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特開2023-92642リフター装置およびこれを備える無人搬送車
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092642
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】リフター装置およびこれを備える無人搬送車
(51)【国際特許分類】
   B66F 5/00 20060101AFI20230627BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20230627BHJP
   B61D 47/00 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
B66F5/00
B61B13/00 A
B61D47/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207785
(22)【出願日】2021-12-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】508079304
【氏名又は名称】愛知機械テクノシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131406
【弁理士】
【氏名又は名称】福山 正寿
(72)【発明者】
【氏名】益山 信也
(72)【発明者】
【氏名】平林 大志
【テーマコード(参考)】
3D101
【Fターム(参考)】
3D101BB16
3D101BB43
(57)【要約】
【課題】装置のリフト方向のコンパクト化と径方向外力に対する耐力向上との両立を図ること。
【解決手段】ロアフレーム24に固定されたガイドロッドGrd1,Grd2にリフトピン26を摺動可能に支持する。リフトピン26のカムローラCR,CRが螺旋溝Hg1,Hg2に係合した状態で、アウターソケット28をリフトピン26の径方向外方に配置する。アッパーフレーム22およびロアフレーム24によってアウターソケット28を回転可能に支持する。なお、アウターソケット28は、アクチュエータACTRによって回転される。リフトピン26とアウターソケット28とが入れ子になっているため、リフト方向のコンパクト化が図れる。また、ガイドロッドGrd1,Grd2がリフトピン26に作用する径方向外力を受けるため、当該径方向外力がカムローラCR,CRおよび螺旋溝Hg1,Hg2に作用することを抑制できる。
【選択図】図35
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を持上げ可能なリフト装置であって、
底板を有する枠体と、
前記底板に直交するよう該底板に固定された少なくとも1本のガイドロッドと、
該ガイドロッドを包囲する円筒形状を有すると共に該ガイドロッド上を該ガイドロッドの軸線方向に摺動可能な内側円筒体と、
該内側円筒体の軸線方向に直交する方向に延在する軸部を有し、該軸部を介して前記内側円筒体に回転可能に支持された少なくとも1つのカムローラと、
前記枠体に回転可能に支持され、隙間を介して前記内側円筒体を包囲する円筒形状を有すると共に、少なくとも内周面に前記カムローラが係合可能な長手方向に延在する螺旋溝を有する外側円筒体と、
該外側円筒体を回転可能に該外側円筒体に機械的に接続された駆動部と、
を備えるリフト装置。
【請求項2】
前記内側円筒体は、前記ガイドロッドが挿通されるブッシュを有しており、該ブッシュを介して前記ガイドロッド上を該ガイドロッドの軸線方向に摺動可能である
請求項1に記載のリフト装置。
【請求項3】
前記ガイドロッドは、第1ガイドロッドと、該第1ガイドロッドに平行に配置された第2ガイドロッドと、を有しており、
前記内側円筒体は、前記第1および第2ガイドロッドを包囲すると共に前記第1および第2ガイドロッド上を該第1および第2ガイドロッドの軸線方向に摺動可能である
請求項1または2に記載のリフト装置。
【請求項4】
前記内側円筒体は、前記第1ガイドロッドが挿通される第1ブッシュと、前記第2ガイドロッドが挿通される第2ブッシュと、を有している
請求項2に従属する請求項3に記載のリフト装置。
【請求項5】
少なくとも2つの前輪および少なくとも2つの後輪を有する台車の下側に配置された状態で該台車を牽引可能な無人搬送車であって、
車体と、
少なくとも1つの駆動輪と、該駆動輪を駆動可能に該駆動輪に機械的に接続されたモータと、を有すると共に前記車体に配置された駆動ユニットと、
少なくとも前記前輪を床面から持ち上げ可能なよう前記車体に配置された請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリフト装置と、
を備える無人搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を持上げ可能なリフター装置およびこれを備える無人搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007-176646号公報(特許文献1)には、基台と、外周面に第1雄ネジを有すると共に基台に回転可能に支持されたネジ軸と、第1雄ネジにネジ係合可能な第1雌ネジを内周面に有すると共に外周面に第2雄ネジを有する円筒形状の第1ネジ筒と、第2雄ネジにネジ係合可能な第2雌ネジを内周面に有する断面矩形状の第2ネジ筒と、第2ネジ筒に外挿可能な断面矩形状の内孔を有すると共に基台に固定された筒体と、ネジ軸と一体回転可能に当該ネジ軸の基台寄りの端部に一体にされた第1スプロケットと、回転軸を有すると共に基台に配置されたモータと、回転軸と一体回転可能に当該回転軸に一体にされた第2スプロケットと、第1および第2スプロケットに巻き掛けられたチェーンと、を備え、モータが駆動することで第1ネジ筒や第2ネジ筒を軸線方向に伸縮させて、第2ネジ筒の先端に載置される荷物等を昇降可能なリフター装置が記載されている。
【0003】
当該リフター装置は、ネジ軸、第1ネジ筒および第2ネジ筒が入れ子になっているため、装置のリフト方向のコンパクトを図りながらも比較的大きなリフト高さを実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-176646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した公報に記載のリフト装置では、径方向の外力が作用した場合、当該外力を第1および第2雄ネジや第1および第2雌ネジで受けることになり、径方向の外力に対する耐力という点において、なお改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、装置のリフト方向のコンパクト化と径方向の外力に対する耐力向上との両立に資する技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のリフト装置およびこれを備える無人搬送車は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明に係るリフト装置の好ましい形態によれば、対象物を持上げ可能なリフト装置が構成される。当該リフト装置は、底板を有する枠体と、当該底板に直交するように当該底板に固定された少なくとも1本のガイドロッドと、当該ガイドロッドを包囲する円筒形状を有する内側円筒体と、当該内側円筒体の軸線方向に直交する方向に延在する軸部を有する少なくとも1つのカムローラと、枠体に回転可能に支持された外側円筒体と、当該外側円筒体を回転可能に当該外側円筒体に機械的に接続された駆動部と、を備えている。内側円筒体は、ガイドロッド上を当該ガイドロッドの軸線方向に摺動可能である。カムローラは、軸部を介して内側円筒体に回転可能に支持されている。そして、外側円筒体は、隙間を介して内側円筒体を包囲する円筒形状を有すると共に少なくとも内周面にカムローラが係合可能な長手方向に延在する螺旋溝を有している。本発明における「螺旋溝」は、底面を有する溝のみならず、底面を有さない溝、即ち、開口を好適に包含する。
【0009】
本発明によれば、内側円筒体と外側円筒体とが入れ子になっているため、装置のリフト方向のコンパクト化を図ることができる。また、駆動部によって外側円筒体を回転するのみで、内側円筒体を外側円筒体に対して出没可能であるため、簡易な構成で対象物を昇降することができる。さらに、ガイドロッドが内側円筒体に作用する径方向の外力を受けるため、当該径方向の外力がカムローラおよび螺旋溝に作用することを良好に抑制することができる。これにより、径方向の外力に対する耐力向上を図ることができる。この結果、内側円筒体の昇降性能が低下することを抑制することができる。
【0010】
本発明に係るリフト装置の更なる形態によれば、内側円筒体は、ガイドロッドが挿通されるブッシュを有している。そして、内側円筒体は、当該ブッシュを介してガイドロッド上を当該ガイドロッドの軸線方向に摺動可能である。
【0011】
本形態によれば、より円滑に内側円筒体を昇降可能である。
【0012】
本発明に係るリフト装置の更なる形態によれば、ガイドロッドは、第1ガイドロッドと、当該第1ガイドロッドに平行に配置された第2ガイドロッドと、を有している。そして、内側円筒体は、第1および第2ガイドロッドを包囲すると共に第1および第2ガイドロッド上を当該第1および第2ガイドロッドの軸線方向に摺動可能である。
【0013】
本形態によれば、一本のガイドロッドにより径方向の外力を受ける構成に比べて、耐力向上を図ることができる。また、専用部品や専用形状を採用することなく内側円筒体の外側円筒体に対する相対回転を防止することができる。こにより、耐力向上と、部品点数削減や構造簡素化と、の両立を図ることができる。
【0014】
内側円筒体がブッシュを有する態様の本発明に係るリフト装置の更なる形態によれば、内側円筒体は、第1ガイドロッドが挿通される第1ブッシュと、第2ガイドロッドが挿通される第2ブッシュと、を有している。
【0015】
本形態によれば、より円滑に内側円筒体を昇降可能である。
【0016】
本発明に係る無人搬送車の好ましい形態によれば、少なくとも2つの前輪および少なくとも2つの後輪を有する台車の下側に配置された状態で当該台車を牽引可能な無人搬送車が構成される。当該無人搬送車は、車体と、当該車体に配置された駆動ユニットと、少なくとも前輪を床面から持ち上げ可能なように車体に配置された上述したいずれかの態様の本発明に係るリフト装置と、を備えている。駆動ユニットは、少なくとも1つの駆動輪と、当該駆動輪を駆動可能に当該駆動輪に機械的に接続されたモータと、を有している。
【0017】
本発明によれば、上述したいずれかの態様の本発明に係るリフト装置を備えるため、本発明のリフト装置が奏する効果と同様の効果、例えば、装置のリフト方向のコンパクト化と径方向の外力に対する耐力向上との両立を図ることができる効果や、簡易な構成で対象物を昇降することができる効果などを奏することができる。これにより、無人搬送車の高さ方向の寸法の低減や品質向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、装置のリフト方向のコンパクト化と径方向の外力に対する耐力向上との両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係るリフト装置20を搭載した無人搬送車1の構成の概略を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係るリフト装置20を搭載した無人搬送車1の構成の概略を示す平面図である。
図3】本発明の実施の形態に係るリフト装置20を搭載した無人搬送車1が台車90を牽引可能な位置に到達した状態を示す説明図である。
図4】本発明の実施の形態に係るリフト装置20の分解斜視図である。
図5】本発明の実施の形態に係るリフト装置20の外観を示す斜視図である。
図6】アッパーフレーム22の外観を示す斜視図である。
図7図6の矢印V1方向から見た矢視図である。
図8図6の矢印V2方向から見た矢視図である。
図9図6の矢印V3方向から見た矢視図である。
図10図9のY-Y断面を示す断面図である。
図11図6の矢印V5方向から見た矢視図である。
図12】ロアフレーム24の外観を示す斜視図である。
図13】ロアフレーム24の平面図である。
図14図12のW-W断面を示す断面図である。
図15】アッパーフレーム22およびロアフレーム24がアウターソケット28を回転可能に支持した状態を示す説明図である。
図16】ロアフレーム24にガイドロッドGrd1,Grd2を固定した状態を示す説明図である。
図17】リフトピン26の外観を示す斜視図である。
図18】リフトピン26の分解斜視図である。
図19】円筒体50の正面図、下面図(底面図)、右側面図である。
図20図19のX-X断面を示す断面図である。
図21】円筒体50にブッシュBsh1,Bsh2を組みつけた状態を示す断面斜視図である。
図22】アウターソケット28の分解斜視図である。
図23】アウターソケット28の外観を示す斜視図である。
図24】本体60の外観を示す斜視図である。
図25】本体60の正面図、左側面図、右側面図である。
図26】本体60を図23のZ-Z断面に相当する断面で切った断面図である。
図27】カバー62の斜視図である。
図28】ロアフレーム24にアウターソケット28を組付けた状態を示す斜視図である。
図29】ロアフレーム24にアウターソケット28を組付けた状態を示す平面図である。
図30】リフト位置検出センサSen1,Sen2の配置位置を示す説明図である。
図31】アウターソケット28をロアフレーム24に組み付けるまでの様子を示す説明図である。
図32】アウターソケット28をロアフレーム24に組み付けた状態を示す説明図である。
図33】アウターソケット28が組付けられたロアフレーム24にアッパーフレーム22を締結した状態を示す説明図である。
図34】リフト装置20のリフトアップ前の様子を示す説明図である。
図35】リフト装置20がリフトアップした様子を示す説明図である。
図36】無人搬送車1に搭載されたリフト装置20が台車90をリフトアップした状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例0021】
本実施の形態に係るリフト装置20を搭載する無人搬送車1は、図1ないし図3に示すように、車体2と、当該車体2に支持されたステアリングユニット4,駆動ユニット6および自在輪8と、車体2に配置された本実施の形態に係るリフト装置20と、同じく車体2に配置されたフック装置10と、無人搬送車1全体をコントロールする制御装置70と、を備えている。本実施の形態に係るリフト装置20を搭載する無人搬送車1は、台車90の下方に潜り込むと共に(図3参照)、当該台車90の一対の前輪92,92、一対の中間輪94,94および一対の後輪96,96のうち少なくとも一対の前輪92,92を床面Fより持ち上げた状態で(図36参照)、当該台車90を牽引する低床タイプとして構成されている。なお、無人搬送車1は、台車90に対して相対的な位置が固定された状態で当該台車90に連結される。説明の便宜上、以下では、図2および図3の上下方向を走行方向と規定する。特に、図2および図3の下側を前進走行方向と規定し、図2および図3の上側を後進走行方向と規定する。
【0022】
ステアリングユニット4は、図1および図2に示すように、一対の操舵輪4a,4bと、当該操舵輪4a,4bを操舵するモータM1と、を有している。モータM1が駆動されることで、操舵輪4a,4bが操舵軸4cを中心に回転する。
【0023】
駆動ユニット6は、図1および図2に示すように、一対の駆動輪6a,6bと、デフ装置6cを介して一対の駆動輪6a,6bに接続されたモータM2と、を有している。モータM2からの動力は、デフ装置6cによって一対の駆動輪6a,6bに生じる回転数差が吸収されながら一対の駆動輪6a,6bに振り分けられて伝達される。
【0024】
本実施の形態に係るリフト装置20は、図4に示すように、アッパーフレーム22と、当該アッパーフレーム22に締結されるロアフレーム24と、ロアフレーム24に固定されるガイドロッドGrd1,Grd2と、ブッシュBsh1,Bsh2を介して当該ガイドロッドGrd1,Grd2に摺動可能に支持されるリフトピン26と、当該リフトピン26を内包した状態でスラストベアリングSB1,SB2を介してアッパーフレーム22およびロアフレーム24に回転可能に支持されるアウターソケット28と、当該アウターソケット28の回転をガイドするべくロアフレーム24に回転可能に支持される4つのガイドローラGR,GR,GR,GRと、ブラケットBRKTを介してアッパーフレーム22に締結されるリフト位置検出センサSen1,Sen2と、チェーンCHを介してアウターソケット28に接続されるアクチュエータACTRと、を備えている。リフト装置20は、図1に示すように、無人搬送車1の前進走行方向の前側、具体的には、ステアリングユニット4のやや後方の位置に配置されている。アッパーフレーム22およびロアフレーム24は、本発明における「枠体」に対応する実施構成の一例である。また、ガイドロッドGrd1,Grd2は、本発明における「第1ガイドロッド」および「第2ガイドロッド」に対応し、ブッシュBsh1,Bsh2は、本発明における「第1ブッシュ」および「第2ブッシュ」に対応する実施構成の一例である。さらに、アクチュエータACTRは、本発明における「駆動部」に対応する実施構成の一例である。
【0025】
アッパーフレーム22は、図6に示すように、側壁30と、当該側壁30と平行に配置された側壁32と、当該側壁30,32を接続する上壁34と、側壁30から側壁32に向かって延在する延在壁36と、を有している。アッパーフレーム22は、正面視(図6の矢印V4方向から見た形状)略逆U字状を有している。
【0026】
側壁30は、図7に示すように、略長方形状を有している。また、側壁30は、略長方形状の開口30aと、略正方形状の開口30b,30bと、を有している。開口30aは、側壁30の長手方向(図7の左右方向)の一方(図7の右側)寄りに配置されており、側壁30の長手方向に直交する方向(図7の上下方向)に長手方向を有している。開口30b,30bは、開口30aの長手方向(図7の上下方向)の一方(図7の上側)寄りの位置に、当該開口30aを挟むように配置されている。
【0027】
側壁32は、図8に示すように、略正方形状を有している。また、側壁32は、略長方形状の開口32aと、略正方形状の開口32b,32bと、を有している。開口32aは、開口30aと同形状、即ち、側壁30の長手方向に直交する方向(図7の上下方向)に長手方向を有する略長方形状を有している。また、開口32aは、側壁32のほぼ中央、即ち、開口30aに対向する位置において、開口30aと整合するように配置されている。開口32b,32bは、開口32aの長手方向(図8の上下方向)の一方(図8の上側)寄りの位置に、当該開口32aを挟むように配置されている。開口32b,32bは、開口30b,30bに対向する位置において、開口30b,30bと整合するように配置されている。
【0028】
上壁34は、図6に示すように、平面視略正方形状を有している。上壁34は、図6および図10に示すように、U字状の切欠き34aを有している。切欠き34aは、延在壁36が配置された側とは反対側が開口している。また、上壁34は、図10および図11に示すように、裏面(図10の下側を向く面)に凹部34bを有している。凹部34bは、図11に示すように、平面視略逆C字状を有している。凹部34bは、スラストベアリングSB1の外径と同じか若干大きい外径を有している。
【0029】
延在壁36は、図9に示すように、側壁30に一体されている。延在壁36は、側壁30に直交している。また、延在壁36は、支持片38を介して上壁34に接続されている。支持片38は、上壁34および延在壁36に直交している。さらに、延在壁36は、図6および図10に示すように、略中央に略楕円形状の開口36aを有している。
【0030】
ロアフレーム24は、図12に示すように、器形状を有する主部40と、当該主部40に一体にされた延在壁42と、を備える略柄杓形状を有している。主部40は、略立方体形状を有しており、中央に平面視円形状の凹部40aを有している(図12および図13参照)。また、主部40は、ガイドローラGR,GR,GR,GRを支持する支持部40b,40b,40b,40bを有している。支持部40b,40b,40b,40bは、主部40の上面に配置されていると共に、凹部40aの外周に略90度の間隔をもって配置されている。凹部40aは、底壁41を有している。底壁41は、平面視略円形状を有している。また、底壁41は、図13および図14に示すように、中央に平面視略円形状の凸部41aを有している。凸部41aは、スラストベアリングSB2の内径とほぼ同じか若干小さい外径を有している。なお、凹部40aは、アウターソケット28の外径よりも大きい外径を有している。底壁41は、本発明における「底板」に対応する実施構成の一例である。
【0031】
延在壁42は、図12ないし図13に示すように、主部40の上端に一体にされており、凹部40aから遠ざかる方向に延在している。延在壁42は、延在壁36とほぼ同形状かつ同じ大きさを有している。また、延在壁42は、中央に略楕円形状の開口42aを有している。開口42aは、延在壁36の開口36aと同形状かつ同じ大きさを有している。延在壁42は、図15に示すように、ロアフレーム24にアッパーフレーム22が締結された際に、延在壁36に整合する。このとき、開口42aと開口36aとが整合する。
【0032】
ガイドロッドGrd1,Grd2は、図16に示すように、ロアフレーム24の主部40、より具体的には、底壁41の凸部41aに,当該凸部41aに対して直交するように固定される。ガイドロッドGrd1,Grd2は、互いに平行に配置されている。
【0033】
リフトピン26は、図17および図18に示すように、円筒体50と、当該円筒体に回転可能に支持された2つのカムローラCR,CRと、円筒体50に内包されたブッシュBsh1,Bsh2と、を有している。リフトピン26は、本発明における「内側円筒体」に対応する実施構成の一例である。
【0034】
円筒体50は、図17ないし図21に示すように、軸線方向(図20における上下方向)の一端部に他の部分よりも大きな外径を有する拡径部50aを有している。また、円筒体50は、図20および図21に示すように、2つの袋小路孔52,54を有している。袋小路孔52,54は、大径孔52a,54aと、小径孔52b,54bと、を有する段付き孔である。大径孔52a,54aは、円筒体50の軸線方向のうち拡径部50aが配置された側に配置されている。大径孔52a,54aは、ブッシュBsh1,Bsh2は、当該ブッシュBsh1,Bsh2の後述する円筒部56a,57aの外径と同じか若干大きい内径を有している。また、拡径部50aは、図18および図19に示すように、凹部51を有している。凹部51は、円筒体50の軸線方向に向かって開口しており、軸線方向の一方側から見た形状が略8字状を有している。小径孔52b,54bは、円筒体50の軸線方向のうち拡径部50aが配置された側とは反対側、即ち、円筒体50の先端部(図20の上方)側に配置されている。また、小径孔52b,54bは、ガイドロッドGrd1,Grd2の外径よりも大きい内径を有している。
【0035】
カムローラCR,CRは、図18に示すように、軸部55a,55aと、当該軸部55a,55aに回転可能に支持されたローラ55b,55bと、を有している。カムローラCR,CRは、軸部55a,55aが拡径部50aに支持される。なお、カムローラCR,CRは、拡径部50aの外周において、180度の間隔をもって配置されている。カムローラCR,CRは、図19に示すように、円筒体50の軸線方向の一方側から見たときの仮想投影面上における軸部55a,55aの軸線の投影同士を結ぶ仮想直線VL1が、当該仮想投影面上における袋小路孔52,54の投影の中心同士を結ぶ仮想直線VL2に直交するように、円筒体50に配置されている。
【0036】
ブッシュBsh1,Bsh2は、図18および図21に示すように、円筒部56a,57aと、当該円筒部56a,57aに一体にされた鍔部56b,57bと、を有している。また、ブッシュBsh1,Bsh2は、円筒部56a,57aから鍔部56b,57bまで貫通する内孔56c,57cを有している。内孔56c,57cは、ガイドロッドGrd1,Grd2の外径よりも若干大きい内径を有している。ブッシュBsh1,Bsh2は、図21に示すように、円筒部56a,57aが大径孔52a,54aに嵌合されると共に、鍔部56b,57bが凹部51に嵌合された状態で円筒体50に一体に締結される。
【0037】
アウターソケット28は、図22および図23に示すように、略円筒形状の本体60と、当該本体60に内嵌されるストッパーリングSRと、本体60に外嵌されるカバー62と、を有している。アウターソケット28は、本発明における「外側円筒体」に対応する実施構成の一例である。
【0038】
本体60は、図22図24および図26に示すように、内孔60aと、スプロケットS1と、2本の螺旋溝Hg1,Hg2と、凹部64(図22および図26参照),65(図24および図26参照)と、を有している。内孔60aは、本体60を当該本体60の軸線方向に貫通している。内孔60aは、図26に示すように、リフトピン26の円筒体50の外径よりも大きい内径を有する挿通孔61aと、ストッパーリングSRの外径とほぼ同じか若干小さい内径を有する嵌合孔61bと、を有している。挿通孔61aと嵌合孔61bとは、段差部61cを介して接続されている。スプロケットS1は、本体60の軸線方向の一端部(図22ないし図26の上方)に配置されている。スプロケットS1は、本体60に一体にされている。螺旋溝Hg1,Hg2は、図22図24ないし図26に示すように、本体60の内孔60aから外周面まで貫通している。また、螺旋溝Hg1,Hg2は、本体60の軸線方向に延在している。さらに、螺旋溝Hg1,Hg2は、カムローラCR,CRのローラ55b,55bの外径とほぼ同じか若干大きい溝幅を有している。螺旋溝Hg1と螺旋溝Hg2とは、位相が180度異なるように配置されている。螺旋溝Hg1,Hg2は、カムローラCR,CRのローラ55b,55bの転動面を構成する。凹部64は、図22図23および図26に示すように、本体60の軸線方向の一端部(図22図23および図26の上方端部)、より具体的には、本体60の軸線方向の一端部において、当該軸線方向を向く端面に配置されている。凹部64は、本体60の軸線方向の一方側から見た形状が円環形状を有している。凹部64は、スラストベアリングSB1の外径とほぼ同じか若干大きい内径を有している。また、凹部65は、図24および図26に示すように、本体60の軸線方向の他端部(図24および図26の下方端部)、より具体的には、本体60の軸線方向の他端部において、当該軸線方向を向く端面に配置されている。凹部65は、本体60の軸線方向の一方側から見た形状が円環形状を有している。凹部65は、スラストベアリングSB2の外径とほぼ同じか若干大きい内径を有している。
【0039】
ストッパーリングSRは、図22に示すように、リング形状を有している。ストッパーリングSRは、図26に示すように、円筒体50の外径よりも若干大きく、拡径部52の外径よりも小さい内径を有している。カバー62は、リング形状を有する円環部62aと、円環部62aに一体にされた舌片62b,62bと、を有している。円環部62aは、本体60の外径とほぼ同じか若干小さい内径を有している。舌片62b,62bは、円環部62aの軸線方向の端面から当該軸線方向に延出している。舌片62b,62bは、円環部62aの円周方向において180度の間隔をもって配置されている。
【0040】
ガイドローラGR,GR,GR,GRは、図28および図29に示すように、ロアフレーム24の支持部40b,40b,40b,40bに回転可能に支持される。ガイドローラGR,GR,GR,GRは、アウターソケット28の本体60の外周面に当接している。これにより、ガイドローラGR,GR,GR,GRは、アウターソケット28の回転をガイドする。
【0041】
リフト位置検出センサSen1は、図30に示すように、螺旋溝Hg1,Hg2の上死点Tdcに対応する位置に配置され、リフト位置検出センサSen2は、螺旋溝Hg1,Hg2の下死点Bdcに対応する位置に配置される。リフト位置検出センサSen1,Sen2は、カムローラCR,CRを検出することで、リフトピン26の昇降位置を検出する。
【0042】
アクチュエータACTRは、図4に示すように、モータM3と、当該モータM3の図示しない回転軸に接続されたギヤ機構GMと、ギヤ機構GMの出力軸OSに一体にされたスプロケットS2と、を有している。スプロケットS2は、チェーンCHを介してスプロケットS1に接続されている。これにより、モータM2の動力は、ギヤ機構GM,スプロケットS2,チェーンCHおよびスプロケットS1を介してアウターソケット28に伝達される。即ち、アクチュエータACTRの駆動によって、アウターソケット28が回転される。アクチュエータACTRが、スプロケットS1,S2に巻き掛けられたチェーンCHによってアウターソケット28に接続される態様は、本発明における「外側円筒体に機械的に接続」される態様に対応する実施構成の一例である。
【0043】
次に、こうして構成されたリフト装置20の組付けについて説明する。まず、図31に示すように、ガイドロッドGrd1,Grd2をロアフレーム24の底壁41に取り付け固定すると共に、スラストベアリングSB2を底壁41の凸部41aにセットする。続いて、リフトピン26にアウターソケット28を外挿した状態のものを
【0044】
まず、図31に示すように、リフトピン26とアウターソケット28との組み付けを行う。リフトピン26とアウターソケット28との組み付けは、カムローラCR,CRが取り付けられていない状態のリフトピン26、即ち、円筒体50にブッシュBsh1,Bsh2のみを取り付けた状態のリフトピン26に、ストッパーリングSRを嵌合した状態のアウターソケット28を外挿し、当該アウターソケット28の径方向外方向から螺旋溝Hg1,Hg2を介してリフトピン26にカムローラCR,CRを組み付けると共に、アウターソケット28の凹部64の内周面とストッパーリングSRの外周面との間にスラストベアリングSB1を嵌合することにより行う。リフトピン26とアウターソケット28との組み付けが完了した際には、カムローラCR,CRが螺旋溝Hg1,Hg2の下死点Bdcに配置された状態、即ち、リフトピン26がアウターソケット28内に引っ込んだ状態としておく。
【0045】
こうしてリフトピン26とアウターソケット28との組み付けが完了すると、図31に示すように、ガイドロッドGrd1,Grd2をロアフレーム24の底壁41に取り付け固定すると共に、スラストベアリングSB2を底壁41の凸部41aにセットする。続いて、図31および図32に示すように、ブッシュBsh1,Bsh2を介して、リフトピン26とアウターソケット28とを組み付けたものをガイドロッドGrd1,Grd2に外挿する。このとき、スラストベアリングSB2の外周面がアウターソケット28の凹部65の内周面に嵌合される。これにより、アウターソケット28のロアフレーム24に対する位置決めがなされる。
【0046】
次に、図33に示すように、アッパーフレーム22をロアフレーム24に締結する。このとき、スラストベアリングSB1の外周面がアウターソケット28の凹部64の内周面に嵌合される。即ち、スラストベアリングSB1は、外周面がアウターソケット28の凹部64の内周面とアッパーフレーム22の凹部34bの内周面との両方に嵌合されると共に、内周面がストッパーリングSRの外周面に嵌合される。これにより、アウターソケット28のアッパーフレーム22に対する位置決めがなされる。
【0047】
最後に、図5に示すように、アクチュエータACTRをアッパーフレーム22およびロアフレーム24に取り付け固定すると共に、チェーンCHをアウターソケット28のスプロケットS1およびアクチュエータACTRのスプロケットS2に巻き掛けることで、リフト装置20の組付けが完了する。こうして組付けられたリフト装置20は、図1ないし図3に示すように、無人搬送車1の車体2に取り付けられる。
【0048】
フック装置10は、図示しないフックと、当該フックを駆動可能な図示しないアクチュエータと、を有している。フック装置10は、アクチュエータ(図示せず)が駆動されることで、フック(図示しない)を車体2の上面から突出する「牽引状態」と、車体2の上面から突出しない「非牽引状態」と、の間で状態を変化する。フック装置10は、図1に示すように、無人搬送車1の前進走行方向の後側、具体的には、自在輪8のやや前方の位置に配置されている。
【0049】
制御装置70は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。制御装置70には、床面に敷設された誘導帯(図示せず)を検出する図示しない走行センサからの検出信号や、図示しないマーカーを検出するマーカーセンサ(図示せず)からのコマンド信号、リフト位置検出センサSen1,Sen2からのリフト位置信号などが入力ポートを介して入力されている。また、制御装置70からは、ステアリングユニット4(モータM1)や駆動ユニット6(モータM2)への駆動制御信号や、リフト装置20のアクチュエータ(モータM3)への駆動制御信号、フック装置10(アクチュエータ)への駆動制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0050】
次に、こうして構成されたリフト装置20を搭載した無人搬送車1の動作、特に、リフト装置20によって台車90を持ち上げる際の動作について説明する。無人搬送車1が走行を開始すると、制御装置70のCPUは、図示しない走行センサからの検出信号や図示しないマーカーセンサからのコマンド信号を読み込み、無人搬送車1が誘導帯に沿って走行するようにステアリングユニット4や駆動ユニット6を駆動制御する処理を実行する。無人搬送車1が台車90を牽引可能な位置(図1参照)まで到達すると、当該位置に対応して床面に配置された図示しないマーカーをマーカーセンサが検出する。当該マーカーには、無人搬送車1の一時停止コマンド、リフト装置20およびフック装置10の駆動コマンド、および、無人搬送車1の再発進コマンドなどが記憶されている。マーカーセンサは、マーカーを検出すると制御装置70にコマンド信号を出力する。
【0051】
制御装置70のCPUは、マーカーセンサからのコマンド信号が入力されると、無人搬送車1を一時停止すると共に、リフト装置20のアクチュエータACTR、フック装置10の図示しないアクチュエータを駆動制御する。
【0052】
リフト装置20のアクチュエータACTR、具体的には、モータM3が駆動されることで、アウターソケット28が回転する。これにより、カムローラCR,CRが螺旋溝Hg1,Hg2を下死点Bdcから上死点Tdcに向かって上り方向(図33および図34の上方向)に転動して、リフトピン26がアウターソケット28から突出する方向(図34の上方向)に直線移動する(図35参照)。なお、リフトピン26の直線移動は、ブッシュBsh1,Bsh2を介してガイドロッドGrd1,Grd2によってガイドされるため、リフトピン26は円滑に直線移動することができる。この結果、図36に示すように、リフトピン26が台車90のフレームに当接して、台車90の少なくとも前輪92,92が床面Fから持ち上げられる。ここで、台車90の重量の一部は、リフト装置20を介してステアリングユニット4の操舵輪4a,4bや駆動ユニット6の駆動輪6a,6bに作用する。これにより、操舵輪4a,4bや駆動輪6a,6bのグリップ力が向上する。
【0053】
一方、フック装置10のアクチュエータ(図示せず)が駆動されることで、図示しないフックが台車90のフレームに係合する。そして、制御装置70のCPUは、リフト装置20によって台車90前輪92,92が床面Fから持ち上げられる共に、フック装置10のフック(図示せず)が台車90のフレームに係合されると、ステアリングユニット4のモータM1や駆動ユニット6のモータM2を駆動制御して、無人搬送車1を再発進させる。これにより、無人搬送車1は、少なくとも前輪92,92を床面Fから持ち上げられた状態で、台車90を牽引する。なお、制御装置70のCPUは、リフト位置検出センサSen2からのリフト位置信号が入力されたときに、リフト装置20による前輪92,92の床面Fからの持ち上げが完了したと判定する。
【0054】
ここで、リフト装置20、より具体的には、リフトピン26には、無人搬送車1の前進走行方向(図36の下方向)とは反対方向(図36の上方向)の外力(径方向の外力)が作用する。リフトピン26に作用する当該径方向の外力は、ブッシュBsh1,Bsh2を介してガイドロッドGrd1,Grd2によって受けられるため、カムローラCR、CRおよび螺旋溝Hg1,Hg2には作用しない。これにより、リフト装置20の径方向外力に対する耐力向上が実現され得る。この結果、リフト装置20のリフト性能、具体的には、リフトピン26の昇降性能が低下することを抑制することができる。
【0055】
なお、二本のガイドロッドGrd1,Grd2によって径方向外力を受けるため、一本のガイドロッドによって径方向外力を受ける構成に比べて、耐力向上を図ることができる。また、回り止め専用の部品を用いたり、回り止め専用の形状をリフトピン26に採用したりすることなく、リフトピン26の回転を防止することができるため、耐力向上と、部品点数削減や構造簡素化と、の両立を図ることができる。
【0056】
本実施形態では、チェーンCHを介してアウターソケット28とアクチュエータACTRとを接続したが、これに限らない。例えば、ベルトを介してアウターソケット28とアクチュエータACTRとを接続する構成としても良いし、アウターソケット28がスプロケットS1に代えてギヤを有すると共にアクチュエータACTRがスプロケットS2に代えてギヤを有する構成として、当該ギヤ同士を直接噛み合わせることで、アウターソケット28とアクチュエータACTRとを接続する構成としても良い。
【0057】
本実施形態では、螺旋溝Hg1,Hg2は、アウターソケット28の本体60の内孔60aから外周面まで貫通する構成としたが、これに限らない。例えば、螺旋溝Hg1,Hg2は、アウターソケット28の本体60の外周面まで貫通せず、当該本体60の内周面に設けられた底面を有する溝(有底溝)としても良い。
【0058】
本実施形態では、二本のガイドロッドGrd1,Grd2を有する構成としたが、これに限らない。ガイドロッドは、一本であっても良いし、3本以上であっても良い。
【0059】
本実施形態では、リフト装置20は、無人搬送車1に搭載したが、これに限らない。例えば、リフト装置20は、単独で用いられても良いし、荷物などの対象物を昇降するための他の装置に搭載する構成としても良い。
【0060】
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。なお、本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。
【符号の説明】
【0061】
1 無人搬送車(無人搬送車)
2 車体
4 ステアリングユニット
4a 操舵輪
4b 操舵輪
6 駆動ユニット(駆動ユニット)
6a 駆動輪(駆動輪)
6b 駆動輪(駆動輪)
6c デフ装置
8 自在輪
10 フック装置
20 リフト装置(リフト装置)
22 アッパーフレーム(枠体)
24 ロアフレーム(枠体)
26 リフトピン(内側円筒体)
28 アウターソケット(外側円筒体)
30 側壁
30a 開口
30b 開口
32 側壁
32a 開口
32b 開口
34 上壁
34a 切欠き
34b 凹部
36 延在壁
36a 開口
38 支持片
40 主部
40a 凹部
40b 支持部
41 底壁(底板)
41a 凸部
42 延在壁
42a 開口
50 円筒体
50a 拡径部
51 凹部
52 袋小路孔
52a 大径孔
52b 小径孔
54 袋小路孔
54a 大径孔
54b 小径孔
55a 軸部(軸部)
55b ローラ
56a 円筒部
56b 鍔部
56c 内孔
57a 円筒部
57b 鍔部
57c 内孔
60 本体
60a 内孔
61a 挿通孔
61b 嵌合孔
61c 段差部
62 カバー
62a 円環部
62b 舌片
64 凹部
65 凹部
70 制御装置
90 台車(台車)
92 前輪(前輪)
94 中間輪
96 後輪(後輪)
F 床面(床面)
M1 モータ
M2 モータ(モータ)
M3 モータ
Grd1 ガイドロッド(ガイドロッド、第1ガイドロッド)
Grd2 ガイドロッド(ガイドロッド、第2ガイドロッド)
Bsh1 ブッシュ(ブッシュ、第1ブッシュ)
Bsh2 ブッシュ(ブッシュ、第2ブッシュ)
SB1 スラストベアリング
SB2 スラストベアリング
GR ガイドローラ
CR カムローラ(カムローラ)
BRKT ブラケット
Sen1 リフト位置検出センサ
Sen2 リフト位置検出センサ
ACTR アクチュエータ(駆動部)
SR ストッパーリング
S1 スプロケット
S2 スプロケット
Hg1 螺旋溝(螺旋溝)
Hg2 螺旋溝(螺旋溝)
GM ギヤ機構
OS 出力軸
CH チェーン
VL1 仮想直線
VL2 仮想直線
Tdc 上死点
Bdc 下死点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
【手続補正書】
【提出日】2023-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を持上げ可能なリフト装置であって、
底板を有する枠体と、
前記底板に直交するよう該底板に固定された第1ガイドロッドおよび該第1ガイドロッドに平行に配置された第2ガイドロッドと、
第1および第2ガイドロッドを包囲する円筒形状を有すると共に該第1および第2ガイドロッド上を該第1および第2ガイドロッドの軸線方向に摺動可能な内側円筒体と、
該内側円筒体の軸線方向に直交する方向に延在する軸部を有し、該軸部を介して前記内側円筒体に回転可能に支持された少なくとも1つのカムローラと、
前記枠体に回転可能に支持され、前記内側円筒体と前記第1および第2ガイドロッドとの隙間よりも大きな隙間を介して前記内側円筒体を包囲する円筒形状を有すると共に、少なくとも内周面に前記カムローラが係合可能な長手方向に延在する螺旋溝を有する外側円筒体と、
前記外側円筒体の外周面に当接可能に前記枠体に回転可能に支持された複数のガイドローラと、
該外側円筒体を回転可能に該外側円筒体に機械的に接続された駆動部と、
を備える
リフト装置。
【請求項2】
前記内側円筒体は、前記第1ガイドロッドが挿通される第1ブッシュと、前記第2ガイドロッドが挿通される第2ブッシュと、有しており、第1および第2ブッシュを介して前記第1および第2ガイドロッド上を該第1および第2ガイドロッドの軸線方向に摺動可能である
請求項1に記載のリフト装置。
【請求項3】
少なくとも2つの前輪および少なくとも2つの後輪を有する台車の下側に配置された状態で該台車を牽引可能な無人搬送車であって、
車体と、
少なくとも1つの駆動輪と、該駆動輪を駆動可能に該駆動輪に機械的に接続されたモータと、を有すると共に前記車体に配置された駆動ユニットと、
少なくとも前記前輪を床面から持ち上げ可能なよう前記車体に配置された請求項1または2に記載のリフト装置と、
を備える無人搬送車。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に係るリフト装置の好ましい形態によれば、対象物を持上げ可能なリフト装置が構成される。当該リフト装置は、底板を有する枠体と、当該底板に直交するように当該底板に固定された第1ガイドロッドおよび該第1ガイドロッドに平行に配置された第2ガイドロッドと、当該第1および第2ガイドロッドを包囲する円筒形状を有する内側円筒体と、当該内側円筒体の軸線方向に直交する方向に延在する軸部を有する少なくとも1つのカムローラと、枠体に回転可能に支持された外側円筒体と、当該外側円筒体の外周面に当接可能に枠体に回転可能に支持された複数のガイドローラと、外側円筒体を回転可能に当該外側円筒体に機械的に接続された駆動部と、を備えている。内側円筒体は、第1および第2ガイドロッド上を当該第1および第2ガイドロッドの軸線方向に摺動可能である。カムローラは、軸部を介して内側円筒体に回転可能に支持されている。そして、外側円筒体は、内側円筒体と第1および第2ガイドロッドとの隙間よりも大きな隙間を介して内側円筒体を包囲する円筒形状を有すると共に少なくとも内周面にカムローラが係合可能な長手方向に延在する螺旋溝を有している。本発明における「螺旋溝」は、底面を有する溝のみならず、底面を有さない溝、即ち、開口を好適に包含する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明によれば、内側円筒体と外側円筒体とが入れ子になっているため、装置のリフト方向のコンパクト化を図ることができる。また、駆動部によって外側円筒体を回転するのみで、内側円筒体を外側円筒体に対して出没可能であるため、簡易な構成で対象物を昇降することができる。さらに、ガイドロッドが内側円筒体に作用する径方向の外力を受けるため、当該径方向の外力がカムローラおよび螺旋溝に作用することを良好に抑制することができる。これにより、径方向の外力に対する耐力向上を図ることができる。この結果、内側円筒体の昇降性能が低下することを抑制することができる。なお、一本のガイドロッドにより径方向の外力を受ける構成に比べて、耐力向上を図ることができる。また、専用部品や専用形状を採用することなく内側円筒体の外側円筒体に対する相対回転を防止することができる。こにより、耐力向上と、部品点数削減や構造簡素化と、の両立を図ることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係るリフト装置の更なる形態によれば、内側円筒体は、第1ガイドロッドが挿通される第1ブッシュと、第2ガイドロッドが挿通される第2ブッシュと、を有している。そして、内側円筒体は、当該第1および第2ブッシュを介して第1および第2ガイドロッド上を当該第1および第2ガイドロッドの軸線方向に摺動可能である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
円筒体50は、図17ないし図21に示すように、軸線方向(図20における上下方向)の一端部に他の部分よりも大きな外径を有する拡径部50aを有している。また、円筒体50は、図20および図21に示すように、2つの袋小路孔52,54を有している。袋小路孔52,54は、大径孔52a,54aと、小径孔52b,54bと、を有する段付き孔である。大径孔52a,54aは、円筒体50の軸線方向のうち拡径部50aが配置された側に配置されている。大径孔52a,54aは、ブッシュBsh1,Bsh2の後述する円筒部56a,57aの外径と同じか若干大きい内径を有している。また、拡径部50aは、図18および図19に示すように、凹部51を有している。凹部51は、円筒体50の軸線方向に向かって開口しており、軸線方向の一方側から見た形状が略8字状を有している。小径孔52b,54bは、円筒体50の軸線方向のうち拡径部50aが配置された側とは反対側、即ち、円筒体50の先端部(図20の上方)側に配置されている。また、小径孔52b,54bは、ガイドロッドGrd1,Grd2の外径よりも大きい内径を有している。