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特開2023-93094医療機器および医療機器の表示制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093094
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】医療機器および医療機器の表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04845 20220101AFI20230627BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20230627BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230627BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20230627BHJP
   A61B 5/022 20060101ALI20230627BHJP
   A61B 5/00 20060101ALN20230627BHJP
   A61M 1/14 20060101ALN20230627BHJP
【FI】
G06F3/0484 150
G06F3/0488
G09G5/00 550C
G09G5/36 520F
G09G5/00 510A
G09G5/00 510H
A61B5/022 500A
A61B5/00 D
A61M1/14 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208504
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 正樹
(72)【発明者】
【氏名】金川 隆生
(72)【発明者】
【氏名】石井 浩
(72)【発明者】
【氏名】篠川 光正
(72)【発明者】
【氏名】中村 将太
【テーマコード(参考)】
4C017
4C077
4C117
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017BC11
4C017CC08
4C077AA05
4C077BB01
4C077HH03
4C077HH13
4C077JJ08
4C077JJ13
4C077KK25
4C117XA01
4C117XB01
4C117XB06
4C117XC01
4C117XD13
4C117XE15
4C117XG03
4C117XG19
4C117XG34
4C117XJ23
5C182AB12
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC33
5C182AC39
5C182BA01
5C182BA06
5C182CB13
5C182CB15
5C182CB16
5C182CB23
5C182CB42
5C182CB44
5C182CB55
5C182CC13
5C182CC14
5C182CC15
5C182CC17
5C182CC21
5C182DA02
5C182DA65
5E555AA04
5E555AA25
5E555BA22
5E555BB22
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB13
5E555CB14
5E555CC05
5E555CC24
5E555DA01
5E555DB53
5E555DB56
5E555DC26
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】タッチスクリーンに表示されている画像の一部を速やかに拡大可能な医療機器を提供する。
【解決手段】医療機器のタッチパネルは、画像G1が前記ディスプレイに表示された状態で、第1のタッチ入力と、第2のタッチ入力とを受け付ける。医療機器のコントローラは、第1のタッチ入力の入力位置P1と、第2のタッチ入力の入力位置P2とを取得すると、入力位置P1と入力位置P2とに基づき、画像G1において領域Rを設定する。コントローラは、領域Rが設定された後にタッチパネルが第3のタッチ入力をさらに受け付けた場合、第3のタッチ入力の入力位置P3が所定の条件を満たしているとき、ディスプレイに表示させる画像を、第3のタッチ入力を受け付けたときに表示されている画像G2から、領域R内の画像を拡大した画像を含む画像G3に切り換える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗膜方式のタッチスクリーンを備え、前記タッチスクリーンは、ディスプレイと、前記ディスプレイ上に配置されたタッチパネルとを含み、
前記タッチパネルに対するタッチ入力の入力位置を取得し、かつ、前記ディスプレイにおける画像の表示を制御するコントローラをさらに備え、
前記タッチパネルは、第1の画像が前記ディスプレイに表示された状態で、第1のタッチ入力と、第2のタッチ入力とを受け付け、
前記コントローラは、
前記第1のタッチ入力の第1の入力位置と、前記第2のタッチ入力の第2の入力位置とを取得し、
取得された前記第1の入力位置と前記第2の入力位置とに基づき、前記第1の画像において領域を設定し、
前記領域が設定された後に前記タッチパネルが第3のタッチ入力をさらに受け付けた場合、前記第3のタッチ入力の第3の入力位置が所定の条件を満たしているとき、前記ディスプレイに表示させる画像を、前記第3のタッチ入力を受け付けたときに表示されている第2の画像から、前記領域内の画像を拡大した画像を含む第3の画像に切り換える、医療機器。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記第3の入力位置が前記領域に含まれていることである、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記第3の入力位置が前記領域外の特定の領域に含まれることである、請求項1に記載の医療機器。
【請求項4】
前記領域は、前記第1の入力位置と前記第2の入力位置とを1組の対頂点とする矩形領域である、請求項1から3のいずれか1項に記載の医療機器。
【請求項5】
前記第2の画像は、前記第1の画像に対して前記領域を表す透過画像を重畳した画像である、請求項1から4のいずれか1項に記載の医療機器。
【請求項6】
前記第2の画像は、前記第1の画像と同じ画像である、請求項1から4のいずれか1項に記載の医療機器。
【請求項7】
前記コントローラは、前記第3の入力位置が前記領域に含まれていないことを条件に、前記領域の設定を解除する、請求項1または2に記載の医療機器。
【請求項8】
前記第1の画像は、トレンドグラフを含み、
前記コントローラは、前記第1の入力位置と前記第2の入力位置とが前記トレンドグラフの表示領域内であることを条件に、前記領域を設定する、請求項1から7のいずれか1項に記載の医療機器。
【請求項9】
抵抗膜方式のタッチスクリーンを備える医療機器の表示制御方法であって、
第1の画像を前記タッチスクリーンに表示させるステップと、
前記第1の画像が前記タッチスクリーンに表示された状態で、前記タッチスクリーンが、第1のタッチ入力と、第2のタッチ入力とを受け付けるステップと、
前記第1のタッチ入力の第1の入力位置と、前記第2のタッチ入力の第2の入力位置とに基づき、前記第1の画像において領域を設定するステップと、
前記領域が設定された後に、前記タッチスクリーンに対する第3のタッチ入力を受け付けるステップと、
前記第3のタッチ入力の第3の位置が所定の条件を満たす場合、前記領域内の画像を拡大表示するステップとを備える、医療機器の表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療機器および医療機器の表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルとディスプレイとを含んで構成されるタッチスクリーンが知られている。たとえば、特開2015-194997号公報には、このようなタッチスクリーンを備えたユーザインターフェイス装置が開示されている。当該ユーザインターフェイス装置は、画面にタッチされた状態で所定の時間経過したと判定された場合、タッチされた状態が継続された時間に応じて、画面の画像の拡大する枠を表示する。具体的には、当該ユーザインターフェイス装置では、タッチ位置を中心として、時間の経過とともに半径が大きくなる円を表示する。当該ユーザインターフェイス装置は、タッチが解除された際に表示されている枠内の画像を拡大表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-194997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2015-194997号公報のユーザインターフェイス装置では、少なくとも所定時間経過しなければ画像の拡大処理に移行しないため、画像を拡大表示するにはある程度の時間を要する。
【0005】
本開示は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、タッチスクリーンに表示されている画像の一部を速やかに拡大可能な医療機器および医療機器の表示制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従うと、医療機器は、抵抗膜方式のタッチスクリーンを備える。タッチスクリーンは、ディスプレイと、ディスプレイ上に配置されたタッチパネルとを含む。医療機器は、タッチパネルに対するタッチ入力の入力位置を取得し、かつ、ディスプレイにおける画像の表示を制御するコントローラをさらに備える。タッチパネルは、第1の画像がディスプレイに表示された状態で、第1のタッチ入力と、第2のタッチ入力とを受け付ける。コントローラは、第1のタッチ入力の第1の入力位置と、第2のタッチ入力の第2の入力位置とを取得する。コントローラは、取得された第1の入力位置と第2の入力位置とに基づき、第1の画像において領域を設定する。コントローラは、領域が設定された後にタッチパネルが第3のタッチ入力をさらに受け付けた場合、第3のタッチ入力の第3の入力位置が所定の条件を満たしているとき、ディスプレイに表示させる画像を、第3のタッチ入力を受け付けたときに表示されている第2の画像から、領域内の画像を拡大した画像を含む第3の画像に切り換える。
【0007】
本開示の他の局面に従うと、抵抗膜方式のタッチスクリーンを備える医療機器の表示制御方法は、第1の画像をタッチスクリーンに表示させるステップと、第1の画像がタッチスクリーンに表示された状態で、タッチスクリーンが、第1のタッチ入力と、第2のタッチ入力とを受け付けるステップと、第1のタッチ入力の第1の入力位置と、第2のタッチ入力の第2の入力位置とに基づき、第1の画像において領域を設定するステップと、領域が設定された後に、タッチスクリーンに対する第3のタッチ入力を受け付けるステップと、第3のタッチ入力の第3の位置が所定の条件を満たす場合、領域内の画像を拡大表示するステップとを備える。
【発明の効果】
【0008】
上記の開示によれば、タッチスクリーンに表示されている画像の一部を速やかに拡大可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】血液浄化装置の使用状態を示した図である。
図2】血液浄化装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
図3】タッチスクリーンにおける画面遷移を示した図である。
図4】タッチスクリーンにおける他の画面遷移を示した図である。
図5】血液浄化装置において実行される処理の流れを説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
図1は、医療機器の一例としての血液浄化装置の使用状態を示した図である。図1に示されるように、血液浄化装置1は、タッチスクリーン20を備える。なお、血液浄化装置は、透析装置とも称される。
【0012】
図2は、血液浄化装置1のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図2に示されるように、血液浄化装置1は、コントローラ10と、タッチスクリーン20と、複数の圧力計30と、複数のポンプ40とを備える。
【0013】
コントローラ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、リアルタイムクロック13とを有する。コントローラ10は、血液浄化装置1の全体的な動作を制御する。具体的には、プロセッサ11は、メモリ12に記憶された各種のプログラムを実行することにより、血液浄化装置1の動作を制御する。たとえば、プロセッサ11は、圧力計30からデータを受信する。プロセッサ11は、ポンプ40の動作(稼働および停止)を制御する。
【0014】
タッチスクリーン20は、タッチパネル21と、ディスプレイ22とを有する。タッチパネル21は、ディスプレイ22に重畳させて設置されている。詳しくは、タッチスクリーン20は、抵抗膜方式のタッチスクリーンである。それゆえ、ペン、手袋等どのようなものでタッチしても反応する。また、静電容量方式等の他の方式のタッチスクーンに比べて、タッチスクリーン20は、電磁ノイズに強い、コストが低い。
【0015】
タッチスクリーン20は、タッチ位置の座標値を算出する。具体的には、タッチスクリーン20は、タッチ位置のX座標とY座標とを算出する。タッチスクリーン20は、算出された座標値をプロセッサ11に送る。
【0016】
プロセッサ11は、タッチパネル21からタッチ位置の座標値を取得する。プロセッサ11は、表示されている画面と取得された座標値とに応じた処理を実行する。たとえば、プロセッサ11は、ディスプレイ22に表示させる画像を切り換える。あるいは、プロセッサ11は、ポンプ40等の制御対象を制御する。また、プロセッサ11は、リアルタイムクロック13から時刻情報を取得する。
【0017】
以下では、タッチスクリーン20における画面遷移を説明する。特に、タッチスクリーン20に表示されている画像の一部を拡大する処理について説明する。
【0018】
図3は、タッチスクリーン20における画面遷移を示した図である。図3に示されるように、コントローラ10は、状態(A)として、タッチスクリーン20に画像G1を表示する。詳しくは、コントローラ10は、ディスプレイ22に画像G1を表示する。
【0019】
画像G1は、グラフ71と、オブジェクト画像群81と、オブジェクト画像82,83とを含む。グラフ71は、本例では、トレンドグラフである。グラフ71は、たとえば、脱血圧、入口圧、動脈圧と静脈圧の圧力差(「A-V差圧」とも称する)、返血圧、濾過圧等を含む。
【0020】
オブジェクト画像群81は、グラフ71をスクロールする際に利用される。オブジェクト画像群81は、グラフ71を上方向に移動させるオブジェクト画像と、グラフ71を下方向に移動させるオブジェクト画像と、グラフ71を左方向に移動させるオブジェクト画像と、グラフ71を右方向に移動させるオブジェクト画像とを含む。縦軸の目盛りと横軸の目盛りとは、このようなオブジェクト画像群81を用いたグラフ71のスクロールに追従して変化する。
【0021】
オブジェクト画像82は、グラフ71の横軸の範囲を規定する際に利用される。医療従事者であるユーザが、たとえば状態(A)においてオブジェクト画像82を1回だけタッチすると、プロセッサ11は、グラフ71の横軸の範囲を1時間から4時間に切り替える。ユーザがオブジェクト画像82を押す度に、プロセッサ11は、横軸の範囲を、1時間、4時間、12時間、24時間の順に切り換える。オブジェクト画像83に割り当てられた機能については後述する。
【0022】
ユーザは、グラフ71の一部を拡大表示するために、まず、タッチスクリーン20のタッチパネル21に対して2回のタッチ入力(タッチ操作による入力)を行う。当該2回のタッチ入力によって、拡大表示する範囲が設定される。
【0023】
たとえば、状態(B)に示すように、ユーザが位置P1をタッチし、次いで、ユーザが位置P2をタッチしたとする。なお、位置P1,P2は、グラフ71の表示領域内(以下、「グラフ領域」とも称する)の位置である。この場合、コントローラ10は、タッチスクリーン20から、1回目のタッチ入力の入力位置P1と、2回目のタッチ入力の入力位置P2とを取得する。具体的には、プロセッサ11は、位置P1の座標値(x1,y1)と、位置P2の座標値(x2,y2)とを取得する。
【0024】
コントローラ10は、状態(C)に示すように、入力位置P1と入力位置P2とに基づき、領域を設定する。本例では、コントローラ10は、入力位置P1と入力位置P2とを1組の対頂点とする矩形領域Rを設定する。すなわち、コントローラ10は、4つの頂点の座標値が、(x1,y1),(x1,y2),(x2,y2),(x2,y1)となる矩形領域Rを設定する。
【0025】
さらに、コントローラ10は、状態(C)に示すように、画像G1に対して矩形領域Rを表す透過画像を重畳した画像G2を表示する。すなわち、コントローラ10は、画像G1を矩形領域Rの背景画像として表示する。矩形領域Rの表示により、ユーザは、自身が2回のタッチ入力によって指定した矩形領域Rを確認することができる。また、矩形領域Rの透過表示により、ユーザは、グラフ71のうち矩形領域R内の部分(以下、「選択範囲」とも称する)を視認できる。
【0026】
ユーザは、選択範囲が適切であると判断すると、状態(D)に示すように、矩形領域R内の任意の位置(たとえば、位置P3)に対してタッチ入力を行う。すなわち、ユーザは、選択範囲が適切であると判断すると、選択範囲内の任意の位置に対してタッチ入力を行う。
【0027】
コントローラ10は、矩形領域R内の任意の位置がタッチされると、状態(E)に示されるように、選択範囲を拡大表示する。典型的には、コントローラ10は、選択範囲を、縦横別々の拡大率で拡大する。本例では、選択範囲がグラフ71と同じ大きさとなるように、選択範囲を拡大表示する。これにより、画像G1におけるグラフ71の一部を拡大したグラフ72を含む画像G3がタッチスクリーン20のディスプレイ22に表示される。なお、コントローラ10は、縦軸の値と横軸の値とを、選択範囲応じて変更する。
【0028】
なお、コントローラ10は、選択範囲を縦横同じ比率で拡大してもよい。また、拡大前と同様に、オブジェクト画像群81を用いてグラフ72をスクロールさせることができる。この場合も、縦軸の目盛りと横軸の目盛りとは、このようなオブジェクト画像群81を用いたグラフ72のスクロールに追従して変化する。
【0029】
このように、コントローラ10は、1回目のタッチ入力の入力位置P1と、2回目のタッチ入力の入力位置P2とを取得すると、入力位置P1と入力位置P2とに基づき、矩形領域Rを設定する。コントローラ10は、矩形領域Rが設定された後にタッチパネル21が3回目のタッチ入力をさらに受け付けた場合、3回目のタッチ入力の入力位置P3が所定の条件を満たしているとき、ディスプレイ22に表示させる画像を、画像G2(すなわち、第3のタッチ入力を受け付けたときに表示されている画像)から、矩形領域R内の画像を拡大した画像(グラフ72)を含む画像G3に切り換える。
【0030】
このような構成によれば、ユーザは、2回のタッチ入力で、グラフ71のうち、拡大表示したい範囲を選択できる。それゆえ、ユーザは、拡大表示させたい箇所を、シンプルかつ直感的な操作によって設定できる。
【0031】
具体的には、コントローラ10は、3回目のタッチ入力の入力位置P3が矩形領域Rに含まれることを条件に、ディスプレイ22に表示させる画像を、画像G2から画像G3に切り換える。このような構成によれば、ユーザは、選択範囲に対してさらにタッチ入力を行うことにより、選択範囲を拡大表示させることができる。それゆえ、ユーザは、拡大表示の実行指示についても、シンプルかつ直感的な操作によって実現できる。特に、2回目のタッチ入力位置と、3回目のタッチ入力位置との距離を短くできるため、操作性に優れる。
【0032】
なお、状態(E)において、ユーザが「戻る」を示すオブジェクト画像83をタッチ入力により選択すると、コントローラ10は、ディスプレイ22に表示させる画像を、画像G3から画像G1に切り換える。
【0033】
図4は、タッチスクリーン20における他の画面遷移を示した図である。図4に示すように、状態(A)から状態(C)への画面遷移は、図3の状態(A)から状態(C)への画面遷移と同じである。よって、以下では、図4の状態(D)と状態(E)とについて説明する。
【0034】
ユーザは、状態(C)に示す選択範囲が適切でないと判断すると、状態(D)に示すように、グラフ領域のうち、矩形領域R外の任意の位置(たとえば、位置P4)に対してタッチ入力を行う。すなわち、ユーザは、選択範囲が適切でないと判断すると、選択範囲外の任意の位置に対してタッチ入力を行う。
【0035】
コントローラ10は、グラフ領域における矩形領域R外の任意の位置がタッチされると、状態(E)に示されるように、矩形領域Rの設定を解除する。すなわち、コントローラ10は、3回目の入力位置P4が矩形領域Rに含まれていないことを条件に、矩形領域R(選択範囲)の設定を解除する。詳しくは、コントローラ10は、矩形領域Rを非表示とする。
【0036】
このような構成によれば、選択範囲が適切でない場合に、ユーザは、容易に矩形領域Rの設定を解除することができる。特に、ユーザは、3回目のタッチ入力の入力位置を、矩形領域Rの内か外かにするかで、選択範囲を拡大表示させるか、選択範囲の設定を解除するかを決定できる。このように、血液浄化装置1では、拡大表示をさせるか否かの局面においても、直感的な操作が可能となる。
【0037】
図5は、血液浄化装置1において実行される処理の流れを説明するためのフロー図である。
【0038】
ステップS1において、タッチスクリーン20は、グラフ領域に対するタッチ入力を受け付ける。タッチスクリーン20は、タッチ入力の入力位置(すなわち、座標値)を算出する。ステップS2において、コントローラ10は、算出された座標値をタッチスクリーン20から取得し、かつ、当該座標値をメモリ12に座標値を記憶する。
【0039】
ステップS3において、タッチスクリーン20は、グラフ領域に対するタッチ入力をさらに受け付ける。タッチスクリーン20は、当該タッチ入力の入力位置(すなわち、座標値)をさらに算出する。ステップS4において、コントローラ10は、算出された座標値をタッチスクリーン20から取得し、かつ、当該座標値をメモリ12に座標値を記憶する。
【0040】
以上により、メモリ12には、1回目のタッチ入力の座標値と、2回目のタッチ入力の座標値とが記憶される。プロセッサ11は、2回目のタッチ入力の座標値を取得したことに基づき、ステップS5において、1回目のタッチ入力の座標値と2回目のタッチ入力の座標値とに基づき、矩形領域(図3の例では、矩形領域R)を設定する。
【0041】
ステップS6において、プロセッサ11は、グラフ領域に対するタッチ入力をさらに受け付けたか否かを判断する。プロセッサ11は、グラフ領域に対する操作を受け付けたと判断された場合(ステップS6においてYES)、ステップS7において、当該タッチ入力が矩形領域内に対するタッチ入力であるか否かを判断する。
【0042】
矩形領域内に対するタッチ入力であると判断された場合(ステップS7においてYES)、プロセッサ11は、ステップS8において、矩形領域内の画像(すなわち、選択範囲)を拡大表示する。矩形領域内に対するタッチ入力でないと判断された場合(ステップS7においてNO)、プロセッサ11は、ステップS9において、矩形領域の設定を解除する。
【0043】
プロセッサ11は、グラフ領域に対する操作を受け付けていないと判断された場合(ステップS6においてNO)、ステップS10において、当該タッチ入力が矩形領域外に対するタッチ入力を受け付けたか否かを判断する。矩形領域外に対するタッチ入力であると判断された場合(ステップS10においてYES)、プロセッサ11は、当該タッチ入力の入力位置に応じた処理を実行する。矩形領域外に対するタッチ入力でないと判断された場合(ステップS10においてNO)、プロセッサ11は、処理をステップS6に進める。
【0044】
<変形例>
(1)拡大対象は、グラフ領域に限定されない。グラフ領域外に対しても上述した拡大表示の処理を適用してもよい。すなわち、上述した3回のタッチ入力をタッチパネル21が受け付けることにより、ディスプレイ22に表示されている画像のうち最初の2回のタッチ入力で指定された選択範囲を拡大表示するように、コントローラ10を構成してもよい。
【0045】
(2)上記においては、2回のタッチ入力により矩形領域を設定したが、これに限定されるものではない。たとえば、コントローラ10は、1回目のタッチ入力の入力位置と2回目のタッチ入力の入力位置を結ぶ線分を直径とする円領域を設定してもよい。
【0046】
(3)上記においては、グラフ領域における矩形領域R外の任意の位置がタッチされると、図4の状態(E)に示されるように、矩形領域Rの設定を解除する構成について説明した。しかしながら、これに限定されるものではない。コントローラ10は、グラフ領域外であっても、オブジェクト画像群81とオブジェクト画像82,83との表示領域を除く任意の位置がタッチされると、矩形領域Rの設定を解除してもよい。
【0047】
(4)上記においては、コントローラ10は、矩形領域Rを可視化するために、矩形領域Rを透過画像として背景画像である画像G1に重畳させた画像G2をディスプレイ22にさせた。しかしながら、矩形領域Rの表示は必須ではない。この場合、第3のタッチ入力を受け付けたときに表示されている画像G2は画像G1と同じ画像となるため、コントローラ10は、第3のタッチ入力の入力位置が所定の条件を満たしているときに、ディスプレイ22に表示させる画像を画像G1から画像G3に切り換える構成であるとも言える。
【0048】
(5)上記においては、コントローラ10は、3回目のタッチ入力の入力位置P3が矩形領域Rに含まれることを条件に、ディスプレイ22に表示させる画像を画像G2から、矩形領域R内の画像を拡大した画像を含む画像G3に切り換えた。しかしながら、3回目のタッチ入力の入力位置は、矩形領域R外の特定の領域であってもよい。
【0049】
たとえば、コントローラ10は、少なくとも画像G2において、「拡大」を指示するオブジェクト画像をディスプレイ22に表示させる。コントローラ10は、3回目のタッチ入力の入力位置P3が「拡大」を指示するオブジェクト画像(図示せず)の表示領域に含まれること(すなわち、第3のタッチ入力が当該オブジェクト画像の選択操作であること)を条件に、ディスプレイ22に表示させる画像を画像G2から画像G3に切り換えてもよい。
【0050】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0051】
1 血液浄化装置、10 コントローラ、11 プロセッサ、12 メモリ、13 リアルタイムクロック、20 タッチスクリーン、21 タッチパネル、22 ディスプレイ、30 圧力計、40 ポンプ、71,72 グラフ、81 オブジェクト画像群、82,83 オブジェクト画像、G1,G2,G3 画像、P1,P2,P3,P4 入力位置、R 矩形領域。
図1
図2
図3
図4
図5