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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093045
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】回転式メダル排出機
(51)【国際特許分類】
   G07C 15/00 20060101AFI20230627BHJP
   G07D 1/00 20060101ALI20230627BHJP
   A63F 3/08 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
G07C15/00 A
G07D1/00 Z
A63F3/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208443
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】500201565
【氏名又は名称】株式会社 ウィズコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩田 綾作
【テーマコード(参考)】
3E138
3E141
【Fターム(参考)】
3E138LA02
3E138LA04
3E138LA05
3E141AA09
3E141HA06
3E141HA08
3E141JA12
3E141LA01
3E141LA31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回転ドラムの回転によってメダルを1枚ずつ誘導してメダル排出口から排出させ得るようにする。
【解決手段】回転式メダル排出機は、側面を回転自在に軸支された中空の回転ドラム3と、回転ドラム3に形成されたメダル投入口12と、回転ドラム3の周面11に形成されたメダル排出口13と、回転ドラム3の内部に設けられて、回転ドラム3の回転によりメダルを1枚ずつメダル排出口13へ誘導するメダル投下部14と、を備える。メダル投下部14は、メダル収集部21と、メダル受入口部22と、メダル移送部23と、メダル投下口部24と、を有する。メダル投下口部24は、メダルの直径よりも小さく形成されている。メダル排出口13には、メダル投下口部24の周辺に、回転ドラム3の回転を利用して、メダルの先端縁を、メダル排出口13へ向ける方向転換部25が備えられる。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面を回転自在に軸支された中空の回転ドラムと、
前記回転ドラムに形成されたメダル投入口と、
前記回転ドラムの周面に形成されたメダル排出口と、
前記回転ドラムの内部に設けられて、前記回転ドラムの回転によりメダルを1枚ずつ前記メダル排出口へ誘導するメダル投下部と、を備えたことを特徴とする回転式メダル排出機。
【請求項2】
請求項1に記載の回転式メダル排出機であって、
前記メダル排出口を下に向けた状態で、
前記メダル投下部は、
前記回転ドラム内のメダルを集めて下へ向わせる下狭まりのメダル収集部と、
前記メダル収集部によって集められたメダルを1枚ずつ受入れるメダル受入口部と、
前記メダル受入口部に入った1枚のメダルを、前記メダル排出口の上まで案内するメダル移送部と、
前記メダル移送部で前記メダル排出口の上に送られたメダルを、前記メダル排出口から投下させるメダル投下口部と、を有し、
前記メダル投下口部は、メダルの直径よりも小さく形成されており、
前記メダル排出口には、前記メダル投下口部の周辺に、前記回転ドラムの回転を利用して、メダルの先端縁を、前記メダル排出口へ向ける方向転換部が備えられることを特徴とする回転式メダル排出機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の回転式メダル排出機であって、
前記メダル排出口を下に向けた状態で、
前記メダル投下部は、
1枚分のメダルが横向き状態で通過し得る通過間隙を有して、前記回転ドラムの内部を、前記メダル排出口の側の空間と、前記メダル排出口とは反対側の空間とに仕切る第一ガイド部材および第二ガイド部材を上下に備えており、
前記回転ドラムの回転方向を基準として、
下側に位置する前記第一ガイド部材は、前記メダル排出口よりも下流側から上流側へ向け、上流側に達しない程度に延びることで、上流側にメダル投下口部を形成し、
上側に位置する前記第二ガイド部材は、前記メダル排出口よりも上流側から下流側へ向け、下流側に達しない程度に延びることで、下流側にメダル受入口部を形成することを特徴とする回転式メダル排出機。
【請求項4】
請求項3に記載の回転式メダル排出機であって、
前記第一ガイド部材は、
前記回転ドラムの回転方向の下流側から上流側へ向かって順に、
前記メダルを集めるメダル収集部および前記メダル受入口部を形成する下り勾配のガイド斜面と、
前記メダル受入口部および前記通過間隙を形成する立下部と、
前記メダルを、前記メダル排出口の上まで案内するメダル移送部を形成するメダルガイド面と、を有することを特徴とする回転式メダル排出機。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の回転式メダル排出機であって、
前記第二ガイド部材は、
前記回転ドラムの前記回転方向の上流側から下流側へ向かって順に、少なくとも、
前記通過間隙を形成する立上部と、
前記第一ガイド部材の先端と平行に設置されて、メダルを、前記メダル排出口の上まで案内するメダル移送部、および、メダルの先端縁を、前記メダル排出口へ向ける方向転換部を形成する第一平行部と、
前記方向転換部を形成する上がり勾配の第一傾斜部と、
メダルを集めるメダル収集部、および、前記メダル受入口部を形成する下り勾配の第二ガイド斜面部と、を有することを特徴とする回転式メダル排出機。
【請求項6】
請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の回転式メダル排出機であって、
前記第一ガイド部材は、先端にメダルの排出を促進する段違部を有することを特徴とする回転式メダル排出機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転式メダル排出機に関する。
【背景技術】
【0002】
内部に多数の玉を収容した回転ドラムを回転することにより、玉を1つずつ回転ドラムから払い出すようにした回転式抽選機が存在している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-115747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した回転式抽選機は、玉を払い出すものとなっていたため、玉以外のものを払い出すことができず、用途が限られていた。
【0005】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に対して、本発明は、
側面を回転自在に軸支された中空の回転ドラムと、
前記回転ドラムに形成されたメダル投入口と、
前記回転ドラムの周面に形成されたメダル排出口と、
前記回転ドラムの内部に設けられて、前記回転ドラムの回転によりメダルを1枚ずつ前記メダル排出口へ誘導するメダル投下部と、を備えた回転式メダル排出機を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上記構成により、回転ドラムの回転によってメダルを1枚ずつ誘導してメダル排出口から排出させることなどができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態にかかる回転式メダル排出機の外観を示す全体斜視図である。
図2A図1の回転ドラムの縦断面図である。
図2B】(a)は回転ドラムの内部に設置された第二ガイド部材の左側面図、(b)は回転ドラムの内部に設置された第一ガイド部材の底面図である。
図3】回転ドラムの作動図であり、メダル排出口がほぼ真下に向いた基準位置である。
図4図3に続く作動図であり、回転ドラムを基準位置から回転方向に1/8回転した状態である。
図5図4に続く作動図であり、回転ドラムを基準位置から回転方向に3/8回転した状態である。
図6図5に続く作動図であり、回転ドラムを基準位置から回転方向に4/8回転(半回転)した状態である。
図7図6に続く作動図であり、回転ドラムを基準位置から回転方向に5/8回転した状態である。
図8図7に続く作動図であり、回転ドラムを基準位置から回転方向に6/8回転した状態である。
図9図7に続く作動図であり、回転ドラムを基準位置から回転方向に7/8回転してメダルを排出した状態である。
図10図9の状態のときの回転式メダル排出機の全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1図10は、この実施の形態を説明するためのものである。
【実施例0010】
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
【0011】
この実施例の回転式メダル排出機1は、図1に示すように、スタンド2と、スタンド2に回転自在に取付けられた回転ドラム3と、回転ドラム3を手動で回転するハンドル4とを有している。
【0012】
ここで、回転式メダル排出機1は、回転によって、メダル5(図10)を排出するようにした器具または遊具である。スタンド2は、回転ドラム3を縦向きの状態で回転できるように支持する支持部分である。スタンド2は、回転式メダル排出機1を床や台などの平らな面の上に支持させる支持面部6と、支持面部6から立ち上がって回転ドラム3の両側の側面7を支持する一対の支持アーム8と、を有している。
【0013】
スタンド2の支持面部6は、回転ドラム3から排出されたメダル5を受ける受皿を手前側に有している。スタンド2の支持アーム8は、上端部に、回転ドラム3の中心を通る水平な回転軸9を回転自在に支持する軸受部を有している。ハンドル4は、一方の支持アーム8の上部の外側に設置されると共に、回転軸9に、一体に回転するように取付けられている。
【0014】
上記のような基本的な構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えても良い。
【0015】
(1)[回転式メダル排出機1について]
図2Aに示すように、回転式メダル排出機1は、
側面7を回転自在に軸支された中空の回転ドラム3と、
回転ドラム3に形成されたメダル投入口12と、
回転ドラム3の周面11に形成されたメダル排出口13と、
回転ドラム3の内部に設けられて、回転ドラム3の回転によりメダル5を1枚ずつメダル排出口13へ誘導するメダル投下部14と、を備えている。
【0016】
ここで、回転ドラム3は、左右の側面7と、左右の側面7の回りを取囲む周面11とを備えた縦型の回転容器となっている。そして、左右の側面7に対して面直となる水平方向が、回転ドラム3の幅方向15となる。幅方向15および上下方向16の両方と垂直な水平方向を、回転式メダル排出機1の前後方向17とする。この場合、前後方向17における、受皿を設けた側が、手前側となる。また、周面11によって、左右の側面7の回りを取囲む方向が、回転ドラム3の周方向となる。メダル投下部14は、回転ドラム3を周方向の一側に回転させたときに正しく機能する。
【0017】
回転ドラム3は、側面形状を円形としても良いし、正多角形としても良い。この実施例では、回転ドラム3は、側面形状を正八角形としている。この場合、側面形状が正八角形の回転ドラム3は、周面11に八つの辺18a~辺18hと、八つの角部19a~角部19hとを有する。八つの各辺18a~辺18hは、メダル5よりも大きい、互いに同じ形状および大きさの面とされる。八つの角部19a~角部19hは、それぞれ同じ角度とされる。
【0018】
なお、この実施例では、回転ドラム3は、幅方向15のほぼ中間で側面7と平行な面の方向に沿って縦に分割した半割形状となっている。そのため、回転ドラム3は、半割のドラム片を組み合わせることで一つになっている。そして、メダル投下部14は、ドラム片と同様に半割とされる。これにより、ドラム片を組み合わせることで、メダル投下部14も一つになる。なお、回転ドラム3は、半割形状のものに限らない。また、半割形状の回転ドラム3では、分割位置は任意である。この実施例では、回転ドラム3を、幅方向15のほぼ中央部で分割している。
【0019】
メダル投入口12は、回転ドラム3の内部にメダル5を投入するための開口である。メダル投入口12は、回転ドラム3の側面7に形成しても良いし、回転ドラム3の周面11に形成しても良い。メダル投入口12は、例えば、開閉式の蓋を有するものとしても良い。この実施例では、メダル投入口12は、例えば、周面11に形成された、回転ドラム3の幅方向15へ延びるスリットとしている。メダル投入口12のスリットは、幅や間隔が、メダル5の直径および厚みとほぼ同じ大きさか、それよりも若干大きいものとされる。メダル投入口12をスリットにすることで、メダル投入口12は、蓋を不要化できる。メダル投入口12は、いずれかの一つの辺18a~辺18hに形成することができる。この実施例では、メダル投入口12は、辺18fに形成されている。メダル投入口12は、回転ドラム3の回転によって、周方向の位置が変化される。
【0020】
メダル排出口13は、回転ドラム3の内部からメダル5を排出する開口である。メダル排出口13は、例えば、メダル5の直径よりも大きな縦横寸法を有するほぼ矩形状の開口とされる。メダル排出口13は、メダル投入口12とは異なる辺18a~辺18hに形成される。この実施例では、メダル排出口13は、メダル投入口12とはほぼ反対側となる辺18aに形成されている。メダル排出口13は、回転ドラム3の回転によって、メダル投入口12と共に、周方向の位置が変化される。なお、メダル排出口13の形状および大きさは、上記に限るものではない。
【0021】
回転ドラム3の内部は、空洞となっている。回転ドラム3の内部には、多数枚のメダル5を収容することが可能となる。
【0022】
メダル投下部14は、メダル5を1枚ずつメダル排出口13へ誘導する機能を有する、回転ドラム3の内部構造物である。メダル投下部14は、回転ドラム3と一体に形成するのが好ましいが、回転ドラム3とは別体に形成して回転ドラム3に取付けることも可能である。この実施例では、メダル投下部14は、回転ドラム3の側面7の内側から面直に立設されたリブによって一体に形成されている。メダル投下部14は、回転ドラム3の回転によって、メダル排出口13と共に周方向の位置が変化される。
【0023】
以下、メダル投下部14について、図2Aの状態のときの形状として説明する。
【0024】
(2)[メダル投下部14の機能構造について]
メダル排出口13を下に向けた状態で、
メダル投下部14は、
回転ドラム3内のメダル5を集めて下へ向わせる下狭まりのメダル収集部21と、
メダル収集部21によって集められたメダル5を1枚ずつ受入れるメダル受入口部22と、
メダル受入口部22に入った1枚のメダル5を、メダル排出口13の上まで案内するメダル移送部23と、
メダル移送部23でメダル排出口13の上に送られたメダル5を、メダル排出口13から投下させるメダル投下口部24と、を有している。
この際、メダル投下口部24は、メダル5の直径よりも小さく形成するのが好ましい。
そして、メダル排出口13には、メダル投下口部24の周辺に、回転ドラム3の回転を利用して、メダル5の先端縁5aを、メダル排出口13へ向ける方向転換部25が備えられても良い。
【0025】
ここで、メダル排出口13を下に向けた状態は、例えば、図2Aのメダル排出口13を形成した辺18a(以下、必要に応じて第一辺18aという)の下流側に位置する角部19a(以下、必要に応じて第一角部19aという)が真下を向いた状態とする。なお、上流側、下流側については、後述する。
【0026】
メダル収集部21は、メダル投下部14における、上側の横寸法が広く下側の横寸法が狭くなった部分である。メダル収集部21の上側の横寸法は、メダル5の直径よりも十分に大きければ良いが、この実施例では、回転ドラム3の半径よりも大きく、そして、メダル5の2枚分の直径とほぼ同じかそれよりも若干広くしている。下側の横寸法は、メダル5の直径とほぼ同じかそれよりも僅かに広くなっている。メダル収集部21は、メダル投入口12の下側の位置に設けるのが好ましい。
【0027】
メダル受入口部22は、メダル収集部21の出口およびメダル移送部23の入口となる部分であり、メダル収集部21の下側の横寸法が、そのままメダル受入口部22の横寸法と同じになる。
【0028】
メダル移送部23は、メダル5を1枚ずつ通すようにした通路であり、横へ延びる。メダル移送部23は、メダル5の2枚分の直径とほぼ同じかそれよりも若干長くなっている。
【0029】
メダル投下口部24は、メダル移送部23の出口となる部分である。メダル移送部23を出たメダル5は、メダル排出口13を通って排出される。メダル投下口部24を、メダル5の直径よりも小さくしたのは、メダル投下口部24に達したメダル5が、そのままメダル投下口部24から勝手に投下されてしまわないように、メダル5の投下時期を規定するためである。
【0030】
メダル5は、所要の直径と厚みを有する円形の板状体である。なお、メダル5は、円形とするのが最も良いが、状況によっては、正多角形状とすることも可能である。先端縁5aは、メダル移送部23に入ったメダル5における、メダル投下口部24の側に向いた端縁とする。これに対し、メダル移送部23に入ったメダル5における、メダル受入口部22の側に向いた端縁を、後端縁5bとする。なお、例えば、方向転換部25で方向転換された場合でも、先端縁5aおよび後端縁5bの呼び方は変わらないものとする。
【0031】
メダル5の直径は、例えば、先端縁5aと後端縁5bとの間の距離となる。直径は、この実施例の回転式メダル排出機1に使用する専用のメダル5の直径のことであり、回転式メダル排出機1では、同じ直径に決められたメダル5を使用する。メダル投下部14は、各部の寸法関係を調整することで、使いたいメダル5に合わせて設定することができる。また、メダル5は、表裏2つの面5c,5dを有しており、2つの面5c,5dには、数値や文字や模様などの様々なデザインを施すことが可能となっている。メダル5の厚みは、2つの面5c,5dの間の距離となる。
【0032】
方向転換部25は、メダル投下口部24に達したメダル5を、メダル移送部23に沿った向きから、先端縁5aがメダル排出口13へ向くように向きを変える部分である。メダル投下口部24がメダル5の直径よりも小さくなっているため、メダル5は、メダル投下口部24に達しただけでは、メダル投下口部24から出ることができない。そして、メダル5は、方向転換部25によって、向きを変えられることで、メダル投下口部24から出られる状態となり、メダル排出口13からの排出が可能になる。
【0033】
(3)[メダル投下部14の構成について]
メダル排出口13を下に向けた状態で、
メダル投下部14は、
1枚分のメダル5が横向き状態で通過し得る通過間隙31を有して、回転ドラム3の内部を、メダル排出口13の側の空間33と、メダル排出口13とは反対側の空間32とに仕切る第一ガイド部材34および第二ガイド部材35を上下に備えている。
回転ドラム3の回転方向36を基準として、
下側に位置する第一ガイド部材34は、メダル排出口13よりも下流側から上流側へ向け、上流側に達しない程度に延びることで、上流側にメダル投下口部24を形成する。
上側に位置する第二ガイド部材35は、メダル排出口13よりも上流側から下流側へ向け、下流側に達しない程度に延びることで、下流側にメダル受入口部22を形成する。
【0034】
ここで、横向き状態は、メダル5の中心を通り、回転ドラム3の幅方向15へ延びる線(メダル5の幅方向線)が水平となって、側方から見てメダル5が棒状に見える状態のことである。よって、メダル5の先端縁5aや後端縁5bが上下に傾いた場合も、幅方向線が水平となっていれば、横向き状態のままといえる。
【0035】
通過間隙31は、メダル移送部23の高さのことである。メダル移送部23の高さは、メダル5の1枚分の厚みよりも高く、そして、2枚分の厚みよりも低く形成するのが好ましい。
【0036】
メダル排出口13の側の空間33は、回転ドラム3の内部空間のうち、メダル投下部14よりも下側となる部分である。下側の空間32は、メダル投下部14によるメダル5の投下機能が確保できれば良いので、あまり大きくする必要はない。
【0037】
反対側の空間32は、回転ドラム3の内部空間のうち、メダル投下部14よりも上側となるメダル投入口12の側の部分である。上側の空間33は、メダル5の貯留部になると共に、メダル5の撹拌部になる。
【0038】
そして、メダル投下部14は、回転ドラム3の内部空間を上下に仕切る仕切部材となる。メダル投下部14による、回転ドラム3の内部空間に対する上下の仕切位置は、少なくとも回転ドラム3の中心(回転軸9の位置)よりも下側にする。具体的には、仕切位置は、概ね、辺18bおよび辺18gの下側の位置から上側の位置までの範囲またはその近傍とするのが好ましい。この実施例では、仕切位置は、辺18bおよび辺18gの下側の位置(角部19bと角部19hとを結んだ線)の近傍としている。
【0039】
第一ガイド部材34は、メダル投下部14の一部分であり、メダル5の一方の面5c(片面または下面)を案内する。第二ガイド部材35は、メダル投下部14の別の一部分であり、メダル5の他方の面5d(反対面または上面)を案内する。
【0040】
回転方向36は、どちらでも良いが、回転ドラム3の下部が受け皿と反対側へ移動し、回転ドラム3の上部が受け皿の側へ移動する方向とするのが好ましい。この実施例では、図の反時計回りが回転方向36となっている。なお、回転ドラム3を反対側から見ると、回転方向36は時計回りになる。回転方向36を反時計回りとした場合、回転ドラム3の下部では、左側が回転方向36の上流側となり、右側が回転方向36の下流側となる。反対に、回転ドラム3の上部では、右側が回転方向36の上流側となり、左側が回転方向36の下流側となる。
【0041】
そして、回転ドラム3の図中右側の縦半分の領域では、メダル排出口13は上昇し、図中左側の縦半分の領域では、メダル排出口13は下降する。また、回転ドラム3の下半分の領域では、メダル排出口13は下向きとなり、回転ドラム3の上半分の領域では、メダル排出口13は上向きとなる。よって、回転軸9を通る前後方向17の線と上下方向16の線によってメダル排出口13が通る範囲を4つの領域に仕切ると、右下は下向上昇領域37A、右上は上向上昇領域37B、左上は上向下降領域37C、左下は下向下降領域37Dとなる。
【0042】
(4)[第一ガイド部材34(図2B(b))について]
第一ガイド部材34は、
回転ドラム3の回転方向36の下流側から上流側へ向かって順に、
メダル5を集めるメダル収集部21およびメダル受入口部22を形成する下り勾配のガイド斜面41と、
メダル受入口部22および通過間隙31を形成する立下部42と、
メダル5を、メダル排出口13の上まで案内するメダル移送部23を形成するメダルガイド面43と、を有しても良い。
【0043】
ここで、第一ガイド部材34は、下流側の端部(基端)が、メダル排出口13を形成した第一辺18aよりも下流側の辺18f~18hなどに突き当った状態で下流側の辺18f~18hなどに接続される。下流側の辺18f~18hは、どれでも良いが、この実施例では、辺18gとしている。なお、第一ガイド部材34の基端を辺18fに接続する場合には、第一ガイド部材34の基端は、メダル投入口12よりも低い位置にする。
【0044】
そして、第一ガイド部材34は、基端から、第一辺18aの上流側の角部19b(以下、必要に応じて第二角部19bという)の近傍へ向けて延ばされる。この際、第一ガイド部材34は、上流側の端部(先端34a)が、メダル排出口13の上流側の縁部13aを越えないように、メダル排出口13の上側の位置まで延ばされる。
【0045】
ガイド斜面41は、水平に対して、25度から45度程度の角度で下る比較的急な斜面とされる。立下部42は、ガイド斜面41の下端部からメダル5の厚み1枚分程度以上2枚分程度以下(未満)の段差量を有してほぼ真下へ延びる。立下部42は、若干傾斜していても良い。
【0046】
メダルガイド面43は、立下部42の下端部から上記した先端34aの位置まで直線状に延びることで、先端34aよりも上流側にメダル投下口部24を形成する。メダルガイド面43は、ほぼ水平として良い。メダルガイド面43は、2度~3度程度以下の緩い下り勾配または上がり勾配としても良い。この実施例では、メダルガイド面43は、図2Aの状態でほぼ水平としている。
【0047】
なお、ガイド斜面41と立下部42とメダルガイド面43とのそれぞれの間の屈曲した境界部分は、角形状に限らずアール形状にしても良い。
【0048】
(5)[第二ガイド部材35(図2B(a))について]
第二ガイド部材35は、
回転ドラム3の回転方向36の上流側から下流側へ向かって順に、少なくとも、
通過間隙31を形成する立上部51と、
第一ガイド部材34の先端34aと平行に設置されて、
メダル5を、メダル排出口13の上まで案内するメダル移送部23、および、メダル5の先端縁5aを、メダル排出口13へ向ける方向転換部25を形成する第一平行部52と、
方向転換部25を形成する上がり勾配の第一傾斜部53と、
メダル5を集めるメダル収集部21、および、メダル受入口部22を形成する下り勾配の第二ガイド斜面部54と、を有しても良い。
【0049】
ここで、第二ガイド部材35は、上流側の端部(基端部)が、第二角部19bの近傍の辺18a,18bに突き当った状態で、第二角部19bの近傍の辺18a,18bに接続される。第二角部19bの近傍の辺18a,18bは、どちらでも良いが、この実施例では、辺18aとしている。そして、第二ガイド部材35は、全体として、基端部から、下流側へ向けて、先端部35aが、メダル排出口13を越える第一角部19aのほぼ上側の位置まで延ばされる。
【0050】
立上部51は、第一ガイド部材34の先端34aに対し、メダル5の厚み1枚分程度以上2枚分程度以下(未満)の高さまで立ち上がって、第一ガイド部材34の先端34aとの間に通過間隙31を確保形成する。
【0051】
第一平行部52は、メダル投下口部24の上に位置してメダル投下口部24を覆い、第一ガイド部材34の先端34aに達しない位置まで延びてメダル移送部23を形成する。第一平行部52は、メダル5の半径程度の長さとされる。
【0052】
第一傾斜部53は、メダル5の半径程度以上の長さを有して、第一ガイド部材34のガイド斜面41とほぼ同じ高さか、若干高いまたは低い位置まで延びて、第一平行部52と共に、方向転換部25を形成する。第一傾斜部53は、第一平行部52よりも若干長く形成される。
【0053】
第二ガイド斜面部54は、第一ガイド部材34のガイド斜面41とは逆勾配になって、ガイド斜面41と共にメダル収集部21およびメダル受入口部22を形成する。第二ガイド斜面部54の下端部が、第二ガイド部材35の先端部35aとなる。
【0054】
なお、立上部51と第一平行部52と第一傾斜部53と第二ガイド斜面部54とのそれぞれの間の屈曲した境界部分は、角形状に限らずアール形状にしても良い。
【0055】
(5a)更に、第二ガイド部材35は、
第二ガイド斜面部54の下端から第一平行部52の延長線上を、上流側へ向けてメダルガイド面43と平行に延びる第二平行部55と、
第二平行部55の上流側の端部から第一傾斜部53と平行に延びて、第二ガイド斜面部54に突き当たって一体に接続される第二傾斜部56とを有しても良い。
【0056】
ここで、第二平行部55は、第一平行部52に達しない位置まで延びて、第一平行部52との間に開口部分57を形成すると共に、第一平行部52と共に、メダル移送部23を形成する。開口部分57は、メダル5の半径程度の長さとされる。そして、開口部分57は、方向転換部25で方向転換されたメダル5の後端縁5bが開口部分57から上側へ通り得る大きさとされる。
【0057】
第二傾斜部56は、第一傾斜部53および第二ガイド斜面部54と共に、方向転換部25で方向転換されたメダル5の後端縁5bの側の部分を、開口部分57を通して収容するメダル収容凹部58を形成する。
【0058】
なお、第二ガイド斜面部54と第二平行部55と第二傾斜部56とのそれぞれの間の屈曲した境界部分は、角形状に限らずアール形状にしても良い。
【0059】
(5b)そして、メダル排出口13の上流側の縁部13aは、方向転換部25で方向転換する際に、メダル5の先端縁5aの周辺を係止保持する第一係止部61となる。
また、第一平行部52と第一傾斜部53との間の屈曲した境界部分は、メダル5の反対面(面5d)の中心付近を支持してメダル5を方向転換させる第一支点62となる。
【0060】
ここで、メダル排出口13の上流側の縁部13aは、メダル排出口13が辺18aよりも小さく、辺18aの中央部分に形成されることで、辺18aの上流側に張出して第一係止部61となる。
【0061】
第一支点62は、第一ガイド部材34の先端34aよりも僅かに上流側の位置に形成される。第一支点62と第一ガイド部材34の先端34aとの間には、メダル5が方向転換できる大きさの隙間(方向転換用隙間)が形成される。メダル5は、図5図6の間の上向上昇領域37Bで、方向転換部25により方向転換される。
【0062】
この際、図4に示すように、回転ドラム3が回転して、メダル排出口13が下向上昇領域37Aにあるときに、上流側の縁部13aは、メダル排出口13における最も低い位置となる。そのため、メダル5は、自重で先端縁5aが下へ移動して立上部51に突き当たり、第一係止部61に係止される。これにより、メダル5がメダル排出口13から勝手に排出されるのが防止される。
【0063】
そして、図5から図6に示すように、回転ドラム3が更に回転して上向上昇領域37Bに入ると、メダル5の先端縁5aが高くなり、後端縁5bが低くなるように上下の位置関係が変わることなどによって、メダル5が方向転換される。このとき、メダル5は、第一支点62の上に乗り、第一支点62で下から支えられて、第一支点62を中心に傾動する。この際、メダル5の後端縁5bは、第一平行部52と第一傾斜部53との屈曲した境界部分の位置を通って、メダル収容凹部58へ入る。
【0064】
(5c)更に、第二傾斜部56は、メダル5の後端縁5bを係止保持する第二係止部63となり、
第一ガイド部材34の先端34aは、方向転換部25での方向転換の後、メダル投下口部24から投下されるまでの間に、メダル5の片面(面5c)の中心付近を支持する第二支点64となるようにしても良い。
【0065】
ここで、第二支点64がメダル5の片面(面5c)を係止するのは、例えば、図7図8の間の上向下降領域37Cでのことである。回転ドラム3が回転して、メダル排出口13が上向下降領域37Cにあるときに、メダル5は、後端縁5bが下になり、自重で後端縁5bが下へ移動して第二ガイド斜面部54に突き当たることで、第二係止部63に係止される。このように、第二係止部63がメダル5の片面(面5c)を係止してメダル収容凹部58内でのメダル5の横ズレやスライドを防止することにより、メダル5が上流側に寝ないように立たせることが可能になる。
【0066】
そして、メダル5が立つことで、メダル5は、下流側へ傾き易くなり、中心付近に対する支持位置が第一支点62から第二支点64へと移り替わる。これにより、第二支点64を中心として後端縁5bが下流側へ傾こうとするので、メダル5は、メダル排出口13から排出され易い姿勢になる。このとき、メダル5の後端縁5bは、メダル排出口13から僅かに回転ドラム3の外部へ露出した状態になる。また、メダル5の先端縁5aは、第二ガイド斜面部54に沿って徐々に上側へスライドする。
【0067】
(6)図2B(b)に示すように、第一ガイド部材34は、先端34aにメダル5の排出を促進する段違部71を有しても良い。
【0068】
ここで、第一ガイド部材34は、先端34aを回転ドラム3の幅方向15に延びる一直線状にしても良い。しかし、第一ガイド部材34は、先端34aを、例えば、折れ線形状にして、段違部71を形成するのが好ましい。
【0069】
段違部71は、第一ガイド部材34の先端34aに、出張部71aと引込部71bとを形成したものとされる。
【0070】
段違部71は、例えば、半割形状の2つのドラム片に形成した一方の第一ガイド部材34のリブのメダルガイド面43を長くし、また、他方の第一ガイド部材34のリブのメダルガイド面43を短く形成することで得られる。そして、長い方のリブが、出張部71aとなり、短い方のリブが引込部71bとなる。このような、異なる長さのリブによって、第一ガイド部材34の先端34aに、段違部71が容易に形成される。
【0071】
出張部71aは、上記したように、第一平行部52と第一傾斜部53との屈曲した境界部分(第一支点62)に僅かに達しない下流側の位置まで延ばされる。そして、引込部71bは、第二平行部55と第二傾斜部56との屈曲した境界部分とほぼ同じか僅かに越えた上流側の位置まで延ばされる。
【0072】
そして、メダル5は、短いリブの側に倒れて落ち込むことで、幅方向線が傾き、水平状態に対して引込部71bの側が低くなるように傾けられる。即ち、引込部71bは、メダル投下口部24からの投下時に、メダル5を左右に傾斜した状態にする。
【0073】
これにより、メダル5は、側方から面5dが見える状態になる。このように、メダル5の幅方向線が左右に傾くと、第二支点64による支持状態が不安定になるので、メダル投下口部24から投下され易くなる。よって、段違部71は、メダル5にとって、投下時期を早める排出促進部となる。即ち、第一ガイド部材34は、先端34aに排出促進部を備えている。
【0074】
そして、段違部71によって、早期に排出されることでメダル5は、前側の受皿にうまく落ちるようになる。なお、段違部71がない場合には、メダル5は、回転ドラム3の幅方向15に延びる一直線状の先端34a(第二支点64)によって最後まで比較的安定した状態で支持され続けるので、メダル投下口部24から投下される時期が遅くなる。そのため、メダル5は、回転ドラム3のほぼ真下の位置に落ち易くなって、取出し難くなるおそれがある。
【0075】
(6a)更に、第一ガイド部材34の先端34aの出張部71aには、第一ガイド部材34の先端34aの引込部71bの側のコーナー部分に、曲線形状の傾動案内部72が形成されても良い。傾動案内部72は、回転ドラム3の幅方向15に対するメダル5の面5c,5dの傾きを案内する機能を有している。傾動案内部72は、より大きな曲線形状にするのがメダル5の面5c,5dの傾きをスムーズに案内する上で好ましい。この実施例では、傾動案内部72は、例えば、出張部71aの側のリブの幅のほぼ1/2程度の半径を有する円弧状などとしている。なお、引込部71bは、回転ドラム3の幅方向15に延びる直線状のままとしている。
【0076】
(7)まとめ
上記したメダル投下部14の構造をまとめると、以下のようになる。
【0077】
メダル収集部21は、ガイド斜面41と第二ガイド斜面部54とによって形成される。メダル受入口部22は、立下部42と先端部35aとによって形成される。メダル移送部23は、メダルガイド面43と、第二平行部55および第一平行部52との間に形成される。メダル投下口部24は、メダルガイド面43の先端34aと立上部51との間に形成される。
【0078】
方向転換部25は、主に、第一平行部52と第一傾斜部53とによって形成される。第一平行部52と第一傾斜部53の間には、第一支点62が設けられる。方向転換部25には、第一係止部61や第二係止部63が備えられる。第二係止部63は、開口部分57を有するメダル収容凹部58の内部に形成される。
【0079】
メダル投下口部24からのメダル5の投下の際には、第二支点64が使われる。第二支点64は、第一ガイド部材34の先端34aとされる。第二支点64は、出張部71aと引込部71bを有する段違部71となっている。出張部71aには傾動案内部72が形成されている。
【0080】
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
【0081】
図3に示すように、回転式メダル排出機1では、回転ドラム3は、第一角部19aを下へ向け、メダル投入口12を上に向けた状態にして使用を開始するのが好ましい。この状態で、メダル投入口12からメダル5を投入し、回転ドラム3の内部に複数枚のメダル5を貯留させる。メダル投入口12から投入したメダル5は、メダル投下部14の上に落下される。
【0082】
そして、回転ドラム3の内部に投入されたメダル5は、メダル投入口12の下側のメダル収集部21に集められる。メダル収集部21に集められたメダル5は、下狭まりのメダル収集部21により、下へ向けて案内されると共に、前後方向17の位置を徐々に整えられてメダル受入口部22に集中して行く。そして、最も下側の1枚のメダル5が、メダル受入口部22に入って、第一ガイド部材34のメダルガイド面43の上に乗せられる。メダル受入口部22は、メダル5が1枚のみ入る大きさになっている。
【0083】
次に、ハンドル4を使って回転ドラム3を、ゆっくり回転方向36に回転する。
【0084】
このとき、メダル受入口部22へ入らなかった残りのメダル5は、空間32内の下部に溜まった状態で、回転する回転ドラム3によって、空間32内で回転ドラム3の各辺18a~辺18hに対して相対変位されると共に、撹拌される。そして、残りのメダル5は、回転ドラム3の周回後に、再び、メダル収集部21に集められ、メダル受入口部22に入ったもの以外が上記を繰り返す。
【0085】
一方、直接または周回してメダル受入口部22に入ったメダル5は、以下のようにして、メダル排出口13から排出される。
【0086】
まず、図4に示すように、回転ドラム3が1/8程度回転すると、メダル投下部14の第一ガイド部材34および第二ガイド部材35は、下流側が高くなるように同時に傾く。すると、メダルガイド面43の上のメダル5は、自重でメダルガイド面43に沿って下へ移動し、立上部51に突き当たる。この際、メダル5は、片面(面5c)がメダル投下口部24およびメダル排出口13の側へ向いた状態となる。
【0087】
そして、メダル5は、先端縁5aが、第一係止部61(メダル排出口13の上流側の縁部13a)によって係止保持される。また、メダル5は、中心寄りの部分が第一ガイド部材34の先端34aで下側から支えられる。これにより、メダル5は、メダル投下口部24およびメダル排出口13から勝手に排出されないように規制される。
【0088】
更に、図5に示すように、回転ドラム3が3/8程度回転すると、メダル投下部14の第一ガイド部材34および第二ガイド部材35が上へ移動しながら逆勾配になるまで傾く。このとき、メダル5は、自重で第一ガイド部材34のメダルガイド面43から離れて、第一支点62(第一平行部52と第一傾斜部53との屈曲した境界部分)の上に乗る。これにより、メダル5は、反対面(面5d)の中心付近を第一支点62によってシーソーのようにバランス支持される。また、メダル5は、後端縁5bが、開口部分57(第二平行部55と第二傾斜部56との屈曲した境界部分)を通ってメダル収容凹部58の内側へ僅かに入り込む。
【0089】
更に、図6に示すように、回転ドラム3が4/8(半回転)程度回転すると、メダル投下部14の第一ガイド部材34および第二ガイド部材35が更に上へ移動して、図3に対し上下反転した状態となり、メダル排出口13も上へ向く。メダル5は、そのまま、第一支点62によって支持された状態で、先端縁5aが上に傾き、後端縁5bが下に傾いて、方向転換する。
【0090】
このとき、メダル5は、自重で第一支点62を滑って僅かに下へ移動し、後端縁5bの側のほぼ半部がメダル収容凹部58の内側へ入り、後端縁5bが第二ガイド斜面部54に突き当たる。そして、メダル5は、後端縁5bが、第二係止部63(第二傾斜部56)によって係止され、それ以上寝た状態にならないように保持される。また、メダル5は、先端縁5aが、第一係止部61による係止状態から解放される。
【0091】
更に、図7に示すように、回転ドラム3が5/8程度回転すると、メダル投下部14の第一ガイド部材34および第二ガイド部材35が上下反転状態から下流側が下へ傾くように下へ移動する。メダル排出口13も下へ向けて移動する。
【0092】
そして、メダル5は、自重で第一支点62から離れて、第二支点64に接触するように立ち上がる。これにより、メダル5は、片面(面5c)の中心付近を第二支点64によって支持されるようになる。この際、メダル5の自重は、まだ大部分が第二係止部63によって支持されている。
【0093】
更に、図8に示すように、回転ドラム3が6/8程度回転すると、メダル投下部14の第一ガイド部材34および第二ガイド部材35が下へ移動し、傾きが大きくなって、メダル投下部14は全体としてほぼ垂直状態になる。
【0094】
すると、メダル5は、重量バランスが変化して、より多くの自重が第二係止部63から第二支点64の側へ作用されるようになる。メダル5は、先端縁5aが、第一係止部61から離れ、メダル排出口13を形成した辺18aとほぼ直交するような向きになって、メダル排出口13のほぼ中間部に位置する。この際、メダル5は、先端縁5aが、メダル排出口13から僅かに突出した状態となる。
【0095】
そして、第二支点64は、第一ガイド部材34の先端34aのほぼ半部が段違部71となっているため、段違部71によって、メダル5の面5c,5dに引込部71bによる(左右の)傾きが生じ、メダル5は、下へ落ち易い比較的不安定な状態になる。メダル5の面5c,5dは、引込部71bの側が低くなるように傾く。
【0096】
この際、メダル5の面5c,5dの傾きは、第一ガイド部材34の先端34aにアール形状の傾動案内部72を設けることによって、傾動案内部72に倣って緩やかにそしてスムーズに変化して行く。そのため、メダル5の面5c,5dが急激に傾いて、ショックでメダル5が不用意に投下されてしまうのが防止される。
【0097】
更に、図9に示すように、回転ドラム3が7/8程度回転すると、メダル投下部14の第一ガイド部材34および第二ガイド部材35が上記した垂直状態から下へ移動し、傾きが大きくなって下流側が下に位置する傾斜状態となる。メダル排出口13も下向きになる。
【0098】
そして、第一ガイド部材34は、先端34aの位置が低くなることで、メダル5の先端縁5aが斜め下向きとなり、更に、段違部71によりメダル5の面5c,5dが傾いて不安定な状態となっているため、メダル5は自重でメダル投下口部24から下へ落ちる。下へ落ちたメダル5は、メダル排出口13を通って回転ドラム3から排出される。回転ドラム3から排出されたメダル5は、スタンド2の支持面部6に設けられた受皿の上の、見易く取り易い手前側の位置に落ちる。
【0099】
上記を繰り返すことで、図10に示すように、メダル5を順番に回転ドラム3から取り出すことができる。
【0100】
<効果>この実施例によれば、以下のような効果が得られる。
【0101】
(効果 1)回転式メダル排出機1では、側面7を軸支された中空の回転ドラム3は、縦に回転される。回転ドラム3には、メダル投入口12から内部にメダル5が投入される。そして、回転ドラム3の内部に溜まったメダル5は、回転ドラム3の回転により1枚ずつメダル排出口13へ誘導されて、周面11に形成されたメダル排出口13から1枚ずつ排出される。
【0102】
この際、回転式メダル排出機1では、回転ドラム3の内部にメダル投下部14を有することにより、メダル投下部14が、回転ドラム3の回転を利用してメダル5を1枚ずつメダル排出口13へ誘導する。これにより、メダル排出口13からメダル5を1枚ずつ排出させることができる。
【0103】
メダル5は表裏2つの平らな面を有しているので、平らな面に数値や文字や模様などの様々なデザインを施すことができる。そのため、回転式メダル排出機1は、様々な使い方をすることが可能になる。例えば、回転式メダル排出機1は、面に数値を施したメダル5を使うことで、ランダムな数値を取り出す数値発生器となり、ビンゴや双六ゲームなどに使用できる。また、回転式メダル排出機1は、面に文字や図柄を施したメダル5を使うことで、占いやおみくじなどの札を払い出す機器として使用できる。
【0104】
(効果 2)回転式メダル排出機1では、メダル投下部14は、下狭まりのメダル収集部21によって、回転ドラム3内のメダル5を集めて下へ向わせることができる。メダル投下部14は、メダル受入口部22によって、メダル収集部21で集められたメダル5を下から1枚ずつ受入れることができる。メダル投下部14は、メダル移送部23によって、メダル受入口部22に入った1枚のメダル5を、回転ドラム3の回転を利用して、メダル排出口13の上まで1枚ずつ案内することができる。メダル投下部14は、メダル投下口部24によって、メダル移送部23でメダル排出口13の上まで送られてきた1枚のメダル5を、メダル排出口13に投下させることができる。
【0105】
そして、メダル投下部14は、方向転換部25を備えることによって、メダル移送部23でメダル排出口13の上まで送られたメダル5を、回転ドラム3の回転を利用して、先端縁5aがメダル排出口13へ向くように方向転換させることができる。そのため、メダル5の直径よりも小さく形成されたメダル投下口部24は、方向転換前はメダル5が投下されず、方向転換後にメダル5が投下可能なものとなる。
【0106】
(効果 3)回転式メダル排出機1では、メダル投下部14は、第一ガイド部材34と第二ガイド部材35とを上下に備えた構成にしても良い。これにより、上下2つのガイド部材だけで、メダル投下部14をシンプルに構成することができる。そして、第一ガイド部材34と第二ガイド部材35は、メダル排出口13とは反対側の空間32に収容されたメダル5を、間に形成された1枚分のメダル5が横向き状態で通過し得る通過間隙31を通してメダル排出口13の側の空間33へ送ることができる。
【0107】
この際、第一ガイド部材34を、メダル排出口13よりも下流側から上流側へ向け、上流側に達しない程度に延ばすことで、通過間隙31の上流側にメダル投下口部24が形成される。また、第二ガイド部材35を、メダル排出口13よりも上流側から下流側へ向け、下流側に達しない程度に延ばすことで、通過間隙31の下流側にメダル受入口部22が形成される。よって、第一ガイド部材34および第二ガイド部材35は、メダル受入口部22、通過間隙31、メダル投下口部24を通して、メダル5をメダル排出口13へ確実に導くメダル投下部14となる。
【0108】
(効果 4)回転式メダル排出機1では、第一ガイド部材34は、回転ドラム3の回転方向36の下流側から上流側へ向かって順に、ガイド斜面41と、立下部42と、メダルガイド面43と、を有しても良い。これにより、第一ガイド部材34に、メダル収集部21、メダル受入口部22および通過間隙31、メダル移送部23を形成することができる。
【0109】
(効果 5)回転式メダル排出機1では、第二ガイド部材35は、回転ドラム3の回転方向36の上流側から下流側へ向かって順に、少なくとも、立上部51と、第一平行部52と、第一傾斜部53と、第二ガイド斜面部54とを有しても良い。これにより、第二ガイド部材35に、通過間隙31、メダル移送部23、方向転換部25、メダル収集部21、メダル受入口部22を形成することができる。
【0110】
(効果 6)回転式メダル排出機1では、第一ガイド部材34は、先端34aに段違部71を有しても良い。これにより、段違部71によって、第一ガイド部材34の先端34aは、メダル5を早期に排出させる排出促進部を備えることきができる。
【0111】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態及び実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態または実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1:回転式メダル排出機 3:回転ドラム
5:メダル 5a:先端縁 7:側面
13:メダル排出口 14:メダル投下部
21:メダル収集部 22:メダル受入口部 23:メダル移送部
24:メダル投下口部 25:方向転換部
31:通過間隙 32:反対側の空間 33:空間
34:第一ガイド部材 35:第二ガイド部材 36:回転方向
41:ガイド斜面 42:立下部 43:メダルガイド面
51:立上部 52:第一平行部 53:第一傾斜部
54:第二ガイド斜面部 71:段違部
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10