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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092531
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】遊技場における換金管理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230626BHJP
   G06F 15/02 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
A63F7/02 329
A63F7/02 354
G06F15/02 340Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059304
(22)【出願日】2023-03-31
(62)【分割の表示】P 2022129564の分割
【原出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】521557698
【氏名又は名称】株式会社ARシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100115510
【弁理士】
【氏名又は名称】手島 勝
(72)【発明者】
【氏名】荒井 裕幸
【テーマコード(参考)】
2C088
5B019
【Fターム(参考)】
2C088BC80
5B019HA02
5B019HG07
5B019HG11
5B019JA10
(57)【要約】
【課題】遊技場で使用される景品一個一個の管理を行うことができる換金管理装置を提供すること
【解決手段】 本発明に係る換金管理装置100は、景品読取計算機50と現金払出システム90との間に配置され、中央演算処理装置15を含む筐体10と、記憶装置31と、景品読取計算機50に接続するための読取端末21と、現金払出システム90に接続するための払出端末22とを備えている。中央演算処理装置15は、処理したデータを記憶装置31に送信して記録する機能を備えている。中央演算処理装置15は、予め定められた規則に基づいて景品読取計算機50で読み取った景品と個数に応じたデータに分割する機能を備え、予め定められた規則は、景品読取計算機50で読み取った景品の種類と個数に応じた金銭データが所定金額以上のときに、所定金額未満になるように分割する仕様である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場で使用される景品の換金管理装置であって、
前記換金管理装置は、景品読取計算機と現金払出システムとの間に配置され、
前記換金管理装置は、
中央演算処理装置を含む筐体と、
前記中央演算処理装置に接続される記憶装置と、
前記筐体に設けられ、前記景品読取計算機に接続するための読取端末と、
前記筐体に設けられ、前記現金払出システムに接続するための払出端末と
を備えており、
前記中央演算処理装置は、処理したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能を備え、
前記中央演算処理装置は、予め定められた規則に基づいて前記景品読取計算機で読み取った景品の種類と個数に応じたデータに分割する機能を備えており、
前記予め定められた規則は、前記景品読取計算機で読み取った景品の種類と個数に応じた金銭データが所定金額以上のときに、前記所定金額未満になるように分割する仕様である、換金管理装置。
【請求項2】
前記記憶装置は、フラッシュメモリカードであり、
前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられており、
さらに、前記筐体には、電源端子、LAN端子およびUSB端子が設けられている、請求項1に記載の換金管理装置。
【請求項3】
前記換金管理装置は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している、請求項2に記載の換金管理装置。
【請求項4】
遊技場で使用される景品の換金管理および計算する電卓装置であって、
前記電卓装置は、
数字及び四則演算を入力する入力部と、
中央演算処理装置を含む筐体と、
前記中央演算処理装置に接続される記憶装置と
を備えており、
前記中央演算処理装置は、処理したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能を備え、
前記中央演算処理装置は、予め定められた規則に基づいて景品の種類と個数に応じたデータに分割する機能を備えており、
前記予め定められた規則は、景品の種類と個数に応じた金銭データが所定金額以上のときに、前記所定金額未満になるように分割する仕様である、電卓装置。
【請求項5】
前記記憶装置は、フラッシュメモリカードであり、
前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられており、
さらに、前記筐体には、LAN端子が設けられており、
前記電卓装置は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している、請求項4に記載の電卓装置。
【請求項6】
遊技場で使用される景品を読み取る景品読取計算機であって、
前記景品読取計算機は、
景品を読み取る景品読取判定部と、
中央演算処理装置を含む筐体と、
前記中央演算処理装置に接続される記憶装置と
を備えており、
前記中央演算処理装置は、処理したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能を備え、
前記中央演算処理装置は、予め定められた規則に基づいて前記景品読取計算機で読み取
った景品の種類と個数に応じたデータに分割する機能を備えており、
前記予め定められた規則は、前記景品読取計算機で読み取った景品の種類と個数に応じた金銭データが所定金額以上のときに、前記所定金額未満になるように分割する仕様である、景品読取計算機。
【請求項7】
前記記憶装置は、フラッシュメモリカードであり、
前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられており、
さらに、前記筐体には、LAN端子が設けられており、
前記景品読取計算機は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している、請求項6に記載の景品読取計算機。
【請求項8】
遊技場で使用される景品の換金管理プログラムであって、
前記換金管理プログラムは、中央演算処理装置を備えた換金管理装置に、予め定められた規則に基づいて景品の種類と個数に応じたデータに分割する機能を実行させるものであり、
前記予め定められた規則は、景品の種類と個数に応じた金銭データが所定金額以上のときに、前記所定金額未満になるように分割する仕様である、景品管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場における換金管理装置に関する。特に、パチンコ店等の遊戯施設において遊技の結果として出される景品を金銭と交換するための換金管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店等の遊戯施設においては当該パチンコ等の遊技の結果として出される景品を金銭と交換することが多く行われており、また、この景品と金銭の交換を行う交換所がパチンコ店等の近隣に設けられている場合が多い(例えば、特許文献1~3など参照)。
【0003】
また、このパチンコ店等の近隣に設けられた交換所においては、その交換所の窓口に景品を差し出すことにより、交換所の従業員等の人手に頼って景品の種類に応じた金銭の支払いが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1-180284号公報
【特許文献2】特開2001-9143号公報
【特許文献3】特開2010-35895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
景品交換所においては、景品の管理が重要となる。具体的には、景品が本物か偽物かの真贋判定をすることが必要とともに、各種の景品が一個一個どのように流通しているかをきちんと管理することが求められている。今日においては、複数の景品が景品交換所に持ち込まれた時、その複数の景品を合算した形で金銭が交換される構成の現金払出機が用いられている。このような構成の現金払出機では、一個一個の景品がどのように流通しているかの記録を行うことができない。そして、そのような状態では、景品の信頼性に疑問が生じる余地が生まれるため好ましくない。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、遊技場で使用される景品一個一個の管理を行うことができる換金管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る換金管理装置は、遊技場における換金管理装置であり、前記換金管理装置は、景品読取計算機と現金払出システムとの間に配置される。前記換金管理装置は、中央演算処理装置を含む筐体と、前記中央演算処理装置に接続される記憶装置と、前記筐体に設けられ、前記景品読取計算機に接続するための読取端末と、前記筐体に設けられ、前記現金払出システムに接続するための払出端末とを備えている。前記中央演算処理装置は、前記景品読取計算機からの受信データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、前記分割したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能とを備えており、前記予め定められた規則は、前記景品読取計算機で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様である。
【0008】
ある好適な実施形態において、前記記憶装置は、フラッシュメモリカードである。前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられている。さらに、前記筐体には、電源端子、LAN端子およびUSB端子が設けられている。
【0009】
ある好適な実施形態において、前記中央演算処理装置は、さらに、追加の予め定められた規則に基づいて前記景品読取計算機で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する機能を備えている。前記追加の予め定められた規則は、前記景品読取計算機で読み取った景品ごとに応じた金銭データが所定金額以上のときに、前記所定金額未満になるように更に分割する仕様である。
【0010】
ある好適な実施形態において、前記換金管理装置は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している。
【0011】
本発明に係る電卓装置は、遊技場における換金管理および計算する電卓装置であり、前記電卓装置は、数字及び四則演算を入力する入力部と、中央演算処理装置を含む筐体と、前記中央演算処理装置に接続される記憶装置とを備えている。前記中央演算処理装置は、入力された入力データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、前記分割したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能とを備えている。前記予め定められた規則は、景品読取計算機で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様である。
【0012】
ある好適な実施形態において、前記記憶装置は、フラッシュメモリカードであり、前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられている。さらに、前記筐体には、LAN端子が設けられている。前記電卓装置は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している。
【0013】
本発明に係る景品読取計算機は、遊技場における景品を読み取る景品読取計算機であり、前記景品読取計算機は、景品を読み取る景品読取判定部と、中央演算処理装置を含む筐体と、前記中央演算処理装置に接続される記憶装置とを備えている。前記中央演算処理装置は、前記景品読取判定部で読み取った景品データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、前記分割したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能とを備えている。前記予め定められた規則は、前記景品読取判定部で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様である。
【0014】
ある好適な実施形態において、前記記憶装置は、フラッシュメモリカードであり、前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられている。さらに、前記筐体には、LAN端子が設けられている。前記景品読取計算機は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技場における換金管理装置の中央演算処理装置が、景品読取計算機からの受信データを、予め定められた規則(景品読取計算機で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様の規則)に基づいて分割したデータにする機能と、分割したデータを記憶装置に送信して記録する機能とを備えているので、遊技場で使用される景品一個一個の管理を行うことができる換金管理装置を提供するができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る換金管理装置100を含む景品換金システムを説明するブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る換金管理装置100の構成を説明する図である。
図3】本発明の実施形態に係る換金管理装置100の構造を模式的に示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る換金管理装置100の構造を模式的に示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る換金管理装置100に使用する電源30を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る換金管理装置100を含む景品換金システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のために、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を正確に反映していない場合がある。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。加えて、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る換金管理装置100を含む景品換金システムを説明するブロック図である。図1に示した景品換金システムは、遊技場で使用される景品を現金に換金する換金システムであり、遊技場近くの景品交換所に設けられている。
【0019】
本実施形態の景品換金システムは、景品読取計算機(または、景品判定機、景品読取機)50と、現金払出システム90とから構成されており、本実施形態の換金管理装置100は、景品読取計算機50と現金払出システム90との間に配置される。現金払出システム90は、端末操作装置(データ入力装置、または、景品電卓)60と、紙幣払出装置70と、硬貨払出装置80とから構成されている。景品読取計算機50は、端末操作装置60に接続されるが、本実施形態の構成では、景品読取計算機50と換金管理装置100とが接続され、そして、換金管理装置100と現金払出システム90とが接続される。本実施形態の構成では、それぞれは配線によって電気的に接続されるものである、光ケーブルによって接続されてよく、あるいは、無線や赤外線などの電磁波によって接続されてもよい。
【0020】
景品読取計算機50は、遊技場で使用される景品(具体的には、特殊景品。例えば、カード(ICカードが搭載されているカードを含む)、金地金をプラスチックパッケージに収めた景品、ライターの火打石、ボールペン、ゴルフのマーカー、ペンダントトップなど)を読み取って識別して、景品(特殊景品)に対応(相当)するデータ(景品単価×個数)を計算する装置である。景品読取計算機50で識別された景品(特殊景品)に対応する読取データは、現金払出システム90(60)に向けて送信されるが、本実施形態の構成では、その送信データは換金管理装置100に送信される。
【0021】
図2は、本実施形態の換金管理装置100の構成を示している。本実施形態の換金管理装置100は、筐体(ボックス)10の中に中央演算処理装置(CPU)15が配置されている。中央演算処理装置(CPU)15は、半導体集積回路装置(IC)から構成されたものであり、本実施形態では、半導体チップ(ICチップ)および回路基板を含むものである。また、本実施形態の換金管理装置100は、中央演算処理装置15に接続される記憶装置31を備えている。本実施形態の記憶装置31は、不揮発性の記憶素子であり、好適な一例では、フラッシュメモリカード(SDカード、または、SDメモリカード)である。そして、本実施形態の筐体10には、記憶装置31(フラッシュメモリカード(SDカード))の挿入口25が設けられている。また、本実施形態の他の構成では、不揮発性の記憶装置31(フラッシュメモリカード)は、USBメモリスティックであり、記憶装置31(USBメモリスティック)の挿入口25(USBポート)が設けられている。記憶装置31として、複数(または2つ)の不揮発性の記憶装置31(例えば、USBメモリスティック(メイン記憶装置)およびSDカード(サブ記憶装置)の両方)を用いた構成にしてもよい。
【0022】
また、本実施形態の筐体10には、景品読取計算機50に接続するための読取端末21と、現金払出システム90に接続するための払出端末22とが設けられている。具体的には、景品読取計算機50から延びた配線のコネクタが挿入される読取端末21、および、現金払出システム90へと延びる配線のコネクタが挿入される払出端末22が筐体10に取り付けられている。本実施形態の構成では、景品読取計算機50と現金払出システム90とは、互いに配線で(例えば、RS-232Cケーブル・アダプタ)で接続可能であることから、読取端末21および払出端末22も、それに対応したもの(例えば、RS-232Cケーブル・アダプタ)を用いている。読取端末21および払出端末22は、筐体10の内部で内部配線によって接続されている。そして、その内部配線を通る電気信号(データ)が中央演算処理装置(CPU)15に送信できるように、当該内部配線は、中央演算処理装置(CPU)15に接続されている。なお、本実施形態の構成では、RS-232Cケーブル・アダプタを例示したが、他の方式のもの(例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル/USB端子)を使用しても構わない。
【0023】
さらに、換金管理装置100を駆動させるための電源30を接続する電源端子23が筐体10に設けられている。本実施形態の構成では、外部電力が供給されるものであり、交流100Vの電力を電源30で直流に変換して、電源端子23を通じて換金管理装置100に駆動電力を供給している。本実施形態の構成では、外部電力が供給されるものにしているが、電池式駆動(例えば、リチウムイオン電池、または、乾電池)の構成にしてもよいし、電源と電池の兼用の構成にしてもよい。
【0024】
さらに、本実施形態の筐体10には、LANケーブルが接続されるLAN端子(Local Area Network端子)26、および、USB素子32(例えば、USBメモリ、USBケーブルなど)が接続されるUSB端子27が設けられている。LAN端子26にLANケーブルを接続することにより、換金管理装置100を外部の通信ネットワーク回線(例えば、社内LAN網、インターネット網など)、または、情報処理端末(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)など)に接続することができる。また、USB端子27に、USB素子32としてUSBメモリを挿入することで、USBメモリにデータを記録することが(または、データ・プログラムをアップロードすること)ができる。加えて、USB端子27に、USB素子32としてUSBケーブルを挿入することで、換金管理装置100を情報処理端末(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートフォンなど)に接続できる構成にすることができる。
【0025】
本実施形態の換金管理装置100は、中央演算処理装置(CPU)15と、筐体10内に設けられている記憶素子(半導体メモリ、ハードディスク(HDD、光記憶媒体(CD、DVD))など(不図示))と協働して、換金管理システムとして機能させることができる。具体的には、記憶素子(または、記憶装置31、USBメモリ32)に格納されている換金管理プログラムを動作させて、中央演算処理装置(CPU)15で演算した結果(データ)を記憶素子に格納させることができる。
【0026】
そして、本実施形態の換金管理装置100において、中央演算処理装置15は、景品読取計算機50からの受信データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、分割したデータを記憶装置31(SDカード(またはUSBメモリスティックなど))に送信して記録する機能とを備えている。ここで、予め定められた規則は、景品読取計算機50で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様である。さらに説明すると、中央演算処理装置15は、換金管理プログラムが動作した状態において、次のような処理を行うことができる。まず前提として、景品読取計算機50から送られてくるデータ(受信データ)が、n×3のとき(例えば、5000円景品データ×3個)、現金払出システム90においては、3n(例えば、15000円)のデータだけが必要である。ここで、本実施形態の換金管理装置100においては、景品読取計算機50から送られてくるデータ(受信データ)がn×3のとき(例えば、5000円景品データ×3個)、n×1、n×1、n×1(例えば、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)のデータ(分割データ)にする。続いて、その分割データ(5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)は、記憶装置31(SDカード)に送信されて記録される。
【0027】
そして、本実施形態の換金管理プログラムは、中央演算処理装置15(そして記憶素子)と協働して、景品読取計算機50からの受信データを予め定められた規則(景品読取計算機50で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様による規則)に基づいて動作するプログラムである。本実施形態の構成では、換金管理プログラムは、記憶素子(不図示)(または、記憶装置31(SDカード))に格納されており、プログラム実行に伴って読み取られて、中央演算処理装置15(そして記憶素子)と協働して動作する。本実施形態の換金管理プログラムは、上述した例において、景品読取計算機50から送られてくるデータ(受信データ)がn×3のとき(例えば、5000円景品データ×3個)、n×1、n×1、n×1(例えば、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)のデータ(分割データ)に加工し、続いて、その分割データ(5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)は、CSVファイル形式((Comma Separated Valueファイル形式)に変換されて、記憶装置31(SDカード)に記録するように機能する。なお、CSVファイル形式に変換して記録するのは、汎用性が高く、データ容量が軽く、そして、後で加工処理がしやすいことを考慮したものである。ただし、CSVファイル形式以外の形式(例えば、エクセルファイル)などであってよい。
【0028】
また、本実施形態の換金管理装置100は、中央演算処理装置15で処理された処理データを、LAN端子26を通じて外部の通信ネットワーク回線(例えば、社内(屋内)LAN網,インターネット回線網)に出力可能な機能を有している。本実施形態のLAN端子26は、有線のものであるが、無線LANのものを使用してもよい。また、換金管理装置100は、他の無線(例えば、携帯電話回線(3G、4G、5Gなど)のものを用いて、外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している。そして、本実施形態の換金管理プログラムは、中央演算処理装置15(そして記憶素子)と協働して演算したデータを、CSVファイル形式に変換し、それを外部の通信ネットワーク回線(例えば、社内(屋内)LAN網,インターネット回線網)に出力する機能を有している。なお、外部の通信ネットワーク回線(ここでは、インターネット回線)に送信されたデータ(ここでは、CSVファイルデータ)は、通信ネットワーク回線に接続されているサーバにアップロードされる。サーバにアップロードされたデータは、通信ネットワーク回線(ここでは、インターネット回線)に接続されている情報端末(例えば、パーソナルコンピュータ(デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末)にダウンロードしてユーザが確認することができる。
【0029】
なお、通信ネットワーク回線(インターネット)に接続されるサーバ動作内で動作するデータ格納プログラム、データ編集プログラム、データ送受信プログラム、入出力装置とのインターフェイスプログラム、バックアッププログラム、エラーメッセージプログラムなどについては、本発明の実施形態の主要項目ではないので、技術内容の理解を簡明する目的で省略する。それらの技術については、情報通信技術分野の技術常識に基づいて実装/運用(実施)することができる。また、情報通信端末(例えば、スマートフォン)におけるデータ処理プログラム、データ送受信プログラム、通話・通信技術、インターネット関連技術(ホームページ表示)、アプリケーション動作技術も同様に、技術内容の理解を簡明する目的で省略する。それらの技術については、情報通信端末(スマートフォン)の技術分野の技術常識に基づいて実装/運用(実施)することができる。また、各種プログラムの具体的なプログラミン言語/コード、プログラム機能/構造などは、情報通信技術分野の技術常識に基づいて実行することができ、本発明の実施形態の主要項目ではないので、技術内容の理解を簡明する目的で省略する。
【0030】
また、USB端子27に、USB素子32としてUSBメモリを挿入することで、外部の通信ネットワーク回線を経由しなくても、中央演算処理装置15で処理された処理データ(CSVファイルデータ)を使用することができる。加えて、中央演算処理装置15で処理された処理データ(CSVファイルデータ)をフラッシュメモリカード(SDカード)31に保存して、そのフラッシュメモリカード31のデータを用いることで、外部の通信ネットワーク回線を経由しなくても、処理データ(CSVファイルデータ)を使用することも可能である。
【0031】
本実施形態の換金管理装置100(または、換金管理プログラム)によれば、遊技場における換金管理装置100の中央演算処理装置(CPU)15が、景品読取計算機50からの受信データを、予め定められた規則(景品読取計算機で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様の規則)に基づいて分割したデータにする機能と、分割したデータを記憶装置に送信して記録する機能とを備えているので、遊技場で使用される景品一個一個の管理を行うことができる。言い換えると、景品読取計算機50からの受信データは現金払出システム90に送られて現金払出のための金額データとして使用されるところ、本実施形態の構成では、景品読取計算機50と現金払出システム90との間に換金管理装置100を介在させることにより、現金払出のための金額データ(合計金額データ)ではなく、景品ごとに応じたデータに分割して加工・保存することができる。具体的には、例えば、5000円景品データ×3個、1000円景品データ×3個、500円景品データ×1個であれば、18500円の景品金額データとして処理するのではなく、5000円景品データ×3個、1000円景品データ×3個、500円景品データ×1個に対応したCSVファイルデータで保存するため、(現金払い出し金額データではなく)遊技場で使用される景品一個一個の管理を確実に行うことができる。その結果、計算間違い・会計ミス、不正処理、偽物・盗難などの予期せぬ事態(管理不行き届き)を防ぐことができるとともに、そのような予期せぬ事態が生じてもすぐに原因を見つけることができる。さらに説明すると、遊技場と景品交換所を合わせた景品の種類・個数は一定であるので(ユーザが保持しているものを除く)、CSVファイルデータを利用することで、特殊景品の金額合計額だけでなく、各種の特定景品の個数を常時把握することができる。営業時間終了後は、遊技場と交換所を合わせた景品の種類・個数は基本的に一定の数字となるので、何個、景品の種類・個数が回収されていないかすぐ理解することができる。
【0032】
加えて、本実施形態の換金管理装置100は、中央演算処理装置15で処理された処理データを外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有しているので、そのデータ(CSVファイルデータ)を外部から確認することができる。これにより、管理者が景品交換所に訪問しなくても、遊技場で使用される景品一個一個の管理を確実に行うことができ便利であるとともに、常時、遠方からでも確認できることにより不正の防止に役立つ。
【0033】
さらに、本実施形態の換金管理装置100は、景品読取計算機50からの受信データのうち、景品の種類・個数についてのデータを抽出して保存する。そのため、本実施形態の換金管理装置100の構造は簡単なものにすることができ、コストを抑えることができる。加えて、既存の景品読取計算機50および現金払出システム90をそのまま流用しながら、景品読取計算機50と現金払出システム90との間に換金管理装置100を繋ぐだけで、遊技場で使用される景品一個一個の管理を確実に行うことができるため、設備コストも抑えることができる。
【0034】
また、本実施形態の換金管理装置100は、次のように改変することもできる。例えば、本実施形態の中央演算処理装置15は、さらに、追加の予め定められた規則に基づいて、景品読取計算機50で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する機能を備えてもよく、その追加の予め定められた規則は、景品読取計算機50で読み取った景品ごとに応じた金銭データが所定金額以上のときに、所定金額未満になるように更に分割する仕様である。これは、例えば、ある景品交換所が、1万円以上の特殊景品(例えば、1万円、3万円の特殊景品)の処理は高額な景品であるためエラーがでるような運用がされているとき(逆に言うと、9999円以下であるとエラーがでないとき)、その景品交換所の運用通りでは、本実施形態の換金管理装置100を介在させるとそのエラーでユーザに迷惑がかかるときには、エラーがでない範囲の特殊景品(ここでは、例えば5000円の特殊景品)の処理となるように更に分割する処理を実行できるような機能を持たせてもよい。なお、このような更に分割処理をしたときは、景品読取計算機50からの受信データのうち景品の種類・個数についてのデータを抽出して保存するものの、当該更なる分割処理によって、景品の種類・個数が現実に流通したいるものと異なるものとなるため、それがわかるような目印・処理を行っておくことが好ましい。
【0035】
次に、図3から図5および図6を参照しながら、本実施形態の換金管理装置100の構造、および、換金管理装置100の使用方法について説明する。図3および図4は、本実施形態の換金管理装置100の構造を模式的に示す斜視図である。図5は、換金管理装置100に使用する電源30を示す図である。
【0036】
図3および図4は、それぞれ、前方および後方側からみた換金管理装置100の構造を示しているが、前方および後方は逆であってもよい。換金管理装置100の筐体10は、実質的に直方体の形状(略直方体形状)を有しており、この例では、幅Wが190mm(±20mm)、長さLが200mm(±20mm)、高さが54mm(±10mm)の寸法を有しているが、この寸法は例示であり、他の寸法でもよい。また、筐体10の形状は、略直方体形状に限らず他の形状(例えば、略円盤状のもの、略立方体のもの、略球体のもの、略円錐のもの等)であってもよい。
【0037】
この例では、図3に示すように、筐体10の一部(外側または外表面)に、電源スイッチ20が配置されている。また、筐体10の一部に、USBコネクタ27が設けられている。そして、図4に示すように、筐体10の一部(外側または外表面)に、電源端子23(DCジャック)が設けられている。電源端子23には、図5に示した電源30(ACアダプタ)の端子31が挿入される。
【0038】
また、図4に示すように、筐体10の一部に、景品読取計算機50に接続するための読取端末21と、現金払出システム90に接続するための払出端末22が設けられている。この例における読取端末21および払出端末22は、D-SUBの9ピン(電気通信に用いるケーブルのコネクタ形状の規格の一種)である。さらに、筐体10の一部に、LAN端子26(LANコネクタ(RJ-45))が設けられている。図示していないが、筐体10の一部には、記憶装置31(フラッシュメモリカード(SDカード)または、USBメモリスティック)の挿入口25が設けられている。
【0039】
図6は、本実施形態の換金管理装置100を、景品読取計算機(景品判定機、景品読取機)50と、現金払出システム90との間に接続した例を示している。この例で、現金払出システム90は、端末操作装置(データ入力装置、または、景品電卓)60と、ディスプレイ(表示装置)65と、紙幣払出装置70と、硬貨払出装置80とから構成されている。この例では換金管理装置100は、景品読取計算機50と現金払出システム90を互いに接続する規格に合った有線ケーブルで接続されている。
【0040】
図6に示した例では、景品読取計算機50は、筐体51に入力部52と表示部53とが設けられており、景品読取判定部55が備え付けられている。景品読取計算機50と端末操作装置(景品電卓)60の間に換金管理装置100が接続されている。また、端末操作装置(景品電卓)60では、数字及び四則演算を入力する入力部62が筐体61に設けられている。端末操作装置(景品電卓)60は、ディスプレイ65に接続されており、ディスプレイ65には端末操作装置60の操作・結果が表示される。さらに、端末操作装置(景品電卓)60には、紙幣払出装置70および硬貨払出装置80がそれぞれ接続されている。紙幣払出装置70の筐体71には、紙幣が出される紙幣払い出し口72が設けられており、そして、硬貨払出装置80の筐体81には、硬貨が出される硬貨払い出し口82が設けられている。
【0041】
ここで、特殊景品(例えば、5000円景品×3)のときは、景品読取計算機50の景品読取判定部55でその特殊景品が読み取られて、景品読取データ(例えば、n×3(5000円景品データ×3個))に変換される。そして、景品読取計算機50から送られてくるデータ(受信データ)がn×3のとき(例えば、5000円景品データ×3個)、換金管理装置100が存在しないときは、景品読取データ(例えば、n×3(5000円景品データ×3個))が端末操作装置(景品電卓)60に送られ、所定の操作によって、紙幣払出装置70(又は、1000円未満のものがあるときは硬貨払出装置80)から現金が出される。本実施形態の換金管理装置100が存在するときは、景品読取計算機50から送られてくるデータ(受信データ)のうちの一部を抽出して、n×1、n×1、n×1(例えば、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)のデータ(分割データ)に加工し、続いて、その分割データ(5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)はCSVファイル形式((Comma Separated Valueファイル形式)に変換されて、記憶装置31(SDカード)に記録される。なお、記憶装置31は換金管理装置100内に存在するものに限らず、インターネット上に存在するもの(クラウド上の記憶装置)であってもよい。
【0042】
本実施形態の構成では、特殊景品の種類および個数に対応したCSVファイルデータで保存するため、(現金払出し金額データではなく)遊技場で使用される景品一個一個の管理を確実に行うことができる。その結果、計算間違い・会計ミス、不正処理、偽物・盗難などの予期せぬ事態(管理不行き届き)を防ぐことができる。
【0043】
また、本実施形態の構成を改変して、換金管理装置100の機能を、端末操作装置(景品電卓)60に搭載してもよい。すなわち、換金管理装置100の筐体10が、端末操作装置(景品電卓)60の筐体61の別体ではなく、端末操作装置(景品電卓)60の筐体61内に、換金管理装置100の中央演算処理装置15などを設けるようにすることができる。既存の景品読取計算機50および端末操作装置(景品電卓)60を用いるときは、別体の換金管理装置100を取り付ける方がコスト的に有利であるが、新規に端末操作装置(景品電卓)60を導入するときは、換金管理装置100の機能が付いた端末操作装置(景品電卓)60を導入する方が便利である。
【0044】
さらに、本実施形態の構成を改変して、換金管理装置100の機能を、景品読取計算機50に搭載してもよい。すなわち、景品読取計算機50の筐体51内に、換金管理装置100の中央演算処理装置15などを設けるようにすることができる。この改変例の構成では、景品読取計算機50の景品読取判定部55は、景品(特殊景品)に付されているICチップを読み取ることで、景品の読取および真偽の判定を行っている。なお、景品読取判定部55は、他の手法(例えば、バーコード(二次元バーコード、QRコード(登録商標)なども含む)、磁気読み取りなど)で景品読取判定部55の読み取り・判定を行ってもよい。中央演算処理装置15は、景品読取判定部55で読み取った景品データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、分割したデータを記憶装置31に送信して記録する機能とを備えている。そして、予め定められた規則は、景品読取判定部55で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様である。景品読取判定部55で読み取ったデータが、合計の金額に変換したものでなく、読み取った景品ごとに応じたデータのままのときは、その読み取った景品ごとに応じたデータを、分割したデータとして記憶装置31に送信して記録してもよい。本実施形態の構成では、例えば、CSVデータの形式で記憶させることができる。上記と同様に、既存の景品読取計算機50および端末操作装置(景品電卓)60を用いるときは、別体の換金管理装置100を取り付ける方がコスト的に有利であるが、新規に景品読取計算機50を導入するときは、換金管理装置100の機能が付いた景品読取計算機50を導入する方が便利である。
【0045】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。また、本実施形態の換金管理装置100全体を説明してきたが、本実施形態に係るプログラム単体(換金管理プログラム)を、具体的には、プログラム自体、または、プログラムを格納した記録媒体、ダウンロード可能なプログラム製品を知的財産として商品化することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、遊技場で使用される景品一個一個の管理を行うことができる換金管理装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 筐体(ボックス)
15 中央演算処理装置(CPU)
20 電源スイッチ
22 払出端末
23 電源端子
25 フラッシュメモリカードの挿入口
26 LAN端子
27 USB端子(USBコネクタ)
30 電源
31 記憶装置(フラッシュメモリカード、SDカード)
32 USB素子(USBメモリ)
50 景品読取計算機
51 筐体
52 入力部
53 表示部
55 景品読取判定部
60 端末操作装置(景品電卓)
61 筐体
62 入力部
65 ディスプレイ(表示装置)
70 紙幣払出装置
80 硬貨払出装置
90 現金払出システム
100 換金管理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6