(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092542
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20230627BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20230627BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20230627BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230627BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/44
A61K8/46
A61K8/34
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207635
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】仁木 舞子
(72)【発明者】
【氏名】古俣 裕子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC532
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD042
4C083AD202
4C083AD212
4C083CC23
4C083DD08
4C083DD23
4C083EE01
4C083EE07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ノンガスタイプの泡吐出容器に充填して使用する液体洗浄剤組成物において、低温における吐出性及び低温安定性に優れた泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】下記(A)~(D)成分を含有する泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物により上記課題を解決する。
(A)高級脂肪酸及び/又はその塩
(B)式(1)で表される界面活性剤
(C)スルホベタイン型両性界面活性剤
(D)多価アルコール
(式(1)中、RCOは炭素数8~22の脂肪族アシル基を示し、Mはアルカリ金属原子、アルカノールアミンを示す。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)~(D)成分を含有することを特徴とする泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物。
(A)高級脂肪酸及び/又はその塩
(B)式(1)で表される界面活性剤
(C)スルホベタイン型両性界面活性剤
(D)多価アルコール
【化1】
(式(1)中、RCO は炭素数8 ~ 2 2 の脂肪族アシル基を示し、M はアルカリ金属原子、アルカノールアミンを示す。)
【請求項2】
更に、下記(E)成分を含有する請求項1に記載の泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物。(E)カルボベタイン型両性界面活性剤
【請求項3】
前記(C)成分と(E)成分の質量比((C)/(E))が2.0以下である請求項1または請求項2に記載の泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノンガスタイプの泡吐出容器に充填され、使用時にこの容器から泡沫状に吐出される泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物に関し、詳しくは、低温における吐出性および安定性に優れた泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ノンガスタイプの泡吐出容器に充填され、使用時にこの容器から使用することを特徴とする液体洗浄剤は、その容器から押し出すことにより泡状となって吐出されるため、簡便性に優れるとともに、泡状となった洗浄剤で肌を洗うことによる肌への負担軽減の観点から、洗顔料のみならず身体用洗浄剤としても、これまで様々な提案がなされてきた。
【0003】
このような液体洗浄剤組成物では、泡吐出容器内部の多孔質膜を通過させることで内容組成物と空気とを混合して泡沫状とするが、泡質(泡のクリーミーさ、泡の細かさ等)に優れた泡形成ができる一方で、多孔質膜を通過させる必要があることから、内容組成物が多孔質膜で目詰まりを起すという問題がある。特に界面活性剤として脂肪酸石鹸を用いた場合、低温保存時における高級脂肪酸塩の析出により、目詰まりが生じ易いといった問題が顕著となる。
【0004】
このような問題を解決するため、特定の官能基を有する高級脂肪酸塩の使用や各種界面活性剤、多価アルコールの添加等が提案されている(特許文献1~2)。また、ノンガスタイプの泡吐出容器より吐出される泡質を更に向上させるため、炭素鎖長の異なる高級脂肪酸塩の比率検討や各種界面活性剤、多価アルコールの添加等も提案されている。(特許文献3~5)。一方で、消費者の使用性等に対する要求はさらに高まっており、泡質のより一層の向上、目詰まり防止等について、従来にもましてより一層の技術の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-132700号公報
【特許文献2】特開平8-311498号公報
【特許文献3】特開2005-154651公報
【特許文献4】特開2014-156537公報
【特許文献5】特開2020-70237公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ノンガスタイプの泡吐出容器に充填して使用する液体洗浄剤組成物において、低温における吐出性及び低温安定性に優れた泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は上記課題に対して鋭意検討した結果、高級脂肪酸及び/又はその塩と、特定のアニオン性界面活性剤と、スルホベタイン型両性界面活性剤、多価アルコールを組み合わせることにより、低温における吐出性、低温安定性に優れた泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、下記(A)~(D)成分を含有することを特徴とする泡吐出容器
入り液体洗浄剤組成物である。
(A)高級脂肪酸及び/又はその塩
(B)式(1)で表される界面活性剤
(C)スルホベタイン型両性界面活性剤
(D)多価アルコール
【化1】
(式(1)中、RCO は炭素数8 ~ 2 2 の脂肪族アシル基を示し、M はアルカリ金属原子、アルカノールアミンを示す。)
【0009】
第二の発明は、更に、下記(E)成分を含有する泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物である。
(E)カルボベタイン型両性界面活性剤
【0010】
第三の発明は。前記(C)成分と(E)成分の質量比((C)/(E))が2.0以下である泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ノンガスタイプの泡吐出容器に充填して使用する液体洗浄剤組成物において、低温における吐出性及び低温安定性に優れた泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物を提供することができる。さらには泡の持続性、泡弾力が良好である泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物について詳細に説明する。
【0013】
[洗浄料]
本発明の泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物は、常法により製造することができ、洗顔、クレンジング、ボディシャンプー、ハンドソープ、シェービング料、マッサージ料等の皮膚洗浄剤組成物として好適に使用できる。
【0014】
本願発明において、「低温における吐出性」とは、低温下でもポンプの目詰まりを生じにくく、フォーマー容器から容易に吐出させることができることをいい、「低温安定性」とは、低温化(5℃程度)で長期保管(1か月程度)した場合でも外観が透明で析出物がないことをいう。
【0015】
<(A)高級脂肪酸塩及び/又はその塩>
本発明で用いられる(A)成分は、高級級脂肪酸塩及び/又はその塩である。当該成分は、泡の持続性、泡弾力に寄与する成分として加えられる。
【0016】
(A)成分の高級脂肪酸として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の炭素数12~22の高級脂肪酸;オリーブ油、綿実油等の植物性油脂;魚油、牛脂等の動物性油脂等が挙げられ、これらは、それぞれ1種単独で、又は二種以上を適宜組合せて用いることができる。本発明においては、洗浄力および起泡力の観点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸がよ
り好ましく用いられる。
【0017】
(A)成分の塩としては、高級脂肪酸をアルカリ剤でケン化、又は中和した、アルカリ金属塩や有機アミン塩等が挙げられる。用いられるアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の有機アルカリ等が挙げられる。本発明においては、起泡力の観点から、無機アルカリを用いることが好ましく、水酸化カリウムがより好ましく用いられる。
【0018】
本発明において、(A)成分の配合量は全組成中1~15質量%(以下、単に「%」と記す。)が好ましく、さらに好ましくは1~10%である。配合量が1%以上であれば。泡の持続性、泡弾力が良好となり、15%以下であれば低温下においても泡の形成性が良好で、(A)成分由来の結晶析出を抑制し目詰まりが起こりにくくなる。
【0019】
<(B)界面活性剤>
本発明で用いられる(B)成分は、下記式(1)で表される界面活性剤である。当該成分は、泡の持続性、泡弾力に寄与する成分として加えられる。
【化1】
(式(1)中、RCO は炭素数8~22 の脂肪族アシル基を示し、M はアルカリ金属原子、アルカノールアミンを示す。)
【0020】
式(1) 中のRCOは炭素数8~22 、好ましくは炭素数8~18の脂肪族アシル基を示す。脂肪族アシル基には、炭素数8~22の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸を由来とするアシル基のみならず、これら脂肪酸の二種以上を含む混合脂肪酸由来のアシル基が含まれる。例えば、ヤシ油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基、カプロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、ベヘニル基などが挙げられる。好ましくは、ラウロイル基、ミリストイル基、ヤシ油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基である。特に好ましくは、ラウロイル基、ヤシ油脂肪酸アシル基である。
【0021】
式(1)中のMはアルカリ金属原子、アルカノールアミンを示す。アルカリ金属原子としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。また、アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。これらのうち好ましくは、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミンである。
【0022】
(B)成分の具体例としては、例えば、ラウロイルヒドロキシエチルアラニンナトリウム、ラウロイルヒドロキシエチルアラニントリエタノールアミン、ラウロイルヒドロキシプロピルアラニントリエタノールアミン、ココイルヒドロキシエチルアラニンナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの成分は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。(B)成分の市販品としては、「ルミノベールHS-L」(日油社製)等が挙げられる。
【0023】
本発明において、(B)成分の配合量は4%以下が好ましく、さらに好ましくは2%以
下である。配合量が4%以下であれば、低温安定性が良好で、(A)成分由来の結晶析出を抑制し目詰まりが起こりにくくなる。
【0024】
<(C)スルホベタイン型両性界面活性剤>
本発明で用いられる(C)成分は、スルホベタイン型両性界面活性剤である。当該成分は、一般的に、起泡性向上、洗浄性向上、増粘、刺激緩和目的で使用されることが知られている。
【0025】
また、本願発明では、当該(C)成分を(B)成分と組み合わせることで、(A)成分の低温での溶解度を向上させ、結晶析出を抑制し、泡弾力が良好になることを見出し、必須成分として用いる。(C)成分は、1種単独、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0026】
(C)成分の具体例としては、例えば、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン等が挙げられる。市販のものとしては、例えば「アンヒトール20HD」(花王社製)、「アンホレックスLSB」(ミヨシ油脂社製)、「ソフタゾリンLSB」(川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。
【0027】
本発明において、(C)成分の配合量は、0.1~8%が好ましく、さらに好ましくは1~4%である。配合量が前記範囲内であると、泡の持続性、泡弾力が良好であり、低温における吐出性にも優れる。また8%以下であれば、低温での粘度上昇を抑制でき、低温における吐出性が良好となる。
【0028】
<(D)多価アルコール>
本発明で用いられる(D)成分は、多価アルコールである。当該成分は、低温での粘度上昇を緩和させ、低温でのポンプフォーマー容器からの吐出性を向上させる成分として加えられる。
【0029】
(D)成分の具体例としては、例えば、グリセリン、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ペンタエリスリトール、グルコース、トレハロース、フルクトース等が挙げられる。これらは、それぞれ1種単独、又は2種以上を適宜組合せて用いることができる。
【0030】
本発明において、(D)成分の配合量は0.1%以上であり、好ましくは3%以上である。配合量が0.1%以上であれば、低温における吐出性に優れる。
【0031】
<(E)カルボベタイン型両性界面活性剤>
本発明で用いられる(E)成分は、カルボベタイン型両性界面活性剤である。当該成分は、低温での溶解度を向上させ、結晶析出を抑制し、泡弾力を良好にするために用いられる。
【0032】
(E)成分の具体例としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン、ラウロイルアミドプロピルベタイン等が挙げられる。これらは市販品を使用することができ、例えばゲナミンB1556J(クラリアント社)、ニッサンアノンBL(日油社製)等が挙げられる。
【0033】
本発明では、(C)成分と(E)成分の質量比((C)/(E))が2.0以下であることが望ましい。質量比((C)/(E))が2.0以下であれば、泡弾力が良好であり、低温における吐出性も良好となる。
【0034】
<その他の成分>
本発明の泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物。は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、生理活性成分、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、紫外線吸収剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、中和剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0035】
上記アニオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばN-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム、N-パーム核油脂肪酸アシルグリシンアンモニウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-ラウロイルアラニンナトリウム、N-ステアロイルアラニンナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、α-ラウロイルスルホン酸ナトリウム、ミリストイルアリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸カリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0036】
上記両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、β-アミノプロピオン酸ナトリウム、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0037】
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばモノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンラウリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンジオレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ポリグリセリルモノアルキルエーテル等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0038】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0039】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエ
キス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マドンナリリー花エキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0040】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l-メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【0041】
次に本発明について実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0042】
(1)低温でのポンプフォーマー容器からの吐出性
泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物を5℃で1週間保存したのち、5℃の条件においてポンプフォーマー容器(設定量1cc)から吐出させる操作を100回繰返し、下記評価基準に基づいてポンプの目詰まり性、吐出性を評価した。
<評価基準>
◎:ポンプの目詰まりがなく、容易に設定量の泡が吐出できる
○:部分的な目詰まりにより、泡を吐出するために力を要するが、設定量の泡が吐出できる
△:部分的な目詰まりにより、泡を吐出するために強い力を要し、泡の吐出量が設定量に満たない
×:ポンプの目詰まりにより、泡が吐出されない
【0043】
(2)低温安定性
泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物を50mL容透明サンプル管にそれぞれ充填し、0℃に1ヶ月保存して、下記の基準で評価した。
<評価基準>
◎:外観が透明で析出物なし
○:ごく微かに濁っているが析出物なし
△:やや白濁し、析出物が少しある
×:析出物が多く認められる
【0044】
(3)泡の持続性
室温にてパネラー10名がそれぞれポンプフォーマー容器から内容物を吐出させて手に取り、吐出した泡の持続性(泡もち)を下記評価基準に従って室温にて官能評価した。尚、官能評価の平均値をスコアとする。
<評価基準>
5:泡の持続性がとても良い
4:泡の持続性が良い
3:どちらともいえない
2:泡の持続性が悪い
1:泡の持続性がとても悪い
【0045】
(4)泡弾力
ポンプフォーマー容器に充填し、テクスチャーアナライザー(Stevens/Mechtric社)を用いて泡弾力を測定した。測定はn=3で平均値を求めた。
<評価基準>
◎:75以上
○:75未満
△:65未満
×:55未満
【0046】
(実施例1~27及び比較例1~5)
表1~3に示す組成の液体洗浄剤を常法に準じて調製し、容量200mLのポンプフォーマー型容器(200メッシュ2枚使用)に200mL充填し、ノンエアゾール型泡状皮膚洗浄料を得た。低温でのポンプフォーマー型容器からの吐出性、低温安定性、これらを使用したときの泡の持続性、泡弾力について調べ、その結果を表1~3に示した。なお、以下の全ての実施例及び比較例における配合量は全て質量%である。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
表1~3より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1~27のボディシャンプー組成物は、比較例1~5の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
【0051】
以下、本発明の泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物。のその他の処方例を挙げる。なお、これらの処方例の泡吐出容器入り液体洗浄剤組成物。についても、上記の低温でのポンプフォーマー容器からの吐出性、低温安定性、泡の持続性、泡弾力の各項目を検討した。
【0052】
処方例1 ボディシャンプー 質量%
(1)ラウリン酸カリウム 3.0
(2)ミリスチン酸カリウム 2.0
(3)パルミチン酸カリウム 1.5
(4)ステアリン酸カリウム 1.5
(5)グリセリン 10.0
(6)ラウロイルヒドロキシエチルアラニンナトリウム 2.0
(7)ラウリルヒドロキシスルホベタイン 2.0
(8)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 2.0
(9)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(100E.O.) 1.0
(10)DPG 4.0
(11)ラウリルグルコシド 0.4
(12)グルコシルトレハロース 0.3
(13)フェノキシエタノール 0.3
(14)N-アセチルグルコサミン 0.01(15)エデト酸二ナトリウム 0.1
(16)香料 0.3
(17)精製水 残 余
【0053】
常法により上記組成のボディシャンプーを調製し、低温でのポンプフォーマー容器からの吐出性、低温安定性、泡の持続性、泡弾力を評価したところ、いずれの特性も優れており
良好な結果を得た。
【0054】
処方例2 ハンドソープ 質量%
(1)ラウリン酸カリウム 3.0
(2)ミリスチン酸カリウム 2.0
(3)パルミチン酸カリウム 1.5
(4)ステアリン酸カリウム 1.5
(5)グリセリン 8.0
(6)ラウロイルヒドロキシエチルアラニンナトリウム 2.0
(7)ラウリルヒドロキシスルホベタイン 1.0
(8)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 2.0
(9)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(100E.O.) 1.0
(10)DPG 4.0(11)フェノキシエタノール 0.3
(12)N-アセチルグルコサミン 0.01(13)エデト酸二ナトリウム 0.1
(14)香料 0.2
(15)精製水 残 余
【0055】
常法により上記組成のハンドソープを調製し、低温でのポンプフォーマー容器からの吐出性、低温安定性、泡の持続性、泡弾力を評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。
【0056】
処方例3 洗顔 質量% (1)ラウリン酸カリウム 3.0
(2)ミリスチン酸カリウム 2.0
(3)パルミチン酸カリウム 1.5
(4)ステアリン酸カリウム 1.5
(5)グリセリン 15.0
(6)ラウロイルヒドロキシエチルアラニンナトリウム 2.0
(7)ラウリルヒドロキシスルホベタイン 1.0
(8)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 1.0
(9)モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 3.0
(10)1,3-ブチレングリコール 4.0
(11)ラウリルグルコシド 0.8
(12)グルコシルトレハロース 0.8
(13)フェノキシエタノール 0.3
(14)N-アセチルグルコサミン 0.01(15)エデト酸二ナトリウム 0.1
(16)香料 0.1
(17)精製水 残 余
【0057】
常法により上記組成の洗顔を調製し、低温でのポンプフォーマー容器からの吐出性、低温安定性、泡の持続性、泡弾力を評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。