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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092938
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】不揮発性半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/34 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
G11C16/34 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208252
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 潤一
【テーマコード(参考)】
5B225
【Fターム(参考)】
5B225CA21
5B225DA09
5B225DC08
5B225ED03
5B225EE04
5B225FA02
(57)【要約】
【課題】相補読出型の不揮発性半導体記憶装置において、複数個のメモリセルの全てが消去状態であるか否かを示す情報を、メモリセルを追加配置することなく生成する。
【解決手段】n個の第1センスアンプSA1~SAnは、n個のツインセル12のそれぞれにおいて、2個のメモリセル10x,10yのうちの、データ読出状態でのセル電流が小さい又は大きい一方のメモリセルと、電源配線PLsとの間に電流経路を形成する。第2センスアンプSAvは、n個の第1センスアンプSA1~SAnによる電流の合計として電源配線PLsに流れるベリファイ電流Ivfに基づいて、n個のツインセル12のメモリセル10x,10yの全ての記憶データが同一レベルである消去状態であるか否かを示す消去ベリファイ情報RTDvを生成する。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の区分に分類される複数のツインセルを備え、
前記複数のツインセルの各々は、
データ読出状態に通過するセル電流が2値の記憶データに応じて異なる、第1及び第2のメモリセルを含み、
各前記ツインセルは、前記第1及び第2のメモリセルの間で、前記記憶データが揃っている消去状態と、前記記憶データが異なる書込状態とのいずれかであり、
前記複数の区分の各々は、n個(n:2以上の整数)の前記ツインセルを含み、
並列に前記n個のツインセルと接続されるn個の第1増幅器と、
前記n個のツインセイルの全てが前記消去状態であるか否かを示す消去ベリファイ情報を生成する第2増幅器と、
第1電源配線とを更に備え、
前記n個の第1増幅器の各々は、消去ベリファイ動作において、前記データ読出状態とされた前記第1及び第2のメモリセルのうちの、前記セル電流が小さい方及び大きい方の予め定められた一方である一方のメモリセルと前記第1電源配線との間に電流経路を形成し、
前記第2増幅器は、前記消去ベリファイ動作において、前記第1電源配線に流れる電流に基づいて、前記消去ベリファイ情報を生成する、不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第2増幅器は、前記第1電源配線に流れる電流と、予め定められた参照電流との比較結果に応じて、前記消去ベリファイ情報を生成し、
前記記憶データは、第1レベル及び第2レベルを有し、
前記消去状態の前記ツインセルの前記第1及び第2のメモリセルは前記第1レベルを記憶するのに対して、前記書込状態の前記ツインセルの前記第1及び第2のメモリセルは前記第1レベル及び前記第2レベルの一方ずつを記憶し、
前記参照電流は、前記第1及び第2のメモリセルの各々が前記第1レベルを保持するときの前記セル電流である第1電流のn倍の電流の分布曲線と、前記第1及び第2のメモリセルの各々が前記第2レベルを保持するときの前記セル電流である第2電流のn倍の電流の分布曲線との間の電流値に設定される、請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第2増幅器は、前記第1電源配線と電源ノードとの間に接続された第1抵抗素子に生じる電圧降下に依存して変化する第1の電圧と、前記参照電流が通過する第2抵抗素子に生じる電圧降下に依存して変化する第2の電圧との比較結果に基づいて、前記消去ベリファイ情報を生成する、請求項2記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第2増幅器は、前記第1電源配線と電源ノードとの間に接続された第1抵抗素子に生じる電圧降下に依存して変化する第1の電圧に基づいて、前記消去ベリファイ情報を生成する、請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
前記一方のメモリセルは、前記第1及び第2のメモリセルのうちの前記セル電流が小さい方のメモリセルであり、
前記n個の第1増幅器の各々は、
前記第1のメモリセルと接続される第1ノードを流れる電流と、前記第2のメモリセルと接続される第2ノードを流れる電流との大小比較に応じて、前記第1ノード及び前記第2ノードの一方を選択的に前記第1電源配線と接続する増幅動作を実行するセンスアンプを含み、
前記第1増幅器は、前記消去ベリファイ動作において、前記増幅動作によって前記第1ノード及び前記第2ノードの間に生じた電圧差に従って前記センスアンプ内に形成された電流経路を用いて、前記一方のメモリセルと前記第1電源配線との間に電流経路を形成する、請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1電源配線とは別個に設けられた第2電源配線を更に備え、
前記一方のメモリセルは、前記第1及び第2のメモリセルのうちの、前記セル電流が小さい方のメモリセル、又は、前記セル電流が大きい方のメモリセルであり、
前記n個の第1増幅器の各々は、
前記第1のメモリセルと接続される第1ノードを流れる電流と、前記第2のメモリセルと接続される第2ノードを流れる電流との大小比較に応じて、前記第1ノード及び前記第2ノードの一方を選択的に、前記第2電源配線と接続する増幅動作を実行するセンスアンプと、
前記第1電源配線と前記第1のメモリセルとの間に電気的に接続される第1選択スイッチと、
前記第1電源配線と前記第2のメモリセルとの間に電気的に接続される第2選択スイッチとを含み、
前記第1選択スイッチ及び前記第2選択スイッチは、前記消去ベリファイ動作において、前記増幅動作によって前記第1ノード及び前記第2ノードの間に生じた電圧差に従って、前記一方のメモリセルと前記第1電源配線との間が電気的に接続される様に、選択的に一方がオンされる、請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
前記センスアンプは、CMOSセンスアンプによって構成される、請求項5記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項8】
前記複数の区分の各々は、データの書込対象単位に相当し、
前記消去ベリファイ情報は、前記書込対象単位が書込可能であるか否かを示す、請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項9】
前記複数の区分は、アドレスによって指定され、
前記アドレスに記憶されるデータのビット数は、前記nである、請求項8記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項10】
前記記憶データは、第1レベル及び第2レベルを有し、
前記消去状態の前記ツインセルの前記第1及び第2のメモリセルは前記第1レベルを記憶するのに対して、前記書込状態の前記ツインセルの前記第1及び第2のメモリセルは前記第1レベル及び前記第2レベルの一方ずつを記憶し、
前記第1及び第2のメモリセルの各々は、前記第1レベルの前記記憶データを保持するときの閾値電圧が前記第2レベルの前記記憶データを保持するときの閾値電圧よりも低い電界効果トランジスタによって構成される、請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項11】
前記不揮発性半導体記憶装置は、フラッシュメモリである、請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、不揮発性半導体記憶装置に関し、特に、相補読出型の不揮発性半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性半導体記憶装置では、メモリセルの記憶データが“1”及び“0”のいずれであるかに依存して、データ読出時にメモリセルを流れる電流(以下、セル電流)が変わることで、データ記憶が行われる。例えば、フラッシュメモリでは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)で構成されたメモリセルにおいて、フローティイグゲートへの電荷注入の有無に応じてトランジスタの閾値電圧を変化させることで、“1”及び“0”の一方を記憶することができる。
【0003】
1個のメモリセルの記憶データを読み出す際には、セル電流を参照電流と比較することで、記憶データが“1”及び“0”のいずれであるかを判定する方式(以下、「参照電流読出型」とも称する)を適用することができる。しかしながら、参照電流読出型では、製造ばらつき等によってセル電流にばらつきが生じると、記憶データの誤判定が生じることが懸念される。
【0004】
読出精度を高めるための技術として、ペアを構成する2個のメモリセルに相補に“0”及び“1”を記憶させる相補読出型の構成が、例えば、特開2008-117510号公報(特許文献1)に記載されている。
【0005】
特許文献1には、閾値電圧の相違によって2値データを記憶する2個のメモリセルでツインセルを構成して、センスアンプによる2個のメモリセルのセル電流の大小比較によって、当該ツインセルの記憶データを判定する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-117510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、フラッシュメモリ等では、書込状態のメモリセルに対して、直接データを上書きすることは行われず、データ書込は、消去状態のメモリセルに対して実行される。具体的には、ブロック単位に複数のメモリセルの全てを消去状態(記憶データが“1”)とする消去動作が行われた後、消去状態のメモリセルに対して書込動作が行われる。
【0008】
従って、フラッシュメモリの動作時には、データの書込対象単位となる、予め定められた一定区分毎に、当該一定区分に含まれる複数個のメモリセルの全てが消去状態であるか否かを示す情報(以下、「消去ベリファイ情報」とも称する」)が、当該一定区分が書込可能であるか否の確認のために必要である。
【0009】
しかしながら、相補読出型のフラッシュメモリでは、消去状態において、各ツインセルの2個のメモリセルの両方の記憶データが同一(“1”)となる。このため、当該ツインセルからのデータ読出によって、消去ベリファイ情報を生成することが困難である。
【0010】
一方で、当該消去ベリファイ情報を記憶するためのメモリセルを追加配置すると、特に、記憶ビット数の2倍のメモリセルを要する相補読出型の構成においては、消去ベリファイ情報を記憶するための多数のメモリセルの更なる配置が、装置の大型化、高コスト化を招くことが懸念される。
【0011】
本開示は、上記の課題を解決するためのものであって、複数個のメモリセルの全てが消去状態であるか否かを示す情報を、メモリセルを追加配置することなく生成することが可能な相補読出型の不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【0012】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施形態による不揮発性半導体記憶装置は、複数の区分に分類される複数のツインセルと、第1増幅器と、第2増幅器と、第1電源配線とを備える。複数のツインセルの各々は、データ読出状態に通過するセル電流が2値の記憶データに応じて異なる、第1及び第2のメモリセルを含む。複数の区分の各々は、n個(n:2以上の整数)の前記ツインセルを含む。各前記ツインセルは、前記第1及び第2のメモリセルの間で、前記記憶データが揃っている消去状態と、前記記憶データが異なる書込状態とのいずれかである。第1増幅器は、並列にn個のツインセルと接続される。第2増幅器は、n個のツインセイルの全てが消去状態であるか否かを示す消去ベリファイ情報を生成する。n個の第1増幅器の各々は、消去ベリファイ情報を生成するための消去ベリファイ動作において、データ読出状態とされた第1メモリセル及び第2メモリセルのうちの、セル電流が小さい方及び大きい方の予め定められた一方である一方のメモリセルと第1電源配線との間に電流経路を形成する様に動作する。第2増幅器は、消去ベリファイ動作において、第1電源配線に流れる電流に基づいて、消去ベリファイ情報を生成する。
【発明の効果】
【0014】
上記の実施形態によれば、相補読出型の不揮発性半導体記憶装置において、複数個(n個)のメモリセルの全てが消去状態であるか否かを示す情報を、メモリセルを追加配置することなく生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】フラッシュメモリの参照電流型によるデータ読出を説明する概念的な回路図である。
図2図1の参照電流型によるデータ読出を説明するためのセル電流の分布図である。
図3】フラッシュメモリの相補読出型によるデータ読出を説明する概念的な回路図である。
図4図3の参照電流型によるデータ読出を説明するためのセル電流の分布図である。
図5】参照電流読出型での書込可能状態におけるメモリセルからの読出データを説明する概念的な回路図である。
図6図5でのセル電流の分布を説明する概念図である。
図7】相補読出型での書込可能状態におけるメモリセルからの読出データを説明する概念的な回路図である。
図8】相補読出型での消去ベリファイ情報を生成するための構成の第1の比較例を説明する概念的な回路図である。
図9図8の構成における消去状態でのセル電流の分布図である。
図10図8の構成における書込状態でのセル電流の分布図である。
図11】相補読出型での消去ベリファイ情報を生成するための構成の第2の比較例を説明する概念的な回路図である。
図12】消去ベリファイ情報を生成するためのメモリセルの個数の違いに対するセル電流の違いを説明するためのセル電流の分布図である。
図13】第2の比較例における不揮発性半導体記憶装置全体でのメモリセルの配置レイアウト例を説明する概念図である。
図14】第2の比較例に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置における消去ベリファイ情報を生成するための構成を説明する概念的な回路図である。
図15】第1の実施形態に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置における消去ベリファイ情報を生成するための構成を説明する概念的な回路図である。
図16図15に示されたセンスアンプの構成を説明する回路図である。
図17図15に示されたセンスアンプの動作波形図である。
図18図16における書込状態のツインセルに対する消去ベリファイ期間での電流経路を説明する回路図である。
図19図16における消去状態のツインセルに対する消去ベリファイ期間での電流経路を説明する回路図である。
図20】第1の実施形態に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ動作を説明する概念的な回路図である。
図21】消去ベリファイ動作時のベリファイ電流の分布図である。
図22】第2の実施形態に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置における消去ベリファイ情報を生成するための構成を説明する概念的な回路図である。
図23図22に示されたセンスアンプの構成を説明する回路図である。
図24図22に示されたセンスアンプの動作波形図である。
図25図23における書込状態のツインセルに対する消去ベリファイ期間での電流経路を説明する回路図である。
図26図23における消去状態のツインセルに対する消去ベリファイ期間での電流経路を説明する回路図である。
図27】第1の実施形態の変形例に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置を説明する概念的な回路図である。
図28】第2の実施形態の変形例に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置におけるセンスアンプの構成を説明する回路図である。
図29図28におけるツインセルに対する消去ベリファイ期間での電流経路を説明する回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、各実施形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰返さない。
【0017】
<比較例の説明>
まず、相補読出型の不揮発性半導体記憶装置における消去ベリファイ情報を生成するための比較例について、順を追って説明する。以下、本開示では、不揮発性半導体記憶装置の代表例として、フラッシュメモリを説明する。
【0018】
図1は、フラッシュメモリの基本的なデータ読出原理を説明する概念的な回路図である。
【0019】
図1に示される様に、フラッシュメモリのメモリセル10は、フローティングゲートから電荷が放出された消去状態では、閾値電圧が負となることで記憶データは“1”となる。これに対して、消去状態において、フローティングゲートに電荷を注入する書込動作が行われると、メモリセル10は書込状態となる。メモリセル10は、書込状態では、閾値電圧が正となることで記憶データは“0”となる。即ち、電界効果トランジスタで構成されたメモリセル10の消去状態での閾値電圧は、書込状態での閾値電圧よりも低い。
【0020】
読出対象のメモリセル10は、ゲートに読出電圧(正電圧)が入力されることで、閾値電圧に依存したセル電流Icellを発生させる。同一のメモリセル10では、消去状態のセル電流Icellは、電荷注入によって閾値電圧が上昇する書込状態におけるセル電流よりも大きい。
【0021】
メモリセル10は、選択信号SLbをゲートに入力されるセレクタ11を介して、センスアンプSAの入力ノードの一方(-端子)と電気的に接続される。セレクタ11は、例えば、P型のMOSトランジスタで構成される。読出対象のメモリセル10に対応するセレクタ11に入力される選択信号SLbが“0”に設定されることで、セル電流Icellが、センスアンプSAの-端子に流れる。
【0022】
参照セル15は、ゲートに参照電圧Vrefを入力されることで、参照電流Irefを発生する。参照セル15は、センスアンプSAの入力ノードの他方(+端子)と接続される。これにより、参照電流IrefがセンスアンプSAの+端子に流れる。
【0023】
センスアンプSAは、電源配線PLsから電源電圧の供給を受けて、+端子の参照電流Irefと、-端子のセル電流Icellとの大小比較結果を示す読出データRDTを出力する。この様に、参照電流読出方式では、セル電流Icell及び参照電流Irefの比較結果に基づいて、メモリセル10の記憶データを示す読出データRDTを生成することができる。
【0024】
本開示では、センスアンプSAは、+端子に流れる電流(図1ではIref)が-端子に流れる電流(図1ではIecll)より大きいときには、読出データRDT=“0”とする。一方で、-端子に流れる電流(図1ではIecll)が、+端子に流れる電流(図1ではIref)より大きいときには、読出データRDT=“1”とされる。
【0025】
尚、図示は省略しているが、センスアンプSAの入力ノードの一方(-端子)に対しては、図示したのと同様のメモリセル10及びセレクタ11の直列回路が複数接続されており、複数のメモリセル10によって、センスアンプSA及び参照セル15(参照電流Iref)は共有されている。
【0026】
図2は、図1の参照電流読出型によるデータ読出を説明するためのセル電流の分布図である。図2には、不揮発性記憶装置を構成する複数のメモリセル10全体での、記憶データが“0”のときのセル電流Icellの分布曲線200と、記憶データが“1”のときのセル電流Icellの分布曲線201とが示される。
【0027】
参照電流読出型では、分布曲線200及び201が重ならない電流領域に参照電流Irefを設定することが求められる。これにより、消去状態のメモリセル10について、Icell>IrefをセンスアンプSAで検知することにより、読出データRDT=“1”に設定される。一方で、書込状態のメモリセル10について、Icell<IrefをセンスアンプSAで検知することにより、読出データRDT=“0”に設定される。
【0028】
図2から理解される様に、製造ばらつき等の影響で、分布曲線200及び201が重なる電流領域が発生すると、メモリセル10の記憶データと、読出データRDTとのレベル(“0”,“1”)が不一致となる記憶データの誤判定が発生してしまう。
【0029】
従って、劣化を含めて、分布曲線200のうちのセル電流の最大値、及び、分布曲線201のうちのセル電流の最小値、即ち、ワーストビットの電流値と、参照電流Irefとの関係で、書込及び消去の幅が決まり、書換回数他の信頼性の限界が決まることになる。例えば、参照読出型では、分布曲線200を十分に低電流側とするためには、メモリセル10の消去動作時には、フローティングゲートから電荷を十分に放出するようにメモリセル10に電圧を印加する必要がある。この様な電圧条件は、メモリセル10の劣化に不利であるので、書換可能回数が制限される可能性がある。
【0030】
次に、図3及び図4を用いて、相補読出型のデータ読出について説明する。
図3に示される様に、相補読出型では、2個のメモリセル10x及び10yを含むツインセル12によって1ビットのデータが記憶される。
【0031】
図3(a)を参照して、メモリセル10xは、セレクタ11xを介して、センスアンプSAの入力ノードの一方(-端子)と入力される。メモリセル10yは、セレクタ11yを介して、センスアンプSAの入力ノードの他方(+端子)と入力される。
【0032】
セレクタ11x及び11yは、P型のMOSトランジスタで構成されており、各ゲートには共通の選択信号SLbが入力される。読出対象のツインセル12に対応するセレクタ11x,11yに入力される選択信号SLbが“0”に設定されると、メモリセル10xのセル電流IcellxがセンスアンプSAの-端子に流れるとともに、メモリセル10yのセル電流IcellyがセンスアンプSAの+端子に流れる。
【0033】
ツインセル12は、消去状態では、メモリセル10x及び10yの両方の記憶データが“1”である。これに対して、書込状態のツインセル12では、メモリセル10x及び10yの記憶データを“0”及び“1”の一方ずつとすることで、“0”又は“1”を記憶する。
【0034】
図3(a)に示される様に、消去状態のツインセル12に対してメモリセル10xに書込動作を行ったとき、メモリセル10xの記憶データが“0”に変化する。一方で、メモリセル10yの記憶データは“1”である。このとき、Icellx<Icellyとなることにより、センスアンプSAは、読出データRDT=“0”を出力する。即ち、ツインセル12の記憶データは“0”である。
【0035】
反対に、消去状態のツインセル12に対してメモリセル10yに書込動作を行ったとき、メモリセル10yの記憶データが“0”に変化する。一方で、メモリセル10xの記憶データは“1”のままである。このとき、Icellx>Icellyとなることにより、センスアンプSAは、読出データRDT=“1”を出力する。即ち、ツインセル12の記憶データは“1”である。
【0036】
図4には、図3と同様に、不揮発性記憶装置を構成する複数のメモリセル10全体での、記憶データが“0”のときのセル電流Icellx,Icellyの分布曲線200と、記憶データが“1”のときのセル電流Icellx,Icellyの分布曲線201とが示される。
【0037】
図2で説明した様に、参照電流読出型では、メモリセル10全体での分布曲線200及び201とが重なると、参照電流Irefの大小比較によるデータ読出に誤判定が発生する。これに対して、相補読出型では、複数のメモリセル10全体での分布曲線200及び201が重なっていても、各ツインセル12内で2個のメモリセル10x、10yのセル電流の大小関係が、記憶データと一致していれば、記憶データを正しく読出すことができる。
【0038】
従って、相補読出型では、1ビットの記憶に2個のメモリセルを要する一方で、データ読出の信頼性が向上する。又、消去動作時にメモリセル10x,10yに印加される電圧を、参照電流読出型と比較して緩和できるので、書換可能回数を増やすことができる。即ち、相補読出型は、小容量、かつ、書換回数が多い用途に適している。
【0039】
次に、消去ベリファイ情報について、参照電流読出型及び相補読出型を比較する。
上述の様に、フラッシュメモリでは、書込済のメモリセルに対して直接データを上書きすることは行われず、データ書込は、消去状態のメモリセルに対して実行される。このため、フラッシュメモリの動作時には、予め定められたデータ書込対象単位を示す一定区分毎に、当該一定区分が書込可能であるか、即ち、当該一定区分に含まれる複数個のメモリセルの全てが消去状態であるかを示す、消去ベリファイ情報を取得する必要がある。
【0040】
以下、本実施の形態では、アドレス毎にnビット(n:2以上の整数)のデータが記憶される不揮発性半導体記憶装置において、各アドレスを当該一定区分として説明を進める。即ち、消去ベリファイ情報はアドレス毎に生成される。
【0041】
まず、図5及び図6を用いて、参照電流読出型における消去ベリファイ情報の生成を説明する。
【0042】
図5には、参照電流読出型での消去状態であるメモリセルからの読出データRDTを説明する概念的な回路図が示される。
【0043】
図5に示される様に、参照電流読出型では、1個のアドレスに対応するnビットのデータBT1~BTnを記憶するために、n個のメモリセル10が配置される。センスアンプSA1~SAnは、当該アドレスのデータ読出時には、n個のメモリセル10の記憶データ(“0”又は“1”)を示す、読出データRDT1~RDTnを出力する。
【0044】
n個のメモリセル10の全てが消去状態であると、当該アドレスが書込可能な状態となる。このとき、n個のメモリセル10の記憶データは、全て“1”となる。
【0045】
図6には、図5に示された参照電流読出型での書込可能状態におけるセル電流の分布を説明する概念図が示される。
【0046】
図6に示される様に、参照電流読出型では、書込可能状態においてn個のメモリセル10の全てが消去状態であるため、セル電流Icellの分布曲線201は、参照電流Irefよりも高電流側となる。
【0047】
この結果、図5に示される様に、n個のメモリセル10からは“1”の記憶データが読出されるので、読出データRDT1~RDTnは全て“1”となる。従って、あるアドレスへの書込動作を実行する際には、当該アドレスに対応するn個のメモリセル10に対しるデータ読出を実行して、読出データRDT1~RDTnが全て“1”となるか否かによって、書込可能であるか否かを判断するための消去ベリファイ情報を生成することができる。例えば、アドレス毎に、読出データRDT1~RDTnの論理積(AND)によって、1ビットの消去ベリファイ情報を生成することができる。
【0048】
図7には、相補読出型での消去状態であるメモリセルからの読出データRDTを説明する概念的な回路図が示される。
【0049】
図7に示される様に、相補読出型では、1個のアドレスに対応するnビットのデータBT1~BTnを記憶するために、n個のツインセル12が配置される。n個のツインセル12の各々は、対を成すメモリセル10x及び10yを有する。センスアンプSA1~SAnは、当該アドレスのデータ読出時には、n個のツインセル12のそれぞれでの、メモリセル10x,10yのセル電流の比較結果に基いて、読出データRDT1~RDTnを出力する。
【0050】
n個のツインセル12の全てが消去状態であると、当該アドレスが書込可能な状態となる。このとき、各ツインセル12において、メモリセル10x及び10yの記憶データは、両方とも“1”となる。
【0051】
この結果、n個のツインセル12からの読出データRDT1~RDTnの各々は、各ツインセルにおけるメモリセル10x及び10yの間での、記憶データが同一の下における閾値電圧の製造ばらつき等に起因するセル電流の微妙な差によって、“0”又は“1”に設定されることになる。従って、相補読出型では、参照電流読出型とは異なり、n個のツインセル12からのデータ読出によって、アドレス単位の消去ベリファイ情報を生成することができない。
【0052】
従って、相補読出型では、アドレス(書込対象単位)毎に、書込可能状態であるか否か、即ち、n個のツインセル12の全てが消去状態であるか否かの情報を示すための消去ベリファイ情報を生成するためにメモリセルが追加配置されていた。
【0053】
図8には、相補読出型での消去ベリファイ情報を生成するための構成の第1の比較例を説明する概念的な回路図である。
【0054】
図8を参照して、第1の比較例では、各アドレス(書込対象単位)に対応して、nビットのデータ記憶のためのn個のツインセル12に加えて、当該アドレスの消去ベリファイ情報(1ビット)を記憶するためのメモリセル10vが配置される。更に、メモリセル10vの記憶データを読出すためにセンスアンプSAvが配置される。メモリセル10vからのデータ読出は、図1で説明した参照電流読出型により実行される。
【0055】
具体的には、メモリセル10vは、セレクタ11vを介して、センスアンプSAvの入力ノードの一方(-端子)と電気的に接続される。セレクタ11vは、対応するn個のツインセル12へのデータ書込前に書込可能であるかを確認する、消去ベリファイ動作時にオンされる。これにより、センスアンプSAvは、メモリセル10vのセル電流Icellvと、図1と同様の参照電流Irefとの大小比較に基づいて、メモリセル10vの記憶データを示す読出データRDTvを出力する。
【0056】
メモリセル10vは、n個のツインセル12を対象に含む消去動作時には、n個のツインセル12のメモリセル10x及び10yと共通に、消去動作の対象となる。これにより、n個のツインセル12のメモリセル10x及び10yとともに、メモリセル10vの記憶データも“1”となる。
【0057】
n個のツインセル12を対象とするデータ書込動作では、メモリセル10vも並列にデータ書込の対象とされる。これにより、図3で説明した様に、各ツインセル12において、メモリセル10x及び10yのいずれか一方の記憶データが“1”から“0”に変化するのに加えて、メモリセル10vの記憶データも“1”から“0”に変化する。
【0058】
従って、図8の第1の比較例では、1個のメモリセル10vの記憶データが、消去ベリファイ情報を示すことになる。即ち、メモリセル10vの記憶データが“1”であれば、対応のn個のツインセル12は全て消去状態であり、当該アドレス(書込対象単位)が書込可能であると判断することができる。
【0059】
図9には、図8の構成が消去状態であるときのセル電流の分布図が示される。図9(a)には、ツインセル12のセル電流の分布が示される一方で、図9(b)には、消去ベリファイ情報を記憶するメモリセル10vのセル電流の分布が示される。
【0060】
図9(a)を参照して、消去状態では、各ツインセル12を構成するメモリセル10x及び10yの記憶データは“1”に揃っており、メモリセル電流Icellx及びIcellyは、分布曲線201に従って分布する。
【0061】
一方で、図9(b)に示される様に、消去状態において、メモリセル10vの記憶データは“1”であるので、メモリセル10vのセル電流Icellvは、記憶データ“1”であるときの分布曲線201vに従って分布する。分布曲線201vは、図9(a)の分布曲線201と同等である。
【0062】
図10には、図8の構成が書込状態であるときのセル電流の分布図が示される。図10(a)には、ツインセル12のセル電流の分布が示される一方で、図10(b)には、消去ベリファイ情報を記憶するメモリセル10vのセル電流の分布が示される。
【0063】
図10(a)を参照して、書込状態では、各ツインセル12を構成するメモリセル10x及び10yの記憶データは、“0”及び“1”の一方ずつである。この為、メモリセル電流Icellx及びIcellyは、分布曲線200及び分布曲線201の一方ずつに従って分布する。
【0064】
一方で、図10(b)に示される様に、書込状態では、メメモリセル10vの記憶データは“0”であるので、メモリセル10vのセル電流Icellvは、記憶データ“0”であるときの分布曲線200vに従って分布する。分布曲線200vは、図10(a)の分布曲線200と同等である。
【0065】
図9(b)及び図10(b)の比較から、分布曲線200v及び201vを区分することで、消去ベリファイ情報を得ることができる。即ち、メモリセル10vのセル電流Icellvと参照電流Irefの比較によってメモリセル10vの記憶データを読出すことで、消去ベリファイ情報を得ることができる。即ち、図8のセンスアンプSAvが生成する読出データRDTvを、消去ベリファイ情報として用いることができる。
【0066】
しかしながら、図8の構成では、消去ベリファイ情報は、図1と同様の参照電流読出型で生成される。従って、消去ベリファイ情報の信頼性には、図2で説明したのと同様に、メモリセル10vのセル電流のばらつきに対する問題が存在する。これにより、消去ベリファイ情報が、不揮発性半導体記憶装置(フラッシュメモリ)の信頼性に関するボトルネックとなることが懸念される。
【0067】
図11には、相補読出型での消去ベリファイ情報を生成するための構成の第2の比較例が示される。
【0068】
図11を参照して、第2の比較例では、消去ベリファイ情報の信頼性を高めるために、メモリセル10vを複数(例えば、4個)並列接続して、1ビットの消去ベリファイ情報が記憶される。
【0069】
当該4個のメモリセル10vは、並列に消去動作又は書込動作の対象とされる。従って、対応するアドレスのn個のツインセル12が消去状態であるときには、4個のメモリセル10vの記憶データは“1”に揃っている。一方で、対応するアドレスのn個のツインセル12が書込状態であるときには、4個のメモリセル10vの記憶データは“0”に揃っている。
【0070】
図11では、セル電流Icellvは、並列接続された4個のメモリセル10のセル電流の和となるので、図8の構成と比較すると、センスアンプSAに流れるセル電流Icellvは4倍となる。従ってで、参照セル15vを流れる参照電流Iref*は、図8の参照電流Irefの約4倍とされる。例えば、図11の構成では、参照セル15vのトランジスタサイズが、図11の参照セル15vのトランジスタサイズの4倍に設計されることで、Iref*=4×Irefを実現することができる。
【0071】
図12には、メモリセル10vの個数の違いに対するセル電流Icellvの違いを説明するためのセル電流の分布図が示される。
【0072】
図12(a)には、1個のメモリセル10vで消去ベリファイ情報を記憶する第1の構成例(図8)におけるセル電流Icellの分布図が示される。消去状態では、分布曲線201に従ってセル電流Icellvが分布する一方で書込状態では、分布曲線200に従ってセル電流Icellvが分布する。
【0073】
このため、分布曲線200及び201を分ける様に設定された参照電流Irefと、セル電流Icellvとの比較では、製造ばらつき及び劣化ばらつき等によって分布曲線200及び201に重なりが生じると、消去ベリファイ情報が誤読出される可能性がある。
【0074】
これに対して、図12(b)には、4個のメモリセル10vで消去ベリファイ情報を記憶する第2の構成例(図11)におけるセル電流Icellの分布図が示される。消去状態では、図12(a)の分布曲線201vに従ってセル電流Icellvが分布する一方で書込状態では、分布曲線200vに従ってセル電流Icellvが分布する。
【0075】
分布曲線200v及び201vは、4個分のセル電流の和の分布となる。このため、分布曲線200v及び201vの下では、消去状態及び書込状態の間でのセル電流Icellvの差分は、1個のセル電流の分布曲線200及び201に従うセル電流Icellvの差分よりも拡大される。
【0076】
第2の比較例では、4個のメモリセル10vから出力される消去ベリファイ情報の信頼性を高めることで、消去ベリファイ情報が、不揮発性半導体記憶装置(フラッシュメモリ)の信頼性に関するボトルネックとなることを防止できる。
【0077】
しかしながら、消去ベリファイ情報を生成するためのメモリセルの配置は、不揮発性半導体記憶装置全体でのメモリセルの配置個数を増加させるため、大型化及び高コスト化の原因となることが懸念される。
【0078】
図13には、第2の比較例における不揮発性半導体記憶装置全体でのメモリセルの配置レイアウト例を説明する概念図が示される。
【0079】
図13を参照して、上述の様に、アドレス毎にnビットのデータが記憶される相補読出型の不揮発性半導体記憶装置では、M個のアドレス(M:2以上の整数)全体では、データ記憶用に、(2×n×M)個のメモリセル10x,10yが、領域100を用いて配置される。
【0080】
更に、第2の比較例では、アドレス毎に、消去ベリファイ情報を生成するために、点線枠で囲まれた4個のメモリセル10vが追加配置される。相補読出型の不揮発性半導体記憶装置では、M個のアドレス全体に対応して、消去ベリファイ情報の生成用に、(4×M)個のメモリセル10vが、領域101を用いて配置される。この結果、例えば、n=8のときには、消去ベリファイ情報を生成するために領域110に追加配置されるメモリセルの個数は、データ記憶用の領域100に配置されるメモリセルの個数に対して、4/(2×8)=25(%)に上る。
【0081】
この様に、相補読出型の不揮発性半導体記憶装置では、書込対象単位(アドレス)毎の消去ベリファイ情報を生成するためのメモリセルを追加配置すると、サイズ及びコスト面で問題が生じることが理解される。
【0082】
<第1の実施形態>
第1の実施の形態では、相補読出型の不揮発性半導体記憶装置において、メモリセルを追加配置することなく、消去ベリファイ情報を生成するための構成を説明する。
【0083】
図15は、第1の実施形態に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置における消去ベリファイ情報を生成するための構成を説明する概念的な回路図である。図15においても、1つの書込対象単位(アドレス)のn個のツインセル12に対応する、消去ベリファイ情報を生成するための構成が示される。
【0084】
更に図14には、図15との対比のために、第2の比較例に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置における消去ベリファイ情報を生成するための構成を説明する概念的な回路図が示される。図14では、消去ベリファイ情報を生成するために、センスアンプSAv、参照セル15v、及び、追加配置される4個のメモリセル10vが、nビットのデータ記憶のための構成に加えて、追加配置されている。これらの追加配置された要素の構成は、図11と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0085】
図15を参照して、第1の実施形態に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置では、図14でのメモリセル10vの配置が省略されて、消去ベリファイ情報を出力するセンスアンプSAvの入力ノードの一方(-端子)は、センスアンプSA1~SAnの電源電圧Vpp2を供給するための電源配線PLsと接続される。電源配線PLsは、電気抵抗値R1を有する抵抗素子51を介して、電源電圧Vpp2を供給する電源ノード55に対して電気的に接続される。
【0086】
後述する様に、消去ベリファイ動作時には、電源配線PLsからn個のセンスアンプSA1~SAnに流れる電流の総和であるベリファイ電流Ivfが流れる。従って、センスアンプSAvの-端子には、ノードNrには、電源電圧Vpp2に対して、ベリファイ電流Ivfによって抵抗素子51で生じる電圧降下だけ低い電圧Vvfが生じる。即ち、センスアンプSAvに入力される電圧Vrfは、下記の式(1)で示される。
【0087】
Vvf=Vpp2-Ivf×R1 …(1)
即ち、電圧Vvfは、ベリファイ電流Ivfを電気抵抗値R1によって電流/電圧換算した電圧に相当する。ベリファイ電流Ivfが大きい程、電圧Vvfは低下する。
【0088】
一方で、センスアンプSAvの入力ノードの他方(+端子)は、参照セル15vと接続されるノードNrと接続される。参照セル15vは、ノードNrと、接地電圧を供給する接地ノードとの間に接続される。ノードNrは、電気抵抗値R1を有する抵抗素子52を介して、電源電圧Vpp2を供給する電源ノード56に対して電気的に接続される。参照セル15vは、ゲートに参照電圧Vrefnを入力されて、参照電流Irefnを発生する。この結果、ノードNrには、電源電圧Vpp2に対して、参照電流Irefnによって抵抗素子52で生じる電圧降下だけ低い電圧Vrが生じる。従って、センスアンプSAvに入力される電圧Vrは、下記の式(2)によって示される。
【0089】
Vr=Vpp2-Irefn×R1 …(2)
即ち、電圧Vrは、参照電流Irefnを電気抵抗値R1によって電流/電圧換算した電圧に相当する。参照電流Irefnが大きい程、電圧Vrは低下する。
【0090】
センスアンプSAvは、電源ノード55及び56とは独立の電源配線から電源電圧Vpp1を受けて動作し、電圧Vvf及びVrの高低比較に基づく読出データRDTvを出力する。センスアンプSAvは、電圧Vvf及びVrの比較を通じて、ベリファイ電流Ivfと参照電流Irefnとを比較しているため、センスアンプSAvからの読出データRDTvは、消去ベリファイ情報に相当する。
【0091】
センスアンプSAvは、Irefn>Ivfのときに、Vr<Vvfとなることで、RDTv=“0”を出力する一方で、Ivf>Irefnのときには、Vvf<Vrとなることで、RDTv=“1”を出力する。
【0092】
図16には、センスアンプSA1~SAnの構成例を説明する回路図が示される。センスアンプSA1~SAnの構成は同様であるので、図16において、センスアンプSA1~SAnは、包括的にセンスアンプSAと表記される。
【0093】
図16を参照して、センスアンプSAは、P型のトランジスタ71~73,79x,79yと、N型のトランジスタ74~76と、インバータ81~83と、ノードNx,Nyとを有する。
【0094】
ノードNxは、センスアンプSAの一方の入力ノード(-端子)に相当し、ノードNyは、センスアンプSAの他方の入力ノード(+端子)に相当する。図3と同様に、ノードNxは、セレクタ11xを介してメモリセル10xと接続される一方で、ノードNyは、セレクタ11yを介してメモリセル10yと接続される。
【0095】
トランジスタ72及び74は、ノードN1及びN2の間にノードNxを介して直列接続される。更に、トランジスタ72及び74のゲートは、ノードNyと共通に接続される。一方で、トランジスタ73及び75は、ノードN1及びN2の間にノードNyを介して直列接続される。更に、トランジスタ73及び75のゲートは、ノードNxと共通に接続される。これにより、トランジスタ72~75は、ノードNx及びNyの間の電圧差を増幅するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)オペアンプとして動作する。
【0096】
トランジスタ71は、電源配線PLs及びノードN1の間に接続され、トランジスタ76は、ノードN2と接地ノードとの間に接続される。トランジスタ76のゲートには、センスアンプSAのイネーブル信号SAEが入力される。トランジスタ71のゲートには、インバータ83から出力されるイネーブル信号SAEの反転信号が入力される。従って、イネーブル信号SAE=“1”の期間において、トランジスタ71及び76がオンすることで、CMOSオペアンプに動作電流が供給される。
【0097】
トランジスタ79xは、電源電圧Vpp2を供給するノードとノードNxとの間に接続される。トランジスタ79yは、電源電圧Vpp2を供給するノードとノードNyとの間に接続される。P型のトランジスタ79x,79yのゲートには、プリチャージ期間に“0”に設定されるプリチャージ信号PCHGbが入力される。即ち、トランジスタ79x及び79yは、ノードNx及びNyのそれぞれのプリチャージスイッチとして動作する。
【0098】
インバータ81は、ノードNxの電圧SATを入力として、読出データRDTを出力する。インバータ82は、ノードNyの電圧SABを入力として、読出データRDTと相補の反転読出データRDTbを出力する。
【0099】
図17には、図15に示されたセンスアンプSAの動作波形図が示される。
まず、プリチャージ期間Ta、サンプリング期間Tb、及び、センス期間Tcによるツインセル12からの通常のデータ読出について説明する。メモリセル10x及び10yのゲートと接続されたワード線WLT<n>及びWLB<n>が、“0”から“1”に変化することで、メモリセル10x及び10yは、データ読出状態とされる。
【0100】
時刻trにおいて、ツインセル12からのデータ読出が開始されると、プリチャージ期間Taが設けられる。プリチャージ期間Taでは、プリチャージ信号PCHGbが“1”から“0”に変化するとともに、イネーブル信号SAEが“0”に設定される。更に、セレクタ11x、11yに入力される選択信号SLbが“1”から“0”に変化する。
【0101】
トランジスタ79x,79yのオンにより、ノードNx及びNyには、メモリセル10x及び10yのセル電流が流れる状態となる。一方で、イネーブル信号SAEが“0”であるため、CMOSオペアンプには動作電流が供給されていない。この結果、ノードNxの電圧SAT及びノードNyの電圧SABは、“1”に相当する電圧レベル(電源電圧Vpp2)にプリチャージされる。反対に、読出データRDT及び反転読出データRDTbは“0”に設定される。
【0102】
続いて、サンプリング期間Tbでは、プリチャージ信号PCHGbが“0”から“1”に変化する。
【0103】
トランジスタ79x及び79y(プリチャージスイッチ)がオフされることで、ノードNx及びNyの電圧SAT及びSABは、読出電流Icellx及びIcellyによる放電で低下する。一方で、サンプリング期間Tbにおいても、イネーブル信号SAEが“0”に維持されているので、CMOSオペアンプには動作電流が供給されていない。従って、サンプリング期間Tbでは、ノードNx及びNyの電圧差(電圧SAT及びSABの差)は増幅されない。
【0104】
この結果、ノードNx及びNyには、セル電流Icellx及びIcellyの電流差に応じた電圧差が発生する。図17の例では、Icellx<Icellyであるため、電圧SAT(ノードNx)の電圧低下レートが、電圧SAB(ノードNy)の電圧低下レートよりも小さく、この結果、SAT>SABとなっている。
【0105】
続いて、センス期間Tcでは、選択信号SLbが“0”から“1”に変化して、ノードNx及びNyは、セレクタ11x、11yのオフにより、メモリセル10x,10yから電気的に切り離される。更に、イネーブル信号SAEが“0”から“1”に変化して、トランジスタ72~75によるCMOSオペアンプへ動作電流が供給される。
【0106】
これにより、センス期間Tcでは、サンプリング期間Tbで生じたノードNx及びNyの電圧差を増幅する様に、電圧SAT及びSABが変化する。SAB<SATの状態でセンス期間Tcが開始される図17の例では、CMOSセンスアンプでは、トランジスタ72及び75がオンする一方で、トランジスタ73及び74がオフする。この結果、ノードNxが電源配線PLsと電気的に接続されることにより、電圧SATが“1”(電源電圧Vpp2)に上昇する一方で、ノードNyには接地電圧が伝達されることにより、電圧SABは“0”(接地電圧)に低下する「増幅動作」が実行される。CMOSオペアンプの上記増幅動作により、電源配線PLsの電流IPLsには、CMOSオペアンプの動作電流相当が生じる。
【0107】
センス期間Tcでは、電圧差が増幅された電圧SAT,SABに基づいて、読出データRDT及び反転読出データRDTbが生成される。図17の例では、Icell<Icelly、即ち、ツインセル12が図3(a)の状態であるため、電圧SATのレベル(“1”)を反転して、読出データRDT=“0”とされる。
【0108】
尚、ツインセル12が図3(b)の状態であるときには、Icllx>Icellyであるので、サンプリング期間Tbにおいて、図17の例とは逆に、電圧SATの方が電圧SABよりも低下する(SAT<SAB)。この結果、センス期間Tcにおいて、CMOSセンスアンプでは、トランジスタ73及び74がオンする一方で、トランジスタ72及び75がオフすることになる。この結果、ノードNyが電源配線PLsと電気的に接続されることによって、電圧SABが“1”(電源電圧Vpp2)に上昇する一方で、ノードNxには接地電圧が伝達されることにより、電圧SATは“0”(接地電圧)に低下する様に、「増幅動作」が実行される。これにより、図3(b)に示される様に、電圧SATのレベル(“0”)を反転して、読出データRDT=“1”とされる。
【0109】
この様に、センス期間Tcでは、センスアンプSAの入力ノードに相当するノードNx及びNyについては、ツインセル12を構成するメモリセル10x及び10yのうちの、セル電流が小さい一方のメモリセルと接続された一方のノードが“1”に設定される一方で、他方のノードが“0”に設定される状態に、ノードNx及びNyの間に電圧差が生じる。
【0110】
第1の実施形態に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置では、消去ベリファイ動作時には、ツインセル12に対して、通常のデータ読出と同様のプリチャージ期間Ta、サンプリング期間Tb、及び、センス期間Tcを実行した後に、消去ベリファイ期間Tdが更に設けられる。
【0111】
図17に示される様に、消去ベリファイ期間Tdでは、センス期間Tcの状態から、選択信号SLbが“1”から“0”に変化して、セレクタ11x,11yが再びオンされる。これにより、ノードNx及びNyは、ワード線WLT<n>,WLTb<n>によりゲートに“1”が入力されている、データ読出状態のメモリセル10x及び10yとそれぞれ電気的に接続される。
【0112】
図18には、書込状態のツインセル12に対する消去ベリファイ期間での電流経路を説明する回路図が示される。図18では、図16の回路図に対して、消去ベリファイ期間Tdに生じる電流IPLsの経路が上書きされている。
【0113】
書込状態のツインセル12では、メモリセル10x及び10yのうちの一方が書込状態であるとともに、他方が消去状態である。図18では、図3(a)と同様に、ツインセル12のうち、メモリセル10xが書込状態(記憶データ“0”)であり、メモリセル10yが消去状態(記憶データ“1”)である。
【0114】
従って、センス期間Tcの終了時には、CMOSオペアンプの増幅動作により、ノードNx及びNyの間には、電圧SATが“1”である一方で、電圧SABが“0”である電圧差が生じている。従って、CMOSオペアンプには、トランジスタ72,75がオンする一方で、トランジスタ73,74がオフすることで、電源配線PLs及びノードNxの間に電流経路が形成された状態となる。
【0115】
この状態から、消去ベリファイ期間Tdにおいて、セレクタ11x及び11yがオンされると、CMOSセンスアンプ内の電流経路(トランジスタ72)を用いて、電源配線PLsから、ノードNx及びメモリセル10xへの電流経路が形成される。この結果、電源配線PLsには、書込状態のメモリセル10xのセル電流に相当する電流IPLsが生じることになる。
【0116】
尚、図18の例とは反対に、メモリセル10xが消去状態(記憶データ“1”)であり、メモリセル10yが書込状態(記憶データ“0”)であるときには、上記とは反対に、センス期間Tcの終了時には、電圧SABが“1”である一方で、電圧SATが“0”である。従って、CMOSオペアンプでは、トランジスタ73,74がオンする一方で、トランジスタ72,73がオフする状態となる。
【0117】
この状態から、セレクタ11x及び11yがオンされると、トランジスタ71及び73を経由して、電源配線PLsから、ノードNy及びメモリセル10yへの電流経路が形成される。この結果、電源配線PLsには、書込状態のメモリセル10yのセル電流に相当する電流IPLsが生じることになる。
【0118】
この様に、消去ベリファイ期間Tdでは、各センスアンプSAにおいて、ツインセル12を構成するメモリセル10x及び10yのうちの、セル電流が小さい一方のメモリセルのセル電流に相当する電流IPLsが、電源配線PLsに生じることになる。
【0119】
図19には、消去状態のツインセルに対する消去ベリファイ期間での電流経路を説明する回路図である。図19においても、図16の回路図に対して、消去ベリファイ期間Tdに生じる電流IPLsの経路が上書きされている。
【0120】
消去状態のツインセル12では、メモリセル10x及び10yの両方が消去状態(記憶データ“1”)に維持されている。このため、メモリセル10x及び10yのセル電流は、消去状態のセル電流相当であるが、サンプリング期間Tbでは、製造ばらつきによる微妙な電流差、又は、ノイズ等の影響によって、ノードNx及びNyの間には、微小な電圧差が生じる。この結果、センス期間Tcでは、上記微小な電圧差の増幅により、電圧SAT及びSABの一方が“1”に上昇する一方で、他方が“0”に低下する。但し、電圧SAT及びSABのいずれが“1”に上昇するかは不定である。
【0121】
この様に、センス期間Tcの終了時には、CMOSオペアンプでは、トランジスタ72及び75がオンする状態、及び、トランジスタ73及び74がオンする状態の一方が形成される。
【0122】
従って、消去ベリファイ期間Tdでは、共に消去状態であるメモリセル10x,10yのセル電流の微小な差に応じて、図19中に点線で示される、メモリセル10x及び10yのセル電流のうちの一方が、電流IPLsとして電源配線PLsに生じることになる。
【0123】
図20は、第1の実施形態に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ動作を説明する概念的な回路図である。
【0124】
図20を参照して、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ動作では、図17のプリチャージ期間Ta、サンプリング期間Tb、センス期間Tc、及び、消去ベリファイ期間Tdが順に設けられる。これにより、消去ベリファイ期間Tdでは、センスアンプSA1~SAnにおいて、上述の電流IPLsが発生するため、電源配線PLs全体では、n個のセンスアンプSAでの電流IPLsを合計したベリファイ電流Ivfが発生することが理解される。
【0125】
図21には、ベリファイ電流の分布図が示される。
図21(a)には、書込状態のツインセル12に対する消去ベリファイ動作で生じるベリファイ電流の分布が示される。図18で説明した様に、書込状態のツインセル12では、消去ベリファイ期間Tdにおいて、メモリセル10x及び10yのうちの、書込状態(記憶データ“0”)である一方のメモリセルのセル電流が、電流IPLsとして、電源配線PLsからセンスアンプSAに流れる。
【0126】
従って、ベリファイ電流Ivfは、n個の書込状態(記憶データ“0”)のメモリセルのセル電流の総和となるので、書込状態(記憶データ“0”)でのセル電流のn倍の電流の分布曲線200vnに従って分布する。
【0127】
一方で、図21(b)には、消去状態のツインセル12に対する消去ベリファイ動作で生じるベリファイ電流の分布が示される。図19で説明した様に、消去状態のツインセル12では、消去ベリファイ期間Tdにおいて、いずれも消去状態であるメモリセル10x及び10yのいずれか一方のメモリセルのセル電流が、電流IPLsとして、電源配線PLsからセンスアンプSAに流れる。
【0128】
従って、ベリファイ電流Ivfは、n個の消去状態(記憶データ“1”)のメモリセルのセル電流の総和となるので、消去状態(記憶データ“1”)でのセル電流のn倍の電流の分布曲線201vnに従って分布する。
【0129】
この結果、分布曲線200vn及び201vnが重ならない領域に、参照電流Irefnを設定することができる。
【0130】
再び図20を参照して、センスアンプSAvは、電源配線PLsの電圧Vvfと、ノードNrの電圧Vrとの比較により、等価的に、ベリファイ電流Ivfと参照電流Irefn(図21)とを比較している。
【0131】
これにより、Ivf>Irefn、即ち、図21(b)の状態では、Vr>Vvfとなるので、センスアンプSAvは、n個のツインセルが消去状態であること、即ち、当該n個のメモリセルに対応するアドレス(書込対象単位)が書込可能であることを示す消去ベリファイ情報として、RDTv=“1”を出力する。
【0132】
これに対して、Ivf<Irefn、即ち、図21(a)の状態では、Vr<Vvfとなるので、センスアンプSAvは、n個のツインセルが書込状態であること、即ち、当該n個のメモリセルに対応するアドレス(書込対象単位)が書込不能であることを示す消去ベリファイ情報として、RDTv=“0”を出力する。
【0133】
この様に、第1の実施形態に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置によれば、図8及び図11等の比較例で説明したメモリセルの追加配置を行うことなく、一定区分(例えば、書込対象単位(アドレス))に属するn個のツインメモリセルに含まれる、(2×n)個のメモリセルの全てが消去状態であるか否かを示す情報(消去ベリファイ情報)を生成することができる。この結果、メモリセルの追加配置による大型化、高コスト化を回避して、各書込対象単位(アドレス)が書込可能であるか否かを判断するための消去ベリファイ情報を得ることができる。
【0134】
又、図21で説明した様に、書込対象単位(アドレス)に属するツインセルの個数(n)分のセル電流の総和と参照電流Irefnとが比較される。この結果、メモリセル10vの追加配置が不要である一方で、図11の第2の比較例においてn個のメモリセル10vを配置した場合と同様の読出精度で、消去ベリファイ情報を生成することができる。
【0135】
尚、図27に示される様に、参照電流Irefnを実際に生成することなく、参照電流Irefnの設計値に従う、図20での電圧Vr相当を出力する定電圧源16を配置する変形例も可能である。この場合には、センスアンプSAvは、電源配線PLsの電圧Vvfと、定電圧源16からの電圧Vrとの比較により、上述した消去ベリファイ情報RDTvを生成することができる。この様に、参照電流Irefnを実際に生成する機構を設けない構成としても、電源配線PLsを流れるベリファイ電流Ivfに基づいて、消去ベリファイ情報RDTvを生成することが可能である。
【0136】
第1の実施形態において、メモリセル10xは「第1のメモリセル」の一実施例に対応し、メモリセル10yは「第2のメモリセル」の一実施例に対応し、記憶データの“1”は「第1レベル」の一実施例に対応し、“0”は第2レベルの一実施例に対応する。更に、センスアンプSA1~SAn(センスアンプSA)は「第1増幅器」の一実施例に対応し、センスアンプSAvは「第2増幅器」の一実施例に対応し、電源配線SLpは「第1電源配線」の一実施例に対応する。
【0137】
尚、図16において、ノードNxは「第1ノード」の一実施例に対応し、ノードNyは「第2ノード」の一実施例に対応する。又、センスアンプSAにおいて、トランジスタ72~75によるCMOSセンスアンプによって、電流差を増幅した電圧差をノードNx及びNyの間に発生させる増幅動作を実行する例を示したが、CMOSセンスアンプとは異なる構成のセンスアンプによって上述の増幅動作を行うことも可能である。
【0138】
更に、図15及び図20において、抵抗素子51は「第1抵抗素子」の一実施例に対応し、抵抗素子52は「第2抵抗素子」の一実施例に対応し、電圧Vvfは「第1電圧」の一実施例に対応し、電圧Vrは「第2電圧」の一実施例に対応する。又、図21において、分布曲線201vn(図21(b)))は「第1電流のn倍の電流の分布曲線」の一実施例に対応し、分布曲線200vn(図21(a)))は「第2電流のn倍の電流の分布曲線」の一実施例に対応する。
【0139】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、消去ベリファイ動作による追加要素が、センスアンプSAの通常のデータ読出動作に与える影響を抑制するための回路構成例を説明する。
【0140】
図22は、第2の実施形態に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置における消去ベリファイ情報を生成するための構成を説明する概念的な回路図である。
【0141】
図22を参照して、第2の実施形態では、センスアンプSA1~SAnの電源配線PLsとは別個に、消去ベリファイ動作で用いる電源配線PLvが配置される。電源配線PLvは、第1の実施形態1(図15)と同様のセンスアンプSAvの入力ノード(-端子)と接続される。図15での抵抗素子51及び電源ノード55も、電源配線PLvに対して接続される。更に、センスアンプSA1~SAnにおいて、NANDゲート91,92、及び、P型のトランジスタ93,94が更に配置される。
【0142】
図23は、図22に示されたセンスアンプの構成を説明する回路図である。
図23を参照して、第2の実施形態に係るセンスアンプSAは、図16に示された第1の実施形態での構成と比較して、インバータ81,82に代えて、NANDゲート91,92が配置される点と、P型のトランジスタ93,94が更に配置される点で異なる図23のその他の部分の構成は、図16と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0143】
NANDゲート91は、ノードNxの電圧SAT及びイネーブル信号SAEの否定論理積(NAND)を、読出データRDTとして出力する。同様に、NANDゲート92は、ノードNyの電圧SAB及びイネーブル信号SAEの否定論理積(NAND)を、反転読出データRDTbとして出力する。
【0144】
従って、イネーブル信号SAEが“0”の期間では、読出データRDT及び反転読出データRDTbは“1”に固定される。イネーブル信号SAEが“1”の期間では、NANDゲート91及び92は、図15でのインバータ81,82と同様に、電圧SAT及びSABの反転レベルを、読出データRDT及び反転読出データRDTbとしてそれぞれ出力する。
【0145】
トランジスタ93は、電源配線PLv及びメモリセル10xの間に、ノードNx及びセレクタ11xを挟むことなく、電気的に接続される。トランジスタ93のゲートには、NANDゲート91の出力信号、即ち、読出データRDTが入力される。
【0146】
同様に、トランジスタ94は、電源配線PLv及びメモリセル10yの間に、ノードNy及びセレクタ11yを挟むことなく、電気的に接続される。トランジスタ94のゲートには、NANDゲート92の出力信号、即ち、反転読出データRDTbが入力される。
【0147】
図24には、図22に示されたセンスアンプSAの動作波形図が示される。
第2の実施形態において、プリチャージ期間Ta、サンプリング期間Tb、及び、センス期間TcにおけるセンスアンプSAの動作は、プリチャージ期間Ta及びサンプリング期間Tbにおける読出データRDT及び反転読出データRDTbが“1”に設定される点以外は、第2の実施形態(図17)と同様である。
【0148】
即ち、プリチャージ期間Taでは、ノードNx及びNyの各々は、トランジスタ79x及び79yのオンによってプリチャージされるので、電圧SAT及びSABは“1”に設定される。第2の実施形態では、NANDゲート91,92に入力されるイネーブル信号SAEが“0”であるので、読出データRDT及び反転読出データRDTbは“1”である。これにより、トランジスタ93及び94はオフに維持される。
【0149】
更に、サンプリング期間Tbでは、ノードNx及びNyには、セル電流Icellx及びIcellyの電流差に応じた電圧差が発生する。図24では、図17と同様に、Icellx<Icellyの例が示されるため、電圧SAT(ノードNx)の電圧低下レートが、電圧SAB(ノードNy)の電圧低下レートよりも小さく、この結果、SAT>SABとなっている。サンプリング期間Tbにおいても、イネーブル信号SAEが“0”であるので、読出データRDT及び反転読出データRDTbは“1”である。これにより、トランジスタ93及び94はオフに維持される。
【0150】
そして、センス期間Tcでは、セレクタ11x,11yのオフにより、メモリセル10x及び10yが、ノードNx及びNyから電気的に切り離された状態で、トランジスタ72~75によるCMOSオペアンプの増幅動作によって、ノードNx及びNyに電圧差が増幅される。これにより、図17と同様に、SAB<SATの状態でセンス期間Tcが開始される図24の例では、ノードNx及びNyの間には、電圧SATが“1”に上昇する一方で、電圧SABは“0”に低下する電圧差が発生する。
【0151】
センス期間Tcでは、イネーブル信号SAEが“1”であるため、NANDゲート91及び92の出力信号は、電圧SAT及びSABの反転レベルとなる。そして、トランジスタ93及び94は、電圧SAT及びSABに従うNANDゲート91及び92の出力信号に応じて、一方が選択的にオンされる。
【0152】
図24の例では、読出データRDT=“0”、反転読出データRDTb=“1”に設定されるので、トランジスタ93がオンする一方でトランジスタ94はオフされる。これにより、電源配線PLv及びメモリセル10xが電気的に接続されるので、電源配線PLvには、メモリセル10xのセル電流Icellx相当の電流IPLvが生じる。
【0153】
消去ベリファイ期間Tdでは、第1の実施形態と同様に、イネーブル信号SAEが“1”に維持される一方で、選択信号SLbは、第1の実施形態とは異なり、“1”に維持される。この結果、トランジスタ93のオンが維持されて、センス期間Tcと同様の電流IPLvが、消去ベリファイ期間Tdにも継続して生じる。
【0154】
図25には、書込状態のツインセル12に対する消去ベリファイ期間での電流経路を説明する回路図が示される。図25では、図23の回路図に対して、消去ベリファイ期間Tdに生じる電流IPLsの経路が上書きされている。
【0155】
図25においても、図18及び図3(a)と同様に、書込状態のツインセル12のうち、メモリセル10xが書込状態(記憶データ“0”)であり、メモリセル10yが消去状態(記憶データ“1”)である。
【0156】
センス期間Tcの終了時には、電圧SATが“1”である一方で、電圧SABが“0”であるため、読出データRDT=“0”及び反転読出データRDTb=“1”に設定されている。
【0157】
従って、センス期間Tc及び消去ベリファイ期間Tdでは、トランジスタ94がオフされる一方でトランジスタ93がオンされることにより、電源配線PLvには、書込状態のメモリセル10xのセル電流に相当する電流IPLvが生じる。
【0158】
尚、図25の例とは反対に、メモリセル10xが消去状態(記憶データ“1”)であり、メモリセル10yが書込状態(記憶データ“0”)であるときには、上記とは反対に、センス期間Tcの終了時には、CMOSセンスアンプの増幅動作により、ノードNx及びNyの間には、電圧SABが“1”である一方で電圧SATが“0”となる電圧差が生じる。
【0159】
この電圧差に従って、読出データRDT=“1”及び反転読出データRDTb=“0”に設定されるとともに、センス期間Tc及び消去ベリファイ期間Tdでは、トランジスタ93がオフされる一方でトランジスタ94がオンされる。この結果、電源配線PLvには、書込状態のメモリセル10yのセル電流Icellyに相当する電流IPLvが生じる。
【0160】
この様に、第2の実施形態においても、消去ベリファイ期間Tdでは、各センスアンプSAにおいて、ツインセル12を構成するメモリセル10x及び10yのうちの、セル電流が小さい一方のメモリセルのセル電流に相当する電流IPLvが、電源配線PLsに生じることになる。
【0161】
図26には、消去状態のツインセルに対する消去ベリファイ期間での電流経路を説明する回路図である。図26でも、図23の回路図に対して、消去ベリファイ期間Tdに生じる電流IPLvの経路が上書きされている。
【0162】
消去状態のツインセル12では、メモリセル10x及び10yのセル電流は、いずれも消去状態のセル電流相当であるが、センス期間Tcでは、両者の微小な電圧差の増幅により、電圧SAT及びSABの一方が“1”に上昇する一方で、他方が“0”に低下する。図26においても、電圧SAT及びSABのいずれが“1”に上昇するかは不定である。
【0163】
センス期間Tc及び消去ベリファイ期間Tdでは、トランジスタ93及び94のいずれか一方がオンすることになる。この結果、共に消去状態であるメモリセル10x,10yのセル電流の微小な差に応じて、図26中に点線で示される、メモリセル10x及び10yのセル電流のうちの一方が、電流IPLvとして電源配線PLvに生じることになる。
【0164】
この様に、第2の実施形態では、各センスアンプSAにおいて、第1の実施形態での電流IPLsと同様の電流IPLvが、電源配線PLvに生じることになる。即ち、第2の実施形態では、電源配線PLvが「第1電源配線」の一実施例に対応し、電源配線PLsは「第2電源配線」の一実施例に対応する。又、図23の構成において、トランジスタ93は「第1選択スイッチ」の一実施例に対応し、トランジスタ94は「第2選択スイッチ」の一実施例に対応する。
【0165】
再び図22を参照して、第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の消去ベリファイ動作では、図24のプリチャージ期間Ta、サンプリング期間Tb、センス期間Tc、及び、消去ベリファイ期間Tdが順に設けられる。これにより、消去ベリファイ期間Tdでは、センスアンプSA1~SAnにおいて、上述の電流IPLvが発生するため、電源配線PLv全体では、n個のセンスアンプSAでの電流IPLvを合計したベリファイ電流Ivfが発生する。この結果、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様のベリファイ電流Ivfを発生することができる。
【0166】
この様に、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様のベリファイ電流Ivfが、電源配線PLsとは別個に設けられた電源配線PLvに発生する。電源配線PLvは、第1の実施形態における電源配線PLsと同様に、抵抗素子51を介して電源ノード55と接続されているので、第1の実施形態と同様の電圧Vvfを発生して、センスアンプSAvの入力ノードの一方(-端子)に入力することができる。
【0167】
この結果、センスアンプSAvは、第1の実施形態と同様に、ベリファイ電流Ivfと参照電流Irefnとの比較に基づいて、消去ベリファイ情報を示す読出データRDTvを出力することができる。
【0168】
具体的には、第2の実施形態においても、Ivf>Irefnの場合には、センスアンプSAvは、n個のツインセルが消去状態であること、即ち、当該n個のメモリセルに対応するアドレス(書込対象単位)が書込可能であることを示す消去ベリファイ情報として、RDTv=“1”が出力される。
【0169】
これに対して、第2の実施形態においても、Ivf<Irefnの場合には、n個のツインセルが書込状態であること、即ち、当該n個のメモリセルに対応するアドレス(書込対象単位)が書込不能であることを示す消去ベリファイ情報として、RDTv=“0”が出力される。
【0170】
この様に、第2の実施形態に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置によっても、メモリセルの追加配置を行うことなく、消去ベリファイ情報を生成することが可能であり、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0171】
更に、第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置では、第1の実施形態とは異なり、センスアンプSAの電源配線PLsに抵抗素子51を接続することなく、消去ベリファイ動作を実行することができる。これにより、通常のデータ読出動作(プリチャージ期間Ta、サンプリング期間Tb、及び、センス期間Tc)におけるセンスアンプSAでの電流経路に、抵抗素子51が含まれることがない。
【0172】
これにより、抵抗素子51の電気抵抗値R1によって、センスアンプSAの読出特性が変化することを防止できるので、センスアンプSAによるツインセル12からのデータ読出精度の低下を防止することができる。即ち、特性がシビアなセンスアンプSAを用いて本開示に係る消去ベリファイ動作を実行する場合には、第2の実施形態に係る回路構成が好適である。
【0173】
図23図26では、第1の実施形態と同様に、消去ベリファイ動作において、ツインセル12を構成するメモリセル10x及び10yのうちの、セル電流が小さい一方のメモリセルのセル電流に相当する電流IPLvが、電源配線PLsに生じる例を説明した。しかしながら、増幅動作用の電源配線PLsと、消去ベリファイ動作用の電源配線PLvとが別個に設けられる第2の実施形態では、消去ベリファイ時の電流IPLvが、メモリセル10x及び10yのうちの、セル電流が大きい一方のメモリセルのセル電流に相当する構成とすることも可能である。
【0174】
図28には、第2の実施形態の変形例に係る相補読出型の不揮発性半導体記憶装置におけるセンスアンプの構成を説明する回路図が示される。
【0175】
図28図23と比較して、第2の実施形態の変形例に係るセンスアンプSAでは、P型のトランジスタ93及び94のゲートの接続先が、図23と入れ換えられる。即ち、トランジスタ93のゲートには、NANDゲート92の出力信号、即ち、読出データRDTbが入力される一方で、トランジスタ94のゲートには、NANDゲート91の出力信号、即ち、読出データRDTが入力される。
【0176】
図28に示されたセンスアンプSAについても、プリチャージ期間Ta、サンプリング期間Tb、センス期間Tc、及び、消去ベリファイ期間TdにおけるセンスアンプSAの動作波形は、図24と同様である。一方で、図28の変形例では、図23の構成と比較すると、消去ベリファイ期間Tdにおいて、トランジスタ93及び94のいずれがオンするかの選択が、図23の構成とは反対となる。
【0177】
図29には、図28における書込状態のツインセルに対する消去ベリファイ期間での電流経路を説明する回路図が示される。
【0178】
図29においても、センス期間Tcの終了時には、図25と同様に、読出データRDT=“0”及び反転読出データRDTb=“1”に設定されている。しかしながら、トランジスタ93及び94の接続先が図25とは異なるため、図29では、トランジスタ94がオンする一方で、トランジスタ93がオフされる。この結果、電源配線PLvには、図25とは反対に、電流が大きい方である消去状態のメモリセル10yのセル電流に相当する電流IPLvが生じる。
【0179】
尚、第2の実施形態の変形例では、図29の例とは反対に、メモリセル10xが消去状態(記憶データ“1”)であり、メモリセル10yが書込状態(記憶データ“0”)であるときには、CMOSセンスアンプの増幅動作により、ノードNx及びNyの間には、電圧SABが“1”である一方で電圧SATが“0”となる電圧差が生じる。この結果、消去ベリファイ期間Tdでは、トランジスタ93がオフされる一方でトランジスタ94がオンされる。この結果、電源配線PLvには、電流が大きい方である消去状態のメモリセル10yのセル電流Icellyに相当する電流IPLvが生じることが理解される。
【0180】
この様に、第2の実施形態の変形例では、消去ベリファイ期間Tdにおいて、ツインセル12を構成するメモリセル10x及び10yのうちの、セル電流が大きい一方のメモリセルのセル電流に相当する電流IPLvが、電源配線PLsに生じることになる。
【0181】
消去状態のツインセル12に対する消去ベリファイ動作においても、共に消去状態であるメモリセル10x,10yのセル電流の微小な差に応じて、メモリセル10x及び10yのセル電流のうちの大きい方の一方のセル電流が、電流IPLvとして電源配線PLvに生じることになる。
【0182】
従って、電源配線PLs,PLvが別個に配置される第2の実施形態の構成では、ツインセル12を構成するメモリセル10x及び10yのうちの、セル電流が大きい一方のメモリセル、及び、セル電流が小さい一方のメモリセルのいずれを電源配線PLvと接続して電流IPLvを発生させても、消去ベリファイ動作を実行可能である。尚、この際に、セル電流が大きい一方のメモリセル、及び、セル電流が小さい一方のメモリセルのいずれによって電流IPLvが生成されるかについては、図23及び図28で説明した、トランジスタ93及び94のゲートの接続先によって予め定められることになる。
【0183】
尚、第2の実施形態に係る図22においても、図27と同様の定電圧源16から出力される電圧VrをセンスアンプSAvに入力する変形例の適用が可能である。即ち、本実施の形態では、センスアンプSAvにおいて、電源配線PLs(第1の実施形態)又は電源配線PLv(第2の実施形態)を流れるベリファイ電流Ivfに基づくものであれば、参照電流Irefnとの比較によらずに、消去ベリファイ情報RDTvを生成してもよい。
【0184】
又、本実施の形態では、相補読出の対象となるメモリセルをフラッシュメモリとして説明したが、本開示は、フラッシュメモリに限定されるものではない。具体的にはち、記憶データが“1”及び“0”のいずれであるかに依存してセル電流が変わるメモリセルを用いて構成される相補読出型の不揮発性半導体記憶装置に共通に適用可能である。具体的には、各メモリセルの記憶データが全て“0”及び“1”の一方に揃っている消去状態から、ツインセルの一方のメモリセルの記憶データを“0”及び“1”の他方に書き換えることで書込動作が行われるものであれば、一定区分のツインセルに含まれる全メモリセルが消去状態であるか否かを示す消去ベリファイ情報の生成について、共通に適用することができる。
【0185】
以上で説明した複数の実施形態について、明細書内で言及されていない組み合わせを含めて、不整合や矛盾が生じない範囲内で、各実施形態で説明された構成を適宜組合わせることは出願当初から予定されている点についても、確認的に記載する。
【0186】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0187】
10,10v,10x,10y メモリセル、11,11v,11x,11y セレクタ、12 ツインセル、15,15v 参照セル、16 定電圧源、51,52 抵抗素子、55,56 電源ノード、100,101 領域、200,200v,200vn,201,201v,201vn 分布曲線(セル電流)、IPLs,IPLv 電流(電源配線)、Icell,Icellv,Icellx,Icelly セル電流、Iref,Irefn,Iref* 参照電流、Ivf ベリファイ電流、PCHGb プリチャージ信号、PLs,PLv 電源配線、RDT,RDT1~RDTn 読出データ、RDTb 反転読出データ、RDTv 読出データ(消去ベリファイ情報)、SA,SA1~SAn,SAv センスアンプ、SAE イネーブル信号、SLb 選択信号、Ta プリチャージ期間、Tb サンプリング期間、Tc センス期間、Td 消去ベリファイ期間、Vpp1,Vpp2 電源電圧、Vref,Vrefn,Vref* 参照電圧。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
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図28
図29