(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092560
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】端末機器の保持装置
(51)【国際特許分類】
H04M 1/12 20060101AFI20230627BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20230627BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20230627BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20230627BHJP
F16M 11/00 20060101ALI20230627BHJP
F16M 13/00 20060101ALI20230627BHJP
F16M 11/38 20060101ALI20230627BHJP
F16M 11/12 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
H04M1/12 E
G03B17/56 A
G03B15/05
H04N5/222 100
F16M11/00 Z
F16M11/00 A
F16M13/00 J
F16M13/00 D
F16M11/38 L
F16M11/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207667
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】513014628
【氏名又は名称】株式会社ナチュラレーザ・ワン
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】山元 建彦
【テーマコード(参考)】
2H053
2H105
5C122
5K023
【Fターム(参考)】
2H053CA21
2H053DA04
2H105AA06
2H105AA07
2H105CC24
2H105CC25
2H105CC29
5C122DA09
5C122EA60
5C122GD01
5C122GE04
5C122GE11
5K023AA07
5K023BB11
5K023KK07
5K023KK10
5K023PP02
(57)【要約】
【課題】携帯端末をボードに対向させる。
【解決手段】端末機器111の保持装置は、平面10Sを有するボード10と、支柱14と、端末機器111を保持する保持部20と、ボード10の平面10Sと支柱14の一端とを、支柱14が一端を基準に回動可能に連結すると共に支柱14の回動が停止した場合、支柱14を、回動が停止した位置で保持する第1連結部12と、支柱14の他端と保持部20とを、保持部20が他端を基準に回動可能に連結すると共に保持部20の回動が停止した場合、保持部20を、回動が停止した位置で保持する第2連結部16と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面を有するボードと、
一端が前記ボードの前記平面と第1連結部を介して回動可能に連結された支柱と、
前記支柱の他端と第2連結部を介して回動可能に連結された、端末機器を保持する保持部と、
を備える端末機器の保持装置であって、
前記第1連結部は、前記支柱の回動が停止した場合、前記支柱を、前記回動が停止した位置で保持し、
前記第2連結部は、前記保持部の回動が停止した場合、前記保持部を、前記回動が停止した位置で保持し、
前記保持部は、
前記端末機器の一端が載置可能な被載置部を備える枠部材と、
前記端末機器が載置可能な被載置面を有し、一方の端側の連結位置で前記枠部材に回動可能に連結され且つ前記被載置面の他方の端側に突起部を備えた回動部材と、
前記突起部が、前記被載置部に接近する方向に前記連結位置を基準に回動するように、前記回動部材を付勢する付勢部材と、
を備える、
端末機器の保持装置。
【請求項2】
前記第2連結部と前記保持部との間に、前記保持部が前記第2連結部から離れ又は前記第2連結部に近づくように位置を調節するための位置調節機構を更に備える、請求項1に記載の端末機器の保持装置。
【請求項3】
前記支柱と前記ボードの前記平面とのなす角が所定角度までに、前記支柱の回動を規制する規制部を更に備える、請求項1又は請求項2に記載の端末機器の保持装置。
【請求項4】
前記端末機器は撮影部を備え、
前記端末機器の保持装置は、前記撮影部により撮影される領域を照明する照明装置を更に備え、
前記支柱には、前記照明装置を収納する収納溝が形成され、
前記照明装置は、一端側が前記収納溝の内部において前記支柱に、他端側が前記収納溝から外部に露出するように、回動可能に連結されている、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の端末機器の保持装置。
【請求項5】
前記照明装置の前記収納溝の内部において前記支柱に連結されている一端側の位置は、前記照明装置が前記収納溝から外部に最も露出した位置が前記保持部の回動可能な空間外に位置するように、定められている、請求項4に記載の端末機器の保持装置。
【請求項6】
前記枠部材は、
一端が前記支柱の前記他端と前記第2連結部を介して回動可能に連結された第1枠部と、
一端が前記第1枠部の前記一端と連結し、長手方向が前記第1枠部の長手方向と交差し、長手方向の長さが前記端末機器の縦方向の長さより長い第2枠部と、
一端が前記第2枠部の他端に連結され、他端側に前記回動部材の前記一方の端側が連結され、長手方向が前記第1枠部の長手方向に対応し且つ前記第2枠部の長手方向と交差する第3枠部と、
を備え、
前記被載置部は、前記第2枠部と前記第3枠部とに備えられ、
前記回動部材が、前記突起部と前記連結位置とを結ぶ線が前記第3枠部の長手方向と垂直に交差するまで、回動した場合の、前記被載置面の前記突起部と前記第3枠部と接する部分との間の長さは、前記端末機器の縦方向に長さより短く且つ前記端末機器の横方向の長さより長い、
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の端末機器の保持装置。
【請求項7】
前記被載置部の前記被載置面側の形状と前記被載置面の前記被載置部側の形状とは対応し、
前記被載置面は、前記被載置部に載置される載置部分を有する、
を備える、請求項1~請求項6の何れか1項に記載の端末機器の保持装置。
【請求項8】
前記被載置部の前記被載置面側の形状は、凹形状であり、前記被載置面の前記被載置部側の形状は、凸形状である、請求項7に記載の端末機器の保持装置。
【請求項9】
前記支柱及び前記保持部の大きさは、前記支柱及び前記保持部が前記ボードの前記平面に位置すると、前記支柱及び前記保持部の全域が前記平面上の空間内に位置する大きさである、
請求項1~請求項8の何れか1項に記載の端末機器の保持装置。
【請求項10】
前記支柱が前記平面に位置し且つ前記保持部が前記平面に位置すると、前記支柱、前記保持部、前記第1連結部、及び前記第2連結部の各々の前記平面からの高さは所定の高さ以下である、請求項1~請求項9の何れか1項に記載の端末機器の保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話機のような端末機器を保持するのに用いて好適な保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯機器を用いて例えば映画鑑賞をする際にこれを長時間安定して保持するために、面積が同程度の板状の基材と、携帯機器を基材とともに相互に対向して覆うための板状の蓋部材と、基材と蓋部材とを繋いでそれらを開閉可能になすためのヒンジ部とを備える携帯機器用ホルダーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明は、基材と蓋部材とを繋いでそれらを開閉可能になすことによる1段階展開により携帯機器をユーザと対面させることは可能(特許文献1の
図3参照)であるが、基材上の物体を、対向して、撮影することはできない。
【0005】
本発明は、携帯端末をボードに対向させることが可能な端末機器の保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明の第1態様の端末機器の保持装置は、平面を有するボードと、一端が前記ボードの前記平面と第1連結部を介して回動可能に連結された支柱と、前記支柱の他端と第2連結部を介して回動可能に連結された、端末機器を保持する保持部と、を備える端末機器の保持装置であって、前記第1連結部は、前記支柱の回動が停止した場合、前記支柱を、前記回動が停止した位置で保持し、前記第2連結部は、前記保持部の回動が停止した場合、前記保持部を、前記回動が停止した位置で保持し、前記保持部は、前記端末機器の一端が載置可能な被載置部を備える枠部材と、前記端末機器が載置可能な被載置面を有し、一方の端側の連結位置で前記枠部材に回動可能に連結され且つ前記被載置面の他方の端側に突起部を備えた回動部材と、前記突起部が、前記被載置部に接近する方向に前記連結位置を基準に回動するように、前記回動部材を付勢する付勢部材と、を備える。
【0007】
第2態様では、前記第2連結部と前記保持部との間に、前記保持部が前記第2連結部から離れ又は前記第2連結部に近づくように位置を調節するための位置調節機構を更に備える。
【0008】
第3態様では、前記支柱と前記ボードの前記平面とのなす角が所定角度までに、前記支柱の回動を規制する規制部を更に備える。
【0009】
第4の態様では、前記端末機器は撮影部を備え、前記端末機器の保持装置は、前記撮影部により撮影される領域を照明する照明装置を更に備え、前記支柱には、前記照明装置を収納する収納溝が形成され、前記照明装置は、一端側が前記収納溝の内部において前記支柱に、他端側が前記収納溝から外部に露出するように、回動可能に連結されている。
【0010】
第5の態様では、前記照明装置の前記収納溝の内部において前記支柱に連結されている一端側の位置は、前記照明装置が前記収納溝から外部に最も露出した位置が前記保持部の回動可能な空間外に位置するように、定められている。
【0011】
第6の態様では、前記枠部材は、一端が前記支柱の前記他端と前記第2連結部を介して回動可能に連結された第1枠部と、一端が前記第1枠部の前記一端と連結し、長手方向が前記第1枠部の長手方向と交差し、長手方向の長さが前記端末機器の縦方向の長さより長い第2枠部と、一端が前記第2枠部の他端に連結され、他端側に前記回動部材の前記一方の端側が連結され、長手方向が前記第1枠部の長手方向に対応し且つ前記第2枠部の長手方向と交差する第3枠部と、を備え、前記被載置部は、前記第2枠部と前記第3枠部とに備えられ、前記回動部材が、前記突起部と前記連結位置とを結ぶ線が前記第3枠部の長手方向と垂直に交差するまで、回動した場合の、前記被載置面の前記突起部と前記第3枠部と接する部分との間の長さは、前記端末機器の縦方向に長さより短く且つ前記端末機器の横方向の長さより長い。
【0012】
第7の態様では、前記被載置部の前記被載置面側の形状と前記被載置面の前記被載置部側の形状とは対応し、前記被載置面は、前記被載置部に載置される載置部分を有する。
【0013】
第8の態様では、前記被載置部の前記被載置面側の形状は、凹形状であり、前記被載置面の前記被載置部側の形状は、凸形状である。
【0014】
第9の態様では、前記支柱及び前記保持部の大きさは、前記支柱及び前記保持部が前記ボードの前記平面に位置すると、前記支柱及び前記保持部の全域が前記平面上の空間内に位置する大きさである。
【0015】
第10の態様では、前記支柱が前記平面に位置し且つ前記保持部が前記平面に位置すると、前記支柱、前記保持部、前記第1連結部、及び前記第2連結部の各々の前記平面からの高さは所定の高さ以下である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1態様は、携帯端末をボードに対向させることができる、という効果を有する。
【0017】
第2態様は、位置調節機構を介して端末機器の位置を調節することができる、という効果を有する。
【0018】
第3態様は、支柱の回動を所定角度の範囲内に規制することができる、という効果を有する。
【0019】
第4の態様は、撮影部により撮影される領域を照明することができる、という効果を有する。
【0020】
第5の態様は、照明装置を、不要な場合には、収納溝に収納できる一方、必要で外部に最も露出する場合には、保持部の回動を邪魔しない位置に位置させることができる、という効果を有する。
【0021】
第6の態様は、端末機器を安定して保持することができる、という効果を有する。
【0022】
第7の態様は、回動部材を被載置部に対応して収納することができる、という効果を有する。
【0023】
第8の態様は、被載置面がより広くなるので、端末機器を安定して保持することができる、することができる、という効果を有する。
【0024】
第9の態様は、端末機器の保持装置の持ち運びが容易である、という効果を有する。
第10の態様は、端末機器の保持装置の持ち運びが容易である、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】支柱及び保持部を収納した状態での端末機器の保持装置の全体斜視図である。
【
図2A】支柱及び保持部を収納した状態での端末機器の保持装置の平面図である。
【
図2B】支柱及び保持部を収納した状態での端末機器の保持装置の側面図である。
【
図4】端末機器の保持装置のカバー、支柱、第1連結部、及び照明装置の部分の拡大分解斜視図である。
【
図5】端末機器の保持装置の支柱、第2連結部、及び位置調節機構の部分の拡大分解斜視図である。
【
図6】端末機器の保持装置の位置調節機構及び保持部の部分の拡大分解斜視図である。
【
図9】支柱の中間部から他端側の部分斜視図である。
【
図10A】位置調節機構が第2連結部に取り付けられた状態を示す部分斜視図である。
【
図10B】位置調節機構と支柱とを第2連結部を介して連結することを示す位置調節機構の斜視図である。
【
図10C】位置調節機構がカバーとプレートとの間の空間内に位置し、保持部が位置調節機構に対して位置が調節できることを示す位置調節機構とカバー及びプレートとの断面図である。
【
図10D】保持部が支柱に最も近づいた状態での位置調節機構とカバー及びプレートとの断面図である。
【
図10E】支柱に最も近づき且つ展開した状態での保持部とカバーの斜視図である。
【
図10F】保持部が支柱に最も遠ざかった状態での位置調節機構とカバー及びプレートとの断面図である。
【
図10G】支柱に最も遠ざかり且つ展開した状態での保持部とカバーの斜視図である。
【
図11】保持部に端末機器が縦方向に保持された状態を示す図である。
【
図12】保持部に端末機器が横方向に保持された状態を示す図である。
【
図13】端末機器の保持装置の使用手順を斜視図で示したもので、(1)は使用前の状態を示し、(2)はボードに対し支柱を起こした状態を示し、(3)はさらに保持部を支柱に対して起こした状態を示し、(4)は保持部に対して回動部材を開いた状態を示し、(5)は端末機器を保持部上に載置させた状態を示し、(6)さらに照明装置を展開させた状態を示している。
【
図14A】保持部に端末機器が縦方向に保持された状態での端末機器の保持装置の全体斜視図である。
【
図14B】保持部に端末機器が横方向に保持された状態での端末機器の保持装置の全体斜視図である。
【
図15】保持部に縦方向に保持された端末機器を充電している状態を示す端末機器の保持装置の部分斜視図である。
【
図16】保持部に縦方向に保持された端末機器がボードの平面に配置された写真を撮影している様子を示す端末機器の保持装置の全体斜視図である。
【
図17】保持部に縦方向に保持された端末機器でビデオ通話している様子を示す端末機器の保持装置の全体斜視図である。
【
図18】保持部の変形例を示す部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1には、支柱14及び保持部20を収納した状態での端末機器の保持装置の全体斜視図が示されている。
図1に示すように、端末機器の保持装置は、平面10Sを有するボード10と、一端がボード10の平面10Sと第1連結部12を介して回動可能に連結された支柱14と、支柱14の他端と第2連結部16を介して回動可能に連結された、端末機器を保持する保持部20と、を有する。
【0028】
支柱14及び保持部20を収納した状態では、保持部20の一方の面20Mは平面10Sに接触する。よって、支柱14及び保持部20を収納した状態では、保持部20の一方の面20Mに対向する他方の面20Nは、平面10Sに接触しない。
【0029】
平面10Sは、A4サイズ(又はレターサイズ)等と一致又は若干大きい又は小さい。
【0030】
例えば、端末機器は、スマートフォンである。なお、端末機器は、スマートフォンに限定されず、他の通信機器でもよい。
【0031】
なお、支柱14は、長さが可変となるように構成してもよい。
【0032】
端末機器111の保持装置は、ボード10の平面10Sと支柱14の一端とを、支柱14が一端を基準に回動可能に連結すると共に支柱14の回動が停止した場合、支柱14を、回動が停止した位置で保持する第1連結部12を有する。
【0033】
端末機器111の保持装置は、支柱14の他端と保持部20とを、保持部20が他端を基準に回動可能に連結すると共に保持部20の回動が停止した場合、保持部20を、回動が停止した位置で保持する第2連結部16を有する。よって、ユーザは、支柱14及び保持部20の各々の位置の調節を容易に行うことができる。
【0034】
【0035】
詳細には後述するが、保持部20は、端末機器の一端が載置可能な被載置部112(
図11及び
図12も参照)を備える枠部材(第1枠部、第2枠部20B、及び第3枠部20C)を備える。
【0036】
保持部20は、端末機器が載置可能な被載置面42Sを有し、一方の端側の連結位置(シャフト46の位置)で枠部材(第3枠部20C)に回動可能に連結され且つ被載置面42Sの他方の端側に突起部44を備えた回動部材42を備える。
【0037】
保持部20は、回動部材42を、被載置部112に突起部42が接近する方向に連結位置(シャフト46の位置)を基準に回動するように、付勢する付勢部材54を備える。
【0038】
端末機器111の保持装置は、第2連結部16と保持部20との間に、保持部20が第2連結部16から離れ又は第2連結部16に近づくように位置を調節するための位置調節機構18を有する。
【0039】
図2Aには、支柱14及び保持部20に収納した状態での端末機器の保持装置の平面図が示されている。
図2Aに示すように、第1連結部12は、ボード10と支柱14の一端とを、支柱14がボード10の平面10Sに位置することができるように、連結する。第2連結部16は、支柱14の他端と保持部20とを、保持部20がボード10の平面10Sに位置することができるように、連結する。支柱14の大きさは、支柱14がボード10の平面10Sに位置すると、支柱14の全域が平面10S上の空間内に位置する大きさである。保持部20の大きさは、保持部20がボード10の平面10Sに位置すると、保持部20の全域が平面10S上の空間内に位置する大きさである。
【0040】
図2Bには、支柱14及び保持部20を収納した状態での端末機器の保持装置の側面図が示されている。
図2Bに示すように、支柱14が平面10Sに位置し且つ保持部20が平面10Sに位置すると、支柱14、保持部20、第1連結部12、及び第2連結部16の各々の平面10Sからの高さは所定の高さH以下である。なお、本実施の形態では、支柱14が平面10Sに位置し且つ保持部20が平面10Sに位置すると、支柱14、保持部20、第1連結部12、及び第2連結部16の各々の平面10Sからの高さは所定の高さHに統一されている。
【0041】
このように、支柱14の全域が平面10S上の空間内に位置し、保持部20の全域が平面10S上の空間内に位置し、支柱14、保持部20、第1連結部12、及び第2連結部16の各々の平面10Sからの高さは所定の高さHに統一されている。よって、支柱14及び保持部20を収納すると、端末機器の保持装置は、所定の高さHの対応する幅のボード形状に近い形状となり、端末機器の保持装置の持ち運びが容易である。
【0042】
図3には、端末機器の保持装置の分解斜視図が示されている。
図4には、端末機器の保持装置のカバー24、支柱14、第1連結部12、及び照明装置22の部分の拡大分解斜視図が示されている。
図5には、端末機器の保持装置の支柱、第2連結部、及び位置調節機構の部分の拡大分解斜視図が示されている。
図6には、端末機器の保持装置の位置調節機構及び保持部の部分の拡大分解斜視図が示されている。
【0043】
図3及び
図4に示すように、本実施の形態の端末機器の保持装置では、第1連結部12は、ねじ21により、ボード10の平面10Sに取り付けられている。第1連結部12には、支柱14の一端が、ねじ25により、取り付けられている。第1連結部12には、支柱14の回動を、平面10Sとのなす角が、例えば、90°までに規制するカバー24が取り付けられている。カバー24は、ねじ21により、ボード10の平面10Sに取り付けられている。
【0044】
図4に示すように、カバー24は、平面10Sに対向する天板24Lと、天板24Lの長手方向を基準に左右に位置する側板24M、24Nとを備えている。一方の側板24Mと天板24Lとには、支柱14が回動可能なように、開口24Aが形成されている。他方の側板24Nには、開口が形成されていない。よって、側板24Nの内面24Pに支柱14の他方の面14Sが当たることにより、支柱14の回動が、支柱14とボード10の平面10Sとのなす角が所定角度、例えば、90°を超えないように、規制される。なお、所定角度は、90°に限定されない。例えば、80°~110°の角度でもよい。
【0045】
カバー24は、「規制部」の一例である。
【0046】
支柱14の一方の面14Rは、支柱14が収納された場合、ボード10の平面10Sに接触する。支柱14の一方の面14Rに対向する他方の面14Sは、支柱14が収納された場合、ボード10の平面10Sに接触しない。支柱14の一方の面14Rと他方の面14Sとの間の各側面14T、14Q(
図9も参照)には、第1連結部12に取り付けるための取り付け部14Q、14Nが設けられている。
【0047】
支柱14の一端14Wには、図示しない取り付け穴が設けられている。取り付け部14Q、14Nには、取り付け穴14P、14Mが設けられている。取り付け穴14P、14M、及び支柱14の一端14Wの取り付け穴に挿入されたねじにより、取り付け部14Q、14N及び一端14Wが第1連結部12(後述する凹部72C、72A、72B)に連結される。
【0048】
支柱14の内部には、ねじ27とシャフト29とにより、照明装置22の一端が、回動可能に、連結されている。よって、照明装置22は、支柱14の内部に収納され、また、支柱14の内部に収納された状態から、他端22P側が外部に露出するように、回動する。端末機器は撮影部を備えており、他端22P側が外部に露出した照明装置22は、撮影部により撮影される領域を照明する。
【0049】
図3及び
図5に示すように、支柱14の他端14Yには、第2連結部16が取り付けられている。第2連結部16には、位置調節機構18が取り付けられている。位置調節機構18は、先端が2枚に分割されている位置調節アーム18Aと、位置調節機構18を第2連結部16に取り付けるための取り付け部18Bとを備える。位置調節機構18の取り付け部18Bは、ねじ33とビットインサート35とにより、第2連結部16に取り付けられている。取り付け部18Bにはカバー26が取り付けられている。
【0050】
図3及び
図6に示すように、保持部20は、後述する第1枠部20A、カバー34、及びプレート36により形成された内部空間に、位置調節機構18の位置調節アーム18Aが位置するように、位置調節機構18に取り付けられている。
【0051】
位置調節機構18に対し保持部20を、第2連結部16から離れ又は第2連結部16に近づくように、スライドし、保持部20の位置が調整される。よって、ロック動作等の追加動作を必要とせず、位置調節機構を介して端末機器の位置を調節することができる。
【0052】
また、保持部20は、一端が位置調節機構18及び第2連結部16を介して支柱14の他端に連結され且つ上記のように収納された場合(
図1参照)、長手方向が支柱14の長手方向と交差する方向に沿った第1枠部20Aを備えている。保持部20は、一端が第1枠部20Aの一端と連結し、長手方向が第1枠部20Aの長手方向と交差する方向に沿い、長手方向の長さが端末機器の縦方向の長さより長い第2枠部20Bを備えている。保持部20は、長手方向が第1枠部20Aの長手方向に沿い且つ第2枠部20Bの長手方向と交差する方向に沿った第3枠部20Cを備えている。なお、これらの各長手方向と交差する方向は、例えば、垂直な方向である。
【0053】
第1枠部20Aは、内部に空間が形成されるように、カバー34とプレート36とにより挟まれている。プレート36の長手方向に沿う一方の端側は第1枠部20Aにねじ37により固定されている。プレート36の長手方向に沿う他方の端側はカバー34にねじ37により固定されている。空間の大きさは、位置調節アーム18Aが第1枠部20Aの長手方向に移動できる大きさである。プレート36には、ねじ37を隠すため、シール38が貼られている。
【0054】
保持部20は、第2枠部20B及び第3枠部20Cの各々の一方の側面に設けられ、端末機器の端部が部分的に載置される被載置部(112(
図11及び
図12も参照))を備える。第2枠部20B及び第3枠部20Cの載置部側の側面には、滑り止めテープ62、64が貼られている。
【0055】
また、保持部20は、一端側が第3枠部20Cの連結位置に、当該連結位置を基準に回動可能に第3枠部20Cに連結され、端末機器が載置可能な被載置面42S(
図11及び
図12も参照)を有する回動部材42を備える。保持部20は、回動部材42の他端側に突起部44を備える。
【0056】
回動部材42が、突起部44と連結位置とを結ぶ線が第3枠部20Cの長手方向と垂直に交差するまで、回動した場合の、被載置面42Sの突起部44と第3枠部20Cと接する部分との間の長さは、端末機器の縦方向に長さより短く且つ端末機器の横方向の長さより長い。
【0057】
保持部20は、突起部44が第2枠部20B及び第3枠部20Cの被載置部112に接近する方向に連結位置を基準に回動するように、回動部材42を付勢する付勢部材54を備える。回動部材42は、一端側の連結位置で、ねじ31とシャフト46とにより、第3枠部20Cに回動可能に連結されている。
【0058】
付勢部材54は、第3枠部20Cの内部に収納され、一端が回動部材42の一端側に設けられた取付孔48に接続されている。突起部44が第2枠部20B及び第3枠部20C側に位置する通常状態では、付勢部材54は変形していない。しかし、回動部材42が、連結位置を基準に突起部44が第2枠部20B及び第3枠部20Cから遠ざかるように、回動すると、付勢部材54は変形し、付勢部材54は、突起部44が第2枠部20B及び第3枠部20Cに近づく方向に、回動部材42が連結位置を基準に回動するように、回動部材42を付勢する。
【0059】
なお、付勢部材54は、例えば、トーションスプリングである。
【0060】
図7Aには、第1連結部12の分解斜視図、
図7Bには、第1連結部12の平面図、
図7Cには、第1連結部12の正面図が示されている。
図7A~
図7Cに示すように、第1連結部12は、シャフト72、ブラケット74、第1フリクションプレート76、第2フリクションプレート78、カム80、カム82、複数(例えば、6個)のディスクスプリング84、及びナット88を備える。
【0061】
シャフト72には、支柱14の取り付け部14Q、14Nが嵌り、取り付け穴14P、14Mを介して挿入されたねじにより取り付け部14Q、14Nが取り付けられる凹部72C、72Aが形成されている。シャフト72には、凹部72A、72Cの間に、支柱14の一端14Wが位置する凹部72Bが形成されている。一端14W側から凹部72Cにねじが挿入されて一端14Wが凹部72Cに取り付けられる。
【0062】
シャフト72は、先端側に雄ネジ部72Dを有する。
【0063】
上記(
図3参照)のように、ねじ21によりブラケット74がボード10の平面10Sに取り付けられる。ブラケット74は、基板74Aと、基板74Aの両端に、基板74Aから90°折れ曲がった折れ曲がり部74B、74Cと、を備える。折れ曲がり部74Bには、シャフト72が挿入されるための開口75が形成されている。折れ曲がり部74Cには、シャフト72の先端の雄ネジ部72Dが挿入され且つ回転できるようにするための開口77が形成されている。
【0064】
折れ曲がり部74B、74Cの間に、第1フリクションプレート76が位置する。第1フリクションプレート76には、係合部76Aが設けられ、係合部76Aは、シャフト72の凹部72Aの側面(雄ネジ部72D側)に形成された係合溝(図示しない)に係合する。これにより、第1フリクションプレート76はシャフト72の雄ネジ部72Dの回動に伴って回転し、折れ曲がり部74Cと第1フリクションプレート76との間のフリクションにより、シャフト72にフリクショントルクが生ずる。
【0065】
折れ曲がり部74Cの外側に、折れ曲がり部74Cから順に第2フリクションプレート78、カム80、カム82、複数のディスクスプリング84、ワッシャ86、及びナット88が位置する。
【0066】
第2フリクションプレート78には、シャフト72の雄ネジ部72Dの形状に対応する貫通孔が設けられている。第2フリクションプレート78は、シャフト72の雄ネジ部72Dの回動に伴って回転する。カム80には、挿入されたシャフト72の雄ネジ部72Dが回転できるように、貫通孔が設けられると共に、係合部80Aが設けられている。係合部80Aは、折れ曲がり部74Cの係合孔79に係合する。シャフト72の雄ネジ部72Dが回転してもカム80は回転しない。上記のように第2フリクションプレート78は、シャフト72の雄ネジ部72Dの回動に伴って回転するが、第2フリクションプレート78を挟む折れ曲がり部74C及びカム80は、シャフト72の雄ネジ部72Dが回転しても回転しない。よって、第2フリクションプレート78により、シャフト72にフリクショントルクが生ずる。
【0067】
カム82には、シャフト72の雄ネジ部72Dの形状に対応する貫通孔が設けられている。カム82は、シャフト72の雄ネジ部72Dの回動に伴って回転する。
【0068】
シャフト72の雄ネジ部72Dの先端側からナット88を締め、締める量により、複数のディスクスプリング84の弾性力の大きさが調整され、調整された弾性力が、カム82、80を介して、第2フリクションプレート78に付与される。よって、第2フリクションプレート78によるシャフト72のフリクショントルクの大きさが調整される。
【0069】
上記のように支柱14の回動に伴ってシャフト72の雄ネジ部72Dが回動し、第1フリクションプレート76と第2フリクションプレート78とにより、シャフト72にフリクショントルクが生ずる。ナット88の締めにより、上記弾性力の大きさが調整される。シャフト72に生ずるフリクショントルクが、シャフト72に連結される支柱14の回動が停止した場合、停止した位置で支柱14が保持されるように、調整される。
【0070】
以上から、第1連結部12は、ボード10の平面10Sと支柱14の一端とを、支柱14が一端を基準に回動可能に連結すると共に支柱14の回動が停止した場合、支柱14を、回動が停止した位置で保持する。つまり、第1連結部12はフリーストップヒンジである。よって、第1連結部12は、支柱14の回動が停止した場合、支柱14を、回動が停止した位置で保持するので、支柱14の回動に変化を生じさせない。
【0071】
図8Aには、第2連結部16の分解斜視図が、
図8Bには、第2連結部16の側面図が、
図8Cには、第2連結部16の正面図が示されている。
図8A~
図8Cに示すように、第2連結部16は、第1ブラケット92、チルトシャフト94、第1フリクションプレート96、第2ブラケット98、第2フリクションプレート102、スプリングワッシャ104、ワッシャ106、及びナット108を有する。
【0072】
第1ブラケット92は、2つの取付孔91、93が形成され且つ位置調節機構18の取り付け部18Bと連結(
図6Dも参照)するための基板92Aと、基板92Aの面から90°折り曲がり且つ貫通孔92Cが形成された折曲がり部92Bとを有する。
【0073】
チルトシャフト94は、係合部94A、係合凹部94Dが形成された基板94B、及び雄ネジ部94Cを有する。チルトシャフト94の係合部94Aは、第1ブラケット92の貫通孔92Cに嵌る。第1ブラケット92の貫通孔92Cの形状は、チルトシャフト94の係合部94Aの形状と対応する。よって、第1ブラケット92が回動すると、係合部94Aを介してチルトシャフト94が回動する。
【0074】
チルトシャフト94と第2ブラケット98との間には、係合部96Aを有する第1フリクションプレート96が位置する。第1フリクションプレート96には、チルトシャフト94の雄ネジ部94Cが挿入され且つ回転可能にするための貫通孔が形成されている。第1フリクションプレート96の係合部96Aは、チルトシャフト94の基板94Bの係合凹部94Dに係合する。第1ブラケット92の回動に伴ってチルトシャフト94が回動すると、第1フリクションプレート96が回動し、第1ブラケット92にフリクショントルクが発生する。
【0075】
第2ブラケット98には、貫通孔98A、係合孔98B、及び2つの取付孔99、97が形成されている。貫通孔98Aには、チルトシャフト94の雄ネジ部94Cが挿入され、雄ネジ部94Cは、貫通孔98Aに貫通した状態で回転可能である。取付孔99、97にねじが挿入され、第2ブラケット98に支柱14が連結される(
図9も参照)。
【0076】
第2ブラケット98の外側(第1ブラケット92、チルトシャフト94、第1フリクションプレート96の配置位置と反対側)には、係合部102Aを有する第2フリクションプレート102、スプリングワッシャ104、ワッシャ106、及びナット108が配置されている。
【0077】
第2フリクションプレート102には、チルトシャフト94の雄ネジ部94Cが挿入され且つ回動できるための貫通孔が形成されている。第2フリクションプレート102の係合部102Aは、第2ブラケット98の係合孔98Bに係合する。チルトシャフト94の雄ネジ部94Cが回動しても第2フリクションプレート102は回動しない。
【0078】
スプリングワッシャ104及びワッシャ106には、互いに係合するための係合凸部104A及び係合凹部106Aが形成されている。即ち、スプリングワッシャ104のワッシャ106側の面には、係合凸104A部が形成され、ワッシャ106のスプリングワッシャ104側の面には、当該係合凸部104Aと係合する係合凹部106Aが形成されている。スプリングワッシャ104及びワッシャ106には、チルトシャフト94の雄ネジ部94Cが挿入される貫通孔が形成されている。ワッシャ106の貫通孔の形状は、雄ネジ部94Cの形状と対応する。よって、雄ネジ部94Cが回動すると、ワッシャ106が回動し、ワッシャ106に係合するスプリングワッシャ104が回動する。
【0079】
チルトシャフト94の雄ネジ部94Cの先端側からナット108を締めることにより、スプリングワッシャ104の弾性力により、第2フリクションプレート102に力が付与される。これにより、第2フリクションプレート102から、スプリングワッシャ104、ワッシャ106、及びチルトシャフト94の雄ネジ部94Cを介して、第1ブラケット92にフリクショントルクを発生する。
【0080】
このように第1フリクションプレート96及び第2フリクションプレート102から、スプリングワッシャ104及びワッシャ106を介してチルトシャフト94の雄ネジ部94Cにより第1ブラケット92にフリクショントルクが発生する。ナット108により上記弾性力の大きさが調整される。
【0081】
以上から、第2連結部16は、支柱14の他端と保持部20とを、保持部20が他端を基準に回動可能に連結すると共に保持部20の回動が停止した場合、保持部20を、回動が停止した位置で保持する。つまり、第2連結部16はフリーストップヒンジである。
【0082】
図9には、支柱14の中間部から他端14Y側の部分斜視図が示されている。なお、
図9には、支柱の
図3及び
図4では示されていない側面14Q側が示されている。
図9に示すように、支柱14の側面14Qの他端14Y側には、第2連結部16のナット108を収納する収納溝14A、第2連結部16のブラケット98の取り付け孔97、99を介してねじが挿入される取り付け穴14C、14Bが形成されている。支柱14の側面14Qには、照明装置22を、一端を基準に回動すると他端22P側が外部に露出するように、収納する収納溝14Dが形成されている。照明装置22が支柱14から外部に露出する位置は、保持部20、特に、第3枠部20Cの回動範囲外に位置する。よって、照明装置22は、支柱14から外部に最も露出しても、保持部20の第3枠部20Cに干渉(邪魔)しない。
【0083】
図10Aには、位置調節機構18が第2連結部16に取り付けられた状態を示す部分斜視図、
図10Bには、位置調節機構18と支柱14とを第2連結部16を介して連結することを示す位置調節機構18の斜視図、
図10Cには、位置調節機構18がカバー34とプレート36との間の空間内に位置し、保持部20が位置調節機構18に対して位置が調節できることを示す位置調節機構18とカバー34及びプレート36との断面図が示されている。
【0084】
図10Aに示すように、位置調節機構18の取り付け部18Bには、第2連結部16が連結されている。具体的には、第2連結部16の基板92Aに、位置調節機構18の取り付け部18Bが、ねじ33及びビットインサート35を介して、連結されている。第2連結部16の第2ブラケット98には、支柱14が連結されている(
図9も参照)。
【0085】
なお、第2連結部16が連結されている取り付け部18Bの部分は、カバー26に覆われている。
【0086】
図10Bに示すように、位置調節機構18は、上記のように、保持部20の第1枠部20Aとカバー34とプレート36とにより定まる空間内に位置する位置調節アーム18Aと、第2連結部16を介して支柱14と連結する取り付け部18Bとを有する。位置調節アーム18Aは、保持部20の第1枠部20Aとカバー34とプレート36とにより定まる空間(
図3及び
図6も参照)内に位置し、取り付け部18Bは、第2連結部16を介して支柱14と連結する。よって、第2連結部16は、保持部20と支柱14とを、位置調節機構18を介して、連結する。第1ブラケット92は、第2ブラケット98に対して回動可能である。よって、保持部20は、位置調節機構18を介して、第2連結部16により、支柱14の他端14Yに対して、回動可能である。
【0087】
【0088】
図10Cに示すように、位置調節機構18の位置調節アーム18Aの先端側は2枚の部材に分割され、
図10Cにおいて上側の部材の先端には、ツメ118が設けられている。カバー34の面(即ち、プレート36との間の空間内側の面)には、ツメ118に対応する凹部134が複数並んで形成されている。複数の凹部134が並ぶ方向は、位置調節アーム18Aの先端側の
図10Cにおける上側の部材がカバー34に対し相対的に移動する方向である。位置調節アーム18Aのツメ118は、カバー34の内に形成された凹部34に嵌る。ユーザが、保持部20及びカバー34を一定の力で位置調節アーム18A側に移動させたり位置調節アーム18Aから遠ざけたりすると、ツメ118が凹部34を乗り越えてスライドする。ユーザは、保持部20及びカバー34を位置調節アーム18Aに対して所望の位置に位置させることにより、保持部20を位置決めする。
【0089】
図10Dには、保持部20が支柱14に最も近づいた状態での位置調節機構18、カバー34、及びプレート36の断面図、
図10Eには、支柱14に最も近づき且つ展開した状態での保持部20とカバー14の斜視図が示されている。
図10D及び
図10Eに示すように、ユーザは、保持部20が支柱14に最も近づいた位置に位置決めするために、保持部20及びカバー34を、位置調節アーム18Aに対して保持部20が支柱14に最も近づくように、移動させる。これにより、ツメ118が、凹部34を乗り越え、入口から最も遠い位置にある凹部34に嵌り、保持部20が支柱14に最も近づいた位置に位置決めされる。
【0090】
図10Fには、保持部20が支柱14に最も遠ざかった状態での位置調節機構18、カバー34、及びプレート36の断面図、
図10Gには、支柱14に最も遠ざかり且つ展開した状態での位置調節機構18、カバー34、及びプレート36の斜視図が示されている。
図10F及び
図10Gに示すように、ユーザは、保持部20が支柱14に最も遠ざかった位置に位置決めするために、保持部20及びカバー34を、位置調節アーム18Aに対して保持部20が支柱14に最も遠ざかるように、移動させる。これにより、ツメ118が、凹部34を乗り越え、入口から最も近い位置にある凹部34に嵌り、保持部20が支柱14に最も遠ざかった位置に位置決めされる。
【0091】
図11には、保持部20に端末機器111が縦方向に保持された状態が示され、
図12には、保持部20に端末機器111が横方向に保持された状態を示す図である。なお、端末機器111が縦方向に保持された状態とは、端末機器111の長手方向が第2枠部20Bの長手方向に沿う方向に保持された状態をいう。端末機器111が横方向に保持された状態とは、端末機器111の長手方向が第3枠部20Cの長手方向に沿う方向、即ち、第2枠部20Bの長手方向と交差する方向に保持された状態をいう。
【0092】
図11及び
図12に示すように、第2枠部20B及び第3枠部20Cの内側、即ち、第1枠部20A、第2枠部20B、及び第3枠部20Cにより取り囲まれる側には、端末機器111の一端が載置可能な被載置部112を備える。回動部材42は、端末機器111が載置可能な被載置面42Sを有する。
【0093】
被載置部112の被載置面42S側の形状と被載置面42Sの被載置部112側の形状とは対応する。例えば、被載置部112の被載置面42S側の形状は、凹形状であり、被載置面42Sの被載置部112側の形状は、凸形状である。
【0094】
このように被載置面42Sの被載置部112側の形状が凸形状であるので、被載置面42Sがより広くなるので、端末機器111を安定して保持することができる。
【0095】
被載置部112の被載置面42S側の形状は、凸形状であり、被載置面42Sの被載置部112側の形状は、凹形状でもよい。被載置部112の被載置面42S側の形状と被載置面42Sの被載置部112側の形状は、凹形状又は凸形状に限定されず、他の互いに対応する形状でもよい。
【0096】
被載置面42Sは、被載置部112の一部112Pに載置される載置部分42Pを有する。
【0097】
回動部材42は、一方の端側の連結位置(シャフト46の位置)で第3枠部20Cに回動可能に連結され且つ被載置面42Sの他方の端側に突起部44を備える。付勢部材54は、突起部42が、被載置部112に接近する方向に連結位置(シャフト46の位置)を基準に回動するように、回動部材42を付勢する。
【0098】
付勢部材54は、第3枠部20Cの内部に収納され、一端が回動部材42の一端側に設けられた取付孔48(
図3も参照)に接続されている。突起部44が第2枠部20B及び第3枠部20C側に位置する通常状態では、付勢部材54は変形していない状態である。
【0099】
図11及び
図12に示すように、保持部20に端末機器111を保持させるためには、まず、ユーザは、回動部材42を、突起部44が第2枠部20B及び第3枠部20Cから遠ざかるように、回動部材42を、シャフト46の位置を基準に回動させる。これにより、付勢部材54が変形し、付勢部材54は、突起部44が第2枠部20B及び第3枠部20Cに近づく方向に、回動部材42を付勢する。次に、ユーザは、端末機器111の一方の端部を被載置部112に、端末機器111の他方の端部を回動部材42に載置させる。端末機器111の端部を被載置部112に載置させる方向として、端末機器111を縦方向(
図11参照)又は横方向(
図12参照)がある。そして、ユーザは、突起部44が端末機器111の他方の端部に係合する状態で、回動部材42から手を放す。このように、端末機器111の一方の端部が被載置部112に載置され且つ端末機器111の他方の端部側が回動部材42の被載置面42Sに載置されると共に突起部44が端末機器111の他方の端部に係合した状態で、付勢部材54は、突起部44が第2枠部20B及び第3枠部20Cに近づく方向に、回動部材42を付勢する。よって、端末機器111が、保持部20に保持される。
【0100】
このように、本実施の形態では、端末機器111のサイズを問わず、縦方向及び横方向のどちらの方向にも保持することができる。
【0101】
また、端末機器111には、カメラやディスプレイが設けられている。被載置部112に載置される端末機器111の一方の端部、回動部材42の被載置面42Sに載置される端末機器111の他方の端部、及び突起部44と係合する端末機器111の他方の端部は、カメラやディスプレイ42の領域以外の領域である。よって、保持部20は、端末機器111のカメラ及びディスプレイの領域以外の領域で、端末機器を保持する。従って、保持部20は、端末機器111のカメラの撮影領域を遮らない。
【0102】
次に、
図13を参照して、本実施の形態の端末機器111の保持装置の使用手順を説明する。具体的には、端末機器111により、ボード10の平面10Sに載置した物体を撮影する場合を例にとり説明する。
【0103】
最初は、
図13(1)に示すように、例えば、端末機器111の保持装置は、支柱14及び保持部20が収納されている(
図1も参照)。このように、支柱14及び保持部20が収納されている状態では、支柱14がボード10の平面10Sに位置し且つ保持部20がボード10の平面10Sに位置し、支柱14の全域が平面10S上の空間内に位置し、保持部20の全域が平面10S上の空間内に位置する(
図2Aも参照)。支柱14、保持部20、第1連結部12、及び第2連結部16の各々の平面10Sからの高さは所定の高さである(
図2Bも参照)。
【0104】
次に、ユーザは、
図13(2)に示すように、支柱14の他端及び保持部20を持ち上げることにより、支柱14及び保持部20を、ボード10の平面10Sから、例えば、平面10Sとのなす角度が90°となるまで、支柱14の一端を基準に他端側が回動するように(方向F1参照)、展開する(第1段階展開)。
【0105】
次に、ユーザは、
図13(3)に示すように、保持部20の
図13(3)における下側を持ち上げることにより、保持部20を、例えば、支柱14とのなす角度が90°、即ち、平面10Sと平行となるまで、支柱14の他端側を基準に回動するように(方向F2参照)、展開する(第2段階展開)。平面10Sに対向する保持部20の面は、収納時(
図13(1)参照)、平面10Sに接触する面と対向する面である。なお、保持部20は、第2連結部16により、保持部20が支柱14の他端を基準に、方向F2と反対の方向にも回動可能である。
【0106】
次に、ユーザは、
図13(4)に示すように、回動部材42を、突起部44が第2枠部20B及び第3枠部20Cから遠ざかるように、回動部材42を、方向F3に回動させる。なお、
図13(4)に示すように、この段階で、ユーザは、保持部20の位置を調節してもよい。
【0107】
次に、ユーザは、
図13(5)に示すように、端末機器111の一方の端部を被載置部112に、端末機器111の他方の端部を回動部材42に載置させる。端末機器111の端部を被載置部112に載置させる方向として、端末機器111を縦方向(
図11及び
図13(5)参照)又は横方向(
図12参照)がある。そして、ユーザは、突起部44が端末機器111の他方の端部に係合する状態で、回動部材42から手を放す。このように、端末機器111の一方の端部が被載置部112に載置され且つ端末機器111の他方の端部が回動部材42に載置されると共に突起部44が端末機器111の他方の端部に係合した状態で、付勢部材54は、突起部44が第2枠部20B及び第3枠部20Cに近づく方向に、回動部材42を付勢する。よって、端末機器111が、保持部20に保持される。なお、ユーザは、
図13(5)に示す段階で、保持部20の位置を調節してもよい。
【0108】
次に、ユーザは、
図13(6)に示すように、支柱14から、照明装置22を、他端22P側が収納溝14D(
図9も参照)から外部に露出するように、展開させる。
【0109】
このように本実施の形態は、携帯端末111をボード10に対向させることができる。
【0110】
以上説明した例の使用手順は、端末機器111により、ボード10の平面10Sに載置した物体を撮影する場合を例である、本発明は、これに限定されない。例えば、端末機器111でビデオ通話したり動画鑑賞したりすることができる。この場合には、第2段階展開は不要であり、第1段階展開のみでよい。
【0111】
図14Aには、第1段階展開され、保持部20に端末機器111が縦方向に保持された状態が示されている。
図14Bには、第1段階展開され、保持部20に端末機器111が横方向に保持された状態が示されている。具体的には、支柱14及び保持部20が収納されている状態から、支柱14及び保持部20を、ボード10の平面10Sから、例えば、平面10Sとのなす角度が90°となるまで、展開する(第1段階展開)。そして、保持部20に端末機器111を縦方向(
図14A)又は横方向(
図14B)に保持する。
【0112】
図15には、保持部20に縦方向に保持された端末機器111を充電している状態が示されている。
図15に示すように、充電ケーブル150が垂れないようにするため、充電ケーブル150が保持されるための溝152がカバー26に設けられ、また、第3枠部30Cには、充電ケーブル150の先端側が貫通する貫通孔が形成されている。保持された端末機器111の充電部に充電ケーブル150の先端が接続され、端末機器111が充電される。
【0113】
次に、本実施の形態の端末機器111の保持装置の利用態様を説明する。利用態様には、第1に、ボード10の平面10Sに配置された物体(例えば、写真)を撮影する態様と、第2に、端末機器111でビデオ通話(又は動画鑑賞)する態様とがある。
【0114】
図16には、保持部20に縦方向に保持された端末機器111がボード10の平面10Sに配置された物体(例えば、写真)を撮影している様子が示されている。
【0115】
ボード10の平面10Sに配置された物体(例えば、写真)を撮影するためには、
図13に示すように、端末機器111の保持装置が第1段階展開及び第2段階展開され、端末機器111が保持部20に保持され、保持部20の位置が調節される必要がある。なお、端末機器111の保持装置が暗所に配置された場合には、
図16に示すように、照明装置22を支柱14から展開し、展開された照明装置22によりボード10の平面10Sの上の写真を照明する。端末機器111を操作してボード10の平面10Sに配置された物体(例えば、写真)を撮影する。
【0116】
図17には、保持部20に縦方向に保持された端末機器111でビデオ通話している様子が示されている。
【0117】
端末機器111でビデオ通話する場合には、第2段階展開は不要であり、第1段階展開のみでよい。この場合、照明装置22によりユーザを照明してもよい。
【0118】
ビデオ通話の他、動画鑑賞のために、端末機器111の保持装置を利用してもよい。なお、ビデオ通話及び動画鑑賞の際、端末機器111を保持する方向は、保持部20に縦方向でも横方向でもよい。
【0119】
以上説明した実施の形態では、端末機器111の保持のため、端末機器111の一方の端部が被載置部112に載置され且つ端末機器111の他方の端部が回動部材42に載置されると共に突起部44が端末機器111の他方の端部に係合した状態で、付勢部材54が、突起部44が第2枠部20B及び第3枠部20Cに近づく方向に、回動部材42を付勢する。本発明はこれに限定されない。
【0120】
図18には、保持部の変形例が示されている。
図3及び
図6に示す第2枠部20B及び第3枠部20Cに代えて、
図18に示すように、内側面中央に被挿入溝20iが形成された弾性部材の第2枠部20I及び内側面中央に被挿入溝20jが形成された弾性部材の第3枠部20Jを備えてもよい。被挿入溝20i及び被挿入溝20jの幅Dは、端末機器111の幅Fより小さい。しかし、第2枠部20I及び第3枠部20Jは、弾性部材であるので、端末機器111は、被挿入溝20i及び被挿入溝20jに挿入されると、第2枠部20I及び第3枠部20Jは弾性変形し、被挿入溝20i及び被挿入溝20jは広がり、端末機器111を保持する。
【符号の説明】
【0121】
10 ボード
10S 平面
14 支柱
20 保持部
12 第1連結部
16 第2連結部
18 位置調節機構
22 照明装置
111 端末機器