IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧

<>
  • 特開-操作入力装置 図1
  • 特開-操作入力装置 図2A
  • 特開-操作入力装置 図2B
  • 特開-操作入力装置 図2C
  • 特開-操作入力装置 図3A
  • 特開-操作入力装置 図3B
  • 特開-操作入力装置 図3C
  • 特開-操作入力装置 図4A
  • 特開-操作入力装置 図4B
  • 特開-操作入力装置 図4C
  • 特開-操作入力装置 図5
  • 特開-操作入力装置 図6
  • 特開-操作入力装置 図7
  • 特開-操作入力装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092963
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】操作入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/02 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
G06F3/02 450
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208293
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】折戸 光雄
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020AA15
5B020BB10
5B020CC12
5B020DD02
5B020GG05
(57)【要約】
【課題】ユーザの指の検出可能な範囲を広げることを可能とする。
【解決手段】第1の軸に沿って規定された複数の領域の各々である第1の領域に位置するユーザの指を検出する第1の検出部と、前記第1の軸と交差する第2の軸に沿って前記第1の領域と隣接する第2の領域に位置するユーザの指を検出する第2の検出部と、を備える、操作入力装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸に沿って規定された複数の領域の各々である第1の領域に位置するユーザの指を検出する第1の検出部と、
前記第1の軸と交差する第2の軸に沿って前記第1の領域と隣接する第2の領域に位置するユーザの指を検出する第2の検出部と、
を備える、操作入力装置。
【請求項2】
前記第1の検出部は、
前記第1の軸に沿って延在し、ユーザの指を検出する第1のセンサ部を備える、
請求項1に記載の操作入力装置。
【請求項3】
前記第1の検出部は、
前記第1のセンサ部と交差するように前記第2の軸に沿って配置され、ユーザの指を検出する第2のセンサ部を有する、
請求項2に記載の操作入力装置。
【請求項4】
前記第2の検出部は、
前記第2の軸に沿って前記第1の検出部を挟むように配置されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の操作入力装置。
【請求項5】
前記操作入力装置は、前記第2の検出部それぞれに対応する選択候補を表示する表示装置と別個に設けられている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の操作入力装置。
【請求項6】
前記第2の検出部のいずれかの検出部が前記指を検出したことに基づいて、前記検出部に対応する選択候補が選択される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の操作入力装置。
【請求項7】
前記操作入力装置は、前記第2の検出部それぞれに対する前記指による押し込み操作を検出可能な第3の検出部を備える、
請求項1~6のいずれか一項に記載の操作入力装置。
【請求項8】
前記第3の検出部のいずれかの検出部が前記押し込み操作を検出したことに基づいて、前記押し込み操作がされた前記第2の検出部に対応する選択候補の選択が確定する、
請求項7に記載の操作入力装置。
【請求項9】
前記操作入力装置は、平面を有し、
前記第1の検出部および前記第2の検出部は、前記平面に沿って配置される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の操作入力装置。
【請求項10】
前記操作入力装置は、前記第2の軸に沿って曲がった凹面を有し、
前記第1の検出部および前記第2の検出部は、前記凹面に沿って配置される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の操作入力装置。
【請求項11】
前記操作入力装置は、前記第2の軸に沿って曲がった凸面を有し、
前記第1の検出部および前記第2の検出部は、前記凸面に沿って配置される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の操作入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザによる入力操作を検出するための多様な装置が開発されている。例えば、表示パネルに表示される複数のアイコンの各々に対応する複数のノブを備え、ユーザにより操作が行われたノブに対応する機能を起動するためのトグルスイッチ装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-75266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザの指の検出可能な範囲を広げることが要求される。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの指の検出可能な範囲を広げることを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1の軸に沿って規定された複数の領域の各々である第1の領域に位置するユーザの指を検出する第1の検出部と、前記第1の軸と交差する第2の軸に沿って前記第1の領域と隣接する第2の領域に位置するユーザの指を検出する第2の検出部と、を備える、操作入力装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明によれば、ユーザの指の検出可能な範囲を広げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るシステムの外観例を示す図である。
図2A】中央センサに指が接触されている様子を示す側面図である。
図2B】下部センサに指が接触されている様子を示す側面図である。
図2C】上部センサに指が接触されている様子を示す側面図である。
図3A】操作面の形状に関する第1の変形例において中央センサに指が接触されている様子を示す側面図である。
図3B】操作面の形状に関する第1の変形例において下部センサに指が接触されている様子を示す側面図である。
図3C】操作面の形状に関する第1の変形例において上部センサに指が接触されている様子を示す側面図である。
図4A】操作面の形状に関する第2の変形例において中央センサに指が接触されている様子を示す側面図である。
図4B】操作面の形状に関する第2の変形例において下部センサに指が接触されている様子を示す側面図である。
図4C】操作面の形状に関する第2の変形例において上部センサに指が接触されている様子を示す側面図である。
図5】中央センサの形状に関する第1の変形例を説明するための図である。
図6】中央センサの形状に関する第2の変形例を説明するための図である。
図7】中央センサの形状に関する第3の変形例を説明するための図である。
図8】中央センサの形状に関する第4の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
<1.実施形態>
本発明の実施形態の詳細について説明する。
【0011】
(1.1.システムの構成)
まず、図1を参照しながら、本発明の実施形態に係るシステムの構成例について説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るシステムの外観例を示す図である。図1に示されるように、本発明の実施形態に係るシステム1は、操作入力装置10と、表示装置20とを備える。なお、システム1は、後にも説明するように図示しない制御装置をさらに備える。
【0013】
本発明の実施形態においては、システム1が車室内に搭載される場合を主に想定する。かかる場合には、システム1を利用するユーザは、車両に乗っているユーザ(例えば、運転者、助手席に座る者など)であり得る。しかし、システム1が設けられる場所は車室内に限定されない。
【0014】
また、図1に示されるように、本発明の実施形態においては、操作入力装置10と表示装置20とが別個に設けられている場合を想定する。より詳細に、本発明の実施形態においては、操作入力装置10と表示装置20とが積層された構成(いわゆるタッチパネルが有する構成)とは異なり、操作入力装置10と表示装置20とが積層されておらず、互いに離れた構成が採用される。
【0015】
したがって、本発明の実施形態においては、操作入力装置10への操作と表示装置20による表示とが連携している感覚をユーザに与えることが要求される。
【0016】
(表示装置20)
表示装置20は、図示しない制御装置による制御に従って、各種の情報を表示する。ここで、表示装置20の種類は限定されない。例えば、表示装置20は、LCD(Liquid Crystal Display)であってもよいし、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであってもよいし、PDP(Plasma Display Panel)などであってもよい。
【0017】
図1を参照すると、アイコンI1~I8を表示する例が示されている。なお、アイコンI1~I8それぞれは、選択候補の例である。したがって、表示装置20によって表示されるアイコンI1~I8の一部または全部は、アイコン以外の選択候補に置き換えられてもよい。例えば、選択候補は、ユーザの視覚によって知覚されるように表示される何らかのオブジェクトであればよい。
【0018】
アイコンI1、I3、I5、I7は、上段のアイコン列を形成している。一方、アイコンI2、I4、I6、I8は、下段のアイコン列を形成している。ここでは、上段のアイコン列を形成するアイコンの数が4つであり、下段のアイコン列を形成するアイコンの数が4つである場合を主に想定する。しかし、上段のアイコン列および下段のアイコン列それぞれを形成するアイコンの数は、複数であればよい。
【0019】
アイコンI1~I8それぞれは、機能に対応するアイコンである。そして、アイコンI1、I2、I7、I8は、機能の詳細内容を調整するためのアイコン(以下、「機能調整アイコン」とも言う。)である。これらの機能調整アイコンが選択されるたびに機能の詳細内容が調整される。アイコンI3~I6は、機能を起動するためのアイコン(以下、「機能起動アイコン」とも言う。)である。これらの機能起動アイコンが選択されるたびに機能が起動したり停止したりする。
【0020】
より詳細に、アイコンI1は、オーディオの音量を上昇させる制御に対応するアイコンである。アイコンI2は、オーディオの音量を低下させる制御に対応するアイコンである。アイコンI3は、冷房機能および除湿機能に対応するアイコンである。アイコンI4は、エアーコンディショナーのオート設定機能に対応するアイコンである。
【0021】
アイコンI5は、運転席側と助手席側の設定温度を独立して調節する機能(独立モード)に対応するアイコンである。この機能が停止しているときには、運転席側と助手席側の設定温度が連動する機能(連動モード)に切り替わる。アイコンI6は、フロントガラスの曇りを除去するデフロスター機能に対応するアイコンである。アイコンI7は、エアーコンディショナーによる調整基準となる温度を上昇させる制御に対応するアイコンである。アイコンI8は、エアーコンディショナーによる調整基準となる温度を低下させる制御に対応するアイコンである。
【0022】
なお、アイコンI1~I8それぞれに対応する機能の種類は、かかる例に限定されない。また、図1に示された例では、アイコンI1~I8が地図に重畳されて表示されている。しかし、アイコンI1~I8は、地図以外の表示内容に重畳されて表示されてもよい。あるいは、アイコンI1~I8は、他の表示内容に重畳されずに表示されてもよい。
【0023】
(操作入力装置10)
操作入力装置10は、ユーザの指による操作の入力を受け付ける操作部110を備える。操作部110は、ユーザが操作を入力するときに、指を接触させる操作面115を有している。さらに、操作部110は、ユーザの指の接触をそれぞれ検出する複数のセンサの集合であるセンサ群D1を備える。同様に、操作部110は、センサ群D2~D4を備える。センサ群D1~D4は、操作面115に設けられている。
【0024】
センサ群D1は、X軸(第1の軸)に沿ってアイコンI1およびアイコンI2に対応する位置に設けられている。同様に、センサ群D2は、X軸に沿ってアイコンI3およびアイコンI4に対応する位置に設けられている。また、センサ群D3は、X軸に沿ってアイコンI5およびアイコンI6に対応する位置に設けられている。さらに、センサ群D4は、X軸に沿ってアイコンI7およびアイコンI8に対応する位置に設けられている。
【0025】
センサ群D2は、操作面115のY軸(第2の軸)方向における中央付近に設けられたセンサとして、中央センサ131(第1の検出部)を有する。図の視認性を確保するため、符号は省略されているが、センサ群D1、センサ群D3およびセンサ群D4それぞれも同様に中央センサを有している。したがって、センサ群D1~D4それぞれが有する中央センサは、X軸に沿った複数の位置(より詳細には、X軸に沿って規定された複数の領域の各々である第1の領域)に設けられている。なお、図8を参照しながら後にも説明するように、中央センサは、X軸に沿った複数の位置に渡って設けられていてもよい。
【0026】
さらに、センサ群D2は、中央センサ131の位置を基準としてY軸に沿った複数の位置(より詳細には、X軸と交差するY軸に沿って第1の領域と隣接する第2の領域)それぞれに設けられたセンサ(第2の検出部)を有する。第2の検出部は、ストロークセンサ、タクトスイッチまたはラバースイッチによって構成されてもよい。より詳細に、センサ群D2は、中央センサ131の位置を基準として+Y方向の位置に設けられたセンサとして上部センサ141を有する。さらに、センサ群D2は、中央センサ131の位置を基準として-Y方向の位置に設けられたセンサとして下部センサ151を有する。
【0027】
図の視認性を確保するため、符号は省略されているが、センサ群D1、センサ群D3およびセンサ群D4それぞれも同様に、上部センサおよび下部センサを有している。したがって、センサ群D1~D4それぞれが有する上部センサは、X軸に沿った複数の位置に設けられている。また、センサ群D1~D4それぞれが有する下部センサは、X軸に沿った複数の位置に設けられている。
【0028】
かかる構成によれば、上部センサへの指の接触によって上段のアイコンを選択可能になるだけではなく、下部センサへの指の接触によって下段のアイコンも選択可能になるため、表示されるアイコンの数を増加させることが可能となる。
【0029】
さらに、上段のアイコン列および下段のアイコン列それぞれの方向は、上部センサおよび下部センサそれぞれの配列方向であるX軸方向に対応している。そのため、操作入力装置10への操作と表示装置20による表示とが連携している感覚をユーザに与えることが可能となる。
【0030】
さらに、かかる構成によれば、上段のアイコンと下段のアイコンとに挟まれる位置を基準とした、上段のアイコンまたは下段のアイコンの方向が、中央センサから上部センサまたは下部センサへの方向と対応している。そのため、操作入力装置10への操作と表示装置20による表示とが連携している感覚をユーザに与えることが可能となる。
【0031】
このように、操作入力装置10への操作と表示装置20による表示とが連携している感覚をユーザに与えることは、ユーザの使用感の低下を抑制するという効果を奏することにつながり得る。
【0032】
なお、中央センサ、上部センサおよび下部センサの例としては、静電センサが用いられ得るが、センサの種類は特に限定されない。中央センサ、上部センサおよび下部センサとして、静電センサが用いられる場合には、中央センサ、上部センサおよび下部センサそれぞれは、電極を含み、電極に対応する静電容量の変化によってその電極への指の接触を検出し得る。このようにして、中央センサ、上部センサおよび下部センサそれぞれは、ユーザの指を検出し得る。
【0033】
X軸の方向とY軸の方向とは異なる方向である。図1に示されるように、X軸とY軸とは直交してもよい。例えば、図1に示されるように、X軸は、操作面115の長手方向であってよく、Y軸は、操作面115の短手方向であってよい。Z軸は、X軸とY軸との双方に直交する。
【0034】
一例として、X軸に対応する方向は、画面の左右方向であるのがよく、X軸の方向は、画面の左右方向と一致するのがよい。これによって、指の検出位置が変化する方向と、上段のアイコン列(または下段のアイコン列)が表示される方向とが一致するため、操作入力装置10への操作と表示装置20による表示とが連携している感覚をより強くユーザに与えることが可能となる。なお、図1に示された例では、右方向が+X方向であり、左方向が-X方向である。
【0035】
さらに、Y軸に対応する方向は、画面の上下方向であるのがよく、Y軸の方向は、ユーザから見て奥行方向であるのがよい。これによって、上段のアイコンと下段のアイコンとに挟まれる位置を基準とした、上段のアイコンまたは下段のアイコンの方向と指の移動方向とが一致するため、操作入力装置10への操作と表示装置20による表示とが連携している感覚をより強くユーザに与えることが可能となる。なお、図1に示された例では、手前から奥への方向が+Y方向であり、奥から手前への方向が-Y方向である。
【0036】
操作入力装置10は、センサ群D1~D4それぞれが有する、中央センサ、上部センサおよび下部センサのいずれかによって、ユーザの指が検出された場合には、指を検出したセンサを特定するための情報を、指の検出位置として制御装置に送信する。
【0037】
ここでは、一例として、ユーザがアイコンI3またはI4に対応する機能を起動させたいと考えた場合を主に想定する。このとき、図1に示されたように、ユーザは、アイコンI3またはアイコンI4に対応する(センサ群D2が有する)中央センサ131に指を接触させる。
【0038】
図2Aは、センサ群D2が有する中央センサ131に指が接触されている様子を示す側面図である。図2Aを参照すると、ユーザの指が中央センサ131に接触している。このとき、中央センサ131によって指が検出される。
【0039】
操作部110は、上部センサ141に対する指の押し込み操作を検出可能な上部押し込みセンサ19(第3の検出部)を有する。例えば、上部押し込みセンサ19は、所定のスイッチ(例えば、ストロークセンサ、タクトスイッチまたはラバースイッチなど)によって構成されてよい。図2Aに示された例では、上部押し込みセンサ19が、上部センサ141の指の接触側とは反対側に設けられている。しかし、上部押し込みセンサ19が設けられる位置は特に限定されない。
【0040】
同様に、操作部110は、下部センサ151に対する指の押し込み操作を検出可能な下部押し込みセンサ17(第3の検出部)を有する。例えば、下部押し込みセンサ17は、所定のスイッチ(例えば、ストロークセンサ、タクトスイッチまたはラバースイッチなど)によって構成されてよい。図2Aに示された例では、下部押し込みセンサ17が、下部センサ151の指の接触側とは反対側に設けられている。しかし、下部押し込みセンサ17が設けられる位置は特に限定されない。
【0041】
なお、図2Aに示された例では、操作面115が平面である。そして、中央センサ131、上部センサ141および下部センサ151が、その平面に沿って配置されている。この例のように、操作面115が平面であれば、操作部110がより簡易に製造され得る。
【0042】
図1に戻って説明を続ける。アイコンI3またはアイコンI4に対応する(センサ群D2が有する)中央センサ131にユーザが指を接触させると、センサ群D2が有する中央センサ131によって指が検出され、センサ群D2が有する中央センサ131を特定するための情報が指の検出位置として操作入力装置10から制御装置に送信され、制御装置によって指の検出位置が取得される。制御装置は、指の検出位置のセンサ群D2に応じた所定のフィードバック情報の表示装置20による表示を制御する。これによって、どのアイコンに対応する位置が検出されているかがユーザに把握され得る。
【0043】
より詳細に、制御装置は、上段のアイコン列(アイコンI1、I3、I5、I7)のうち検出位置に対応するアイコンI3と、下段のアイコン列(アイコンI2、I4、I6、I8)のうち検出位置に対応するアイコンI4とに挟まれる位置に、フィードバック情報F1の表示装置20による表示を制御する。
【0044】
なお、図1には、フィードバック情報F1の例として、フィードバック情報が表示されていない他の場所の輝度よりも高輝度な表示を行うことによって実現される場合が示されている。しかし、フィードバック情報F1は、かかる例に限定されない。例えば、フィードバック情報F1は、フィードバック情報F1が表示されていない他の場所の表示と異なる態様による何らかの表示がなされればよい。
【0045】
そして、ユーザは、操作面115に指を接触させながら指をY軸に沿って+Y方向または-Y方向に移動させることによって、上部センサ141または下部センサ151に指を接触させる。
【0046】
図2Bは、センサ群D2が有する下部センサ151に指が接触されている様子を示す側面図である。図2Bを参照すると、ユーザの指が下部センサ151に接触している。このとき、下部センサ151によって指が検出される。
【0047】
図2Cは、センサ群D2が有する上部センサ141に指が接触されている様子を示す側面図である。図2Cを参照すると、ユーザの指が上部センサ141に接触している。このとき、上部センサ141によって指が検出される。
【0048】
図1に戻って説明を続ける。センサ群D2が有する上部センサ141または下部センサ151にユーザが指を接触させると、センサ群D2が有する上部センサ141または下部センサ151によって指が検出され、センサ群D2が有する上部センサ141または下部センサ151を特定するための情報が指の検出位置として操作入力装置10から制御装置に送信され、制御装置によって指の検出位置が取得される。制御装置は、アイコンI1~I8から指の検出位置に応じたアイコンを選択する。ここでは、アイコンI3またはアイコンI4が選択される。なお、アイコンI3およびアイコンI4以外のアイコンが選択される場合にも、同様な動作がシステム1によって実行され得る。
【0049】
例えば、制御装置は、指の検出位置が、センサ群D2が有する上部センサ141である場合に、上段のアイコン列(アイコンI1、I3、I5、I7)のうち検出位置のセンサ群D2に対応するアイコンI3を選択する。一方、制御装置は、指の検出位置が、センサ群D2が有する下部センサ151である場合に、下段のアイコン列(アイコンI2、I4、I6、I8)のうち検出位置のセンサ群D2に対応するアイコンI4を選択する。
【0050】
ユーザは、アイコンI3に対応する上部センサ141またはアイコンI4に対応する下部センサ151に対する所定の確定操作を行う。確定操作は、上部センサ141または下部センサ151に対する押し込み操作であってよい。なお、上部センサ141に対する押し込み操作は、上部センサ141に設けられた上部押し込みセンサ19によって検出され得る。また、下部センサ151に対する押し込み操作は、下部センサ151に設けられた下部押し込みセンサ17によって検出され得る。
【0051】
制御装置は、上部センサ141または下部センサ151に対する確定操作が検出されたことに基づいて、確定操作がされた上部センサ141または下部センサ151に対応するアイコンI3またはアイコンI4の選択を確定させる。これによって、ユーザの意図に反してアイコンI3またはアイコンI4の選択に基づく処理が行われてしまう可能性が低減され得る。
【0052】
より詳細に、制御装置は、上部押し込みセンサ19によって上部センサ141に対する押し込み操作が検出されたことに基づいて、上部センサ141に対応するアイコンI3の選択を確定させてよい。また、制御装置は、下部押し込みセンサ17によって下部センサ151に対する押し込み操作が検出されたことに基づいて、下部センサ151に対応するアイコンI4の選択を確定させてよい。
【0053】
制御装置は、選択を確定させたアイコンI3またはアイコンI4に対応する機能を起動させる。例えば、制御装置は、アイコンI3の選択を確定させた場合、冷房機能および除湿機能が停止している場合には、冷房機能および除湿機能を起動させる。一方、制御装置は、アイコンI3の選択を確定させた場合、冷房機能および除湿機能が起動している場合には、冷房機能および除湿機能を停止させる。
【0054】
例えば、制御装置は、アイコンI4の選択を確定させた場合、エアーコンディショナーのオート設定機能が停止している場合には、エアーコンディショナーのオート設定機能を起動させる。一方、制御装置は、アイコンI4の選択を確定させた場合、エアーコンディショナーのオート設定機能が起動している場合には、エアーコンディショナーのオート設定機能を停止させる。
【0055】
以上、本発明の実施形態に係るシステム1の構成例について説明した。
【0056】
(1.2.操作面の形状に関する変形例)
続いて、操作面115の形状に関する変形例について説明する。ここでは、操作面115の形状に関する第1の変形例および第2の変形例について順に説明する。
【0057】
図3Aは、操作面115の形状に関する第1の変形例において中央センサ131に指が接触されている様子を示す側面図である。図3Bは、操作面115の形状に関する第1の変形例において下部センサ151に指が接触されている様子を示す側面図である。図3Cは、操作面115の形状に関する第1の変形例において上部センサ141に指が接触されている様子を示す側面図である。
【0058】
図3A図3Bおよび図3Cに示されるように、操作面115は、Y軸に沿って曲がった凹面であってもよい。そして、中央センサ131、上部センサ141および下部センサ151は、凹面に沿って配置されてもよい。
【0059】
これによって、操作面115と指の腹とがフィットしやすくなるため、ユーザによる操作時の使用感および操作面115への指の接触位置の検出精度が向上し得る。さらに、これによって、指の移動量が小さくても、中央センサ131と上部センサ141と下部センサ151との間で指が接触するセンサを変えることが可能であるため、ユーザの利便性が向上する。
【0060】
図4Aは、操作面115の形状に関する第2の変形例において中央センサ131に指が接触されている様子を示す側面図である。図4Bは、操作面115の形状に関する第2の変形例において下部センサ151に指が接触されている様子を示す側面図である。図4Cは、操作面115の形状に関する第2の変形例において上部センサ141に指が接触されている様子を示す側面図である。
【0061】
図4A図4Bおよび図4Cに示されるように、操作面115は、Y軸に沿って曲がった凸面であってもよい。そして、中央センサ131、上部センサ141および下部センサ151は、凸面に沿って配置されてもよい。
【0062】
これによって、指の移動量を大きくしないと、中央センサ131と上部センサ141と下部センサ151との間で指が接触するセンサを変えることができないため、ユーザが指を接触させようとするセンサをより正確に検出することが可能となる。
【0063】
以上、本発明の実施形態に係る操作面115の形状に関する変形例について説明した。
【0064】
(1.3.中央センサの形状に関する変形例)
続いて、中央センサ131の形状に関する変形例について説明する。ここでは、中央センサ131の形状に関する第1の変形例、第2の変形例および第3の変形例について順に説明する。
【0065】
図5は、中央センサ131の形状に関する第1の変形例を説明するための図である。図5に示されるように、中央センサ131は、X軸の方向に延在する第1のセンサ部1312を有してもよい。これによって、中央センサ131への指の接触をX軸に沿って広範囲に検出することが可能となる。
【0066】
さらに、図5に示されるように、中央センサ131は、+Y方向に延在する第2のセンサ部1311aおよび第2のセンサ部1311bを有してもよい。換言すると、中央センサ131は、X軸に延在する第2のセンサ部1312から第2のセンサ部1311aおよび第2のセンサ部1311bに向かって+Y方向に折れ曲がってもよい。
【0067】
これによって、上部センサ141によって静電容量の変化が検出されたものの、指の接触判定のための閾値を上回らない場合であっても、第2のセンサ部1311aまたは第2のセンサ部1311bによって検出された静電容量の変化が閾値を上回ったことに基づいて、上部センサ141に指が接触したことが推定され得る。なお、中央センサ131は、第2のセンサ部1311aおよび第2のセンサ部1311bのいずれか一方のみを有してもよい。
【0068】
同様に、図5に示されるように、中央センサ131は、-Y方向に延在する第2のセンサ部1311cおよび第2のセンサ部1311dを有してもよい。換言すると、中央センサ131は、X軸に延在する第2のセンサ部1312から第2のセンサ部1311cおよび第2のセンサ部1311dに向かって-Y方向に折れ曲がってもよい。
【0069】
これによって、下部センサ151によって静電容量の変化が検出されたものの、指の接触判定のための閾値を上回らない場合であっても、第2のセンサ部1311cまたは第2のセンサ部1311dによって検出された静電容量の変化が閾値を上回ったことに基づいて、下部センサ151に指が接触したことが推定され得る。なお、中央センサ131は、第2のセンサ部1311cおよび第2のセンサ部1311dのいずれか一方のみを有してもよい。また、第2のセンサ部は、第1のセンサ部1312から一方向(+Y方向および-Y方向の一方向)に沿ってのみ延出されていてもよいし、第1のセンサ部1312から二方向(+Y方向および-Y方向の双方向)に沿って延出されていてもよい。
【0070】
図6は、中央センサ131の形状に関する第2の変形例を説明するための図である。図6に示されるように、中央センサ132は、X軸の方向に延在するセンサであってもよい。これによって、中央センサ132への指の接触をX軸に沿って広範囲に検出することが可能となる。さらに、図6に示されるように、中央センサ132は、Y軸の方向に延在する第2のセンサ部を有していなくてもよい。
【0071】
図7は、中央センサ131の形状に関する第3の変形例を説明するための図である。図5に示された例と同様に、中央センサ133は、X軸の方向に延在する第1のセンサ部1332を有してもよい。これによって、中央センサ133への指の接触をX軸に沿って広範囲に検出することが可能となる。
【0072】
さらに、図5に示された例と同様に、中央センサ133は、+Y方向に延在する第2のセンサ部1331aおよび第2のセンサ部1331bを有してもよい。これによって、図5に示された例と同様の効果が奏される。なお、中央センサ133は、第2のセンサ部1331aおよび第2のセンサ部1331bのいずれか一方のみを有してもよい。
【0073】
さらに、図7に示されたように、中央センサ133は、上部センサ143を基準として第2のセンサ部1332の反対に位置するX軸の方向に延在する第2のセンサ部1333aを有してもよい。これによって、上部センサ143によって静電容量の変化が検出されたものの、指の接触判定のための閾値を上回らない場合であっても、第2のセンサ部1333aによって検出された静電容量の変化が閾値を上回ったことに基づいて、上部センサ143に指が接触したことが推定され得る。なお、図7に示されたように、第2のセンサ部1333aは、+Y方向に延在する第2のセンサ部1331aおよび第2のセンサ部1331bそれぞれと交差してよい。
【0074】
中央センサ133は、-Y方向に延在する第2のセンサ部1331cおよび第2のセンサ部1331dを有してもよい。これによって、図5に示された例と同様の効果が奏される。なお、中央センサ133は、第2のセンサ部1331cおよび第2のセンサ部1331dのいずれか一方のみを有してもよい。
【0075】
さらに、図7に示されたように、中央センサ133は、下部センサ153を基準として第2のセンサ部1332の反対に位置するX軸の方向に延在する第2のセンサ部1333cを有してもよい。これによって、下部センサ153によって静電容量の変化が検出されたものの、指の接触判定のための閾値を上回らない場合であっても、第2のセンサ部1333cによって検出された静電容量の変化が閾値を上回ったことに基づいて、下部センサ153に指が接触したことが推定され得る。中央センサ133が、第2のセンサ部1333aおよび第2のセンサ部1333cの双方を有する場合には、図7に示されるように、第2のセンサ部1333aおよび第2のセンサ部1333cは、第1のセンサ部1332を挟むように配置されてよい。なお、図7に示されたように、第2のセンサ部1333cは、-Y方向に延在する第2のセンサ部1331cおよび第2のセンサ部1331dそれぞれと交差してよい。
【0076】
図8は、中央センサ131の形状に関する第4の変形例を説明するための図である。図1では、センサ群D1~D4それぞれが有する中央センサ(例えば、中央センサ131)は、X軸に沿って規定された複数の領域の各々に設けられる例について説明した。しかし、図8に示されるように、中央センサ131は、X軸に沿った複数の位置に渡って設けられていてもよい。このとき、中央センサ131のうち、最も大きい静電容量の変化が検出された上部センサ141または下部センサ151に対応する位置に、指が接触したことが推定され得る。
【0077】
以上、本発明の実施形態に係るセンサの形状に関する変形例について説明した。
【0078】
(1.4.効果)
続いて、本発明の実施形態が奏する効果について説明する。上記したように、センサ群D1~D4それぞれが有する中央センサは、X軸に沿った複数の位置(第1の位置)に設けられている。また、センサ群D1~D4それぞれが有する上部センサは、X軸に沿った複数の位置に設けられている。さらに、センサ群D1~D4それぞれが有する下部センサは、X軸に沿った複数の位置に設けられている。
【0079】
かかる構成によれば、ユーザの指の検出可能な範囲を広げることが可能となる。さらに、かかる構成によれば、上部センサへの指の接触によって上段のアイコンを選択可能になるだけではなく、下部センサへの指の接触によって下段のアイコンも選択可能になるため、表示されるアイコンの数を増加させることが可能となる。
【0080】
さらに、上段のアイコン列および下段のアイコン列それぞれの方向は、上部センサおよび下部センサそれぞれの配列方向であるX軸方向に対応している。そのため、操作入力装置10への操作と表示装置20による表示とが連携している感覚をユーザに与えることが可能となる。
【0081】
さらに、かかる構成によれば、上段のアイコンと下段のアイコンとに挟まれる位置を基準とした、上段のアイコンまたは下段のアイコンの方向が、中央センサから上部センサまたは下部センサへの方向と対応している。そのため、操作入力装置10への操作と表示装置20による表示とが連携している感覚をユーザに与えることが可能となる。
【0082】
このように、操作入力装置10への操作と表示装置20による表示とが連携している感覚をユーザに与えることは、ユーザの使用感の低下を抑制するという効果を奏することにつながり得る。
【0083】
<2.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0084】
10:操作入力装置、110:操作部、115:操作面、131、132、133:中央センサ、1311a~1311d:第2のセンサ部、1312:第1のセンサ部、1331a~1331d:第2のセンサ部、1332:第1のセンサ部、1333a、1333c:第2のセンサ部、141:上部センサ、151:下部センサ、17:下部押し込みセンサ、19:上部押し込みセンサ、20:表示装置

図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8