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特開2023-92884化粧品容器用のスクリーンおよび化粧品容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092884
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】化粧品容器用のスクリーンおよび化粧品容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 33/00 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
A45D33/00 650E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021208169
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ルシア・リウ
(72)【発明者】
【氏名】マリーン・ルアルデス
(57)【要約】
【課題】化粧品容器のスクリーンの外側部分でのあふれを減らすことができる、化粧品容器用のスクリーン、および化粧品容器自体を提供すること。
【解決手段】本発明は、化粧品容器用のスクリーンに関する。このスクリーンは、複数の開口を有するメッシュ状のシート基材を含む。シート基材は、複数の開口を少なくとも部分的に閉じる少なくとも1つの閉鎖領域で構成される閉鎖パターンを有する。少なくとも1つの閉鎖領域が複数の開口を閉じる閉鎖面積が、シート基材の内側部分においてよりもシート基材の外側部分において大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品容器用のスクリーンであって、複数の開口を有するメッシュ状のシート基材を含み、
前記シート基材が、前記複数の開口を少なくとも部分的に閉じる少なくとも1つの閉鎖領域で構成される閉鎖パターンを有し、
前記少なくとも1つの閉鎖領域が前記複数の開口を少なくとも部分的に閉じる閉鎖面積が、前記シート基材の内側部分においてよりも前記シート基材の外側部分において大きい、スクリーン。
【請求項2】
前記閉鎖領域が、少なくとも1つの閉鎖部分で構成され、各閉鎖部分が、前記シート基材上の1つ以上の開口を連続的に閉じる、請求項1に記載のスクリーン。
【請求項3】
前記閉鎖領域が、前記シート基材上に環状に配置された複数の閉鎖部分で構成される、請求項2に記載のスクリーン。
【請求項4】
前記閉鎖領域が、前記シート基材の中心から前記シート基材の周縁端に向かって一連に配置された複数の閉鎖部分で構成される、請求項2に記載のスクリーン。
【請求項5】
一連に配置された前記複数の閉鎖部分の面積が、前記シート基材の前記中心から前記シート基材の前記周縁端に向かって増加する、請求項4に記載のスクリーン。
【請求項6】
前記閉鎖パターンが、前記シート基材の中心により近い第1の閉鎖領域と、前記シート基材の前記中心からより遠い第2の閉鎖領域とを含み、前記第2の閉鎖領域の前記閉鎖面積が、前記第1の閉鎖領域の前記閉鎖面積よりも大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項7】
前記閉鎖パターンが、1つ以上の開口を閉じる1つの連続した閉鎖部分で構成され、前記閉鎖部分が、前記シート基材の中心の方を向いた内側端部と、前記シート基材の周縁端の方を向いた外側端部とを有し、前記閉鎖部分のうち前記内側端部よりも前記外側端部に近い部分の面積が、前記閉鎖部分のうち前記外側端部よりも前記内側端部に近い部分の面積よりも大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項8】
d1≧d2を満たす点Pの組で構成される外側領域における閉鎖面積が、d1<d2を満たす点Pの組で構成される内側領域における閉鎖面積よりも大きく、前記シート基材のシート平面の平面図において、d1が、前記シート基材上の点Pから前記シート基材の中心までの距離であり、d2が、前記シート基材上の点Pから前記シート基材の周縁端までの距離である、請求項1から7のいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項9】
d1≧d2を満たす点Pの組で構成される外側領域における閉鎖面積の、前記外側領域の総面積に対する比が、d1<d2を満たす点Pの組で構成される内側領域における閉鎖面積の、前記内側領域の総面積に対する比よりも大きく、前記シート基材のシート平面の平面図において、d1が、前記シート基材上の点Pから前記シート基材の中心までの距離であり、d2が、前記シート基材上の点Pから前記シート基材の周縁端までの距離である、請求項1から7のいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項10】
前記シート基材の中心から前記シート基材の周縁端までの距離をn個(nは1よりも大きい整数である)のセクションに等しく分割するように、前記シート基材が、最も内側の第1領域から最も外側の第n領域までn個の領域に分割される場合、第k領域(kは2とnとの間の整数である)における閉鎖面積が、第(k-1)領域における閉鎖面積よりも大きい、請求項1から9のいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項11】
前記シート基材が、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、TPE(熱可塑性エラストマー)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルエステル、ポリアクリロニトリル、UV硬化性樹脂、金属、ガラス繊維、および炭素繊維からなるグループから選択される少なくとも1つの材料から作られる、請求項1から10のいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項12】
前記シート基材が、織物材料で作られる、請求項11に記載のスクリーン。
【請求項13】
前記少なくとも1つの閉鎖領域が、前記複数の開口の一部が溶接によって閉じられた溶接部を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項14】
前記閉鎖パターンが、前記シート基材上に放射状に配置された複数の閉鎖領域で構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載のスクリーン。
【請求項15】
化粧品組成物を収容するように構成された本体と
前記化粧品組成物を覆うために前記本体に取り付けられた、請求項1から14のいずれか一項に記載のスクリーンと
を備える、化粧品容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品容器用のスクリーン、および化粧品容器自体に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品容器は、化粧品組成物を収容する本体と、化粧品組成物を覆うメッシュスクリーンとを備える。使用者は、たとえば、パフなどの塗布具をメッシュスクリーンに押し付けることによって、メッシュスクリーンを通して化粧品組成物を取ることができる。
【0003】
しかしながら、使用者の押す力は、メッシュスクリーンの中心部分に集中する傾向があり、メッシュスクリーンの外側部分、詳細には外周縁部を通り抜けて化粧品組成物があふれることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、化粧品容器のスクリーンの外側部分でのあふれを減らすことができる、化粧品容器用のスクリーン、および化粧品容器自体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、化粧品容器用のスクリーンを提供する。このスクリーンは、複数の開口を有するメッシュ状のシート基材を含む。シート基材は、複数の開口を少なくとも部分的に閉じる少なくとも1つの閉鎖領域で構成される閉鎖パターンを有する。少なくとも1つの閉鎖領域が複数の開口を少なくとも部分的に閉じる閉鎖面積は、シート基材の内側部分においてよりもシート基材の外側部分において大きい。本明細書では、「少なくとも部分的に閉じる」とは、部分的にまたは全体的に閉じることを意味する。「部分的に閉じる」とは、任意の手段によって開口の穴のサイズを縮小することを意味し、「全体的に閉じる」とは、任意の手段によって開口の全体をふさぐことを意味する。開口を部分的に閉じることによって、開口の穴のサイズは、他の(閉じられていない)開口よりも小さくなる。
【0006】
スクリーンの一態様によれば、閉鎖領域は、少なくとも1つの閉鎖部分で構成されてもよく、各閉鎖部分が、シート基材上の1つ以上の開口を連続的に閉じる。
【0007】
スクリーンの一態様によれば、閉鎖領域は、シート基材上に環状に配置された複数の閉鎖部分で構成されてもよい。
【0008】
スクリーンの一態様によれば、閉鎖領域は、シート基材の中心からシート基材の周縁端に向かって一連に配置された複数の閉鎖部分で構成されてもよい。
【0009】
スクリーンの一態様によれば、一連に配置された複数の閉鎖部分の面積は、シート基材の中心からシート基材の周縁端に向かって増加してもよい。
【0010】
スクリーンの一態様によれば、閉鎖パターンは、シート基材の中心により近い第1の閉鎖領域と、シート基材の中心からより遠い第2の閉鎖領域とを含んでもよく、第2の閉鎖領域の閉鎖面積は、第1の閉鎖領域の閉鎖面積よりも大きくてもよい。
【0011】
スクリーンの一態様によれば、閉鎖パターンは、1つ以上の開口を閉じる1つの連続した閉鎖部分で構成されてもよく、閉鎖部分は、シート基材の中心の方を向いた内側端部と、シート基材の周縁端の方を向いた外側端部とを有し、閉鎖部分のうち内側端部よりも外側端部に近い部分の面積は、閉鎖部分のうち外側端部よりも内側端部に近い部分の面積よりも大きくてもよい。
【0012】
スクリーンの一態様によれば、d1≧d2を満たす点Pの組で構成される外側領域における閉鎖面積は、d1<d2を満たす点Pの組で構成される内側領域における閉鎖面積よりも大きくてもよく、ここでd1は、シート基材のシート平面の平面図において、シート基材上の点Pからシート基材の中心までの距離であり、d2は、シート基材上の点Pからシート基材上の周縁端までの距離である。
【0013】
スクリーンの一態様によれば、d1≧d2を満たす点Pの組で構成される外側領域における閉鎖面積の、外側領域の総面積に対する比は、d1<d2を満たす点Pの組で構成される内側領域における閉鎖面積の、内側領域の総面積に対する比よりも大きくてもよく、ここでd1は、シート基材のシート平面の平面図において、シート基材上の点Pからシート基材の中心までの距離であり、d2は、シート基材上の点Pからシート基材の周縁端までの距離である。
【0014】
スクリーンの一態様によれば、シート基材の中心からシート基材の周縁端までの距離をn個のセクションに等しく分割するように、シート基材が、最も内側の第1領域から最も外側の第n領域まで、n個の領域に分割される場合(nは1よりも大きい整数である)、第k領域(kは2~nの整数である)の閉鎖面積は、第(k-1)領域の閉鎖面積よりも大きい。
【0015】
スクリーンの一態様によれば、シート基材は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、TPE(熱可塑性エラストマー)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルエステル、ポリアクリロニトリル、金属、ガラス繊維、および炭素繊維からなるグループから選択される少なくとも1つの材料から作られてもよい。
【0016】
スクリーンの一態様によれば、シート基材は、織物材料から作られてもよい。
【0017】
スクリーンの一態様によれば、少なくとも1つの閉鎖領域は、複数の開口の一部が溶接によって閉じられた溶接部を含んでもよい。
【0018】
スクリーンの一態様によれば、閉鎖パターンは、シート基材上に放射状に配置された複数の閉鎖領域で構成されてもよい。
【0019】
本発明の別の態様は、化粧品容器を提供する。この化粧品容器は、化粧品組成物を収容するように構成された本体と、化粧品組成物を覆うために本体に取り付けられる、上記の態様のいずれか1つによるスクリーンとを備える。
【0020】
本発明の非限定的で代表的な実施形態について、本発明がよりよく理解され得るように、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態による、化粧品容器1の斜視図である。
図2】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の平面図である。
図3】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図4】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図5】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図6】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図7】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図8】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図9】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図10】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図11】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図12】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図13】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図14】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図15】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図16】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図17】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図18】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
図19】一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の変形形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の実施形態について、詳細に説明する。XYZ座標系が、図面に示されているように定義されるが、これは、本発明を限定することを意図するものではない。
【0023】
化粧品容器用のスクリーンおよび化粧品容器について、例を通して以下で説明する。
【0024】
化粧品容器
一実施形態による化粧品容器1について、図1および図2を参照しながら説明する。図1は、一実施形態による、化粧品容器1の斜視図である。図2は、一実施形態による化粧品容器1用のスクリーン20の平面図である。
【0025】
図1を参照すると、化粧品容器1は、本体10と、本体10に取り付けられたスクリーン20とを備える。化粧品容器1は、本体10の中に化粧品組成物Cを含んでいる。スクリーン20は、使用者がスクリーン20を通して化粧品組成物Cを取ることを可能にするように化粧品組成物Cを覆う。
【0026】
図1の化粧品容器1の形態は一例にすぎず、化粧品容器1は任意の形態の任意のタイプの容器であってもよいことに留意されたい。たとえば、化粧品容器1は、化粧品組成物Cを収容する円筒形の本体を有する化粧品ジャーであってもよい。
【0027】
(化粧品組成物C)
化粧品組成物Cは、任意の種類の化粧品材料で作られる。使用者は、スクリーン20を通して化粧品組成物Cを取り上げ、それを皮膚に塗布する。化粧品組成物Cは、液体形態、クリーム形態、液体クリーム状ファンデーション、粉末形態(たとえば、熱注入粉末、圧縮粉末、もしくはルースパウダー)、または固体形態など、任意の形態であってよい。詳細には、化粧品組成物Cが液体またはクリームである場合、使用者の押す力は、化粧品組成物Cを貯蔵部12の周縁部分でスクリーン20を通して簡単にあふれさせる傾向がある。
【0028】
(本体10)
本体10は、化粧品組成物Cを収容するための化粧品容器1の主要な部分である。本体10は、貯蔵部12と、内蓋14と、外蓋16とを備える。
【0029】
貯蔵部12は、その中に化粧品組成物Cを入れるための凹所を有する。貯蔵部12は、本体10のベース部分として機能する。貯蔵部12の上側端部は、スクリーン20を設けられる。
【0030】
内蓋14は、貯蔵部12のためのカバーである。内蓋14は、貯蔵部12の側面にヒンジで連結され、貯蔵部12の凹所を開閉するように構成される。内蓋14は、化粧品組成物Cが漏れるのを防ぐためにスクリーン20および化粧品組成物Cを覆う。
【0031】
外蓋16は、本体10の外カバーである。外蓋16は、貯蔵部12の側面に内蓋14の位置とは異なる位置にヒンジで連結される。外蓋16は、本体10の内部空間を密閉するように内蓋14を覆う。使用者がメイクアップを施すとき使用するために、外蓋16の内側に鏡18が設けられてもよい。スクリーン20を通して化粧品組成物Cを取り上げるために使用される、パフなどの塗布具を収容するために、閉じた状態で、内蓋14と外蓋16との間に空間があってもよい。
【0032】
(スクリーン20)
スクリーン20は、化粧品組成物Cが貯蔵部12から出ることを防ぐために、貯蔵部12に収納された化粧品組成物Cを覆う。スクリーン20は、化粧品組成物Cの供給量を制御しながら使用者がそれを通して化粧品組成物Cを取り上げることを可能にするためにメッシュ構造を有する。メッシュ構造は、網またはふるいのような、多くの小開口を有する構造を意味する。
【0033】
スクリーン20は、シート基材22を含む。シート基材22は、その上に複数の開口24を有するメッシュ構造で成形される。開口24は、シート基材22上に任意の様式で配置され、たとえば規則的にまたは不規則に配置される。
【0034】
シート基材22は、任意の材料で作られてよい。たとえば、シート基材22は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、TPE(熱可塑性エラストマー)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルエステル、ポリアクリロニトリル、UV硬化性樹脂、金属、ガラス繊維、および炭素繊維からなるグループから選択される少なくとも1つから作られてもよい。好ましくは、シート基材22は、織物材料から作られる。シート基材22は、たとえばUV硬化性樹脂から、3D印刷によって製造されてもよい。
【0035】
スクリーン20は、開口24の一部を閉じる閉鎖パターン30を有する。閉じられた開口24は、化粧品組成物Cが通過するのを防ぐ。したがって、化粧品組成物Cは、開口24が閉鎖パターン30によって閉じられていない位置で、スクリーン20を通過することができる。閉鎖パターンは、消費者を引きつけるためにスクリーン20上の美的装飾としての役割を果たすこともできる。
【0036】
図1および図2では、閉鎖パターン30は、規則的に配置された円で構成された放射状のパターンである。閉鎖パターン30は、3つのタイプの円を含む。第1の円40は最も小さく、第2の円42は2番目に小さく、第3の円44は最も大きい。第1の円40は、最も内側に、環状に配置され、第3の円44は、最も外側に、環状に配置され、第2の円42は、第1の円40と第3の円44との間に環状に配置される。
【0037】
ここでは、各円が、1つ以上の開口24を連続的に閉じる閉鎖部分34と呼ばれ得る。本明細書で使用する「連続的に閉じる」とは、1つの開口のみを閉じること、または2つ以上の開口を閉じることを意味し、各閉じられた開口は、別の閉じられた開口に隣接している。閉鎖部分34は、所定の形状で形成され、全体として閉鎖パターン30を形成するように所定のパターンで配置される。この場合、閉鎖部分34がシート基材22の中心26からより遠くに位置するほど、閉鎖部分34の面積はより大きくなる。
【0038】
本明細書では、「閉鎖部分」と「閉鎖パターン」との間の中間要素として、「閉鎖領域」が定義される。閉鎖領域32は、1つ以上の閉鎖部分34のグループであり、全体として所定の形状を形成し、閉鎖パターン全体の一部として機能する。たとえば、図1および図2に示す例では、第1の円40の環状の組は、第1の閉鎖領域32aを形成し、第2の円42の環状の組は、第2の閉鎖領域32bを形成し、第3の円44の環状の組は、第3の閉鎖領域32cを形成する。言い換えれば、閉鎖領域32は、1つ以上の閉鎖部分で構成され、閉鎖パターン30は、1つ以上の閉鎖領域32で構成される。この場合、閉鎖領域32は、シート基材22上に環状に配置された閉鎖部分34で構成される。連続した閉鎖部分34とは異なり、閉鎖領域32は、互いから間隔をあけたいくつかの閉鎖部分34を含む場合があり、したがって閉鎖領域32は、閉鎖部分34だけでなく、開口24の一部分も含む場合がある。
【0039】
この実施形態では、第3の閉鎖領域32cの閉鎖面積は、第2の閉鎖領域32bの閉鎖面積よりも大きく、第2の閉鎖領域32bの閉鎖面積は、第1の閉鎖領域32aの閉鎖面積よりも大きい。本明細書で使用する「閉鎖面積」とは、ある領域における閉鎖部分(各閉鎖部分は、開口24が連続的に閉じられる連続した部分である)の面積の合計を意味する。たとえば、第1の閉鎖領域32aの閉鎖面積は、第1の閉鎖領域32aに含まれる第1の円40すべての面積を合計することによって計算される。したがって、閉鎖領域32が開口24を閉じる閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。この場合、シート基材22の中心26からより遠い閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の中心26により近い閉鎖領域32の閉鎖面積よりも大きい。言い換えれば、閉鎖領域32がシート基材22上で中心26から遠くに位置するほど、閉鎖領域32がより大きい閉鎖面積を有する。
【0040】
あるいは、各閉鎖領域32は、1つの閉鎖部分34で構成されてもよい。たとえば、図2に示すように、第1の閉鎖領域32a’は、1つの第1の円40(1つの閉鎖部分34)と同一であってもよく、第2の閉鎖領域32b’は、1つの第2の円42(1つの閉鎖部分34)と同一であってもよく、第3の閉鎖領域32c’は、1つの第3の円44(1つの閉鎖部分34)と同一であってもよい。このようにしても、閉鎖領域32’が開口24を閉じる閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。
【0041】
ここで、シート基材22上の点Pが、図2に示すように与えられる。図2に記載のシート基材22のシート平面の平面図では、距離d1は、点Pからシート基材22の中心26までの距離として定義され、距離d2は、点Pからシート基材22の周縁端28までの距離として定義される。シート基材22の内側領域22aが、d1<d2を満たす点Pの組で構成される領域として定義され、シート基材22の外側領域22bが、d1≧d2を満たす点Pの組で構成される領域として定義される。
【0042】
この実施形態では、シート基材22は、半径rの円形形状を有し、内側領域22aは、半径r/2の内側円形部分であり、外側領域22bは、幅r/2の外側リング部分である。閉鎖領域32a、32b、32cすべてが外側領域22bに位置しているので、外側領域22bにおける閉鎖面積は、閉鎖領域が形成されない内側領域22aにおける閉鎖面積よりも大きい。
【0043】
「閉鎖密度」、すなわち、ある領域の総面積に対するある領域における閉鎖面積の比もまた計算することができる。この実施形態では、外側領域22bにおける閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖密度よりも大きい。
【0044】
あるいは、シート基材22は、たとえば、中心26からの距離に従って、3つ以上の部分に分割されてもよい。たとえば、シート基材22は、中心26から周縁端28までの直線を4つのセクションに等しく分割することによって、4つの部分に分割されてもよい。この場合、シート基材22は、半径r/4の最も内側の円形部分と、最も内側の円形部分の周りの幅r/4の第1のリング部分と、第1のリング部分の周りの幅r/4の第2のリング部分と、第2のリング部分の周りの幅r/4の第3のリング部分(最も外側の部分)とに分割されてもよい。より一般的には、シート基材22は、n個(nは1よりも大きい整数である)に分割されてもよい。閉鎖パターン30は、シート基材22の内側部分から外側部分までのグラデーションを有してもよい。たとえば、シート基材22が、中心26から周縁端28までの距離をn個のセクションに等しく分割するように、最も内側の第1領域から最も外側の第n領域までn個の領域(nは1よりも大きい整数であり、たとえばnは2、3、4、5、6、7、または8である)に分割される場合、第k領域(kは2とnとの間の整数である)における閉鎖面積および/または閉鎖密度は、第(k-1)領域における閉鎖面積および/または閉鎖密度よりも大きい。言い換えれば、分割された領域がシート基材22の中心26から遠くなるほど、分割された領域はより大きい閉鎖面積および/または閉鎖密度を有する。
【0045】
開口24は、閉鎖パターン30を形成するために任意の方法によって閉じられ、たとえば、シート基材22の所定の部分への熱処理によって閉じられる。たとえば、開口24は、メッシュ状の織物シート基材の超音波溶接などの溶接、またはホットスタンピングによって、部分的に閉じられてもよい。この場合、閉鎖部分34は、シート基材22の溶接によって開口24が閉じられた溶接部であってもよい。あるいは、開口24は、シート基材22の所定の部分へのインク、または糊などの接着剤の塗布によって、たとえばインクのシルクスクリーニングによって、閉じられてもよい。閉鎖パターン30は、開口24をふさぐ何かを加えることによって、たとえば、刺しゅう、つぎ当て、もしくは箔プリントによって、またはラミネート加工した二重層のシートで開口24をふさぐことによって形成されてもよい。
【0046】
スクリーンの変形形態
図3から図19は、様々な閉鎖パターン30を有するスクリーン20の変形形態を示す。
【0047】
図3に示す変形形態は、シート基材22上に放射状に配置された複数の三角形の閉鎖部分34で構成された閉鎖パターン30を有する。外側の三角形の閉鎖部分34は、内側の三角形の閉鎖部分34よりも大きい。第1の(内側)閉鎖領域32aは、内側の閉鎖部分34の環状の組で構成され、第2の(外側)閉鎖領域32bは、外側の閉鎖部分34の環状の組で構成される。図2の変形形態と同様に、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。
【0048】
あるいは、第1の閉鎖領域32a’は、より小さい三角形状の1つの内側の閉鎖部分34であってもよく、第2の閉鎖領域32b’は、より大きい三角形状の1つの外側の閉鎖部分34であってもよい。閉鎖パターン30は、16個の内側閉鎖領域32a’と、16個の外側閉鎖領域32b’とで構成される。このようにしても、閉鎖領域32’の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。
【0049】
さらに、図2の変形形態と同様に、外側領域22bにおける閉鎖面積は、内側領域22aにおける閉鎖面積よりも大きい。外側領域22bにおける閉鎖密度は、同様に、内側領域22aにおける閉鎖密度よりも大きい。
【0050】
図4の変形形態は、図3の三角形の閉鎖部分よりも多くの三角形の閉鎖部分34で構成された閉鎖パターン30を有する。三角形の閉鎖部分34は、シート基材22上に放射状に配置される。4つの三角形の閉鎖部分34が、内側の閉鎖部分から外側の閉鎖部分へとサイズが増加して、半径方向に沿って一連に配置される。
【0051】
図3の変形形態と同様に、閉鎖領域32が、閉鎖部分34の環状の組、または1つの閉鎖部分34であってもよい。前者では、4つの環状で同心の閉鎖領域32が定義される。後者では、閉鎖領域32の数は、16×4=64である。どちらの場合も、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。さらに、外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。
【0052】
図5の変形形態は、図4の変形形態と同様であるが、2つのタイプの三角形の閉鎖部分34の列がある。第1の列は、第1の閉鎖領域32aを形成する、4つのより小さい三角形の内側の列であり、第2の列は、第2の閉鎖領域32bを形成する、4つのより大きい三角形の外側の列である。第2の閉鎖領域32bの閉鎖面積は、第1の閉鎖領域32aの閉鎖面積よりも大きい。したがって、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。さらに、外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。
【0053】
この場合、閉鎖領域32は、シート基材22の中心26からシート基材22の周縁端28に向かって一連に配置された閉鎖部分34で構成される。一連に配置された複数の閉鎖部分34の面積は、中心26から周縁端28に向かって増加する。
【0054】
図6の変形形態は、シート基材22上に放射状に配置されたハート形の閉鎖部分34で構成された閉鎖パターン30を有する。3つのハート形の閉鎖部分34は、内側の閉鎖部分から外側の閉鎖部分へとサイズが増加して、放射方向に沿って一連に配置される。
【0055】
図3および図4の変形形態と同様に、閉鎖領域32が、閉鎖部分34の環状の組、または1つの閉鎖部分34であってもよい。前者では、3つの環状で同心の閉鎖領域32が定義される。後者では、閉鎖領域32の数は、16×3=48である。どちらの場合も、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。さらに、外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。
【0056】
図7の変形形態は、シート基材22上にねじれた形で放射状に配置された円形の閉鎖部分34で構成された閉鎖パターン30を有する。6個の円形の閉鎖部分34は、内側の閉鎖部分から外側の閉鎖部分へとサイズが増加して、シート基材22の中心26から周縁端28までねじれた形で一連に配置される。
【0057】
図3図4、および図6の変形形態と同様に、閉鎖領域32が、閉鎖部分34の環状の組、または1つの閉鎖部分34であってもよい。前者では、6つの環状で同心の閉鎖領域32が定義される。後者では、閉鎖領域32の数は、16×6=96である。どちらの場合も、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。さらに、外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。
【0058】
図8の変形形態は、シート基材22の内側部分に放射状に配置された水滴の形の閉鎖部分34aと、シート基材22の外側部分を覆うリング形の閉鎖部分34bとで構成された閉鎖パターン30を有する。リング閉鎖部分34bがシート基材22の外側部分全体を覆うので、閉鎖パターン30は、スクリーン20の周縁部での化粧品組成物Cのあふれを著しく減らすことができる。
【0059】
第1の閉鎖領域32aは、水滴の形の閉鎖部分34aの環状の組または1つの閉鎖部分34aであってもよい。第2の閉鎖領域32bは、閉鎖部分34bで構成される。閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。さらに、外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。
【0060】
図9の変形形態は、シート基材22の内側部分に放射状に配置された水滴の形の閉鎖部分34aと、幅広の弧の形の閉鎖部分34bと、細い弧の形の閉鎖部分34cとで構成された閉鎖パターン30を有する。
【0061】
第1の閉鎖領域32aは、1つの水滴の形の閉鎖部分34aである。第2の閉鎖領域32bは、隣接した弧の形の閉鎖部分34b、34cの組である。第2の閉鎖領域32bの閉鎖面積は、第1の閉鎖領域32aの閉鎖面積よりも大きいので、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。さらに、外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。
【0062】
図10の変形形態は、図9の変形形態と同様であるが、図9の水滴の形の閉鎖部分34aの代わりに、3つの小さい水滴の形の閉鎖部分34a、34bが形成される。第1の閉鎖領域32aは、1つの水滴の形の閉鎖部分34aである。第2の閉鎖領域32bは、2つの隣接した閉鎖部分34b、34bの組である。第3の閉鎖領域32cは、隣接した弧の形の閉鎖部分34c、34dの組である。第3の閉鎖領域32cの閉鎖面積は、第2の閉鎖領域32bの閉鎖面積よりも大きく、第2の閉鎖領域32bの閉鎖面積は、第1の閉鎖領域32aの閉鎖面積よりも大きいので、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。さらに、外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。
【0063】
図11の変形形態は、円形の閉鎖部分34aおよび34bで構成された閉鎖パターン30を有する。閉鎖部分34aは、シート基材22上に放射状に配置されたY字形のパターンを形成する。閉鎖部分34aは、シート基材22の内側部分から外側部分へとサイズが増加する。閉鎖部分34bは、2つのY字形のパターンの間に配置される。
【0064】
第1の閉鎖領域32aは、Y字形のパターンを形成する10個の閉鎖部分34aの組である。第2の閉鎖領域32bは、1つの閉鎖部分34bである。外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。したがって、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。
【0065】
図12の変形形態は、図11の変形形態と同様であるが、図11の円形の閉鎖部分34bの代わりに、内向きの三日月の閉鎖部分34bが形成される。第1の閉鎖領域32aは、Y字形のパターンを形成する10個の閉鎖部分34aの組である。第2の閉鎖領域32bは、1つの三日月の閉鎖部分34bである。外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。したがって、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。
【0066】
図13の変形形態は、図12の変形形態と同様であるが、図12の内向きの三日月の閉鎖部分34bの代わりに、外向きの三日月の閉鎖部分34bが形成される。第1の閉鎖領域32aは、Y字形のパターンを形成する10個の閉鎖部分34aの組である。第2の閉鎖領域32bは、1つの三日月の閉鎖部分34bである。外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。したがって、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。
【0067】
図14の変形形態は、水滴の形の閉鎖部分34で構成された閉鎖パターン30を有する。閉鎖部分34は、互いに同じサイズを有し、シート基材22上に放射状に配置される。閉鎖部分34は、シート基材22の中心26の方に方向づけられたまたは中心26の方を向いた内側端部(水滴の上部先端)と、シート基材22の周縁端28の方に方向づけられたまたは周縁端28の方を向いた外側端部(水滴の底点)とを有する。水滴の形の閉鎖部分34が、外側端部よりも内側端部に近い内側部分34aと、内側端部よりも外側端部に近い外側部分34bとに分割される場合、閉鎖部分34の外側部分34bの面積は、閉鎖部分34の内側部分34aの面積よりも大きい。
【0068】
閉鎖領域32は、1つの閉鎖部分34である。上述のように、閉鎖領域32の外側部分(外側部分34b)の閉鎖面積は、閉鎖領域32の内側部分(内側部分34a)の閉鎖面積よりも大きい。したがって、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。さらに、外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。
【0069】
図15の変形形態は、水滴の形の閉鎖部分34a、34bで構成された閉鎖パターン30を有する。閉鎖部分34bは、図14の閉鎖部分34と同様に水滴の形で形成されるのに対して、閉鎖部分34aも水滴の形を有するが、水滴の輪郭として有するにすぎない。言い換えれば、閉鎖部分34bは、水滴の輪郭によって囲まれた開口24全部を閉じるが、閉鎖部分34aは、水滴の輪郭に沿った開口24のみを閉じ、水滴の輪郭によって囲まれた開口24を閉じない。閉鎖部分34aは、閉鎖部分34bよりもシート基材22の中心26に近い。
【0070】
閉鎖部分34aは、互いに同じサイズを有し、シート基材22上に放射状に配置される。閉鎖部分34bもまた、互いに同じサイズを有し、シート基材22上に放射状に配置される。図14の閉鎖部分34と同様に、閉鎖部分34a、34bの各々は、内側端部と外側端部とを有する。閉鎖部分34a、34bが、外側端部よりも内側端部に近い内側部分と、内側端部よりも外側端部に近い外側部分とに分割される場合、閉鎖部分34a、34bの外側部分の面積は、閉鎖部分34a、34bの内側部分の面積よりも大きい。
【0071】
第1の閉鎖領域32aは、1つの閉鎖部分34aである。第2の閉鎖領域32bは、1つの閉鎖部分34bである。上述のように、閉鎖領域32a、32bの外側部分(閉鎖部分34a、34bの外側部分)の閉鎖面積は、閉鎖領域32a、32bの内側部分(閉鎖部分34a、34bの内側部分)の閉鎖面積よりも大きい。したがって、閉鎖領域32の閉鎖面積は、シート基材22の内側部分においてよりもシート基材22の外側部分において大きい。さらに、外側領域22bにおける閉鎖面積および閉鎖密度は、内側領域22aにおける閉鎖面積および閉鎖密度よりも大きい。
【0072】
図16の変形形態は、シート基材22の外側部分を覆うリング形の閉鎖部分32で構成された閉鎖パターン30を有する。リング閉鎖部分32がシート基材22の外側部分全体を覆うので、閉鎖パターン30は、スクリーン20の周縁部での化粧品組成物Cのあふれを著しく減らすことができる。たとえば、シート基材22の中心26からリング形の閉鎖部分32の内縁までの距離は、27.8mmであってもよく、シート基材22の中心26からリング形の閉鎖部分32の外縁までの距離(すなわち、シート基材22の半径)は、54.4mmであってもよい。
【0073】
図17の変形形態は、図16の変形形態と同様に、シート基材22の外側部分を覆うリング形の閉鎖部分32で構成された閉鎖パターン30を有する。リング閉鎖部分32がシート基材22の外側部分全体を覆うので、閉鎖パターン30は、スクリーン20の周縁部での化粧品組成物Cのあふれを著しく減らすことができる。たとえば、シート基材22の中心26からリング形の閉鎖部分32の内縁までの距離は、29mmであってもよく、シート基材22の中心26からリング形の閉鎖部分32の外縁までの距離(すなわち、シート基材22の半径)は、49mmであってもよい。
【0074】
図18の変形形態は、シート基材22の外側部分を部分的に覆うリング形の閉鎖部分32で構成された閉鎖パターン30を有する。シート基材22の最も外側のリング形の部分は、閉鎖部分32を設けられていない。リング閉鎖部分32がシート基材22の外側部分の大部分を覆うので、閉鎖パターン30は、スクリーン20の周縁部での化粧品組成物Cのあふれを著しく減らすことができる。たとえば、シート基材22の中心26からリング形の閉鎖部分32の内縁までの距離は、27.8mmであってもよく、シート基材22の中心26からリング形の閉鎖部分32の外縁までの距離は、51.6mmであってもよく、シート基材22の半径は、56.2mmであってもよい。
【0075】
図19の変形形態は、図16および図17の変形形態と同様に、シート基材22の外側部分を覆うリング形の閉鎖部分32で構成された閉鎖パターン30を有する。リング閉鎖部分32がシート基材22の外側部分全体を覆うので、閉鎖パターン30は、スクリーン20の周縁部での化粧品組成物Cのあふれを著しく減らすことができる。たとえば、シート基材22の中心26からリング形の閉鎖部分32の内縁までの距離は、31.6mmであってもよく、シート基材22の中心26からリング形の閉鎖部分32の外縁までの距離(すなわち、シート基材22の半径)は、51.6mmであってもよい。
【0076】
効果
上記で説明した実施形態の少なくとも1つによれば、スクリーンの外側部分は、スクリーンの内側部分よりも多く閉鎖領域によって覆われる。したがって、化粧品容器のスクリーンの外側部分でのあふれを減らすことが可能である。
【0077】
図8に示す閉鎖パターンがあるスクリーンを備えた化粧品容器と、閉鎖パターンのないスクリーンを備えた比較の化粧品容器とを使用して、テストが行われた。閉鎖パターンのないスクリーンの中心を押すことによって、化粧品組成物は、スクリーンの周縁部を通ってあふれた。一方、閉鎖パターンがあるスクリーンの周縁部では、あふれは見られず(またはごく限られたあふれが見られ)、メイクアップ結果に影響を及ぼさなかった。
【符号の説明】
【0078】
1 化粧品容器
10 本体
12 貯蔵部
14 内蓋
16 外蓋
18 鏡
20 スクリーン
22 シート基材
24 開口
26 中心
28 周縁端
30 閉鎖パターン
32 閉鎖領域
34 閉鎖部分
40 第1の円
42 第2の円
44 第3の円
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【外国語明細書】