(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092730
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】光学系及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 15/20 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
G02B15/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207918
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】坂井 隆彦
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087MA16
2H087NA07
2H087PA12
2H087PA13
2H087PA14
2H087PA16
2H087PA19
2H087PA20
2H087PB16
2H087PB17
2H087PB18
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA17
2H087QA22
2H087QA26
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA36
2H087RA44
2H087SA57
2H087SA62
2H087SA63
2H087SA64
2H087SA65
2H087SA66
2H087SB05
2H087SB06
2H087SB14
2H087SB23
2H087SB24
2H087SB35
2H087SB42
(57)【要約】
【課題】小型化及び軽量化を図りつつ、ズーム域全域において結像性能の高いズームレンズ及び撮像装置を提供する。
【解決手段】 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、後群(G6)とから構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、所定の条件式を満足させる。また、撮像装置は、当該ズームレンズと撮像素子とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群と、1以上のレンズ群を有する後群とから構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
(1) 6.05 ≦ β2t/β2w ≦ 15.00
但し、
β2w:前記第2レンズ群の広角端における無限遠合焦時の横倍率
β2t:前記第2レンズ群の望遠端における無限遠合焦時の横倍率
【請求項2】
ズーミングに際して、前記第4レンズ群の移動量と、前記後群に含まれるレンズ群のうち少なくともいずれか一のレンズ群の移動量とが等しいことを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記第4レンズ群は、物体側から順に配置される正レンズと、負レンズと、正レンズと、負レンズとから構成される請求項1又は請求項2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記第4レンズ群において最も物体側に配置される前記正レンズは非球面を有する請求項3に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記第3レンズ群は、物体側から順に、正の屈折力を有する第3a群と、負の屈折力を有する第3b群とから構成され、
前記第3b群は、光軸に対して垂直方向に移動可能に構成されており、
以下の条件を満足する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
(2) 0.28 < f3B/f3 < 1.35
但し、
f3B:前記第3b群の焦点距離
f3 :前記第3レンズ群の焦点距離
【請求項6】
当該ズームレンズ内に開口絞りを有し、
当該開口絞りより像面側に、無限遠から有限距離物体にフォーカシングする際に光軸に沿って移動するフォーカスレンズ群を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記フォーカスレンズ群は、以下の条件を満足する請求項6に記載のズームレンズ。
(3)0.25 < Dwif/Dw < 0.44
但し、
Dwif:広角端における無限遠合焦時の前記開口絞りと前記フォーカスレンズ群との間の光軸上の距離
Dw :広角端における当該ズームレンズの光学全長
【請求項8】
前記フォーカスレンズ群は負レンズ1枚のみから構成され、
以下の条件を満足する請求項6又は請求項7に記載のズームレンズ。
(4) nd > 1.83
(5) νd > 30
但し、
nd:前記フォーカスレンズ群を構成する前記負レンズのd線における屈折率
νd:前記フォーカスレンズ群を構成する前記負レンズのd線におけるアッベ数
【請求項9】
前記第5レンズ群は無限遠から有限距離物体にフォーカシングする際に移動するフォーカスレンズ群である請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、光学系及び撮像装置に関し、特に、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の固体撮像素子(CCDやCMOS等)を用いた撮像装置に好適な光学系及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、一眼レフレックスカメラ、一眼ノンレフレックスカメラ等の種々の固体撮像素子を用いた撮像装置が普及している。これらの撮像装置に用いる撮像光学系として、広い撮像画角をカバーすることができ、高解像度で小型のズームレンズが求められている。また、そのようなズームレンズにおいて、高速かつ高精度なオートフォーカスの実現も求められている。
【0003】
近年、静止画だけでなく動画撮像機能を有する撮像装置も広く普及している。静止画撮像時には位相差方式によるオートフォーカスを採用する場合も、動画撮像時にはコントラスト方式を採用することが行われている。例えば、一部のレンズ群(フォーカスレンズ群)を光軸方向に高速に振動(ウォブリング)させながら、非合焦状態、合焦状態を作り出し、撮像素子の出力信号から一部の画像領域のある周波数帯の信号成分を検出し、合焦状態となるフォーカスレンズ群の最適位置を求め、その最適位置にフォーカス群を移動させるといった一連の動作を繰り返すことで、動画撮像時にも連続的に被写体にオートフォーカスすることが可能になる。
【0004】
しかしながら、ウォブリング時に被写体に対応する画像の大きさが変化する場合がある。これは主に、フォーカスレンズ群の光軸方向への移動によりレンズ系全体の焦点距離が変化することに起因するものである。ウォブリングによる画角の変動が大きい場合には撮像画像等に違和感が生じる場合がある。この違和感を軽減させる為には絞りに対して後方のレンズ群をフォーカスレンズ群とすることが考えられる。ノンレフレックスカメラの小型化が進みズームレンズ自体の小型化が要望されていることからフォーカスレンズ群の小型化及び軽量化が求められているのは勿論のこと、動画撮像時にフォーカス群を高速に且つ連続的に駆動させるには、フォーカスレンズ群の一層の小型化及び軽量化が望まれている。
【0005】
ところで、従来、光学像を受光して電気的な画像信号に変換する撮像センサにおいては、オンチップマイクロレンズ等で入射光の効率的な取り込みをする為の制限があり、その為レンズ側で射出瞳をある一定以上大きくして撮像センサへの入射光束のテレセントリック性を確保する事が望まれていた。しかしながら、近年の撮像センサでは開口率の向上やオンチップマイクロレンズの設計自由度の進歩があり、レンズ側に求められる射出瞳の制限も少なくなってきた。その為、従来はズームレンズのレンズ後方に正レンズ群を配置し、テレセントリック性を確保する為の各種発明がなされているが、近年はその限りではなくなってきており、レンズ後方に負レンズ群を配置して撮像センサに対する光束の斜入射があってもオンチップマイクロレンズとの瞳のミスマッチ等での周辺減光(シェーディング)が目立ちにくくなってきた。また、ソフトウェアやカメラシステムの進歩、向上もあり歪曲収差がある程度大きく、従来では目立つものであっても画像処理により補正する事も可能になってきている。
【0006】
このような背景下、例えば、特許文献1には、負正負正負正の6群からなり、第5レンズ群をフォーカスレンズ群とした広角ズームレンズが提案されている。特許文献1に開示の広角ズームレンズは一眼レフレックスカメラの撮像光学系として設計されたものであるため、光学全長に対してバックフォーカスが長い。そのため、当該広角ズームレンズを一眼ノンレフレックスカメラの撮像光学系として用いるには、光学全長は長く、小型化及び軽量化が十分に図れているとはいえない。そのため、フォーカスレンズ群の小型化及び軽量化も不十分である。
【0007】
また、特許文献2にも、負正負正負正の6群からなり、第5レンズ群をフォーカスレンズ群とした広角ズームレンズが提案されている。特許文献2に開示の広角ズームレンズは一眼ノンレフレックスカメラの撮像光学系として設計されたものであるため、光学全長に対してバックフォーカスが短く、小型及び軽量である。しかしながら、ズーム比が2倍程度と小さく、ズーム比に対して小型化及び軽量化が十分に図れているとはいえない。そのため、ズーム比の大きいズームレンズを実現しようとした場合、全体の大型化及び重量化と共に、フォーカスレンズ群の大型化及び重量化を招くことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4845993号公報
【特許文献2】特許第5699950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の課題は、小型化及び軽量化を図りつつ、ズーム域全域において結像性能の高いズームレンズ及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため本件発明に係るズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群と、1以上のレンズ群を有する後群とから構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の光軸上の間隔が変化するズームレンズであって、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(1) 6.05 ≦ β2t/β2w ≦ 15.00
但し、
β2w:前記第2レンズ群の広角端における無限遠合焦時の横倍率
β2t:前記第2レンズ群の望遠端における無限遠合焦時の横倍率
【0011】
また、上記課題を解決するために本件発明に係る撮像装置は、上記ズームレンズと、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本件発明によれば、小型化及び軽量化を図りつつ、ズーム域全域において結像性能の高いズームレンズ及び撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例1のズームレンズのレンズ断面図である。
【
図2】実施例1のズームレンズの広角端状態における収差図である。
【
図3】実施例1のズームレンズの中間焦点距離状態における収差図である。
【
図4】実施例1のズームレンズの望遠端状態における収差図である。
【
図5】本発明の実施例2のズームレンズのレンズ断面図である。
【
図6】実施例2のズームレンズの広角端状態における収差図である。
【
図7】実施例2のズームレンズの中間焦点距離状態における収差図である。
【
図8】実施例2のズームレンズの望遠端状態における収差図である。
【
図9】本発明の実施例3のズームレンズのレンズ断面図である。
【
図10】実施例3のズームレンズの広角端状態における収差図である。
【
図11】実施例3のズームレンズの中間焦点距離状態における収差図である。
【
図12】実施例3のズームレンズの望遠端状態における収差図である。
【
図13】本発明の実施例4のズームレンズのレンズ断面図である。
【
図14】実施例4のズームレンズの広角端状態における収差図である。
【
図15】実施例4のズームレンズの中間焦点距離状態における収差図である。
【
図16】実施例4のズームレンズの望遠端状態における収差図である。
【
図17】本発明の実施例5のズームレンズのレンズ断面図である。
【
図18】実施例5のズームレンズの広角端状態における収差図である。
【
図19】実施例5のズームレンズの中間焦点距離状態における収差図である。
【
図20】実施例5のズームレンズの望遠端状態における収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本件発明に係るズームレンズ及び撮像装置の実施の形態を説明する。但し、以下に説明するズームレンズ及び撮像装置は本件発明に係る光学系及び撮像装置の一態様であって、本件発明に係るズームレンズ及び撮像装置は以下の態様に限定されるものではない。
【0015】
1.ズームレンズ
1-1.光学構成
当該ズームレンズは、物体側から順に配置される、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群と、1以上のレンズ群を有する後群とから構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の光軸上の間隔が変化する。
【0016】
当該ズームレンズでは6群以上の多群構成とすることで、ズーミングの際の収差変動を抑制することが容易になり、撮像距離によらず高い結像性能を得ることが容易になる。また、当該ズームレンズでは最も物体側に負の屈折力を有する第1レンズ群を配置し、負先行型の屈折力配置とすることで、広画角化を図りつつバックフォーカスの短いズームレンズを実現することが容易になる。これらのことから、小型化及び軽量化を図りつつ、ズーム域全域において高い結像性能を得ることが容易になる。また、全体の小型化及び軽量化を図ることでフォーカスレンズ群についても小型化及び軽量化を図ることができ、迅速なオートフォーカスを実現することができる。
【0017】
各レンズ群の具体的なレンズ構成は特に限定されるものではないが、例えば、次のような構成を採用することも好ましい。
【0018】
(1)第1レンズ群
第1レンズ群は負の屈折力を有するため、1枚以上の負レンズを有する。第1レンズ群に含まれる負レンズのうち、少なくとも1枚は像側に凹形状のメニスカスレンズであることが好ましい。このようなレンズ形状の負レンズを含む構成とすることで、第1レンズ群に強い負の屈折力を配置しつつ、軸外光線が第1レンズ群を構成する各面を通過する際に強く屈曲することを防ぐことができる。そのため、像面湾曲や歪曲収差等の発生を小さくすることができ、像面特性の良好なズームレンズを得ることができる。また、像面特性を向上させる上で、第1レンズ群内のレンズのうち、少なくとも1枚は非球面を1面以上備えることが好ましい。また、当該第1レンズ群は、球面収差やコマ収差等の諸収差を良好に補正するため、少なくとも1枚の正の屈折力を有するレンズを有することが好ましい。
【0019】
(2)第2レンズ群
第2レンズ群は正の屈折力を有する限り、その具体的なレンズ構成等は特に限定されるものではない。第2レンズ群は正の屈折力を有するため、1枚以上の正レンズを有する。第2レンズ群を2枚の正レンズを含む構成とすれば、第2レンズ群に高ズーム比を実現する上で要求される強い正の屈折力を配置しつつ、像面湾曲や歪曲収差を抑制し、良好な結像性能を得ることが容易になる。また、物体側を凸面とすることで球面収差を抑制することができる。さらに負レンズを含む構成とすることで、球面収差をより良好に抑制することができる。
【0020】
(3)第3レンズ群
第3レンズ群は負の屈折力を有する限り、その具体的なレンズ構成等は特に限定されるものではない。第3レンズ群は負の屈折力を有するため、少なくとも1枚の負レンズを有する。また、正レンズを少なくとも1枚含む構成とすることにより、各種諸収差を補正する上で好ましい。
【0021】
当該ズームレンズにおいて、防振群の有無は特に限定されるものではないが、例えば、第3レンズ群を物体側から順に、正の屈折力を有する第3a群と、負の屈折力を有する第3b群とから構成し、第3b群を光軸方向に対して垂直方向に移動可能とし、手ぶれ等の振動時に第3b群を防振群として用いてもよい。なお、第3b群を防振群として用いる場合も第3a群及び第3b群の空気間隔はズーミングの際に変化しないものとする。
【0022】
(4)第4レンズ群
第4レンズ群は正の屈折力を有する限り、その具体的なレンズ構成等は特に限定されるものではない。第4レンズ群は正の屈折力を有するため、少なくとも1枚の正レンズを有する。また、第4レンズ群に要求される屈折力を確保しつつ、球面収差等の諸収差の発生を抑制する上で2枚以上の正レンズを含むことが好ましく、1枚以上の負レンズを含むことも好ましい。例えば、第4レンズ群を物体側から順に、正レンズ、負レンズ、正レンズ、負レンズから構成することで、球面収差等の諸収差を良好に補正することができ、結像性能の高いズームレンズを実現することがより容易になる。またこのように複数枚のレンズで第4レンズ群を構成することで、1枚のレンズが分担すべき屈折力が大きくなりすぎないようにすることができるため、組み立て時の偏芯誤差等の影響を小さくすることができる。
【0023】
また、第4レンズ群内のレンズのうち、少なくとも1枚は非球面を1面以上備えることが好ましい。特に、第4レンズ群の最も物体側に配置されるレンズが非球面を1面以上備えることが好ましい。このとき、第4レンズ群の最も物体側に配置されるレンズが上記のように正レンズであることがより好ましい。第4レンズ群に非球面を配置することで諸収差の補正を良好に行うことが可能になり、特に球面収差を良好に補正することが可能になる。
【0024】
(5)第5レンズ群
第5レンズ群は負の屈折力を有する限り、その具体的なレンズ構成等は特に限定されるものではない。第5レンズ群には、正の屈折量を有する第4レンズ群により収斂された光束が入射する。また第5レンズ群は当該ズームレンズにおいて像面側に配置されている。これらのことから第5レンズ群に入射する光線高さを低く抑制することができ、ズーミングの際の光線高さの変動も抑制することができる。そのため、第5レンズ群をフォーカスレンズ群とすれば、フォーカスレンズ群の小型化及び軽量化を図ることが容易であり、迅速なオートフォーカスを実現することが容易になる。また、光線高さの変動が少ないため、第5レンズ群をフォーカスレンズ群とすることで、ウォブリング時にも画角変動を抑制することができ、ライブビュー撮像や動画撮像などを良好に行うことが可能になる。
【0025】
また、第5レンズ群は負の屈折力を有する単一レンズエレメントのみから構成すると、第5レンズ群をフォーカスレンズ群としたときに、フォーカスレンズ群の軽量化及び小型化を図ることができ、迅速なオートフォーカスを実現する上で好ましい。なお、「単一のレンズエレメント」とは、1枚のレンズのみ、又は、複数枚のレンズを接合した一つの接合レンズのみから構成される要素をいう。
【0026】
(6)後群
当該ズームレンズにおいて後群は1以上のレンズ群を有する。すなわち、後群は1つのレンズ群のみから構成されていてもよいし、2つ以上のレンズ群から構成されていてもよい。後群は全体で正の屈折力を有していてもよいし、負の屈折力を有していてもよい。従って、後群を構成する各レンズ群についても正の屈折力を有していてもよいし、負の屈折力を有していてもよい。当該ズームレンズの小型化及び軽量化を図るという観点からは、後群は1つ又は2つのレンズ群から構成されることが好ましい。
【0027】
(7)開口絞り
当該ズームレンズ内には開口絞りが配置される。当該ズームレンズにおいて開口絞りの位置は特に限定されるものではないが、例えば、第1レンズ群の像面側から後群の物体面側までの間に配置されることが好ましい。特に、第2レンズ群よりも像面側に配置されることが好ましく、第5レンズ群よりも物体側に配置されることが好ましく、第4レンズ群よりも物体側に配置されることがさらに好ましい。
【0028】
1-2.動作
(1)ズーミング
当該ズームレンズは、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の光軸上の間隔を変化させることにより変倍する。各レンズ群はズーミングに際して、互いの光軸上の間隔が変化すればよく、ズーミングの際に全てのレンズ群を光軸に沿って移動させてもよいし、一部のレンズ群を光軸方向に固定し、他のレンズ群を光軸に沿って移動させるようにしてもよい。
【0029】
各レンズ群の移動の有無は特に限定されるものではなく、各レンズ群の移動の向きや移動量は適宜設定することができる。全てのレンズ群について、移動の有無や移動の向き、移動量を異なるものとしてもよいが、例えば、第4レンズ群を移動群とし、ズーミングの際の第4レンズ群の移動量と、第5レンズ群以降に配置されるレンズ群のうち少なくともいずれか一のレンズ群の移動量とを等しくすることが好ましい。第5レンズ群以降に配置されるレンズ群については、後群が1つのレンズ群から構成される場合第6レンズ群を意味し、後群が2つ以上のレンズ群から構成される場合、後群に含まれるレンズ群のうち少なくともいずれか一のレンズ群を意味する。当該ズームレンズは6群以上の多群構成を採用している。そのため、全てのレンズ群を撮像距離に応じて異なる移動量で移動させるようにすると、各レンズ群を駆動するための駆動機構が複雑になり、部品点数の増加を招き、全体が大型化する。また、駆動機構が複雑になったり、部品点数が増加すると製造誤差も生じやすくなるため、設計したとおりの結像性能を得ることが困難になる。そこで、第4レンズ群と、第5レンズ群以降に配置されるレンズ群のうち少なくともいずれか一のレンズ群とを同じ移動量で移動させるようにすれば、これらのレンズ群を同じレンズ枠に組み付けて移動させることができるため、駆動機構の簡素化、部品点数増加を抑制することができる。そのため多群構成とし、ズーミングの際の収差変動を抑制しつつ、全体を小型軽量に維持することが容易になる。
【0030】
(2)フォーカシング
当該ズームレンズにおいて、上記開口絞りより像面側に配置されるレンズ群を光軸に沿って移動させることで無限遠から有限距離物体にフォーカスすることが好ましい。このようにフォーカスレンズ群を開口絞りよりも像面側に配置することで、上記ウォブリングの際の画角変動を抑制することができる。特に、開口絞りを第5レンズ群よりも物体側に配置すると共に、第5レンズ群をフォーカスレンズ群とすることがウォブリング時の画角変動を抑制すると共にフォーカスレンズ群の小型化及び軽量化を図る上で好ましい。
【0031】
上述したとおり、第5レンズ群を単一レンズエレメントにより構成することで、第5レンズ群をフォーカスレンズ群としたときに、フォーカスレンズ群の小型化及び軽量化を図ることができるため、フォーカシングの際にフォーカスレンズ群を光軸に沿って移動させるためのアクチュエータ等の駆動機構の小型化及び軽量化を図ることができ、当該ズームレンズ全体の小型化及び軽量化を図ることができる。特に、フォーカスレンズ群は負レンズ1枚のみから構成されることが、より一層迅速なオートフォーカスを実現しつつ、当該ズームレンズのより一層の小型化及び軽量化を図る上で好ましい。
【0032】
1-3.条件式
当該ズームレンズは以下の条件式を一つ以上満足することが好ましい。
【0033】
1-3-1. 条件式(1)
(1) 6.05 ≦ β2t/β2w ≦ 15.00
但し、
β2w:第2レンズ群の広角端における無限遠合焦時の横倍率
β2t:第2レンズ群の望遠端における無限遠合焦時の横倍率
【0034】
条件式(1)は、第2レンズ群の広角端における無限遠合焦時の横倍率と第2レンズ群の望遠端における無限遠合焦時の横倍率との比を規定する式であり、ズーミングの際に第2レンズ群が担う変倍比を規定する式である。条件式(1)を満足させることにより、要求される所定のズーム比を確保しつつ、結像性能の良好なズームレンズを得ることができる。また、条件式(1)を満足させることで、第2レンズ群に配置する負の屈折力が適正な範囲内となり、組み立て時の偏芯誤差等により結像性能の低下が生じるのを抑制することができる。
【0035】
これに対して、条件式(1)の数値が下限値を下回ると第2レンズ群に配置される負の屈折力が小さくなり、要求される所定のズーム比を確保するには、ズーミングの際の第2レンズ群の移動量を増加させる必要がある。そのため、要求されるズーム比を確保することが困難である。或いは、当該ズームレンズの光学全長が長くなるため、当該ズームレンズを小型に維持することが困難になる。一方、条件式(1)の数値が上限値を上回ると、第2レンズ群に配置される負の屈折力が大きくなりすぎ、組み立て時の偏芯誤差等による結像性能への影響が大きくなり、設計とおりの結像性能を得る上での製造上の難易度が高くなり好ましくない。
【0036】
上記効果を得る上で、条件式(1)の下限値は6.17であることがより好ましく、6.50であることがさらに好ましい。また、条件式(1)の上限値は13.00であることがより好ましく、10.00であることがさらに好ましい。なお、これらの好ましい値を採用する際に条件式(1)において等号付不等号(≦)を不等号(<)に置換してもよい。その他の条件式においても同様であり、その他の条件式が不等号で表されている場合は、不等号を等号付不等号に置換してもよい。
【0037】
1-3-2. 条件式(2)
当該ズームレンズにおいて、第3レンズ群を上記のとおり物体側から順に正の屈折力を有する第3a群と、負の屈折力を有する第3b群とから構成し、第3b群を防振群として用いる場合、以下の条件式(2)を満足させることが好ましい。
(2) 0.28 < f3B/f3 < 1.35
但し、
f3B:第3b群の焦点距離
f3 :第3レンズ群の焦点距離
【0038】
上記条件式(2)は、第3b群の焦点距離と第3レンズ群の焦点距離との比を規定する式である。条件式(2)を満足させることにより、防振群とする第3b群の屈折力が適正な範囲となる。そのため、防振時に第3b群を光軸に対して垂直方向に移動させたとき、すなわち、第3b群を偏芯させたときに、偏芯コマ収差及び偏芯非点収差の発生を抑制することができ、防振時の結像性能の劣化を抑制することができる。また、防振時における第3b群の移動量を適正な範囲に抑制することができるため、防振駆動機構の負荷を軽減し、防振駆動機構の小型化及び軽量化を図ることができる。従って、当該ズームレンズに防振機能を持たせたときも、当該ズームレンズを小型軽量に維持しつつ、防振時の結像性能を良好に維持することができる。
【0039】
これに対して、条件式(2)の数値が下限値以下になると、第3b群の屈折力が強くなりすぎ、第3b群を偏芯させたときに生じる偏芯コマ収差、非点収差が大きくなるため、防振時における結像性能の低下を招き、好ましくない。一方、条件式(2)の数値が上限値以上になると、第3レンズ群に配置される負の屈折力が弱くなりすぎ、防振時の第3bレンズ群の移動量が大きくなる。その結果、防振駆動機構の負荷が大きくなるため、防振駆動機構の大型化を招き、鏡筒含め当該ズームレンズ全体の小型化を図ることが困難になるため、好ましくない。
【0040】
上記効果を得る上で、条件式(2)の下限値は0.29であることがより好ましく、0.30であることがさらに好ましい。また、条件式(2)の上限値は1.17であることがより好ましく、0.90であることがさらに好ましい。
【0041】
1-3-3. 条件式(3)
当該ズームレンズにおいて、開口絞りの像面側に配置されるレンズ群をフォーカスレンズ群とする場合、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
(3)0.25 < Dwif/Dw < 0.44
但し、
Dwif:広角端における無限遠合焦時の開口絞りとフォーカスレンズ群との間の光軸上の距離
Dw :広角端における当該ズームレンズの光学全長
【0042】
上記条件式(3)は広角端における無限遠合焦時の開口絞りとフォーカスレンズ群の位置関係を規定する式である。条件式(3)を満足させることにより、ウォブリング時の画角変動を抑制することができ、ライブビュー撮像や動画撮像などを良好に行うことが可能になる。但し、光学全長とは光学系の最も物体側の面頂点から像面までの光軸上の距離をいう。
【0043】
これに対して、条件式(3)の数値が下限値以下になると、ウォブリング時の画角変動が大きくなり、ライブビュー撮像や動画撮像時に画像に違和感を生じさせる場合があり好ましくない。一方、条件式(3)の数値が上限値以上になると、開口絞りよりも像面側に配置されるレンズ群の大型化を招き好ましくない。
【0044】
上記効果を得る上で、条件式(3)の下限値は0.26であることがより好ましく、0.27であることがさらに好ましい。また、条件式(3)の上限値は0.38であることがより好ましく、0.29であることがさらに好ましい。
【0045】
1-3-4. 条件式(4)及び条件式(5)
当該ズームレンズにおいてフォーカスレンズ群を負レンズ1枚のみから構成する場合、以下の条件式(4)及び条件式(5)を満足することが好ましい。
(4) nd > 1.83
(5) νd > 30
但し、
nd:上記負レンズのd線における屈折率
νd:上記負レンズのd線におけるアッベ数
【0046】
上記条件式(4)は、フォーカスレンズ群を成す負レンズのd線における屈折率を規定する式であり、上記条件式(5)はフォーカスレンズ群を成す負レンズのd線におけるアッベ数を規定する式である。条件式(4)及び条件式(5)を満足する負レンズによりフォーカスレンズ群を構成することで、当該フォーカスレンズ群に十分な屈折力を確保しつつ、色収差の抑制が可能となる。そのため、フォーカシングの際のフォーカスレンズ群の移動量を小さく抑制することができ、色収差補正のためのレンズ枚数の増加を抑制し、当該ズームレンズの小型化及び軽量化を図りつつ、良好な結像性能を実現することが容易になる。
【0047】
これに対して、条件式(4)の数値が下限値以下になるとフォーカスレンズ群の屈折力が弱くなり、当該フォーカスレンズ群をこの1枚の負レンズで構成した場合、フォーカシングの際の移動量を大きくする必要がある。そのため、光学全長が長くなる、或いは、当該フォーカスレンズ群を1枚の負レンズのみから構成することが困難になるため好ましくない。また、条件式(5)の数値が下限値以下になると色分散が大きくなり、色収差を抑制することが困難になる。そのため、色収差補正のために正レンズを含む構成とする必要が生じる等、当該フォーカスレンズ群を1枚の負レンズのみから構成することが困難になるため好ましくない。
【0048】
上記効果を得る上で、条件式(4)の下限値は1.85であることがより好ましく、1.87であることがさらに好ましい。また、条件式(5)の下限値は32であることがより好ましく、37であることがさらに好ましい。
【0049】
2.撮像装置
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係る撮像レンズと、当該撮像レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。なお、撮像素子は光学系の像側に設けられることが好ましい。
【0050】
ここで、撮像素子等に特に限定はなく、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子等も用いることができる。本件発明に係る撮像装置は、デジタルカメラやビデオカメラ等のこれらの固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ、デジタルスチルカメラ、監視カメラ、車載用カメラ、ドローン搭載用カメラ等の種々の撮像装置に適用することができる。また、これらの撮像装置はレンズ交換式の撮像装置であってもよいし、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよい。
【0051】
次に、実施例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例0052】
(1)光学構成
図1は、本件発明に係る実施例1のズームレンズのレンズ断面図であり、上段は広角端状態(W)、中段は中間焦点距離状態(M)、下段は望遠端状態(T)を示している。各実施例で示すレンズ断面図において同じであるため、以下では説明を省略する。
【0053】
図1に示すように、当該ズームレンズは、物体側から順に負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と,負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6とを備えている。開口絞りSPは第3レンズ群G3の物体側に配置されている。
【0054】
具体的には、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹レンズと、両凸レンズとから構成されている。
【0055】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸レンズと、両凸レンズ及び両凹レンズを接合した接合レンズとから構成されている。
【0056】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、物体側に凹面を向けた凹平レンズとから構成されている。
【0057】
第4レンズ群G4は、物体側から順に両凸レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ及び物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズの3枚のレンズを接合した接合レンズとから構成されている。
【0058】
第5レンズ群G5は、両凹レンズから構成されている。
【0059】
第6レンズ群G6は両凸レンズと、両凹レンズとから構成されている。
【0060】
当該ズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングの際に第1レンズ群G1は像面側に凸の軌跡を描いて移動し、第2レンズ群G2~第6レンズ群G6はそれぞれ物体側に移動する。その際、第4レンズ群G4と第6レンズ群G6とは同じ移動量で物体側に移動する。また、当該ズームレンズでは第5レンズ群G5がフォーカスレンズ群であり、第5レンズ群G5を光軸方向に像面側に移動させることで無限遠から有限距離物体にフォーカシングする。
【0061】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の数値実施例について説明する。以下に当該光学系の面データ、非球面データ、各種データ、可変間隔を示す。
(面データ)において、「面No.」は物体側から数えたレンズ面の順番(面番号)、「r」はレンズ面の曲率半径、「d」はレンズ面の光軸上の間隔、「Nd」はd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、「νd」はd線に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、「面No.」の欄において、面番号の次に表示する「*」はその面が非球面であることを示し、「SP」はその面が開口絞りSPであることを示している。また、「d」の欄において「D○○」(本実施例ではD9等)と表示するのは、ズーミングの際の可変間隔であることを示す。なお、以下に示す各数値実施例において長さの単位は全て「mm」であり、画角の単位は全て「°」である。また各数値実施例において「∞」は無限大を表す。
【0062】
(非球面データ)は、各非球面の非球面係数を示す。但し、非球面は、xを光軸方向の面頂点からの変位量として次式で定義されるものとする。
x=(h2/r)/[1+{1-(1+K)×(h/r)2}1/2)]
+A4×h4+A6×h6+A8×h8+A10×h10+A12×h12
上記式においてhは光軸からの高さ、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、Anはn次の非球面係数を表す。また、「E±XX」は指数表記を表し「×10±XX」を意味する。
【0063】
(各種データ)において、ズーム比は当該ズームレンズの望遠端における焦点距離と広角端における焦点距離の比を表し、焦点距離、Fナンバー、画角、像高、光学全長、BF(バックフォーカス)はそれぞれ広角端、中間焦点距離、望遠端におけるそれぞれの値を示している。
【0064】
(可変間隔)では、広角端、中間焦点距離、望遠端におけるそれぞれの可変間隔を示している。
【0065】
さらに、各条件式(1)~条件式(5)の値を表1(後掲)に示す。これらの数値実施例に関する事項は他の実施例で示す各数値実施例においても同様であるため、以下では説明を省略する。
【0066】
図2、
図3及び
図4に当該ズームレンズの広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の縦収差図を示す。各縦収差図において、図面に向かって左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差を表している。球面収差を表す図では、縦軸は開放F値(FNO.)との割合、横軸にデフォーカス(mm)をとりd線(波長λ=587.56nm)における球面収差を示す。非点収差を表す図では、縦軸は半画角(ω)、横軸にデフォーカス(mm)をとり、実線がd線に対するサジタル像面(S)、点線がd線に対するメリジオナル像面(M)を示す。歪曲収差を表す図では、縦軸は半画角(ω)、横軸に%をとり、歪曲収差を表す。これらの各図に関する事項は他の実施例で示す縦収差図においても同様であるため、以下では説明を省略する。
【0067】
(面データ)
面No. r d Nd νd
1 116.662 1.500 1.900 37.372
2 22.255 7.287
3 125.511 1.500 1.589 61.252
4 42.479 0.150 1.515 49.963
5* 34.738 7.483
6 -58.107 1.500 1.497 81.607
7 36.299 0.300
8 36.657 6.331 1.750 35.332
9 -98.710 (D9)
10 250.808 3.271 1.517 64.197
11 -39.893 0.150
12 30.971 5.064 1.497 81.607
13 -46.946 1.000 1.911 35.249
14 238.287 (D14)
15SP ∞ 1.000
16 70.422 2.427 1.923 20.880
17 96925.576 2.693
18* -32.894 1.000 1.851 40.104
19* ∞ (D19)
20* 36.888 5.947 1.851 40.104
21* -33.900 0.162
22 119.269 0.900 1.905 35.036
23 17.848 9.876 1.497 81.607
24 -15.385 1.000 2.001 25.458
25 -21.416 (D25)
26 -8321.643 0.800 1.881 40.138
27 31.452 (D27)
28 230.024 3.136 1.808 22.760
29 -60.347 0.300
30 -457.051 1.200 1.835 42.721
31 42.221 (D31)
像面 ∞
【0068】
(非球面データ)
面No. Κ A4 A6 A8 A10 A12
5 0.00000 -8.35908E-06 -1.48501E-08 2.14604E-11 2.70591E-14 -1.68907E-16
18 0.00000 -2.23588E-05 7.43485E-08 -9.71180E-11 7.50728E-13 -8.81094E-15
19 0.00000 -3.20168E-05 1.29894E-07 -7.34265E-10 4.83003E-12 -2.17461E-14
20 0.00000 -5.01801E-06 1.04674E-07 2.59949E-10 -1.61574E-12 1.96338E-14
21 0.00000 3.01366E-05 2.27937E-08 1.05286E-09 -8.29506E-12 5.14222E-14
【0069】
(各種データ)
ズーム比 2.767
焦点距離 17.520 29.114 48.483
Fナンバー 4.120 4.120 4.120
画角 110.747 71.937 47.366
像高 21.633 21.633 21.633
光学全長 134.456 133.533 134.456
BF 18.462 27.816 50.815
【0070】
(可変間隔)
焦点距離 17.520 29.114 48.483
D9 30.694 13.079 1.000
D14 1.588 16.382 8.584
D19 10.720 3.263 1.065
D25 2.087 2.159 2.005
D27 4.926 4.855 5.009
D31 18.462 27.816 50.815
具体的には、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹レンズと、両凸レンズとから構成されている。
第4レンズ群G4は、物体側から順に両凸レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ及び物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズの3枚のレンズを接合した接合レンズとから構成されている。
当該ズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングの際に第1レンズ群G1は像面側に凸の軌跡を描いて移動し、第2レンズ群G2~第6レンズ群G6はそれぞれ物体側に移動する。その際、第4レンズ群G4と第6レンズ群G6とは同じ移動量で物体側に移動する。また、当該ズームレンズでは第5レンズ群G5がフォーカスレンズ群であり、第5レンズ群G5を光軸方向に像面側に移動させることで無限遠から有限距離物体にフォーカシングする。