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  • 特開-ランドセルに取り付けて用いる収納具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092942
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】ランドセルに取り付けて用いる収納具
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
A45F3/04 400S
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208257
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】393000733
【氏名又は名称】フミオ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129104
【弁理士】
【氏名又は名称】舩曵 崇章
(72)【発明者】
【氏名】大友 隆
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA24
3B045CE09
3B045EA03
3B045FA02
3B045GA03
3B045JA02
3B045JA04
(57)【要約】
【課題】多くの物品をバランス良く収納することができて使い勝手のよい、ランドセルに取り付けて用いる収納具を提供する。
【解決手段】ランドセルRの主収納空間R1の上部に位置させる本体収納部2と、この本体収納部2の左右からそれぞれ延びてランドセルRの左右の側壁部の外方に位置させる左右の側面収納部3と、を有する、ランドセルRに取り付けて用いる収納具1とした。このとき、本体収納部2は、収納物品を投入するための物品投入口211を備えてランドセルの主収納空間R1の左右幅と概ね等しい左右幅の上面部21と、この上面部21の下方に設けられて、前記物品投入口211から投入された物品を受ける受け部22と、を有する、ランドセルRに取り付けて用いる収納具1とすることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドセルの主収納空間の上部に位置させる本体収納部と、
この本体収納部の左右からそれぞれ延びてランドセルの左右の側壁部の外方に位置させる左右の側面収納部と、を有する、
ランドセルに取り付けて用いる収納具。
【請求項2】
本体収納部は、
収納物品を投入するための物品投入口を備えてランドセルの主収納空間の左右幅と概ね等しい左右幅の上面部と、
この上面部の下方に設けられて、前記物品投入口から投入された物品を受ける受け部と、を有する、
請求項1に記載のランドセルに取り付けて用いる収納具。
【請求項3】
物品投入口は、
上面部の左右方向に沿うスリット状である、
請求項2に記載の、ランドセルに取り付けて用いる収納具。
【請求項4】
物品投入口は、
スライドファスナーを有していない、
請求項2又は請求項3に記載の、ランドセルに取り付けて用いる収納具。
【請求項5】
左右の側面収納部は、
上方に向けて開口したポケット部を備え、
このポケット部の開口は、開口縁に設けたゴム状部材によって伸縮自在となっている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の、ランドセルに取り付けて用いる収納具。
【請求項6】
左右の側面収納部は、
ポケット部の開口を覆う蓋部を備える、
請求項5に記載の、ランドセルに取り付けて用いる収納具。
【請求項7】
左右の側面収納部の下端部を互いに連結する下側連結ベルトを備えた、
請求項1~6のいずれか1項に記載の、ランドセルに取り付けて用いる収納具。
【請求項8】
左右の側面収納部の前面部又は後面部を互いに連結する中央連結ベルトを備えた、
請求項1~7のいずれか1項に記載の、ランドセルに取り付けて用いる収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランドセルに取り付けて用いる収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
ランドセルは、一般的に、上方に向かって開口した本体収納部を有するランドセル本体と、ランドセル本体の後壁部と連続しランドセル本体の上方を概ね覆う蓋部材(被せ)と、ランドセル本体の後面側に取り付けた左右の肩ベルトを備えている。ランドセル本体の収納部である本体収納部には、教科書やノートなどが収納される。
【0003】
また、小学校に通う児童は、教科書やノートのほか様々な物品を持って登校する必要がある。このような物品として、例えば、体育の時間などに着用する体操着がある。体操着は比較的かさばるため、ランドセルの本体収納部などに押し込んで登校することは難しく、また、最近では、体操着に加えてタオルを持参するように指定する学校が増えていることもあり、これらを、ランドセル以外の手提げ鞄などに入れて登校することが多かった。
【0004】
しかしながら、ランドセルに加えて手提げ鞄などを持って登校すると、手提げ鞄を引きずったり、学校や帰り道に置き忘れたりすることがあった。このようなこともあり、ランドセルに取り付けて用いることができる収納具が提唱されている。
【0005】
例えば、下記特許文献1には、ランドセルの左右に位置する2個の収納鞄を設けた附属鞄が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5616516号(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の収納具では、使い勝手が悪い場合があった。例えば、2個の収納鞄のどちらかにタオルを収納した場合、タオルを収納した方が大きく膨らんでしまい、見た目にバランスが悪くなっていた。
【0008】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、多くの物品をバランス良く収納することができて使い勝手のよい、ランドセルに取り付けて用いる収納具に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、ランドセルの主収納空間の上部に位置させる本体収納部と、この本体収納部の左右からそれぞれ延びてランドセルの左右の側壁部の外方に位置させる左右の側面収納部と、を有する、ランドセルに取り付けて用いる収納具とした。以降、「ランドセルに取り付けて用いる収納具」のことを単に「収納具」と略称する場合がある。
【0010】
この収納具は、左右の側面収納部に加えて本体収納部を有するため、多くの物品を収納することができて使い勝手がよい。
また、左右の側面収納部にバランス良く物品を収納するとともに、残りの物品を本体収納部に収納することで、多くの物品をバランス良く収納することができる。例えば、体育などの授業で体操着とタオルが必要になる場合には、体操着の上下を左右の側面収納部に収納するとともに、タオルを本体収納部に収納することで、これら物品をバランス良く収納することができる。
さらに、左右の側面収納部のほかに本体収納部を有するため、左右の側面収納部の大きさを従来の左右の収納部(例えば、上記特許文献1記載の2個の収納鞄)よりもスリムにすることができ、このような側面収納部とすることで、ランドセルに取り付けた際にスマートな見た目となる。
加えて、ランドセルの主収納空間の上部に位置させる本体収納部を有するため、主収納空間の上部空間(主収納空間に入れた教科書やノートなどの上方の空間)を有効活用することができる。
【0011】
本体収納部は、収納物品を投入するための物品投入口を備えてランドセルの主収納空間の左右幅と概ね等しい左右幅の上面部と、この上面部の下方に設けられて、前記物品投入口から投入された物品を受ける受け部と、を有する、ランドセルに取り付けて用いる収納具とすることができる。
【0012】
この収納具は、本体収納部の上面部の左右幅が、ランドセルの主収納空間の左右幅と概ね等しいため、大きな本体収納部を実現することができる。
【0013】
このとき、物品投入口は、上面部の左右方向に沿うスリット状である、ランドセルに取り付けて用いる収納具とすることが好ましい。
【0014】
この収納具は、物品投入口を大きくしやすく、大きな物品投入口とすることで、本体収納部に物品を投入しやすくなる。
【0015】
またこのとき、物品投入口は、スライドファスナーを有していない、ランドセルに取り付けて用いる収納具とすることも好ましい。
【0016】
この収納具は、スライドファスナーを有していないため、本体収納部に物品を投入しやすくなる。特に児童は、スライドファスナーが手にあたると痛みを感じることがあったが、本構成の収納具では、そのような心配がない。
【0017】
左右の側面収納部は、上方に向けて開口したポケット部を備え、このポケット部の開口は、開口縁に設けたゴム状部材によって伸縮自在となっている、ランドセルに取り付けて用いる収納具とすることもできる。
【0018】
この収納具は、ポケット部に物品を入れやすく、また、中に入れた物品が落ちにくい。
【0019】
このとき、左右の側面収納部は、ポケット部の開口を覆う蓋部を備える、ランドセルに取り付けて用いる収納具とすることが好ましい。
【0020】
この収納具は、中に入れた物品が、より落ちにくい。
【0021】
左右の側面収納部の下端部を互いに連結する下側連結ベルトを備えた、ランドセルに取り付けて用いる収納具とすることもできる。
【0022】
この収納具は、ランドセルにしっかりと取り付けることができる。
【0023】
左右の側面収納部の前面部又は後面部を互いに連結する中央連結ベルトを備えた、ランドセルに取り付けて用いる収納具とすることもできる。
【0024】
この収納具は、ランドセルにしっかりと取り付けることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、多くの物品をバランス良く収納することができて使い勝手のよい、ランドセルに取り付けて用いる収納具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】ランドセルに取り付けて用いる収納具をランドセルに取り付けた状態を正面側斜め左上から見た斜視図(写真)である。
図2】ランドセルに取り付けて用いる収納具を例示する斜視図(写真)である。
図3図1の状態からランドセルの蓋部材を下ろした状態を例示する斜視図(写真)である。
図4】ランドセルに取り付けて用いる収納具をランドセルに取り付けた状態を後面側斜め右上から見た斜視図(写真)である。
図5】ランドセルに取り付けて用いる収納具をランドセルに取り付けた状態を示す底面図(写真)である。
図6】本体収納部に設けた物品投入口を説明するための拡大斜視図(写真)である。
図7】側面収納部の構造を説明するための拡大斜視図(写真)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図を用いて、ランドセルに取り付けて用いる収納具を例示説明する。ランドセルに取り付けて用いる収納具1は、本体収納部2と側面収納部3とを有する。これらに加えて、本実施形態では、下側連結ベルト4と中央連結ベルト5も備える。
なお、図1では、本体収納部2などを視認しやすいように、ランドセルRの蓋部材R3を大きく開けて装着者側(児童側)に垂下させた状態を表示してある。
以下、特定の実施形態を挙げて例示説明するが、本発明及びその構成要素は、以下の説明に限定されるものではない。
【0028】
1.本体収納部
本体収納部2は、収納具1をランドセルRに取り付けた際に、ランドセルRの主収納空間R1の上部に位置する収納部である。本体収納部2の一部または全部がランドセルRの主収納空間R1の上部に位置するように収納具1を構成することができる。
本実施形態では、図1などに例示するように、本体収納部2の概ね全部が主収納空間R1の上部に位置するように収納具1を構成してある。
【0029】
本実施形態において、本体収納部2は、図1及び図2に例示するように、上面部21と受け部22とを有する。
【0030】
[上面部]
本実施形態において、上面部21は、平面視において概ね横長(左右方向が前後方向よりも長い)の矩形形状である。詳細には、上面部21は、ランドセルRの主収納空間R1の左右幅と概ね等しい左右幅であり、また、主収納空間R1の前後長よりも若干短い前後長21L である。このように、上面部21の前後長21Lが、主収納空間R1の前後長よりも若干短いことによって、主収納空間R1の上部に本体収納部2が位置した状態において、主収納空間R1に収納した教科書やノートなどを取り出しやすくなる。上面部21の前後長21Lは、好ましくは主収納空間R1の前後長の50~100%、より好ましくは主収納空間R1の前後長の70~98%、さらに好ましくは主収納空間R1の前後長の80~95%である。
ここで、ランドセルの主収納空間R1の前後長は、ランドセルのメーカーや品番にもよるが、通常は、概ね11cm~13cm程度の場合が多い。このため、上面部21の前後長21Lは、好ましくは6.5~13cm、より好ましくは7.7~12.7cm、さらに好ましくは8.8~12.4cm、最も好ましくは10~11cmとすることができる。
【0031】
本実施形態において、上面部21は、収納物品を投入するための物品投入口211を備えている。本実施形態において、物品投入口211は、上面部21の左右方向に沿うスリット状であり、上面部21の左右幅と概ね等しい長さ(若干短い長さ)である。また、スリット状の物品投入口211は、上面部21の前後方向の概ね中央部に設けてある。さらに、本実施形態においては、スリット状の物品投入口211にスライドファスナーを備えていない。
【0032】
[受け部]
受け部22は、上面部21の下方に設けられており、物品投入口211から投入された物品を受ける部材である。本実施形態においては、受け部22は、上方に向かって開口した概ね横長状である。その開口縁は、上面部21の平面形状と概ね等しい。そして、受け部22の開口縁は上面部21の週縁と縫合されており、上面部21の物品投入口211から投入された物品を受け部22で受けるように構成されている。
【0033】
本実施形態において、受け部22は布製であり、ランドセルRの主収納空間R1に収納した物品の高さによっては、その高さに応じて、本体収納部2の深さが変化するように構成されている。本体収納部2の深さ(最も深い部分の深さ)は、好ましくは5~30cm、より好ましくは8~25cm、さらに好ましくは10~20cm、最も好ましくは12~18cmである。本実施形態において、本体収納部2の深さ(最も深い部分の深さ)は、概ね15cmである。
【0034】
上記上面部21と上記受け部22で構成される本実施形態の本体収納部2は、上面部21に形成されたスリット状の物品投入口211から内部に物品を投入することができる、いわゆる投げ入れ方式の収納部となる。
また、収納具をランドセルに取り付けた状態において、本体収納部は、ランドセルの主収納空間の上部に位置し、主収納空間の上部に浮遊した様な状態となる。これによって、主収納空間に入れた教科書やノートなどの上方の空間を有効活用することができる。本実施形態においては、収納具をランドセルに取り付けた状態において、本体収納部が、ランドセルの主収納空間の上部に入り込んだ様な状態となっている。
【0035】
2.側面収納部
側面収納部3は、収納具1をランドセルRに取り付ける際に、本体収納部2の左右からそれぞれ延びてランドセルRの左右の側壁部の外方に位置させる左右の収納部である。側面収納部3は、収納具1をランドセルRに取り付けた状態において、本体収納部2の左右からそれぞれ下方に向けて垂下したような状態となっている。
【0036】
本実施形態においては、左右の側面収納部3は、上方に向けて開口したポケット部31を備えている。そして、このように構成されたポケット部31の開口は、開口縁311に設けたゴム状部材によって伸縮自在となっている。本実施形態においては、図7に例示するように、開口縁311の一部(外側を向く縁部)にゴム状部材を設けてある。
【0037】
さらに、本実施形態においては、左右の側面収納部3は、ポケット部31の開口を覆う蓋部32を備えている。ポケット部31と蓋部32は、これらを着脱自在に係止するスライドファスナーを備えていない。このような構成によって、側面収納部に物品を収納する際、スライドファスナーが手にあって痛みを感じる心配がなくなる。
加えて、本実施形態においては、左右の側面収納部は、その上部よりも下部の厚み(左右幅)が大きくなるように構成されているため、ランドセルに取り付けた際にスリムでスマートな見た目となるにも関わらず、収納力が高い(内部に多くの物品を収納することができる)。
【0038】
3.下側連結ベルト
本実施形態の収納具1は、左右の側面収納部3の下端部を互いに連結する下側連結ベルト4を備えている。本実施形態では、図5に例示するように、下側連結ベルト4として伸縮性のあるベルトを用いて、左右の側面収納部3の下端の中央を互いに連結している。伸縮性のあるベルトを用いることで、ランドセルに収納具を着脱しやすくなる。
【0039】
4.中央連結ベルト
また、本実施形態の収納具1は、左右の側面収納部3の前面部又は後面部を互いに連結する中央連結ベルト5も備えている。本実施形態では、図1及び図2に例示するように、中央連結ベルト5として伸縮性のあるベルトを用いて、左右の側面収納部3の前面部の上部を互いに連結している。伸縮性のあるベルトを用いることで、ランドセルに収納具を着脱しやすくなる。
【0040】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を例示説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【符号の説明】
【0041】
R ランドセル
R1 主収納空間
R3 蓋部材

1 ランドセルに取り付けて用いる収納具

2 本体収納部
21 上面部
21L 前後長
211 物品投入口
22 受け部

3 側面収納部
31 ポケット部
311 開口縁
32 蓋部

4 下側連結ベルト

5 中央連結ベルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7