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  • 特開-操舵装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092692
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】操舵装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 6/00 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
B62D6/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207856
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】永野 貴宣
【テーマコード(参考)】
3D232
【Fターム(参考)】
3D232CC20
3D232DA04
3D232DA50
3D232DA76
3D232DA84
3D232DC08
3D232DC33
3D232DC34
3D232DC35
3D232DD01
3D232DD06
3D232DD17
3D232DE03
3D232EA01
3D232EB05
3D232GG01
(57)【要約】
【課題】車両の荷重が大きく変化した場合でも操舵を安定させる。
【解決手段】転舵輪220を転舵する転舵機構150と、転舵機構150を制御する転舵制御装置130と、を備える操舵装置であって、転舵制御装置130は、目標舵角を取得する目標舵角取得部131と、転舵輪220にかかる荷重を示す荷重値を取得する荷重値取得部132と、目標舵角と、転舵輪の実舵角とが一致するように転舵機構150が備えるアクチュエータに対しフィードバック制御を行うフィードバック制御部133と、荷重値に応じてフィードバック制御部133が用いるフィードバックゲインを更新させるゲイン更新部134と、を備える操舵装置100。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転舵輪を転舵する転舵機構と、前記転舵機構を制御する転舵制御装置と、を備える操舵装置であって、
前記転舵制御装置は、
目標舵角を取得する目標舵角取得部と、
前記転舵輪にかかる荷重を示す荷重値を取得する荷重値取得部と、
前記目標舵角と、前記転舵輪の実舵角とが一致するように前記転舵機構が備えるアクチュエータに対しフィードバック制御を行うフィードバック制御部と、
前記荷重値に応じて前記フィードバック制御部が用いるフィードバックゲインを更新させるゲイン更新部と、を備える
操舵装置。
【請求項2】
前記転舵機構は、アクチュエータとして電動アクチュエータ、および油圧アクチュエータを備え、
前記フィードバック制御部は、電動アクチュエータ、および油圧アクチュエータにより前記転舵輪の実舵角に基づき前記電動アクチュエータに対してフィードバック制御を行う
請求項1に記載の操舵装置。
【請求項3】
前記目標舵角取得部は、
目標舵角を自動運転装置から取得する
請求項1または2に記載の操舵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実舵角が目標舵角に合致するようにフィードバック制御を行う操舵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目標転舵角に対して実舵角が合致するように転舵輪の転舵を制御する操舵装置において、車両の荷重が大きいほど、転舵角の変化量である転舵量を大きくする技術が存在している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-206275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、転舵量を変化させることによりある程度安定した走行が可能になるが、車両の荷重の変化が大きくなった場合、転舵量の変化だけでは車両の走行安定性を確保することが困難になることを発明者は見出すに至った。
【0005】
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、車両の荷重が大きく変化した場合でも走行中の車両挙動の変化幅を小さくし、より安定した走行を可能とする操舵装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の1つである操舵装置は、転舵輪を転舵する転舵機構と、前記転舵機構を制御する転舵制御装置と、を備える操舵装置であって、前記転舵制御装置は、目標舵角を取得する目標舵角取得部と、前記転舵輪にかかる荷重を示す荷重値を取得する荷重値取得部と、前記目標舵角と、前記転舵輪の実舵角とが一致するように前記転舵機構が備えるアクチュエータに対しフィードバック制御を行うフィードバック制御部と、前記荷重値に応じて前記フィードバック制御部が用いるフィードバックゲインを更新させるゲイン更新部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、転舵輪の回転軸に加わる荷重の大きさに応じてフィードバックゲインを調整し、目標舵角に基づく車両の安定した操舵を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】操舵装置を備えるステアリングシステムを模式的に示す図である。
図2】転舵制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】フィードバック制御部、およびゲイン更新部の具体的構成の一例を示すブロック図である。
図4】操舵装置を備えるステアリングシステムの別例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る操舵装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するために一例を挙示するものであり、本発明を限定する主旨ではない。例えば、以下の実施の形態において示される形状、構造、材料、構成要素、相対的位置関係、接続状態、数値、数式、方法における各段階の内容、各段階の順序などは、一例であり、以下に記載されていない内容を含む場合がある。また、平行、直交などの幾何学的な表現を用いる場合があるが、これらの表現は、数学的な厳密さを示すものではなく、実質的に許容される誤差、ずれなどが含まれる。また、同時、同一などの表現も、実質的に許容される範囲を含んでいる。
【0010】
また、図面は、本発明を説明するために適宜強調、省略、または比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状、位置関係、および比率とは異なる。また、図中に示す場合があるX軸、Y軸、Z軸は、図の説明のために任意に設定した直交座標を示している。つまりZ軸は、鉛直方向に沿う軸とは限らず、X軸、Y軸は、水平面内に存在するとは限らない。
【0011】
また、以下では複数の発明を一つの実施の形態として包括的に説明する場合がある。また、以下に記載する内容の一部は、本発明に関する任意の構成要素として説明している。
【0012】
図1は、操舵装置を備えるステアリングシステムを模式的に示す図である。ステアリングシステム200は、目標舵角に応じて転舵輪220を転舵し、ステアリングシステム200が搭載される車両の走行方向を操作するシステムである。ステアリングシステム200は、操舵装置100と、操作入力手段210と、自動運転装置250と、を備えている。
【0013】
操作入力手段210は、ステアリングホイール等の操作部材211を運転者が操作し、運転者が意図する目標舵角を出力する装置である。本実施の形態の場合、図1に示すように、操作入力手段210は、操作部材211と、操作軸体212と、目標舵角検出手段213と、を備えている。なお、操作入力手段210は、さらに、トルク検出装置、反力装置などを備えても構わない。
【0014】
操作軸体212は、操作部材211に機械的に連結され、操作部材211の操作に応じて回転する棒状の部材である。本実施の形態の場合、操作軸体212は、反力手段に接続され、操作部材211を操作する運転者に対し運転状態に応じた操舵感覚などを付与する反力が加えられる。
【0015】
操作軸体212と転舵機構150との接続態様は、特に限定されるものではない。例えば、操作軸体212は、操舵軸体119を介してピニオンシャフト151に機械的に連結されてもよく、また自動運転中においては、クラッチなどを用いて操作軸体212とピニオンシャフト151との機械的連結を切り離しても構わない。本実施の形態の場合、操作軸体212と転舵機構150とは機械的に連結されておらず、ステアリングシステム200は、いわゆるリンクレスステア・バイ・ワイヤシステムとなっている。
【0016】
目標舵角検出手段213は、操作部材211の回転角を検出し、目標舵角として出力する装置である。本実施の形態の場合、目標舵角検出手段213は、操作軸体212の回転を操作部材211の回転として検出している。目標舵角検出手段213の種類は、特に限定されるものではないが、例えばレゾルバ、ロータリーエンコーダなどを例示できる。
【0017】
自動運転装置250は、ステアリングシステム200が搭載されている車両を自動運転するためのECU(Electronic Control Unit)の1つである。本実施の形態の場合、自動運転装置250は、車両外部の障害物、道路上の白線、信号などに関する情報を、例えばカメラ251、レーザーライダー252などのセンサから取得し、取得した情報に基づき自動運転に対応した目標舵角を逐次生成して操舵装置100の転舵制御装置130に出力する。
【0018】
操舵装置100は、目標舵角に基づいて転舵輪220を転舵し、車両を走向する装置であり、転舵機構150と、転舵制御装置130と、を備えている。
【0019】
転舵機構150は、アクチュエータを備え、アクチュエータが発生させる力により転舵輪220を転舵させる機構である。転舵機構150の具体的な構造は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、ピニオンシャフト151と、ラックシャフト152と、タイロッド153と、を備えるラック・アンド・ピニオン機構が採用されている。転舵機構150は、アクチュエータとして電動アクチュエータ111と、油圧アクチュエータ140と、を備えている。
【0020】
ピニオンシャフト151は、ラックシャフト152に設けられたラックと噛合うピニオンを備えた棒状の部材である。ピニオンシャフト151は、操舵装置100に連結されており、モータなどの電動アクチュエータ111からトルクが付与されて回転し、ラックシャフト152の軸方向にラックシャフト152を移動させる。
【0021】
ラックシャフト152は、外周面の一部にピニオンシャフト151と噛み合うラックが設けられ、ピニオンシャフト151の回転を、ラックシャフト152の軸方向の移動量に変換し、タイロッド153を介して転舵輪220を旋回させる部材である。ラックシャフト152には、油圧アクチュエータ140が接続されており、油圧によって転舵輪220を転舵するためのアシスト力が付与される。ラックシャフト152は、車体に取り付けられたラックハウジング内に収容され、ラックハウジングによりラックシャフト152の移動が案内されている。
【0022】
電動アクチュエータ111は、転舵機構150に操舵軸体119を介して接続され、転舵機構150に第一トルクを付与する装置である。本実施形態の場合、電動アクチュエータ111は、減速機112に接続され、電動アクチュエータ111の出力軸体は、減速機112を介して操舵軸体119に連結されている。電動アクチュエータ111が転舵機構150に付与するトルクである第一トルクは、油圧アクチュエータ140が転舵機構150に付与するアシスト力よりもかなり小さい。例えば、転舵輪220を転舵させる力のほとんどは油圧転舵力であり、第一トルクは、転舵輪220の舵角、および転舵方向を制御するための制御力として転舵機構150に伝達される程度である。
【0023】
本実施の形態の場合、減速機112の出力軸には、回転角検出手段113が取り付けられている。回転角検出手段113は、操舵軸体119の回転角を検出し、検出回転角として転舵制御装置130に出力する装置である。回転角検出手段113の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、電動アクチュエータ111の出力軸と共に回転する主歯車と、主歯車に噛み合う径の異なる二つの従動歯車とを備え、従動歯車にそれぞれ備えられた永久磁石の回転をホール素子などで検出することにより出力軸の回転角度ばかりでなく回転方向も検出できるものとなっている。
【0024】
油圧アクチュエータ140は、ピニオンシャフト151の回転角などに応じて油圧を調整し、ラックシャフト152にラックシャフト152の軸方向の力をアシスト力として付与する。油圧アクチュエータ140は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、パワーシリンダ141と、ロータリーバルブ142と、オイルポンプ143と、リザーバタンク144とを備えている。
【0025】
パワーシリンダ141は、ピストン145によって二つの空間に隔てられたシリンダ146を備え、二つの空間のそれぞれに充填された油の油圧が調整されることによりピストン145がラックシャフト152の軸方向に移動する。ピストン145は、ラックシャフト152に連結されており、ピストン145からラックシャフト152に移動方向の力が付与される。
【0026】
ロータリーバルブ142は、ピストン145によって隔てられた二つの空間にそれぞれ供給される油圧を調整する装置である。ロータリーバルブ142の構造は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、ピニオンシャフト151と操舵装置100との間の操舵軸体119に介在配置されるトーションバー(不図示)を備えている。ロータリーバルブ142は、トーションバーの捩れによって生じる内側バルブと外側バルブとの相対移動に応じ、オイルポンプ143から圧送される油を、ピストン145によって隔てられた二つの空間の一方に供給する量を調整すると共に、他方の空間の余剰油をリザーバタンク144に還流する量を調整することにより、ピストン145の動作を制御している。
【0027】
図2は、転舵制御装置の機能構成を示すブロック図である。転舵制御装置130は、目標舵角に応じた転舵輪220の実舵角となるように電動アクチュエータ111を制御する装置であり、ECUの1つである。転舵制御装置130は、プロセッサを備え、プロセッサにプログラムを実行させることにより実現される処理部として、目標舵角取得部131と、荷重値取得部132と、フィードバック制御部133と、ゲイン更新部134と、を備えている。なお、転舵制御装置130の処理部の一部、または全部を、半導体素子などを組み合わせた回路により構成してもかまわない。
【0028】
目標舵角取得部131は、車両を走向するための目標となる舵角を示す情報である目標舵角を取得する。目標舵角取得部131の目標舵角の取得先は、特に限定されるものではなく、例えば操作入力手段210の目標舵角検出手段213から取得してもよく、自動運転装置250から目標舵角を取得してもかまわない。本実施の形態の場合、目標舵角取得部131は、自動運転装置250から目標舵角を取得している。
【0029】
荷重値取得部132は、転舵輪220にかかる荷重を示す情報である荷重値を取得する。荷重値の取得先は、特に限定されるものではなく、例えば転舵輪220が取り付けられているフロント軸の軸荷重(いわゆるフロント軸重)を測定するセンサからの信号を荷重値として取得してもかまわない。また、フロントサスペンションの撓み量を測定するセンサからの信号を荷重値として取得してもかまわない。また、乗降者の数の差分、着座センサから得られる搭乗者の数、搭載した荷物の荷重などを荷重値として取得してもかまわない。
【0030】
フィードバック制御部133は、目標舵角取得部131が取得した目標舵角と、回転角検出手段113が出力した検出回転角に基づき転舵輪220の実舵角とを取得し、取得した目標舵角と実舵角とが一致するように電動アクチュエータ111に対しフィードバック制御を行う。
【0031】
図3は、フィードバック制御部、およびゲイン更新部の具体的構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態の場合、フィードバック制御部133は、PID制御(Proportional-Integral-Differential Controll)によりフィードバック制御を行っている。
【0032】
本実施の形態の場合、フィードバック制御部133は、電動アクチュエータ111、および油圧アクチュエータ140からなるアクチュエータにより転舵される転舵輪220の実舵角に基づき電動アクチュエータに対してフィードバック制御を行っている。実舵角は、回転角検出手段113から取得した検出回転角から推定してもよく、センサにより得られた実舵角を用いてもかまわない。
【0033】
ゲイン更新部134は、荷重値取得部132が取得した荷重値に応じてフィードバック制御部133が用いるフィードバックゲインを更新させる。ゲイン更新部134によるフィードバックゲインの更新方法は、限定されるものではなく、例えば、取得する荷重値が大きくなるに従いフィードバックゲインを大きくしてもかまわない。本実施形態の場合、フィードバック制御部133は、PIDによるフィードバック制御を行っており、ゲイン更新部134は、異なるフィードバックゲイン(PIDゲイン)を規定したマップを複数種類備えている。フィードバック制御部133は、取得した荷重値を複数の異なる閾値で判断し、所定の範囲に対応したマップをフィードバック制御部133に与えて電動アクチュエータ111の制御状態を更新している。具体的に例えば、ゲイン更新部134は、荷重値が第一閾値以上の場合に適用するフィードバックゲインのマップであるPID_1、荷重値が第一閾値未満、第二閾値以上の場合に適用するフィードバックゲインのマップであるPID_2、荷重値が第二閾値未満の場合に適用するフィードバックゲインのマップであるPID_3を備え、閾値判断によりフィードバック制御部133のフィードバックゲインを段階的に更新する。
【0034】
なお、ゲイン更新部134は、異なるフィードバックゲインをフィードバック制御部133に付与してフィードバックゲインを更新する際に、更新前のフィードバックゲインから更新後のフィードバックゲインに所定の時間内で徐々に変化するようにフィードバックゲインを変化させながら更新させる徐変部を備えている。ゲイン更新部134が徐変部を備えることにより複数のフィードバックゲインを示すマップによりフィードバック制御部133のフィードバックゲインを更新する際の急峻な制御状態の変化を緩和する事ができる。
【0035】
本実施の形態に係る操舵装置100によれば、転舵輪220が接続される軸体であるフロント軸の荷重値に基づいてフィードバックゲインを更新するため、車両の空車や積車の違いによる車両総重量の変化が大きくなっても、自動操舵時における転舵角の追従性を安定させることが可能となる。これにより、軽トラック、商用バン、中大型トラック、バスなど比較的重量の変化が大きい車両において、積載量、搭乗者の数の増減による自動運転中の車両の走向挙動の変化幅が小さくなり、より安定した自動運転が可能となる。
【0036】
特に、電動アクチュエータ111が発生する力よりも大きな力を発生させる油圧アクチュエータ140により転舵をアシストする転舵機構150においては、電動アクチュエータ111に対するフィードバックゲインを荷重値に基づき変化させることで、目標舵角に対する実舵角の追従性を向上させ、自動運転における走行安定性を向上させることが可能となる。
【0037】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0038】
例えば、上記実施の形態では、アクチュエータとして電動アクチュエータ111と油圧アクチュエータ140とを備える転舵機構150を説明したが、操舵装置100は、これに限定されるものではない。例えば図4に示すように、転舵機構150は、電動アクチュエータ111のみを備えるものでもかまわない。
【0039】
また、電動アクチュエータ111は、複数の転舵輪220を個別に転舵するものでもかまわない。この場合、転舵制御装置130は、それぞれの電動アクチュエータ111に対してフィードバック制御を行い、それぞれの転舵輪220に加わる荷重を示す複数の荷重値に基づきフィードバックゲインを更新してもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、車両、特に、重量の変化が大きい大型車両、農業用車両、建設用車両などに利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
100…操舵装置、111…電動アクチュエータ、112…減速機、113…回転角検出手段、119…操舵軸体、130…転舵制御装置、131…目標舵角取得部、132…荷重値取得部、133…フィードバック制御部、134…ゲイン更新部、140…油圧アクチュエータ、141…パワーシリンダ、142…ロータリーバルブ、143…オイルポンプ、144…リザーバタンク、145…ピストン、146…シリンダ、150…転舵機構、151…ピニオンシャフト、152…ラックシャフト、153…タイロッド、200…ステアリングシステム、210…操作入力手段、211…操作部材、212…操作軸体、213…目標舵角検出手段、220…転舵輪、250…自動運転装置、251…カメラ、252…レーザーライダー
図1
図2
図3
図4