の朝に投薬される。
【0054】
本明細書に記載されている態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物形態のアマンタジンの夜間に1回の用量は、68.5mg~500mgの範囲または相当する範囲のその薬学的に許容される塩であり得る。好ましくは、アマンタジンの用量は、50mg~500mg、60mg~400mg、60mg~300mg、137mg~403mgまたは当量のその薬学的に許容される塩である。より好ましくは、アマンタジンの用量は、68.5mg~274mgもしくは137mg~274mgまたは当量のその薬学的に許容される塩である。あるいは、塩酸アマンタジンの用量は、60mg~340mgまたは170mg~340mgである。他の実施形態では、アマンタジンの夜間に1回の用量は、340mg/日または当量のその薬学的に許容される塩を超え、例えば、アマンタジンの用量は、340~500mg/日、より具体的には410~480mg/日、または当量のその薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩(例えば塩酸アマンタジン)の夜間に1回の用量は、340mg/日を超え、例えば、薬学的に許容される塩の用量は、340~500mg/日、より具体的には410~480mg/日である。様々な特定の実施形態では、アマンタジンの1日量は、50~75mg、70~95mg、90~115mg、110~135mg、130~155mg、150~175mg、170~195mg、190~215mg、210~235mg、230~255mg、250~275mg、270~295mg、290~305mg、300~315mg、310~325mg、320~335mg、330~345mg、340~355mg、350~365mg、360~375mg、370~385mg、380~395mg、390~405mg、400~415mg、410~425mg、420~435mg、430~445mgもしくは440~455mg、または当量のその薬学的に許容される塩であり得る。更に他の実施形態では、アマンタジンの1日1回用量は、約68.5mg、約137mg、約205.5mgもしくは約274mgまたは当量のその薬学的に許容される塩である。ある種の実施形態では、1日1回用量は、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、もしくは約245mg~約305mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、1日1回用量は、約85mg、約170mg、約255mgまたは約340mgの塩酸アマンタジンである。ある種の実施形態では、1日1回用量は、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、または約305~約375mgの塩酸アマンタジンである。
【0055】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、50mg~500mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。より具体的には、本発明の組成物は、100mg~450mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含み得る。更により詳しくは、本発明の組成物は、130mg~210mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含み得る。様々な特定の実施形態では、本発明の組成物を含有する剤形は、50~75mg、70~95mg、90~115mg、110~135mg、130~155mg、150~175mg、170~195mg、190~215mg、210~235mg、230~255mg、250~275mg、270~295mg、290~305mg、300~315mg、310~325mg、320~335mg、330~345mg、340~355mg、もしくは350~365mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩の夜間に1回の用量は、本明細書に記載の組成物形態の340mgである。更に他の実施形態では、本発明の組成物の剤形は、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、約245mg~約305mg、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、もしくは約274mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩を含む。ある種の実施形態では、本発明の組成物の剤形は、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、約305~約375mg、約85mg、約170mg、約255mg、または約340mgの塩酸アマンタジンを含む。
【0056】
本明細書に記載されている態様のいずれかのいくつかの実施形態では、夜間に1回の経口組成物は、不等にまたは好ましくは均等に分割された単位の1、2、3、または4単位剤形として投与される。いくつかのより具体的な実施形態では、本発明の組成物は、各々が68.5~175mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む、2または3単位剤形として投与される。ある種の実施形態では、本発明の組成物は、各々が約60mg~約175mg、または約60mg~約155mg、または約60mg~約80mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩を含む、2または3単位剤形として投与される。
【0057】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、各々が68.5~250mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む、不等なまたは好ましくは等しい用量の2または3単位剤形として投与される。いくつかのより具体的な実施形態では、本発明の組成物は、各々が150~180mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む、2単位剤形として投与される。更に他の実施形態では、本発明の組成物は、各々が150~180mgのアマンタジンの薬学的に許容される塩を含む、2単位剤形として投与される。
【0058】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、絶食状態のヒト健常ボランティア対象のコホートへの本発明の組成物の単一用量の経口投与は、アマンタジン1mgまたはその薬学的に許容される塩につき1.1~2.3ng/mlのアマンタジンの平均最高血漿濃度(Cmax)を提供する。より具体的な実施形態では、絶食状態のヒト対象のコホートへの本発明の組成物の単一用量の経口投与は、アマンタジン1mgまたはその薬学的に許容される塩につき1.2~2.0ng/mlのアマンタジンの平均最高血漿濃度(Cmax)およびアマンタジン1mgまたはその薬学的に許容される塩につき42~72ng*h/mLのアマンタジンのAUC0-inf(t=0からt=無限大までの濃度曲線曲線下の面積)を提供する。
【0059】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ヒト対象のコホートへの1回用量の本発明の組成物の毎日の経口投与は、以下のうちの少なくとも1つを特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供する:(i)アマンタジン1mgまたはその薬学的に許容される塩につき2.2~3.6ng/mlのアマンタジンの平均Cmax、(ii)アマンタジン1mgまたはその薬学的に許容される塩につき1.4~2.0ng/mlのアマンタジンの平均Cmin、および(iii)アマンタジン1mgまたはその薬学的に許容される塩につき46~72ng*h/mLの平均AUC0-24。より具体的な例では、(i)、(ii)および(iii)の3つ全ての基準が満たされる。
【0060】
より具体的な実施形態では、定常状態血漿濃度プロファイルは、以下を更に特徴とする:(iv)投与後少なくとも1時間、アマンタジンの濃度が増加しない;および(v)1.4~2.0のCmax/Cmin比。より具体的な実施形態では、(iv)および(v)の両方の基準が満たされる。
【0061】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、以下のうちの少なくとも1つを示すアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩のインビトロ溶解プロファイルを有する:溶解溶媒としての37.0±0.5℃の500mlの水と共にUSP装置II(パドル)を使用して50rpmでの(i)2時間での10%以下の溶解、(ii)4時間での5%~13%の溶解、(iii)6時間での20%~43%の溶解、(iv)8時間での50%~70%の溶解、および(v)12時間での少なくとも80%の溶解。より具体的な実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)のうちの2つが満たされる。より具体的な実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)のうちの3つが満たされる。より具体的な実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)のうちの4つが満たされる。更により具体的な実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、および(iv)の5つ全てが満たされる。いくつかの実施形態では、基準(i)、(iii)、(iv)、および(v)が満たされる。
【0062】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、以下のうちの少なくとも1つを示すアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩のインビトロ溶解プロファイルを有する:溶解溶媒としての37.0±0.5℃の500mlの水と共にUSP装置II(パドル)を使用して50rpmでの(i)2時間での9%以下の溶解、(ii)4時間での3%~14%の溶解、(iii)6時間での20%~43%の溶解、(iv)8時間での45%~70%の溶解、および(v)12時間での少なくとも82%の溶解。より具体的な実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)のうちの2つが満たされる。より具体的な実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)のうちの3つが満たされる。ある種の実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)のうちの4つが満たされる。更により具体的な実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、および(iv)の5つ全てが満たされる。いくつかの実施形態では、基準(i)、(iii)、(iv)、および(v)が満たされる。別の態様では、本開示は、複数のコーティングされたコアシードおよびカプセル殻を含む経口医薬組成物を提供し、ここで、当該コーティングされたコアシードは、カプセル殻内にカプセル化されており、当該コーティングされたコアシードは、不活性材料を含むコアシード;アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および結合剤を含む薬物コーティング;ならびに当該薬物コーティングを囲む徐放性コーティングを含み、当該薬物コーティングは、エチルセルロース、細孔形成剤、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポビドン、および可塑剤を含む。この態様のいくつかの実施形態では、アマンタジンおよび結合剤の薬物コーティングは、有機溶媒を使用することなく調製され、コアシードに適用される。
【0063】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の態様の方法に使用するための経口医薬組成物を提供し、ここで当該組成物は、経口投与用であり、経口投与用のカプセルを含み、当該カプセルは、以下を含む複数のコーティングされたコアシードを含む:(a)コアシード、(b)当該コアシードを囲む薬物コーティングであって、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬物コーティング、および(c)当該薬物コーティングを囲む徐放性コーティング。この態様のいくつかの実施形態では、薬物コーティングは、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および1つ以上の結合剤を含み、薬物コーティングは、有機溶媒を使用することなく調製され、コアシードに適用される。
【0064】
いくつかの実施形態では、徐放性コーティングは、エチルセルロースならびにポビドンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースのうちの少なくとも1つ、ならびに可塑剤を含む。より具体的な実施形態では、徐放性コーティングは、エチルセルロース、ポビドンおよび可塑剤を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、薬物コーティングは、アマンタジンおよび結合剤を含み、コアシードを囲む。いくつかの実施形態では、コアシードは、粒状糖(ノンパレイル)または微結晶性セルロースシード(例えばCelphere(登録商標))である。より具体的な実施形態では、コアシードは、微結晶性セルロースコアである。別の具体的な実施形態では、コアシードは、100ミクロン~1,000ミクロンの範囲の直径を有する。更なる具体的な実施形態では、コアシードは、100、200、300、400、500、600または700ミクロンの直径を有する。更なる具体的な実施形態では、本発明の組成物のコアシードの90%以上は、100~200ミクロン、150~250ミクロン、200~300ミクロン、250~350ミクロン、300~400ミクロン、350~450ミクロン、400~500ミクロン、500~600ミクロン、550~650ミクロン、600~700ミクロンの直径を有する。いくつかの実施形態では、コアシードは、500ミクロン未満の直径を有する。
【0066】
いくつかの実施形態では、コアシード、薬物コーティング、および徐放性コーティングの総合重量に基づいて、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩は、20~80重量%の量で存在し、0.3~1.2g/cm3の嵩密度を有する。
【0067】
いくつかの実施形態では、コアシード、薬物コーティング、および徐放性コーティングの総合重量に基づいて、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩は、40~60重量%の量で存在し、0.5~1.2g/cm3の嵩密度を有する。
【0068】
いくつかの実施形態では、コアシード、薬物コーティング、および徐放性コーティングの総合重量に基づいて、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩は、60~80重量%の量で存在し、0.5~1.2g/cm3の嵩密度を有する。
【0069】
いくつかの実施形態では、コアシード、薬物コーティング、および徐放性コーティングの総合重量に基づいて、結合剤は8~25重量%の量で存在する。
【0070】
いくつかの実施形態では、コアシード、薬物コーティング、および徐放性コーティングの総合重量に基づいて、コアシードは、8~25重量%の量で存在する。
【0071】
いくつかの実施形態では、コアシード、薬物コーティング、および徐放性コーティングの総合重量に基づいて、エチルセルロースは10~24重量%の量で存在する。
【0072】
いくつかの実施形態では、コアシード、薬物コーティング、および徐放性コーティングの総合重量に基づいて、ポビドンは1~4重量%の量で存在する。
【0073】
いくつかの実施形態では、コアシード、薬物コーティング、および徐放性コーティングの総合重量に基づいて、可塑剤は1~4重量%の量で存在する。
【0074】
いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、200ミクロン~1700ミクロンの範囲の平均直径を有する。更なる具体的な実施形態では、コーティングされたコアシードは、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,300、または1,500ミクロンの平均直径を有する。更なる実施形態では、コーティングされたコアシードは、200、300、400、500、600、700、800、900ミクロン~400、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,300、1,400または1,500ミクロンの範囲の平均直径を有する。ある種の具体的な実施形態では、コーティングされたコアシードは、1000ミクロン未満(例えば、500~1000ミクロン)の平均直径を有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、薬物コーティングを囲む封止コーティングを更に含み、ここで、徐放性コーティングは封止コーティングを囲む。いくつかの実施形態では、不活性コーティングは、薬物コーティングの前に不活性コアシードに、または薬物コーティングされたコアシードに、または徐放性コーティングされたコアシードに適用され得る。別の実施形態では、腸溶コーティングは、薬物コーティングされたコアシードまたは徐放性コーティングされたコアシードに適用され得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、薬物コーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コポビドンおよびこれらの混合物からなる群から選択される結合剤を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、通常および/またはELフォーマットのサイズ3、サイズ2、サイズ1、サイズ0または00号のカプセルで提供される。
【0078】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物の治療上有効な1日量は、2つ以下のカプセルで投与される。別の実施形態では、本発明の組成物の治療上有効な1日量は、3つ以下のサイズ1のカプセルで投与される。別の実施形態では、本発明の組成物の治療上有効な1日量は、2つ以下のサイズ0のカプセルで投与される。更なる他の実施形態では、本発明の組成物の治療上有効な1日量は、2つ以下のサイズ1のカプセルで投与される。別の実施形態では、本発明の組成物の治療上有効な2日量は、3つ以下のサイズ1のカプセルで投与される。
【0079】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、サイズ2カプセル中の50~110mgの量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩で、またはサイズ1カプセル中の110mg~210mgの量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩で提供される。更なる実施形態では、本明細書に記載される組成物は、40~80%の重量%のアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含有し、0.5~1.2g/cm3の嵩密度を有する300~1000ミクロンの直径のコーティングされたコアシードを含む。ある種の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、以下のうちの少なくとも1つを示すアマンタジンのインビトロ溶解プロファイルを有する:溶解溶媒としての37.0±0.5℃の500mlの水と共にUSP装置II(パドル)を使用して50rpmでの(i)2時間での10%以下の溶解、(ii)4時間での5%~13%の溶解、(iii)6時間での20%~43%の溶解、(iv)8時間での45%~70%の溶解、および(v)12時間での少なくとも82%の溶解。より具体的な実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)のうちの2つが満たされる。いくつかの実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)のうちの3つが満たされる。より具体的な実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)のうちの4つが満たされる。更により具体的な実施形態では、基準(i)、(ii)、(iii)、(iv)、および(v)の5つ全てが満たされる。ある種の実施形態では、基準(i)、(iii)、(iv)、および(v)が満たされる。
【0080】
いくつかの実施形態では、可塑剤は、中鎖トリグリセリド、フタル酸ジエチル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、およびヒマシ油からなる群から選択される。ある種の実施形態では、可塑剤は、中鎖トリグリセリド(例えば、Miglyol 812N)である。
【0081】
他の実施形態では、本開示は、パーキンソン病および/またはLIDを処置する必要があるヒト対象のパーキンソン病および/またはLIDを処置する方法であって、本明細書における態様のいずれかの組成物を経口投与することを含む、方法、を提供する。ある種の実施形態では、本開示は、疾患を処置する必要があるヒト対象の疾患を処置する方法であって、本明細書における態様のいずれかの組成物を夜間に1回経口投与すること、1、2または3剤形を投与することを含む方法を提供する。
【0082】
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩をその必要がある対象に投与することへの言及は、NMDA拮抗薬によって処置、防止、または治療され得る医原性病態(例えば、LID)を含む疾患または状態を有する対象を処置することを含む。より具体的には、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩をその必要がある対象に投与することは、パーキンソン病、脳損傷、頭部外傷、認知症、アルツハイマー病、脳卒中、ハンチントン病、ALS、多発性硬化症、神経変性疾患、痴呆、脳血管病態、運動障害、脳神経障害、神経精神障害、および他のCNS障害と診断された対象を処置することを含む。
【0083】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象におけるCGIを改善する方法であって、260~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を夜間に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に投与することを含む、方法、を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、260~340mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、260mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、340mgのアマンタジンの薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、CGIの変化は、プラセボ対照二重盲検臨床試験で測定される。また、パーキンソン病を有する対象におけるCGIを改善することであって、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に夜間に1回投与することを含む、改善すること、に使用するための、本明細書に記載されるような経口医薬組成物も提供される。
【0084】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、CNS障害を有する対象における、(A)煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの増加;および(B)オフタイムの低減;および(C)CGIの改善からなる群から選択される結果のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2をもたらす方法であって、260~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を夜間に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、260~340mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、260mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、340mgのアマンタジンの薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、ジスキネジアを伴わないオンタイム、オフタイム、および/またはCGIの変化は、PDホームダイアリーを使用したプラセボ対照二重盲検臨床試験において測定される。いくつかの実施形態では、CGIは、治験担当医師により回答される質問によって測定される。CNS障害を有する対象における、夜間に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に投与することを含む、(A)煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの増加;(B)オフタイムの低減;および(C)CGIの改善からなる群から選択される結果のうちの少なくとも1つまたは少なくとも2つに使用するための、本明細書に記載されるような経口医薬組成物も提供される。
【0085】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、CNS障害を有する対象における、(A)煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの増加;および(B)オフタイムの低減;および(C)CGIの改善からなる群から選択される結果のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2をもたらす方法であって、260~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日1回、当該対象に投与することを含む方法を提供する。また、かかる方法において使用するための経口医薬組成物も本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、260~340mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、260mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、340mgのアマンタジンの薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、ジスキネジアを伴わないオンタイム、オフタイム、および/またはCGIの変化は、PDホームダイアリーを使用したプラセボ対照二重盲検臨床試験において測定される。いくつかの実施形態では、CGIは、治験担当医師により回答される質問によって測定される。いくつかのかかる方法において、C-ave-日中は、C-ave-夜の1.2~1.7倍であり、当該方法のいくつかの実施形態では、C-ave-日中は午前8~午後8の間に判定され、C-ave-夜は午後8時~午前8の間に判定される。本発明の方法のある種の実施形態では、C-ave-日中は午前5~午後4の間に判定され、C-ave-夜は午後8時~午前5の間に判定される。いくつかのかかる方法において、絶食状態のヒト健常ボランティア対象のコホートへの本発明の組成物の単一用量の投与は、アマンタジン1mgもしくはその薬学的に許容される塩につき1.1~2.0ng/mlの平均最高血漿濃度(Cmax)またはアマンタジン1mgもしくはその薬学的に許容される塩につき44~72ng*h/mLのAUC0-inf(t=0からt=無限大までの濃度曲線曲線下の面積)またはその両方を提供する。いくつかのかかる方法において、ヒト対象のコホートへの1回用量の組成物の毎日の経口投与は、(i)アマンタジン1mgまたはその薬学的に許容される塩につき2.4~3.1ng/mlの平均Cmax、(ii)アマンタジン1mgまたはその薬学的に許容される塩につき1.4~2.1ng/mlの平均Cmin、および(iii)アマンタジン1mgまたはその薬学的に許容される塩につき44~72ng*h/mLの平均AUC0-24のうちの少なくとも1つを特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供し、より具体的な方法では、(i)、(ii)および(iii)のうちの全ての3つの基準が満たされる。
【0086】
PDホームダイアリーは、Hauser,et al.,“A Home Diary
to Assess Functional Status in Patients
with Parkinson’s Disease with Motor Fluctuations and Dyskinesia”,Clin.Neuropharmacol.,23(3),pp.75-81(2000)において記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。本明細書で使用する場合、用語「オンタイム」および「オフタイム」は、Hauserらによって記載された意味を有する。(同上)。要約すると、オンタイムは、パーキンソン病の薬物療法が可動性、緩慢さ、および硬直に関して利益を提供している期間であり、オフタイムは、パーキンソン病の薬物療法の効果が徐々に弱まり、可動性、緩慢さ、および硬直に関してもはや利益を提供していない期間である。(同上)。これらの時間の尺度は、主にジスキネジアの重症度または強度の変化を評価する、LIDの低減を測定するために使用される尺度とは異なる。したがって、これらの尺度は、全ての4つの運動状態に関する所与の処置の日中および夜間を通じた利益を捉える。いくつかの実施形態では、製品プロファイルは、この尺度全体の利益を含む。
【0087】
ジスキネジアは、不随意のねじれ、回転運動である。(同上)。これらの運動は、薬物(すなわち、レボドパ)の効果であり、オンタイムの間に発生する。(同上)。ジスキネジアは、前後に揺れることである振戦(基礎疾患であるパーキンソン病の症状)とは異なる。煩わしいジスキネジアは、機能に少なくともいくらかの障害を引き起こすジスキネジアである。(同上)。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【
図1】実施例1および2に記載の2つの製剤の溶解プロファイルを示す。
【
図2】実施例4に記載の単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究における実施例1および2の2つの製剤の投与後の経時的な平均濃度を示す。
【
図3】実施例4に記載の単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究における実施例1および2の2つの製剤の投与後の経時的な平均濃度を示す。
【
図4】中間乾燥なしのペレットの薬物コーティングの間の種々の時点でのイソプロパノール含量を示す概略図である(バッチ166)。
【
図5】中間乾燥ステップを使用したペレットの薬物コーティングの間の種々の時点でのイソプロパノール含量を示す概略図である(バッチ167)。
【
図6】薬物コーティングされたペレットのイソプロパノール含量に対する中間乾燥の効果を示すグラフである。
【
図7】薬物コーティングされたペレットのイソプロパノール含量に対する異なる乾燥条件の効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0089】
経口投与のために製剤化された医薬組成物には、例えば、錠剤、カプセル、またはカプセル内の複数のペレットが含まれ得る。これらの製剤は、ペレットを含有する組成物の場合の薬物コーティングなどの1つ以上のコーティングを含み得る。医薬組成物の調製において、混合物を作製するために1つ以上の成分(例えば、活性薬物)を溶媒(例えば、有機溶媒)中に溶解するかまたは分散させ、プロセスのうちの1つ以上のステップで混合物を使用し、次いで、当該溶媒の少なくとも一部を除去して目的の製品を製造することは一般的である。固形製剤、例えばカプセル内のペレットの調製において、溶媒の全てまたはほぼ全てが、例えば、熱および/または気体流を適用することによって除去される。したがって、一部の医薬製剤は、たとえあるとしても非常に低い残留溶媒含量を有する。
【0090】
本明細書で記載される通り、例えば、パーキンソン病の症状の処置における組成物アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の投与は、口渇、食思不振、悪心、嘔吐、または下痢などの胃腸副作用を引き起こし得る。本発明者らは、驚くべきことに、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口組成物のある種の製剤の調製において、ある種の工程における有機溶媒の使用が、最終医薬組成物中の残留有機溶媒含量をもたらすこと、および当該有機溶媒を除去する追加の試み(例えば、乾燥時間の増加)が、一貫して有機溶媒含量の低下をもたらさなかったことを発見した。しかしながら、ある種の工程において(しかし、必ずしも全ての工程でない)、有機溶媒を水と置換することによって、より低い残留有機溶媒含量を有する組成物が得られ得る。したがって、いくつかの実施形態では、有機溶媒は1つ以上のステップにおいて依然として使用されるが、得られる最終製剤は低い残留有機溶媒含量を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のステップにおいて、例えば、有機溶媒の一部を水と置換することによって有機溶媒の量が低減され、得られる最終製剤は、低い残留有機溶媒含量を有する。更に本発明者らは、驚くべきことに、胃腸副作用のより高い発生率が、より高い残留有機溶媒含量を有する組成物の投与と関連したことを発見した。したがって、本明細書において、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む、低い有機溶媒含量を有する経口医薬組成物が提供される。また本明細書において、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口医薬組成物を投与する方法も提供される。
【0091】
I.投与方法
本開示は、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を含む、公知のアマンタジン製剤と比較して胃腸有害事象の発生率が低減された組成物を1日1回経口投与する方法を提供する。本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象においてジスキネジアを伴わずにオンタイムを増加させる方法であって、260~420mgのアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)の当量および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に経口投与することを含む、方法、を提供する。ある種の実施形態では、パーキンソン病を有する対象においてジスキネジアを伴わずにオンタイムを増加させる方法であって、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、約274mg、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、もしくは約245mg~約305mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に経口投与することを含む、方法、が提供される。いくつかの実施形態では、経口組成物は、夜に投与される。いくつかのかかる方法では、ジスキネジアを伴わないオンタイムの変化は、PD Home Diaryを使用したプラセボ対照二重盲検臨床試験で測定される。いくつかのかかる方法では、アマンタジンは塩酸アマンタジンとして提供され、用量は300~360mg/日、特に330~350mg/日、および特に340mg/日である。いくつかの実施形態では、この1日1回用量は、(パーキンソン病を有する対象の無作為化プラセボ対照二重盲検試験により測定されるように)プラセボと比較して睡眠に関連した有害事象を低減するかまたは睡眠に関連した有害事象の増加もたらさない処置も提供する。
【0092】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象においてジスキネジアを伴うオンタイムを低減する方法であって、260~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に経口投与することを含む方法を提供する。本明細書に記載のある種の実施形態では、パーキンソン病を有する対象においてジスキネジアを伴うオンタイムを低減する方法であって、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、約274mg、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、もしくは約245mg~約305mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に経口投与することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、経口組成物は、夜間に1回投与される。いくつかのかかる方法において、ジスキネジアを伴うオンタイムの変化は、PD Home Diaryを使用したプラセボ対照二重盲検臨床試験で測定される。いくつかのかかる方法において、アマンタジンの薬学的に許容される塩の用量は、300~360mg/日、特に330~350mg/日、および特に340mg/日である。
【0093】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴うオンタイムを低減する方法であって、260~420mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に経口投与することを含む、方法、を提供する。本明細書に記載のある種の実施形態では、パーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴うオンタイムを低減する方法であって、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、約274mg、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、もしくは約245mg~約305mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に経口投与することを含む、方法、が提供される。いくつかのかかる方法において、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの変化は、PD Home Diaryを使用したプラセボ対照二重盲検臨床試験で測定される。いくつかの実施形態では、組成物は、260~340mgの塩酸アマンタジンを含む。いくつかのかかる方法において、用量は、特に300~360mg/日、特に330~350mg/日、および340mg/日の塩酸アマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、経口組成物は、夜に投与される。
【0094】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象においてオフタイムを低減する方法であって、260~340mgの塩酸アマンタジンおよび少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に経口投与することを含む、方法、を提供する。本明細書に記載のある種の実施形態では、パーキンソン病を有する対象においてオフタイムを低減する方法であって、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、約274mg、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、もしくは約245mg~約305mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に経口投与することを含む、方法が、提供される。いくつかのかかる方法において、オフタイムの変化は、PD Home Diaryを使用したプラセボ対照二重盲検臨床試験で測定される。いくつかのかかる方法において、塩酸アマンタジンの用量は、300~360mg/日、特に330~350mg/日、および特に340mg/日である。いくつかの実施形態では、組成物は、夜に投与される。
【0095】
いくつかの実施形態では、パーキンソン病を有する対象においてオフタイムを低減する方法であって、当該対象がパーキンソン病の薬物療法により処置されており、本明細書に記載されるように経口医薬組成物を当該対象に投与することを含む、方法、が本明細書において提供される。また、パーキンソン病を有する対象においてオフタイムの低減に使用するための経口医薬組成物であって、当該対象がパーキンソン病の薬物療法により処置されている経口医薬組成物、も本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、パーキンソン病の薬物療法は、レボドパである。いくつかの実施形態では、パーキンソン病の薬物療法は、レボドパを含む。例えば、いくつかの実施形態では、パーキンソン病の薬物療法は、カルビドパと組み合わされたレボドパを含む。ある種の実施形態では、パーキンソン病の薬物療法は、カルビドパおよびエンタカポンと組み合わされたレボドパを含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、1日に1回、就寝時刻の0~3時間前に対象に投与される。本発明の方法および本明細書において提供されるような使用のための経口医薬組成物のいくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、50mg~500mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、100mg~450mgもしくは120~150mgもしくは260mg~305mgまたは137mgもしくは174mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、245mg~305mgのアマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、アマンタジンの薬学的に許容される塩を245mg~305mgのアマンタジンに相当する量で含む。他の実施形態では、経口医薬組成物は、120mg~150mgのアマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、アマンタジンの薬学的に許容される塩を120mg~150mgのアマンタジンに相当する量で含む。ある種の実施形態では、薬学的に許容される塩は、塩酸アマンタジンである。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、約274mgのアマンタジン、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、もしくは約245mg~約305mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約85mg、約170mg、約255mg、約340mg、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、または約305~約375mgの塩酸アマンタジンを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、オフタイムの1日の総時間は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または少なくとも70%低減される。いくつかの実施形態では、オフタイムの1日の総時間は、10%~70%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、20%~70%、20%~60%、20%~50%間の、20%~40%、20%~30%、30%~70%、30%~60%、30%~50%、または30%~40%低減される。いくつかの実施形態では、オフタイムの1日の総時間は、少なくとも0.25時間、0.5時間、少なくとも0.75時間、少なくとも1.0時間、少なくとも1.25時間、または少なくとも1.5時間低減される。
【0097】
ある種の実施形態では、少なくとも6週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも7週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも8週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも9週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも10週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも11週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、または少なくとも12週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、オフタイムの1日の総時間は、本明細書に記載される時間低減される。導入の用量調節期の間に対象がより低用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む第1の組成物を最初に投与される、ある種の実施形態では、少なくとも6週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも7週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも8週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも9週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも10週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも11週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、または少なくとも12週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、オフタイムの1日の総時間は、本明細書に記載される時間低減され、ここで、第2の経口医薬組成物は、より高用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を有する。いくつかの実施形態では、オフタイムは、プラセボ対照臨床試験において評価されるように、プラセボと比較して低減される。他の実施形態では、オフタイムは、経口医薬組成物の投与を開始する前の対象のオフタイムと比較して低減される。ある種の実施形態では、オフタイムは、第1の経口医薬組成物の投与を開始する前の対象のオフタイムと比較して低減され、ここで、対象は導入の用量調節期の間に第1の経口医薬組成物(より低用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含有する)を投与され、次いで、第2の経口医薬組成物(より高用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含有する)を投与される。
【0098】
いくつかの実施形態では、パーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴わずにオンタイムを増加させる方法であって、対象がパーキンソン病の薬物療法により処置されており、本明細書に記載されるように経口医薬組成物を対象に投与することを含む、方法、が本明細書において提供される。パーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴わずにオンタイムを増加させるのに使用するための経口医薬組成物であって、対象がパーキンソン病の薬物療法により処置されている経口医薬組成物、も本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、パーキンソン病の薬物療法は、レボドパである。いくつかの実施形態では、パーキンソン病の薬物療法は、レボドパを含む。例えば、いくつかの実施形態では、パーキンソン病の薬物療法は、カルビドパと組み合わされたレボドパを含む。ある種の実施形態では、パーキンソン病の薬物療法は、カルビドパおよびエンタカポンと組み合わされたレボドパを含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、1日に1回、就寝時刻の0~3時間前に対象に投与される。本発明の方法および本明細書において提供されるような使用のための経口医薬組成物のいくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、50mg~500mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、100mg~450mgもしくは120~150mgもしくは260mg~305mgまたは137mgもしくは174mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、245mg~305mgのアマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、アマンタジンの薬学的に許容される塩を245mg~305mgのアマンタジンに相当する量で含む。他の実施形態では、経口医薬組成物は、120mg~150mgのアマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、アマンタジンの薬学的に許容される塩を120mg~150mgのアマンタジンに相当する量で含む。ある種の実施形態では、薬学的に許容される塩は、塩酸アマンタジンである。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、約274mgのアマンタジン、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、もしくは約245mg~約305mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約85mg、約170mg、約255mg、約340mg、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、または約305~約375mgの塩酸アマンタジンを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの1日の総時間は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少または少なくとも70%増加する。いくつかの実施形態では、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの1日の総時間は、10%~70%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、20%~70%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~30%、30%~70%、30%~60%、30%~50%、または30%~40%増加する。いくつかの実施形態では、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの1日の総時間は、少なくとも0.25時間、0.5時間、少なくとも0.75時間、少なくとも1.0時間、少なくとも1.25時間、または少なくとも1.5時間増加する。
【0100】
ある種の実施形態では、少なくとも6週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも7週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも8週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも9週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも10週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも11週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、または少なくとも12週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの1日の総時間は、本明細書に記載される時間増加する。導入の用量調節期の間に対象がより低用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む第1の組成物を最初に投与される、ある種の実施形態では、少なくとも6週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも7週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも8週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも9週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも10週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも11週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、または少なくとも12週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの1日の総時間は、本明細書に記載される時間増加し、ここで、第2の経口医薬組成物は、より高用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を有する。いくつかの実施形態では、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムは、プラセボ対照臨床試験において評価されるように、プラセボと比較して増加する。他の実施形態では、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムは、経口医薬組成物の投与を開始する前の対象の煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムと比較して増加する。ある種の実施形態では、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムは、第1の経口医薬組成物の投与を開始する前の対象の煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムと比較して増加し、ここで、対象は導入の用量調節期の間に第1の経口医薬組成物(より低用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含有する)を投与され、次いで、第2の経口医薬組成物(より高用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含有する)を投与される。
【0101】
更に他の実施形態では、多発性硬化症を有する対象における運動減少障害を処置する方法であって、本明細書に記載されるように経口医薬組成物を対象に投与することを含む方法が本明細書において提供される。また、多発性硬化症を有する対象において運動減少障害を処置するのに使用するための経口医薬組成物も本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、1日に1回、就寝時刻の0~3時間前に対象に投与される。本発明の方法および本明細書において提供されるような使用のための経口医薬組成物のいくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、50mg~500mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、100mg~450mgもしくは120~150mgもしくは260mg~305mgまたは137mgもしくは174mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、245mg~305mgのアマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、アマンタジンの薬学的に許容される塩を245mg~305mgのアマンタジンに相当する量で含む。他の実施形態では、経口医薬組成物は、120mg~150mgのアマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、アマンタジンの薬学的に許容される塩を120mg~150mgのアマンタジンに相当する量で含む。ある種の実施形態では、薬学的に許容される塩は、塩酸アマンタジンである。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、約274mgのアマンタジン、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、もしくは約245mg~約305mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、徐放性経口組成物は、約85mg、約170mg、約255mg、約340mg、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、または約305~約375mgの塩酸アマンタジンを含む。
【0102】
多発性硬化症を有する対象における運動減少障害を処置する方法および多発性硬化症を有する対象における運動減少障害を処置するのに使用するための経口医薬組成物のある種の実施形態では、経口医薬組成物の投与を開始した後に、歩行速度が改善されるか、歩行能力が改善されるか、全体的な可動性が改善されるか、または立ち上がる能力が改善される。ある種の実施形態では、経口医薬組成物の投与を開始した後に、歩行速度が改善されるか、歩行能力が改善されるか、全体的な可動性が改善されるか、または立ち上がる能力が改善される、のうちの2つ以上または3つ以上またはそれぞれ。いくつかの実施形態では、多発性硬化症を有する対象への本明細書に記載されるような組成物の投与は、歩行速度、歩行能力、全体的な可動性、または立ち上がる能力のうちの1つ以上における5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、または60%の改善をもたらす。ある種の実施形態では、多発性硬化症を有する対象への本明細書に記載されるような組成物の投与は、歩行速度、歩行能力、全体的な可動性、または立ち上がる能力のうちの1つ以上における10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~30%、30%~60%、30%~50%、または30%~40%の改善をもたらす。全体的な可動性には、例えば、1日を通じた総歩行量、もしくは1日を通じて1回以上立ち上がる能力、またはこれらの組み合わせが含まれ得る。いくつかの実施形態では、歩行速度、歩行能力、全体的な可動性、または立ち上がる能力は、以下のうちの少なくとも1つまたはこれらの組み合わせにより評価される:25フィート時間制限性歩行試験(T25FW)、タイムドアップアンドゴー(TUG)、2分間歩行テスト、6分間歩行テスト(6MTW)、および/または12項目多発性硬化症歩行尺度(MSWS-12)。いくつかの実施形態では、T25FW、TUG、2分間歩行、6MTW、および/またはMSWS-12は、プラセボ対照臨床試験において評価されるようにプラセボと比較して有意に改善される。他の実施形態において、T25FW、TUG、2分間歩行、6MTW、および/またはMSWS-12は、対象において本明細書に記載されるように組成物の投与を開始する前と比較して有意に改善される。いくつかの実施形態では、低減歩行障害は、歩行障害の処置のための認可薬物の有効性を評価するため、およびこれを認可するためにFDAまたは他の規制機関によって使用されるかまたは受け入れられている数値尺度で測定される。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、本明細書に記載の評価スコア(例えば、T25FW、TUG、2分間歩行、6MTW、および/またはMSWS-12)のうちの1つ以上における約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、または60%の改善をもたらす。
【0103】
多発性硬化症を有する対象における運動減少障害を処置する方法および多発性硬化症を有する対象における運動減少障害を処置するのに使用するための経口医薬組成物のある種の実施形態では、少なくとも6週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも7週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも8週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも9週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも10週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも11週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、または少なくとも12週間、経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、本明細書に記載される量で歩行速度が改善されるか、歩行能力が改善されるか、全体的な可動性が改善されるか、または立ち上がる能力が改善される。導入の用量調節期の間に対象がより低用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む第1の組成物を最初に投与される、ある種の実施形態では、少なくとも6週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも7週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも8週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも9週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも10週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、少なくとも11週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、または少なくとも12週間、第2の経口医薬組成物を対象に1日1回投与した後、本明細書に記載される量で歩行速度が改善されるか、歩行能力が改善されるか、全体的な可動性が改善されるか、または立ち上がる能力が改善され、ここで、第2の経口医薬組成物は、より高用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を有する。いくつかの実施形態では、プラセボ対照臨床試験において評価されるように、プラセボと比較して歩行速度が改善されるか、歩行能力が改善されるか、全体的な可動性が改善されるか、または立ち上がる能力が改善される。他の実施形態では、経口医薬組成物の投与を開始する前の対象における同一の指標と比較して歩行速度が改善されるか、歩行能力が改善されるか、全体的な可動性が改善されるか、または立ち上がる能力が改善される。ある種の実施形態では、第1の経口医薬組成物の投与を開始する前の対象における同一の指標と比較して歩行速度が改善されるか、歩行能力が改善されるか、全体的な可動性が改善されるか、または立ち上がる能力が改善され、ここで、対象は導入の用量調節期の間に第1の経口医薬組成物(より低用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含有する)を投与され、次いで、第2の経口医薬組成物(より高用量のアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含有する)を投与される。
【0104】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴わず、睡眠障害を増加させることなくオンタイムを増加させる方法であって、260~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に経口投与することを含む、方法、を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、260~340mgの塩酸アマンタジンを含む。いくつかのかかる方法において、塩酸アマンタジンの用量は、300~360mg/日、特に330~350mg/日、および特に340mg/日である。いくつかの実施形態では、組成物は、夜に投与される。
【0105】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象において睡眠障害を増加させることなく臨床医の全般印象度を改善する方法であって、260~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に経口投与することを含む、方法、を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、260~340mgの塩酸アマンタジンを含む。いくつかのかかる方法において、塩酸アマンタジンの用量は、300~360mg/日、特に330~350mg/日、および特に340mg/日である。いくつかの実施形態では、組成物は、夜に投与される。
【0106】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象においてジスキネジアを伴わずにオンタイムを増加させる方法であって、260~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、当該対象に経口投与することを含む、方法、を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、260~340mgの塩酸アマンタジンを含む。いくつかのかかる方法では、ジスキネジアを伴わないオンタイムの変化は、PD Home Diaryを使用したプラセボ対照二重盲検臨床試験で測定される。いくつかのかかる方法において、塩酸アマンタジンの用量は、300~360mg/日、特に330~350mg/日、および特に340mg/日である。いくつかの実施形態では、組成物は、夜に投与される。いくつかのかかる方法において、C-ave-日中は、C-ave-夜の1.2~1.7倍であり、当該方法のいくつかの実施形態では、C-ave-日中は午前6時~午後4時の間に測定され、C-ave-夜は午後8時~午前5時の間に測定される。いくつかのかかる方法において、絶食状態のヒト健常ボランティア対象のコホートへの単一用量の組成物の投与は、アマンタジン1mgにつき1.1~2.0ng/mlの平均最高血漿濃度(Cmax)もしくはアマンタジン1mgにつき42~56ng*h/mLのAUC0-inf(t=0からt=無限大までの濃度曲線曲線下の面積)または両方ともを提供する。いくつかのかかる方法において、ヒト対象のコホートへの1回用量の組成物の毎日の経口投与は、(i)アマンタジン1mgにつき2.2~3.1ng/mlの平均Cmax、(ii)アマンタジン1mgにつき1.4~1.7ng/mlの平均Cmin、および(iii)アマンタジン1mgにつき43~72ng*h/mLの平均AUC0-24のうちの少なくとも1つを特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供し、より具体的な方法では、(i)、(ii)および(iii)のうちの全ての3つの基準が満たされる。
【0107】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象においてジスキネジアを伴うオンタイムを低減する方法であって、260~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、当該対象に経口投与することを含む、方法、を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、260~340mgの塩酸アマンタジンを含む。いくつかのかかる方法において、ジスキネジアを伴うオンタイムの変化は、PD Home Diaryを使用したプラセボ対照二重盲検臨床試験で測定される。いくつかのかかる方法において、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の用量は、300~360mg/日、特に330~350mg/日、および特に340mg/日である。いくつかの実施形態では、組成物は、夜に経口投与される。いくつかのかかる方法において、C-ave-日中は、C-ave-夜の1.2~1.7倍であり、当該方法のいくつかの実施形態では、C-ave-日中は午前8~午後4時の間に測定され、C-ave-夜は午後8時~午前5時の間に測定される。いくつかのかかる方法において、絶食状態のヒト健常ボランティア対象のコホートへの単一用量の組成物の投与は、アマンタジン1mgにつき1.1~2.0ng/mlの平均最高血漿濃度(Cmax)もしくはアマンタジン1mgにつき42~70ng*h/mLのAUC0-inf(t=0からt=無限大までの濃度曲線曲線下の面積)または両方ともを提供する。いくつかのかかる方法において、ヒト対象のコホートへの1回用量の組成物の毎日の経口投与は、(i)アマンタジン1mgにつき2.2~3.1ng/mlの平均Cmax、(ii)アマンタジン1mgにつき1.4~1.7ng/mlの平均Cmin、および(iii)アマンタジン1mgにつき43~70ng*h/mLの平均AUC0-24。のうちの少なくとも1つを特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供し、より具体的な方法では、(i)、(ii)および(iii)のうちの全ての3つの基準が満たされる。
【0108】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴うオンタイムを低減する方法であって、260~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、当該対象に経口投与することを含む、方法、を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、260~340mgの塩酸アマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、夜に経口投与される。いくつかのかかる方法において、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの変化は、PD
Home Diaryを使用したプラセボ対照二重盲検臨床試験で測定される。いくつかのかかる方法において、アマンタジンの薬学的に許容される塩の用量は、300~360mg/日、特に330~350mg/日、および特に340mg/日である。いくつかのかかる方法において、C-ave-日中は、C-ave-夜の1.2~1.7倍であり、当該方法のいくつかの実施形態では、C-ave-日中は午前8時~午後4時の間に測定され、C-ave-夜は午後8時~午前5時の間に測定される。いくつかのかかる方法において、絶食状態のヒト健常ボランティア対象のコホートへの単一用量の組成物の投与は、アマンタジン1mgにつき1.1~2.0ng/mlの平均最高血漿濃度(Cmax)もしくはアマンタジン1mgにつき42~70ng*h/mLのAUC0-inf(t=0からt=無限大までの濃度曲線曲線下の面積)または両方ともを提供する。いくつかのかかる方法において、ヒト対象のコホートへの1回用量の組成物の毎日の経口投与は、(i)アマンタジン1mgにつき2.2~3.0ng/mlの平均Cmax、(ii)アマンタジン1mgにつき1.4~1.7ng/mlの平均Cmin、および(iii)アマンタジン1mgにつき42~69ng*h/mLの平均AUC0-24のうちの少なくとも1つを特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供し、より具体的な方法では、(i)、(ii)および(iii)のうちの全ての3つの基準が満たされる。
【0109】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象においてオフタイムを低減する方法であって、260~340mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、当該対象に経口投与することを含む、方法、を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、260~340mgの塩酸アマンタジンを含む。いくつかのかかる方法において、オフタイムの変化は、PD Home Diaryを使用したプラセボ対照二重盲検臨床試験で測定される。いくつかのかかる方法において、アマンタジンの薬学的に許容される塩の用量は、300~360mg/日、特に330~350mg/日、および特に340mg/日である。いくつかのかかる方法において、C-ave-日中は、C-ave-夜の1.4~1.7倍であり、当該方法のいくつかの実施形態では、C-ave-日中は午前8時~午後8時の間に測定され、C-ave-夜は午後8時~午前8時の間に測定される。いくつかのかかる方法において、絶食状態のヒト健常ボランティア対象のコホートへの単一用量の組成物の投与は、アマンタジン1mgにつき1.1~1.7ng/mlの平均最高血漿濃度(Cmax)もしくはアマンタジン1mgにつき46~56ng*h/mLのAUC0-inf(t=0からt=無限大までの濃度曲線曲線下の面積)または両方ともを提供する。いくつかのかかる方法において、ヒト対象のコホートへの1回用量の組成物の毎日の経口投与は、(i)アマンタジン1mgにつき2.2~2.7ng/mlの平均Cmax、(ii)アマンタジン1mgにつき1.4~1.7ng/mlの平均Cmin、および(iii)アマンタジン1mgにつき46~56ng*h/mLの平均AUC0-24のうちの少なくとも1つを特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供し、より具体的な方法では、(i)、(ii)および(iii)のうちの全ての3つの基準が満たされる。
【0110】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴わず、睡眠障害を増加させることなくオンタイムを増加させる方法であって、260~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、当該対象に経口投与することを含む、方法、を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、260~340mgの塩酸アマンタジンを含む。いくつかのかかる方法において、塩酸アマンタジンなどのアマンタジンの薬学的に許容される塩の用量は、300~360mg/日、特に330~350mg/日、および特に340mg/日である。いくつかのかかる方法において、C-ave-日中は、C-ave-夜の1.2~1.7倍であり、当該方法のいくつかの実施形態では、C-ave-日中は午前8時~午後4時の間に測定され、C-ave-夜は午後8時~午前5時の間に測定される。いくつかのかかる方法において、絶食状態のヒト健常ボランティア対象のコホートへの単一用量の組成物の投与は、アマンタジン1mgにつき1.1~2.0ng/mlの平均最高血漿濃度(Cmax)もしくはアマンタジン1mgにつき42~69ng*h/mLのAUC0-inf(t=0からt=無限大までの濃度曲線曲線下の面積)または両方ともを提供する。いくつかのかかる方法において、ヒト対象のコホートへの1回用量の組成物の毎日の経口投与は、(i)アマンタジン1mgにつき2.2~3.1ng/mlの平均Cmax、(ii)アマンタジン1mgにつき1.4~1.7ng/mlの平均Cmin、および(iii)アマンタジン1mgにつき42~69ng*h/mLの平均AUC0-24のうちの少なくとも1つを特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供し、より具体的な方法では、(i)、(ii)および(iii)のうちの全ての3つの基準が満たされる。
【0111】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、パーキンソン病を有する対象において睡眠障害を増加させることなく臨床医の全般印象度を改善する方法であって、260~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸アマンタジン)および少なくとも1つの放出調節賦形剤を含む組成物を1日に1回、当該対象に経口投与することを含む、方法、を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、260~340mgの塩酸アマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかのかかる方法において、塩酸アマンタジンなどのアマンタジンの薬学的に許容される塩の用量は、300~360mg/日、特に330~350mg/日、および特に340mg/日である。いくつかのかかる方法において、C-ave-日中は、C-ave-夜の1.2~1.7倍であり、当該方法のいくつかの実施形態では、C-ave-日中は午前8時~午後4時の間に測定され、C-ave-夜は午後8時~午前5時の間に測定される。いくつかのかかる方法において、絶食状態のヒト健常ボランティア対象のコホートへの単一用量の組成物の投与は、アマンタジン1mgにつき1.1~2.0ng/mlの平均最高血漿濃度(Cmax)もしくはアマンタジン1mgにつき42~69ng*h/mLのAUC0-inf(t=0からt=無限大までの濃度曲線曲線下の面積)または両方ともを提供する。いくつかのかかる方法において、ヒト対象のコホートへの1回用量の組成物の毎日の経口投与は、(i)アマンタジン1mgにつき2.2~3.1ng/mlの平均Cmax、(ii)アマンタジン1mgにつき1.4~1.7ng/mlの平均Cmin、および(iii)アマンタジン1mgにつき42~69ng*h/mLの平均AUC0-24のうちの少なくとも1つを特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供し、より具体的な方法では、(i)、(ii)および(iii)のうちの全ての3つの基準が満たされる。
【0112】
また本開示は、アマンタジンによる処置を受けている対象において胃腸(GI)有害事象を低減する方法も提供する。当該方法は、GI有害事象の頻度(単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究で測定される)が19.5%未満、好ましくは17.5%未満、より好ましくは12.5%未満となるように、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む組成物をその必要がある対象に経口投与することを含む。いくつかの実施形態では、胃腸有害事象の低い発生率は、絶食状態での単一用量ヒト薬物動態研究のうちの、12%未満、10%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満の少なくとも1つの胃腸有害事象を経験している対象を含む。いくつかの実施形態では、胃腸影響は、腹部膨満、便秘、下痢、消化不良、歯肉痛、口唇乾燥、下腹部痛、悪心、胃不快感、歯痛、上腹部痛、および嘔吐からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、組成物は、6000ppm未満の有機溶媒を含む。ある種の実施形態では、組成物は、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、組成物は複数のコーティングされたコアシードを含み、ここで、各コーティングされたコアシードは薬物コーティングによって囲まれたコアシードを含み、複数のコーティングされたコアシードは、6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシドなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ビス(2-メトキシエチル)エーテル(ジグリム)、ジメトキシエタン(グリム)、1,4-ジオキサンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、リンアミド(例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HPMA)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、塩素化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、窒素含有溶媒(例えば、ピリジン、アセトニトリルなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコール(例えば、C1-C6アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、グリセロール))である。いくつかの実施形態では、2つ以上の溶媒の混合物が使用され得る。本明細書に記載されている有機溶媒の濃度のいくつかの実施形態では、提供される濃度は、2つ以上の有機溶媒の総量を指す。いくつかの実施形態では、アマンタジンの1日量は、170mg~340mgまたは当量のその薬学的に許容される塩であり、好ましくは、1日量は、170mg~340mgの塩酸アマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかのかかる方法において、C-ave-日中は、C-ave-夜の1.2~1.7倍であり、当該方法のいくつかの実施形態では、C-ave-日中は午前8時~午後4時の間に測定され、C-ave-夜は午後8時~午前5時の間に測定される。いくつかのかかる方法において、絶食状態のヒト健常ボランティア対象のコホートへの単一用量の組成物の投与は、アマンタジン1mgにつき1.1~2.0ng/mlの平均最高血漿濃度(Cmax)もしくはアマンタジン1mgにつき42~69ng*h/mLのAUC0-inf(t=0からt=無限大までの濃度曲線曲線下の面積)または両方ともを提供する。いくつかのかかる方法において、ヒト対象のコホートへの1回用量の組成物の毎日の経口投与は、(i)アマンタジン1mgにつき2.2~3.0ng/mlの平均Cmax、(ii)アマンタジン1mgにつき1.4~1.7ng/mlの平均Cmin、および(iii)アマンタジン1mgにつき42~69ng*h/mLの平均AUC0-24のうちの少なくとも1つを特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供し、より具体的な方法では、(i)、(ii)および(iii)のうちの全ての3つの基準が満たされる。
【0113】
本開示は、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩による処置を受けている対象において睡眠障害を低減する方法も提供する。当該方法は、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を、当該アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩が睡眠に干渉しないが、午前中に最大の利益を提供するようにその必要がある対象に経口投与することを含む。例えば、午前中は、午前5時、午前6時、午前7時、午前8時、または午前9時から午前11時、午前11時30分、午後12時、午後12時30分、または午後1時00分までを含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、パーキンソン病の症状の夜間適用範囲を提供する。夜間適用範囲は、対象が目を覚まし、眠りに戻ることを望む場合に利益を提供することを含み得る。いくつかのかかる方法において、C-ave-日中は、C-ave-夜の1.2~1.7倍であり、当該方法のいくつかの実施形態では、C-ave-日中は午前8時~午後4時の間に測定され、C-ave-夜は午後8時~午前5時の間に測定される。いくつかのかかる方法において、絶食状態のヒト健常ボランティア対象のコホートへの単一用量の組成物の投与は、アマンタジン1mgにつき1.1~2.0ng/mlの平均最高血漿濃度(Cmax)もしくはアマンタジン1mgにつき42~69ng*h/mLのAUC0-inf(t=0からt=無限大までの濃度曲線曲線下の面積)または両方ともを提供する。いくつかのかかる方法において、ヒト対象のコホートへの1回用量の組成物の毎日の経口投与は、(i)アマンタジン1mgにつき2.2~3.0ng/mlの平均Cmax、(ii)アマンタジン1mgにつき1.4~1.7ng/mlの平均Cmin、および(iii)アマンタジン1mgにつき42~69ng*h/mLの平均AUC0-24のうちの少なくとも1つを特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供し、より具体的な方法では、(i)、(ii)および(iii)のうちの全ての3つの基準が満たされる。
【0114】
いくつかの実施形態では、本明細書において提供される方法は、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む、夜間投与のために製剤化された徐放性(ER)組成物を対象に経口投与することを含む。組成物は、就寝時刻の3時間未満前、好ましくは就寝時刻の2時間半未満、2時間未満、1時間半未満、または1時間未満前であり得る。最も好ましくは、ER組成物は、就寝時刻(例えば、対象が眠ることを望む時間)の30分未満前に服用される。あるいは、組成物は、就寝時刻の約4時間未満前に投与される。
【0115】
本明細書中で使用する場合、「徐放性」には、「制御放出」、「調節放出」、「持続放出」、「時効性」、「遅延放出」が含まれ、上記の各々と遅延放出、即時放出、腸溶性などの組み合わせも含まれる。
【0116】
本明細書に含まれる方法は、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に経口投与することを含む。対象は、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩が処方される任意の疾患または障害例えば、パーキンソン病、多発性硬化症、薬剤誘発性の錐体外路系の反応、レボドパ誘発性ジスキネジア、およびウイルス疾患(例えば、インフルエンザ、HBV、およびHCV)と診断され得る。特定の実施形態では、対象は、パーキンソン病を有し、ここで、本明細書で使用する場合、パーキンソン病は、パーキンソニズムの診断も包含する。いくつかの実施形態では、対象は初期パーキンソン病を有し、本明細書に記載されるような医薬組成物が、単独療法として、またはレボドパを併用せずにモノアミンオキシダーゼB型(MAO-B)阻害剤と組み合わされて使用される。別の実施形態では、対象は後期パーキンソン病を有し、対象は、本明細書に記載されるような医薬組成物に加えてレボドパを服用する。別の実施形態では、対象は多発性硬化症を有し、本明細書に記載されるような医薬組成物を疲労処置のために使用する。他の実施形態では、対象は、脳損傷、脳損傷、頭部外傷、認知症、アルツハイマー病、脳卒中、ハンチントン病、ALS、多発性硬化症、神経変性疾患、痴呆、脳血管病態、運動障害、脳神経障害、神経精神障害を有する。
【0117】
本明細書において提供され、本明細書に記載の方法に使用するための経口医薬組成物は、対象の睡眠に干渉しない血漿濃度プロファイルを提供するために、夜間経口投与のために製剤化され得る。本開示の組成物は、定常状態条件で、1回用量の組成物の投与が、当該用量が投与された3時間後に25%未満のアマンタジン血漿濃度の増加をもたらすように、ヒト対象へ投与した際にアマンタジンの血漿濃度の段階的な初期増加をもたらし得る。例えば、1回用量の組成物は投与される時に対象のアマンタジンの定常状態血漿濃度が500ng/mlである場合、3時間後の対象のアマンタジン血漿濃度は、625ng/ml未満であり得る。好ましくは、本明細書に記載されるような経口医薬組成物の投与の3時間後のアマンタジン血漿濃度の増加は、15%未満、最も好ましくは10%未満である。ある種の実施形態では、本発明の組成物は、投与後の少なくとも1時間、またはいくつかの実施形態では2時間、アマンタジン血漿濃度が増加しない、または減少さえしない(定常状態条件で)ことを更に特徴とする血漿濃度プロファイルを有する。本明細書において提供され、本明細書において提供され方法に使用するための組成物は、午前中にアマンタジンの最高濃度(Cmax)を提供することによって就寝時刻(例えば、対象が眠ることを望む時間)の投与に適していてもよい。絶食状態での単一用量投与後に測定されるCmax到達時間(Tmax)は、少なくとも9時間かつ15、16、17、もしくは18時間まで、または少なくとも10時間かつ14、15、16、17、もしくは18時間まで、または少なくとも12時間かつ14、15、16、もしくは17時間までであり得る。特定の実施形態では、Tmaxは9~18時間、最も好ましくは12~18時間であり得る。定常状態では、本発明の組成物の夜間に1回の投与を使用して、Tmaxは7~13時間、最も好ましくは8~12時間であり得る。適切なERアマンタジン組成物は、1.3~1.8、好ましくは1.4~1.7の定常状態Cmax/Cmin比を有し、日周プロファイルを有する組成物をもたらす。
【0118】
他の実施形態では、当該血漿濃度プロファイルは、単一用量の本発明の組成物の投与後のAUCプロファイルであって、0~4時間の部分的AUCがAUC0-infの5%未満、好ましくは3%未満であり、0~8時間の部分的AUCがAUC0-infの約5~15%、好ましくは約8~12%であり、0~12時間の部分的AUCがAUC0-infの約10~40%、好ましくは約15~30%であり、0~18時間の部分的AUCがAUC0-infの約25~60%、好ましくは約30~50%であり、0~24時間の部分的AUCがAUC0-infの約40~75%、好ましくは約50~70%であるプロファイルを有する。
【0119】
更なる実施形態では、本発明の医薬組成物の血漿濃度プロファイルは、定常状態条件での本発明の組成物の夜間に1回の投与後のAUCプロファイルであって、0~4時間の部分的AUCがAUC0-24の約2~25%、好ましくは約5~20%であり、0~8時間の部分的AUCがAUC0-24の約15~50%、好ましくは約20~40%であり、0~12時間の部分的AUCがAUC0-24の約30~70%、好ましくは約40~60%であり、0~18時間の部分的AUCがAUC0-24の約60~95%、好ましくは約75~90%であるAUCプロファイルを有する。
【0120】
本明細書における任意の態様のいくつかの実施形態では、本発明の組成物の就寝時刻でのヒト対象への複数回経口投与後の定常状態血漿濃度プロフィールは、日中の平均血漿濃度(「C-ave-日中」、ヒトPK研究で測定されるような日中平均アマンタジン血漿濃度として定義)が夜間の平均血漿濃度(「C-ave-夜」、ヒトPK研究で測定されるような夜間平均アマンタジン血漿濃度として定義)の1.1~2.0倍であることを特徴とする。いくつかの実施形態では、定常状態でのC-ave-日中/C-ave-夜比は、1.3~1.9、1.3~1.8、1.3~1.7、1.3~1.6、1.4~1.9、1.4~1.8、1.4~1.7、1.5~1.9、1.5~1.8、1.5~1.7、または1.6~1.9のうちの1つの範囲内である。いくつかの実施形態では、定常状態でのC-ave-日中/C-ave-夜比は、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、または1.9である。いくつかの実施形態では、C-ave-日中は、午前5時、午前6時、午前7時、午前8時、または午前9時から午後4時、午後5時、午後6時、午後7時、または午後8時までの間に測定される平均アマンタジン血漿濃度であり、C-ave-夜は、午後4時、午後5時、午後6時、午後7時、午後8時、午後9時、午後10時、または午後11時から午前4時、午前5時、午前6時、午前7時、午前8時、または午前9時までの間に測定される平均アマンタジン血漿濃度である。いくつかの実施形態では、C-ave-日中は、午前5時と午後8時との間の任意の4~12時間内に測定される平均アマンタジン血漿濃度であり、C-ave-夜は、午後8時と午前5時との間の任意の4~12時間内に測定される平均アマンタジン血漿濃度である。いくつかの実施形態では、C-ave-日中は、午前5時と午後8時との間の任意の4、5、6、7、8、9、10、11、または12時間内に測定される平均アマンタジン血漿濃度であり、C-ave-夜は、午後8時と午前4時との間の任意の4、5、6、7、8、9、10、11、または12時間内に測定される平均アマンタジン血漿濃度である。
【0121】
本明細書中に記載のいくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、就寝時刻の0~4時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、就寝時刻の0~3、0~2、または0~1時間前に対象に投与される。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、就寝時刻の0~240分前、0~180分前(例えば、0~120分前、0~60分前、0~45分前、0~30分前、0~15分前、または0~10分前)に対象に投与される。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、就寝時刻の60~240分前、60~180分前、60~120分前、または60~90分前に対象に投与される。
【0122】
対象への投与には、医療専門家による投与および当該対象による自己投与が含まれると理解すべきである。
【0123】
本明細書中で特に明記しない限り、用語「就寝時刻」は、人が24時間の間の主要な睡眠時間のために床に就く時を表した。一般大衆では就寝時刻は夜であるが、夜に働く対象などの就寝時刻が日中である対象が存在する。したがって、いくつかの実施形態では、就寝時刻は、日中または夜間の任意の時間であり得る。
【0124】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、ヒト対象における血漿濃度プロフィールまたは特定の薬物動態特性(例えば、Cmax、Cmin、AUC、Tmaxなど)への言及は、薬物の薬物動態特性を測定するためにデザインされた典型的な第I相臨床試験で判定された、健康な成人から得られた平均値を指し(例えば、以下の実施例4を参照のこと)、特に明記しない限り、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究は、一晩の絶食後の朝に投薬される。本明細書においてTmaxおよびT1/2への言及は、特に明記しない限り、絶食状態での単一用量の投与後に得られたそれぞれの中央値および平均値を指す。
【0125】
本明細書に記載される通り、本明細書において提供される方法に従って経口投与されるアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の単位用量は、一般にアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む即放性組成物のために通常に処方される範囲より高くなり得る。例えば、パーキンソン病の処置のためのアマンタジンの推奨用量は、1日2回投与される100mgの即放性アマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩である。前述の用量で十分な利益が得られない対象およびより高い用量を許容することができる対象の限られた症例では、1日量は、常に分割量で投与される300mgもしくは400mgまたは当量のその薬学的に許容される塩に増加され得る。最も一般的に処方されるアマンタジンの用量は、200mg/日または当量のその薬学的に許容される塩であり、常に分割量で投与される。200mg超(例えば、300mg)は、常に分割量で投与された。対照的に、本発明の方法は、パーキンソン病を有する対象の処置のために260~420mgのアマンタジンまたは当量の薬学的に許容される塩の投与を含み得、本開示の方法および組成物は、これらの範囲のいずれかによって定義される用量、特に1日に1回の260mg~420mg、最も好ましくは340mgの用量のアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩の夜間に1回の投与を含み得る。いくつかのかかる実施形態では、かかるより高用量は、夜間、例えば、午後4時以後および/または就寝時刻の4時間以内に投与される。追加の実施形態では、かかるより高用量は、サイズ0、1、または2の1、2、または3カプセルの形態で夜間に1回、通常形態またはEL形態で投与され得る。
【0126】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、アマンタジンは、薬学的に許容される塩として投与される。より具体的な実施形態では、アマンタジンは、塩酸アマンタジンまたは硫酸アマンタジンとして投与される。
【0127】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、260mg~420mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩の1日総量は、午後4時以後および/または就寝時刻の4時間以内に製剤として投与される。いくつかの実施形態では、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の用量は、300mg/日を超える。様々な特定の実施形態では、1日あたりに投与されるアマンタジンの総量は、260~275mg、270~285mg、280~295mg、290~305mg、300~315mg、310~325mg、320~335mg、330~345mg、340~355mg、350~365mg、360~375mg、370~385mg、380~395mg、390~405mg、400~415mg、もしくは410~420mgであり得るか、または用量は、当量のその薬学的に許容される塩であり得る。いくつかの実施形態では、1日あたりに投与されるアマンタジンの総用量は、260mg~360mg、300~360mg、330~350mg、もしくは340mg、または当量のその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩、例えば、塩酸アマンタジンの用量は、300~360mg、330~350mg、または340mgである。本明細書に記載されるように、用量は、1日1回用量であり得、夜間、例えば午後4時以後に投与され得る。
【0128】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、投与されるアマンタジンの1日1回総量は、約260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、もしくは300mg、または当量のアマンタジンの薬学的に許容される塩から、約305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、350mg、355mg、360mg、365mg、370mg、375mg、380mg、385mg、390mg、395mg、400mg、405mg、410mg、415mg、もしくは420mg、または当量のアマンタジンの薬学的に許容される塩からまでの間である。
【0129】
本明細書における態様のいずれかの更に他の実施形態、例えば、パーキンソン病を有する対象においてジスキネジアを伴わずにオンタイムを増加させる方法、パーキンソン病を有する対象においてジスキネジアを伴うオンタイムを低減する方法、パーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴うオンタイムを低減する方法、パーキンソン病を有する対象においてオフタイムを低減する方法、多発性硬化症を有する対象において運動減少障害を治療する方法、アマンタジンもしくはその薬学的に許容される塩による処置を受けている対象において胃腸(GI)有害事象を低減する方法、またはアマンタジンもしくはその薬学的に許容される塩による処置を受けている対象において睡眠障害を低減する方法では、投与されるアマンタジンの1日1回総量は、約68.5mg、約137mg、約205.5mg、約274mgのアマンタジン、約60mg~約80mg、約120mg~約155mg、約185mg~約230mg、もしくは約245mg~約305mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、投与される1日1回総量は、約85mg、約170mg、約255mg、約340mg、約75mg~約95mg、約150mg~約190mg、約230mg~約285mg、または約305~約375mgの塩酸アマンタジンである。いくつかの実施形態では、1日1回用量は、夜に投与される。ある種の実施形態では、1日1回用量は、就寝時刻の0~4時間前に、または就寝時刻の0~3時間前に投与される。ある種の実施形態では、1日1回用量は、日中に投与される。いくつかの実施形態では、1日総量は、1、2、または3つの別個の用量単位、例えば、別個のカプセルとして投与される。ある種の実施形態では、各用量単位は、約68.5mg、約137mg、約60mg~約155mg、約60mg~約80mg、もしくは約120mg~約155mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。ある種の実施形態では、各々用量単位は、約85mg、約170mg、約75mg~約190mg、約75mg~約95mg、または約150mg~約190mgの塩酸アマンタジンを含む。ある種の実施形態では、異なる量のアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む2つ以上の用量単位、例えば、約68.5mg、もしくは約60mg~約155mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩を含む1つ以上の用量単位、および約137mg、もしくは約120mg~約155mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩を含む1つ以上の用量単位が投与される。
【0130】
本明細書に記載の特定の実施形態では、対象のアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の1日全用量が、就寝時刻の約4、3、2、または1時間未満前に(例えば、午後4時以後に、または対象が眠ることを望む時間に)1回投与される。
【0131】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、パーキンソン病を有する対象への組成物の経口投与は、1つ以上のパーキンソン病症状または運動症状の変動の有意な低減をもたらす。いくつかの特定の実施形態では、本発明の組成物の投与は、1つ以上のパーキンソン病症状または運動症状の変動の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、または40%の低減をもたらす。更なる特定の実施形態では、パーキンソン病症状または運動症状の変動の低減は、パーキンソン病症状または運動症状の変動の処置のための認可薬物の有効性を評価するため、およびこれを認可するためにFDAまたは他の規制機関によって使用されるかまたは受け入れられている数値尺度で測定される。更なる特定の実施形態では、パーキンソン病症状運動症状の変動の低減を測定するのに使用される尺度は、統一パーキンソン病評点尺度(UPDRS)であり得る。統一パーキンソン病評点尺度(UPDRS、MDS改訂)-パートI:日常生活で経験する非運動症状の側面(13項目)、-パートII:日常生活で経験する運動症状の側面(13項目)、-パートIII:運動症状の調査(スコア化された33項目)、Hoehn and
Yahrの重症度分類(オリジナルまたは改訂版)、またはPD Home Diary:合計オンタイムまたは合計オフタイム。
【0132】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、パーキンソン病を有する対象への本発明の組成物の経口投与は、レボドパ誘発性ジスキネジアの有意な低減をもたらす。特定の実施形態では、本発明の組成物の投与は、レボドパ誘発性ジスキネジアの約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%の低減をもたらす。更なる実施形態では、レボドパ誘発性ジスキネジアの低減は、LIDの処置のための認可薬物の有効性を評価するため、およびこれを認可するためにFDAまたは他の規制機関によって使用されるかまたは受け入れられている数値尺度で測定される。更なる特定の実施形態では、LIDの低減の測定に使用される尺度は、UDysRS、UPDRSパートIV(サブスコア32、33)、MDS-UPDRSパートIV(合計スコアならびに項目4.1および4.2)、ジスキネジア評価尺度(DRS)、異常不随意運動尺度(AIMS)、Rushジスキネジア評価尺度、パーキンソン病ジスキネジア尺度(PDYS-26)、Obesoジスキネジア評価尺度(CAPIT)、臨床的ジスキネジア評価尺度(CDRS)、日常生活ジスキネジアのLang-Fahn活動性、またはこの目的のために開発された他の尺度であり得る。他の特定の実施形態では、LIDの低減は、対照臨床試験においてプラセボと比較して測定される。他の実施形態では、LIDの低減は、対照臨床試験においてベースラインと比較して測定される。
【0133】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、パーキンソン病を有する対象への本発明の組成物の経口投与は、パーキンソン病性疲労の有意な低減をもたらす。特定の実施形態では、本発明の組成物の投与は、パーキンソン病性疲労の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、または60%の低減をもたらす。更なる特定の実施形態では、低減疲労は、疲労の処置のための認可薬物の有効性を評価するため、およびこれを認可するためにFDAまたは他の規制機関によって使用されるかまたは受け入れられている数値尺度で測定される。更なる特定の実施形態では、疲労の低減を測定する際に使用される尺度は、疲労重症度尺度(FSS)、疲労評価項目表、慢性疾患治療-疲労の機能評価(FACIT Fatigue)、多次元疲労項目表(MFI-20)、パーキンソン病性疲労尺度(PFS-16)、および疲労重症度項目表であり得る。他の特定の実施形態では、疲労の低減は、対照臨床試験においてプラセボと比較して測定される。他の実施形態では、疲労の低減は、対照臨床試験においてベースラインと比較して測定される。
【0134】
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、本発明の組成物の対象への経口投与は、臨床医の全般印象度の有意な改善をもたらす。いくつかの特定の実施形態では、本発明の組成物の投与は、7ポイント尺度を使用した臨床医の全般印象度における約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、または3.0ポイントの改善(または異なる尺度を使用しての比例的変化)をもたらす。更なる特定の実施形態では、臨床医の全般印象度の改善は、パーキンソン病を有する対象に必要とされる認可薬物の有効性を評価するため、およびこれを認可するためにFDAまたは他の規制機関によって使用されるかまたは受け入れられている数値尺度で測定される。更なる特定の実施形態では、臨床医の全般印象度の改善を測定する際に使用されるスケールは、変化評価尺度の臨床医の全般印象度(CGIC)であり得る。他の特定の実施形態では、臨床医の全般印象度の改善は、対照臨床試験においてプラセボと比較して測定される。他の実施形態では、臨床医の全般印象度の改善は、対照臨床試験においてベースラインと比較して測定される。
【0135】
II.医薬組成物製剤
本明細書に記載されるように、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む経口医薬組成物が、本明細書において提供される。例えば、本発明の医薬組成物は、経口投与されてもよく、経口送達に適しているか、経口送達のために製剤化されるか、もしくは経口送達を目的としていてもよく、または経口投与に適しているか、経口送達のために製剤化されるか、もしくは経口送達を目的とする。ある種の実施形態では、本発明の医薬組成物は、徐放性製剤である。
【0136】
本明細書に記載の方法の使用に適した徐放性経口医薬組成物は、上記の背景技術の項で参照された特許公報(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のものなどの種々の徐放技術を使用して作製され得る。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、ペレットインカプセル剤形である。いくつかの実施形態では、ペレットは、複数のコーティングされたコアシードであり、ここで、各コーティングされたコアシードは、コアシード、コアシードを囲む薬物コーティング、および薬物コーティングを囲む徐放性コーティングを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のコーティングが存在する。例えば、いくつかの実施形態では、コアシードは、薬物コーティングを囲む封止コーティングを更に含み、ここで、当該封止コーティングは、徐放性コーティングによって囲まれている。
【0137】
薬物コーティングは、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤は、1つ以上の結合剤もしくは1つ以上の粘着防止剤、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0138】
徐放性コーティングは、1つ以上の放出調節賦形剤を含み得る。いくつかの実施形態では、徐放性コーティングは、1つ以上の可塑剤もしくは1つ以上の細孔形成剤、またはこれらの任意の組み合わせを更に含む。ある種の実施形態では、1つ以上の放出調節賦形剤はエチルセルロースを含み、1つ以上の細孔形成剤はポビドン、HPMC、もしくはEudragitまたはこれらの組み合わせを含む。
【0139】
封止コーティングは、1つ以上のフィルム形成ポリマーを含み得る。封止コーティングは、1つ以上の粘着防止剤、1つ以上の結合剤、またはこれらの任意の組み合わせを更に含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィルム形成ポリマーは、HPMC、コポビドン、もしくはポビドン、またはこれらの組み合わせを含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、2つ以上の薬物コーティング、もしくは2つ以上の徐放性コーティング、またはこれらの組み合わせを含む。例えば、コーティングされたコアシードは、コアシードを囲む第1の薬物コーティング、当該第1の薬物コーティングを囲む封止コーティング、当該封止コーティングを囲む追加の薬物コーティング、および当該封止コーティングを囲む徐放性コーティングを含み得る。他の例では、コーティングされたコアシードは、コアシードを囲む薬物コーティング、当該薬物コーティングを囲む第1の徐放性コーティング、および当該第1の徐放性コーティングを囲む追加の徐放性コーティングを含む。第1および追加の徐放性コーティングは、例えば、異なる成分、もしくは異なる成分比、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0141】
本明細書に記載のコーティングのうちの1つ以上、例えば薬物コーティング、封止コーティング、または徐放性コーティングは、いくつかの実施形態では、コアシードを完全に囲み得、他の実施形態では、コアシードのほぼ全てまたはコアシードの大部分を囲み、例えば、表面積のうちの少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%においてコアシードがコーティングによって囲まれると理解すべきである。コーティングのうちの1つ以上は、一様な厚さのものであり得るか、または厚さが異なり得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、複数のコーティングされたコアシードを含む。いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、例えば、300~1700ミクロンまたは500~1200ミクロンの平均直径を有する。コーティングされたコアシードのコアシードは、例えば、1つ以上の不活性化合物、例えば、糖(例えば、スクロース)、微結晶性セルロース、またはデンプンを含み得る。いくつかの実施形態では、コアシードは、一般に形状が球形である。いくつかの実施形態では、コアシードは、球体である。いくつかの実施形態では、コアシードは、一般に形状が卵形体である。いくつかの実施形態では、コアシードは、卵形である。ある種の実施形態では、コアシードは、糖(例えば、スクロース)、微結晶性セルロース(MCC)、またはデンプンを含む。ある種の実施形態では、コアシードは、300~500ミクロンの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、例えば、造粒、押出し、球形化、またはこれらの組み合わせなどのプロセスによって調製され得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。ある種の実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコールである。したがって、いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、アルコールなどの6000ppm未満の有機溶媒、例えばイソプロピルアルコールを含む。本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、1つ以上の薬物コーティング、1つ以上の徐放性コーティング、および1つ以上の封止コーティングを含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシドなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ビス(2-メトキシエチル)エーテル(ジグリム)、ジメトキシエタン(グリム)、1,4-ジオキサンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、リンアミド(例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HPMA)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、塩素化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、窒素含有溶媒(例えば、ピリジン、アセトニトリルなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコール(例えば、C1-C6アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、グリセロール))である。いくつかの実施形態では、2つ以上の溶媒の混合物が使用され得る。本明細書に記載されている有機溶媒の濃度のいくつかの実施形態では、提供される濃度は、2つ以上の有機溶媒の総量を指す。
【0144】
本明細書に記載の組成物のいくつかの実施形態は、一定濃度未満(例えば6,000ppm未満または2,000ppm未満)の有機溶媒を含むが、いくつかの実施形態では、有機溶媒が、本発明の組成物の製造の間に1つ以上のステップで使用され得ることを理解すべきである。ある種の実施形態では、製造工程のうちの1つ以上の間に存在する溶媒濃度は、最終組成物に存在する溶媒濃度より高くてもよい。
【0145】
A.薬物コーティング
コーティングされたコアシードは、コアシードおよび当該コアシードを囲む薬物コーティングを含み、ここで、当該薬物コーティングはアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む。薬物コーティングは、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、例えば、1つ以上の結合剤または1つ以上の粘着防止剤を更に含み得る。いくつかの実施形態では、薬物コーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コポビドン、ポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースからなる群から選択される1つ以上の結合剤を含む。いくつかの実施形態では、薬物コーティングは、1つ以上の粘着防止剤を含む。例えば、薬物コーティングは、ステアリン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、およびタルクからなる群から選択される1つ以上の粘着防止剤を含み得る。いくつかの実施形態では、薬物コーティングは、タルクおよびステアリン酸マグネシウムからなる群から選択される1つ以上の粘着防止剤を含む。ある種の実施形態では、薬物コーティングは、1つ以上の追加の賦形剤を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、薬物コーティングは、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、および1つ以上の粘着防止剤を含む。いくつかの実施形態では、薬物コーティングは、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩、少なくとも2つの薬学的に許容される賦形剤、および1つ以上の粘着防止剤を含む。いくつかの実施形態、1つ以上または少なくとも2つの薬学的に許容される賦形剤は、1つ以上の結合剤を含む。いくつかの実施形態、1つ以上または少なくとも2つの薬学的に許容される賦形剤は、結合剤である。ある種の実施形態では、薬物コーティングは、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩、1つ以上の結合剤、および1つ以上の粘着防止剤を含む。いくつかの実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩は、塩酸アマンタジンである。別の実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩は、硫酸アマンタジンである。
【0147】
いくつかの実施形態では、薬物コーティングは、60重量%~85重量%、65重量%~80重量%、または70重量%~75重量%のアマンタジンの薬学的に許容される塩、15重量%~35重量%、または20重量%~30重量%の1つ以上の結合剤、および1重量%~5重量%、または2重量%~4重量%の1つ以上の粘着防止剤を含む。いくつかの実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩は、塩酸アマンタジンであり、1つ以上の結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびコポビドンであり、1つ以上の粘着防止剤は、タルクである。いくつかの実施形態では、薬物コーティングは、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コポビドン、およびタルクを含む。いくつかの実施形態では、薬物コーティングは、60重量%~85重量%、65重量%~80重量%、または70重量%~75重量%のアマンタジンの薬学的に許容される塩、15重量%~25重量%または18重量%~22重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、2重量%~7重量%または3重量%~6重量%のコポビドン、および1重量%~5重量%または2重量%~4重量%のタルクを含む。
【0148】
ある種の実施形態では、薬物コーティングは、6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。ある種の実施形態では、有機溶媒は、アルコール(例えば、イソプロピルアルコール)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシドなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ビス(2-メトキシエチル)エーテル(ジグリム)、ジメトキシエタン(グリム)、1,4-ジオキサンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、リンアミド(例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HPMA)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、塩素化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、窒素含有溶媒(例えば、ピリジン、アセトニトリルなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコール(例えば、C1-C6アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、グリセロール))である。いくつかの実施形態では、2つ以上の溶媒の混合物が使用され得る。本明細書に記載されている有機溶媒の濃度のいくつかの実施形態では、提供される濃度は、2つ以上の有機溶媒の総量を指す。
【0149】
いくつかの実施形態では、コアシードは、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩、ならびに所望により1つ以上の結合剤、粘着防止剤、および/または溶媒を含む薬物コーティングで流動層コーティング、パンコーティングなどの従来のコーティング技術によってコーティングされている。いくつかの実施形態では、溶媒は、有機溶媒を含めない。他の実施形態では、薬物コーティング組成物のための溶媒は、水からなる。
【0150】
B.徐放性コーティング
コーティングされたコアシードは、徐放性コーティングを更に含み、ここで、徐放性コーティングは薬物コーティングを囲んでいる。徐放性コーティングは、使用環境への剤形の導入後の一定時間、コーティングされたコアシードからの薬物の放出を遅延させるように製剤化され得る。徐放性コーティングは、1つ以上の放出調節賦形剤を含む。例えば、徐放性コーティングは、1つ以上のpH依存的もしくはpH非依存的な放出調節賦形剤またはこれらの組み合わせを含み得る。pH非依存的な徐放性ポリマーの例には、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸エチルのコポリマー、およびメタクリル酸メチル(例えば、Eudragit RS)が含まれる。pH依存的な放出調節賦形剤の例には、メタクリル酸コポリマー、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および酢酸フタル酸セルロースが含まれる。徐放性コーティングは、1つ以上の細孔形成剤を更に含み得る。細孔形成剤の例としては、ポビドン;ポリエチレングリコール;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;スクロース、マンニトール、およびラクトースなどの糖;ならびに塩化ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムなどの塩が含まれる。徐放性コーティングは、1つ以上の可塑剤、例えば、アセチル化クエン酸エステル、アセチル化グリセリド、ヒマシ油、クエン酸エステル、ジブチルセバケート、モノステアリン酸グリセリル、フタル酸ジエチル、グリセロール、中鎖トリグリセリド、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコールを更に含み得る。また徐放性コーティングは、1つ以上の追加の賦形剤、例えば、1つ以上の滑沢剤、1つ以上の粘着防止剤も含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、徐放性コーティングは、ステアリン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、およびタルクからなる群から選択される1つ以上の賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、徐放性コーティングは、1つ以上の滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはタルクを含む。
【0151】
本明細書に記載されるように、1つ以上の放出調節賦形剤を含む徐放性コーティング。放出調節賦形剤としては、不溶性プラスチック、親水性ポリマー、および脂肪族化合物が挙げられるが、これらに限定されない。プラスチックマトリックスとしては、メチルアクリレート-メチルメタクリレート、塩ビおよびポリエチレンが挙げられるが、これらに限定されない。親水性ポリマーとしては、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロースポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのヒドロキシアルキルセルロース、ならびにCarbopol(登録商標)934、ポリエチレンオキシドの様な架橋アクリル酸ポリマー、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。脂肪族化合物としては、カルナウバ蝋およびトリステアリン酸グリセリルなどの種々のワックス、ならびに硬化ヒマシ油もしくは硬化植物油が含まれるワックスタイプの物質、またはその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ある種の実施形態では、プラスチック材料は、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、アミノアルキルメタクリル酸コポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマーポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)、およびメタクリル酸グリシジルコポリマーを含むがこれらに限定されない薬学的に許容されるアクリルポリマーであり得る。ある種の他の実施形態では、アクリルポリマーは、1つ以上のアンモニオメタクリル酸コポリマーから構成される。アンモニオメタクリル酸コポリマーは当該技術分野において周知であり、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの低含有量の第四級アンモニウム基との完全重合したコポリマーとしてNF XVIIに記載されている。更なる他の実施形態では、アクリルポリマーは、アクリル樹脂ラッカー(Rohm Pharmaから商標名Eudragit(登録商標)で市販されているものなど)である。更なる実施形態では、アクリルポリマーは、Rohm Pharmaからそれぞれ商標名Eudragit(登録商標)RL30DおよびEudragit(登録商標)RS30Dで市販されている2つのアクリル樹脂ラッカーの混合物を含む。Eudragit(登録商標)RL30DおよびEudragit(登録商標)RS30Dは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの低含有量の第四級アンモニウム基とのコポリマーであり、アンモニウム基と残りの中性(メタクリル酸)アクリル酸エステルとのモル比がEudragit RL30Dでは1:20であり、Eudragit(登録商標)RS30Dでは1:40である。平均分子量は約150,000である。Eudragit(登録商標)S-100およびEudragit(登録商標)L-100も本明細書中の使用に適切である。コード名RL(高透過性)およびRS(低透過性)は、これらの薬剤の透過性を指す。Eudragit(登録商標)RL/RS混合物は、水および消化液に不溶性を示す。しかしながら、これを含むように形成された多粒子系は、水溶液および消化液中で膨潤性および透過性を示す。当該ポリマー(Eudragit(登録商標)RL/RSなど)を、最終的に所望の溶解プロフィールを有する持続放出処方物を得るために、任意の所望の比で混合することができる。当業者は、他のアクリルポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)Lなど)も使用され得ることを認めるであろう。
【0152】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、徐放性コーティングは、1つ以上の細孔形成剤(例えば、細孔形成物質)を含む。徐放性コーティングでの使用に適切な細孔形成剤は、有機または無機の薬剤であり得、使用環境下でコーティングから溶解、抽出、または浸出することができる材料が含まれる。細孔形成剤としては、有機化合物、例えば、スクロース、グルコース、フルクトース、マンニトール、マンノース、ガラクトース、ラクトース、ソルビトール、プルラン、デキストランを含む単糖類、オリゴ糖類、および多糖類;水溶性親水性ポリマーなどの使用環境下で溶解性を示すポリマー、例えば、ポビドン、クロスポビドン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、カーボワックス、およびCarbopol(登録商標)など、ジオール、ポリオール、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはそのブロックポリマー、ポリグリコール、ポリ(α-Ω)アルキレンジオール;無機化合物、例えば、アルカリ金属塩、炭酸リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、適切なカルシウム塩など、が挙げられるが、これらに限定されない。ある種の実施形態では、可塑剤を、細孔形成剤として使用することもできる。いくつかの実施形態では、放出調節賦形剤は、エチルセルロースである。ある種の実施形態では、細孔形成剤は、ポビドン、HPMC、もしくはEudragit(登録商標)またはこれらの任意の組み合わせである。
【0153】
いくつかの実施形態では、徐放性コーティングは、1つ以上の放出調節賦形剤、1つ以上の細孔形成剤、および1つ以上の可塑剤を含む。いくつかの実施形態では、徐放性コーティングは、65重量%~95重量%、または70重量%~90重量%、または75重量%~85重量%の1つ以上の放出調節賦形剤、5重量%~15重量%または8重量%~12重量%の1つ以上の細孔形成剤、および5重量%~15重量%または8重量%~12重量%の1つ以上の可塑剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の放出調節賦形剤は、エチルセルロースであり、1つ以上の細孔形成剤は、ポビドン、HPMC、もしくはEudragit(登録商標)、またはこれらの混合物であり、1つ以上の可塑剤は、中鎖トリグリセリドである。したがって、いくつかの実施形態では、徐放性コーティングは、65重量%~95重量%、または70重量%~90重量%、または75重量%~85重量%のエチルセルロース、5重量%~15重量%または8重量%~12重量%のポビドン、および5重量%~15重量%または8重量%~12重量%の中鎖トリグリセリドを含む。
【0154】
ある種の実施形態では、徐放性コーティングは、6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。ある種の実施形態では、有機溶媒は、アルコール(例えば、イソプロピルアルコール)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシドなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ビス(2-メトキシエチル)エーテル(ジグリム)、ジメトキシエタン(グリム)、1,4-ジオキサンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、リンアミド(例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HPMA)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、塩素化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、窒素含有溶媒(例えば、ピリジン、アセトニトリルなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコール(例えば、C1-C6アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、グリセロール))である。いくつかの実施形態では、2つ以上の溶媒の混合物が使用され得る。本明細書に記載されている有機溶媒の濃度のいくつかの実施形態では、提供される濃度は、2つ以上の有機溶媒の総量を指す。
【0155】
徐放性コーティングは、例えば、流動層コーティング、パンコーティングなどの従来のコーティング技術を使用して適用され得る。所望によりシールコートを含む薬物コーティングされたコアシードは、流動層コーティングによって徐放性コーティングでコーティングされ得る。
【0156】
C.追加のコーティング
いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、1つ以上の追加のコーティング(例えば封止コート)を含む。いくつかの実施形態では、徐放性コーティングの1つ以上の成分がコアシードの1つ以上の成分と相互作用することを防止するために、またはコアシードおよび/もしくは薬物コーティングの1つ以上の成分の移動が徐放性コーティングに拡散することを防止するために封止コートが製剤化される。封止コーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、コポビドン、ポビドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはこれらの任意の組み合わせなどを含むが、しかしこれらに限定されない1つ以上のフィルム形成ポリマーを含み得る。
【0157】
封止コーティングは、1つ以上の追加の薬学的に許容される賦形剤を更に含むことができる。例えば、封止コーティングは、1つ以上の可塑剤、例えば、プロピレングリコール、トリアセチン、ポリエチレングリコール、もしくはクエン酸トリブチルまたはこれらの任意の組み合わせ;1つ以上の粘着防止剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、もしくはタルク、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、フィルム形成ポリマーは、HPMC、コポビドン、ポビドン、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、フィルム形成ポリマーは、HPMCである。
【0158】
封止コーティングは、1つ以上の緩衝剤、着色剤、乳白剤、界面活性剤、または基剤を更に含み得、これらは当業者に公知である。
【0159】
ある種の実施形態では、封止コーティングは、1つ以上のフィルム形成ポリマーおよび1つ以上の粘着防止剤を含む。いくつかの実施形態では、封止コーティングは、80重量%~100重量%または85重量%~95重量%の1つ以上のフィルム形成ポリマーおよび0重量%~20重量%、または5重量%~15重量%、または7重量%~13重量%の1つ以上の粘着防止剤を含む。ある種の実施形態では、封止コーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびタルクを含む。いくつかの実施形態では、封止コーティングは、80重量%~100重量%または85重量%~95重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび0重量%~20重量%、または5重量%~15重量%、または7重量%~13重量%のタルクを含む。
【0160】
ある種の実施形態では、封止コーティングは、6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。ある種の実施形態では、有機溶媒は、アルコール(例えば、イソプロピルアルコール)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシドなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ビス(2-メトキシエチル)エーテル(ジグリム)、ジメトキシエタン(グリム)、1,4-ジオキサンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、リンアミド(例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HPMA)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、塩素化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、窒素含有溶媒(例えば、ピリジン、アセトニトリルなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコール(例えば、C1-C6アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、グリセロール))である。いくつかの実施形態では、2つ以上の溶媒の混合物が使用され得る。本明細書に記載されている有機溶媒の濃度のいくつかの実施形態では、提供される濃度は、2つ以上の有機溶媒の総量を指す。
【0161】
封止コーティングは、例えば、流動層コーティング、パンコーティングなどの従来のコーティング技術を使用してコアシードに適用され得る。いくつかの実施形態では、薬物コーティングされたコアシードは、流動層コーティングまたはパンコーティングによって、1つ以上の結合剤、粘着防止剤および/または溶媒を所望により含む封止コートコーティングでコーティングされる。ある種の実施形態では、溶媒は、有機溶媒を含めない。いくつかの実施形態では、封止コーティング組成物のための溶媒は、水からなる。
【0162】
D.結合剤
いくつかの実施形態、薬物コーティングもしくは、存在する場合、追加のコーティング、またはこれらの任意の組み合わせは、1つ以上の結合剤(例えば、フィルム形成ポリマー)を含む。例えば、本明細書に記載されるように、薬物コーティングは、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含み、ここで、当該1つ以上の薬学的に許容される賦形剤は、結合剤を含み得る。本明細書における使用に適切な結合剤としては、アルギン酸およびその塩;セルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標))、および微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標));微結晶性デキストロース;アミロース;ケイ酸アルミウニムマグネシウム;多糖酸(polysaccharide acid);ベントナイト;ゼラチン;ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー;クロスポビドン;ポビドン;デンプン;アルファ化デンプン;デキストリン;糖、例えば、スクロース(例えば、Dipac(登録商標))、グルコース、デキストロース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例えば、Xylitab(登録商標))、およびラクトース;天然または合成ガム、例えば、アカシア、トラガカンタ、ガッチゴム、イサポールハスク(isapol husk)の粘液、ポリビニルピロリドン(例えば、Polyvidone(登録商標)CL、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL-10)、カラマツアラビノガラクタン、Veegum(登録商標)、ポリエチレングリコール、蝋、アルギン酸ナトリウムなど、が含まれ得る。
【0163】
E.カプセル
いくつかの実施形態では、本明細書における経口医薬組成物はカプセル殻を更に含み、ここで、複数のコーティングされたコアシードはカプセル殻内にカプセル化されている。コーティングされたコアシードは、ペレット注入チャンバーを備えたカプセル化装置を使用して適切なカプセル殻に導入され得る。カプセルサイズは、00、0、0EL、1、1EL、2、2EL、3、4、または5であり得る。いくつかの実施形態では、経口医薬組成物の単位用量が、1つのカプセル殻内にカプセル化される。他の変形形態では、本明細書に記載の経口医薬組成物の単位用量は、複数の別個のカプセル殻内にカプセル化される(例えば、2つのカプセル殻間での分割)。
【0164】
いくつかの実施形態では、薬物動態特性および血漿濃度プロファイルを提供する組成物は、ペレットインカプセル組成物であり、ここで、ペレットは、約500μm~1.2mm、好ましくは約700μm~1000μmの直径を有する複数のコーティングされたコアシードであり、各コーティングされたコアシードは、コアシード;当該コアシードを囲み、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む薬物コーティング;ならびに当該薬物コーティングを囲み、放出調節賦形剤を含む徐放性コーティング、を含む。いくつかの実施形態では、徐放性コーティングは、本明細書に記載の所望の薬物動態特性およびアマンタジン血漿濃度プロファイルを提供するように、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の放出を延長する。
【0165】
いくつかの実施形態では、ペレットインカプセル製剤中の複数のコーティングされたコアシードは、サイズが0以下、好ましくはサイズ1以下のカプセルである。いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードの平均直径は、500μm~1200μmの範囲、例えば、500μm~1100μm、500μm~1000μm、500μm~900μm、500μm~800μm、500μm~700μm、600μm~1100μm、600μm~1000μm、600μm~900μm、600μm~800μm、600μm~700μm、700μm~1100μm、700μm~1000μm、700μm~900μm、または700μm~800μmであり得る。いくつかの実施形態では、平均粒子直径は、±10%、例えば、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、1000μm、1050μm、1100μm、1150μm、または1200μmである。
【0166】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、カプセル殻内にカプセル化された複数のコーティングされたコアシードを含む経口医薬組成物であって、各コーティングされたコアシードが、コアシード;アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および1つ以上の薬学的に許容される賦形剤をコーティングする薬物であって、当該1つ以上の薬学的に許容される添加剤が、1つ以上の結合剤であり、当該薬物コーティングがコアシードを囲む、薬物;ならびに当該薬物コーティングを囲む徐放性コーティングであって、放出調節賦形剤(例えば、エチルセルロース)、細孔形成剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポビドン)、および可塑剤を含む徐放性コーティング、を含む、経口医薬組成物である。いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、薬物コーティングを囲む封止コーティングを更に含み得、ここで、徐放性コーティングは封止コーティングを囲む。コーティングされたコアシードは、当該技術分野において公知の方法、例えば、実施例2に記載のものを使用して調製され得る。
【0167】
特定の実施形態では、複数のコーティングされたコアシードの総合重量に基づいて、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩は、20~80重量%、45~70重量%、40~50重量%、45~55重量%、50~60重量%、55~65重量%、60~70重量%、65~75重量%、70~80重量%、または40~60重量%の量で存在し、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤(例えば、1つ以上の結合剤、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コポビドンまたはこれらの混合物)は、1~25重量%の量で存在し、コアシード、例えば、粒状糖(ノンパレイル)または微結晶性セルロースシード(例えば、Celphere(登録商標))は、8~25重量%の量で存在し、徐放性コーティングは、1つ以上の放出調節賦形剤、1つ以上の細孔形成剤、および1つ以上の可塑剤を含み、ここで、放出調節賦形剤は、10~20重量%の量で存在するエチルセルロースを含み、細孔形成剤、好ましくはポビドンは、1~4重量%の量で存在し、可塑剤は、1~4重量%の量で存在する。別の特定の実施形態では、複数のコーティングされたコアシードの総合重量に基づいて、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩は、50~70重量%の量で存在し、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤(例えば、1つ以上の結合剤、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コポビドン、またはこれらの混合物)は、1~25重量%の量で存在し、コアシード、例えば、粒状糖(ノンパレイル)または微結晶性セルロースシード(例えば、Celphere(登録商標))は、5~15重量%の量で存在し、徐放性コーティング中の1つ以上放出調節賦形剤は、エチルセルロースであり、1~15重量%の量で存在し、徐放性コーティングは、0.25~4重量%の量で存在する細孔形成剤(例えば、ポビドン)を含み、徐放性コーティングは、0.25~4重量%の量で存在する可塑剤を含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、複数のコーティングされたコアシードおよび少なくとも1つのカプセル殻を含む経口医薬組成物であって、コアシード少のなくとも一部が、カプセル殻内にカプセル化されている経口医薬組成物が本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、複数のコーティングされたコアシードは、2つの別個のカプセル殻内にカプセル化される。いくつかの実施形態では、複数のコーティングされたコアシードは、コアシードを含み、ここで、当該コアシードは、組成物の5重量%~20重量%、または10重量%~15重量%、または約12.44重量%の微結晶性セルロースを含む。いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、各コアシードを囲む薬物コーティングであって、組成物の20重量%~60重量%、または30重量%~50重量%、または40重量%~50重量%、または約43.54の重量%のアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬物コーティング;5重量%~18重量%、または8重量%~15重量%、または約11.61の重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび組成物の1重量%~5重量%、または2重量%~4重量%、または約2.9重量%のコポビドンである薬学的に許容される賦形剤;ならびに組成物の1重量%~3重量%、または1.5重量%~2.5重量%、または約2.17の重量%のタルクである粘着防止剤を含む。ある種の実施形態では、アマンタジンまたはその塩は、塩酸アマンタジンである。他の実施形態では、コーティングされたコアシードは、薬物コーティングを囲む徐放性コーティングであって、組成物の5重量%~25重量%、または10重量%~20重量%、または約15.91重量%のエチルセルロースである放出調節賦形剤を含む徐放性コーティング;組成物の1重量%~3重量%、または1.5重量%~2.5重量%、または約2.15の重量%のポビドンである細孔形成剤;および組成物の1重量%~3重量%、または1.5重量%~2.5重量%、または約2.15重量%の中鎖トリグリセリドである可塑剤を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わされ得るある種の実施形態では、コーティングされたコアシードは、薬物コーティングを囲む封止コーティングを含み、ここで、徐放性コーティングは、当該封止コーティングを囲み、当該封止コーティングは、組成物の3重量%~10重量%、または5重量%~8重量%、または約6.6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースであるフィルム形成ポリマー;および組成物の0.25重量%~1重量%、または0.5重量%~0.75重量%、または約0.66重量%のタルクである粘着防止剤を含む。ある種の実施形態では、医薬組成物は、組成物の0.01重量%~0.2重量%、または0.08重量%~0.12重量%、または約0.1の重量%のステアリン酸マグネシウムを更に含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩は、塩酸アマンタジンである。別の実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩は、硫酸アマンタジンである。任意の他の実施形態と組み合わされ得るいくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、40mg~500mg、45mg~400mg、50mg~350mg、55mg~300mg、60mg~290mg、68.5mg~274mg、50mg~80mg、55mg~75mg、60mg~70mg、120mg~150mg、135mg~145mg、130mg~140mg、250mg~300mg、260mg~290mg、270mg~280mg、約68.5mg、約137mg、もしくは約274mgの単位用量でアマンタジンを含むか、または当量のアマンタジンの薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩は、塩酸アマンタジンである。別の実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩は、硫酸アマンタジンである。塩が増加した分子量を有することを考慮して、化合物の塩の「当量」をどのように計算するかは、当業者に明らかであろう。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、約68.5mgのアマンタジンまたは当量のアマンタジン塩酸塩を含む。したがって、いくつかの実施形態では、組成物は、約85mgの塩酸アマンタジンを含む。単位用量は単一のカプセル中に存在し得るか、または複数のカプセルにわたって存在し得る。
【0170】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、他の組成物より低い濃度の有機溶媒を有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は複数のコーティングされたコアシードを含み、ここで、当該複数のコーティングされたコアシードは、他の組成物より低い濃度の有機溶媒を有する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、例えば、本明細書において開示される実施形態のいずれかは、6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含有する複数のコーティングされたコアシードを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。ある種の実施形態では、有機溶媒は、アルコールである。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールである。他の実施形態では、有機溶媒は、1つ以上の化合物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールおよび別のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシドなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ビス(2-メトキシエチル)エーテル(ジグリム)、ジメトキシエタン(グリム)、1,4-ジオキサンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、リンアミド(例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HPMA)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、塩素化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、窒素含有溶媒(例えば、ピリジン、アセトニトリルなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコール(例えば、C1-C6アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、グリセロール))である。いくつかの実施形態では、2つ以上の溶媒の混合物が使用され得る。本明細書に記載されている有機溶媒の濃度のいくつかの実施形態では、提供される濃度は、2つ以上の有機溶媒の総量を指す。
【0171】
本開示の追加の実施形態を、以下の表に「種々のアマンタジンERカプセルサイズ1処方物」というタイトルで示す。本明細書中に記載の方法および組成物を用いて、本明細書中に記載の所望の溶解性および標的薬物動態学的プロフィールを達成する処方物を作製することができる。より具体的には、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の治療的有効量は、これらの結果を得るための本明細書中に記載された製造方法および組成物を使用した、2つ以下のサイズ1(またはそれ以下、例えば、サイズ2または3)のカプセルで夜間に1回投与され得る。特に、本明細書に記載の組成物および製造方法を使用して、より高い薬物負荷が達成され得る。いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードのより小さなサイズおよび付随して増加した薬物コーティングの厚さまたはより小さなコアシード上の複数の薬物コーティングを使用した、必要な溶解プロフィールを有するが、徐放性コートには変化がない、より高い薬物負荷を達成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の別の製造アプローチ(例えば、押し出しおよび球形化)を使用して、所望の溶解プロフィールを実現するための更により高い薬物負荷を達成することができ、それにより、適切な薬物動態学的プロフィールにてより高いアマンタジン薬負荷が可能であり、その結果、治療的により有効であり、少なくとも同様に許容され、比較的小さなサイズのカプセル(例えば、サイズ1、2、または3)に充填することができ、患者への投与を容易にすることができる組成物が得られる。
表A:種々のアマンタジンERカプセルサイズ1製剤
【表A-1】
【表A-2】
【0172】
適切な可塑剤としては、中鎖トリグリセリド、フタル酸ジエチル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、ヒマシ油などが挙げられる。コーティングされたコアシードはカプセルに充填されて、所望のアマンタジンの力価を提供する。この組成物の利点は、就寝時刻前の投与に適切な組成物を作製する所望の放出特性が得られることである。更なる利点は、徐放性コーティングが、組成物の放出特性に悪影響を及ぼすことなく丸剤の嚥下が困難な患者への投与のためにカプセルを開け、ペレットを食品上に振りかけることができるような十分な耐久性があることである。組成物を食品上に振りかけることによって投与する場合、30分以内、好ましくは15分以内に消費される軟らかい食品(アップルソースまたはチョコレートプディングなど)を使用することが好ましい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物の更に他の利点は、バッチ毎の再現性および貯蔵安定性が非常に良好であることである。
【0173】
本開示のペレットインカプセル組成物のいくつかの実施形態では、当該組成物を就寝時刻前に当該時間中での投与に適合させる、本明細書に記載のインビトロ溶解特性および本明細書において提供される薬物動態特性のいずれか(例えば、インビボ放出プロフィール、Tmax、Cmax/Cmin比など)を有することに加えて。組成物は、絶食状態のヒト対象への単一用量のカプセルの経口投与後にアマンタジン1mgにつき1.3~2.4ng/mlのCmaxおよびアマンタジン1mgにつき42~75ng*h/mLのAUC0-infを提供することを更に特徴とする。いくつかの実施形態では、ペレットインカプセル組成物は、ヒト対象へのカプセルの夜間に1回の経口投与が、アマンタジン1mgにつき2.4~4.2ng/mlのCmax、アマンタジン1mgにつき1.1~2.6ng/mlのCmin、およびアマンタジン1mgにつき43~73ng*h/mLのAUC0-24を提供する定常状態血漿濃度を更に特徴とする。
【0174】
本明細書において提供されるペレットインカプセル組成物は、アマンタジン治療に適切な力価で提供され得る。典型的な力価は少なくとも約50mg~約250mgの範囲である。特定の実施形態では、アマンタジンのカプセル力価は、70mg、80mg、85mg、90mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、160mg、170mg、180mg、190mg、210mg、もしくは220mg、または当量のその薬学的に許容される塩であり、アマンタジンHClの即放性製剤の100mgの錠剤(例えば、Symmetrel(登録商標)、または他のFDAオレンジブックリファレンス掲載薬物)と等しい1mg当たりの単回用量AUC0-infを与える。いくつかの実施形態では、カプセル力価は、68.5mg、70mg、80mg、85mg、90mg、110mg、120mg、125mg、130mg、137mg、140mg、150mg、160mg、160mg、170mg、180mg、190mg、205.5mg、210mg、もしくは220mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩であり、アマンタジンHClの即放性製剤の100mgの錠剤(例えば、Symmetrel(登録商標)、または他のFDAオレンジブックリファレンス掲載薬物)と等しい1mg当たりの単回用量AUC0-infを与える。例えば、いくつかの実施形態では、カプセル力価は、85mgの塩酸アマンタジンまたは170mgの塩酸アマンタジンを含む。1つ、2つ、または3つのかかるカプセルは、就寝時刻前の時間に対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、220mg~650mgの塩酸アマンタジンは、適切なER製剤の2つのカプセルを使用して夜間に1回投与される。更に他の実施形態では、カプセル力価は、約60mg~約155mg、約60mg~約80mg、もしくは約120mg~約155mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩である。ある種の実施形態では、カプセル力価は、約75mg~約190mg、約75mg~約95mg、もしくは約150mg~約190mgのアマンタジン、または当量のその薬学的に許容される塩である。1つ、2つ、または3つのかかるカプセルは、就寝時刻前の時間に対象に投与され得る。
【0175】
III.調製方法
本明細書に記載の医薬組成物を調製する方法も本明細書において提供される。本明細書において述べるように、いくつかの実施形態では、本発明の方法のある種のステップは、有機溶媒を含まない。調製のある種のステップにおける有機溶媒の使用を回避することにより、より低い残留有機溶媒濃度を有する医薬組成物および対象に投与された場合の1つ以上の胃腸影響のより低い発生率をもたらし得る。いくつかの実施形態では、胃腸影響は、腹部膨満、便秘、下痢、消化不良、歯肉痛、口唇乾燥、下腹部痛、悪心、胃不快感、歯痛、上腹部痛、および嘔吐からなる群から選択される。
【0176】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物は、コアシードおよび当該コアシードを囲む1つ以上のコーティング、例えば、薬物コーティング、徐放性コーティング、もしくは封止コーティング、またはこれらの混合物を含む複数のコーティングされたコアシードを含む。これらのコーティングは、例えば、コーティング成分のうちの1つ以上を溶媒と組み合わせてコーティング混合物を形成すること、およびコアシードに当該コーティング混合物を適用すること、例えば、当該コーティング混合物をコアシードに噴霧することによって適用され得る。これは、例えば、流動層中で行われ得る。噴霧されたコアシードは、次いで、所望により乾燥され、追加のコーティングが適用され得る(例えば、徐放性コーティングに続く薬物コーティング)。温度対気速度、入口空気温度、噴霧速度、乾燥時間、ノズル配置、その他などの複数のコアシードにコーティングを適用するためのプロセスパラメータは、当業者によって理解されるであろう。
【0177】
いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、コアシードを囲む薬物コーティングを含む。この薬物コーティングは、1つ以上の薬物コーティング成分(例えば、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および1つ以上の薬学的に許容される賦形剤)を溶媒と組み合わせて薬物混合物を生成すること、および複数のコアシードを薬物混合物でコーティングすることによって調製され得る。いくつかの実施形態では、有機溶媒でないか、または例えば、1重量%未満の有機溶媒を含む溶媒を使用することにより、より低い濃度の残留有機溶媒を有する医薬組成物がもたらされ得る。同様に、存在する場合、封止コーティングは、1つ以上の封止コーティング成分(例えば、フィルムコーティングポリマー)を溶媒と組み合わせて封止コート混合物を生成すること、および複数のコアシードを当該封止コート混合物でコーティングすることにより調製され得る。いくつかの実施形態では、有機溶媒でないか、または例えば、1重量%未満の有機溶媒を含む溶媒を使用することにより、より低い濃度の残留有機溶媒を有する医薬組成物がもたらされ得る。本明細書において述べるように、薬物コーティングおよび/または封止コーティングステップで有機溶媒を用いて調製された組成物と比較して医薬組成物中の有機溶媒の濃度を低減することは、対象における低減された胃腸影響をもたらし得る。ある種の実施形態では、成分のうちの1つ以上は、溶媒と組み合わされる場合、懸濁液である。例えば、ある種の実施形態では、放出調節賦形剤は、水中の懸濁液として調製され、次いで、徐放性コーティング混合物を生成するために他の成分および溶媒と組み合わされる。
【0178】
したがって、いくつかの態様では、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口医薬組成物を調製するプロセスであって、
a)複数のコアシードを薬物混合物でコーティングして複数の薬物コーティングされたコアシードを形成することであって、当該薬物混合物が、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、および溶媒を含み、当該薬物混合物が、1重量%未満の有機溶媒を含む形成すること;
b)当該複数の薬物コーティングされたコアシードを徐放性混合物でコーティングして徐放性コーティングされたコアシードを形成することであって、当該徐放性混合物が、1つ以上の放出調節賦形剤および溶媒を含む形成すること;
c)当該複数の徐放性コーティングされたコアシードを乾燥させることと、
d)当該複数の徐放性コーティングされたコアシードをカプセル殻内にカプセル化して経口医薬組成物を生成することであって、当該経口医薬組成物が、コアシード、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬物コーティング層、徐放性コーティング層を含み、
当該複数の徐放性コーティングされたコアシードが、6000ppm未満の有機溶媒を含む生成すること、を含むプロセスが本明細書において提供される。
【0179】
いくつかの実施形態では、当該プロセスは、徐放性コーティングされたコアシードを形成する前に複数の薬物コーティングされたコアシードを封止コート混合物でコーティングすることを更に含み、ここで、当該封止コート混合物は、1つ以上のフィルム形成ポリマーおよび溶媒を含み、当該封止コート混合物は、1重量%未満の有機溶媒を含み、当該経口医薬組成物は、コアシード、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬物コーティング層、封止コーティング層、徐放性コーティング層を含み、当該複数の徐放性コーティングされたコアシードは、6000ppm未満の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、当該プロセスは、複数の乾燥ステップ(例えば各コーティング適用間の乾燥ステップ)を含む。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、6000ppm未満の有機溶媒を含む。
【0180】
当該プロセスのコーティングステップ(例えばコアシードまたは薬物-コアシードのコーティング)は、本明細書に記載されるような混合物(例えば、薬物混合物、徐放性混合物または封止コート混合物)を任意の適切な手段によって適用することを含み得る。コーティングは、シードの少なくとも一部が混合物の一部によって囲まれるようにコアシードまたはコーティングされたコアシードに混合物を噴霧するかまたは別の方法で適用することを含み得る。いくつかの実施形態では、コアシード(またはコーティングされたコアシード)をコーティングすることは、本明細書に記載されるような混合物によって当該コアシードを完全に囲むことを含む。他の実施形態では、シードをコーティングすることは、コアシードのほぼ全てまたはコアシードの大部分を囲むことを含み、例えば、表面積の少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%においてコアシードは、コーティングによって囲まれる。混合物は、一様な厚さで適用されてもよく、厚さが異なってもよい。
【0181】
いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシドなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、直鎖状または環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ビス(2-メトキシエチル)エーテル(ジグリム)、ジメトキシエタン(グリム)、1,4-ジオキサンなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、リンアミド(例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HPMA)など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、塩素化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素など)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、窒素含有溶媒(例えば、ピリジン、アセトニトリルなど)である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、イソプロピルアルコールなどのアルコール(例えば、C1-C6アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、グリセロール)である。いくつかの実施形態では、2つ以上の溶媒の混合物が使用され得る。いくつかの実施形態では、徐放性コーティング混合物においては有機溶媒を使用したまま、薬物コーティング混合物および任意の封止コーティング混合物における有機溶媒の使用を低減または回避することにより、複数のコーティングされたコアシード、例えば、本明細書に記載されるような6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含有する徐放性コーティングされたコアシードを含む、本明細書に記載されるような医薬組成物が生成され得る。本明細書に記載されている有機溶媒の濃度のいくつかの実施形態では、提供される濃度は、2つ以上の有機溶媒の総量を指す。
【0182】
各コーティング混合物の成分は、医薬組成物のコーティングのための本明細書に記載の成分のいずれかであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤は、1つ以上の結合剤および1つ以上の粘着防止剤を含み、徐放性混合物は、可塑剤および細孔形成剤を更に含む。他の実施形態では、薬物混合物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コポビドン、タルク、および溶媒を含み、徐放性混合物は、エチルセルロース、ポビドン、中鎖トリグリセリド、および溶媒を含む。更に他の実施形態では、封止コート混合物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、タルク、および溶媒を含む。いくつかの実施形態では、封止コート混合物中の溶媒は、水である。他の実施形態では、徐放性混合物中の溶媒は、アルコールおよび水を含む。更に他の実施形態では、薬物混合物中の溶媒は、水である。
【0183】
本明細書において提供されるプロセスは、複数のコーティングされたコアシードを含む経口医薬組成物を生成し得、ここで、当該複数のコーティングされたコアシードは、6000ppm未満、5500ppm未満、5000ppm未満、4500ppm未満、4000ppm未満、3500ppm未満、3000ppm未満、2500ppm未満、2000ppm未満、1500ppm未満、または1200ppm未満の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、コーティングされたコアシードは、徐放性コーティングされたコアシードである。
【0184】
本明細書において提供されるプロセスは、本明細書に記載されるように任意の成分を任意の重量、比率、または重量パーセントで含む医薬組成物を生成し得る。例えば、本明細書において提供されるプロセスのいくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、
30重量%~60重量%のアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と、
1重量%~25重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
1重量%~4重量%のコポビドンと、
10重量%~20重量%のエチルセルロースと、
0.25重量%~4重量%の中間トリグリセリドと、
0.25重量%~4重量%のポビドンと、を含み、
複数のコーティングされたコアシードは、2000ppm未満のアルコールを含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、2000ppm未満のアルコールなどの有機溶媒を含む。ある種の実施形態では、医薬組成物は複数のコーティングされたコアシードを含み、ここで、当該複数のコーティングされたコアシードは2000ppm未満のアルコールなどの有機溶媒を含む。本明細書において提供されるプロセスのいくつかの実施形態では、経口医薬組成物は、組成物の5重量%~20重量%、または10重量%~15重量%、または約12.44の重量%の微結晶性セルロースを含むコアシード、各コアシードを囲む薬物コーティングであって、組成物の20重量%~60重量%、または30重量%~50重量%、または40重量%~50重量%、または約43.54重量%のアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩;5重量%~18重量%、または8重量%~15重量%、または約11.61の重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび組成物の1重量%~5重量%、または2重量%~4重量%、または約2.9重量%のコポビドンである薬学的に許容される賦形剤;ならびに組成物の1重量%~3重量%、または1.5重量%~2.5重量%、または約2.17の重量%のタルクである粘着防止剤を含む薬物コーティング、薬物コーティングを囲む徐放性コーティングであって、組成物の5重量%~25重量%、または10重量%~20重量%、または約15.91重量%のエチルセルロースである放出調節賦形剤;組成物の1重量%~3重量%、または1.5重量%~2.5重量%、または約2.15の重量%のポビドンである細孔形成剤;および組成物の1重量%~3重量%、または1.5重量%~2.5重量%、または約2.15重量%の中鎖トリグリセリドである可塑剤を含む徐放性コーティング、ならびに薬物コーティングを囲む封止コーティングであって、封止コーティングを囲み、封止コーティングが、組成物の3重量%~10重量%、または5重量%~8重量%、または約6.6の重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースであるフィルム形成ポリマー;および組成物の0.25重量%~1重量%、または0.5重量%~0.75重量%、または約0.66重量%のタルクである粘着防止剤を含む徐放性コーティングを含む。いくつかの実施形態では、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩は、塩酸アマンタジンである。ある種の実施形態では、経口医薬組成物は、組成物の0.01重量%~0.2重量%、または0.08重量%~0.12重量%、または約0.1重量%のステアリン酸マグネシウムを更に含む。いくつかの実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩は、塩酸アマンタジンである。別の実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩は、硫酸アマンタジンである。
【0186】
いくつかの実施形態では、薬物コーティングおよび所望により封止コーティングによって囲まれた複数のコアシードは、最終組成物の70重量%~90重量%、75重量%~85重量%、または約80.57重量%を構成し、徐放性コーティングが適用されて、総重量が約24%増加する。他の実施形態では、薬物コーティングおよび所望により封止コーティングによって囲まれた複数のコアシードは、最終組成物の70重量%~90重量%、75重量%~85重量%、または約79.92重量%を構成し、徐放性コーティングが適用されて、総重量が約25%増加する。ある種の実施形態では、徐放性コーティングの重量%が増加した(例えば、約2重量%、約1.5重量%、約1重量%、または約0.5重量%増加した)経口医薬組成物は、より低い重量%の徐放性コーティングを有する組成物と比較して胃腸影響のより低い発生率をもたらす。
【0187】
更に、本明細書に記載のプロセスのいずれかによって形成される経口医薬組成物が、本明細書において提供される。本明細書において提供されるプロセスのいずれかによって形成することができる経口医薬組成物もまた本明細書において提供される。
【0188】
IV.その他の徐放性剤形
当業者は、本明細書に記載のカプセル製剤に加えて、徐放性経口組成物の他の実施形態が想定され得ることを理解するであろう。かかる他の実施形態は、徐放性固形剤形、例えば、錠剤、カプセル、ジェルカプセル、散剤、ペレット、ビーズレットなどを含む。このような徐放性組成物に含まれるのは、本開示の方法において使用される放出特性およびin vivoでの薬物動態プロファイルを有するものである。いくつかの実施形態では、当業者は、Guittardらに属する米国特許第5,358,721号またはEdgrenらに属する米国特許第6,217,905号(これらの各々はアマンタジンの経口用浸透圧剤形を開示しており、これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている徐放技術を本明細書中に記載の必要な薬物動態プロファイルを達成するための設計特性の適切な調整と共に使用し得る。他の実施形態では、当業者は、Smithらに属する米国特許第6,194,000号または全てWentらに属する米国特許出願公開第US2006/0252788号、同第US2006/0189694号、同第US2006/0142398号、同第US2008/0227743号、同第US2011/0189273号、および同第US20150087721号(これらの各々は、所望により制御放出形態のNMDA受容体アンタゴニスト、例えば、アマンタジンの投与を開示しており、これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている技術を設計特性の適切な調整と共に使用し得る。
【0189】
本明細書におけるいくつかの実施形態は、アマンタジン(またはその薬学的に許容される塩、例えば、塩酸アマンタジン)をその必要がある対象に夜間に1回経口投与する方法であって、就寝時刻の4時間未満前に(および/または午後4時以後に)アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む徐放性(ER)組成物を経口投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、投与は、就寝時刻の4時間未満前に行われる。いくつかのかかる方法において、当該方法は、パーキンソン病の対象によって経験されるジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させる。いくつかのかかる方法において、当該方法は、パーキンソン病の対象によって経験されるジスキネジアを伴うオンタイムを低減する。いくつかのかかる方法において、当該方法は、パーキンソン病の対象によって経験される煩わしいジスキネジアを伴うオンタイムを低減する。いくつかの実施形態では、当該方法は、パーキンソン病の対象によって経験されるオフタイムを低減する。いくつかの実施形態では、当該方法は、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させるが、パーキンソン病の対象における睡眠障害を誘発または増加させない。いくつかの実施形態では、当該方法は、臨床医の全般印象度を改善するが、パーキンソン病の対象における睡眠障害を誘発または増加させない。いくつかの実施形態では、組成物は、投与前に食品に添加される。いくつかの実施形態では、投与後の少なくとも1時間、アマンタジン血漿濃度が増加しない。いくつかの実施形態では、投与後の少なくとも2時間、アマンタジン血漿濃度が増加しない。いくつかの実施形態では、アマンタジンは、9~18時間の単一用量Tmaxおよび/または7~13時間の定常状態Tmaxを有する。いくつかの実施形態では、アマンタジンは、投与後の12~18時間の単一用量Tmaxおよび/または8~12時間の定常状態Tmaxを有する。いくつかの実施形態では、アマンタジンは、投与後の12~16時間の単一用量Tmaxおよび/または9~12時間の定常状態Tmaxを有する。いくつかの実施形態では、ヒト対象への組成物の夜間に1回の経口投与は、投与後3時間での25%未満のアマンタジンの濃度増加を特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供する。いくつかの実施形態では、PK曲線は、1.4~1.9のCmax/Cmin比を有する。いくつかの実施形態では、定常状態でのC-ave-日中/C-ave-夜比は、1.2~1.7である。いくつかの実施形態では、定常状態での日中の平均アマンタジン血漿濃度(C-ave-日中)は、500~2000ng/mlである。いくつかの実施形態では、アマンタジンは、塩酸アマンタジンまたは硫酸アマンタジンである。いくつかの実施形態では、組成物は、260~420mgの塩酸アマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、各々が85~175mgの塩酸アマンタジンを含む、2または3または4単位剤形として投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、各々が130~210mgの徐放性塩酸アマンタジンを含む2単位剤形として投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、カプセルサイズ#1のカプセル内に存在する。いくつかの実施形態では、組成物は、260mg~340mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、340mgのアマンタジンの薬学的に許容される塩、例えば、塩酸アマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、170mgの塩酸アマンタジンを含む。いくつかの実施形態では、単一用量の組成物の絶食状態のヒト対象への経口投与は、アマンタジン1mgにつき1.1~2.1ng/mlの最大血漿濃度(Cmax)およびマンタジン1mgにつき42~72ng*h/mLのAUC0-infを提供する。いくつかの実施形態では、1回用量の組成物のヒト対象への夜間に1回の経口投与は、(a)アマンタジン1mgにつき2.0~3.1ng/mlのCmax、
(b)アマンタジン1mgにつき1.3~2.0ng/mlのCmin、および
(c)アマンタジン1mgにつき42~68ng*h/mLのAUC0-24を特徴とする定常状態血漿濃度プロファイルを提供する。いくつかの実施形態では、定常状態血漿濃度プロファイルは、(d)投与後の少なくとも1時間、アマンタジン血漿濃度の増加がないこと、および(e)1.4~1.9のCmax/Cmin比を更に特徴とする。いくつかの実施形態では、定常状態血漿濃度プロファイルは、(f)投与後の少なくとも2時間、アマンタジン濃度の増加がないこと、および(g)1.4~1.9のCmax/Cmin比を更に特徴とする。
【0190】
いくつかの実施形態では、組成物は、AUC0-infの0.25%未満である0~4時間の部分的AUC、AUC0-infの3.5%未満である0~8時間の部分的AUC、AUC0-infの約5~12%である0~12時間の部分的AUC、AUC0-infの約25~60%である0~18時間の部分的AUC、およびAUC0-infの約20~27%である0~24時間の部分的AUCを特徴とする単一用量の組成物の投与後のAUCプロファイルを有する。いくつかの実施形態では、組成物は、AUC0-24の約2~25%である0~4時間の部分的AUC、AUC0-24の約15~50%である0~8時間の部分的AUC、AUC0-24の約30~70%である0~12時間の部分的AUC、およびAUC0-24の約60~95%である0~18時間の部分的AUCを特徴とする定常状態条件での組成物の夜間に1回の投与後のAUCプロファイルを有する。いくつかのかかる実施形態では、当該方法は、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させる。いくつかのかかる実施形態において、当該方法は、パーキンソン病の対象によって経験されるオフタイムを減少させる。
【0191】
いくつかの実施形態は、アマンタジンによる処置を受けているヒト対象において睡眠障害を低減する方法であって、就寝時刻の4時間未満前に(および/または午後4時以後に)アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む徐放性(ER)組成物を夜間に1回経口投与することを含む方法を本明細書において提供する。いくつかのかかる方法において、当該方法は、パーキンソン病の対象がジスキネジアを伴って経験するオンタイムを低減する。いくつかのかかる方法において、当該方法は、パーキンソン病の対象によって経験される煩わしいジスキネジアを伴うオンタイムを低減する。いくつかの実施形態では、当該方法は、パーキンソン病の対象が経験するオフタイムを低減する。いくつかの実施形態では、当該方法は、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させるが、パーキンソン病の対象において睡眠障害または胃腸有害事象を誘発または増加させない。いくつかの実施形態では、組成物は、投与前に食品に添加される。いくつかの実施形態では、投与後の少なくとも1時間、アマンタジン血漿濃度が増加しない。いくつかの実施形態では、組成物は、投与前に食品に添加される。いくつかの実施形態では、投与後の少なくとも1時間、アマンタジン血漿濃度が増加しない。いくつかの実施形態では、投与後の少なくとも2時間、アマンタジン血漿濃度が増加しない。
【0192】
本明細書に記載の方法、例えば、投与方法、または1つ以上の副作用を低減する方法、またはもう1つの症状を処置する方法のいくつかの実施形態では、アマンタジンの単位用量は、40mg~500mg、45mg~400mg、50mg~350mg、55mg~300mg、60mg~290mg、68.5mg~274mg、50mg~80mg、55mg~75mg、60mg~70mg、120mg~150mg、135mg~145mg、130mg~140mg、250mg~300mg、260mg~290mg、270mg~280mg、約68.5mg、約137mg、もしくは約274mg、または当量のアマンタジンの薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩は、塩酸アマンタジンである。別の実施形態では、アマンタジンの薬学的に許容される塩は、硫酸アマンタジンである。塩が増加した分子量を有することを考慮して、化合物の塩の「当量」をどのように計算するかは、当業者に明らかであろう。例えば、いくつかの実施形態では、当該方法は、約68.5mgのアマンタジンまたは当量のアマンタジン塩酸塩を投与することを含む。したがって、いくつかの実施形態では、当該方法は、約85mgの塩酸アマンタジンを投与することを含む。単位用量は単一のカプセル中に存在し得るか、または複数のカプセルにわたって存在し得る。
【0193】
「薬物1mgにつき」の基準で本明細書において詳述される薬物動態パラメータは、組成物中のアマンタジンの形態のmgを使用して計算され得る。したがって、例えば、組成物がアマンタジンを含む場合、計算は存在するアマンタジンの重量を使用し得る。組成物がアマンタジンの薬学的に許容される塩を含む場合、計算は薬学的に許容される塩の重量を使用し得る。更に、当業者は、1つの形態(例えば、アマンタジンまたはアマンタジンの薬学的に許容される塩)の重量を使用して計算された薬物動態パラメータの値をどのように別の形態の使用に対応する値に変換するかを知っている。したがって、例えば、アマンタジンの重量を引用するかまたはそれに基づいたパラメータは、アマンタジンの薬学的に許容される塩、例えば塩酸アマンタジンの重量を引用するかまたはそれに基づいたパラメータに変換され得る。かかるパラメータの例には、1mgにつきng*hr/mlの単位を有するAUCinf;1mgにつきng*hr/mlの単位を有するpAUC0-6;1mgにつきng*hr/mlの単位を有するpAUC0-8;1mgにつきng/mlの単位を有する平均Cmax;1mgにつきng/mlの単位を有する平均Cmin;または1mgにつきng*h/mLの単位を有する平均AUC0-24が含まれ得る。
【0194】
番号付き実施形態
実施形態I-1経口医薬組成物であって、
137mg~500mgのアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と、
当該薬物の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が、(i)11~19時間のアマンタジンのTmax、(ii)当該薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-inf、および(iii)当該薬物1mgにつき1.0~2.0ng*hr/mlのアマンタジンのpAUC0-8を有する、経口医薬組成物。
【0195】
実施形態I-2経口医薬組成物であって、
137mg~500mgのアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と、
当該アマンタジンまたは当該その薬学的に許容される塩の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が、(i)11~19時間のアマンタジンのTmax、(ii)当該薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-inf、および(iii)当該薬物1mgにつき0.3~0.9ng*hr/mlのアマンタジンのpAUC0-6を有する、経口医薬組成物。
【0196】
実施形態I-3当該経口医薬組成物が、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該薬物1mgにつき0.3~0.9ng*hr/mlのアマンタジンのpAUC0-6を有する、実施形態I-1に記載の経口医薬組成物。
【0197】
実施形態I-4経口医薬組成物であって、
137mg~500mgのアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と、
当該アマンタジンまたは当該その薬学的に許容される塩の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が、溶解溶媒としての500mlの水を用いてUSPタイプ2装置(パドル)で37.0±0.5℃にて50rpmで判定されるように、(i)2時間内に0%~10%、(ii)4時間内に3%~14%、(iii)6時間内に23%~40%、(iv)8時間内に50%~70%、および(v)12時間内に80%以上のうちの少なくとも3つを示すアマンタジンの溶解プロファイルを有し、
当該経口医薬組成物が単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が(i)11~19時間のアマンタジンのTmax、および(ii)当該薬物1mg当たり44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-infを有する、経口医薬組成物。
【0198】
実施形態I-5当該溶解プロファイルが、(i)2時間内に0%~9%、(ii)4時間内に3%~14%、(iii)6時間内に24%~40%、(iv)8時間内に45%~70%、および(v)12時間内に82%以上である、実施形態I-4に記載の経口医薬組成物。
【0199】
実施形態I-6経口医薬組成物をその必要がある対象に投与する方法であって、
経口医薬組成物を当該患者に1日1回、就寝時刻の0~4時間前に経口投与することを含み、
当該経口医薬組成物が、137mg~500mgのアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と、
当該アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が(i)11~19時間のアマンタジンのTmax、(ii)当該薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-inf、および(iii)当該薬物1mgにつき1.0~2.0ng*hr/mlのアマンタジンのpAUC0-8を有する、経口医薬組成物。
【0200】
実施形態I-7経口医薬組成物をその必要がある対象に投与する方法であって、
医薬組成物を対象に1日1回、就寝時刻の0~4時間前に経口投与することを含み、
当該経口医薬組成物が、137mg~500mgのアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と、
当該アマンタジンまたは当該その薬学的に許容される塩の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が(i)11~19時間のアマンタジンのTmax、(ii)当該薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-inf、および(iii)当該薬物1mgにつき0.3~0.9ng*hr/mlのアマンタジンのpAUC0-6を有する、経口医薬組成物。
【0201】
実施形態I-8当該経口医薬組成物が、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該薬物1mgにつき0.3~0.9ng*hr/mlのアマンタジンのpAUC0-6を有する、実施形態I-6に記載の方法。
【0202】
実施形態I-9経口医薬組成物をその必要がある対象に投与する方法であって、
経口医薬組成物を対象に1日1回、就寝時刻の0~4時間前に経口投与することを含み、
当該経口医薬組成物が、137mg~500mgのアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と、
当該アマンタジンまたは当該その薬学的に許容される塩の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が、溶解溶媒としての500mlの水を用いてUSPタイプ2装置(パドル)で37.0±0.5℃にて50rpmで判定されるように、(i)2時間内に0%~10%、(ii)4時間内に3%~14%、(iii)6時間内に23%~40%、(iv)8時間内に50%~70%、および(v)12時間内に80%以上のうちの少なくとも3つを示すアマンタジンの溶解プロファイルを有し、
当該経口医薬組成物が単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が、(i)11~19時間のアマンタジンのTmaxおよび(ii)当該薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-infを有する、方法。
【0203】
実施形態I-10当該溶解プロファイルが、(i)2時間内に0%~9%、(ii)4時間内に3%~14%、(iii)6時間内に24%~40%、(iv)8時間内に45%~70%、および(v)12時間内に82%以上である、実施形態I-9に記載の方法。
【0204】
実施形態I-11アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が経口投与される対象において胃腸有害事象を低減する方法であって、
137Mg~500mgのアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と
当該アマンタジンまたは当該その薬学的に許容される塩の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が(i)11~19時間のアマンタジンのTmax、(ii)当該薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-inf、および(iii)当該薬物1mgにつき1.0~2.0ng*hr/mlのアマンタジンのpAUC0-8を有する、方法。
【0205】
実施形態I-12アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が経口投与される対象において胃腸有害事象を低減する方法であって、
137mg~500mgのアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と、
当該アマンタジンまたは当該その薬学的に許容される塩の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が(i)11~19時間のアマンタジンのTmax、(ii)当該薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-inf、および(iii)当該薬物1mgにつき0.3~0.9ng*hr/mlのアマンタジンのpAUC0-6を有する、方法。
【0206】
実施形態I-13当該経口医薬組成物が、単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該薬物1mgにつき0.3~0.9ng*hr/mlのアマンタジンのpAUC0-6を有する、実施形態I-11に記載の方法。
【0207】
実施形態I-14アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が経口投与される対象において胃腸有害事象を低減する方法であって、
137mg~500mgのアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と、
当該アマンタジンまたは当該その薬学的に許容される塩の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が、溶解溶媒としての500mlの水を用いてUSPタイプ2装置(パドル)で37.0±0.5℃にて50rpmで判定されるように、(i)2時間内に0%~10%、(ii)4時間内に3%~14%、(iii)6時間内に23%~40%、(iv)8時間内に50%~70%、および(v)12時間内に80%以上のうちの少なくとも3つを示すアマンタジンの溶解プロファイルを有し、
当該医薬組成物が単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が(i)11~19時間のアマンタジンのTmax、および(ii)当該薬物1mg当たり44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-infを有する、方法。
【0208】
実施形態I-15当該溶解プロファイルが、(i)2時間内に0%~9%、(ii)4時間内に3%~14%、(iii)6時間内に24%~40%、(iv)8時間内に45%~70%、および(v)12時間内に82%以上である、実施形態I-14に記載の方法。
【0209】
実施形態I-16アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口医薬組成物を調製するプロセスであって、
a)複数のコアシードを薬物混合物でコーティングして薬物コーティングされたコアシードを形成することであって、
当該薬物混合物が、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、および溶媒を含み、
当該薬物混合物が、1重量%未満の有機溶媒を含む形成することと、
b)当該複数の薬物コーティングされたコアシードを徐放性混合物でコーティングして徐放性コーティングされたコアシードを形成することであって、
当該徐放性混合物が、1つ以上の放出調節賦形剤および溶媒を含む形成することと、
c)当該複数の徐放性コーティングされたコアシードを乾燥させることと、
d)当該複数の徐放性コーティングされたコアシードをカプセル殻内にカプセル化して経口医薬組成物を生成することであって、
当該経口医薬組成物が、コアシード、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬物コーティング、徐放性コーティングを含み、
当該複数の徐放性コーティングされたコアシードが、6000ppm未満の有機溶媒を含む生成することと、を含むプロセス。
【0210】
実施形態I-17徐放性コーティングされたコアシードを形成する前に
複数の薬物コーティングされたコアシードを封止コート混合物でコーティングすることであって、
当該封止コート混合物が、1つ以上のフィルム形成ポリマーおよび溶媒を含み、
当該封止コート混合物が、1重量%未満の有機溶媒を含み、
当該経口医薬組成物が、コアシード、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬物コーティング、封止コーティング、徐放性コーティングを含む、コーティング売ることと、
当該複数の徐放性コーティングされたコアシードが、6000ppm未満の有機溶媒を含む生成することと、を更に含む実施形態I-16に記載のプロセス。
【0211】
実施形態I-18当該有機溶媒がアルコールである、実施形態I-16またはI-17に記載のプロセス。
【0212】
実施形態I-19当該有機溶媒がイソプロピルアルコールである、実施形態I-16~I-18のいずれか一項に記載のプロセス。
【0213】
実施形態I-20当該1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が、1つ以上の結合剤および1つ以上の粘着防止剤を含み、当該徐放性混合物が、可塑剤および細孔形成剤を更に含む、実施形態I-16~I-19のいずれか一項に記載のプロセス。
【0214】
実施形態I-21当該薬物混合物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コポビドン、タルク、および溶媒を含み、当該徐放性混合物が、エチルセルロース、ポビドン、中鎖トリグリセリド、および溶媒を含む、実施形態I-16~I-20のいずれか一項に記載のプロセス。
【0215】
実施形態I-22当該封止コート混合物が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、タルク、および溶媒を含む、実施形態I-17~I-21のいずれか一項に記載のプロセス。
【0216】
実施形態I-23当該複数の徐放性コーティングされたコアシードが2000ppm未満の有機溶媒を含む、実施形態I-16~I-22のいずれか一項に記載のプロセス。
【0217】
実施形態I-24当該経口医薬組成物が、
30重量%~60重量%のアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と、
1重量%~25重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
1重量%~4重量%のコポビドンと、
10重量%~20重量%のエチルセルロースと、
0.25重量%~4重量%の中間トリグリセリドと、
0.25重量%~4重量%のポビドンと、を含み、
当該複数の徐放性コーティングされたコアシードが2000ppm未満のアルコールを含む、実施形態I-16~I-23のいずれか一項に記載のプロセス。
【0218】
実施形態I-25当該薬物混合物中の当該溶媒が水を含む、実施形態I-16~I-24のいずれか一項に記載のプロセス。
【0219】
実施形態I-26当該薬物混合物中の当該溶媒が99重量%を超える水を含む、実施形態I-25に記載のプロセス。
【0220】
実施形態I-27当該薬物混合物中の当該溶媒が水である、実施形態I-25またはI-26に記載のプロセス。
【0221】
実施形態I-28当該封止コート混合物中の当該溶媒が水を含む、実施形態I-17~I-27のいずれか一項に記載のプロセス。
【0222】
実施形態I-29当該封止混合物中の当該溶媒が99重量%を超える水を含む、実施形態I-28に記載のプロセス。
【0223】
実施形態I-30当該封止混合物中の当該溶媒が水である、実施形態I-28またはI-29に記載のプロセス。
【0224】
実施形態I-31当該徐放性混合物中の当該溶媒が水を含む、実施形態I-16~I-30のいずれか一項に記載のプロセス。
【0225】
実施形態I-32当該徐放性混合物中の当該溶媒が有機溶媒を含む、実施形態I-16~I-30のいずれか一項に記載のプロセス。
【0226】
実施形態I-33当該徐放性混合物中の当該溶媒が水および有機溶媒を含む、実施形態I-16~I-32のいずれか一項に記載のプロセス。
【0227】
実施形態I-34当該徐放性混合物中の当該溶媒が水および最高50重量%の有機溶媒を含む、実施形態I-33に記載のプロセス。
【0228】
実施形態I-35実施形態I-16~I-34のいずれか一項に記載のプロセスによって形成される経口医薬組成物。
【0229】
実施形態I-36実施形態I-16~I-35のいずれか一項に記載のプロセスによって形成することができる経口医薬組成物。
【0230】
実施形態I-37アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口医薬組成物であって、
複数のコーティングされたコアシードであって、各コーティングされたコアシードが、
コアシード、
当該コアシードを囲む薬物コーティングであって、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む薬物コーティング、および当該薬物コーティングを囲む徐放性コーティングであって、1つ以上の放出調節賦形剤を含む徐放性コーティングを含む複数のコーティングされたコアシード、
ならびにカプセル殻であって、当該複数のコーティングされたコアシードが当該カプセル殻内にカプセル化されている、カプセル殻、を含み、
当該複数のコーティングされたコアシードが、6000ppm未満の有機溶媒を含む、経口医薬組成物。
【0231】
実施形態I-38前記有機溶媒が、アルコールである、実施形態I-37に記載の経口医薬組成物。
【0232】
実施形態I-39前記有機溶媒が、イソプロピルアルコールである、実施形態I-37またはI-38に記載の経口医薬組成物。
【0233】
実施形態I-40当該薬物コーティングを囲む封止コーティングであって、1つ以上のフィルム形成ポリマーを含み、当該徐放性コーティングによって囲まれている封止コーティングを更に含む、実施形態I-37~I-39のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0234】
実施形態I-41当該1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が、1つ以上の結合剤および1つ以上の粘着防止剤を含み、当該徐放性コーティングが、可塑剤および細孔形成剤を更に含む、実施形態I-37~I-40のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0235】
実施形態I-42当該1つ以上の薬学的に許容される賦形剤が、
1つ以上の結合剤および1つ以上の粘着防止剤を含み、ここで、当該1つ以上の結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびコポビドンを含み、当該1つ以上の粘着防止剤が、タルクを含み、
当該徐放性コーティングが、放出調節賦形剤、可塑剤、細孔形成剤を含み、
ここで、当該放出調節賦形剤が、エチルセルロースを含み、当該細孔形成剤が、ポビドンを含み、当該可塑剤が、中鎖トリグリセリドを含む、実施形態I-37~I-41のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0236】
実施形態I-43当該フィルム形成ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、当該封止コーティングがタルクを更に含む、実施形態I-40~I-42のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0237】
実施形態I-44複数のコーティングされたコアシードが、2000ppm未満の有機溶媒を含む、実施形態I-37~I-43のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0238】
実施形態I-45当該医薬組成物が、
30重量%~60重量%のアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩;
1重量%~25重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
1重量%~4重量%のコポビドンと、
10重量%~20重量%のエチルセルロースと、
0.25重量%~4重量%の中間トリグリセリドと、
0.25重量%~4重量%のポビドンと、を含み、
当該複数のコーティングされたコアシードが、2000ppm未満のアルコールを含む、実施形態I-37~I-44のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0239】
実施形態I-46当該
薬物コーティングが、
40重量%~50重量%のアマンタジンまたはその薬学的に許容される塩と、
10重量%~15重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
2重量%~3.5重量%のコポビドンと、
1.8重量%~2.5重量%のタルクと、を含み、
当該徐放性コーティングが、
10重量%~20重量%のエチルセルロースと、
1.5重量%~2.5重量%のポビドンと、
1.5重量%~2.5重量%の中鎖トリグリセリドと、を含む、実施形態I-37~I-45のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0240】
実施形態I-47当該封止コーティングが、5重量%~10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび0.25重量%~1重量%のタルクを含む、実施形態I-37~I-46のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0241】
実施形態I-48アマンタジンの単位用量が、40mg~500mgまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態I-37~I-47のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0242】
実施形態I-49アマンタジンの単位用量が、60mg~300mgまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態I-37~I-48のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0243】
実施形態I-50当該経口医薬組成物が、1日1回の投与用に製剤化される、実施形態I-37~I-49のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0244】
実施形態II-1経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、当該経口医薬組成物が、50mg~500mgの当該アマンタジンまたは当量の当該その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
当該薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が、
(i)2時間内に0%~10%、
(ii)4時間内に3%~14%、
(iii)6時間内に23%~40%、
(iv)8時間内に50%~70%、および
(v)12時間内に80%以上のうちの少なくとも4つを示す当該薬物の溶解プロファイルを有し、
当該溶解プロファイルが、溶解溶媒としての500mlの水と共に、USPタイプ2装置(パドル)を用いて37.0±0.5℃にて50rpmで判定され、
当該経口医薬組成物が単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が、(i)11~19時間のアマンタジンのTmaxおよび(ii)当該薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-infを提供し、当該対象が、一晩の絶食後の朝に投薬される、経口医薬組成物。
【0245】
実施形態II-2当該溶解プロファイルが、(i)2時間内に0%~9%、(ii)4時間内に3%~14%、(iii)6時間内に24%~40%、(iv)8時間内に45%~70%、および(v)12時間内に82%以上である、実施形態II-1に記載の経口医薬組成物。
【0246】
実施形態II-3経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、当該経口医薬組成物が、50mg~500mgの当該アマンタジンまたは当量の当該その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
当該薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が、
(i)2時間での10%以下の溶解、
(ii)4時間での5%~13%の溶解、
(iii)6時間での20%~43%の溶解、
(iv)8時間での50%~70%の溶解、および
(v)12時間での少なくとも80%の溶解のうちの少なくとも4つを示す当該薬物の溶解プロファイルを有し、
当該溶解プロファイルが、溶解溶媒としての500mlの水と共に、USPタイプ2装置(パドル)を用いて37.0±0.5℃にて50rpmで判定され、
当該経口医薬組成物が単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が、(i)11~19時間のアマンタジンのTmaxおよび(ii)当該薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-infを提供し、当該対象が、一晩の絶食後の朝に投薬される、経口医薬組成物。
【0247】
実施形態II-4経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、当該経口医薬組成物が、50mg~500mgの当該アマンタジンまたは当量の当該その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
当該薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
当該経口医薬組成物が、溶解溶媒としての37.0±0.5℃の500mlの水と共にUSP装置II(パドル)を使用して50rpmでの
(i)2時間での9%以下の溶解、
(ii)4時間での3%~14%の溶解、
(iii)6時間での20%~43%の溶解、
(iv)8時間での45%~70%の溶解、および
(v)12時間での少なくとも82%の溶解、のうちの少なくとも4つを示す当該薬物の溶解プロファイルを有し、
当該溶解プロファイルが、溶解溶媒としての500mlの水と共に、USPタイプ2装置(パドル)を用いて37.0±0.5℃にて50rpmで判定され、
当該経口医薬組成物が単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が、(i)11~19時間のアマンタジンのTmaxおよび(ii)当該薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-infを提供し、当該対象が、一晩の絶食後の朝に投薬される、経口医薬組成物。
【0248】
実施形態II-5アマンタジンの当該Tmaxが、12~18時間である、実施形態II-1~II-4のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0249】
実施形態II-6当該経口医薬組成物が、(i)~(v)のそれぞれを示す、実施形態II-1~II-5のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0250】
実施形態II-7当該経口医薬組成物が、4時間での9%の溶解を有する、実施形態II-1~II-6のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0251】
実施形態II-8当該経口医薬組成物が、6時間での31%の溶解を有する、実施形態II-1~II-7のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0252】
実施形態II-9当該経口医薬組成物が、8時間での61%の溶解を有する、実施形態II-1~II-8のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0253】
実施形態II-10当該経口医薬組成物が、12時間での94%の溶解を有する、実施形態II-1~II-9のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0254】
実施形態II-11経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、当該経口医薬組成物が、50mg~500mgの当該アマンタジンまたは当量の当該その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
当該薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合であって、当該対象が一晩の絶食後の朝に投薬される場合に当該経口医薬組成物が、
11~19時間のアマンタジンのTmax、
当該薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-inf、および
当該薬物1mgにつき1.0~2.0ng*hr/mlのアマンタジンのpAUC0-8を提供する、経口医薬組成物。
【0255】
実施形態II-12単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合であって、当該対象が一晩の絶食後の朝に投薬される場合に、当該経口医薬組成物が、当該薬物1mgにつき0.3~0.9ng*hr/mlであるアマンタジンのpAUC0-6を提供する、実施形態II-11に記載の経口医薬組成物。
【0256】
実施形態II-13経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、当該経口医薬組成物が、50mg~500mgの当該アマンタジンまたは当量の当該その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
当該薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合であって、当該対象が一晩の絶食後の朝に投薬される場合に当該経口医薬組成物が、
(i)AUC0-infの1%未満である0~4時間の部分的AUC、
(ii)AUC0-infの4.5%以下である0~8時間の部分的AUC、
(iii)AUC0-infの約5%~15%である0~12時間の部分的AUC、
(iv)AUC0-infの約20%~35%である0~18時間の部分的AUC、
(v)およびAUC0-infの約34%~48%である0~24時間の部分的AUCを提供する、経口医薬組成物。
【0257】
実施形態II-14当該0~4の部分的AUCが、AUC0-infの0.2%未満である、実施形態II-13に記載の経口医薬組成物。
【0258】
実施形態II-15当該0~8時間の部分的AUCが、AUC0-infの1.0%~4.0%である、実施形態II-13またはII-14に記載の経口医薬組成物。
【0259】
実施形態II-16当該0~8時間の部分的AUCが、AUC0-infの1.5%~3.75%である、実施形態II-13~II-15のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0260】
実施形態II-17当該0~8時間の部分的AUCが、AUC0-infの1.75%~3.5%である、実施形態II-13~II-16のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0261】
実施形態II-18AUC0-infの約7.0%~12.0%である当該0~12時間の部分的AUC、実施形態II-13~II-17のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0262】
実施形態II-19当該0~18時間の部分的AUCが、AUC0-infの約22.5%~27.5%である、実施形態II-13~II-18のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0263】
実施形態II-20経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、当該経口医薬組成物が、50mg~500mgの当該アマンタジンまたは当量の当該その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
当該薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合であって、当該対象が一晩の絶食後の朝に投薬される場合に当該経口医薬組成物が、
AUC0-infの0.25%未満である0~4時間の部分的AUC、
AUC0-infの3.5%未満である0~8時間の部分的AUC、
AUC0-infの約5~12%である0~12時間の部分的AUC、および
AUC0-infの約25~60%である0~18時間の部分的AUCを提供する、経口医薬組成物。
【0264】
実施形態II-21100mg~450mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態II-1~II-20のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0265】
実施形態II-22120mg~150mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態II-1~II-21のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0266】
実施形態II-23137mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態II-1~II-22のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0267】
実施形態II-24260mg~305mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態II-1~II-21のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0268】
実施形態II-25274mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態II-1~II-21またはII-24のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0269】
実施形態II-261、2、3、または4単位剤形を含む、実施形態II-1~II-25のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0270】
実施形態II-271または2単位剤形を含む、実施形態II-1~II-26のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0271】
実施形態II-28当該薬物が、アマンタジンの薬学的に許容される塩である、実施形態II-1~II-27のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0272】
実施形態II-29当該薬物が、塩酸アマンタジンである、実施形態II-1~II-28のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0273】
実施形態II-306000ppm未満の有機溶媒を含む、実施形態II-1~II-29のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0274】
実施形態II-312000ppm未満の有機溶媒を含む、実施形態II-1~II-30のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0275】
実施形態II-32複数のコーティングされたコアシードであって、
各コーティングされたコアシードが、
コアシード、
当該コアシードを囲む薬物コーティングであって、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む薬物コーティング、
当該薬物コーティングを囲む徐放性コーティングであって、1つ以上の放出調節賦形剤を含む徐放性コーティングを含む複数のコーティングされたコアシード、および
カプセル殻であって、当該複数のコーティングされたコアシードが当該カプセル殻内にカプセル化されているカプセル殻を含む、実施形態II-1~II-31のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【0276】
実施形態II-33当該複数のコーティングされたコアシードが、6000ppm未満の有機溶媒を含む、実施形態II-32に記載の経口医薬組成物。
【0277】
実施形態II-34当該複数のコーティングされたコアシードが、2000ppm未満の有機溶媒を含む、実施形態II-32に記載の経口医薬組成物。
【0278】
実施形態II-35レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を低減する必要があるパーキンソン病を有する対象においてレボドパ誘発ジスキネジア(LID)を低減する方法であって、実施形態II-1~II-34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、当該対象においてLIDが低減される、経口医薬組成物、を当該対象に1日1回経口投与すること、を含む、方法。
【0279】
実施形態II-36LIDを低減することが、ジスキネジアの重症度を低減することを含む、実施形態II-35に記載の方法。
【0280】
実施形態II-37LIDの低減が、統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)によって評価される、実施形態II-35またはII-36に記載の方法。
【0281】
実施形態II-38煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させる必要があるパーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させる方法であって、当該対象が、レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を有し、当該方法が、実施形態II-1~II-34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物を当該対象に1日1回経口投与すること、を含む、方法。
【0282】
実施形態II-39煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの増加が、プラセボ対照二重盲検臨床試験で判定される、実施形態II-38に記載の方法。
【0283】
実施形態II-40オフタイムを低減する必要があるパーキンソン病を有する対象においてオフタイムを低減する方法であって、当該対象が、レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を有し、当該方法が、実施形態II-1~II-34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、当該対象においてオフタイムが低減される経口医薬組成物を当該対象に1日1回経口投与すること、を含む、方法。
【0284】
実施形態II-41オフタイムの増加が、プラセボ対照二重盲検臨床試験で判定される、実施形態II-40に記載の方法。
【0285】
実施形態II-42運動減少障害を治療する必要がある多発性硬化症を有する対象において運動減少障害を治療する方法であって、実施形態II-1~II-34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物を当該対象に1日1回経口投与することを含む方法。
【0286】
実施形態II-43当該運動減少障害が、歩行障害である、実施形態II-42に記載の方法。
【0287】
実施形態II-44当該経口医薬組成物が、夜間に1回当該対象に投与される、実施形態II-35~II-43のいずれか一項に記載の方法。
【0288】
実施形態II-45当該経口医薬組成物が、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に投与される、実施形態II-35~II-44のいずれか一項に記載の方法。
【0289】
実施形態II-46当該対象に投与される1日量が、100mg~450mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-35~II-45のいずれか一項に記載の方法。
【0290】
実施形態II-47当該対象に投与される1日1回用量が、120mg~150mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-35~II-46のいずれか一項に記載の方法。
【0291】
実施形態II-48当該対象に投与される1日1回用量が、137mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-35~II-47のいずれか一項に記載の方法。
【0292】
実施形態II-49当該対象に投与される1日1回用量が、260mg~305mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-35~II-46のいずれか一項に記載の方法。
【0293】
実施形態II-50当該対象に投与される1日1回用量が、274mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-35~II-46またはII-49のいずれか一項に記載の方法。
【0294】
実施形態II-51当該経口医薬組成物が、1、2、3、または4単位剤形として投与される、実施形態II-35~II-50のいずれか一項に記載の方法。
【0295】
実施形態II-52当該経口医薬組成物が、1または2単位剤形として投与される、実施形態II-35~II-51のいずれか一項に記載の方法。
【0296】
実施形態II-53当該経口医薬組成物が、各々が68.5~175mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む、2または3単位剤形として投与される、実施形態II-35~II-52のいずれか一項に記載の方法。
【0297】
実施形態II-54当該薬物が、アマンタジンの薬学的に許容される塩である、実施形態II-35~II-52のいずれか一項に記載の方法。
【0298】
実施形態II-55当該薬物が、塩酸アマンタジンである、実施形態II-35~II-53のいずれか一項に記載の方法。
【0299】
実施形態II-56レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を低減する必要があるパーキンソン病を有する対象においてレボドパ誘発ジスキネジア(LID)を低減する方法に使用するための実施形態II-1~II-34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、当該方法が、当該経口医薬組成物を当該対象に1日1回経口投与すること、を含む、経口医薬組成物。
【0300】
実施形態II-57LIDを低減することが、ジスキネジアの重症度を低減することを含む、実施形態II-56に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0301】
実施形態II-58LIDの低減が、統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)によって評価される、実施形態II-56またはII-57に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0302】
実施形態II-59煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させる必要があるパーキンソン病を有する対象において、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させる方法に使用するための実施形態II-1~II-34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、当該対象が、レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を有し、当該方法が、当該経口医薬組成物を当該対象に1日1回経口投与すること、を含む、経口医薬組成物。
【0303】
実施形態II-60煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの増加が、プラセボ対照二重盲検臨床試験で判定される、実施形態II-59に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0304】
実施形態II-61オフタイムを低減する必要があるパーキンソン病を有する対象のオフタイムを低減する方法に使用するための実施形態II-1~II-34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、当該対象が、レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を有し、当該方法が、当該経口医薬組成物を当該対象に1日1回経口投与すること、を含む、経口医薬組成物。
【0305】
実施形態II-62オフタイムの増加が、プラセボ対照二重盲検臨床試験で判定される、実施形態II-61に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0306】
実施形態II-63運動減少障害を治療する必要がある多発性硬化症を有する対象の運動減少障害を治療する方法に使用するための実施形態II-1~II-34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、当該方法が、当該経口医薬組成物を当該対象に1日1回経口投与することを含む経口医薬組成物。
【0307】
実施形態II-64当該運動減少障害が、歩行障害である、実施形態II-63に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0308】
実施形態II-65当該経口医薬組成物が、夜間に1回当該対象に投与される、実施形態II-56~II-64のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0309】
実施形態II-66当該経口医薬組成物が、就寝時刻の0~4時間前に当該対象に投与される、実施形態II-56~II-65のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0310】
実施形態II-67当該対象に投与される1日量が、100mg~450mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-56~II-66のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0311】
実施形態II-68当該対象に投与される1日1回用量が、120mg~150mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-56~II-67のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0312】
実施形態II-69当該対象に投与される1日1回用量が、137mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-56~II-68のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0313】
実施形態II-70当該対象に投与される1日1回用量が、260mg~305mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-56~II-67のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0314】
実施形態II-71当該対象に投与される1日1回用量が、274mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩である、実施形態II-56~II-67またはII-70のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0315】
実施形態II-72当該経口医薬組成物が、1、2、3、または4単位剤形として投与される、実施形態II-56~II-71のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0316】
実施形態II-73当該経口医薬組成物が、1または2単位剤形として投与される、実施形態II-56~II-72のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0317】
実施形態II-74当該経口医薬組成物が、各々が68.5~175mgのアマンタジンまたは当量のその薬学的に許容される塩を含む、2または3単位剤形として投与される、実施形態II-56~II-73のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0318】
実施形態II-75当該薬物が、アマンタジンの薬学的に許容される塩である、請求項56~74のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【0319】
実施形態II-76当該薬物が、塩酸アマンタジンである、実施形態II-56~II-75のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
【実施例0320】
本開示は、以下の実施例を参照することでよりよく理解されるであろう。これらは例示であり、本開示の範囲を如何様にも限定すること意図しない。
【0321】
実施例1:タイプCのアマンタジン徐放性コーティングされたペレット製剤
経口投与用に設計されたアマンタジンHCl徐放性コーティングされたペレット組成物を、下記の表1に示す成分および相対量を使用して調製した。
【0322】
薬物コーティング分散体を、撹拌しながらHPMC(5cps)およびコポビドンをイソプロピルアルコールに添加することによって調製した。精製水をこの分散体に添加し、透明な溶液が形成されるまで撹拌し続けた。次いで、薬物(アマンタジンHCl)をこの透明溶液に添加し、薬物が完全に溶解するまで撹拌し続けた。最後に、タルクを添加し、撹拌によって均一に分散させた。
【0323】
シードペレットであるCelphereビーズ(篩サイズ♯35~♯50(すなわち、300~500ミクロン))Wursterコーティングユニットにロードした。薬物コーティング分散体を、所望のコーティング重量に増加するまでシードペレット上に噴霧し、これにより、アマンタジンおよび賦形剤の薬物コーティングをシードペレット上に形成し、続いて一定時間乾燥させて薬物コーティングされたペレット中の残留する有機溶媒および水を除去した。得られた薬物コーティングされたペレットを篩にかけて、篩♯18~♯24の画分(直径およそ700μm~1mm)を保持した。
【0324】
封止コーティング分散体を、撹拌しながらHPMC(5cps)をイソプロピルアルコールに添加することによって調製した。精製水をこの分散体に添加し、透明な溶液が形成されるまで撹拌し続けた。タルクを添加し、撹拌によって均一に分散させた。篩にかけた薬物コーティングされたペレットを、Wursterコーティングユニット中にロードした。封止コーティング分散体を薬物コーティングされたペレット上に噴霧し、続いて一定時間乾燥させてペレット中の残留する有機溶媒および水を除去した。得られた封止コーティングされたペレットを篩にかけて、篩♯18~♯24の画分を保持した。
【0325】
ERコーティング溶液を、イソプロピルアルコールおよび精製水中にエチルセルロース(粘度7cps)を溶解し、透明な溶液が形成されるまで撹拌することによって調製した。次いで、ポビドンK-90をこの透明な溶液に溶解し、その後に撹拌しながら可塑剤Miglyol 812Nを添加して透明な溶液を形成させた。篩にかけた封止コーティングされたペレットを、Wursterコーティングユニット中にロードした。ERコーティング液を封止コーティングされたペレット上に噴霧し、その後に一定時間乾燥させてERコートに影響を与え、ペレット中に残留する溶媒および水を除去した。乾燥後、ステアリン酸マグネシウムを、環状領域中のコーティングされたペレットの上部層に塗布し、その後にWursterユニット中でペレットを再循環させてステアリン酸マグネシウムをコーティングしたペレットとブレンドした。得られたERコーティングされたペレットを篩にかけて、篩♯18~♯24の画分を保持した。
【0326】
単位用量の塩酸アマンタジンを含有するERコーティングされたペレットを、ペレット注入チャンバーを備えたカプセル装置を使用して空のハードゼラチンカプセル殻に充填した。48.4mgのアマンタジン(60mgのアマンタジンHCl)および112.8mgのアマンタジン(140mgのアマンタジンHCl)について、サイズ1のカプセル殻を使用した。48.4mgのカプセルは、Karl Fischerにより2.0%の含水量および6464ppmの残留イソプロピルアルコール濃度を有し、112.8mgのカプセルは、Karl Fischerにより1.8%の含水量および6709ppmの残留イソプロピルアルコール濃度を有した。
表1:タイプCアマンタジンHCl ERカプセルの組成物
【表1-1】
【表1-2】
【0327】
実施例2:タイプDのアマンタジン徐放性コーティングされたペレット製剤
経口投与用に設計されたアマンタジンHCl徐放性コーティングされたペレット組成物を、下記の表2に示す成分および相対量を使用して調製した。
【0328】
薬物コーティング分散体を、有機溶媒を用いずに精製水に表2のコーティング分散体の成分を組み込むことによって調製した。
【0329】
シードペレットであるCelphereビーズ(篩サイズ♯35~♯50(すなわち、300~500ミクロン))Wursterコーティングユニットにロードした。薬物コーティング分散体を、所望のコーティング重量に増加するまでシードペレット上に噴霧し、これにより、アマンタジンおよび賦形剤の薬物コーティングをシードペレット上に形成し、続いて一定時間乾燥させて残留する水を除去した。得られた薬物コーティングされたペレットを篩にかけて、篩♯18~♯24の画分(直径およそ700μm~1mm)を保持した。
【0330】
封止コーティング分散体を、有機溶媒を用いずに精製水に表2の封止コーティング分散体の成分を組み込むことによって調製した。篩にかけた薬物コーティングされたペレットを、Wursterコーティングユニット中にロードした。封止コーティング分散体を薬物コーティングされたペレット上に噴霧し、続いて一定時間乾燥させてペレット中の残留する水を除去した。得られた封止コーティングされたペレットを篩にかけて、篩♯18~♯24の画分を保持した。
【0331】
ERコーティング溶液を、イソプロピルアルコールおよび精製水中にエチルセルロース(粘度7cps)を溶解し、透明な溶液が形成されるまで撹拌することによって調製した。次いで、ポビドンK-90をこの透明な溶液に溶解し、その後に撹拌しながら可塑剤Miglyol 812Nを添加して透明な溶液を形成させた。篩にかけた封止コーティングされたペレットを、Wursterコーティングユニット中にロードした。ERコーティング液を封止コーティングされたペレット上に噴霧し、その後に一定時間乾燥させてERコートに影響を与え、ペレット中に残留する溶媒および水を除去した。乾燥後、ステアリン酸マグネシウムを、環状領域中のコーティングされたペレットの上部層に塗布し、その後にWursterユニット中でペレットを再循環させてステアリン酸マグネシウムをコーティングしたペレットとブレンドした。得られたERコーティングされたペレットを篩にかけて、篩♯18~♯24の画分を保持した。
【0332】
単位用量の塩酸アマンタジンを含有するERコーティングされたペレットを、ペレット注入チャンバーを備えたカプセル装置を使用して空のハードゼラチンカプセル殻に充填した。68.5mgのアマンタジン(85mgのアマンタジンHCl)について、サイズ2のカプセル殻を使用した。137mgのアマンタジン(170mgのアマンタジンHCl)について、サイズ0のカプセル殻を使用した。カプセルは、Karl Fischerにより2%の含水量および1051ppmの残留イソプロピルアルコール濃度を有した。表2:タイプDアマンタジンHCl ERカプセルの組成物
【表2-1】
【表2-2】
【0333】
実施例3:アマンタジン徐放性コーティングされたペレット製剤の溶解
実施例1および2のカプセルの溶解を、溶解溶媒としての37.0±0.5℃の500mlの水と共にUSP装置II(パドル)を使用して50rpmで実行した。平均の結果を、以下の表3および
図1に示す。
【0334】
インビトロでの溶解は、最初の4、6および8時間にわたる組成物からのアマンタジン放出の減少を示す。
表3:溶解プロファイル
【表3】
【0335】
実施例4:2つのアマンタジンERコーティングされたペレット製剤の薬物動態研究
目的:本研究の第1の目的は、実施例1および2のERアマンタジンHClの2つの製剤の薬物動態プロファイルを評価することであった。第2の目的は、実施例1および2のERアマンタジンHClの2つの製剤の単一用量340mgの安全性および忍容性を評価することであった。
【0336】
研究デザイン:これは第1相、無作為化、単一用量での非盲検、2剤2期クロスオーバー、絶食時の薬物動態研究であり、実施例1(タイプC)および実施例2(タイプD)のアマンタジンERカプセル製剤、すなわち治験薬の単一用量340mg、が互いに比較された。本研究は、2つの治療シーケンスのうちの1つに1:1の比で無作為に割り当てられた42人の健常な対象を含んだ(タイプC->タイプDまたはタイプD->タイプC)。タイプCについて、340mgの塩酸アマンタジンは、2つの140mgカプセルおよび1つの60mgカプセルから構成された。タイプDについて、340mgの塩酸アマンタジンは、2つの170mgカプセルから構成された。
【0337】
方法:対象は、研究スクリーニングの21日内に組み入れ基準および除外基準についてスクリーニングされた。投与の第1期の前日に、対象を入院させ、血液試料を採取した48時間後までそこに滞在させた。各研究期間において、対象は、入院の翌日に投薬され、投与の48時間後に血液試料が採取された後に退院した。対象は、その後の採血(72時間および96時間)のために再度来院した。第1および第2の投与の間に7~14日のウオッシュアウト期間を設けた。安全性モニタリングを各治験薬の投与中および投与後に実施した。
【0338】
各研究期間について、一晩の絶食後、治験薬を240mLの水と共に対象に座位で投与した。対象は、投与後少なくとも2時間、座位を維持するように要求された。治験薬の投与の4時間後まで食事は許可されなかった。血液試料を、各投与から0(投与前)、1、2、3、4、6、8、10、12、13、14、15、16、18、20、24、30、36、48、72および96時間後に採取した。血漿試料を、有効な液体クロマトグラフィ/タンデム質量分析(LC/MS/MS)法によってアマンタジンについてアッセイした。薬物動態パラメータを、WinNonlinソフトウェア(バージョン6.2.1;Pharsight Corporation)を用いたノンコンパートメント解析を使用して計算した。
【0339】
有害事象を、研究の全体にわたってモニタリングした。生命徴候(脈拍数、血圧および体温)、臨床検査尺度(生化学、血液学および尿分析)およびECGを、研究の間の様々な時点で収集した。
【0340】
結果:健常な男性および女性の成人を含む合計42人の対象が、スクリーニングされ上記の治療群にランダムに割り当てられ、39人の対象が研究を完了した。42人全ての対象が安全性解析集団に含まれ、39人対象が一次解析集団に含まれた。
【0341】
以下の表4および
図2に示すこの研究の薬物動態結果は、これらの製剤が、同程度のCmax、Tmax、AUC
0-inf、AUC
0-24およびt
1/2を提供することを示す。
表4:単一用量PK研究の薬理動態データ(注記のない限り、平均値±SD)
【表4】
【0342】
2つの製剤について最初の4、6、8、10、12、14および16時間にわたる部分的なAUC値によると、タイプD組成物の投与後の初期での曝露は、タイプC組成物より少ない(下記の表5を参照のこと)。これは、
図3においても示される。
表5:単一用量PK研究でのpAUC値(アマンタジンHCl1mgあたりのng*hr/ml)
【表5-1】
【表5-2】
【0343】
安全性解析結果:研究に割り付けられた42人の対象内で、有害事象をMedDRAバージョン17.0を使用して記録およびコーティングした。器官別大分類内で少なくとも1つの有害事象を報告した人数および百分率を、下記の表6に示す。タイプCおよびタイプD組成物について胃腸障害の頻度を、一般化推定方程式(GEE、交換可能な相関構造)を使用してロジスティックモデル適合と比較した。解析は、3.407のオッズ比および0.0685のp値をもたらし、タイプC製剤について胃腸有害事象の確率がタイプD製剤より3.4倍高いことを示した。
表6:観察された有害事象
【表6-1】
【表6-2】
【0344】
実施例5:複数の研究全体でのGI有害事象の統計解析
目的:タイプCおよびタイプD製剤についての単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究から胃腸有害事象の発生率を比較すること。
【0345】
この事後解析により、5つの単一用量での絶食時のヒト薬物動態研究全体での胃腸有害事象を(MedDRAによるコーディングに基づいて)集約して実施例4で観察された胃腸有害事象の差が統計的に有意かどうかを判定した。タイプCまたはタイプD製剤以外での治療による研究では、タイプCおよびタイプD群だけが含まれた。更に、絶食時の単一用量群のみが含まれた。結果を集約することにより、多数の対象および多数の有害事象がもたらされた。含まれた研究を、下記の表7に列挙する。データの統計解析は、一般化推定方程式(GEE、交換可能な相関構造)を使用したロジスティックモデル適合を使用して実行された。
表7:解析のための研究における対象の数およびGI有害事象の数
【表7-1】
【表7-2】
【0346】
研究は、147人の異なる対象を含み、プールされたデータの胃腸有害作用についての統計結果は、16.247のタイプC対タイプDのオッズ比および<0.0001のp値を示した。前の実施例と比較してより小さなp値は、標本サイズの増加によって部分的に説明され得、効果の大きさの増加によって部分的に説明され得る(タイプCについて58人のうちの2人対タイプDについて128人のうちの9人)。
【0347】
実施例6:パーキンソン病におけるレボドパ誘発ジスキネジアの処置のためのアマンタジン徐放性経口カプセルの有効性のおよび安全性の無作為二重盲検プラセボ対照研究
この研究は、上記の実施例1のプロセスに従って調製されたタイプCの塩酸アマンタジン製剤を使用して実施された。研究の目的:この研究は、パーキンソン病(PD)を有する対象におけるレボドパ誘発ジスキネジア(LID)の処置のために夜間に1回投与された3つの用量濃度のアマンタジン徐放性(ER)経口カプセルの有効性を評価するために設計された。加えて、この研究は、PDを有する対象におけるLIDの処置のために夜間に1回投与されたアマンタジンER経口カプセルの安全性および忍容性を実証するために設計された。研究デザイン:これは、PDおよびLIDを有する対象におけるアマンタジンERの多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の並行4群間研究であった。適格規準を満たす同意した対象は、以下の4つの処置(それぞれ、夜間に1回、夜間に投与する)のうちの1つを受けるように1:1:1:1に割り付けられた。
●処置A:プラセボ、
●処置B:260mgのアマンタジンER(ADS-5102)(実施例1のタイプC用のプロセスに従って調製)、
●処置C:340mgのアマンタジンER(ADS-5102)(実施例1のタイプC用のプロセスに従って調製)
●処置D:420mgのアマンタジンER(ADS-5102)(実施例1のタイプC用のプロセスに従って調製)
【0348】
処置Cに割り付けられた対象は、二重盲検様式で、1週目の間は260mgのアマンタジンERを夜間に1回投与され、2週目の最初に340mgの夜間に1回の投与に増やされた。処置Dに割り付けられた対象は、二重盲検様式で、1週目の間は260mgのアマンタジンERを夜間に1回投与され、2週目の間は340mgのアマンタジンERに増やされ、3週目の最初に420mgの夜間に1回の投与に更に増やされた。全ての群について、名目用量での投与は8週目まで続いた。
【0349】
ベースライン来院および無作為化の完了後、対象は、1、2、4、6、および8週間の投与後に診療所に再度来院し、治験薬の最後の投与の14日後に追跡調査のために来院した。研究のための訪問および評価は、午前10時~午後4時の間に予定された。2つの一連の24時間日誌は、無作為化前の48時間および選択された研究訪問前の48時間の間に完了された。日誌を使用して、以下の5つの異なる状態を30分間隔でスコア化した:睡眠、オフ、ジスキネジアを伴わないオン、煩わしくないジスキネジアを伴うオン、煩わしいジスキネジアを伴うオン。
【0350】
選択された研究訪問で、アマンタジン血漿濃度の決定および定常状態母集団薬物動態の評価のために血液試料を採取した。研究の間の対象の参加は、最長12週間であり、2週間(最長)のスクリーニング期間、8週間(最長)の処置期間、および2週間の経過観察期間を含んだ。割り当てた治験薬に耐容性を示すことができない対象は、治験薬を永続的に中断し、治験薬の最後の投与後に2週間にわたって安全性についての追跡を継続した。
【0351】
患者適格基準:対象は、それらが組み入れ基準を満たし、かつ排除基準を満たさない場合、研究に参加する資格を有した。選択された重要な基準は以下であった。
【0352】
組み入れ基準:
●男性または女性の成人
●30歳と85歳との間(両端を含む)、
●対象が研究での検査を完了できるように、ONの間に歩行能力または補助器具(例えば、歩行器またはステッキ)の使用によって歩行能力があること
●適切な場合、研究訪問のために対象に付き添い、必要に応じ、かつ許可される場合、研究での評価法の完遂を支援するための知識があり信頼できる介護者/研究パートナーがいること
●現行のIRB/IEC承認されたインフォームドコンセント用紙に署名していること
●日誌訓練後、対象が協力的であり、24時間のPDホームダイアリーを理解し、完了することができること(介護者/研究パートナーが補助してよい)
●英国パーキンソン病協会(UKPDS)Brain Bankのパーキンソン病診断基準に従って、併発したパーキンソン病と診断されていること
●スクリーニング前の少なくとも30日間に抗パーキンソン病薬(レボドパが含まれる)のレジメンを安定に受けており、任意のレボドパが毎日少なくとも3回投与されており、研究参加中はこのレジメンの継続に協力的であること
●スクリーニング時および1日目(ベースライン)に統一パーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)のパートIV、項目4.2(ジスキネジアの機能的影響)に関して少なくとも2のスコアを有すること
●1日目(ベースライン)の直前に完成した48時間のPDホームダイアリーを使用して、各24時間周期の午前10時と午後4時の間での少なくとも2回の30分間が「煩わしいジスキネジアを伴うON」として示されること
【0353】
重要な除外基準:
●脳深部シミュレーションの治療歴;ピークドーズジスキネジアを伴わない排他的に二相性の、オフ状態の、ミオクローヌス性ジスキネジアまたはアカシジアを伴うジスキネジアの病歴
●アルツハイマー型認知症、ハンチントン病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、脳卒中もしくは頭部外傷に続発する運動障害もしくは感覚障害、または多発ラクナ梗塞性認知症を含むが、これらに限定されない治験担当医師の判断で認知または運動機能に影響を及ぼす他の神経系疾患の病歴。
●スクリーニング中の24未満のミニメンタルステート試験(MMSE)スコアによって証明される認知障害の存在。
●治験担当医師の判断で対象の研究での検査を完遂する能力に影響を及ぼす急性もしくは慢性の主要な精神障害(例えば、大鬱病性障害)または症状(例えば、幻覚、興奮、偏執症)の存在
●治験担当医師の判断で対象の研究での検査を完遂する能力に影響を及ぼす感覚障害(例えば、聴覚、視覚)の病歴
●スクリーニング前の2年以内のアルコールもしくは薬物の依存症または乱用歴
●スクリーニング前の2年以内の発作歴
●スクリーニング前の2年以内の脳卒中またはTIAの病歴
●スクリーニング前の2年以内の心筋梗塞、NYHA心機能分類でIII度またはIV度の心不全の病歴
●スクリーニング前の5年以内の癌の病歴(以下を例外とする:適切に処置された非黒色腫性皮膚癌、限局性膀胱癌、非転移性前立腺癌、または上皮子宮頸癌)
●スクリーニング時の以下の臨床検査結果のいずれか:ヘモグロビン10g/dL未満、WBC数3.0×109/L未満、好中球数1.5×109/L未満、リンパ球数0.5×109/L未満、血小板数100×109/L未満、ヘモグロビンA1Cが9%超、またはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)および/またはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が正常値上限の2倍超
●腎臓病食の修正(MDRD)式によってGFRが50mL/分/1.73m2未満と評価されたこと
●任意の臨床的に有意なECG異常(孤立性PVCまたは第1度AVブロック以外のリズムの異常な心室伝導の任意の所見を含む)
●経口カプセルを嚥下できないか、経口投薬の使用を妨げる胃腸管吸収不良の病歴
【0354】
研究エンドポイント:主な有効性エンドポイントは、統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)総スコアのベースラインから8週目までの変化である。重要な副次的エンドポイントには、以下が含まれる:
●UDysRSの客観的総スコア(III、IV)
●PDホームダイアリーに基づいた、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイム(ジスキネジアを伴わないオン+煩わしくないジスキネジアを伴うオン)
●標準化されたPDホームダイアリーに基づいた、煩わしいジスキネジアを伴うオンタイム
●ジスキネジアを伴う総オンタイム(煩わしくないジスキネジアおよび煩わしいジスキネジア)
●総オフタイム
●統一パーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)、総合スコア(パートI、II、およびIII)
●統一パーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)のパートIV、項目4.1(ジスキネジアに費やされる時間)および項目4.2(ジスキネジアの機能的影響)
●統一パーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)の個々のパートのスコア(I、II、III、およびIV)
●治験担当医師により回答される質問によって判定される全体的なPD症状の臨床医による変化の全般印象度
●PDに特異的なHRQoL評価法であるPDQ-39によって測定される健康に関連する生活の質
●疲労重症度尺度(FSS)によって測定された疲労。この尺度は、評点尺度1(全く異なる)から7(非常にそう思う)を使用して患者によって回答される9つの質問を含む。安全性(有害事象、安全性に関連する治験薬の中断、生命兆候、および臨床検査が含まれる)。
【0355】
以下の伝統的尺度と新規の尺度との組み合わせを、この研究のために選択した:
●統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)を、主要結果項目のために使用した。この尺度は以下の4つのパートを有し、可能な総スコアは104である:
I:オン時のジスキネジアの影響である歴史的能力障害(患者の認識)
II:オン時のジストニアの影響である歴史的能力障害(患者の認識)
III:客観的機能障害(4つの観察された活動性に基づくジスキネジア重症度、解剖学的分布、および型)
IV:パートIIIの活動性に基づく客観的能力障害
●標準化されたパーキンソン病ホームダイアリーに基づいた煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイム。
●統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)のパートIV、項目4.1(ジスキネジアの持続時間: 0=なし、4=起きている間の76~100%)および4.2(ジスキネジアの能力障害:0=障害なし、4=完全な障害)は副次的結果項目であった。
【0356】
統計手法
有効性解析:有効性解析集団は、少なくとも1回のベースライン後の有効性評価を提供し、事前に決定された参加基準を満たした、全ての無作為化され、投与された対象を含んだ。特に明記しない限り、全ての有効性エンドポイントは、従属変数としてのベースラインから8週目までの変化、要因としての処置群、および共変量としての対応するエンドポイントのベースライン値を用いた共分散分析(ANCOVA)モデルを使用して解析された。これらのモデルは、プラセボに対する各アマンタジンER投与群の間の対比較および直線的な用量作用相関を調べることの両方のために使用される。用量反応試験は、スコア0、260、340、および420を使用し、等間隔の処置群のスコアを付加的に使用して実施される。UDysRSスコアの有効性エンドポイントについて、主要解析では、5%有意水準での両側検定を使用して340mgのアマンタジンER群をプラセボ群と比較した。
【0357】
CMH解析であったCGICを除いて、副次的エンドポイントを、主要エンドポイントについて記載したものと同じタイプのANCOVAモデルを使用して解析した。5%有意水準での両側検定を使用して、処置群間の全ての二次比較を行った。最終観測値延長(LOCF)アプローチを、欠測データのために使用した。主要有効性解析を、プロトコールに適合した集団(8週目の有効性評価を提供した有効性解析集団の部分集団)について繰り返した。CGIは、CMH解析であった。
●結果:選択された研究結果を下表に示す。
表8
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【0358】
ジスキネジアを伴わないオンタイムは、ベースラインから8週目まで全ての群で増加したが、340mgの処置群を含む処置群でのジスキネジアを伴わないオンタイムの増加は、プラセボ群での増加より大きかった。
【0359】
全体的なPD症状の臨床医による変化の全般印象度を下表に要約する。MITT集団についての結果は、340mgの処置群での統計的に有意な改善を示すが、他の群では示さない。
表9
【表9-1】
【表9-2】
【0360】
CGI-Cの結果は、8週目においてプラセボ患者の32%に対して、340mg用量群の患者の75%が(LIDを含むがこれに限定されない全体的なPDに関連した)それらの臨床状態の中程度~顕著な改善を有することを示した。解析の更なる要約を図で提供する。このデータに関する更なる考察は、US20150087721に見出され得る。
【0361】
本開示のある種の実施形態を本明細書中に示し、かつ記載しているが、かかる実施形態は、例示のみを目的として提供している。当業者は、本開示を逸脱することなく多数の変形形態、変更、および置換をすぐに思いつくであろう。本明細書に記載の本開示の実施形態の種々の代替形態を、本明細書に記載の方法の実施または本明細書に記載の組成物の調製において使用することができると理解すべきである。本明細書において引用された全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0362】
実施例7:パーキンソン病におけるレボドパ誘発ジスキネジアの処置のためのアマンタジン徐放性経口カプセルの2つの製剤の有効性および安全性の無作為二重盲検プラセボ対照研究
研究の目的:この研究は、パーキンソン病(PD)を有する対象におけるレボドパ誘発ジスキネジア(LID)の処置のために夜間に1回投与されたアマンタジン徐放性(ER)経口カプセルの2つの製剤の有効性を評価するために設計される。加えて、この研究は、PDを有する対象におけるLIDの処置のために夜間に1回投与されたアマンタジンER経口カプセルの2つの製剤の安全性および忍容性を実証するために設計される。研究デザイン:これは、PDおよびLIDを有する対象におけるアマンタジンER製剤の多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の並行3群間研究である。適格規準を満たす同意した対象は、以下の3つの処置(それぞれ、夜間に1回、夜間に投与する)のうちの1つを受けるように1:1:1に割り付けられる。
●処置A:プラセボ、
●処置B:340mgの塩酸アマンタジンER(タイプC)、
●処置C:340mgの塩酸アマンタジンER(タイプD)
【0363】
処置BまたはCに割り付けられた対象は、二重盲検様式で、1週目の間はそれぞれタイプCまたはタイプDの170mg塩酸アマンタジンERを夜間に1回投与され、2週目の最初にそれぞれタイプCまたはタイプDの340mg塩酸アマンタジンERの夜間に1回の投与に増やされる。全ての群について、名目用量での投与は8週目まで続く。
【0364】
ベースライン来院および無作為化の完了後、対象は、1、2、4、6、および8週間の投与後に診療所に再度来院し、治験薬の最後の投与の14日後に追跡調査のために来院する。研究のための訪問および評価は、午前10時~午後4時の間に予定される。2つの一連の24時間日誌は、無作為化前の48時間および選択された研究訪問前の48時間の間に完了される。日誌を使用して、以下の5つの異なる状態を30分間隔でスコア化する:睡眠、オフ、ジスキネジアを伴わないオン、煩わしくないジスキネジアを伴うオン、煩わしいジスキネジアを伴うオン。
【0365】
選択された研究訪問で、アマンタジン血漿濃度の決定および定常状態母集団薬物動態の評価のために血液試料を採取する。研究の間の対象の参加は、最長12週間であり、2週間(最長)のスクリーニング期間、8週間(最長)の処置期間、および2週間の経過観察期間を含む。割り当てた治験薬に耐容性を示すことができない対象は、治験薬を永続的に中断し、治験薬の最後の投与後に2週間にわたって安全性について追跡する。
【0366】
患者適格基準:対象は、それらが組み入れ基準を満たし、かつ排除基準を満たさない場合、研究に参加する資格を有する。選択された重要な基準は以下である。
【0367】
組み入れ基準:
●男性または女性の成人
●30歳と85歳との間(両端を含む)
●対象が研究での検査を完了できるように、ONの間に歩行能力または補助器具(例えば、歩行器またはステッキ)の使用によって歩行能力があること
●適切な場合、研究訪問のために対象に付き添い、必要に応じ、かつ許可される場合、研究での評価法の完遂を支援するための知識があり信頼できる介護者/研究パートナーがいること
●現行のIRB/IEC承認されたインフォームドコンセント用紙に署名していること
●日誌訓練後、対象が協力的であり、24時間のPDホームダイアリーを理解し、完了することができること(介護者/研究パートナーが補助してよい)
●英国パーキンソン病協会(UKPDS)Brain Bankのパーキンソン病診断基準に従って、併発したパーキンソン病と診断されていること
●スクリーニング前の少なくとも30日間に抗パーキンソン病薬(レボドパが含まれる)のレジメンを安定に受けており、任意のレボドパが毎日少なくとも3回投与されており、研究参加中はこのレジメンの継続に協力的であること
●スクリーニング時および1日目(ベースライン)に統一パーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)のパートIV、項目4.2(ジスキネジアの機能的影響)に関して少なくとも2のスコアを有すること
●1日目(ベースライン)の直前に完成した48時間のPDホームダイアリーを使用して、各24時間周期の午前10時と午後4時の間での少なくとも2回の30分間が「煩わしいジスキネジアを伴うON」として示されること
【0368】
重要な除外基準:
●脳深部シミュレーションの治療歴;ピークドーズジスキネジアを伴わない排他的に二相性の、オフ状態の、ミオクローヌス性ジスキネジアまたはアカシジアを伴うジスキネジアの病歴
●アルツハイマー型認知症、ハンチントン病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、脳卒中もしくは頭部外傷に続発する運動障害もしくは感覚障害、または多発ラクナ梗塞性認知症を含むが、これらに限定されない治験担当医師の判断で認知または運動機能に影響を及ぼす他の神経系疾患の病歴。
●スクリーニング中の24未満のミニメンタルステート試験(MMSE)スコアによって証明される認知障害の存在。
●治験担当医師の判断で対象の研究での検査を完遂する能力に影響を及ぼす急性もしくは慢性の主要な精神障害(例えば、大鬱病性障害)または症状(例えば、幻覚、興奮、偏執症)の存在
●治験担当医師の判断で対象の研究での検査を完遂する能力に影響を及ぼす感覚障害(例えば、聴覚、視覚)の病歴
●スクリーニング前の2年以内のアルコールもしくは薬物の依存症または乱用歴
●スクリーニング前の2年以内の発作歴
●スクリーニング前の2年以内の脳卒中またはTIAの病歴
●スクリーニング前の2年以内の心筋梗塞、NYHA心機能分類でIII度またはIV度の心不全の病歴
●スクリーニング前の5年以内の癌の病歴(以下を例外とする:適切に処置された非黒色腫性皮膚癌、限局性膀胱癌、非転移性前立腺癌、または上皮子宮頸癌)
●スクリーニング時の以下の臨床検査結果のいずれか:ヘモグロビン10g/dL未満、WBC数3.0×109/L未満、好中球数1.5×109/L未満、リンパ球数0.5×109/L未満、血小板数100×109/L未満、ヘモグロビンA1Cが9%超、またはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)および/またはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が正常値上限の2倍超
●腎臓病食の修正(MDRD)式によってGFRが50mL/分/1.73m2未満と評価されたこと
●任意の臨床的に有意なECG異常(孤立性PVCまたは第1度AVブロック以外のリズムの異常な心室伝導の任意の所見を含む)
●経口カプセルを嚥下できないか、経口投薬の使用を妨げる胃腸管吸収不良の病歴
【0369】
研究エンドポイント:主な有効性エンドポイントは、統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)総スコアのベースラインから8週目までの変化である。重要な副次的エンドポイントには、以下が含まれる:
●UDysRSの客観的総スコア(III、IV)
●PDホームダイアリーに基づいた、煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイム(ジスキネジアを伴わないオン+煩わしくないジスキネジアを伴うオン)
●標準化されたPDホームダイアリーに基づいた、煩わしいジスキネジアを伴うオンタイム
●ジスキネジアを伴う総オンタイム(煩わしくないジスキネジアおよび煩わしいジスキネジア)
●総オフタイム
●統一パーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)、総合スコア(パートI、II、およびIII)
●統一パーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)のパートIV、項目4.1(ジスキネジアに費やされる時間)および項目4.2(ジスキネジアの機能的影響)
●統一パーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)の個々のパートのスコア(I、II、III、およびIV)
●治験担当医師により回答される質問によって判定される全体的なPD症状の臨床医による変化の全般印象度
●PDに特異的なHRQoL評価法であるPDQ-39によって測定される健康に関連する生活の質
●疲労重症度尺度(FSS)によって測定された疲労。この尺度は、評点尺度1(全く異なる)から7(非常にそう思う)を使用して患者によって回答される9つの質問を含む。安全性(有害事象、安全性に関連する治験薬の中断、生命兆候、および臨床検査が含まれる)。
【0370】
以下の伝統的尺度と新規の尺度との組み合わせを、この研究のために選択した:
●統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)を、主要結果項目のために使用した。この尺度は以下の4つのパートを有し、可能な総スコアは104である:
I:オン時のジスキネジアの影響である歴史的能力障害(患者の認識)
II:オン時のジストニアの影響である歴史的能力障害(患者の認識)
III:客観的機能障害(4つの観察された活動性に基づくジスキネジア重症度、解剖学的分布、および型)
IV:パートIIIの活動性に基づく客観的能力障害
●標準化されたパーキンソン病ホームダイアリーに基づいた煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイム。
●統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)のパートIV、項目4.1(ジスキネジアの持続時間:0=なし、4=起きている間の76~100%)および4.2(ジスキネジアの能力障害:0=障害なし、4=完全な障害)は副次的結果項目であった。
【0371】
統計手法
有効性解析:有効性解析集団は、少なくとも1回のベースライン後の有効性評価を提供し、事前に決定された参加基準を満たす、全ての無作為化され、投与された対象を含む。特に明記しない限り、全ての有効性エンドポイントは、従属変数としてのベースラインから8週目までの変化、要因としての処置群、および共変量としての対応するエンドポイントのベースライン値を用いた共分散分析(ANCOVA)モデルを使用して解析される。これらのモデルは、プラセボに対する各アマンタジンER投与群の間の対比較のために使用される。UDysRSスコアの有効性エンドポイントについて、主要解析では、5%有意水準での両側検定を使用して各アマンタジンER群(処置Bおよび処置C)をプラセボ群と比較する。同様に、UDysRSスコアの有効性エンドポイントについて、主要解析では、5%有意水準での両側検定を使用してアマンタジンER処置Bを処置Cと比較した。
【0372】
CMH解析であったCGICを除いて、副次的エンドポイントを、主要エンドポイントについて記載したものと同じタイプのANCOVAモデルを使用して解析する。5%有意水準での両側検定を使用して、処置群間の全ての二次比較を行う。最終観測値延長(LOCF)アプローチを、欠測データのために使用する。主要有効性解析を、プロトコールに適合した集団(8週目の有効性評価を提供した有効性解析集団の部分集団)について繰り返す。CGIは、CMH解析である。
●結果:選択された研究結果を下表に示す。
表10
【表10-1】
【表10-2】
【0373】
ジスキネジアを伴わないオンタイムは、ベースラインから8週目までに処置Bおよび処置C群において処置A(プラセボ)での任意の変化より多く増加すると予想される。
【0374】
処置Bおよび処置C群について、全体的なPD症状の臨床医による変化の全般印象度は、処置期間終了後に改善を示すと予想される。処置Bおよび処置Cについて、結果は、同程度であると予想される。
【0375】
安全性解析結果:有害事象は、研究の全体を通して記録され、MedDRA分類に従ってコーティングされる。胃腸障害は、処置群A(プラセボ)で最も少ないと予想される。胃腸障害の頻度は、処置Bと比べて処置Cでより低いと予想される。処置Cでの胃腸障害は、Hayden(1981)により分割量での300mg塩酸アマンタジンの毎日の投与で観察された19.5%の頻度より少ないと予想される。睡眠に関連した有害事象の頻度は、群全体で同程度であり、ある群と別の群の間で統計的に有意ではないと予想される。
【0376】
実施例8:残留溶媒の低減へのアプローチ
上記の実施例1(タイプC)に記載されているものと同様の方法で製造されたアマンタジンER製剤について、残留溶媒の量の低減への様々なアプローチが試みられた。
【0377】
アマンタジン徐放性コーティングされたペレット製剤のバッチが、薬物コーティング、封止コーティング、およびERコーティング分散体において、それぞれ40:60、60:40、および95:5w/wのイソプロピルアルコール(IPA)対精製水の比率を使用して調製された。残留溶媒濃度を低減するために、薬物コーティングプロセスパラメータの変更がなされた。これらの変更には、薬物コーティング中の異なる時点での間欠乾燥、より高い温度(80℃)での乾燥、より低い湿度での乾燥、乾燥時間の増加、およびコーティング中の製品(薬物コーティング)温度の増加が含まれる。プロセスにおけるこれらの変更のいずれも、残留IPAの顕著な低減をもたらさなかった。
【0378】
薬物コーティング中の中間乾燥:残留溶媒を低減するために試みられた1つのアプローチは、コーティングプロセス中の中間段階でペレットを乾燥させることである。
図4は、中間乾燥のないバッチ166での対照手順の概略図を示し、一方で
図5は、ペレットが薬物コーティングプロセス中の4つの時点で乾燥されたバッチ167での中間乾燥手順の概略図を示す。これらの概略図において、添加された薬物コーティングの量は、コーティングされていないペレットの初期重量と比較した%w/wとして示される。これら2つの手順における種々の時点で、試料が抜き取られ、存在するIPAの量(ppm)が評価された。中間乾燥プロセスの間の異なる時点で存在する残留IPAを、
図4および
図5の概略図、
図6のグラフ、および下記の表11に示す。
【0379】
薬物コーティングされたペレットの最終乾燥:試みられた別のアプローチは、完全にコーティングされたペレットを乾燥させる際に使用される時間、温度、および/または湿度を変更することであった。
図4(中間乾燥を行わなかったバッチ)を参照して、完全にコーティングされたペレットは、2つの画分に分割され、周囲湿度または高湿度で50℃にて乾燥された。
図5(中間乾燥)を参照して、完全にコーティングされたペレットは、2つの画分に分割され、周囲湿度または高湿度で50℃にて乾燥された。試料が、30または90分時点で採取され、残留IPA(ppm)が評価された。残留IPA濃度に対するこれらの異なる最終乾燥手順の効果を、
図7および以下の表11に示す。
【0380】
コーティング中の薬物コーティング製品の温度増加:表11は、薬物コーティング材料の温度がコーティングプロセス中に48~51℃に増加されたバッチ168からのデータも含む。
表11薬物コーティングの間と後のIPA含量
【表11-1】
【表11-2】
【0381】
上記のように薬物コーティングプロセスの間と後の異なる時点でIPA含量を評価することに加えて、封止コーティングおよび徐放性コーティングの適用および乾燥後の異なる時点でバッチ中に存在するIPAの量も評価された。表12に、これらのデータを要約する。
表12各コーティング段階でのIPA含量(各段階での篩分けの前にプールされた試料が使用された)
【表12-1】
【表12-2】
【0382】
実施例9:歩行障害を有するMS患者におけるアマンタジンHCl ERの有効性および安全性を評価するための研究
多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の3群間研究が、歩行障害を有する多発性硬化症患者におけるアマンタジン徐放性カプセルの有効性および安全性を評価するために使用されるであろう。540人の対象が一重盲検プラセボ導入期間を完了し、二重盲検処置期間への割付けが適格となることを確実にするため、約570人の対象が一重盲検プラセボ導入期間に登録される。この研究は、実施例2(タイプD)に記載のものと同様の残留有機溶媒が少ない徐放性塩酸アマンタジン製剤を使用して実施されるであろう。
第1の目的:
●16週目での25フィート時間制限性歩行試験(T25FW、フィート/秒)によって測定されるように、歩行障害を有する多発性硬化症(MS)を有する対象における、274mgのアマンタジン(340mgのアマンタジンHCl ERとして)の有効性を評価すること。
第2の目的:
●主要目的:16週目でのT25FW、タイムドアップアンドゴー(TUG)テストおよび2分間歩行テスト(2MWT)によって測定されるように、MSおよび歩行障害を有する対象における274mgのアマンタジン(340mgのアマンタジンHCl ERとして)および137mgのアマンタジン(170mgのアマンタジンHCl ERとして)の有効性を評価すること。
●補助的目的:全ての研究訪問の間のT25FW、TUGおよび2MWTによって測定されるように、MSおよび歩行障害を有する対象における2つの用量の有効性を評価すること。12項目多発性硬化症歩行尺度(MSWS-12)によって測定されるように、MSおよび歩行障害を有する対象における有効性を評価すること。
●安全性:MSおよび歩行障害を有する対象における2つの用量の安全性および忍容性を評価すること。
【0383】
研究デザイン:これは、無作為化前の一重盲検プラセボ導入期間および高用量群での強制漸増を組み込んだ、歩行障害を有するMS患者におけるアマンタジン徐放性[ER]カプセルの多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の3群間研究となるであろう。.この研究における組み入れのための適格性により、全ての対象は、スクリーニング前の少なくとも30日間投薬レジメンに変更がないこと、およびそれらの研究への参加の間、同じ投与レジメンを継続することを要求される。対象は、スクリーニング前の30日以内にダルファムプリジンを投与されていてはならない。最長3週間のスクリーニング期間を完了する同意した対象は、対象が就寝時刻に1日1回2つのカプセルとしてプラセボを投与される4週間の一重盲検プラセボ導入期間を経るであろう。一重盲検プラセボ導入期間を完了し、研究の適格基準を満たしたままの対象は、以下の3つの処置群のうちの1つに等しい確率で割り付けられるであろう:プラセボまたは1用量当たり137mgもしくは274mgのアマンタジン(それぞれ170mgまたは340mgのアマンタジンHClとして)。治験薬は、1日1回就寝時刻に2つのカプセルとして投与されるであろう。
●プラセボに割り付けられる対象は、12週間の二重盲検処置期間を通してプラセボカプセルを投与されるであろう。
●137mgのアマンタジンに割り付けられる対象は、二重盲検処置期間を通して137mgのアマンタジンを(170mgのアマンタジンHClとして)投与されるであろう。
●274mgのアマンタジンに割り付けられる対象は、1週目に137mg、2週目に205.5mg、および12週間の二重盲検処置期間のうちの残りに274mgを(当量のアマンタジンHClとして)投与されるであろう。
●二重盲検処置期間の間、対象は、6、8、12および16週目に安全性および有効性評価のために再度来院するであろう。加えて、安全評価のための電話訪問が、5および7週目に実施されるであろう。
【0384】
16週目の訪問によって研究を完了する対象は、任意の非盲検継続(OLE)研究に参加する資格を有するであろう。16週目の訪問の完了前に研究を中止する対象は、安全性の経過観察および有効性評価を含む早期最終訪問を行うであろう。12週間の二重盲検処置を完了し、OLE研究に参加しないことを決定する対象は、16週目の訪問の2週間後に安全性および有効性の治療後最終評価を受けるであろう。研究終了(EOS)は、対象が16週目の訪問(OLE研究に参加することを決定する場合)または安全性追跡調査訪問(OLE研究に参加しないことを決定する場合)を完了する時として定義される。
【0385】
全ての研究訪問および有効性評価は、各個別の対象についてほぼ同じ時刻に行われるように予定されるべきである。実施可能な範囲で、研究訪問および有効性評価は、対象が併用薬による急性副作用(例えば、インターフェロンβ注射後のインフルエンザ様副作用)を経験していそうでない時に行われるように予定されるべきである。有効性評価は、以下の順序で実施されるべきである:MSWS-12;T25FW;TUG;2MWT。スクリーニング時の歩行評価の間に補助器具を使用する対象は、その後の全ての歩行テストで同じ補助器具を使用するべきである。各対象の有効性評価は、可能ならば、同じ臨床評価者によって実行されるべきである。
【0386】
有害事象(AE)および併用薬は、一重盲検プラセボ導入期間の治験薬の最初の投与から始めて記録され、最後の研究訪問を通して継続されるであろう。
組み入れ基準:
1.現行のIRB承認されたインフォームドコンセント用紙に署名していること
2.スクリーニング時に18~70歳(両端を含む)の男性または女性の対象
3.2017年のMcDonald基準(Thompson et al.,2017)に従ったMSの確定診断
4.現在の投薬レジメンが、スクリーニング前の少なくとも30日間変更されてはならず、対象が研究への参加の間、同じ投与レジメンの継続に協力的でなければならない
5.スクリーニングにおける最大6.5の総合障害度評価尺度(EDSS)スコア
6.スクリーニング訪問時に25フィート時間制限性歩行試験(T25FW)の2回の試験を完了するのに十分な歩行能力(一貫して使用される場合に歩行補助器具が容認される)を有し、各々2回の試験が全米多発性硬化症協会の機能評価マニュアルによって提供される具体的な指示に従って5分以内に完了される
7.スクリーニング前の少なくとも30日間、安定した身体活動レベル(処方された理学療法を含む)を有し、研究への参加の間に変化させずに持続させることに協力的である
2回の完了されたスクリーニングT25FW試験のスコアの各々が8~45秒(両端を含む)
基準:
1.アマンタジンに耐容性を示すことができないことを示す文書
2.アマンタジン、リマンタジン、もしくはメマンチンまたは治験薬カプセルにおいて使用される賦形剤のいずれかに対する過敏症またはアレルギー反応の病歴
3.スクリーニングの30日未満前の発症を有する臨床的に有意なMSの再発
4.治験担当医師の判断で、歩行テストを問題なく実行する能力を妨げる重症度の神経機能障害または医学的状態の存在
5.スクリーニング前30日以内の全身性コルチコステロイド(静脈[IV]または経口)またはACTHARゲルの投与
6.スクリーニング前30日以内のダルファムプリジン(または任意の4-アミノピリジンもしくは2,4-ジアミノピリジン調製物)またはアマンタジンの投与
7.治験担当医師の判断で、研究結果の評価に影響を及ぼす他の神経学的状態または医学的状態の病歴
8.スクリーニング前の3年以内の発作歴
9.スクリーニング前の3年以内の幻覚(視覚、聴覚、または任意の他の種類)の病歴
10.処置を問わない双極性障害、統合失調症、または精神病の病歴
11.大鬱病性障害の病歴を有する対象での、治験担当医師の判断で、研究での検査を完了する対象の能力に影響を及ぼすか、または研究に参加することが対象の最善の利益とならない活動性の抑鬱症状の存在
12.自殺企図歴
13.スクリーニングの3年以内の自殺念慮歴、または自殺重症度評価尺度(C-SSRS)によって検出されるスクリーニング時の自殺念慮の存在
14.治験担当医師の臨床判断で、研究での検査に同意するかもしくはこれを完了する対象の能力に影響を及ぼすか、または研究に参加することが対象の最善の利益とならなくなるのに十分な認知障害の病歴
15.スクリーニング前の2年以内のアルコールもしくは物質の依存症または乱用歴
16.スクリーニング前の2年以内の脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、または心筋梗塞(MI)の病歴
17.スクリーニング前の5年以内の癌の病歴(以下を例外とする:適切に処置された非黒色腫性皮膚癌、限局性膀胱癌、非転移性前立腺癌、上皮子宮頸癌、または治癒したとみなされる他の根治的に治療された癌)
18.スクリーニング時の起立性低血圧の存在:座位で得られた血圧と比較した対象の起立後 3 分以内の収縮期血圧(少なくとも20mmHg)または拡張期血圧(少なくとも10mmHg)の減少
19.治験担当医師によって臨床的に有意である評価される、スクリーニング時の中央検査機関の正常範囲外の任意の臨床検査結果。スクリーニング時の範囲外の臨床検査結果に付随して治験担当医師による臨床的有意性または非有意性の文書化が行われなければならない
20.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)および/またはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)スクリーニング時検査結果が正常値上限の2倍超である21.推算糸球体濾過率(eGFR)が(腎臓病食の修正[MDRD]計算式に従って)60mL/分/1.73m2未満である
22.経口カプセルを嚥下できないか、経口投薬の使用を妨げる胃腸管吸収不良の病歴
23.女性である場合、妊娠または授乳中である
24.性的に活動的な女性である場合、外科的不妊状態もしくは閉経後少なくとも2年経過でないか、またはスクリーニングから研究治療の完了後の少なくとも4週間まで障壁法と組み合わせて非常に効果的なホルモン避妊法(IUD、または精管切除された男性パートナーでもよい)を利用することに同意しない。性的に活動的な男性である場合、スクリーニングから研究治療の完了後の少なくとも4週間までコンドームを利用することに同意しない。
25.無作為化の2週間前以内に弱毒生インフルエンザワクチンを接種したか、研究期間中に弱毒生インフルエンザワクチンを接種する予定である(アマンタジンは弱毒生ワクチンの有効性に干渉し得る)
26.尿pHに影響を及ぼし得る以下の薬物による現行の処置:
炭酸アンヒドラーゼ阻害剤、炭酸水素ナトリウム、尿酸性化剤、キニーネ、キニジン、トリアムテレン、またはトリメトプリム
27.スクリーニング前30日以内の治験薬または治験医療機器による処置
28.スクリーニング前の6ヵ月または5半減期のうちのより長い期間以内の治験用生物学的製剤による処置
29.別の治験に現在参加している
30.Adamas社の臨床試験に以前または現在参加している
31.研究への参加の間に皮膚科小手術を除く選択的手術を計画している
【0387】
治験薬製剤、投与量、および投与様式:全ての対象は、研究への参加期間、良好な神経疾患ケアと両立する程度に対象の現行の(スクリーニング訪問前の)MS治療薬および投与計画を変更することなく継続することになっている。スクリーニングおよび一重盲検プラセボ導入期間を完了し、研究の適格基準を満たす同意した対象は、以下の3つの処置群のうちの1つに等しい確率で割り付けられるであろう:プラセボ、137mgのアマンタジン(170mgのアマンタジンHClとして)、または274mgのアマンタジン(340のアマンタジンHClとして)。アマンタジンHCl ERカプセルは、12週間の二重盲検処置期間、1日1回就寝時刻に2つのカプセルとして経口投与されるであろう。2つの実薬治療群での投与計画は、以下の通りである:
●137mgアマンタジン群について(対応する量のアマンタジンHClとして)、137mg/d(1×137mgのカプセル+1つのプラシーボカプセル)を12週間
●274mgアマンタジン群について(対応する量のアマンタジンHClとして)、1週間の137mg/d(1×137mgのカプセル+1つのプラシーボカプセル)、続いて1週間の205.5mg/d(1×137mgのカプセル+1×68.5mgのカプセル)、続いて10週間の274mg/d(2×137mgのカプセル)
【0388】
対照治療、投与量、および投与様式:プラセボカプセル(アマンタジンカプセルと識別不能)は、全ての対象について4週間の一重盲検プラセボ導入期間およびプラセボ群に割り付けられる対象について12週間の二重盲検処置期間、1日1回就寝時刻に2つのカプセルとして経口投与されるであろう。
【0389】
処置期間:対象の参加の最長期間は、最長約21週間であり、全ての対象での3週間(最長)のスクリーニング期間、4週間の一重盲検プラセボ導入期間、12週間の二重盲検処置期間、およびOLE研究に参加しないことを選択する対象での処置後2週間の安全性経過観察期間を含むであろう。
評価基準:
●主要な有効性評価法:T25FW(秒単位で測定されるが、フィート/秒の測定値に計算される)
●副次的な有効性評価法:TUG(秒)、2MWT(メートル)、およびMSWS-12
●安全性評価法:有害事象(AE)、臨床検査値評価(血液学、臨床化学、尿分析、妊娠可能な女性の血清妊娠検査)、生命徴候、およびコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)
【0390】
本開示のある種の実施形態を本明細書中に示し、かつ記載しているが、かかる実施形態は、例示のみを目的として提供している。当業者は、本開示を逸脱することなく多数の変形形態、変更、および置換をすぐに思いつくであろう。本明細書に記載の本開示の実施形態の種々の代替形態を、本明細書に記載の方法の実施または本明細書に記載の組成物の調製において使用することができると理解すべきである。本明細書において引用された全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。US20110189273およびUS20150087721(両方ともWentに属する)内に含まれる実施例は、その全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、前記経口医薬組成物が、50mg~500mgの前記アマンタジンまたは等量の前記その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
前記薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
前記経口医薬組成物が、
(i)2時間内に0%~10%、
(ii)4時間内に3%~14%、
(iii)6時間内に23%~40%、
(iv)8時間内に50%~70%、および
(v)12時間内に80%以上のうちの少なくとも4つを示す前記薬物の溶解プロファイルを有し、
前記溶解プロファイルが、溶解溶媒としての500mlの水と共に、USPタイプ2装置(パドル)を用いて37.0±0.5℃にて50rpmで判定され、
前記経口医薬組成物が単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、前記経口医薬組成物が、(i)11~19時間のアマンタジンのTmaxおよび(ii)前記薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-infを提供し、前記対象が、一晩の絶食後の朝に投薬される、経口医薬組成物。
(項目2)
前記溶解プロファイルが、(i)2時間内に0%~9%、(ii)4時間内に3%~14%、(iii)6時間内に24%~40%、(iv)8時間内に45%~70%、および(v)12時間内に82%以上である、項目1に記載の経口医薬組成物。
(項目3)
経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、前記経口医薬組成物が、50mg~500mgの前記アマンタジンまたは等量の前記その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
前記薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
前記経口医薬組成物が、
(i)2時間での10%以下の溶解、
(ii)4時間での5%~13%の溶解、
(iii)6時間での20%~43%の溶解、
(iv)8時間での50%~70%の溶解、および
(v)12時間での少なくとも80%の溶解のうちの少なくとも4つを示す前記薬物の溶解プロファイルを有し、
前記溶解プロファイルが、溶解溶媒としての500mlの水と共に、USPタイプ2装置(パドル)を用いて37.0±0.5℃にて50rpmで判定され、
前記経口医薬組成物が単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、前記経口医薬組成物が、(i)11~19時間のアマンタジンのTmaxおよび(ii)前記薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-infを提供し、前記対象が、一晩の絶食後の朝に投薬される、経口医薬組成物。
(項目4)
経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、前記経口医薬組成物が、50mg~500mgの前記アマンタジンまたは等量の前記その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
前記薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
前記経口医薬組成物が、溶解溶媒としての37.0±0.5℃の500mlの水と共にUSP装置II(パドル)を使用して50rpmでの
(i)2時間での9%以下の溶解、
(ii)4時間での3%~14%の溶解、
(iii)6時間での20%~43%の溶解、
(iv)8時間での45%~70%の溶解、および
(v)12時間での少なくとも82%の溶解のうちの少なくとも4つを示す前記薬物の溶解プロファイルを有し、
前記溶解プロファイルが、溶解溶媒としての500mlの水と共に、USPタイプ2装置(パドル)を用いて37.0±0.5℃にて50rpmで判定され、
前記経口医薬組成物が単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合に、前記経口医薬組成物が、(i)11~19時間のアマンタジンのTmaxおよび(ii)前記薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-infを提供し、前記対象が、一晩の絶食後の朝に投薬される、経口医薬組成物。
(項目5)
アマンタジンの前記Tmaxが、12~18時間である、項目1~4のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目6)
前記経口医薬組成物が、(i)~(v)のそれぞれを示す、項目1~5のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目7)
前記経口医薬組成物が、4時間での9%の溶解を有する、項目1~6のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目8)
前記経口医薬組成物が、6時間での31%の溶解を有する、項目1~7のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目9)
前記経口医薬組成物が、8時間での61%の溶解を有する、項目1~8のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目10)
前記経口医薬組成物が、12時間での94%の溶解を有する、項目1~9のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目11)
経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、前記経口医薬組成物が、50mg~500mgの前記アマンタジンまたは等量の前記その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
前記薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合であって、前記対象が一晩の絶食後の朝に投薬される場合に、前記経口医薬組成物が、
11~19時間のアマンタジンのTmax、
前記薬物1mgにつき44~72ng*hr/mlのアマンタジンのAUC0-inf、および
前記薬物1mgにつき1.0~2.0ng*hr/mlのアマンタジンのpAUC0-8を提供する、経口医薬組成物。
(項目12)
単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合であって、前記対象が一晩の絶食後の朝に投薬される場合に、前記経口医薬組成物が、前記薬物1mgにつき0.3~0.9ng*hr/mlであるアマンタジンのpAUC0-6を提供する、項目11に記載の経口医薬組成物。
(項目13)
経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、前記経口医薬組成物が、50mg~500mgの前記アマンタジンまたは等量の前記その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
前記薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合であって、前記対象が一晩の絶食後の朝に投薬される場合に、前記経口医薬組成物が、
(i)AUC0-infの1%未満である0~4時間の部分的AUC、
(ii)AUC0-infの4.5%以下である0~8時間の部分的AUC、
(iii)AUC0-infの約5%~15%である0~12時間の部分的AUC、
(iv)AUC0-infの約20%~35%である0~18時間の部分的AUC、
(v)およびAUC0-infの約34%~48%である0~24時間の部分的AUCを提供する、経口医薬組成物。
(項目14)
前記0~4の部分的AUCが、AUC0-infの0.2%未満である、項目13に記載の経口医薬組成物。
(項目15)
前記0~8時間の部分的AUCが、AUC0-infの1.0%~4.0%である、項目13または14に記載の経口医薬組成物。
(項目16)
前記0~8時間の部分的AUCが、AUC0-infの1.5%~3.75%である、項目13~15のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目17)
前記0~8時間の部分的AUCが、AUC0-infの1.75%~3.5%である、項目13~16のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目18)
前記0~12時間の部分的AUCが、AUC0-infの約7.0%~12.0%である、項目13~17のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目19)
前記0~18時間の部分的AUCが、AUC0-infの約22.5%~27.5%である、項目13~18のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目20)
経口医薬組成物であって、
アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩である薬物であって、前記経口医薬組成物が、50mg~500mgの前記アマンタジンまたは等量の前記その薬学的に許容される塩を含む、薬物と、
前記薬物の少なくとも一部の放出を調節する少なくとも1つの賦形剤と、を含み、
単一用量のヒト薬物動態研究の健常な対象に投薬される場合であって、前記対象が一晩の絶食後の朝に投薬される場合に、前記経口医薬組成物が、
AUC0-infの0.25%未満である0~4時間の部分的AUC、
AUC0-infの3.5%未満である0~8時間の部分的AUC、
AUC0-infの約5~12%である0~12時間の部分的AUC、および
AUC0-infの約25~60%である0~18時間の部分的AUCを提供する、経口医薬組成物。
(項目21)
100mg~450mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩を含む、項目1~20のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目22)
120mg~150mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩を含む、項目1~21のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目23)
137mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩を含む、項目1~22のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目24)
260mg~305mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩を含む、項目1~21のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目25)
274mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩を含む、項目1~21または24のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目26)
1、2、3、または4単位剤形を含む、項目1~25のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目27)
1または2単位剤形を含む、項目1~26のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目28)
前記薬物がアマンタジンの薬学的に許容される塩である、項目1~27のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目29)
前記薬物が塩酸アマンタジンである、項目1~28のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目30)
6000ppm未満の有機溶媒を含む、項目1~29のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目31)
2000ppm未満の有機溶媒を含む、項目1~30のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
(項目32)
項目1~31のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、
複数のコーティングされたコアシードであって、各コーティングされたコアシードが、
コアシード、
前記コアシードを囲む薬物コーティングであって、アマンタジンまたはその薬学的に許容される塩および1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む薬物コーティング、
前記薬物コーティングを囲む徐放性コーティングであって、1つ以上の放出調節賦形剤を含む、徐放性コーティング、を含む、複数のコーティングされたコアシード、および
カプセル殻であって、前記複数のコーティングされたコアシードが前記カプセル殻内にカプセル化されている、カプセル殻、を含む、経口医薬組成物。
(項目33)
前記複数のコーティングされたコアシードが6000ppm未満の有機溶媒を含む、項目32に記載の経口医薬組成物。
(項目34)
前記複数のコーティングされたコアシードが、2000ppm未満の有機溶媒を含む、項目32に記載の経口医薬組成物。
(項目35)
レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を低減する必要があるパーキンソン病を有する対象においてレボドパ誘発ジスキネジア(LID)を低減する方法であって、項目1~34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、前記対象においてLIDが低減される、経口医薬組成物を前記対象に1日1回経口投与することを含む、方法。
(項目36)
LIDを低減することが、ジスキネジアの重症度を低減することを含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
LIDの低減が、統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)によって評価される、項目35または36に記載の方法。
(項目38)
煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させる必要があるパーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させる方法であって、前記対象が、レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を有し、前記方法が、項目1~34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物を前記対象に1日1回経口投与することを含む、方法。
(項目39)
煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの増加が、プラセボ対照二重盲検臨床試験で判定される、項目38に記載の方法。
(項目40)
オフタイムを低減する必要があるパーキンソン病を有する対象においてオフタイムを低減する方法であって、前記対象が、レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を有し、前記方法が、項目1~34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、前記対象においてオフタイムが低減される、経口医薬組成物を前記対象に1日1回経口投与することを含む、方法。
(項目41)
オフタイムの増加が、プラセボ対照二重盲検臨床試験で判定される、項目40に記載の方法。
(項目42)
運動減少障害を治療する必要がある多発性硬化症を有する対象において運動減少障害を治療する方法であって、項目1~34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物を前記対象に1日1回経口投与することを含む、方法。
(項目43)
前記運動減少障害が、歩行障害である、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記経口医薬組成物が、夜間に1回前記対象に投与される、項目35~43のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
前記経口医薬組成物が、就寝時刻の0~4時間前に前記対象に投与される、項目35~44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記対象に投与される1日量が、100mg~450mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩である、項目35~45のいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
前記対象に投与される1日1回用量が、120mg~150mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩である、項目35~46のいずれか一項に記載の方法。
(項目48)
前記対象に投与される1日1回用量が、137mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩である、項目35~47のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
前記対象に投与される1日1回用量が、260mg~305mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩である、項目35~46のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記対象に投与される1日1回用量が、274mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩である、項目35~46または49のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記経口医薬組成物が、1、2、3、または4単位剤形として投与される、項目35~50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記経口医薬組成物が、1または2単位剤形として投与される、項目35~51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記経口医薬組成物が、各々が68.5~175mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩を含む、2または3単位剤形として投与される、項目35~52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記薬物が、アマンタジンの薬学的に許容される塩である、項目35~52のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
前記薬物が、塩酸アマンタジンである、項目35~53のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を低減する必要があるパーキンソン病を有する対象においてレボドパ誘発ジスキネジア(LID)を低減する方法に使用するための項目1~34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、前記方法が、前記経口医薬組成物を前記対象に1日1回経口投与することを含む、経口医薬組成物。
(項目57)
LIDを低減することが、ジスキネジアの重症度を低減することを含む、項目56に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目58)
LIDの低減が、統一ジスキネジア評価尺度(UDysRS)によって評価される、項目56または57に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目59)
煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させる必要があるパーキンソン病を有する対象において煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムを増加させる方法に使用するための項目1~34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、前記対象が、レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を有し、前記方法が、前記経口医薬組成物を前記対象に1日1回経口投与することを含む、経口医薬組成物。
(項目60)
煩わしいジスキネジアを伴わないオンタイムの増加が、プラセボ対照二重盲検臨床試験で判定される、項目59に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目61)
オフタイムを低減する必要があるパーキンソン病を有する対象においてオフタイムを低減する方法に使用するための項目1~34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、前記対象が、レボドパ誘発ジスキネジア(LID)を有し、前記方法が、前記経口医薬組成物を前記対象に1日1回経口投与することを含む、経口医薬組成物。
(項目62)
オフタイムの増加が、プラセボ対照二重盲検臨床試験で判定される、項目61に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目63)
運動減少障害を治療する必要がある多発性硬化症を有する対象におけて運動減少障害を治療する方法に使用するための項目1~34のいずれか一項に記載の経口医薬組成物であって、前記方法が、前記経口医薬組成物を前記対象に1日1回経口投与することを含む、経口医薬組成物。
(項目64)
前記運動減少障害が、歩行障害である、項目63に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目65)
前記経口医薬組成物が、夜間に1回前記対象に投与される、項目56~64のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目66)
前記経口医薬組成物が、就寝時刻の0~4時間前に前記対象に投与される、項目56~65のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目67)
前記対象に投与される1日量が、100mg~450mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩である、項目56~66のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目68)
前記対象に投与される1日1回用量が、120mg~150mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩である、項目56~67のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目69)
前記対象に投与される1日1回用量が、137mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩である、項目56~68のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目70)
前記対象に投与される1日1回用量が、260mg~305mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩である、項目56~67のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目71)
前記対象に投与される1日1回用量が、274mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩である、項目56~67または70のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目72)
前記経口医薬組成物が、1、2、3、または4単位剤形として投与される、項目56~71のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目73)
前記経口医薬組成物が、1または2単位剤形として投与される、項目56~72のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目74)
前記経口医薬組成物が、各々が68.5~175mgのアマンタジンまたは等量のその薬学的に許容される塩を含む、2または3単位剤形として投与される、項目56~73のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目75)
前記薬物が、アマンタジンの薬学的に許容される塩である、項目56~74のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。
(項目76)
前記薬物が、塩酸アマンタジンである、項目56~75のいずれか一項に記載の使用のための経口医薬組成物。