(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092522
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】ハイブリッド回路遮断器
(51)【国際特許分類】
H02H 3/087 20060101AFI20230626BHJP
G05F 1/569 20060101ALI20230626BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
H02H3/087
G05F1/569
H02J1/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022203865
(22)【出願日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】17/557,258
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508161584
【氏名又は名称】エービービー・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】ABB S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Vittor Pisani, 16, I-20124, MILANO, Italy
(74)【復代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】リー・チー
(72)【発明者】
【氏名】イージー・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】タオシャー・ジャン
【テーマコード(参考)】
5G004
5G165
5H420
【Fターム(参考)】
5G004AA04
5G004BA04
5G004DC14
5G165BB04
5G165CA01
5G165DA07
5G165EA01
5G165JA07
5G165LA01
5G165LA02
5G165NA03
5G165NA05
5G165NA06
5G165NA10
5H420BB13
5H420CC02
5H420DD02
5H420EA10
5H420FF04
5H420FF24
5H420FF25
5H420LL05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】DC配電システムにおいて使用される回路遮断器の動作及び性能を改善する故障電流制限器を含むハイブリッド回路遮断器を提供する。
【解決手段】ハイブリッド回路保護装置は、DCソースに結合された入力端子118、119と、DC負荷に結合された出力端子120、121と、DCソースを負荷に結合する帰線と、入力端子を出力端子に選択的に結合する主スイッチ108と、主スイッチと並列に結合されたスイッチングネットワーク132と、制御装置と、を含む。制御装置は、故障電流に応答して、主スイッチが開いたと決定する。故障電流は、初期値を有し、故障中に故障電流を初期値より小さいように電流制限するために、スイッチングネットワークをアクティブ化する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
故障中にソースと負荷との間の故障電流を電流制限するためのハイブリッド回路保護装置であって、前記ハイブリッド回路保護装置は、
前記ソースに結合するように構成された入力と、
前記負荷に結合するように構成された出力と、
前記ソースを前記負荷に結合するように構成された帰線と、
前記入力を前記出力に選択的に結合するように構成された主スイッチと、
前記主スイッチと並列に結合されたスイッチングネットワークと、
制御装置であって、
前記故障電流に応答して、前記主スイッチが開いたと決定することと、ここで、前記故障電流は、初期値を有し、
故障中に前記故障電流を前記初期値より小さいように電流制限するために、前記スイッチングネットワークをアクティブ化することと、
を行うように構成された制御装置と、
を備える、ハイブリッド回路保護装置。
【請求項2】
前記スイッチングネットワークは、
前記入力に結合された第1の端子と、第2の端子と、を有する補助スイッチと、
前記帰線に結合されたアノードと、前記補助スイッチの前記第2の端子に結合されたカソードと、を有するダイオードと、
前記ダイオードの前記カソードに結合された第3の端子と、前記出力に結合された第4の端子と、を有するインダクタと、
を備え、
前記制御装置は、前記故障中に前記故障電流を前記初期値より小さいように電流制限するために、前記補助スイッチのデューティサイクルを修正するように更に構成されている、
請求項1に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項3】
前記ハイブリッド回路保護装置のためにガルバニック絶縁を提供する少なくとも1つの機械式切断部を更に備える、請求項2に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項4】
前記主スイッチは、機械式遮断器を備え、
前記ハイブリッド回路保護装置は、前記入力と前記出力との間に、前記機械式遮断器に直列の固体遮断器を更に備え、
前記制御装置は、前記故障電流に応答して、前記固体遮断器を開くように更に構成されている、
請求項1に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記主スイッチが閉じたと決定することと、
前記入力と前記出力との間の前記スイッチングネットワークを通る電流経路を無効にするために、前記スイッチングネットワークを非アクティブ化することと、
を行うように更に構成されている、
請求項1に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項6】
前記入力と前記出力との間の前記故障電流を感知するように構成された電流センサを更に備え、
前記制御装置は、
前記電流センサを使用して、前記故障電流を測定することと、
前記故障電流の前記初期値が閾値より大きいかどうかを決定することと、
前記初期値が前記閾値より大きいと決定することに応答して、前記主スイッチを開くことと、
を行うように更に構成されている、
請求項1に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項7】
前記スイッチングネットワークは、
前記入力に結合された第1の端子と、第2の端子と、を有する第1の補助スイッチと、
前記帰線に結合された第3の端子と、前記第1の補助スイッチの前記第2の端子に結合された第4の端子と、を有する第2の補助スイッチと、
前記第1の補助スイッチの前記第2の端子と、前記第2の補助スイッチの前記第4の端子とに結合された第5の端子を有するインダクタと、ここで、前記インダクタは、前記出力に結合された第6の端子を有し、
を備え、
前記制御装置は、故障中に前記故障電流を電流制限するために、前記第1の補助スイッチ及び前記第2の補助スイッチのデューティサイクルを修正するように更に構成されている、
請求項1に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項8】
故障中に、ハイブリッド回路保護装置の入力に結合されたソースと、前記ハイブリッド回路保護装置の出力に結合された負荷との間の故障電流を電流制限するための、前記ハイブリッド回路保護装置によって動作可能な方法であって、前記方法は、
主スイッチを通る前記故障電流の初期値が閾値より大きいかどうかを決定することと、ここで、前記主スイッチは、前記入力を前記出力と選択的に結合し、
前記故障電流の前記初期値が前記閾値より大きいと決定することに応答して、
前記主スイッチを開くことと、
故障中に前記故障電流を前記初期値より小さいように電流制限するために、前記主スイッチと並列に結合されたスイッチングネットワークをアクティブ化することと、
を備える、方法。
【請求項9】
故障が解消されたかどうかを決定することと、
故障が解消されたと決定することに応答して、
前記主スイッチを閉じることと、
前記入力と前記出力との間の前記スイッチングネットワークを通る電流経路を無効にするために、前記スイッチングネットワークを非アクティブ化することと、
を更に備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
故障中に前記故障電流を前記初期値より小さいように電流制限するために、前記スイッチングネットワークの少なくとも1つのスイッチのデューティサイクルを修正することを更に備える、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
故障中にソースと負荷との間の故障電流を電流制限するためのハイブリッド回路保護装置であって、前記ハイブリッド回路保護装置は、
前記ソースに結合するように構成された、第1の入力端子及び第2の入力端子と、
前記負荷に結合するように構成された、第1の出力端子及び第2の出力端子と、
前記第1の入力端子を前記第1の出力端子と選択的に結合するように構成された主スイッチと、
スイッチングネットワークであって、
インダクタと直列の固体スイッチと、前記インダクタと直列の前記固体スイッチは、前記第1の入力端子を前記第1の出力端子と結合しており、
前記固体スイッチと前記インダクタとの間の接合点から、前記第2の入力端子及び前記第2の出力端子までの選択的伝導経路を形成する装置と、
を備えるスイッチングネットワークと、
制御装置であって、
前記故障電流に応答して、前記主スイッチが開いたと決定することと、ここで、前記故障電流は、初期値を有し、
故障中に前記故障電流を前記初期値より小さいように電流制限するために、前記固体スイッチのデューティサイクルを修正することと、
を行うように構成された制御装置と、
を備える、ハイブリッド回路保護装置。
【請求項12】
前記ハイブリッド回路保護装置は、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子とに結合されたアノードと、前記固体スイッチと前記インダクタとの間の前記接合点に結合されたカソードと、を有するダイオードを備える、請求項11に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項13】
前記固体スイッチは、第1の固体スイッチを備え、
前記ハイブリッド回路保護装置は、第2の固体スイッチを備え、
前記制御装置は、故障中に前記故障電流を前記初期値より小さいように電流制限するために、前記第2の固体スイッチの前記デューティサイクルを修正するように更に構成されている、
請求項11に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項14】
前記ハイブリッド回路保護装置のためにガルバニック絶縁を提供する少なくとも1つの機械式切断部を更に備える、請求項11に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項15】
前記主スイッチは、機械式遮断器を備え、
前記ハイブリッド回路保護装置は、前記第1の入力端子と前記第1の出力端子との間に、前記機械式遮断器に直列の固体遮断器を更に備え、
前記制御装置は、前記故障電流に応答して、前記固体遮断器を開くように更に構成されている、
請求項11に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項16】
前記制御装置は、
前記主スイッチが閉じたと決定することと、
前記第1の入力端子と前記第1の出力端子との間の前記スイッチングネットワークを通じて電流経路を無効にするために、前記固体スイッチの前記デューティサイクルを修正することと、
を行うように更に構成されている、
請求項11に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項17】
前記第1の入力端子と前記第1の出力端子との間の前記故障電流を感知するように構成された電流センサを更に備え、
前記制御装置は、
前記電流センサを使用して、前記故障電流を測定することと、
前記故障電流の前記初期値が閾値より大きいかどうかを決定することと、
前記初期値が前記閾値より大きいと決定することに応答して、前記主スイッチを開くことと、
を行うように更に構成されている、
請求項11に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項18】
前記制御装置は、
故障を解消しようと試みるための一連の再投入動作を行うように、前記主スイッチを動作させることと、
前記主スイッチが前記一連の再投入動作の最後の再投入動作を行った、及び前記主スイッチが開いたままであると決定することに応答して、前記故障電流を電流制限するために、前記固体スイッチの前記デューティサイクルを修正することと、
を行うように更に構成されている、
請求項17に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項19】
前記主スイッチは、故障を解消しようと試みるための一連の再投入動作を行うように構成されており、
前記制御装置は、前記主スイッチが前記一連の再投入動作の最後の再投入動作を行ったこと、及び前記主スイッチが開いたままであると決定することに応答して、前記故障電流を電流制限するために、前記固体スイッチの前記デューティサイクルを修正するように構成されている、
請求項11に記載のハイブリッド回路保護装置。
【請求項20】
前記主スイッチは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、逆阻止集積ゲート整流サイリスタ、炭化ケイ素金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ、及び窒化ガリウム電界効果トランジスタの1つ以上を備える、請求項11に記載のハイブリッド回路保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[連邦政府支援の研究及び開発に関する陳述]
[0001]本発明は、エネルギー省から受けた契約番号DE-AC02-06CH11357の下で政府支援を得てなされたものである。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
[0002]本開示の分野は、回路遮断器に関し、より詳細には、故障電流制限器を含むハイブリッド回路遮断器に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]回路遮断器は、故障中に分岐回路上の下流の負荷を保護するために、回路経路内に実装される装置である。下流の負荷における故障状態の間、回路遮断器は、トリップして開き(trip open)、回路遮断器によって給電されている分岐を非通電にする(de-energize)ように設計されている。しかしながら、分岐を非通電にすることは、分岐上の他の負荷も非通電にし得、これは、特に直流(DC)配電システムでは望ましくない。
【0004】
[0004]したがって、回路遮断器の動作及び性能を改善すること、より具体的には、DC配電システムにおいて使用される回路遮断器の動作及び性能を改善することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
[0005]一態様では、故障中にソースと負荷との間の故障電流を電流制限するためのハイブリッド回路保護装置が提供される。ハイブリッド回路保護装置は、ソースに結合するように構成された入力と、負荷に結合するように構成された出力と、ソースを負荷に結合するように構成された帰線(return)と、入力を出力に選択的に結合するように構成された主スイッチと、主スイッチと並列に結合されたスイッチングネットワークと、制御装置と、を含む。制御装置は、故障電流に応答して、主スイッチが開いたと決定することと、ここで、故障電流は、初期値を有し、故障中に故障電流を初期値より小さいように電流制限するために、スイッチングネットワークをアクティブ化することと、を行うように構成されている。
【0006】
[0006]別の態様では、故障中に、ハイブリッド回路保護装置の入力に結合されたソースと、ハイブリッド回路保護装置の出力に結合された負荷との間の故障電流を電流制限するための、ハイブリッド回路保護装置によって動作可能な方法が提供される。方法は、主スイッチを通る故障電流の初期値が、閾値より大きいかどうかを決定することと、ここで、主スイッチは、入力を出力と選択的に結合し、故障電流の初期値が閾値より大きいと決定することに応答して、主スイッチを開くことと、故障中に故障電流を初期値より小さいように電流制限するために、主スイッチと並列に結合されたスイッチングネットワークをアクティブ化することと、を含む。
【0007】
[0007]別の態様では、故障中にソースと負荷との間の故障電流を電流制限するためのハイブリッド回路保護装置が提供される。ハイブリッド回路保護装置は、ソースに結合するように構成された、第1の入力端子及び第2の入力端子と、負荷に結合するように構成された、第1の出力端子及び第2の出力端子と、第1の入力端子を第1の出力端子と選択的に結合するように構成された主スイッチと、スイッチングネットワークと、を含む。スイッチングネットワークは、インダクタと直列の固体スイッチを含み、インダクタと直列の固体スイッチは、第1の入力端子を第1の出力端子と結合している。スイッチングネットワークは、固体スイッチとインダクタとの間の接合点から、第2の入力端子及び第2の出力端子までの選択的伝導経路を形成する装置を更に含む。ハイブリッド回路保護装置は、故障電流に応答して、主スイッチが開いたと決定することと、ここで、故障電流は、初期値を有し、故障中に故障電流を初期値より小さいように電流制限するために、固体スイッチのデューティサイクルを修正することと、を行うように構成された制御装置を更に含む。
【0008】
[0008]本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、図面全体を通して同様の符号が同様の部分を表す添付の図面を参照して以下の発明を実施するための形態を読むと、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、例となる実施形態におけるハイブリッド回路保護装置を図示する。
【
図2】
図2は、例となる実施形態における別のハイブリッド回路保護装置を図示する。
【
図3】
図3は、例となる実施形態におけるハイブリッド配電システムを図示する。
【
図4A】
図4Aは、故障中の
図3の配電システムにおけるシミュレートされた電流波形を図示する。
【
図4B】
図4Bは、故障中の
図3の配電システムにおけるシミュレートされた電圧波形を図示する。
【
図4C】
図4Cは、故障中の
図3の配電システムにおけるシミュレートされた電流波形を図示する。
【
図5】
図5は、例となる実施形態における別のハイブリッド配電システムを図示する。
【
図6A】
図6Aは、故障中の
図5の配電システムにおけるシミュレートされた電流波形を図示する。
【
図6B】
図6Bは、故障中の
図5の配電システムにおけるシミュレートされた電流波形を図示する。
【
図7】
図7は、例となる実施形態における別のハイブリッド配電システムを図示する。
【
図8】
図8は、故障中の
図7の配電システムにおけるシミュレートされた電圧波形を図示する。
【
図9】
図9は、例となる実施形態における別のハイブリッド配電システムを図示する。
【
図10】
図10は、例となる実施形態における、故障中にソースと負荷との間の故障電流を電流制限するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0019]別段の指示がない限り、本明細書で提供される図面は、本開示の実施形態の特徴を例示することを意図している。これらの特徴は、本開示の1つ以上の実施形態を備える多種多様なシステムに適用可能であると考えられる。したがって、図面は、本明細書に開示される実施形態の実施に必要とされる、当業者に既知の全ての従来の特徴を含むことを意味するものではない。
【0011】
[0020]以下の明細書及び特許請求の範囲では、いくつかの用語への参照が行われ、これらは、以下の意味を有すると定義されるものとする。
【0012】
[0021]単数形「a」、「an」、及び「the」は、別途文脈によって明示されない限り、複数の言及を含む。
【0013】
[0022]「オプションの」又は「オプションで」は、続いて記載される事象又は状況が起こっても起こらなくてもよいこと、及びその記載が、事象が起こる場合と、起こらない場合とを含むことを意味する。
【0014】
[0023]本明細書で使用される場合、本明細書及び特許請求の範囲を通して、近似する文言は、それが関連する基本的な機能に変化をもたらすことなく、許容範囲内で変化し得る任意の定量的表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約」、「およそ」、及び「実質的に」等の、1つ又は複数の用語によって修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるべきではない。少なくともいくつかの事例では、近似する文言は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。ここで、並びに本明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲の限定は、組み合わされ得及び/又は置き換えられ得、このような範囲は識別され、文脈又は文言が別段に指示しない限り、その中に含まれる全ての部分的な範囲を含む。
【0015】
[0024]本明細書で使用される場合、「プロセッサ」及び「コンピュータ」という用語、並びに関連用語、例えば、「処理装置」、「計算装置」、及び「制御装置」は、当該技術分野でコンピュータと称される集積回路のみに限定されず、マイクロ制御装置、マイクロコンピュータ、アナログコンピュータ、プログラマブル論理制御装置(PLC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び他のプログラマブル回路を広義に指し、これらの用語は、本明細書では交換可能に使用される。本明細書で説明される実施形態では、「メモリ」は、限定はしないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)等のコンピュータ可読媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータ可読不揮発性媒体を含み得る。代替として、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク(MOD)、及び/又はデジタル多用途ディスク(DVD)も使用され得る。また、本明細書で説明される実施形態では、追加の入力チャネルは、限定はしないが、タッチスクリーン、マウス、及びキーボード等のオペレータインターフェースに関連付けられたコンピュータ周辺機器であり得る。代替として、例えば、限定はしないが、スキャナを含み得る、他のコンピュータ周辺機器も使用され得る。更に、例となる実施形態では、追加の出力チャネルは、限定はしないが、オペレータインターフェースモニタ又はヘッドアップ表示装置を含み得る。いくつかの実施形態は、1つ以上の電子装置又は計算装置の使用を伴う。このような装置は、典型的に、汎用中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、マイクロ制御装置、縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ、ASIC、プログラマブルロジック制御装置(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号処理(DSP)装置、及び/又は本明細書で説明される機能を実行することが可能なその他任意の回路若しくは処理装置等の、プロセッサ、処理装置、又は制御装置を含む。本明細書で説明される方法は、限定はしないが、記憶装置及び/又はメモリ装置を含む、コンピュータ可読媒体内に具現化される実行可能命令として符号化され得る。このような命令は、処理装置によって実行されると、処理装置に、本明細書で説明される方法の少なくとも一部を行わせる。上記の例は、プロセッサ及び処理装置という用語の定義及び/又は意味を、いかなる形でも限定することを意図していない。
【0016】
[0025]再生可能エネルギー源及びエネルギー貯蔵は、配電システムにおいてますます普及しつつある。再生可能エネルギー源及びエネルギー貯蔵は、典型的に、直流(DC)であるので、DC配電へのそれらの統合は、交流(AC)配電よりも効率的であり、より信頼性が高く、より安価である。したがって、従来型の純粋なAC配電システムは、潜在的にハイブリッドAC及びDC配電システムに発展し得る。従来のAC配電保護方式では、リクローザ(reclosers)又は回路遮断器が、変電所又は給電線(feeders)において設置され、ヒューズが各給電線の側線(laterals)において設置されている。給電線リクローザ又は遮断器は、一時的な故障に反応して、下流のヒューズを開き、それらを保護する。給電線リクローザ又は遮断器は、永続的故障において再投入する(reclose)ことができず、故障に近い下流のヒューズが溶融する。したがって、側線における顧客は、給電線リクローザ又は遮断器が開くことによる、一時的な電力損失を経験し得る。このヒューズセービング保護設計は、低損失、低コストであり、従来のAC配電給電線の一時的な故障の高い発生に好適である。
【0017】
[0026]再生可能エネルギー源及びエネルギー貯蔵の配電システムへの統合により、配電システムのあるセクションは、容易かつ効率的な統合のためのDC配電システムになり得る。インターフェースコンバータが、配電システムのAC部分とDC部分とを統合するために利用され得る。DC配電システムのための保護方式は、配電保護の低損失、低コスト、及び高い一時的な故障の発生を考慮し得る。AC故障電流及びDC故障電流は、異なる時定数を含む、異なる特徴を有する。ハイブリッドAC及びDC配電では、AC保護とDC保護との間の保護協調がまた、ACサブシステム及びDCサブシステムにおける異なる故障電流の時定数及び保護装置を考慮して設計され得る。
【0018】
[0027]本明細書で説明される実施形態では、AC配電システムとDC配電システムとの間の保護速度及び協調の制約を満たすハイブリッド回路保護装置が開示される。更に、従来の配電保護は、側線の一時的な故障では選択的でないので、本明細書で開示されるハイブリッド回路保護装置は、選択性を提供する。この点に関して、配電のダウンタイムが低減され、システムの信頼性が改善される。
【0019】
[0028]より具体的には、本係属中の出願は、故障電流制限能力を含むハイブリッド回路保護装置を開示する。通常動作中、電流は、主遮断器又は主スイッチ(例えば、機械式遮断器又は低損失固体遮断器)を通って流れ、保護されたシステムは、高効率で動作する。故障中、主遮断器と並列のスイッチングネットワークが、下流の負荷への故障電流を電流制限するように動作される。故障電流は、電流制限され、したがって、保護された機器及び装置への高い故障電流による損傷を防止する。同時に、少なくとも低減された定格出力(reduced rated power)が、下流の負荷に供給される。従来の低コスト配電保護のヒューズセービング原理が、依然として適用可能であり、負荷が、故障電流制限動作状態中に、依然として低減された定格出力又は全定格出力で動作し得るので、システムの信頼性が改善される。
【0020】
[0029]
図1は、例となる実施形態におけるハイブリッド回路保護装置100を図示する。この実施形態では、保護装置100は、1つ以上のDC負荷102をDCソース104に結合し、DCソース104とDC負荷102との間に保護及び故障電流制限能力を提供する。この実施形態では、保護装置100は、保護装置100の動作を制御する制御装置106と、主スイッチ108(主遮断器とも呼ばれる)と、補助スイッチ110と、ダイオード112と、インダクタ114と、1つ以上のセンサ116と、を含む。保護装置100は、DCソース104に結合された入力端子118、119と、DC負荷102に結合された出力端子120、121と、を更に含む。入力端子119及び出力端子121は、共通の回路経路を共有するものとして図示されているが、他の実施形態では、入力端子119及び出力端子121は、互いに電気的に絶縁され得る。この実施形態では、補助スイッチ110、ダイオード112、及びインダクタ114は、主スイッチ108と並列に結合されたスイッチングネットワーク132を形成する。
【0021】
[0030]通常動作中、主スイッチ108は閉じられ、DCソース104とDC負荷102との間に低損失電流経路を提供する。補助スイッチ110は、通常動作中は開いており、その結果、スイッチングネットワーク132は、非アクティブ化されている。故障が検出された場合(例えば、センサ116が、DCソース104とDC負荷102との間に閾値より大きい故障電流を検出した場合)、主スイッチ108は(例えば、制御装置106によって、又は主スイッチ108自体によって独立に)開かれる。いくつかの実施形態では、主スイッチ108は、機械式遮断器であり、オプションの固体遮断器122が、機械式の主スイッチ108に通常関連付けられたターンオフ時間を低減させるために、主スイッチ108と直列にある。次いで、制御装置106は、スイッチング期間にわたって補助スイッチ110をオン及びオフに動作させることによって、スイッチングネットワーク132をアクティブ化して、DCソース104からDC負荷102への故障電流を、故障電流の初期値より小さい値に電流制限する。例えば、主スイッチ108のトリップ電流値が150アンペアであり、初期故障電流値が550アンペアである場合、主スイッチ108は、トリップして開く。スイッチングネットワーク132は、故障電流を550アンペアより小さい値、例えば、250アンペアに電流制限するように動作し、これは、DC負荷102がDCソース104によって電力供給され続けることを可能にする。DC負荷102の電力要件に依存して、DC負荷102は、故障中に正常に動作し続け得る。例えば、DC負荷102は、DC/DCコンバータ又はDC/ACコンバータを含み得、これらは、たとえDC/DCコンバータ又はDC/ACコンバータにおける入力電圧が故障中に低下したとしても、正常に動作し続け得る。
【0022】
[0031]補助スイッチ110が制御装置106によって設定されたスイッチング期間中にオンであるとき、DCソース104は、補助スイッチ110及びインダクタ114を通じて直列にDC負荷102に電気的に結合される。補助スイッチ110がスイッチング期間中にオフであるとき、DC負荷102への電流は、ダイオード112及びインダクタ114によって伝導される。一般に、補助スイッチ110、ダイオード112、及びインダクタ114は、DC負荷102に供給される故障電流を電流制限するために制御装置106によって動作されるバックレギュレータを形成する。いくつかの実施形態では、制御装置106は、DC負荷102に供給される故障電流を電流制限するために、パルス幅変調(PWM)制御方式を使用する。いくつかの実施形態では、保護装置100は、メンテナンス中に保護装置100をガルバニック絶縁するために使用される機械式切断部(mechanical disconnects)124を含む。一般に、保護装置100は、故障状態の間、DCソース104からDC負荷102へ連続的な制限された電流の流れを提供し、それによって、故障が存在する場合であっても、DC負荷102において制限された機能を有効にする。例えば、保護装置100によって供給される制限された故障電流と、DC負荷102によって利用される電力とに依存して、DC負荷102は、故障が識別され、解消されるか又は分離される(isolated)かのいずれかの間、正常に動作し続け得、それによって、故障中のDC負荷102への途絶(disruption)を最小限に抑える。いくつかの実施形態では、保護装置100は、ネットワークインターフェース126を含み、これは、保護装置100にネットワーク化能力を提供する。ネットワークインターフェース126は、いくつかの実施形態では、配電システムにおける異なる保護装置100間のアクティビティを調整するために、制御装置106によって使用される。ネットワークインターフェース126は、様々な実施形態では、有線インターフェース又は無線インターフェースを含み得る。
【0023】
[0032]
図1では、保護装置100は、説明を目的として簡略化されており、保護装置100は、他の実施形態では、異なる構成を含む。この点に関して、制御装置106は、制御装置106に関して本明細書で説明される機能を行う任意のシステム、構成要素、又は装置を含む。いくつかの実施形態では、制御装置は、メモリ130に結合されたプロセッサ128を含む。プロセッサ128は、いくつかの実施形態では、制御装置106に関して本明細書で説明される機能を行うために、メモリ130に記憶された命令を実行する。主スイッチ108は、保護装置100によって検出された故障に応答して、入力端子118を出力端子120から切断するように動作する任意のシステム、構成要素、又は装置を含む。いくつかの実施形態では、主スイッチ108は、(例えば、センサ116からの情報を直接利用して)入力端子118を出力端子120から切断するために、制御装置106とは独立に動作する。他の実施形態では、主スイッチ108は、制御装置106が(例えば、センサ116を利用して)故障を検出したことに応答して、制御装置106の指示の下で動作する。いくつかの実施形態では、主スイッチ108は、機械式スイッチであり、これは、入力端子118と出力端子120との間に低損失順方向伝導経路を提供する。他の実施形態では、主スイッチ108は、低損失固体スイッチである。主スイッチ108が低損失固体スイッチである実施形態では、主スイッチ108は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、逆阻止集積ゲート整流サイリスタ(RB-IGCT:Reverse Blocking-Integrated Gate Commutated Thyristors)、炭化ケイ素金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(SiC MOSFET)、窒化ガリウム(GAN)FET等の1つ以上を含む。
【0024】
[0033]補助スイッチ110は、故障中にDC負荷102に制限された電流を提供するために制御装置106によって切り替え可能な任意のシステム、構成要素、又は装置を含む。補助スイッチ110は、様々な実施形態では、1つ以上のIGBT、RB-IGCT、SiC MOSFET、GAN FET等を含む。ダイオード112は、スイッチング期間中に補助スイッチ110がオフであるときに、電流を選択的に伝導するように動作する任意のシステム、構成要素、又は装置を含む。ダイオード112は、いくつかの実施形態では、能動スイッチング素子を含む。例えば、ダイオード112は、いくつかの実施形態では、固体スイッチによって置き換えられ得、これは、保護装置100が、制限された故障電流をDC負荷102に供給するためにバックモードで動作するとき、スイッチング期間のオフ間隔中に電流を選択的に伝導するように制御装置106によって制御される。
【0025】
[0034]インダクタ114は、保護装置100についてのスイッチング期間のオン間隔中にエネルギーを蓄積するためのインダクタンスを提供する任意のシステム、構成要素、又は装置を含む。センサ116は、保護装置100における電流及び/又は電圧を測定する。センサ116は、
図1では入力端子118と出力端子120とに結合されるが、センサ116は、追加として又はその代わりに、他の実施形態では、保護装置100における異なる感知点に結合され得る。この点に関して、センサ116は、DCソース104とDC負荷102との間で保護装置100を通り抜ける電流、入力端子118及び/又は入力端子119における電圧、出力端子120及び/又は出力端子121における電圧、入力端子118、119及び/又は出力端子120、121において測定される高調波ノイズ等のような、故障を示す又は故障を表す情報を測定する任意のシステム、構成要素、又は装置を含む。
【0026】
[0035]固体遮断器122が機械式の主スイッチ108と組み合わせて使用される実施形態では、固体遮断器122は、入力端子118と出力端子120との間の回路経路を選択的に開くように動作する任意のシステム、構成要素、又は装置を含む。固体遮断器122は、主スイッチ108及び補助スイッチ110について前述された任意のタイプの固体装置を含み得る。
【0027】
[0036]上述されたように、保護装置100は、いくつかの実施形態では、保護装置100をガルバニック絶縁するための機械式切断部124を含む。この点に関して、機械式切断部124は、保護装置100にガルバニック絶縁を選択的に提供する任意のシステム、構成要素、又は装置を含む。機械式切断部124は、いくつかの実施形態では、メンテナンス中にサービス技術者によって手動で操作され得るか、又は他の実施形態では、制御装置106によって制御され得る。
【0028】
[0037]
図2は、別の例となる実施形態における別のハイブリッド回路保護装置200を図示する。この実施形態では、保護装置200は、1つ以上の負荷202をソース204に結合する。この実施形態では、ソース204は、DCソース又はACソースであり得、負荷202は、DC負荷又はAC負荷であり得る。この実施形態では、ダイオード112(
図1を参照)が補助スイッチ206に置き換えられており、これは、前述された任意のタイプの固体スイッチを含む。補助スイッチ110、206及びインダクタ114は、保護装置200のためのスイッチングネットワーク208を集合的に形成する。
【0029】
[0038]制御装置106は、この実施形態におけるスイッチングネットワーク208を動作させて、双方向の制限された故障電流をソース204又は負荷202のいずれかに提供する。例えば、負荷202における故障中、主スイッチ108は開かれ、制御装置106は、
図1の保護装置100について前述された機能と同様に、負荷202に供給される故障電流を電流制限するように補助スイッチ110、206を動作させる。ソース204における故障中、主スイッチ108は開かれ、制御装置106は、ソース204に供給される故障電流を電流制限するように補助スイッチ110、206を動作させる。例えば、負荷202が高い入力キャパシタンスを有するAC/DCコンバータを含み、ソース204(この例では、ACソース)において故障が発生した場合には、保護装置200は、ソース204の元へAC/DCコンバータの入力キャパシタンスによって供給されるAC故障電流を電流制限するように動作する。別の例では、負荷202が高い入力キャパシタンスを有するDC/ACコンバータを含み、ソース204(この例では、DCソース)において故障が発生した場合には、保護装置200は、ソース204の元へAC/DCコンバータの入力キャパシタンスによって供給されるDC故障電流を電流制限するように動作する。
【0030】
[0039]いずれの場合も、負荷202又はソース204に供給される制限された故障電流は、DC電流及びAC電流を含む。ハイブリッド配電システムにおいて双方向の電流制限された故障電流を提供することは、有利には、保護装置200が、AC及びDC保護の両方のために使用されることを可能にし、ハイブリッド配電システムにおける異なるタイプの保護装置の数を低減させる。
【0031】
[0040]
図3は、例となる実施形態におけるハイブリッド配電システム300を図示し、
図4A、
図4B、及び
図4Cは、故障中の配電システム300におけるシミュレートされた電流波形及び電圧波形を図示する。この実施形態では、配電システム300は、ACソース302を含み、これは、AC/DCコンバータ304に電力を供給する。AC/DCコンバータ304は、保護装置100、200を介してDCバス306に結合される。第1の負荷308は、第1のヒューズ310を介してDCバス306に結合され、第2の負荷312は、第2のヒューズ314を介してDCバス306に結合される。第1の負荷308において故障316が存在する場合、主スイッチ108を通る故障電流402(
図4Aを参照)は、最初に、高電流レベル(例えば、このシミュレーションでは500A、
図4Aを参照)まで上昇する。最初に、DCバス306上の電圧406は、故障電流402の高い初期値により一時的に降下し(
図4Bを参照)、AC/DCコンバータ304におけるダイオード電流408、410、412は、高レベルまで上昇する(
図4Cを参照)。保護装置100、200は、主スイッチ108を開き、電流制限された故障電流404(
図4Aを参照)をDCバス306に供給するように動作し、これは、DCバス306上の電圧406を安定させ、AC/DCコンバータ304におけるダイオード電流408、410、412を低減させる。シミュレーションにおけるDCバス306上の電圧406は、その初期値である40,000ボルトより小さいが、それは、この例では、故障316中に第2の負荷312の低減された定格動作を保証するのに十分である。この例では、主スイッチ108は、故障316を解消しようと試みるための再投入動作を行わない機械式装置である。
【0032】
[0041]
図5は、例となる実施形態における別のハイブリッド配電システム500を図示し、
図6A及び
図6Bは、故障中の配電システム500におけるシミュレートされた電流波形を図示する。この実施形態では、配電システム500は、DCソース502を含み、これは、保護装置100、200を介してDCバス504に結合される。第1の負荷506は、第1のヒューズ508を介してDCバス504に結合され、第2の負荷510は、第2のヒューズ512を介してDCバス504に結合される。第1の負荷506において故障514が存在する場合、主スイッチ108を通る電流602は、最初に、高レベル(例えば、このシミュレーションでは150A、
図6Aを参照)まで上昇する。このシミュレーションでは、主スイッチ108は固体装置であり、主スイッチ108は、故障514を解消しようと試みるために、(例えば、制御装置106の指示の下で、又は主スイッチ108自体によって自動的に)繰り返し開閉される。
図6Bは、故障514中の第1の負荷506における第1の電流604と、第2の負荷510における第2の電流606とを図示する(
図6Bを参照)。主スイッチ108が2回再投入された後、保護装置100、200は、主スイッチ108を開き、(例えば、1キロヘルツのスイッチング周波数において、
図6Aを参照)電流制限された故障電流608をDCバス504に供給するように動作する。
【0033】
[0042]
図7は、例となる実施形態における別のハイブリッド配電システム700を図示し、
図8は、故障中の配電システム700におけるシミュレートされた電圧波形を図示する。この実施形態では、配電システム700は、DCソース702を含み、これは、保護装置100、200を介してDCバス704に結合される。第1の負荷706は、第1のヒューズ708を介してDCバス704に結合され、第2の負荷710は、第2のヒューズ712を介してDCバス704に結合される。DC/DCコンバータ714は、DCバス704に結合され、第3の負荷716に供給する。第1の負荷706において故障718が存在する場合、DC/DCコンバータ714の出力電圧802は、主スイッチ108が開かれたときに、最初にT
0において一時的に降下し、保護装置100、200は、制限された故障電流をDCバス704に供給する。DC/DCコンバータ714の出力電圧802は回復し、故障718中に第3の負荷716に電力を供給し続ける。
【0034】
[0043]
図9は、例となる実施形態における別のハイブリッド配電システム900を図示する。この実施形態では、ACソース902は、保護装置200を介してACバス904に電気的に結合され、AC負荷906は、ヒューズ908を介してACバス904に電気的に結合され、AC/DCコンバータ910は、ACバス904に結合された入力を有する。AC/DCコンバータ910は、保護装置100、200を介してDCバス912に電気的に結合される。DCソース914もまた、保護装置100、200を介してDCバス912に結合される。DC負荷916は、ヒューズ908を介してDCバス912に電気的に結合される。配電システム900において、保護装置100、200は、ソース902、914からの故障電流の寄与を制限するために、給電線及びソース902、914において配置されている。故障電流制限動作中、下流の健全な負荷は、改善された電圧入力で(with)、全定格動作又は低減された定格動作を維持し得る。配電システム900における任意の故障において、保護装置100、200は、故障に反応し、故障電流を電流制限し始める。故障中に故障電流を変調又は制限することによって、高い故障電流は、上流及び下流の故障経路を通って流れず、したがって、機器及び装置への損傷を防止する。同時に、低減された定格動作又は全定格動作さえもが、配電システム900における残りの健全な負荷のために維持され得る。
【0035】
[0044]
図10は、例となる実施形態における、ソースと負荷との間の故障電流を電流制限するための方法1000の流れ図である。方法1000は、保護装置100、200に関して説明されるが、方法1000は、図示されていない他の装置によって行われ得る。方法1000のステップは、包括的ではなく、方法1000は、図示されていない他のステップを含み得る。更に、方法1000のステップは、異なる順序で行われ得る。
【0036】
[0045]
図1及び
図2を参照すると、保護装置100、200の通常動作中、主スイッチ108は閉じられ、スイッチングネットワーク132、208は、非アクティブ化される。故障が発生した場合には、故障電流の初期値は、閾値又はトリップ電流値より高い高レベルまで上昇し(ステップ1002を参照)、その後、主スイッチ108が開く(ステップ1004を参照)。制御装置106は、故障電流をその初期値より小さいように電流制限するために、スイッチングネットワーク132、208を動作させる(ステップ1006を参照)。例えば、故障電流は、約1100アンペアまで上昇し、これは、主スイッチ108についてのトリップ値である250アンペアより高く、主スイッチ108を開かせる。制御装置106は、初期の1100アンペアの故障電流を1100アンペアより小さい値に電流制限するために、スイッチングネットワーク132、208を動作させる。例えば、制御装置106は、故障電流を550アンペアに電流制限するために、(例えば、補助スイッチ110(
図1を参照)及び/又は補助スイッチ206のデューティサイクルを修正することによって)スイッチングネットワーク132、208を動作させる。
【0037】
[0046](例えば、故障を分離することによって)故障が解消された場合(ステップ1008を参照)、主スイッチ108は閉じられ(ステップ1010を参照)、制御装置106は、スイッチングネットワーク132、208を非アクティブ化する(ステップ1012を参照)。保護装置100、200は、主スイッチ108を通じて、ソースと負荷との間に低損失電流経路を提供することによって、通常動作に戻る。
【0038】
[0047]本明細書で説明された装置及び方法の例となる技術的効果は、次のうちの1つ以上を含む:(a)通常動作中に機械式遮断器又は低損失固体スイッチを使用して改善された性能、(b)故障中に故障電流を電流制限すること、及び(c)故障中に下流の負荷への途絶を最小限に抑えるために、故障中に下流の負荷に供給し続けること。
【0039】
[0048]本開示の様々な実施形態の特定の特徴がいくつかの図面に示され、他の図面には示されていない場合があるが、これは便宜上のことに過ぎない。本開示の原理によれば、図面の任意の特徴は、任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照され得及び/又は請求項に記載され得る。
【0040】
[0049]この明細書では、最良の形態を含む実施形態を開示し、また、いかなる当業者であっても、任意の装置又はシステムを作製及び使用すること、並びに任意の組み込まれた方法を行うことを含む、実施形態を実施することを可能にするために、例を使用した。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が考え付く他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの文言と非実質的な相違を有する等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【外国語明細書】