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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092866
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】行動計画作成システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20230627BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230627BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208130
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】柳川 雄大
(72)【発明者】
【氏名】田口 洋平
(72)【発明者】
【氏名】重水 隆太
(72)【発明者】
【氏名】高平 正光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ワーケーションの行動計画を高い自由度で作成することのできる行動計画作成システムを提供する。
【解決手段】行動計画作成システムは、情報処理を実行する管理サーバ21を備える。管理サーバ21は、車両の利用開始前における利用者の要望に関する要望情報に基づいて作成されたワーケーションの行動計画を記憶する記憶部23を備える。管理サーバ21は、車両の利用開始以後に、外部端末装置30から行動計画に関係する関係情報を受信する後情報受信部54を備える。管理サーバ21は、後情報受信部54により受信した関係情報に基づいて行動計画の見直しを行う計画見直し部55を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内において仕事するとともに前記車両での移動先において余暇を取得する行動における行動計画を作成する行動計画作成システムであって、
情報処理を実行する管理サーバを備え、
前記管理サーバは、
前記車両の利用開始前における利用者の要望に関する前要望情報に基づいて作成された前記行動計画を記憶する記憶部と、
前記車両の利用開始以後における前記行動計画に関係する関係情報を受信する後情報受信部と、
前記後情報受信部により受信した前記関係情報に基づいて前記行動計画の見直しを行う計画見直し部と、を備える行動計画作成システム。
【請求項2】
前記関係情報は、前記車両に搭載された車載情報端末から送信される同車両の目的地への到着予定時刻を含む
請求項1に記載の行動計画作成システム。
【請求項3】
前記関係情報は、外部端末装置から送信される前記車両の移動ルートの周辺情報を含む
請求項1または2に記載の行動計画作成システム。
【請求項4】
前記関係情報は、外部端末装置から送信される天候に関する情報を含む
請求項1~3のいずれか一項に記載の行動計画作成システム。
【請求項5】
前記関係情報は、外部端末装置から送信される前記行動計画に定められた利用スポットの混雑情報を含む
請求項1~4のいずれか一項に記載の行動計画作成システム。
【請求項6】
前記関係情報は、前記車両に搭載された車載情報端末から送信される同車両の移動ルートの情報を含む
請求項1~5のいずれか一項に記載の行動計画作成システム。
【請求項7】
前記関係情報は、利用者端末から送信される前記車両の利用開始以後における利用者の要望に関する後要望情報を含む
請求項1~6のいずれか一項に記載の行動計画作成システム。
【請求項8】
前記管理サーバは、
前記行動計画の作成のための作成用情報を蓄積したデータベースと、
前記前要望情報を受信する前情報受信部と、
前記前要望情報および前記作成用情報に基づいて前記行動計画を作成する計画作成部と、を有する
請求項1~7のいずれか一項に記載の行動計画作成システム。
【請求項9】
前記前要望情報に基づいて前記車両の利用予約を行う車両予約部を備える
請求項1~8のいずれか一項に記載の行動計画作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を利用するワーケーションの行動計画を作成する行動計画作成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、観光地やリゾート地において、テレワークを活用して仕事(Work)をしながら、休暇(Vacation)をとる過ごし方、いわゆるワーケーションが提案されている。
【0003】
従来、居室付きのタクシーを活用するためのシステムが提案されている(特許文献1)。このシステムでは、予め取得した利用者の要望に関する情報をもとに、タクシーの活用プランが作成されて利用者に提示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6653836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ワーケーションの実行に際して、上述した居室付きのタクシー等、仕事用のスペースを有する車両を利用することが考えられる。これにより、目的地への移動にかかる時間を就業時間にあてることが可能になる。
【0006】
また、この場合、特許文献1に記載のシステムのように、予め取得した利用者の要望に関する情報をもとに、車両を利用するワーケーションの行動計画を作成して利用者に提示することなども考えられる。ただし、車両による移動においては、事前に行動計画を立てたところで、実際の利用に際して生じる種々の外的要因(例えば道路の混雑状況)により、計画の通りに進まないことが多い。この場合には、自らの手で行動計画を立て直す必要があり、結局のところ手間がかかってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための行動計画作成システムは、車両の車室内において仕事するとともに前記車両での移動先において余暇を取得する行動における行動計画を作成する行動計画作成システムであって、情報処理を実行する管理サーバを備え、前記管理サーバは、前記車両の利用開始前における利用者の要望に関する前要望情報に基づいて作成された前記行動計画を記憶する記憶部と、前記車両の利用開始以後における前記行動計画に関係する関係情報を受信する後情報受信部と、前記後情報受信部により受信した前記関係情報に基づいて前記行動計画の見直しを行う計画見直し部と、を備える。
【0008】
上記構成では、車両の車室内における仕事と同車両での移動先における余暇の取得とを含むワーケーションの実行にあたり、同車両の利用開始前に、利用者の要望をもとにワーケーションの行動計画が予め作成される。そして、この行動計画に基づく車両の利用開始以後に、同行動計画に関係する関係情報(例えば到着時刻の情報や、周辺スポットの情報)を取得した場合には、その関係情報をもとに、事前に作成した行動計画を見直すことができる。このように上記構成によれば、車両の利用開始以後における状況変化に合わせて、ワーケーションの行動計画を見直して変更することができるため、ワーケーションの行動計画を高い自由度で作成することができる。
【0009】
上記行動計画作成システムにおいて、前記関係情報は、前記車両に搭載された車載情報端末から送信される同車両の目的地への到着予定時刻を含むことが好ましい。
上記構成によれば、予定通りの時刻に目的地に到着する場合には行動計画を変更しない一方で、目的地への到着が遅れる(あるいは早まる)場合には目的地での余暇の内容を変更する等といったように、到着予定時刻に合わせてワーケーションの行動計画を見直すことができる。
【0010】
上記行動計画作成システムにおいて、前記関係情報は、外部端末装置から送信される前記車両の移動ルートの周辺情報を含むことが好ましい。
上記構成によれば、車両の利用開始以後において、自治体が管理する端末装置や滞在先施設が管理する端末装置などの外部端末装置から同車両の移動ルートの周辺情報を新たに受信した場合に、その情報をふまえてワーケーションの行動計画を見直すことができる。
【0011】
上記行動計画作成システムにおいて、前記関係情報は、外部端末装置から送信される天候に関する情報を含むことが好ましい。
上記構成によれば、例えば屋外施設を利用する予定のところ、天候が雨であることをふまえて屋内施設を利用する予定に変更するなど、天候に合わせてワーケーションの行動計画を見直すことができる。
【0012】
上記行動計画作成システムにおいて、前記関係情報は、外部端末装置から送信される前記行動計画に定められた利用スポットの混雑情報を含むことが好ましい。
上記構成によれば、例えば利用予定のスポットが混雑している場合に混雑を避けるために最寄りのスポットを利用する予定に変更するなど、混雑状況に応じてワーケーションの行動計画を見直すことができる。
【0013】
上記行動計画作成システムにおいて、前記関係情報は、前記車両に搭載された車載情報端末から送信される同車両の移動ルートの情報を含むことが好ましい。
上記構成によれば、渋滞などによって車両の移動ルートが変更された場合に、その変更に合わせて、移動の途中で立ち寄るスポットを変更するなど、ワーケーションの行動計画を変更することができる。
【0014】
上記行動計画作成システムにおいて、前記関係情報は、利用者端末から送信される前記車両の利用開始以後における利用者の要望に関する要望情報を含むことが好ましい。
上記構成によれば、車両の利用開始以後に、利用者から新たな要望が発せられた場合には、その要望を満たすようにワーケーションの行動計画を変更することができる。
【0015】
上記行動計画作成システムにおいて、前記管理サーバは、前記行動計画の作成のための作成用情報を蓄積したデータベースと、前記前要望情報を受信する前情報受信部と、前記前要望情報および前記作成用情報に基づいて前記行動計画を作成する計画作成部と、を有することが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、車両の利用開始前に、利用者の要望を取得および把握したうえでワーケーションの行動計画を予め作成することができる。
上記行動計画作成システムにおいて、前記前要望情報に基づいて前記車両の利用予約を行う車両予約部を備えることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、利用者がワーケーションに利用する車両を予約する際に、同車両の利用計画を合わせて提案するかたちで、ワーケーションの行動計画を提案することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ワーケーションの行動計画を高い自由度で作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態の行動計画作成システムに適用される車両の側面図である。
図2】行動計画作成システムの概略構成を示すブロック図である。
図3】(a)および(b)は行動計画の見直し態様の一例を説明するための説明図である。
図4】(a)および(b)は行動計画の見直し態様の他の例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、行動計画作成システムの一実施形態について説明する。
本実施形態の行動計画作成システムは、移動オフィス仕様の車両の貸し出し予約と、同車両を利用する行動についての行動計画の作成および提案とを実行するシステムである。
【0021】
<車両10>
図1に示すように、本実施形態の車両10では、車室の一部が仕事用のスペース(ワークスペース11)になっている。このワークスペース11には、机や椅子の他、電源装置、通信装置、およびプリンタなど、仕事をするうえで必要な機器が設けられている。車両10としては、ワーケーションに利用される車両を想定している。車両10の利用者は、基本的には、車両10での移動中において上記ワークスペース11で仕事するとともに、車両10での移動先において余暇を取得する。
【0022】
<行動計画作成システム20>
図2に示すように、本実施形態の行動計画作成システム20は、情報処理を実行する管理サーバ21を備えている。管理サーバ21は、携帯電話網やインターネット網などの通信ネットワーク12を介して、外部端末装置30に接続可能になっている。
【0023】
外部端末装置30としては、自治体が所有(または管理)する自治体端末31、ホテルなどの滞在先施設が所有(または管理)する滞在先端末32、利用者が所有(または管理)する利用者端末33、車両10に搭載された車載情報端末34などが挙げられる。外部端末装置30としては、パーソナルコンピュータや、スマートフォン、タブレット端末など、任意の情報端末を採用することができる。管理サーバ21は、外部端末装置30との間での情報(詳しくは、データ)の送受信が可能になっている。外部端末装置30と管理サーバ21との間においては、公知の通信プロトコルに従って各種データが送受信される。
【0024】
<管理サーバ21>
管理サーバ21は、通信部22、記憶部23、および演算部24を有している。
通信部22は、通信ネットワーク12を介して、外部端末装置30から管理サーバ21に送信されるデータを受信する機能と、管理サーバ21から外部端末装置30に対してデータを送信する機能とを有している。
【0025】
記憶部23には、ワーケーションの行動計画PLの作成のための作成用情報Miを蓄積したデータベース25が記憶されている。データベース25には、上記作成用情報Miとして、車両10の移動ルートに関する情報や、アクティビティや各種施設などの観光情報、滞在先施設に関する情報、作成される行動計画PLなどが記憶されている。記憶部23においてデータベース25を記憶する部分としては、例えばデータベースサーバが用いられる。
【0026】
また記憶部23には、行動計画PLの作成等に用いるアプリケーションや各種ソフトウェアが記憶されている。記憶部23において、アプリケーションや各種ソフトウェアなどを記憶する部分としては、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などのストレージが用いられる。
【0027】
管理サーバ21の演算部24としては、例えば中央演算処理装置(いわゆるCPU)などが用いられる。この演算部24は、上記記憶部23に記憶されているアプリケーションや各種ソフトウェアをもとに、車両10の利用予約に関する各種処理、および同車両10を利用するワーケーションの行動計画PLの作成に関する各種処理を実行する。
【0028】
管理サーバ21は、機能部として、前情報受信部51、計画作成部52、車両予約部53、後情報受信部54、計画見直し部55、および計画承認部56を有している。
<前情報受信部51>
管理サーバ21の前情報受信部51は、利用者端末33の操作を通じて利用者が車両10の利用予約を行う際に、利用者端末33の操作を通じて利用者の要望に関する情報(以下、前要望情報Dif)が送信された場合に、同前要望情報Difを受信する。この前要望情報Difは、車両10の利用期間や、出発地、目的地、利用人数、仕事をする時間帯、希望する余暇の種類(どのような場所で何がしたいか)などを含んでいる。前情報受信部51が受信した前要望情報Difは、管理サーバ21の記憶部23に記憶される。
【0029】
本実施形態では、利用者端末33からの前要望情報Difの送信が次のように実行される。利用者は、利用者端末33から管理サーバ21が管理する情報サイトにアクセスするとともに、この情報サイトの入力ページにおいて前要望情報Difを入力する。入力された前要望情報Difは利用者端末33から管理サーバ21に送信される。その他、上記情報サイトから利用者端末33にアプリケーションをダウンロードすることによっても、前要望情報Difの送信は可能になる。この場合には、利用者端末33において上記アプリケーションを実行するとともに、その状態で利用者端末33を操作することで、前要望情報Difを入力する。本実施形態では、管理サーバ21と利用者端末33との間でのデータの送受信は、上記情報サイトやアプリケーションを利用して行われる。
【0030】
<計画作成部52>
管理サーバ21の計画作成部52は、前情報受信部51により受信した前要望情報Difと、データベース25に蓄積されている作成用情報Miとに基づいて、ワーケーションの行動計画PLを作成する。この行動計画PLの詳細については後に詳述する。本実施形態では、データベース25に記憶されている作成用情報Miの中から前記前要望情報Difに見合う情報(滞在先施設や各種スポットなど)が抽出されるとともに、それら情報を組み合わせる態様で、行動計画PLは作成される。本実施形態では、前情報受信部51により受信した前要望情報Difとデータベース25に記憶されている作成用情報Miとに基づき行動計画PLを作成するための作成プログラムが予め構築されている。この作成プログラムは管理サーバ21の記憶部23に記憶されている。
【0031】
<車両予約部53>
管理サーバ21の車両予約部53は、前情報受信部51により受信した前要望情報Difに基づいて、車両10の利用予約を行う。具体的には、前要望情報Difを満たす車両10が選択されるとともに、同車両10の利用期間と車両10を担当する運転手とが定められて管理サーバ21の記憶部23に記憶される。
【0032】
<後情報受信部54>
管理サーバ21の後情報受信部54は、利用者による車両10の利用開始以後、詳しくは車両10の利用期間中において、外部端末装置30から送信される前記行動計画PLに関係する関係情報Riを受信する。後情報受信部54によって受信した関係情報Riは管理サーバ21の記憶部23に記憶される。関係情報Riは、詳しくは、車両10の利用開始以後における前記行動計画PLに関係する情報である。関係情報Riとしては、車両10の目的地への到着予定時刻、車両10の移動ルート、移動ルートの周辺情報、天候情報、各種スポットの混雑情報、車両10の利用開始以後における後要望情報Dirが挙げられる。
【0033】
<関係情報Ri:目的地への到着予定時刻>
車載情報端末34はナビゲーションシステムの機能を有している。車載情報端末34は、車両10の移動ルートを設定するとともに、同車両10の目的地への到着予定時刻を算出している。本実施形態では、車両10の利用期間中において、車両10の目的地への到着予定時刻が車載情報端末34から送信されるとともに、管理サーバ21の後情報受信部54に受信される。
【0034】
<関係情報Ri:車両10の移動ルート>
本実施形態では、車両10の利用期間中において、車載情報端末34により設定される「車両10の移動ルート」が同車載情報端末34から送信されるとともに、管理サーバ21の後情報受信部54に受信される。
【0035】
<関係情報Ri:移動ルートの周辺情報>
自治体端末31には、自治体に関する情報(観光スポット情報、特産品グルメ情報、イベント情報など)や、自治体の各種スポット(アクティビティ、美術館など)の混雑状況が入力されて記憶されている。また、滞在先端末32には、滞在先施設の周辺情報(お勧め観光スポット情報、季節限定グルメ情報、イベント情報など)や、滞在先施設の各種スポット(アクティビティ、レストランなど)の混雑状況が入力されて記憶されている。
【0036】
本実施形態では、車両10の利用期間中において、車両10の移動ルートをもとに、同移動ルートの周辺情報が特定される。そして、この周辺情報は、任意のタイミングで、自治体端末31や滞在先端末32から送信されるとともに管理サーバ21の後情報受信部54に受信される。例えば、車両10が自治体に入るタイミングで、この自治体が管理する自治体端末31に記憶されている上記周辺情報が、後情報受信部54によって受信されて管理サーバ21の記憶部23に取り込まれる。また、車両10が滞在先施設に到着する前に、この滞在先施設が管理する滞在先端末32に記憶されている上記周辺情報が、後情報受信部54によって受信されて管理サーバ21の記憶部23に取り込まれる。本実施形態では、「車両10の移動ルートの周辺情報」は「行動計画PLに定められた利用スポットの混雑情報」を含んでいる。
【0037】
<関係情報Ri:天候情報>
自治体端末31には、天候に関する情報(天候情報)が入力されて記憶されている。本実施形態では、車両10の利用期間中において、車両10の移動ルートをもとに、移動ルートにあたる自治体、およびその周辺の自治体が特定される。そして、特定した自治体が管理する自治体端末31から天候情報が送信されるとともに、この天候情報が関係情報Riとして後情報受信部54に受信される。
【0038】
<関係情報Ri:車両10の利用開始以後における後要望情報Dir>
本実施形態では、車両10の利用期間中において、利用者端末33の操作を通じて、車両10の利用開始以後における利用者の要望に関する後要望情報Dirを入力することが可能になっている。利用者によって入力された後要望情報Dirは、利用者端末33から管理サーバ21に送信されるとともに、関係情報Riとして後情報受信部54に受信される。後要望情報Dirは、各種スポットなどを含んでいる。
【0039】
<計画見直し部55>
管理サーバ21の計画見直し部55は、後情報受信部54により受信した関係情報Riに基づいて、行動計画PLの見直しを行う。具体的には、前情報受信部51により受信した前要望情報Difと、後情報受信部54により受信した関係情報Riと、定められている行動計画PLと、データベース25に記憶された作成用情報Miとに基づいて行動計画PLを見直すための演算処理が実行される。そして、この演算処理の結果、行動計画PLを変更する必要がないと判断される場合には、同行動計画PLは変更されずにそのままで維持される。一方、目的地への到着が遅れる場合など、行動計画PLを変更する必要があると判断される場合には、新たな行動計画PL(t)が作成されて記憶部23に記憶される。また、利用者の趣向に合致する利用スポットが上記関係情報Riに含まれる場合など、他の行動計画PLの提案が可能と判断される場合においても、新たな行動計画PL(t)が作成されて記憶部23に記憶される。
【0040】
<計画承認部56>
管理サーバ21の計画承認部56は、上記計画見直し部55によって新たな行動計画PL(t)が作成されると、この行動計画PL(t)を利用者端末33に送信する。これにより、利用者端末33の表示画面には、管理サーバ21から受信した行動計画PL(t)が、承認/非承認を選択する選択ボタンとともに表示される。利用者は、利用者端末33の表示画面において行動計画PL(t)を確認するとともに、その承認(あるいは非承認)を選択するべく選択ボタンを操作する。
【0041】
利用者によって「承認ボタン」が操作されると、承認信号が利用者端末33から送信されるとともに、管理サーバ21の計画承認部56に受信される。計画承認部56は、承認信号を受信すると、新たに生成した行動計画PL(t)が利用者に承認されたとして、行動計画PL(t)を最新の行動計画PLとして記憶部23に記憶する。一方、利用者によって「非承認ボタン」が操作されると、非承認信号が利用者端末33から送信されるとともに、管理サーバ21の計画承認部56に受信される。管理サーバ21は、非承認信号を受信すると、新たに生成した行動計画PL(t)が利用者に承認されなかったとして、このとき定められている行動計画PLを変更することなくそのままで維持する。
【0042】
<作用>
以下、計画見直し部55による行動計画PLの見直し態様について具体的に説明する。
<見直し態様1>
図3(a)および図3(b)に、計画見直し部55による行動計画PLの見直し態様の一例を示す。本例では、利用者による車両10の利用予約に際して、前記前要望情報Difをもとにワーケーションの行動計画PLが予め作成されている。図3(a)は、前記前要望情報Difをもとに作成したワーケーションの行動計画PLを示している。なお図3(a)および図3(b)には、数日間にわたる車両10の利用期間のうちの初日の行動計画PLを示している。
【0043】
図3(a)に示すように、この例では、一日の前半(13時まで)は車両10および行動計画PLを利用することなく、地元で生活することを想定している。すなわち、朝から地元のオフィスで仕事した後、地元の飲食店で昼食を取る。その後(13時~)、車両10および行動計画PLを利用したワーケーションを実行する。
【0044】
行動計画PLには、以下の(行動A1)~(行動C1)が定められている。
(行動A1)所定時刻(13時)に車両10を受け取るとともに同車両10の利用を開始する。
【0045】
(行動B1)車両10の利用開始後に所定時間(5時間)をかけて、同車両10を利用して目的地(具体的には、この日の滞在先施設であるホテル)まで移動する。車両10による移動期間の前半(13時~17時)は仕事するとともに、後半(17時~18時)は仕事を終えて車両10の内部でのリフレッシュタイムにあてる。
【0046】
(行動C1)ホテルに到着した後においては(18時~)、同ホテルで過ごす。
図3(b)には、車両10での目的地への移動に際して移動ルートが想定よりも空いていたために目的地への到着予定時刻が早くなる状況において、行動計画PLの見直しを行った例を示している。図3(b)に示すように、この場合には、車両10による移動期間の後半(17時~18時)において同車両10で過ごす当初の予定が、美術館に行く予定に変更される。
【0047】
この行動計画PLの見直しは、次のような考えのもとになされる。この場合には、車載情報端末34から管理サーバ21に送信される関係情報Ri(具体的には、目的地への到着予定時刻)をもとに、目的地への到着が早まる状況であることが把握される。また、「目的地への到着予定時刻」をもとに、目的地への移動の途中で美術館に寄ったとしても、当初の到着予定時刻(18時)に目的地に到着することが可能であると判断される。本例では、この判断をもとに、目的地への到着前(17時~18時)に「美術館」に行く予定を加えた新たな行動計画PLが作成される。
【0048】
図3(b)に示す例の他、目的地への到着予定時刻が早まる場合には、当初の予定が1つのスポット(例えば美術館)のみに行く予定だったところ、2つのスポット(美術館、地元の商店街)に行く予定に変更することが可能である。また、目的地への到着予定時刻が遅くなる場合には、当初の予定が2つのスポット(例えば美術館、地元の商店街)に行く予定だったところ、1つのスポット(美術館)のみに行く予定に変更することなども可能である。
【0049】
本実施形態では、車両10を利用するワーケーションの実行にあたり、同車両10の利用開始前に、利用者の要望をもとにワーケーションの行動計画PLを予め作成して提案することができる。そして、行動計画PLに基づく車両10の利用期間において、同行動計画PLに関係する関係情報Ri(具体的には、目的地への到着予定時刻)を取得した場合には、その関係情報Riをもとに、事前に作成した行動計画PLを見直すことができる。本実施形態によれば、車両10の利用期間における状況変化に合わせて、ワーケーションの行動計画PLを見直して変更することができるため、ワーケーションの行動計画PLを高い自由度で作成することができる。そして、利用者は、この行動計画PLをもとに高い自由度でワーケーションを実行することができる。
【0050】
<見直し態様2>
図4(a)および図4(b)に、計画見直し部55による行動計画PLの見直し態様の他の例を示す。なお図4(a)および図4(b)には、数日間にわたる車両10の利用期間のうちの初日の行動計画PLを示している。
【0051】
図4(a)は、車両10の利用開始前に前記前要望情報Difをもとに作成した行動計画PLを示している。図4(a)に示すように、この例では、一日の前半(13時まで)は車両10および行動計画PLを利用することなく、地元で生活することを想定している。その後(13時~)、車両10および行動計画PLを利用したワーケーションを実行する。
【0052】
行動計画PLには、以下の(行動A2)~(行動D2)が定められている。
(行動A2)所定時刻(13時)に車両10を受け取るとともに同車両10の利用を開始する。
【0053】
(行動B2)車両10の利用開始後に、同車両10を利用して所定時間(4時間)をかけて第1の目的地である景勝地SSまで移動する。車両10による移動期間(13時~17時)においては仕事する。
【0054】
(行動C2)景勝地SSに到着した後(17時~)においては景勝地SSを散策する。その後、車両10を利用して第2の目的地(詳しくは、この日の滞在先であるホテルSH)に移動する。
【0055】
(行動D2)ホテルSHに到着した後は(18時~)、同ホテルSHで過ごす。
図4(b)には、車両10の利用予約時には「晴れ」を想定していたところ、利用当日の天候が「雨」であった状況において、行動計画PLの見直しを行った例を示している。図4(b)に示すように、この場合には、ホテルSHに到着する前に、景勝地SSを散策する当初の予定が、資料館SDに行く予定に変更される。
【0056】
この行動計画PLの見直しは、次のような考えのもとになされる。この場合には、自治体端末31から管理サーバ21に送信される関係情報Ri(具体的には、天候情報)をもとに、第1の目的地である景勝地SSの天候が「雨」であることが把握される。そして、天候が「雨」であることから、屋外スポットである景勝地SSに寄ったとしても、利用者の利用満足度は低くなると判断される。本例では、この判断をもとに、天候の影響を受けやすい景勝地SSに行く予定を、天候の影響を受けにくい屋内スポットである資料館SDに行く予定に変更することで、新たな行動計画PLが作成される。
【0057】
このように図4に示す例では、屋外スポットである景勝地SSに行く予定を、天候が雨であることを考慮して屋内スポットである資料館SDに行く予定に変更するといったように、天候に合わせてワーケーションの行動計画PLを見直すことができる。
【0058】
なお、この場合には、工場見学や、美術館、地元の市場など、雨の影響を受けにくい屋内スポットであれば、資料館SD以外の屋内スポットに行く予定を提案することができる。また、屋外スポットである「星空見学ツアー」に行く予定を、利用当日の天候が「曇り」であることを考慮して屋内スポットである「スパ施設」に行く予定に変更するといったように、行動計画PLを見直すことなども可能である。
【0059】
<見直し態様3>
次に、渋滞を避けるべく、車載情報端末34の操作を通じて、車両10の移動ルートが変更された場合における行動計画PLの見直し態様の一例について説明する。
【0060】
この場合には、変更前の移動ルートR1沿いの飲食店S1に行く当初の予定が、変更後の移動ルートR2沿いの飲食店S2に行く予定に変更される。
この行動計画PLの見直しは、次のような考えのもとになされる。この場合には、車載情報端末34から管理サーバ21に送信される関係情報Ri(具体的には、車両10の移動ルート)をもとに、車両10の移動ルートが変更されたことが把握される。また、この場合には、飲食店S1に行くと遠回りになってしまうと判断される。本例では、この判断をもとに、変更前の移動ルートR1沿いの飲食店S1に行く予定を、変更後の移動ルートR2沿いの飲食店S2に行く予定に変更することで、新たな行動計画PLが作成される。
【0061】
本実施形態によれば、何らかの原因によって車両10の移動ルートが変更された場合に、その変更に合わせて車両10による移動の途中で立ち寄るスポットを変更することができるため、ワーケーションを高い自由度で実行することができる。
【0062】
<見直し態様4>
次に、車両10の利用開始以後に、行動計画PLに定められた利用スポットが混雑しているとの情報を得た場合における行動計画PLの見直し態様の一例について説明する。
【0063】
この場合には、ホテルSHに到着する前に美術館SAに行く当初の予定が、共同浴場SPに行く予定に変更される。
この行動計画PLの見直しは、次のような考えのもとになされる。この場合には、自治体端末31から管理サーバ21に送信される関係情報Ri(具体的には、各種スポットの混雑状況)をもとに、行動計画PLに定められている美術館SAが混雑していることや、人気の共同浴場SPが比較的空いていることが把握される。本例では、この判断をもとに、美術館SAに行く当初の予定を共同浴場SPに行く予定に変更することで、新たな行動計画PLが作成される。
【0064】
本実施形態によれば、利用予定の美術館SAが混雑している場合に、混雑を避けるために最寄りの人気スポットである共同浴場SPを利用する予定に変更するなどといったように、利用スポットの混雑状況に応じて行動計画PLを見直すことができる。
【0065】
<見直し態様5>
次に、車両10の利用開始以後に、車両10の移動ルートの周辺情報(詳しくは、季節限定の特産品グルメ情報)を受信した場合における行動計画PLの見直し態様の一例について説明する。
【0066】
この場合には、移動ルート沿いの飲食店S3に行く当初の予定が、特産品グルメ情報を有する飲食店S4に行く予定に変更される。
この行動計画PLの見直しは、次のような考えのもとになされる。自治体端末31から管理サーバ21に送信される関係情報Ri(具体的には、移動ルートの周辺情報)をもとに、車両10の移動ルート沿いに、季節限定の特産品グルメを提供する飲食店S4があることが把握される。本例では、この判断をもとに、飲食店S3に行く予定を、飲食店S4に行く予定に変更することで、新たな行動計画PLが作成される。
【0067】
その他、関係情報Riとして滞在先施設のレストランのお得情報を取得した場合に、滞在先施設に到着した後に周辺の飲食店に行く当初の予定を、滞在先施設のレストランに行く予定に変更するといったように、行動計画PLを見直すことなども可能である。
【0068】
本実施形態によれば、自治体や滞在先施設から発信される最新情報(最新のお勧めスポットの情報や、お得情報など)を、ワーケーションの行動計画PLに取り込むことができる。また、自治体や滞在先施設を利用者が実際に訪れるタイミングで、自治体や滞在先施設から利用者に対して情報提供を行うことが可能になるため、お勧めのスポットの利用を促すことができる。
【0069】
<見直し態様6>
次に、自治体端末31から自治体で利用可能な「体験スポット」についての情報を受信した場合における行動計画PLの見直し態様の一例について説明する。
【0070】
この場合には、車両10の利用期間中における次の休日(例えば日曜日)に、山岳トレッキングに行く当初の予定が、就農体験スポットに行く予定に変更される。
この行動計画PLの見直しは、次のような考えのもとになされる。この場合には、自治体端末31から管理サーバ21に送信される関係情報Ri(具体的には、体験スポット情報)をもとに、利用者が興味を持ちそうな「就農体験スポット」があると判断される。本例では、この判断をもとに、車両10の利用期間中における次の休日に山岳トレッキングに行く当初の予定を就農体験スポットに行く予定に変更することで、新たな行動計画PLが作成される。
【0071】
その他、利用者が「工場見学」に興味を持ちそうな場合には、美術館に行く当初の予定を工場見学スポットに行く予定に変更するといったように、行動計画PLを見直すことができる。
【0072】
本実施形態によれば、自治体に興味を持ってもらうための体験スポットの情報など、同自治体から発信される情報をワーケーションの行動計画PLに取り込むことができる。また、利用者が自治体を実際に訪れるタイミングで、自治体から利用者に対して「体験スポット」についての情報提供を行うことが可能になるため、体験スポットの利用を促すことができる。
【0073】
<見直し態様7>>
次に、利用者端末33から前記後要望情報Dirが送信される場合における行動計画PLの見直し態様の一例について説明する。
【0074】
本例では、移動先施設に到着する前に美術館に行く当初の予定が、利用者が希望する共同浴場に行く予定に変更される。
この行動計画PLの見直しは、次のような考えのもとになされる。この場合には、利用者端末33から管理サーバ21に送信される関係情報Ri(具体的には、後要望情報Dir)をもとに、利用者が共同浴場に行くことを希望していると判断される。本例では、この判断をもとに、移動先施設に到着する前に美術館に行く当初の予定を共同浴場に行く予定に変更することで、新たな行動計画PLが作成される。
【0075】
本実施形態によれば、車両10の利用開始以後に、利用者から新たな要望が発せられた場合には、その要望を満たすようにワーケーションの行動計画PLを変更することができる。
【0076】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)管理サーバ21の記憶部23には、車両10の利用開始前における前要望情報Difに基づいて作成された行動計画PLが記憶される。管理サーバ21の後情報受信部54は、車両10の利用開始以後に、外部端末装置30から関係情報Riを受信する。管理サーバ21の計画見直し部55は、後情報受信部54によって受信した関係情報Riに基づいて行動計画PLの見直しを行う。本実施形態によれば、車両10の利用期間における状況変化に合わせて、ワーケーションの行動計画PLを見直して変更することができるため、ワーケーションの行動計画PLを高い自由度で作成することができる。したがって、利用者は、この行動計画PLをもとに高い自由度でワーケーションを実行することができる。
【0077】
(2)関係情報Riは、車載情報端末34から送信される「目的地への到着予定時刻」を含む。本実施形態によれば、目的地への到着予定時刻に合わせてワーケーションの行動計画PLを見直すことができる。
【0078】
(3)関係情報Riは、外部端末装置30から送信される「車両10の移動ルートの周辺情報」を含む。本実施形態によれば、車両10の利用開始以後において、自治体端末31や滞在先端末32から同車両10の移動ルートの周辺情報を新たに受信した場合に、その情報をふまえてワーケーションの行動計画PLを見直すことができる。
【0079】
(4)関係情報Riは、自治体端末31から送信される天候情報を含む。本実施形態によれば、利用当日の天候に合わせてワーケーションの行動計画PLを見直すことができる。
【0080】
(5)関係情報Riは、自治体端末31や滞在先端末32から送信される「行動計画PLに定められた利用スポットの混雑情報」を含む。本実施形態によれば、利用予定のスポットの混雑状況に応じてワーケーションの行動計画PLを見直すことができる。
【0081】
(6)関係情報Riは、車載情報端末34から送信される車両10の移動ルートの情報を含む。本実施形態によれば、渋滞などによって車両10の移動ルートが変更された場合に、その変更に合わせてワーケーションの行動計画PLを変更することができる。
【0082】
(7)関係情報Riは、利用者端末33から送信される後要望情報Dirを含む。本実施形態によれば、車両10の利用開始以後に、利用者から新たな要望が発せられた場合には、その要望を満たすようにワーケーションの行動計画PLを変更することができる。
【0083】
(8)管理サーバ21の記憶部23には、行動計画PLの作成のための作成用情報Miを蓄積したデータベース25が記憶されている。管理サーバ21の前情報受信部51は、車両10の利用開始前における前要望情報Difを受信する。管理サーバ21の計画作成部52は、前情報受信部51により受信した前要望情報Difとデータベース25に蓄積された作成用情報Miとに基づいて行動計画PLを作成する。本実施形態によれば、車両10の利用開始前に、利用者の要望を取得したうえでワーケーションの行動計画PLを予め作成することができる。
【0084】
(9)管理サーバ21の車両予約部53は、前要望情報Difに基づいて、車両10の利用予約を行う。本実施形態によれば、利用者がワーケーションに利用する車両10を予約する際に、同車両10の利用計画を合わせて提案するかたちで、ワーケーションの行動計画PLを作成して提案することができる。
【0085】
<変形例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0086】
・外部端末装置30から受信する関係情報Riとして、以下の6つの情報のうちの1つのみを採用したり、2つのみを採用したり、3つのみを採用したり、4つのみを採用したり、5つのみを採用したりしてもよい。上記6つの情報は、「目的地への到着予定時刻」、「車両10の移動ルート」、「移動ルートの周辺情報」、「天候情報」、「利用スポットの混雑情報」、および「後要望情報Dir」である。
【0087】
・車両10の利用開始前における利用者の要望に関する前要望情報Difに基づいて行動計画PLを作成する作業を、管理サーバ21の計画作成部52によって行うことに代えて、別途の作成装置を利用して行うようにしてもよい。その他、予め定められている複数の行動計画案の中から上記前要望情報Difに見合う行動計画案を手作業で選ぶといったように、行動計画PLを作成すること等も可能である。この場合には、前要望情報Difに基づき作成した行動計画を、車両10の利用開始前に管理サーバ21の記憶部23に記憶させておくようにすればよい。
【0088】
・外部端末装置30としては、ワーケーションの行動計画PLに関係する関係情報Riを送信可能なものであれば、任意の団体(または個人)が所有(または管理)する端末装置を採用することができる。そうした端末装置としては、店舗(飲食店、販売店等)の端末装置や、観光施設(美術館、資料館等)の端末装置、商店街の組合が管理する端末装置、アクティビティ運営会社の端末装置、旅行会社の端末装置、車載のETC端末などを挙げることができる。
【0089】
・ワーケーションに利用する車両10としては、車室内において仕事することの可能な車両であれば、任意のタイプの車両を採用することができる。そうした車両としては、宿泊のための機器を備えた車両(キャンピングカーなど)や、被牽引車(キャンピングトレーラーなど)とこれを牽引する牽引車とによって構成される車両などを挙げることができる。
【0090】
・関係情報Riをもとに行動計画PLの見直しを行う際に、複数の行動計画PL(t)を作成するようにしてもよい。この場合には、利用者端末33の表示画面に、作成した複数の行動計画PL(t)を選択ボタンとともに表示するようにすればよい。そして、利用者に、利用者端末33の表示画面において複数の行動計画PL(t)を確認してもらうとともに、選択ボタンの操作を通じて複数の行動計画PL(t)のいずれかを選択してもらう。これにより、選択された行動計画PL(t)を、最新の行動計画PLとして記憶部23に記憶することができる。
【0091】
・関係情報Riを受信したときに、利用者端末33の表示画面に、利用可能な複数のスポットを選択ボタンとともに表示するようにしてもよい。そして、利用者によって選択ボタンが操作された場合に、その操作を通じて選択されたスポットに行く予定を含む行動計画PLを作成するようにしてもよい。
【0092】
この場合には、例えば次のような手順で行動計画PLを作成することができる。関係情報Riとして目的地の利用当日の天候が「雨」であるとの情報を受信すると、先ずは、利用者端末33の表示画面に、利用可能な複数のスポットとして、「屋内で利用可能なアクティビティ」、「買い物スポット」、および「飲食店」を表示させる。そして、利用者による利用者端末33の操作を通じて1つのスポット(飲食店)が選択された場合に、この飲食店に行く予定を含む新たな行動計画PLを作成する。
【0093】
・車両予約部53は、運転手を含まない態様で、車両10についての利用予約のみを行うようにしてもよい。この場合には、利用者自身によって運転手を手配することができる。また、車両10を複数人で利用する場合には、利用者は、交代で車両10を運転する態様でワーケーションを実行することができる。
【0094】
・車両予約部53を省略してもよい。
【符号の説明】
【0095】
10…車両
11…ワークスペース
12…通信ネットワーク
20…行動計画作成システム
21…管理サーバ
22…通信部
23…記憶部
24…演算部
25…データベース
30…外部端末装置
31…自治体端末
32…滞在先端末
33…利用者端末
34…車載情報端末
51…前情報受信部
52…計画作成部
53…車両予約部
54…後情報受信部
55…計画見直し部
56…計画承認部
PL,PL(t)…行動計画
Ri…関係情報
Mi…作成用情報
Dif…前要望情報
Dir…後要望情報
図1
図2
図3
図4