(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092950
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】流体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B05C 5/00 20060101AFI20230627BHJP
E04F 21/16 20060101ALI20230627BHJP
E04F 21/12 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C5/00 Z
E04F21/16 P
E04F21/12 X
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208271
(22)【出願日】2021-12-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】391024951
【氏名又は名称】JR東日本テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】弁理士法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三木 猛
【テーマコード(参考)】
4F041
【Fターム(参考)】
4F041AA01
4F041AA18
4F041AB01
4F041BA10
4F041CB02
4F041CB17
4F041CB30
4F041CB34
4F041CB44
4F041CB53
(57)【要約】
【課題】適切な塗布が容易な流体吐出装置を提供する。
【解決手段】シール剤吐出装置12(流体吐出装置)は、シール剤10を吐出するシール剤吐出ユニット16を備える。シール剤吐出ユニット16は、作業者によって把持される棒状の本体50の先端にノズル52が設けられている。ノズル52は、シール剤10を吐出する吐出口56を有する球形状の球体部60(第1外径部)と、球体部60よりもシール剤10の流路54の上流側に設けられ、球体部60よりも外径が一回り大きいリング状のフランジ62(第2外径部)と、を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の本体の先端にノズルが設けられた流体吐出ユニットと、前記流体吐出ユニットとチューブを介して接続され、前記流体吐出ユニットへ向けて流体を送り出す流体送り出しユニットとを備え、前記流体送り出しユニットから送り出された流体を前記ノズルから吐出させる流体吐出装置において、
前記ノズルは、
前記ノズルを貫通する前記流体の流路と、
前記流路の下流側端部に形成された吐出口と、
前記吐出口の近傍に設けられ、前記吐出口よりも外径が大きい第1外径部と、
前記第1外径部よりも外径が大きく形成され、前記第1外径部よりも前記流路の上流側に設けられた第2外径部と、を備えた、
流体吐出装置。
【請求項2】
断面L字型の内側部分が前記流体を塗布する塗布部位であり、前記断面とは垂直な方向に前記本体を移動させて前記塗布部位に前記流体を塗布する場合において、
前記塗布部位を構成する断面L字型の一方の面を垂直面、他方の面を水平面としたときに、
前記本体の軸を、前記垂直面と前記水平面との中間に位置させ、かつ、前記流体の塗布方向に対して垂直にした状態では、前記第1外径部のみが前記垂直面と前記水平面とに当接し、前記第2外周部は前記垂直面と前記水平面との内側に前記垂直面と前記水平面とは非接触に配され、
前記把持部の軸を、前記垂直面と前記水平面との中間に位置させ、かつ、前記流体の塗布方向に対して垂直から所定角度傾けることにより、前記第1外径部と前記第2外径部との両方が前記垂直面と前記水平面とに接触する、
請求項1に記載の流体吐出装置。
【請求項3】
前記ノズルは、
前記吐出口を有する球体状の球体部と、
前記球体部よりも外径が大きいリング状のフランジと、を備え、
前記球体部が前記第1外周部として機能し、
前記フランジが前記第2外周部として機能する、
請求項1または2に記載の流体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シール剤や接着剤などの流体を吐出する流体吐出装置として、例えば、下記特許文献1が知られている。下記特許文献1記載の装置は、ディスペンサーから導管を介して棒状のシリンジへと流体を送り出し、シリンジの先端から流体を吐出させる。この装置によれば、作業者がシリンジを把持して作業(塗布部位に流体を塗布)できるので、作業性がよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業者が棒状のシリンジ(流体送り出しユニットの本体)を把持して塗布を行うタイプの流体吐出装置で、適切な塗布を行うためには、塗布部位に対して本体の角度を一定に保ちながら塗布を行う必要がある。しかしながら、従来の装置では、作業者が熟練していないと適切な塗布、すなわち、塗布部位に対して本体の角度を一定に保ちながら塗布を行うことが難しい、といった問題があった。
【0005】
本発明は、上記背景を鑑みてなされたものであり、作業者が熟練していない場合であっても適切な塗布が容易な流体吐出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の流体吐出装置は、棒状の本体の先端にノズルが設けられた流体吐出ユニットと、前記流体吐出ユニットとチューブを介して接続され、前記流体吐出ユニットへ向けて流体を送り出す流体送り出しユニットとを備え、前記流体送り出しユニットから送り出された流体を前記ノズルから吐出させる流体吐出装置において、前記ノズルは、前記ノズルを貫通する前記流体の流路と、前記流路の下流側端部に形成された吐出口と、前記吐出口の近傍に設けられ、前記吐出口よりも外径が大きい第1外径部と、前記第1外径部よりも外径が大きく形成され、前記第1外径部よりも前記流路の上流側に設けられた第2外径部と、を備えている。
【0007】
断面L字型の内側部分が前記流体を塗布する塗布部位であり、前記断面とは垂直な方向に前記本体を移動させて前記塗布部位に前記流体を塗布する場合において、前記塗布部位を構成する断面L字型の一方の面を垂直面、他方の面を水平面としたときに、前記本体の軸を、前記垂直面と前記水平面との中間に位置させ、かつ、前記流体の塗布方向に対して垂直にした状態では、前記第1外径部のみが前記垂直面と前記水平面とに当接し、前記第2外周部は前記垂直面と前記水平面との内側に前記垂直面と前記水平面とは非接触に配され、前記把持部の軸を、前記垂直面と前記水平面との中間に位置させ、かつ、前記流体の塗布方向に対して垂直から所定角度傾けることにより、前記第1外径部と前記第2外径部との両方が前記垂直面と前記水平面とに接触する、ことが好ましい。
【0008】
前記ノズルは、前記吐出口を有する球体状の球体部と、前記球体部よりも外径が大きいリング状のフランジと、を備え、前記球体部が前記第1外周部として機能し、前記フランジが前記第2外周部として機能する、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業者が熟練していない場合であっても適切な塗布が容易な流体吐出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】球体部とフランジの作用を示す説明図である。
【
図5】断面L字型の内側の塗布部位を示す説明図である。
【
図6】本体の軸を、垂直面と水平面との中間、かつ、塗布方向と垂直にした状態を示す説明図である。
【
図7】本体の軸を、垂直面と水平面との中間、かつ、塗布方向に対して所定角度傾けた状態を示す説明図である。
【
図8】フランジの無いノズルで塗布を行った場合を示す説明図である。
【
図9】フランジ付きのノズルで塗布を行った場合を示す説明図である。
【
図10】テーパー形状、及び、段付き形状のノズルを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<別体型シール吐出ユニット>
図1に、本発明の流体吐出装置として、シール剤10(流体)(
図4、
図8、
図9参照)を吐出するシール剤吐出装置12(流体吐出装置)を示す。
図1に示すように、シール剤吐出装置12は、シール剤送り出しユニット14(流体送り出しユニット)と、シール剤吐出ユニット16(流体吐出ユニット)と、を備え、これらがチューブ18を介して接続されている。
【0012】
シール剤送り出しユニット14は、後述するシール剤容器20からシール剤10を送り出すためのユニットであり、シール剤吐出ユニット16は、シール剤送り出しユニット14から送り出されたシール剤10を吐出するユニットである。シール剤吐出ユニット16は、棒状の本体50を備えたペン型に形成されており、本体50の先端にはシール剤10を吐出するノズル52が設けられている。そして、シール剤10の塗布作業を行う作業者は、シール剤吐出ユニット16(本体50)を把持して塗布作業を行う。
【0013】
このように、シール剤送り出しユニット14とシール剤吐出ユニット16とを別体に設けることにより、シール剤吐出ユニット16の小型化、軽量化が可能となる。そして、シール剤吐出ユニット16を小型化、軽量化することにより、シール剤吐出ユニット16の取り回しが容易となり、塗布作業の作業性が向上する。
【0014】
<シール剤送り出しユニット>
シール剤送り出しユニット14は、シール剤容器20と、容器押圧装置22と、ヒーター24と、バッテリー26と、を備えている。シール剤容器20は、シール剤10を収容している。容器押圧装置22及びヒーター24は、バッテリー26から電力の供給を受けて作動する。容器押圧装置22は、作動に伴ってシール剤容器20を押圧し、シール剤容器20からシール剤10を押し出す。シール剤容器20には、ジョイント30を介してチューブ18が接続されており、シール剤容器20から押し出されたシール剤10は、チューブ18を介してシール剤吐出ユニット16へ向けて送り出される。
【0015】
<作動スイッチの位置>
なお、本実施形態では、容器押圧装置22を作動させるための作動スイッチ22aを、シール剤吐出ユニット16に設けている。こうすることで、塗布作業を行う作業者が手元でシール剤10の吐出/吐出停止を切り替えられるので作業性が向上する。
【0016】
<ヒーター>
ヒーター24は、チューブ18やシール剤容器20を包み込むように設けられたジャケット(図示せず)を備えている。ジャケットには、例えば電熱線が内蔵され、ヒーター24が作動すると、電熱線が発熱し、チューブ18やシール剤容器20内のシール剤10が加熱される。シール剤10は、例えば、40℃~50℃程度に加熱される。このようにシール剤10を加熱することにより、シール剤10の粘度が低下し、塗布作業の作業性が向上する。
【0017】
なお、本実施形態では、ヒーター24の作動スイッチ24aをシール剤送り出しユニット14に設けているが、容器押圧装置22の作動スイッチ22aと同様に、シール剤吐出ユニット16に設けてもよい。作動スイッチ22a、24aを設ける位置によって本発明が限定されるものではないので、作動スイッチ22a、24aを設ける位置は適宜変更できる。また、例えば、作動スイッチ22a、24aの一方または両方を、フットスイッチ(作業者が踏んで操作するタイプのスイッチ)としてもよい。
【0018】
<ジョイント構造>
図2(a)に示すように、チューブ18とシール剤容器20とを接続するジョイント30は、シール剤容器20に固定されるベース32と、ベース32に螺合する押さえキャップ34と、から構成される。ベース32は、チューブ18に差し込まれるパイプ36を備えている。チューブ18をジョイント30(シール剤容器20)に接続する際は、同図(b)に示すように、チューブ18を押さえキャップ34に挿通した状態で、パイプ36の外周に被せるようにチューブ18を装着する(チューブ18にパイプ36を差し込む)。そして、この後、同図(c)に示すように、押さえキャップ34をベース32に螺合させる。これにより、ベース32に設けられた受け部32a(
図2(a)参照)と押さえキャップ34に設けられた押さえ部34a(
図2(a)参照)との間でチューブ18が挟持される。
【0019】
図2(a)において、受け部32aは、パイプ36の外周を階段状に拡大することにより形成され、先端側の外径がチューブ18の内径と同程度に形成され、基端側の外径がチューブ18の内径よりも一回り大きく形成されている。そして、チューブ18は、その先端が受け部32aの基端側に位置するように、内径を拡大させて受け部32a(受け部32aの基端側)に装着される。受け部32aは階段状に形成されているため、チューブ18がパイプ36に装着されると、チューブ18がパイプ36を外側から押圧する押圧力が、受け部32aの先端側と基端側との境界部分(階段の角の部分)に集中する。これにより、例えば、受け部32aをテーバー形状とする場合と比較して、チューブ18の抜けをより確実に防止できる。
【0020】
また、
図2(a)において、押さえ部34aは、押さえキャップ34の内径を階段状に拡大することにより形成され、ベース32から遠い側の外径がチューブ18の外径と同程度に形成され、ベース32に近い側の外径がチューブ18の外径よりも一回り大きく形成されている。このように押さえ部34aを階段形状とすることで、押さえキャップ34をベース32に螺合させて押さえ部34aと受け部32aとの間でチューブ18を挟持した際に、押さえ部34aがチューブ18を押圧する押圧力が、押さえ部34aの階段形状の角の部分に集中する。これにより、例えば、押さえ部34aをテーパー形状とする場合と比較して、チューブ18の抜けをより確実に防止できる。
【0021】
<シール剤吐出ユニット>
図3において、シール剤吐出ユニット16は、前述のように、作業者によって把持される棒状の本体50の先端にノズル52が設けられている。また、シール剤吐出ユニット16は、本体50及びノズル52を貫通するように、本体50の軸50aに沿ってシール剤10の流路54が形成されている。流路54の上流側端部にはチューブ18が接続されており、チューブ18から送り出されたシール剤10は、流路54を通り、流路54(ノズル52)の下流側端部に設けられた吐出口56から吐出される。なお、
図5以降の図面では、作動スイッチ22aの図示を省略している。
【0022】
<球形ノズルとフランジ>
ノズル52は、吐出口56を有する球形状の球体部60(第1外径部)と、球体部60よりも流路54の上流側に設けられ、球体部60よりも外径が一回り大きいリング状のフランジ62(第2外径部)と、を備えている。これにより、
図4に示すように、本体50の軸50aを平面64の法線に対して「所定角度」傾けると、球体部60(第1外径部)とフランジ62(第2外径部)との2点が平面64に当接し、シール剤吐出ユニット16の姿勢が安定する。
【0023】
ここで、前述の「所定角度」は、好適な塗布を行うために、塗布方向(本例の場合は、平面64と平行な方向)とは垂直な方向に対して本体50(本体50の軸50a)を傾けるべき角度であり、具体的には、25°以上65°以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは35°以上55°以下の範囲内であり、さらに好ましくは40°以上50°以下である。このように、塗布方向とは垂直な方向に対して「所定角度」本体50を傾けて塗布を行う、より正確には、塗布方向の前方にノズル52(本体50の先端)が位置するように、塗布方向とは垂直な方向に対して「所定角度」本体50を傾けて塗布を行うことで、ノズル52から吐出されたシール剤10を目視により確認しながら吐出量を適切に制御できる。また、シール剤10を吐出した後に、ノズル52の球体部60により、シール剤10を塗布部位に押し付けるようにして均すことができ、均質な塗布と塗布されたシール剤10の表面の整形ができる。そして、シール剤吐出ユニット16では、上述のように、塗布作業に好ましい角度でシール剤吐出ユニット16の角度が安定するため、塗布作業に適切なシール剤吐出ユニット16の角度を把握し易く、作業者が熟練していない場合であっても適切な塗布が容易となる。
【0024】
<断面L字型の塗布部位への塗布>
さらに、本実施形態では、
図5(a)、同図(b)に示すように、垂直面70と水平面72とを有する断面L字型の内側部分の塗布部位74に対してシール剤10を塗布する場合に、シール剤吐出ユニット16が適切な角度で安定するように、球体部60とフランジ62とを形成している。
【0025】
具体的には、
図6(a)、同図(b)に示すように、本体50(本体50の軸50a)を、垂直面70と水平面72との中間に位置させ、かつ、塗布方向(断面に対して垂直な方向)に対して垂直にした状態、すなわち、塗布方向とは垂直な方向に対して本体50が傾いておらず塗布作業に適していない状態では、球体部60のみが垂直面70と水平面72とに当接し、フランジ62は、垂直面70と水平面72との間にこれらとは非接触に配され、ノズル52と塗布部位74との接触地点が2点のみとなり、シール剤吐出ユニット16の角度が安定しないようにしている。
【0026】
一方、
図7(a)、同図(b)に示すように、本体50を、垂直面70と水平面72との中間に位置させ、かつ、塗布方向とは垂直な方向に対して前述した「所定角度」傾けた状態、すなわち、シール剤吐出ユニット16の角度が塗布作業に好適である状態では、球体部60とフランジ62との両方が垂直面70と水平面72とに当接し、ノズル52と塗布部位74との接触地点が4点となり、シール剤吐出ユニット16の角度が安定するようにしている。
【0027】
球体部60及びフランジ62を上述した構成とすることにより、塗布作業に適切なシール剤吐出ユニット16の角度を把握し易く、作業者が熟練していない場合であっても適切な塗布が容易となる。なお、
図5-
図7、並びに、後述する
図8、9において、符号76は、塗布部位74を画定するためのマスキングを示している。
【0028】
以上のように、本発明によれば、球体部60(第1外径部)とフランジ62(第2外径部)との作用により、シール剤吐出ユニット16が塗布作業に好適な角度で安定するため、作業者が熟練していない場合であっても適切な塗布が容易となる。また、本発明によれば、フランジ62により、ノズル52の周囲のシール剤10をより外側へと逃し、マスキング76が剥がし易く、さらに、マスキング76を剥がした後に残されるシール剤10の境界部分(マスキングされた部分との境界部分)の形状をより良好な状態とすることができる。
【0029】
つまり、
図8(a)に示すように、フランジ62のない単なる球形のノズル80で塗布を行うと、同図(b)に示すように、ノズル80から外側にはみ出したシール剤10が塗布部位74の近傍に残る。このため、マスキング76を剥がしにくく、また、マスキング76を剥がした後もマスキング76上に残ったシール剤10が塗布部位74のシール剤10と繋がったままとなり、シール剤10の境界部分の形状が直線状とはならないといった問題がある。
【0030】
これに対し、
図9(a)に示すように、フランジ62を設けた本発明のノズル52で塗布を行うと、同図(b)に示すように、ノズル52から外側にはみ出したシール剤10を塗布部位74からより遠くに逃がす(押しのける)ことができる。このため、マスキング76を剥がしやすく、また、マスキング76を剥がした後もマスキング76上に残ったシール剤10が塗布部位74のシール剤10と繋がったままとなってしまう、といった問題も防止できる。
【0031】
<テーパノズル、段付きノズル>
なお、上記実施形態では、球形状のノズルにフランジを設けることにより、第1外径部と第2外径部とを形成する例で説明をしたが、ノズルの形態はこれに限定されない。例えば、
図10(a)に示すように、第1外径部90と第2外径部92とを有するテーパー形状のノズル94としてもよい。また、同図(b)に示すように、第1外径部100と第2外径部102とを有する段付きノズル104としてもよい。これらノズル94、104によっても、上記実施形態のノズル52と同様の効果を得ることができる。なお、
図10以降の図面を用いた説明では、上記実施形態と同様の部材については同様の符号を付して説明を省略している。
【0032】
<回転ノズル・偏芯ノズル>
また、上記実施形態では、本体(シール剤吐出ユニットの本体)の先端にノズルを固定しているが、本体の先端に本体の軸を中心にノズルを回転自在に設けてもよい。さらに、上記実施形態では、ノズルの中心軸(第1外径部及び第2外径部を構成する2つの円の中心を通る線)が、本体の軸と一致している例で説明をしたが、ノズルの中心軸を本体の軸に対して偏芯させてもよい。
【0033】
なお、上記実施形態では、本体とノズルが一体である例で説明をしたが、本発明はこれに限定されない。本体に対してノズルを着脱自在に設け、例えば、第1外径部や第2外径部の大きさや形状の異なる複数のタイプのノズルを用意し、塗布部位の態様に応じてノズルを交換可能な構成としてもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、流体としてシール剤を吐出するシール剤吐出装置に本発明を適用する例で説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、接着剤など、シール剤以外の流体を吐出する流体吐出装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
10 シール剤
12 シール剤吐出装置(流体吐出装置)
14 シール剤送り出しユニット(流体送り出しユニット)
16 シール剤吐出ユニット(流体吐出ユニット)
18 チューブ
20 シール剤容器
22 容器押圧装置
22a 作動スイッチ
24 ヒーター
24a 作動スイッチ
26 バッテリー
30 ジョイント
32 ベース
32a 受け部
34 押さえキャップ
34a 押さえ部
36 パイプ
50 本体
50a 軸
52 ノズル
54 流路
56 吐出口
60 球体部(第1外径部)
62 フランジ(第2外径部)
64 平面
70 垂直面
72 水平面
74 塗布部位
76 マスキング
80 ノズル
90 第1外径部
92 第2外径部
94 ノズル
100 第1外径部
102 第2外径部
104 ノズル
【手続補正書】
【提出日】2023-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の本体の先端にノズルが設けられた流体吐出ユニットと、前記流体吐出ユニットとチューブを介して接続され、前記流体吐出ユニットへ向けて流体を送り出す流体送り出しユニットとを備え、前記流体送り出しユニットから送り出された流体を前記ノズルから吐出させる流体吐出装置において、
前記ノズルは、
前記ノズルを貫通する前記流体の流路と、
前記流路の下流側端部に形成された吐出口と、
前記吐出口の近傍に設けられ、前記吐出口よりも外径が大きい第1外径部と、
前記第1外径部よりも外径が大きく形成され、前記第1外径部よりも前記流路の上流側に設けられた第2外径部と、を備え、
断面L字型の内側部分が前記流体を塗布する塗布部位であり、前記断面とは垂直な方向に前記本体を移動させて前記塗布部位に前記流体を塗布する場合において、
前記塗布部位を構成する断面L字型の一方の面を垂直面、他方の面を水平面としたときに、
前記本体の軸を、前記垂直面と前記水平面との中間に位置させ、かつ、前記流体の塗布方向に対して垂直にした状態では、前記第1外径部のみが前記垂直面と前記水平面とに当接し、前記第2外周部は前記垂直面と前記水平面との内側に前記垂直面と前記水平面とは非接触に配され、
前記把持部の軸を、前記垂直面と前記水平面との中間に位置させ、かつ、前記流体の塗布方向に対して垂直から所定角度傾けることにより、前記第1外径部と前記第2外径部との両方が前記垂直面と前記水平面とに接触する、
流体吐出装置。
【請求項2】
前記ノズルは、
前記吐出口を有する球体状の球体部と、
前記球体部よりも外径が大きいリング状のフランジと、を備え、
前記球体部が前記第1外周部として機能し、
前記フランジが前記第2外周部として機能する、
請求項1に記載の流体吐出装置。
【請求項3】
棒状の本体の先端にノズルが設けられた流体吐出ユニットと、前記流体吐出ユニットとチューブを介して接続され、前記流体吐出ユニットへ向けて流体を送り出す流体送り出しユニットとを備え、前記流体送り出しユニットから送り出された流体を前記ノズルから吐出させる流体吐出装置において、
前記ノズルは、
前記ノズルを貫通する前記流体の流路と、
前記流路の下流側端部に形成された吐出口と、
前記吐出口の近傍に設けられ、前記吐出口よりも外径が大きい第1外径部と、
前記第1外径部よりも外径が大きく形成され、前記第1外径部よりも前記流路の上流側に設けられた第2外径部と、
前記吐出口を有する球体状の球体部と、
前記球体部よりも外径が大きいリング状のフランジと、を備え、
前記球体部が前記第1外周部として機能し、
前記フランジが前記第2外周部として機能する、
流体吐出装置。