(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093086
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】全熱交換器
(51)【国際特許分類】
F24F 7/08 20060101AFI20230627BHJP
F24F 3/147 20060101ALI20230627BHJP
F24F 13/08 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
F24F7/08 101B
F24F7/08 101K
F24F3/147
F24F13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208494
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱崎 元貴
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 堅太郎
(72)【発明者】
【氏名】陶 沫
【テーマコード(参考)】
3L053
3L081
【Fターム(参考)】
3L053BC08
3L081AA01
3L081AB03
(57)【要約】
【課題】給気路や排気路において全熱交換素子を通過する気流の偏りを抑制し、風速分布の均一化を図ることが可能な全熱交換器を提供する。
【解決手段】全熱交換器は、給気路と、排気路と、給気ファンと、排気ファンと、熱交換素子と、筐体とを備える。給気路と排気路は、第1の方向に沿って連続して延びるとともに、第1の方向と直交する第2の方向に沿って並ぶ。給気ファンおよび排気ファンはいずれも、モータおよび回転羽を覆う外装部材をそれぞれ有する。給気ファンの外装部材は、排気路において熱交換素子の手前で第2の方向における給気路側に逸れて筐体の内壁で跳ね返った空気を、熱交換素子に誘導する排気用ガイド部を有する。排気ファンの外装部材は、給気路において熱交換素子の手前で第2の方向における排気路側に逸れて筐体の内壁で跳ね返った空気を、熱交換素子に誘導する給気用ガイド部を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外と室内とを連通し、前記室外の空気を前記室内に導く給気路と、
前記室外と前記室内とを連通し、前記室内の空気を前記室外に導く排気路と、
前記給気路に設けられ、前記給気路に空気を流す給気ファンと、
前記排気路に設けられ、前記排気路に空気を流す排気ファンと、
前記給気路を流れる空気と、前記排気路を流れる空気との間で全熱交換を行う熱交換素子と、
前記給気路、前記排気路、前記給気ファン、前記排気ファン、前記熱交換素子を内部に有する筐体と、を備え、
前記給気路と前記排気路は、第1の方向に沿って連続して延びるとともに、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って並び、
前記給気ファンおよび前記排気ファンはいずれも、回転軸を回転させるモータ、前記回転軸に取り付けられた回転羽、前記モータおよび前記回転羽を覆う外装部材をそれぞれ有し、
前記給気ファンの前記外装部材は、前記排気路において前記熱交換素子の手前で前記第2の方向における前記給気路側に逸れて前記筐体の内壁で跳ね返った空気を、前記熱交換素子に誘導する排気用ガイド部を有し、
前記排気ファンの前記外装部材は、前記給気路において前記熱交換素子の手前で前記第2の方向における前記排気路側に逸れて前記筐体の内壁で跳ね返った空気を、前記熱交換素子に誘導する給気用ガイド部を有する
全熱交換器。
【請求項2】
前記排気用ガイド部および前記給気用ガイド部はいずれも、前記熱交換素子に向けて突出する突起と、前記突起の裾部に連続する傾斜面を含む
請求項1に記載の全熱交換器。
【請求項3】
前記突起は、前記第1の方向および前記第2の方向のいずれとも直交する第3の方向からみて、前記熱交換素子に向けて前記第2の方向の寸法が小さくなる略台形状をなすとともに、前記第2の方向からみて、前記熱交換素子に向けて前記第3の方向の寸法が小さくなる略台形状をなす
請求項2に記載の全熱交換器。
【請求項4】
前記突起は、前記第1の方向と前記第3の方向とで規定される平面および前記第2の方向と前記第3の方向とで規定される平面のいずれに対しても傾斜し、前記外装部材から突出する第1の斜面部を有し、
前記傾斜面は、前記第1の斜面部となだらかに連続する
請求項3に記載の全熱交換器。
【請求項5】
前記第1の斜面部は、前記内壁に臨み、
前記突起は、前記第2の方向において前記第1の斜面部とは反対側に第2の斜面部を有し、
前記第2の斜面部は、前記第1の斜面部および前記傾斜面と略同等の傾斜で前記外装部材の表面と連続する
請求項4に記載の全熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、全熱交換素子を用いた全熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
全熱交換器は、例えば室外から室内への給気と、室内から室外への排気との間で熱交換を行う。全熱交換器は、室外と室内とを連通させる一対の通気路と、これらの通気路にそれぞれ設けられたファンと、これらの通気路に介在する全熱交換素子を備えている。ファンが稼働すると、一方の通気路(以下、給気路という)には室外から室内へ空気(外気)が導かれ、他方の通気路(以下、排気路という)には室内から室外へ空気(内気)が導かれる。給気路および排気路を通る空気がそれぞれ全熱交換素子を通過する際、外気と内気との間で熱交換される。給気路は、一次側に室外の空気(外気)を吸い込む吸込口を有し、二次側に室内に空気を吹き出して給気する吹出口を有する。排気路は、一次側に室内の空気(内気)を吸い込む吸込口を有し、二次側に室外に空気を吹き出して排気する吹出口を有する。これらの吸込口と吹出口は、接続管にそれぞれ接続されている。
【0003】
このような全熱交換器では、給気路や排気路において全熱交換素子を通過する気流に偏りが生じ、風速分布にムラが生じる場合がある。例えば、全熱交換素子において空気が流入する面積(通風前面面積)に比べて吸込口の開口面積、換言すれば接続管の断面積が小さい場合、気流が偏りやすい。接続管が丸形のダクトである場合、その断面積は通風前面面積に比べて小さくなりやすい。気流に偏りが生じ、風速分布にムラが生じると、ファンや全熱交換素子の性能低下を招きやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、これを踏まえてなされたものであり、その目的は、給気路や排気路において全熱交換素子を通過する気流の偏りを抑制し、風速分布の均一化を図ることが可能な全熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、全熱交換器は、給気路と、排気路と、給気ファンと、排気ファンと、熱交換素子と、筐体とを備える。前記給気路は、室外と室内とを連通し、前記室外の空気を前記室内に導く。前記排気路は、前記室外と前記室内とを連通し、前記室内の空気を前記室外に導く。前記給気ファンは、前記給気路に設けられ、前記給気路に前記空気を流す。前記排気ファンは、前記排気路に設けられ、前記排気路に前記空気を流す。前記熱交換素子は、前記給気路を流れる空気と、前記排気路を流れる空気との間で全熱交換を行う。前記筐体は、前記給気路、前記排気路、前記給気ファン、前記排気ファン、前記熱交換素子を内部に有する。前記給気路と前記排気路は、第1の方向に沿って連続して延びるとともに、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って並ぶ。前記給気ファンおよび前記排気ファンはいずれも、回転軸を回転させるモータ、前記回転軸に取り付けられた回転羽、前記モータおよび前記回転羽を覆う外装部材をそれぞれ有する。前記給気ファンの前記外装部材は、前記排気路において前記熱交換素子の手前で前記第2の方向における前記給気路側に逸れて前記筐体の内壁で跳ね返った前記空気を、前記熱交換素子に誘導する排気用ガイド部を有する。前記排気ファンの前記外装部材は、前記給気路において前記熱交換素子の手前で前記第2の方向における前記排気路側に逸れて前記筐体の内壁で跳ね返った前記空気を、前記熱交換素子に誘導する給気用ガイド部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る全熱交換器を概略的に示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る全熱交換器を矢印A2で示す上方から概略的に示す平面図である。
【
図3】実施形態に係る全熱交換器を矢印A3で示す側方から概略的に示す側面図である。
【
図4】実施形態に対する比較例に係る全熱交換器において、排気路を流れる空気(還気空間における空気)の流れの一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る全熱交換器において、排気路を流れる空気(還気空間における空気)の流れの一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る全熱交換器における排気用ガイド部の突起および給気用ガイド部の突起の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る全熱交換器について、
図1から
図5を参照して説明する。全熱交換器は、例えば換気装置が備える構成要素であり、建物の天井裏などに設置され、室外から室内への給気と室内から室外への排気との間で熱交換を行う。
【0009】
図1は、本実施形態に係る全熱交換器1を概略的に示す斜視図である。
図2は、
図1に示す全熱交換器1を矢印A2で示す上方から概略的に示す平面図である。
図3は、
図1に示す全熱交換器1を矢印A3で示す側方から概略的に示す側面図である。以下の説明においては、
図1から
図3に示すように第1の方向X、第2の方向Y、および第3の方向Zをそれぞれ定義する。これらの方向X,Y,Zは、互いに直交する方向である。一例として、第1の方向Xに沿った方向を幅方向、第2の方向Yに沿った方向を奥行方向、第3の方向Zに沿った方向を高さ方向とする。ただし、これらの方向は、全熱交換器1が実際に設置された状態の各方向と一致していなくても構わない。
【0010】
図1から
図3に示すように、全熱交換器1は、主たる要素として、通気路2と、送風装置3と、熱交換素子4とを備えている。これらの通気路2、送風装置3、および熱交換素子4は、筐体5に格納されている。筐体5は、全熱交換器1の外形を規定する要素であり、例えば通気路2、送風装置3、および熱交換素子4を格納する箱部51と、箱部51を閉塞する蓋部52とを有する。
【0011】
筐体5は、六つの主たる面部を有する略直方体状の外形をなす。例えば、かかる六つの面部のうち、箱部51は四つの面部を有し、蓋部52は二つの面部を有する。箱部51は、底面部5a、側面部5b、一対の端面部5c,5dを有する。底面部5aは、X-Y平面に沿った面部であり、一例として筐体5の底面を規定する。X-Y平面は、第1の方向Xと第2の方向Yとで規定される平面である。側面部5bは、X-Z平面に沿った面部であり、一例として筐体5における第2の方向Yの側面を規定する。X-Z平面は、第1の方向Xと第3の方向Zとで規定される平面である。一対の端面部5c,5dは、Y-Z平面に沿った面部であり、一例として筐体5における第1の方向Xの端面を規定する。Y-Z平面は、第2の方向Yと第3の方向Zとで規定される平面である。蓋部52は、天面部5e、側面部5fを有する。天面部5eは、X-Y平面に沿って底面部5aと対向配置される面部であり、一例として筐体5の天面を規定する。側面部5fは、X-Z平面に沿って側面部5bと対向配置される面部であり、一例として筐体5における第2の方向Yの側面を規定する。
図1から
図3に示す例において、端面部5cは室内側、端面部5dは室外側をそれぞれ向いて配置される面部である。
【0012】
通気路2は、筐体5の内部において室外と室内とを連通して空気を導く通路であり、一対をなす給気路21と排気路22を有する。
図1から
図3に示す例において、給気路21および排気路22は、第1の方向Xに沿って連続して延びている。したがって、第1の方向Xは、給気路21および排気路22が空気を導く方向、端的にはこれら通気路2における空気の主たる流れ方向に相当する。また、給気路21および排気路22は、第2の方向Yに沿って並んでいる。給気路21は、室外の空気を室内に導くための通気路である。給気路21は、一次側に室外から空気(外気)を吸い込む吸込口61aを有し、二次側に室内へ空気(給気)を吹き出す吹出口61bを有する。一次側は、給気路21における熱交換素子4の上流側であり、熱交換される前の外気が流れる側である。二次側は、給気路21における熱交換素子4の下流側であり、外気が熱交換された給気が流れる側である。排気路22は、室内の空気を室外に導くための通気路である。排気路22は、一次側に室内から空気(還気)を吸い込む吸込口62aを有し、二次側に室外へ空気(排気)を吹き出す吹出口62bを有する。一次側は、排気路22における熱交換素子4の上流側であり、熱交換される前の還気が流れる側である。二次側は、排気路22における熱交換素子4の下流側であり、還気が熱交換された排気が流れる側である。
【0013】
吸込口61a,62aおよび吹出口61b,62bは、筐体5に形成された開口部であり、それぞれ接続管(図示省略)にそれぞれ接続されている。
図1から
図3に示す例において、吸込口61a,62aおよび吹出口61b,62bは、円筒状の形態をなしており、丸形のダクト(図示省略)にそれぞれ接続される。ただし、吸込口61a,62aおよび吹出口61b,62bの形態はこれに限定されない。また、吹出口61bおよび吸込口62aは、筐体5の端面部5cに開口している。吸込口61aおよび吹出口62bは、筐体5の端面部5dに開口している。
【0014】
送風装置3は、通気路2に空気の流れ(気流)を発生させる装置であり、給気ファン31と排気ファン32を有する。給気ファン31は、給気路21に設けられて当該給気路21に気流を発生させる。給気ファン31により、吸込口61aから給気路21に外気が吸い込まれ、吹出口61bから給気が吹き出される。排気ファン32は、排気路22に設けられて当該排気路22に気流を発生させる。排気ファン32により、吸込口62aから排気路22に還気が吸い込まれ、吹出口62bから排気が吹き出される。
【0015】
図1から
図3に示す例において、給気ファン31は、給気路21の二次側、つまり給気路21における熱交換素子4よりも吹出口61b寄りに配置されている。排気ファン32は、排気路22の二次側、つまり排気路22における熱交換素子4よりも吹出口62b寄りに配置されている。
【0016】
給気ファン31および排気ファン32はいずれも、回転軸(図示省略)を回転させるモータ71、当該回転軸に取り付けられた回転羽72、モータ71および回転羽72を覆う外装部材73を有する。
【0017】
モータ71は、主たる要素として固定子、固定子に対して回転する回転子、固定子および回転子を支持するモータカバー71aを備える。回転軸は、回転子に設けられて回転子とともに回転する。モータカバー71aは、外装部材73の一つであり、固定子、回転子などを覆ってモータ71の保護を図る。
図1から
図3に示す例では、モータカバー71aは外装部材73の一部として構成されている。
【0018】
回転羽72は、モータ71の回転軸に取り付けられ、当該回転軸とともに回転する。
図1から
図3に示す例において、回転羽72は、モータ71の回転軸の先端部と同軸に取り付けられた円筒状の多翼ファンとして構成されている。第1の方向Xにおいて、回転羽72は、モータ71よりも熱交換素子4から離れて配置されている。回転羽72は、ファンケース72aで覆われている。ファンケース72aは、外装部材73の一つであり、回転羽72を覆って回転羽72の保護を図る。
図1から
図3に示す例では、ファンケース72aは外装部材73の一部として構成されている。例えば、ファンケース72aは、モータカバー71aと一体をなし、外装部材73を構成する。
【0019】
例えば、給気ファン31の回転羽72が回転すると、吸込口61aから給気路21に吸い込まれた外気が熱交換素子4を通過して還気と熱交換される。熱交換された外気は、回転羽72の内側に吸い込まれる。当該回転羽72の内側に吸い込まれた外気は、回転羽72の外周部からファンケース72aの内部に吹き出されて、給気として吹出口61bから吹き出される。また、排気ファン32の回転羽72が回転すると、吸込口62aから排気路22に吸い込まれた還気が熱交換素子4を通過して外気と熱交換される。熱交換された還気は、回転羽72の内側に吸い込まれる。当該回転羽72の内側に吸い込まれた還気は、回転羽72の外周部からファンケース72aの内部に吹き出されて、排気として吹出口62bから吹き出される。
【0020】
熱交換素子4は、給気路21を流れる空気(外気)と排気路22を流れる空気(還気)との間で熱交換を行う要素である。熱交換素子4は、例えば複数段の第1の空気流路と第2の空気流路とを交互に重ね合わせた立体構造を有する。複数段の第1の空気流路は、給気路21を流れる空気が通過する。第1の空気流路は、給気路21を流れる空気が流入する流入部41と、流入部41と対向配置されて当該空気が流出する流出部42を有している。複数段の第2の空気流路は、排気路22を流れる空気が通過する。第2の空気流路は、排気路22を流れる空気が流入する流入部43と、流入部43と対向配置されて当該空気が流出する流出部44を有している。流入部41,43には、塵埃除去用のフィルタが配置されていてもよい。熱交換素子4は、給気路21を流れる空気と排気路22を流れる空気との流通を遮断しながら、第1の空気流路を流れる空気(外気)の熱と第2の空気流路を流れる空気(還気)の熱とを交換する。また、熱交換素子4は、かかる熱交換と同時に湿度も交換する。すなわち、熱交換素子4は、全熱交換素子として構成されている。
【0021】
熱交換素子4は、第2の方向Yに沿って筐体5内の側面部5b,5fの間の略全体に亘って延在している。また、熱交換素子4は、流入部41と流出部42をX-Y平面、流入部43と流出部44をY-Z平面に沿わせた状態から、第2の方向Yに沿った軸を中心に略45°回転させた姿勢で配置されている。したがって、流入部41,43および流出部42,44は、第2の方向Yを長手方向とし、X-Y平面およびY-Z平面のいずれに対しても傾斜する面状に広がっている。
【0022】
外装部材73は、モータ71および回転羽72を覆ってこれらの保護を図るとともに、給気ファン31および排気ファン32の外形をそれぞれ規定する。上述したように、第1の方向Xにおいて、回転羽72は、モータ71よりも熱交換素子4から離れて配置されている。したがって、第1の方向Xにおいて、モータカバー71aはファンケース72aよりも熱交換素子4、具体的には流入部41,43に近づいて配置されている。給気ファン31のモータカバー71aは、Y-Z平面に沿って広がって流入部43と対向する面部711を有している。排気ファン32のモータカバー71aは、Y-Z平面に沿って広がって流入部41と対向する面部712を有している。
【0023】
また、外装部材73は、給気路21と排気路22とを隔てる隔壁部材となっている。すなわち、給気路21は、外装部材73で排気路22と隔てられた筐体5の内部の空間として形成されている。これに対し、排気路22は、外装部材73で給気路21と隔てられた筐体5の内部の空間として形成されている。かかる空間(以下、通気空間という)は、筐体5における箱部51および蓋部52の内面と、外装部材73であるモータカバー71aおよびファンケース72aとで囲まれた空間である。外装部材73は、通気空間を第3の方向Zにおいて二つに隔てて二層に分割している。給気ファン31の外装部材73は、通気空間を給気空間81と還気空間82とに分割する。給気空間81は、給気路21の吹出口61bおよび熱交換素子4の流出部42と連通する空間である。還気空間82は、排気路22の吸込口62aおよび熱交換素子4の流入部43と連通する空間である。これに対し、排気ファン32の外装部材73は、通気空間を排気空間83と外気空間84とに分割する。排気空間83は、排気路22の吹出口62bおよび熱交換素子4の流出部44と連通する空間である。外気空間84は、給気路21の吸込口61aおよび熱交換素子4の流入部41と連通する空間である。
【0024】
給気ファン31の外装部材73は、排気路22を流れる空気の一部を熱交換素子4に誘導する排気用ガイド部91を有する。排気用ガイド部91は、排気路22を流れて熱交換素子4の手前で第2の方向Yにおける給気路21側に逸れて筐体5の内壁で跳ね返った空気を熱交換素子4に誘導する。
図1から
図3に示す例において、第2の方向Yにおける給気路21側に逸れた空気は、蓋部52の側面部5fに当たって跳ね返る。すなわち、排気用ガイド部91は、流入部43から熱交換素子4に流入せずに流入部43に沿って流れ、側面部5fから跳ね返った空気(排気路22を流れる空気の一部)を流入部43から熱交換素子4に流入させる。
【0025】
また、排気ファン32の外装部材73は、給気路21を流れる空気の一部を熱交換素子4に誘導する給気用ガイド部92を有する。給気用ガイド部92は、給気路21を流れて熱交換素子4の手前で第2の方向Yにおける排気路22側に逸れて筐体5の内壁で跳ね返った空気を熱交換素子4に誘導する。
図1から
図3に示す例において、第2の方向Yにおける排気路22側に逸れた空気は、箱部51の側面部5bに当たって跳ね返る。すなわち、給気用ガイド部92は、流入部41から熱交換素子4に流入せずに流入部41に沿って流れ、側面部5bから跳ね返った空気(給気路21を流れる空気の一部)を流入部41から熱交換素子4に流入させる。
【0026】
本実施形態では一例として、排気用ガイド部91は、給気ファン31の外装部材73の一部として、給気ファン31のモータカバー71aに設けられている。給気用ガイド部92は、排気ファン32の外装部材73の一部として、排気ファン32のモータカバー71aに設けられている。
【0027】
排気用ガイド部91は、突起931と傾斜面941を含んで構成されている。同様に、給気用ガイド部92は、突起932と傾斜面942を含んで構成されている。突起931,932は、熱交換素子4に向けてモータカバー71aの面部711,712から突出している。
図1から
図3に示す例において、突起931,932は、第3の方向Zからみて熱交換素子4に向けて第2の方向Yの寸法が小さく(狭く)なる略台形状をなしている。また、突起931,932は、第2の方向Yからみて熱交換素子4に向けて第3の方向Zの寸法が小さく(狭く)なる略台形状をなしている。
【0028】
突起931は、還気空間82に配置され、吸込口62aから還気空間82に吸い込まれた空気(還気)の一部を熱交換素子4の流入部43に誘導する。このため、突起931は、第3の方向Zにおける還気空間82の高さ(第3の方向Zの寸法)の半分程度、換言すれば給気ファン31のモータカバー71aの高さの半分程度の高さに亘って設けられている。すなわち、突起931は、還気空間82を第3の方向Zに閉塞させることなく、還気空間82における還気の流動を可能とする。第3の方向Zにおいて、突起931の下端は、熱交換素子4の流入部43と流出部42との境界部の位置と略同一高さに位置付けられている。突起931の先端部(突出端部)951は、熱交換素子4の流入部43と接触することなく、所定の隙間をあけて流入部43と近接している。
【0029】
一方、突起932は、外気空間84に配置され、吸込口61aから外気空間84に吸い込まれた空気(外気)の一部を熱交換素子4の流入部41に誘導する。このため、突起932は、第3の方向Zにおける外気空間84の高さ(第3の方向Zの寸法)の半分程度、換言すれば排気ファン32のモータカバー71aの高さの半分程度の高さに亘って設けられている。すなわち、突起932は、外気空間84を閉塞させることなく、外気空間84における外気の流動を可能とする。第3の方向Zにおいて、突起932の下端は、熱交換素子4の流入部41と流出部44との境界部の位置と略同一高さに位置付けられている。突起932の先端部(突出端部)952は、熱交換素子4の流入部41と接触することなく、所定の隙間をあけて流入部41と近接している。
【0030】
傾斜面941は、突起931の斜面部961と略凹凸なく、なだらかに連続している。斜面部(第1の斜面部)961は、X-Z平面およびY-Z平面のいずれに対しても傾斜し、給気ファン31のモータカバー71aの面部711から突出する面状の部分である。斜面部961は、第2の方向Yにおいて側面部5fに臨んでいる。傾斜面941は、X-Z平面およびY-Z平面のいずれに対しても傾斜し、突起931の裾部で斜面部961と接続している。突起931の裾部は、突起931が給気ファン31のモータカバー71aの面部711から突出する基端部分である。このように傾斜面941が突起931の斜面部961と連続することで、給気ファン31のモータカバー71aは、第2の方向Yの側面部5f側の端部がなだらかに傾斜して面状に広がった形態をなす。かかる端部の傾斜角度、例えばY-Z平面に沿った面部711に対する傾斜角度は、35°程度であればよいがこれに限定されない。
【0031】
上述したように、側面部5fは、吸込口62aから還気空間82に吸い込まれ、熱交換素子4の手前で第2の方向Yにおける給気路21側に逸れた空気が当たって跳ね返る面部である。このため、突起931および傾斜面941は、側面部5fに当たって跳ね返った空気、つまり還気空間82に吸い込まれた空気の一部を熱交換素子4の流入部43に誘導する。なお、給気ファン31のモータカバー71aは、第2の方向Yの側面部5b側(側面部5fとは反対側)の端部も側面部5f側と同様になだらかに傾斜して面状に広がった形態をなす。
【0032】
傾斜面942は、突起932の斜面部962と略凹凸なく、なだらかに連続している。斜面部(第1の斜面部)962は、X-Z平面およびY-Z平面のいずれに対しても傾斜し、排気ファン32のモータカバー71aの面部712から突出する面状の部分である。斜面部962は、第2の方向Yにおいて側面部5bに臨んでいる。傾斜面942は、X-Z平面およびY-Z平面のいずれに対しても傾斜し、突起932の裾部で斜面部962と接続している。突起932の裾部は、突起932が排気ファン32のモータカバー71aの面部712から突出する基端部分である。このように傾斜面942が突起932の斜面部962と連続することで、排気ファン32のモータカバー71aは、第2の方向Yの側面部5b側の端部がなだらかに傾斜して面状に広がった形態をなす。かかる端部の傾斜角度、例えばY-Z平面に沿った面部712に対する傾斜角度は、35°程度であればよいがこれに限定されない。
【0033】
上述したように、側面部5bは、吸込口61aから外気空間84に吸い込まれ、熱交換素子4の手前で第2の方向Yにおける排気路22側に逸れた空気が当たって跳ね返る面部である。このため、突起932および傾斜面942は、側面部5bに当たって跳ね返った空気、つまり外気空間84に吸い込まれた空気の一部を熱交換素子4の流入部41に誘導する。なお、排気ファン32のモータカバー71aは、第2の方向Yの側面部5f側(側面部5bとは反対側)の端部も側面部5b側と同様になだらかに傾斜して面状に広がった形態をなす。
【0034】
このように本実施形態によれば、給気路21および排気路22において熱交換素子4を通過する気流の偏りを抑制し、風速分布の均一化を図ることができる。このような本実施形態の作用効果について、比較例との比較により説明する。
図4は、比較例に係る全熱交換器10において排気路22を流れる空気、具体的には還気空間82における空気の流れの一例を示す図である。全熱交換器10においては、本実施形態のような排気用ガイド部91(突起931と傾斜面941)、および給気用ガイド部92(突起932と傾斜面942)は、備えられていない。なお、これらガイド部91,92以外の全熱交換器10の構成要素は、本実施形態に係る全熱交換器1と同等である。
図5は、全熱交換器1において排気路22を流れる空気、具体的には還気空間82における空気の流れの一例を示す図である。
【0035】
比較例および本実施形態のいずれにおいても、
図4および
図5に示すように、吸込口62aから還気空間82に吸い込まれ、熱交換素子4の手前で第2の方向Yにおける給気路21側に逸れた空気は、側面部5fに当たって跳ね返る。比較例と本実施形態では、側面部5fから跳ね返った空気の流れ(気流)が以下のように異なる。
【0036】
図4において、矢印A4は、還気空間82における空気の流れを示す軌跡の一例である。矢印A4で示すように、比較例において、側面部5fから跳ね返った空気は、排気用ガイド部91(突起931と傾斜面941)により誘導されないため、熱交換素子4の流入部43に強制的には流入しない。このため、側面部5fから跳ね返った空気は、給気ファン31のモータカバー71aの面部711と熱交換素子4の流入部43との間の空隙を抜け、モータカバー71aの表面に沿うように吸込口62aの近傍まで流れる。その後、吸込口62aの近傍で流入部43から熱交換素子4に流入する。このような気流について、CFD(Computational Fluid Dynamics)を用いて解析した場合、流入部43における風速分布の標準偏差、給気ファン31の前後(上流側と下流側)の差圧、給気ファン31の全圧効率は、次のような値となる。なお、全圧効率は、例えば送風装置(ここでは給気ファン31)の全圧と風量とを掛けて軸動力で割った値であり、送風装置の仕事率に相当する値である。比較例における気流のCFD解析の結果、流入部43における風速分布の標準偏差は0.6028程度、給気ファン31の前後の差圧は333[Pa]程度、給気ファン31の全圧効率は49.3[%]程度となる。
【0037】
図5において、矢印A5は、還気空間82における空気の流れを示す軌跡の一例である。矢印A5で示すように、本実施形態において、側面部5fから跳ね返った空気は、排気用ガイド部91(突起931と傾斜面941)により誘導される。このため、側面部5fから跳ね返った空気は、跳ね返りの途中で向きを変え、熱交換素子4の流入部43に積極的に流入する。すなわち、側面部5fから跳ね返った空気は、吸込口62aの近傍まで流れることなく、側面部5fの近傍、換言すれば流入部43における第2の方向Yの給気路21寄りで流入部43に流入する。このような気流について、CFD解析した場合、風速分布の標準偏差、給気ファン31の前後の差圧、給気ファン31の全圧効率は、次のような値となる。本実施形態の場合、風速分布の標準偏差は0.5796程度、給気ファン31の前後の差圧は336[Pa]程度、給気ファン31の全圧効率は49.9[%]程度となる。
【0038】
すなわち、本実施形態によれば、比較例と比べて流入部43における風速分布の標準偏差は改善し、給気ファン31の前後の差圧および全圧効率はいずれも向上している。したがって、本実施形態のように排気用ガイド部91(突起931と傾斜面941)を備えることで、排気路22において熱交換素子4を通過する気流の偏りを抑制し、風速分布の均一化を図ることができる。
【0039】
加えて、本実施形態に係る排気ファン32のモータカバー71aは、給気用ガイド部92(突起932と傾斜面942)を備えている。給気路21は、排気路22と空気の流れが逆方向となる点で排気路22と異なるが、給気用ガイド部92(突起932と傾斜面942)が備えられていることで、外気空間84における空気を給気用ガイド部92で誘導できる。このため、側面部5bから跳ね返った空気は、吸込口61aの近傍まで流れることなく、側面部5bの近傍、換言すれば流入部41における第2の方向Yの排気路22寄りで流入部41に流入する。したがって、給気路21において熱交換素子4を通過する気流の偏りを抑制し、風速分布の均一化を図ることができる。
【0040】
このように本実施形態によれば、給気路21および排気路22において熱交換素子4を通過する気流の偏りを抑制し、流入部41,43における風速分布の均一化を図ることができる。したがって、例えば、熱交換素子4において空気が流入する面積(通風前面面積)に比べて吸込口61a,62aの開口面積が小さい場合であっても、気流の偏りを抑制し、流入部41,43における風速分布のムラも抑制できる。その結果、給気ファン31および排気ファン32の性能や熱交換素子4の性能などの向上を図ることができる。
【0041】
以上、本発明の実施形態を説明したが、かかる実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0042】
例えば、排気用ガイド部および給気用ガイド部の構成は、上述した本実施形態(
図1から
図3)の構成には限定されない。
図6は、排気用ガイド部の突起および給気用ガイド部の突起の変形例を示す図である。
図6に示すような変形例に係る全熱交換器1aであっても、上述した本実施形態と同等の効果を奏することができる。以下、変形例に係る全熱交換器1aについて説明する。なお、全熱交換器1aは、排気用ガイド部の突起および給気用ガイド部の突起の構成が本実施形態に係る全熱交換器1と異なるが、それ以外は、全熱交換器1と同様である。そのため、全熱交換器1aにおいて全熱交換器1と同一もしくは類似の構成部分には、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0043】
図6に示すように、排気用ガイド部91は、突起933と傾斜面941を含んで構成されている。同様に、給気用ガイド部92は、突起934と傾斜面942を含んで構成されている。
【0044】
突起933は、第1の斜面部である斜面部961を有するとともに、第2の斜面部である斜面部971を有する。斜面部971は、第2の方向Yにおいて斜面部961とは反対側に位置し、斜面部961側に傾く面状の部分である。斜面部971は、X-Z平面およびY-Z平面のいずれに対しても傾斜し、給気ファン31のモータカバー71aの面部711から突出する面状の部分である。これにより、第2の方向Yにおける斜面部961とは反対側において、突起933は、突起931よりもなだらかに面部711と連続する。斜面部971の傾斜角度、例えばY-Z平面に沿った面部711に対する傾斜角度は、斜面部961と同等(一例として35°程度)であればよいがこれに限定されない。
図6に示す例において、斜面部971は、斜面部961および傾斜面941と略同等の傾斜で外装部材73の表面である面部711と連続している。
【0045】
突起934は、第1の斜面部である斜面部962を有するとともに、第2の斜面部である斜面部972を有する。斜面部972は、第2の方向Yにおいて斜面部962とは反対側に位置し、斜面部962側に傾く面状の部分である。斜面部972は、X-Z平面およびY-Z平面のいずれに対しても傾斜し、排気ファン32のモータカバー71aの面部712から突出する面状の部分である。これにより、第2の方向Yにおける斜面部962とは反対側において、突起934は、突起932よりもなだらかに面部712と連続する。斜面部972の傾斜角度、例えばY-Z平面に沿った面部712に対する傾斜角度は、斜面部962と同等(一例として35°程度)であればよいがこれに限定されない。
図6に示す例において、斜面部972は、斜面部962および傾斜面942と略同等の傾斜で外装部材73の表面である面部712と連続している。
【0046】
本変形例の還気空間82における空気の流れの一例として、吸込口62aから吸い込まれた還気は、排気用ガイド部91(突起933と傾斜面941)により誘導される。
このため、吸込口62aによって吸い込まれた還気は、排気用ガイド部91の突起933に備えられる斜面部971により、なだらかに側面部5fへ誘導される。
すなわち、吸込口62aから吸い込まれた還気は、排気用ガイド部91の手前で跳ね返り吸込口62aの近傍まで流れることなく、側面部5fの近傍、換言すれば流入部43における第2の方向Yの給気路21寄りで流入部43に流入する。
したがって、本変形例のように排気用ガイド部91(突起933と傾斜面941)を備えることで、排気路22において熱交換素子4を通過する気流の偏りを抑制し、風速分布の均一化を図ることができる。
【0047】
加えて、本変形例に係る排気ファン32のモータカバー71aは、給気用ガイド部92(突起934と傾斜面942)を備えている。給気路21は、排気路22と空気の流れが逆方向となる点で排気路22と異なるが、給気用ガイド部92(突起934と傾斜面942)が備えられていることで、外気空間84における空気を給気用ガイド部92で誘導できる。
このため、吸込口61aによって吸い込まれた外気は、給気用ガイド部92の突起934に備えられる斜面部972により、なだらかに側面部5bへ誘導される。
すなわち、吸込口61aから吸い込まれた外気は、給気用ガイド部92の手前で跳ね返り吸込口61aの近傍まで流れることなく、側面部5bの近傍、換言すれば流入部41における第2の方向Yの排気路22寄りで流入部41に流入する。
したがって、本変形例のように給気用ガイド部92(突起934と傾斜面941)を備えることで、給気路21において熱交換素子4を通過する気流の偏りを抑制し、風速分布の均一化を図ることができる。
【0048】
このように本変形例によれば、給気路21および排気路22において熱交換素子4を通過する気流の偏りを抑制し、流入部41,43における風速分布の均一化を図ることができる。したがって、例えば、熱交換素子4において空気が流入する面積(通風前面面積)に比べて吸込口61a,62aの開口面積が小さい場合であっても、気流の偏りを抑制し、流入部41,43における風速分布のムラも抑制できる。その結果、給気ファン31および排気ファン32の性能や熱交換素子4の性能などの向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0049】
1…全熱交換器、2…通気路、3…送風装置、4…熱交換素子、5…筐体、5a…底面部、5b…側面部、5c,5d…端面部、5e…天面部、5f…側面部、21…給気路、22…排気路、31…給気ファン、32…排気ファン、41,43…流入部、42,44…流出部、51…箱部、52…蓋部、61a,62a…吸込口、61b,62b…吹出口、71…モータ、71a…モータカバー、72…回転羽、72a…ファンケース、73…外装部材、81…給気空間、82…還気空間、83…排気空間、84…外気空間、91…排気用ガイド部、92…給気用ガイド部、711,712…面部、931,932,933,934…突起、941,942…傾斜面、951,952…突起の先端部、961,962,971,972…突起の斜面部、X…第1の方向、Y…第2の方向、Z…第3の方向。