(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093203
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】防音ボックス
(51)【国際特許分類】
F01N 1/14 20060101AFI20230627BHJP
F01N 1/00 20060101ALI20230627BHJP
F01N 1/24 20060101ALI20230627BHJP
F01N 5/04 20060101ALI20230627BHJP
F02B 77/13 20060101ALI20230627BHJP
F02B 63/04 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
F01N1/14
F01N1/00 F
F01N1/24 E
F01N5/04 C
F02B77/13 P
F02B63/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208687
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000199979
【氏名又は名称】川上産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(74)【代理人】
【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】川上 裕次郎
(72)【発明者】
【氏名】菊地 克弥
(72)【発明者】
【氏名】新木 正
(72)【発明者】
【氏名】田島 琢己
【テーマコード(参考)】
3G004
【Fターム(参考)】
3G004AA07
3G004BA01
3G004CA13
3G004DA09
3G004FA01
(57)【要約】
【課題】空気導入用又は空気排出用ファン等の電力消費設備に依存することなく、発電機から排出される高温の排気ガスが内部に過剰に充満し難く構成された防音ボックスを提供する。
【解決手段】ボックス本体Kの収容空間Sにエンジンによって駆動される可搬式の発電機Gを収容し得るようにした防音ボックスであり、第二の空間部分s2に、温度上昇を抑制し得る温度上昇抑制手段Nが配設されている。温度上昇抑制手段Nは、内部に排気ガスが通過し得る排気ガス通路twを備え、排気ガスを排出し得る先端開口部n2を有し、先端開口部n2がボックス本体Kの排気導出孔Jの近傍に位置するように設定されている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁とこの底壁の周縁部から立設された周壁とこの周壁の上部に配設された天壁とを有したボックス本体を備えたものであり、このボックス本体の収容空間にエンジンによって駆動される可搬式の発電機を収容し得るようにした防音ボックスであって、
前記収容空間を構成し前記発電機の空気吸入部が臨む第一の空間部分と前記収容空間を構成し前記発電機の排気ガス排出部が臨む第二の空間部分とを隔て得るように隔壁が設けられたものであり、
前記第二の空間部分を臨む前記周壁に、前記排気ガス排出部から排出された排気ガスを外部空間に排出し得る排気導出孔が設けられたものであり、
前記第二の空間部分に、当該第二の空間部分の温度上昇を抑制し得る温度上昇抑制手段が配設されたものであり、
当該温度上昇抑制手段が、内部に前記排気ガスが通過し得る排気ガス通路を備えたものであり、前記排気ガスを前記排気ガス通路内に導入し得るように前記排気ガス排出部に接続された基端接続部を有するとともに前記排気ガス通路を通過した前記排気ガスを排出し得る先端開口部を有するものであり、
前記先端開口部が、前記排気導出孔の近傍に位置するように設定されている防音ボックス。
【請求項2】
前記温度上昇抑制手段が、前記排気ガス排出部に生じ得る騒音を抑制するための排気サイレンサーを備えている請求項1記載の防音ボックス。
【請求項3】
前記温度上昇抑制手段が、前記先端開口部から排出される前記排気ガスの流動を促進させる流動促進機構を備えている請求項1又は2記載の防音ボックス。
【請求項4】
前記温度上昇抑制手段が、上流側に前記排気ガス排出部に生じ得る騒音を抑制するための排気サイレンサーを備えているとともに下流側に前記先端開口部から排出される前記排気ガスの流動を促進させる流動促進機構を備えたものであり、これら排気サイレンサー及び流動促進機構における各軸心に合致させて前記排気ガス通路が設けられている請求項1記載の防音ボックス。
【請求項5】
前記ボックス本体が、上向きに開放された下ボックス構成部と、下向きに開放され前記下ボックス構成部に支持された上ボックス構成部とを備えてなるものであり、
前記下ボックス構成部が、矩形状をなし前記発電機が載置される前記底壁と、前記周壁の一部を構成し前記底壁の周縁部から一体的に立設された下周壁とを備えたものであり、
前記上ボックス構成部が、前記底壁と略同じ大きさをなす前記天壁と、前記周壁の一部を構成し前記天壁の周縁部から一体的に垂設され下端縁が前記下周壁の上端縁に突き合わされる上周壁とを備えたものである請求項1、2、3又は4記載の防音ボックス。
【請求項6】
前記下ボックス構成部における前記下周壁の一端部と前記上ボックス構成部における前記上周壁の一端部とがヒンジを介して連結されたものであり、
前記下ボックス構成部及び前記上ボックス構成部のそれぞれが開放された開き姿勢を採り得るように構成されている請求項5記載の防音ボックス。
【請求項7】
前記第一の空間部分を臨む前記周壁に、外部空間と前記第一の空間部分との間を連通し得る外部空気導入孔が設けられている請求項1、2、3、4、5又は6記載の防音ボックス。
【請求項8】
前記底壁、前記周壁、前記天壁、及び、前記隔壁が、プラスチック製軽量剛性板を含んで構成されたものである請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の防音ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型発電機の騒音を抑制する防音ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、小型発電機の騒音を抑制するための種々の防音ボックスが開発されている。
【0003】
小型発電機は、ガソリンを燃焼させることによりエンジンを稼働させて発電するものであるため、必然的に高温の排気ガスが所定の方向に吹き出されるものとなっている。
【0004】
従来の防音ボックスには、排気ガスの外部への吹き出しを阻止するための進行防御壁が設けられている。進行防御壁によって吹き出し方向への進行が阻止された排気ガスは、所定の排気ガス流通路を通過した上で、外部に排出されるように構成されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0005】
しかしながら、かかる構成の防音ボックスでは、排気ガスが、所定の排気ガス流通路を適切に流通することができず、外部に円滑に排出され難いものとなっていた。
【0006】
そのため、従来の防音ボックスでは、高温の排気ガスが充満することに起因して内部空間が過剰に加熱されてしまい、例えば、手による持ち運びができなかったり、防音ボックスを構成する壁体等が破壊されてしまったり、又は、変形してしまったりする等の種々の不具合が生じ得るものとなっていた。
【0007】
なお、防音ボックスに、空気導入用又は空気排出用ファン等の電力消費設備を付加的に設けた場合には、高温の排気ガスが外部に好適に排出され得るものとなることは明らかである。しかしながら、防音ボックスに対して空気導入用又は空気排出用ファン等の電力消費設備を設けた場合には、発電機の電力を浪費する点において本来的に好ましいものではなく、これに加えて、防音ボックス全体が重くなり過ぎてしまい持ち運びを柔軟にできなくなるという別の問題が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたものであり、少なくとも、空気導入用又は空気排出用ファン等の電力消費設備に依存することなく、発電機から排出される高温の排気ガスが内部に過剰に充満し難く構成された防音ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0011】
請求項1に記載の発明は底壁とこの底壁の周縁部から立設された周壁とこの周壁の上部に配設された天壁とを有したボックス本体を備えたものであり、このボックス本体の収容空間にエンジンによって駆動される可搬式の発電機を収容し得るようにした防音ボックスであって、前記収容空間を構成し前記発電機の空気吸入部が臨む第一の空間部分と前記収容空間を構成し前記発電機の排気ガス排出部が臨む第二の空間部分とを隔て得るように隔壁が設けられたものであり、前記第二の空間部分を臨む前記周壁に、前記排気ガス排出部から排出された排気ガスを外部空間に排出し得る排気導出孔が設けられたものであり、前記第二の空間部分に、当該第二の空間部分の温度上昇を抑制し得る温度上昇抑制手段が配設されたものであり、当該温度上昇抑制手段が、内部に前記排気ガスが通過し得る排気ガス通路を備えたものであり、前記排気ガスを前記排気ガス通路内に導入し得るように前記排気ガス排出部に接続された基端接続部を有するとともに前記排気ガス通路を通過した前記排気ガスを排出し得る先端開口部を有するものであり、前記先端開口部が、前記排気導出孔の近傍に位置するように設定されている防音ボックスである。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記温度上昇抑制手段が、前記排気ガス排出部に生じ得る騒音を抑制するための排気サイレンサーを備えている請求項1記載の防音ボックスである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記温度上昇抑制手段が、前記先端開口部から排出される前記排気ガスの流動を促進させる流動促進機構を備えている請求項1又は2記載の防音ボックスである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記温度上昇抑制手段が、上流側に前記排気ガス排出部に生じ得る騒音を抑制するための排気サイレンサーを備えているとともに下流側に前記先端開口部から排出される前記排気ガスの流動を促進させる流動促進機構を備えたものであり、これら排気サイレンサー及び流動促進機構における各軸心に合致させて前記排気ガス通路が設けられている請求項1記載の防音ボックスである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記ボックス本体が、上向きに開放された下ボックス構成部と、下向きに開放され前記下ボックス構成部に支持された上ボックス構成部とを備えてなるものであり、前記下ボックス構成部が、矩形状をなし前記発電機が載置される前記底壁と、前記周壁の一部を構成し前記底壁の周縁部から一体的に立設された下周壁とを備えたものであり、前記上ボックス構成部が、前記底壁と略同じ大きさをなす前記天壁と、前記周壁の一部を構成し前記天壁の周縁部から一体的に垂設され下端縁が前記下周壁の上端縁に突き合わされる上周壁とを備えたものである請求項1、2、3又は4記載の防音ボックスである。
【0016】
請求項6に記載の発明は、前記下ボックス構成部における前記下周壁の一端部と前記上ボックス構成部における前記上周壁の一端部とがヒンジを介して連結されたものであり、前記下ボックス構成部及び前記上ボックス構成部のそれぞれが開放された開き姿勢を採り得るように構成されている請求項5記載の防音ボックスである。
【0017】
請求項7に記載の発明は、前記第一の空間部分を臨む前記周壁に、外部空間と前記第一の空間部分との間を連通し得る外部空気導入孔が設けられている請求項1、2、3、4、5又は6記載の防音ボックスである。
【0018】
請求項8に記載の発明は、前記底壁、前記周壁、前記天壁、及び、前記隔壁が、プラスチック製軽量剛性板を含んで構成されたものである請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の防音ボックスである。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、空気導入用又は空気排出用ファン等の電力消費設備に依存することなく、発電機から排出される高温の排気ガスが内部に過剰に充満し難く構成された防音ボックスを提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図9】
図5におけるZ-Z線に対応する模式的な端面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を、
図1~9を参照して説明する。
【0022】
この実施形態は、本発明を、主として屋外において用いられる可搬式の防音ボックスに適用したものである。
【0023】
防音ボックスは、底壁1と、底壁1の周縁部から立設された周壁Eと、周壁Eの上部に配設された天壁5とを有したボックス本体Kを備えたものである。防音ボックスは、ボックス本体Kの内部すなわち収容空間Sにエンジンによって駆動される可搬式の発電機Gを収容し得るように構成されている。
【0024】
発電機Gは、ガソリンを燃焼させることによりエンジンを稼働させて発電できるようにした既知の構成のものである。そのため、発電機Gについては詳細な説明を省略するとともに図中では模式化したものを示すものとする。この実施形態の防音ボックスには、前端部側に空気吸入部g1が設けられているとともに後端部側に排気ガス排出部g2が設けられている発電機Gが適用されている。なお、排気ガス排出部g2に隣接する位置には、図示しない内部ファンによりエンジンを冷却した後の暖気が排出される暖気排出部g4が設けられている。
【0025】
防音ボックスは、収容空間Sを構成し発電機Gの空気吸入部g1が臨む第一の空間部分s1と収容空間Sを構成し発電機Gの排気ガス排出部g2が臨む第二の空間部分s2とを隔て得るように隔壁Cが設けられている。
【0026】
なお、底壁1、周壁E、天壁5、及び、隔壁Cは、耐熱性や防音性に優れた種々の材質のものを適用することができる。底壁1、周壁E、天壁5、及び、隔壁Cは、一定以上の剛性を確保しつつ軽量化に資する材質のものとして、例えば、プラスチック製軽量剛性板を含んで構成することができるようになっている。
【0027】
この実施形態の防音ボックスは、第二の空間部分s2を臨む周壁Eの後壁3に、発電機Gの排気ガス排出部g2から排出された排気ガスを外部空間に排出し得る排気導出孔Jが設けられている。そして、第二の空間部分s2に、当該第二の空間部分s2の温度上昇を抑制し得る温度上昇抑制手段Nが配設されている。
【0028】
以下、本実施形態における防音ボックスについて詳述する。
【0029】
<<防音ボックス本体K>>
防音ボックス本体Kは、上向きに開放された下ボックス構成部Aと、下向きに開放され下ボックス構成部Aに支持された上ボックス構成部Dとを備えたトランクボックス状のものである。
【0030】
防音ボックス本体Kは、下ボックス構成部A及び上ボックス構成部Dにより形成された内部の収容空間Sに、エンジンによって駆動される可搬式の発電機Gを収容し得るようにしたものである。
【0031】
防音ボックス本体Kは、上ボックス構成部Dが下ボックス構成部Aに支持されて収容空間Sが閉じられている基本姿勢(L)と、下ボックス構成部A及び上ボックス構成部Dのそれぞれが地面等の載置面に載置され内部空間が開放された開き姿勢(M)を採り得るように構成されている。
【0032】
防音ボックス本体Kの収容空間Sは、隔壁Cによって前側に位置する第一の空間部分s1と後側に位置する第二の空間部分s2に隔てられている。すなわち、基本姿勢(L)において防音ボックス本体Kの収容空間Sは、隔壁C及び隙間を閉塞し得る補助隔壁CHによって、発電機Gの空気吸入部g1やガソリンタンク(図示せず)が位置する空間部分である第一の空間部分s1と、発電機Gの排気ガス排出部g2が位置する空間部分である第二の空間部分s2とを略隙間なく仕切ることができるようになっている。
【0033】
まずは、防音ボックス本体Kを構成する下ボックス構成部Aについて説明する。
【0034】
<<下ボックス構成部A>>
下ボックス構成部Aは、矩形状すなわち前後方向に長手をなす長方形状をなし発電機Gが載置される底壁1と、周壁Eの一部を構成し底壁1の周縁部すなわち前縁、後縁、及び、左右の側縁から一体的に立設された下周壁Bと、収容空間Sを構成し発電機Gの空気吸入部g1が位置する第一の空間部分s1と収容空間Sを構成し発電機Gの排気ガス排出部g2が位置する第二の空間部分s2とを隔て得るように底壁1における前後方向中間部に立設された隔壁Cを備えたものである。
【0035】
<底壁1>
底壁1は、発電機Gの下に位置する矩形板状をなしたものである。底壁1は、一定の剛性を備えた板状のものであり、例えば、プラスチック製中空板を単数又は複数枚を積層させたものを適用することができるようになっている。
【0036】
すなわち、底壁1は、例えば、特許第6478471号等に開示された吸音機能を備えたプラスチック製中空板(気泡ボード)が適用され得るものとなっている。なお、他の壁である、周壁E、天壁5、隔壁C、及び、支持壁Wも同様に、吸音機能を備えたプラスチック製中空板(気泡ボード)が適用され得るものとなっている。
【0037】
底壁1には、発電機Gの下端部に設けられた図示しない脚を回避するためのずれ止め用嵌合孔11が形成されるようになっている。
【0038】
発電機Gは、図示しないベルト等の緊締手段により底壁1に対して締結されるようになっている。底壁1には、必要に応じて、ベルト等の緊締手段を位置決めするための図示しない切欠孔や切欠部が形成されるようになっている。
【0039】
なお、底壁1の構成は、適宜の態様のものを採り得ることは言うまでもなく、例えば、複数枚のプラスチック製中空板の間に板状をなす断熱性発泡材や防振シートやグラスウール材等を介設してもよいし、プラスチック製中空板に代えて断熱性発泡材や防振シートやグラスウール材等を適用してもよい。
【0040】
また、底壁1には、上記したものとは別個の吸音材や緩衝材や断熱材や発電機Gに係り合う位置決め部材を配してもよいのはもちろんのことである。
【0041】
底壁1における後部の内面は、発電機Gの排気ガス排出部g2から排出される排気ガスにより高温になりやすい第二の空間部分s2を臨む部位をなしているため、内面側の表面にアルミラミネートを施してもよい。
【0042】
底壁1の後部には、隔壁Cが立設されている。隔壁Cについては、後で詳述する。
【0043】
<下周壁B>
下周壁Bは、周壁Eの下部を構成するものである。下周壁Bは、底壁1の前縁から当該底壁1に対して直交する上方に延びてなる下前壁部21と、底壁1の後縁から当該底壁1に対して直交する上方に延びてなる下後壁部31と、底壁1における左右の側縁から当該底壁1に対して直交する上方に延びてなる左右の下側壁部41を備えたものである。
【0044】
<下前壁部21(下周壁B)>
下前壁部21は、前壁2を構成するものであり、発電機Gの前に位置する矩形板状をなしたものである。下前壁部21は、一定の剛性を備えた板状のものであり、例えば、プラスチック製中空板を単数又は複数枚を積層させたものを適用することができるようになっている。なお、下前壁部21の構成は、適宜の態様のものを採り得ることは言うまでもない。
【0045】
下ボックス構成部Aの下前壁部21には、左右方向中央部に発電機Gにより得られる電気を使用するために、発電機Gに接続した図示しない電源コード等の配線を引き出し可能な配線引き出し孔Pが設けられている。
【0046】
<下後壁部31(下周壁B)>
下後壁部31は、後壁3を構成するものであり、発電機Gの後に位置する矩形板状をなしたものである。下後壁部31は、一定の剛性を備えた板状のものであり、例えば、プラスチック製中空板を単数又は複数枚を積層させたものを適用することができるようになっている。なお、下後壁部31の構成は、適宜の態様のものを採り得ることは言うまでもない。
【0047】
下後壁部31の内面は、発電機Gの排気ガス排出部g2から排出される排気ガスにより高温になりやすい第二の空間部分s2を臨む部位をなしているため、内面側の表面にアルミラミネートを施してもよい。
【0048】
<下側壁部41(下周壁B)>
下側壁部41は、側壁4を構成するものであり、発電機Gの左右両側部に位置する矩形板状をなしたものである。下側壁部41は、一定の剛性を備えた板状のものであり、例えば、プラスチック製中空板を単数又は複数枚を積層させたものを適用することができるようになっている。なお、下側壁部41の構成は、適宜の態様のものを採り得ることは言うまでもない。
【0049】
下側壁部41は、発電機Gの排気ガス排出部g2から排出される排気ガスにより高温になりやすい第二の空間部分s2を臨む部位を有しているため、その部位の内面側の表面にアルミラミネートを施してもよい。
【0050】
上述した底壁1、下前壁部21、下後壁部31、及び、下側壁部41は、連結部材であるアルミフレームIを用いて一体化されたものになっている。
【0051】
<隔壁C>
隔壁Cは、発電機Gの空気吸入部g1が位置する空間である第一の空間部分s1と発電機Gの排気ガス排出部g2が位置する空間である第二の空間部分s2とを仕切り得る主体となるように上下方向に延びてなる壁状をなしている。
【0052】
隔壁Cは、底壁1に載置される発電機Gにおける排気ガス排出部g2、及び、エンジンを冷却した後の暖気を排出する暖気排出部g4を避けるようにして立設されている。
【0053】
より具体的に言えば、隔壁Cは、上下方向及び左右方向中央部に略矩形状をなす連通孔c1が形成されている。そして、発電機Gの排気ガス排出部g2及び暖気排出部g4は、隔壁Cの連通孔c1を通じて第二の空間部分s2を臨み得るように構成されている。
【0054】
隔壁Cの連通孔c1における発電機G側の周縁部には、隔壁Cと発電機Gとの間に隙間を形成しないようにするためのクッション性を有したシール材SLが設けられている。
【0055】
なお、隔壁Cの左右両側部は、底壁1に立設された左右の支持壁Wに接続している。左右の支持壁Wは、隔壁Cと略直交する方向すなわち前後方向に延びている。左右の支持壁Wは、ダンパーヒンジHを介して開閉動作する上ボックス構成部Dとの干渉を避けることができるように、扇状の形態をなしている。
【0056】
隔壁Cの左右両側部は、左右の支持壁Wの前端部に接続されている。隔壁Cは、左右の支持壁Wに支持されて、発電機G側に若干前傾した姿勢に保持されている。なお、隔壁Cが発電機G側に前傾しているのは、隔壁Cの連通孔c1に対して、発電機Gの排気ガス排出部g2及び暖気排出部g4を適切に位置させるためである。
【0057】
隔壁Cや支持壁Wは、一定の剛性を備えた板状のものであり、例えば、プラスチック製中空板を単数又は複数枚を積層させたものを適用することができるようになっている。
【0058】
なお、隔壁Cや支持壁Wの構成は、適宜の態様のものを採り得ることは言うまでもなく、例えば、複数枚のプラスチック製中空板の間に板状をなす断熱性発泡材や防振シートやグラスウール材等を介設してもよいし、プラスチック製中空板に代えて断熱性発泡材や防振シートやグラスウール材等を適用してもよい。
【0059】
また、隔壁Cや支持壁Wには、上記したものとは別個の吸音材や緩衝材や断熱材や発電機Gに係り合う位置決め部材を配してもよいのはもちろんのことである。
【0060】
隔壁C及び支持壁Wは、発電機Gの排気ガス排出部g2から排出される排気ガスにより高温になりやすい第二の空間部分s2を臨む部位を有しているため、その部位の内面側の表面にアルミラミネートを施してもよい。
【0061】
なお、防音ボックス本体Kは、基本姿勢(L)を採る場合に、隔壁Cと天壁5との間に断熱性発泡材により構成されクッション性を有した補助隔壁CHが介設されるようになっている。
【0062】
補助隔壁CHは、隔壁Cの上端縁と天壁5の下面との間に介在することにより、隙間の発生を可及的に抑制し得るものとなるため、第一の空間部分s1と第二の空間部分s2とを好適に隔てることができるようになっている。なお、この実施形態では、補助隔壁CHは、天壁5の下面に取り付けられている。
【0063】
次に、防音ボックスを構成する上ボックス構成部Dについて説明する。なお、上ボックス構成部Dは、下向きボックス状をなしたものであり、下ボックス構成部Aを閉塞し得る上蓋として機能し得るものとなっている。
【0064】
<<上ボックス構成部D>>
上ボックス構成部Dは、矩形状すなわち前後方向に長手をなす長方形状をなし底壁1と略同じ大きさをなす天壁5と、周壁Eの一部を構成し天壁5の周縁部すなわち前縁、後縁、及び、左右の側縁から一体的に垂設され下端縁feが下周壁Bの上端縁beに突き合わされる上周壁Fを備えたものである。
【0065】
<天壁5>
天壁5は、発電機Gの上に位置する矩形板状をなしたものである。天壁5は、一定の剛性を備えた板状のものであり、例えば、プラスチック製中空板を単数又は複数枚を積層させたものを適用することができるようになっている。なお、天壁5の構成は、適宜の態様のものを採り得ることは言うまでもない。
【0066】
天壁5には、左右方向及び前後方向の略中央部に、防音ボックスを移動する際に使用される取手Tが設けられている。
【0067】
天壁5の下面には、断熱性発泡材により作られたものであり隔壁Cと協働し第一の空間部分s1と第二の空間部分s2とを隔てるための補助隔壁CHが設けられている。
【0068】
<上周壁F>
上周壁Fは、周壁Eの上部を構成するものである。上周壁Fは、天壁5の前縁から当該天壁5に対して直交する下方に延びてなる上前壁部22と、天壁5の後縁から当該天壁5に対して直交する下方に延びてなる上後壁部32と、天壁5における左右の側縁から当該天壁5に対して直交する上方に延びてなる左右の上側壁部42を備えたものである。
【0069】
<上前壁部22(上周壁F)>
上前壁部22は、前壁2を構成するものであり、発電機Gの前に位置する矩形板状をなしたものである。上前壁部22は、一定の剛性を備えた板状のものであり、例えば、プラスチック製中空板を単数又は複数枚を積層させたものを適用することができるようになっている。なお、上前壁部22の構成は、適宜の態様のものを採り得ることは言うまでもない。
【0070】
<上後壁部32(上周壁F)>
上後壁部32は、後壁3を構成するものであり、発電機Gの後に位置する矩形板状をなしたものである。上後壁部32は、一定の剛性を備えた板状のものであり、例えば、プラスチック製中空板を単数又は複数枚を積層させたものを適用することができるようになっている。なお、上後壁部32の構成は、適宜の態様のものを採り得ることは言うまでもない。
【0071】
上後壁部32の内面は、発電機Gの排気ガス排出部g2から排出される排気ガスにより高温になりやすい第二の空間部分s2を臨む部位をなしているため、内面側の表面にアルミラミネートを施してもよい。
【0072】
上後壁部32の左右方向中央部には、発電機Gの排気ガス排出部g2から排出された排気ガスを外部空間に排出し得る排気導出孔Jが設けられている。排気導出孔Jは、略矩形状をなしたものである。
【0073】
<上側壁部42(上周壁F)>
上側壁部42は、発電機Gの左右両側部に位置する矩形板状をなしたものである。上側壁部42は、一定の剛性を備えた板状のものであり、例えば、プラスチック製中空板を単数又は複数枚を積層させたものを適用することができるようになっている。なお、上側壁部42の構成は、適宜の態様のものを採り得ることは言うまでもない。
【0074】
上側壁部42は、発電機Gの排気ガス排出部g2から排出される排気ガスにより高温になりやすい第二の空間部分s2を臨む部位を有しているため、その部位の内面側の表面にアルミラミネートを施してもよい。
【0075】
上側壁部42における第一の空間部分s1を臨む部分には、外部空間の空気を内部に導入するための外部空気導入孔Uが設けられている。外部空気導入孔Uは、略矩形状をなしたものであり、左右の上側壁部42のそれぞれに設けられている。
【0076】
上述した天壁5、上前壁部22、上後壁部32、及び、上側壁部42は、連結部材であるアルミフレームIを用いて一体化されたものになっている。
【0077】
下ボックス構成部Aにおける下周壁Bの一端部すなわち下前壁部21の上端部と、上ボックス構成部Dにおける上周壁Fの一端部すなわち上前壁部22の下端部とが、ヒンジたるダンパーヒンジHを介して連結されている。換言すれば、上ボックス構成部Dは、収容空間Sを開閉することができるように下ボックス構成部Aに対して回転可能に支持されている。
【0078】
また、この実施形態のボックス本体Kは、
図2に示すように、発電機Gのセッティング作業を行い易くするために、下ボックス構成部A及び上ボックス構成部Dのそれぞれが上側ないし前側に開放された開き姿勢(M)を採り得るように構成されている。
【0079】
なお、防音ボックスの上ボックス構成部Dは、基本姿勢(L)において、下ボックス構成部Aに対して錠により固定され得るようになっている。
【0080】
<<温度上昇抑制手段N>>
温度上昇抑制手段Nは、軸心jsを合致させて径の異なる複数の円筒部材を連結させてなるものである。温度上昇抑制手段Nは、内部に排気ガスが通過し得る排気ガス通路twを備えている。温度上昇抑制手段Nは、発電機Gに取り付けられ、ボックス本体Kにおける第二の空間部分s2に配設されたものとなっている。
【0081】
温度上昇抑制手段Nは、発電機Gにおける排気ガス排出部g2及び暖気排出部g4の内、第二の空間部分s2の温度上昇に特に影響を及ぼすことになる排気ガス排出部g2に関連させることにより、高温の排気ガスを、排気導出孔Jを通じて積極的に外部に排出し得るように構成したものである。
【0082】
この実施形態では、温度上昇抑制手段Nが、排気ガス排出部g2に生じ得る騒音を抑制するための排気サイレンサーQを備えているとともに先端開口部n2から排出される排気ガスの流動を促進させる流動促進機構Rを備えている。
排気ガス通路twは、排気サイレンサーQ及び流動促進機構Rにおける各軸心jsに合致させて設けられている。
【0083】
温度上昇抑制手段Nは、発電機Gの排気ガスを排気ガス通路tw内に導入し得るように排気ガス排出部g2に接続された基端接続部n1を有するとともに排気ガス通路twを通過した排気ガスを排出し得る先端開口部n2を有するものである。
【0084】
基端接続部n1は、円筒状をなす金属製の基端パイプ材v1に設けられている。基端接続部n1は、発電機Gに形成された排気ガス排出部g2に内嵌し得る大きさに設定されている。
【0085】
先端開口部n2は、円筒状をなす金属製の先端パイプ材v2に設けられている。先端開口部n2は、ボックス本体Kにおける排気導出孔Jの近傍に位置するように設定されている。
【0086】
なお、発電機Gから排出された高温の排気ガスが第二の空間部分s2に滞留し難いようにするために、先端開口部n2は、排気導出孔Jに対して10cm以下の離間距離に位置させることが望ましい。本実施形態では、温度上昇抑制手段Nの先端開口部n2は、防音ボックスKの排気導出孔Jに対して5cm以下の離間距離に位置するように設定されている。
【0087】
<排気サイレンサーQ>
排気サイレンサーQは、前後方向に延びてなる基端パイプ材v1の後部に軸心jsを合致させて連結された金属製のケース体q1と、ケース体q1の内部に配設された不燃性繊維材たるグラスウールq2とを備えたものである。
【0088】
ケース体q1は、基端パイプ材v1よりも大径をなし前後方向に延びてなる円筒部q11と、円筒部q11における前端部に設けられ基端パイプ材v1よりも外に位置する部分を閉塞する前端面部q12と、円筒部q11における後端部に設けられ中間パイプ材v3よりも外に位置する部分を閉塞する後端面部q13とを備えたものである。なお、ケース体q1の内部には、基端パイプ材v1と中間パイプ材v3とを繋ぐコイルスプリング材q3が配設されている。
【0089】
<流動促進手段R>
流動促進手段Rは、排気サイレンサーQよりも下流側に配設されている。
【0090】
流動促進機構Rは、ケース体q1よりも小径をなし当該ケース体q1の後部に軸心jsを合致させて連結された中間パイプ材v3と、中間パイプ材v3よりも大径をなし当該中間パイプ材v3の後部に軸心jsを合致させて配設された先端パイプ材v2と、中間パイプ材v3の先端側部分と先端パイプ材v2の後端側部分との間に空気流通路rtを形成しつつ当該中間パイプ材v3及び先端パイプ材v2を連結する連結機構たるねじ部材njを備えたものである。
【0091】
先端パイプ材v2の先端開口部n2は、中間パイプ材v3の先端開口部v31よりも下流側に位置するように設定されている。また、先端パイプ材v2の後端開口部v21は、第二の空間部分s2に開放されたものとなっている。
【0092】
流動促進手段Rは、排気ガス通路twを流通する排気ガスの進行方向に合わせて第二の空間部分s2の空気を後端開口部v21から空気流通路rtを通じて先端開口部n2に流通させることができるようになっている。これにより、排気ガスの流通が空気流通路rtを流通する空気に助勢されることになり、排気ガスが先端開口部n2を通じて外部に排出されやすいものとなっている。
【0093】
以上説明したように、本実施形態に係る防音ボックスは、底壁1と底壁1の周縁部から立設された周壁Eと周壁Eの上部に配設された天壁5とを有したボックス本体Kを備えたものである。
【0094】
そして、ボックス本体Kの収容空間Sにエンジンによって駆動される可搬式の発電機Gを収容し得るようにしたものである。防音ボックスは、収容空間Sを構成し発電機Gの空気吸入部g1が臨む第一の空間部分s1と収容空間Sを構成し発電機Gの排気ガス排出部g2が臨む第二の空間部分s2とを隔て得るように隔壁Cが設けられたものである。
【0095】
そして、第二の空間部分s2を臨む周壁Eに、排気ガス排出部g2から排出された排気ガスを外部空間に排出し得る排気導出孔Jが設けられたものであり、第二の空間部分s2に、当該第二の空間部分s2の温度上昇を抑制し得る温度上昇抑制手段Nが配設されている。
【0096】
しかして、温度上昇抑制手段Nが、内部に排気ガスが通過し得る排気ガス通路twを備えたものであり、排気ガスを排気ガス通路tw内に導入し得るように排気ガス排出部g2に接続された基端接続部n1を有するとともに排気ガス通路twを通過した排気ガスを排出し得る先端開口部n2を有するものであり、先端開口部n2が、排気導出孔Jの近傍に位置するように設定されている。
【0097】
このため、本実施形態であれば、空気導入用又は空気排出用ファン等の電力消費設備に依存することなく、すなわち、空気導入用又は空気排出用ファン等の電力消費設備を設けることなく、発電機Gから排出される高温の排気ガスが内部に過剰に充満し難く構成された防音ボックスを提供することができるものとなる。
【0098】
つまり、温度上昇抑制手段Nの先端開口部n2が防音ボックス本体Kに設けられた排気導出孔Jの近傍に位置するため、極めて高温になる排気ガスが防音ボックス本体K内に滞留することを可及的に避けることができるようになっている。
【0099】
温度上昇抑制手段Nが、排気ガス排出部g2に生じ得る騒音を抑制するための排気サイレンサーQを備えている。
【0100】
このため、先端開口部n2が排気導出孔Jの近傍に位置するものであっても、防音ボックスの本来的な目的、すなわち、発電機Gによって生ずる騒音を適切に防ぐという目的を損なわないものとなっている。
【0101】
温度上昇抑制手段Nが、先端開口部n2から排出される排気ガスの流動を促進させる流動促進機構Rを備えている。
【0102】
このため、高温の排気ガスが排気導出孔Jから外部に排出されることが促されることになり、防音ボックスにおける内部空間の高温化を好適に抑制し得るものとなっている。
【0103】
温度上昇抑制手段Nが、排気サイレンサーQ及び流動促進機構Rにおける各軸心jsに合致させて排気ガス通路twが設けられている。
【0104】
このため、騒音の抑制及び排気ガスの外部への流通を促進しつつ、防音ボックスにおける内部空間の高温化を好適に抑制し得るものとなっている。
【0105】
ボックス本体Kが、上向きに開放された下ボックス構成部Aと、下向きに開放され下ボックス構成部Aに支持された上ボックス構成部Dとを備えてなるものである。
【0106】
そして、下ボックス構成部Aが、矩形状をなし発電機Gが載置される底壁1と、周壁Eの一部を構成し底壁1の周縁部から一体的に立設された下周壁Bとを備えたものであり、上ボックス構成部Dが、底壁1と略同じ大きさをなす天壁5と、周壁Eの一部を構成し天壁5の周縁部から一体的に垂設され下端縁feが下周壁Bの上端縁beに突き合わされる上周壁Fとを備えたものである。
【0107】
このため、発電機Gのセッティングを柔軟に実施し得る好適な構成を採り得るものとなっている。
【0108】
下ボックス構成部Aにおける下周壁Bの一端部と上ボックス構成部Dにおける上周壁Fの一端部とがヒンジたるダンパーヒンジHを介して連結されたものであり、下ボックス構成部A及び上ボックス構成部Dのそれぞれが開放された開き姿勢(M)を採り得るように構成されている。
【0109】
このため、上ボックス構成部Dを回転させるだけで収容空間Sが開放された開き姿勢(M)を簡単に採り得るものとなっている。
【0110】
第一の空間部分s1を臨む周壁Eに、外部空間と第一の空間部分s1との間を連通し得る外部空気導入孔Uが設けられている。
【0111】
このため、発電機Gを稼働させるための空気を外部空気導入孔Uを通じて第一の空間部分s1に無理なく導入し得るものとなっている。
【0112】
底壁1、周壁E、天壁5、及び、隔壁Cが、プラスチック製軽量剛性板を含んで構成されたものである。
【0113】
このため、本実施形態の防音ボックスは、持ち運び等に好適である軽量化を実現するための設計の自由度に優れたものとなっている。
【0114】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0115】
ボックス本体は、下ボックス構成部と上ボックス構成部を有したものに限られるものではなく、発電機を収容し得る構成のものであればよい。
【0116】
隔壁は、第一の空間部分と第二の空間部分とを隔て得るように設けられたものであればよく、その具体的な構成は上述した実施形態に示されたものに限られるものではない。
【0117】
排気導出孔は、周壁に設けられたものであればよく、上述した実施形態に示されるような後壁に設けられたものに限られるものではない。
【0118】
温度上昇抑制手段は、排気ガス通路を有し、基端接続部が設けられ、且つ、排気導出孔の近傍に位置する先端開口部が設けられたものであればよく、その具体的な構成は適宜のものと適用することができるものである。
【0119】
例えば、温度上昇抑制手段は、排気サイレンサーや流動促進機構を備えていないものであってもよい。
【0120】
外部空気導入孔は、第一の空間部分を臨む周壁に設けられたものであればよく、上述した実施形態のように左右の側壁に設けられたものに限られるものではない。
【0121】
下ボックス構成部と上ボックス構成部とはヒンジを介して連結されていないものであってもよい。
【0122】
取手は、上ボックス構成部や下ボックス構成部の外面側における適宜の箇所に設けてよいのはもちろんのことである。
【0123】
防音ボックスは、収容された発電機から電気を得られるものであればよく、発電機から生成された電気を供給するための構成はどのようなものであってもよい。例えば、防音ボックスの周壁にコンセントを設けたものであってもよい。
【0124】
ボックス本体を構成する壁材については、吸音機能や断熱機能を発揮し得るものであればどのようなものであってもよい。例えば、上記したグラスウールやガラスクロスの他、ロックウールやその他の不燃性クロスを適用したものであってもよい。
【0125】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0126】
K…ボックス本体
S…収容空間
G…発電機
s1…第一の空間部分
s2…第二の空間部分
C…隔壁
J…排気導出孔
N…温度上昇抑制手段