(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093247
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】警送業務管理システム、作業対象装置、警送業務管理方法及び警送業務管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/31 20130101AFI20230627BHJP
G06Q 10/0832 20230101ALI20230627BHJP
【FI】
G06F21/31
G06Q10/08 304
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208770
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】原口 隆之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 由美
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】警送作業ミスの発生を抑制して警送業務を適切に実施させる警送業務管理システム、作業対象装置、警送業務管理方法及び警送業務管理プログラムを提供する。
【解決手段】作業対象装置200において、警送計画格納部201は、警送員Pの認証情報及び自装置が配置された店舗において警送員Pにより実施される複数の個別警送作業を含む警送作業情報を格納する。認証部203は、警送員Pの認証を行なうための本人確認情報を取得して、本人確認情報と認証情報とを比較して認証を行なう。警送作業管理部202は、認証部203による認証が成功した場合、個別警送作業毎に警送員Pに実施を許可して各個別警送作業を実施させ、警送作業情報に含まれる全ての個別警送作業が終了した場合に、警送作業の完了を警送員Pに通知する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
警送員が実施する警送作業の対象である複数の店舗のそれぞれに配置された複数の作業対象装置を有する警送業務管理システムであって、
前記作業対象装置は、
前記警送員の認証情報、及び、自装置が配置された前記店舗において前記警送員により実施される複数の個別警送作業を含む警送作業情報を格納する第2格納部と、
前記警送員の認証を行なうための本人確認情報を取得して、前記本人確認情報と前記認証情報とを比較して認証を行なう認証部と、
前記認証部による前記認証が成功した場合、前記個別警送作業毎に前記警送員に実施を許可して各前記個別警送作業を実施させ、前記警送作業情報に含まれる全ての前記個別警送作業が終了した場合に、前記警送作業の完了を前記警送員に通知する警送作業管理部と
を備えたことを特徴とする警送業務管理システム。
【請求項2】
前記警送業務管理システムは、前記警送員が所持する携帯端末をさらに有し、
前記携帯端末は、
前記複数の店舗のそれぞれの店舗位置情報を格納する第1格納部と、
前記携帯端末の位置情報を取得して、前記複数の店舗の中の所定の店舗の前記店舗位置情報と比較して、位置が異なる場合に警告を発信する店舗確認部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の警送業務管理システム。
【請求項3】
前記警送作業管理部は、前記警送作業情報に含まれる全ての前記個別警送作業が終了した場合に、前記警送作業の完了を前記携帯端末に通知し、
前記携帯端末は、前記警送作業の完了の通知を受信して、前記複数の店舗の中から前記所定の店舗以外の前記警送作業が未実施の店舗を選択して前記警送員に通知する通知部をさらに備えた
ことを特徴とする請求項2に記載の警送業務管理システム。
【請求項4】
前記警送業務管理システムは、警送業務管理サーバをさらに備え、
前記警送業務管理サーバは、前記認証情報、前記警送作業情報、前記店舗位置情報及び各前記店舗の巡回順の情報を含む警送計画を取得して前記第1格納部及び前記第2格納部に送信する警送計画送信部を備え
前記第1格納部及び前記第2格納部は、前記警送計画送信部から送信された前記警送計画を格納し、
前記通知部は、前記警送計画の中から前記巡回順における次の前記店舗を前記警送作業が未実施の店舗として選択する
ことを特徴とする請求項3に記載の警送業務管理システム。
【請求項5】
前記第2格納部は、自装置が配置された前記店舗以外の他の店舗の情報を格納し、
前記警送作業管理部は、前記警送作業情報に含まれる全ての前記個別警送作業が終了した場合に、前記他の店舗の中から前記警送作業が未実施の店舗を選択して前記警送員に通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の警送業務管理システム。
【請求項6】
前記警送作業管理部は、前記作業対象装置における各前記個別警送作業で使用される警送対象機構を事前にロックしておき、前記警送員から指定された前記個別警送作業で使用される前記警送対象機構のロックを解除することで、前記個別警送作業の実施を許可することを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の警送業務管理システム。
【請求項7】
前記警送作業管理部は、未実施の前記個別警送作業を選択可能に表示装置に表示させ、前記警送員が選択した前記個別警送作業の実施が終了したと判定することを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の警送業務管理システム。
【請求項8】
自装置が配置される自店舗を含む複数の店舗を対象とする警送作業を実施する警送員の認証情報、及び、前記自店舗において前記警送員により実施される複数の個別警送作業を含む警送作業情報を格納する格納部と、
前記警送員の認証を行なうための本人確認情報を取得して、前記本人確認情報と前記認証情報とを比較して認証を行なう認証部と、
前記認証部による前記認証が成功した場合、前記個別警送作業毎に前記警送員に実施を許可して各前記個別警送作業を実施させ、前記警送作業情報に含まれる全ての前記個別警送作業が終了した場合に、前記警送作業の完了を前記警送員に通知する警送作業管理部と
を備えたことを特徴とする作業対象装置。
【請求項9】
警送員が実施する警送作業の対象である複数の店舗のそれぞれに配置された複数の作業対象装置を管理する警送業務管理方法であって、
前記警送員の認証情報、及び、自装置が配置された前記店舗において前記警送員により実施される複数の個別警送作業を含む警送作業情報を格納させ、
前記警送員の認証を行なうための本人確認情報を取得して、前記本人確認情報と前記認証情報とを比較して認証を行なわせ、
前記認証が成功した場合、前記個別警送作業毎に前記警送員に実施を許可して各前記個別警送作業を実施させ、
前記警送作業情報に含まれる全ての前記個別警送作業が終了した場合に、前記警送作業の完了を前記警送員に通知する
処理を前記作業対象装置に実行させることを特徴とする警送業務管理方法。
【請求項10】
警送員が実施する警送作業の対象である複数の店舗のそれぞれに配置された複数の作業対象装置を管理する警送業務管理プログラムであって、
前記警送員の認証情報、及び、自装置が配置された前記店舗において前記警送員により実施される複数の個別警送作業を含む警送作業情報を格納させ、
前記警送員の認証を行なうための本人確認情報を取得して、前記本人確認情報と前記認証情報とを比較して認証を行なわせ、
前記認証が成功した場合、前記個別警送作業毎に前記警送員に実施を許可して各前記個別警送作業を実施させ、
前記警送作業情報に含まれる全ての前記個別警送作業が終了した場合に、前記警送作業の完了を前記警送員に通知する
処理を前記作業対象装置に備えられたコンピュータに実行させることを特徴とする警送業務管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警送業務管理システム、作業対象装置、警送業務管理方法及び警送業務管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、入出金機やATMなどへの現金の回収及び補充、有価証券の回収などの業務は警送会社により実施されている。現金や有価証券などの重要物を、指定地から指定地へ安全に輸送する業務は、警送と呼ばれる。日本では大手運送会社が警送業務の大手であり、銀行等金融機関からの委託を受け、ATMの現金回収・補充業務を行っている。
【0003】
警送会社は、担当する圏内の警送対象となる各店舗について、日毎及び警送車毎に巡回する店舗のリストを作成し、警送作業を実際に行う警送員へリストを配布する。ここで、警送作業とは店舗への移動、対象機械の操作及び輸送などの個別に実施される作業を指し、警送業務は個々の警送作業をまとめた一連の運用を指す。リストを受け取った警送員は、リストにしたがい複数の店舗を1台の警送車で巡回して、各店舗における警送作業を実施する。
【0004】
警送作業で対象とする装置は、機種毎に構造が違うことが一般的である。例えば、ATMや入出金機では、現金を格納するカセットの型が機種毎に異なることが多い。また、店舗で実施する警送作業には、商品券回収、損券損貨回収、現金補充及び現金回収といった多数の種類の作業が存在する。
【0005】
ここで、警送業務に関する技術として、以下のような様々な技術が提案されている。例えば、輸送計画の情報を端末へ送信し、各顧客店舗の識別情報と輸送計画に含まれる警送対象の店舗の情報とを比較して、異なる場合にはその旨を報知する技術がある。また、運営管理センタに配置されたデータベースの回収対象のカード情報及び封入金情報を含む警送計画を更新し、各ATMはデータベースを参照して警送業務の支援を行う技術がある。また、自動読み取り装置がカードを読み取り、読み取ったカードが保守対応係員の物である場合、フロントパネルを開錠可能とする技術がある。また、保守用端末の位置と作業日程データにおける作業位置を比較して、認証できた場合に保守用のプログラムを端末に送信する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-12670号公報
【特許文献2】特開2012-168657号公報
【特許文献3】特開2016-95674号公報
【特許文献4】特開2007-58303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、警送業務では、1台の警送車で複数の店舗を廻るため、以下のような様々な警送作業ミスが発生するおそれがある。1つは、店舗名称が似たような店舗や近場に系列店が存在するなど警送作業の対象とする店舗の誤認が発生し易い状況の場合、警送員が警送作業を行う予定でない店舗に入り警送作業を行ってしまうといった誤入店と呼ばれるミスである。他にも、警送員が実施する警送作業が多岐にわたるため、警送作業の対象とする店舗での警送作業を一部未実施のまま退店してしまう作業漏れと呼ばれるミスがある。このように、単に警送業務を実施した場合、様々な警送作業ミスが発生するおそれがあり、警送業務を適切に実施することが困難となる。
【0008】
また、各顧客店舗の識別情報と輸送計画に含まれる警送対象の店舗の情報とを比較して異なる場合にはその旨を報知する技術では、作業漏れなどのミスに対処することは困難である。また、ATMがデータベースを基に警送業務の支援を行う技術や認証に基づいて開錠する技術やプログラムをダウンロードする技術ではいずれも、誤入店及び作業漏れといったミスに対処することは困難である。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、警送作業ミスの発生を抑制して警送業務を適切に実施させる警送業務管理システム、作業対象装置、警送業務管理方法及び警送業務管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する警送業務管理方法及び警送業務管理プログラムの一つの態様において、警送業務管理システムは、警送員が実施する警送作業の対象である複数の店舗のそれぞれに配置された複数の作業対象装置を有する。前記作業対象装置は、以下の各部を備える。第2格納部と、前記警送員の認証情報、及び、自装置が配置された前記店舗において前記警送員により実施される複数の個別警送作業を含む警送作業情報を格納する。認証部は、前記警送員の認証を行なうための本人確認情報を取得して、前記本人確認情報と前記認証情報とを比較して認証を行なう。警送作業管理部は、前記認証部による前記認証が成功した場合、前記個別警送作業毎に前記警送員に実施を許可して各前記個別警送作業を実施させ、前記警送作業情報に含まれる全ての前記個別警送作業が終了した場合に、前記警送作業の完了を前記警送員に通知する。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面では、本発明は、警送作業ミスの発生を抑制して警送業務を適切に実施させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施例1に係る警送業務管理システムのシステム構成図である。
【
図2】
図2は、警送業務管理サーバのブロック図である。
【
図6】
図6は、警送作業画面の初期画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、個別警送作業完了時の警送作業画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施例1に係る警送作業完了時の警送作業画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施例1に係る警送業務管理システムによる警送業務管理処理のシーケンス図である。
【
図10】
図10は、実施例2に係る警送業務管理システムのシステム構成図である。
【
図11】
図11は、実施例2に係る警送作業完了時の警送作業画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施例2に係る警送業務管理システムによる警送業務管理処理のシーケンス図である。
【
図13】
図13は、コンピュータのハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する警送業務管理システム、作業対象装置、警送業務管理方法及び警送業務管理プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する警送業務管理システム、作業対象装置、警送業務管理方法及び警送業務管理プログラムが限定されるものではない。
【実施例0014】
図1は、実施例1に係る警送業務管理システムのシステム構成図である。
図1に示すように、警送業務管理システム1は、警送業務管理サーバ100、携帯端末装置150及び作業対象装置200が配置される。
【0015】
警送業務管理サーバ100及び携帯端末装置150は、警送会社10が保有する装置である。警送業務管理サーバ100は、例えば、警送会社10の施設に配置される。また、携帯端末装置150は、警送員Pに所持される。そして、警送員Pは、警送車Cを使用して、一点鎖線矢印で示すように店舗21~23を巡回し警送作業を行う。
【0016】
店舗21~23は、警送会社10が警送業務を担当する顧客の施設である。店舗21には、現金機などの作業対象装置200が配置される。また、図示していないが、店舗22及び23にも同様に、作業対象装置200が配置される。
図1に示した店舗21~23は、1回の巡回で警送作業を行う対象であり、警送会社10は、図示しない他の顧客の施設も担当する。1回の巡回では、決められた警送員Pが1台の警送車Cを使用して各店舗21~23を訪問する。店舗21~23では、それぞれが保持する同様の作業対象装置200に対して警送員Pにより警送作業が行われるので、以下の説明では、店舗21~23を区別しない場合、「店舗20」と呼ぶ。
【0017】
次に、警送業務管理サーバ100の詳細について説明する。
図2は、警送業務管理サーバのブロック図である。
図2に示すように、警送業務管理サーバ100は、警送計画格納部101及び警送計画送信部102を有する。
【0018】
警送計画格納部101は、警送計画を作成する警送業務の管理者が使用する管理端末装置400から、
図3に示すような警送計画110の情報の入力を受ける。
図3は、警送計画の一例を示す図である。そして、警送計画格納部101は、取得した警送計画110を格納する。
【0019】
例えば、警送計画110は、
図3に示すように、1回の巡回で警送作業対象とする各店舗20の情報が登録される。各店舗20の情報には、店舗20の名前などの識別情報とともに各店舗20の位置を示す店舗位置情報であるGPS情報が含まれる。ここでは、警送計画110には、先頭から順番に巡回順に店舗20の識別情報が登録される。
【0020】
また、警送計画110には、警送作業を行う警送員Pの情報が登録される。警送員Pの情報には、警送員Pの名前やID(Identifier)などの識別情報とともに生体認証情報などの警送員Pを認証するための認証情報が登録される。認証情報は、QR(Quick Response)コード(登録商標)や、ワンタイムパスワードなどであっても良いし、それやそれら以外の他のパスワードなどを組み合わせたMFA(Multi Factor Authentication)認証用の情報であってもよい。
【0021】
さらに、警送計画110には、警送日及び各店舗20において実行される個別警送作業の種類が登録される。各店舗20では、警送計画110で指定された個別警送作業を含む警送作業が実施される。例えば、
図3の警送計画110には、対象となる個別警送作業として、カセット取り出し、現金補充、商品券回収及び損券回収が登録される。警送計画110にはこれら以外にも他の種類の個別警送作業が登録されてもよい。
図3の警送計画110において丸が付けられている種類の個別警送作業がその店舗20において実施される個別警送作業である。
【0022】
図2に戻って説明を続ける。警送計画送信部102は、警送計画110を警送計画格納部101から取得する。そして、警送計画送信部102は、警送計画110に登録された各店舗20に配置された作業対象装置200及び警送計画110に登録された警送員Pが所持する携帯端末装置150に、警送計画110を送信する。
【0023】
次に、携帯端末装置150の詳細について説明する。
図4は、携帯端末装置のブロック図である。携帯端末装置150は、
図4に示すように、警送計画格納部151、GPS情報取得部152、警送作業管理部153、店舗確認部154及び表示部155を有する。
【0024】
警送計画格納部151は、警送業務管理サーバ100から送信された警送計画110を受信する。そして、警送計画格納部151は、警送計画110を格納する。
【0025】
表示部155は、液晶ディスプレイなどの表示装置を有する。表示部155は、警送作業管理部153及び店舗確認部154から指示された画面を表示装置に表示させる。
【0026】
GPS情報取得部152は、携帯端末装置150の位置を示すGPS情報をGPS衛星から取得する。そして、GPS情報取得部152は、取得したGPS情報を店舗確認部154へ出力する。
【0027】
警送作業管理部153は、警送業務開始時に、警送計画格納部151に格納された警送計画110を取得する。そして、警送作業管理部153は、警送計画110に登録された店舗20のうち先頭の店舗20を警送作業対象の店舗20として、その店舗20の情報を取得する。そして、警送作業管理部153は、取得した店舗20の情報を表示部155に表示させる。警送員Pは、表示部155に表示された警送作業対象の店舗20の情報を確認して、警送車Cを使用して画面に示された店舗20へ最初に向かう。
【0028】
また、警送作業対象の店舗20における警送作業が全て完了した場合、警送作業管理部153は、警送作業完了の通知を作業対象装置200から受信する。そして、警送作業管理部153は、警送計画110に登録された店舗20において警送作業が未完了の店舗20を抽出する。例えば、警送作業管理部153は、既に警送作業対象として警送員Pに通知した店舗20以外の店舗20を警送作業が未完了の店舗20として抽出する。そして、警送作業管理部153は、抽出した店舗20のうち先頭の店舗20を巡回順の次の警送作業対象の店舗20とする。その後、警送作業管理部153は、次の警送作業対象の店舗20の情報を表示部155に表示させる。警送員Pは、表示部155に表示された次の警送作業対象の店舗20の情報を確認して、警送車Cを使用して画面に示された店舗20へ向かう。
【0029】
店舗確認部154は、携帯端末装置150が位置する場所のGPS情報をGPS情報取得部152から取得する。また、店舗確認部154は、警送作業対象の店舗20に携帯端末装置150を所持した警送員Pが入店する場合、警送計画格納部151に格納された警送計画110を参照して、警送作業対象の店舗20の位置を示すGPS情報を所得する。そして、店舗確認部154は、GPS情報取得部152から取得したGPS情報及び警送計画110から取得したGPS情報を比較して、警送員Pが入店する店舗20の位置が警送作業対象の店舗20の位置と一致するか否かにより、誤入店か否かを判定する。そして、店舗確認部154は、誤入店の場合、アラートを表示部155に表示させる。
【0030】
次に、作業対象装置200の詳細について説明する。作業対象装置200は、例えば、入出金機やATMなどの現金機である。また、作業対象装置200は、現金を取り扱わずに商品券や証券などを取り扱う装置であってもよい。
【0031】
図5は、作業対象装置のブロック図である。作業対象装置200は、
図5に示すように、警送計画格納部201、警送作業管理部202、認証部203、入出力部204及び業務処理機構205を有する。
【0032】
業務処理機構205は、作業対象装置200の通常業務を実施する機構である。例えば、業務処理機構205が現金機の場合、現金の振り込み、現金の支払い、カードの処理、レシートの発行などの各種処理を実施する。業務処理機構205は、警送員Pが実施する警送作業の対象となる。例えば、警送員Pは、業務処理機構205が備える現金を格納するカセットの交換や、業務処理機構205に対する現金の補充、商品券の回収及び損券の回収といった警送作業を行う。
【0033】
警送計画格納部201は、警送業務管理サーバ100から送信された警送計画110を受信する。そして、警送計画格納部201は、警送計画110を格納する。
【0034】
入出力部204は、警送員Pが参照する表示装置及び警送員Pが情報を入力するための入力装置を有する。入出力部204は、例えば、タッチパネルである。
【0035】
警送作業管理部202は、警送計画格納部201に格納された警送計画110を参照して、警送計画110に登録された店舗20の中から自装置が配置された店舗20の情報を取得する。そして、警送作業管理部202は、自装置が配置された店舗20において警送作業を実施する警送員Pの認証を認証部203に指示する。その後、警送作業管理部202は、認証結果を認証部203から受ける。
【0036】
警送員Pの認証が失敗した場合、警送作業管理部202は、警送員Pの認証を待ち受ける状態で待機する。この際、警送作業管理部202は、認証が失敗した警送員が有する携帯端末装置150に認証失敗を示すアラートを送信して誤入店の通知を提供してもよい。これに対して、警送員Pの認証が成功した場合、警送作業管理部202は、
図6に示す警送作業画面210を入出力部204に表示させる。
図6は、警送作業画面の初期画面の一例を示す図である。
【0037】
図6に示すように、本実施例に係る作業対象装置200が表示する警送作業画面210には、種類毎の個々の警送作業である個別警送作業の作業情報220及び実施情報230が表示される。警送作業管理部202は、警送計画110に登録された自装置が配置された店舗20において対象となる警送作業の情報を確認して、実施が必要な個別警送作業を特定する。
【0038】
そして、警送作業管理部202は、警送作業画面210における実施が不要な個別警送作業の作業情報220である作業情報221をグレーアウトして、選択不能に設定する。また、警送作業管理部202は、警送作業画面210における実施が不要な個別警送作業の作業情報221に対応する実施情報230として作業が不要である旨を表示させる。
【0039】
また、警送作業管理部202は、警送作業画面210における実施される個別警送作業の作業情報220として、例えば、作業情報222に示すようにその個別警送作業を選択可能に表示する。また、警送作業管理部202は、警送作業画面210における実施される個別警送作業の作業情報222に対応する実施情報230として、作業が未実施であるか実施済みであるかの情報を表示させる。
【0040】
警送作業管理部202は、警送作業画面210を表示した状態で、それぞれの個別警送作業で使用される業務処理機構205が有する各警送対象機構について、選択されていない個別警送作業の警送対象機構には事前にロックをかけアクセスを禁止する。
【0041】
その後、警送作業管理部202は、警送作業画面210を参照した警送員Pにより作業情報220の中から選択されたいずれかの個別警送作業の入力を入出力部204から受ける。そして、警送作業管理部202は、選択された個別警送作業で用いられる警送対象機構のロックを外して警送員Pのアクセスを可能にすることで、警送員Pに対して警送作業の実施を許可する。
【0042】
警送対象機構へのアクセス許可後、警送作業管理部202は、
図7に示すように警送作業画面210における選択された個別警送作業を示す作業情報223をグレーアウトし、対応する作業情報231の表示を作業完了に切り替える。
図7は、個別警送作業完了時の警送作業画面の一例を示す図である。
【0043】
ここでは、個別警送作業が選択された段階でその個別警送作業が終了したと判定したが、警送作業管理部202は、終了の判定方法は他の方法を用いてもよい。例えば、警送対象機構へのアクセス許可後、選択された個別警送作業が実施されて作業が完了した場合に、警送作業管理部202は、実施された個別警送作業を示す作業情報223をグレーアウトし、対応する作業情報231の表示を作業完了に切り替えてもよい。ここで、個別警送作業が終了したか否かを判定する方法として、警送作業管理部202は、カセットの取り外し及び取り付けといった個別警送作業で用いられる警送対象機構の動作を確認して自動で判断してもよい。また、警送作業管理部202は、警送員Pからの個別警送作業終了の通知の入力を入出力部204から受けることで、個別警送作業の終了を判定してもよい。
【0044】
選択された個別警送作業が終了した後に、警送作業管理部202は、実施が必要な個別警送作業が全て終了したか否かを判定する。実施が必要な個別警送作業のうち未実施のものが残っている場合、警送作業管理部202は、選択された個別警送作業の作業情報220をグレーアウトし実施情報230を完了済みにした状態の警送作業画面210を入出力部204に表示させたまま待機する。
【0045】
これに対して、実施される個別警送作業が全て終了した場合、警送作業管理部202は、
図8に示すように、入出力部204が表示する警送作業画面210に警送作業完了の通知を表示させる。
図8は、実施例1に係る警送作業完了時の警送作業画面の一例を示す図である。例えば、警送作業管理部202は、
図8に示すように、入出力部204が表示する警送作業画面210に「警送作業が完了しました。」というメッセージ250を表示させる。また、警送作業管理部202は、警送作業完了の通知を携帯端末装置150へ送信する。
【0046】
認証部203は、警送員Pの認証を行なうための本人確認情報を取得する。本実施例では、認証部203は、本人確認情報として指紋取得機構や静脈情報取得機構といった生体情報を取得する機構を有する。認証部203は、警送員Pの認証の指示を警送作業管理部202から受ける。そして、認証部203は、生体情報を取得する機構から警送員Pの生体認証情報を取得する。次に、認証部203は、警送計画格納部201に格納された警送計画110から自店舗で警送作業を行う警送員Pの生体認証情報を取得する。そして、認証部203は、生体情報を取得する機構から取得した生体認証情報と、警送計画110から取得した警送員Pの生体認証情報とを比較して認証を行う。その後、認証部203は、警送員Pの認証の成否を警送作業管理部202へ通知する。
【0047】
ここで、本実施例では、認証部203は、生体認証を行なったが、認証方法はこれに限らない。例えば、認証部203は、QRコード(登録商標)や、ワンタイムパスワードなど他の本人確認情報を用いて認証を行なっても良いし、それやそれら以外の他の本人確認情報を組み合わせたMFA認証を行なってもよい。
【0048】
図9は、実施例1に係る警送業務管理システムによる警送業務管理処理のシーケンス図である。次に、
図9を参照して本実施例に係る警送業務管理システム1による警送業務管理処理の流れを説明する。各装置間を繋ぐ矢印は、データの送受信を表す。
【0049】
警送業務管理サーバ100の警送計画格納部101は、警送計画110を管理端末装置400から取得して格納する(ステップS1)。警送計画送信部102は、警送計画110を警送計画格納部101から取得して、警送作業を実施する警送員Pが所持する携帯端末装置150及び警送計画110に登録された警送作業対象となる各店舗20へ警送計画110を送信する(ステップS2)。携帯端末装置150の警送計画格納部151は、警送業務管理サーバ100から送信された警送計画110を受信して格納する。また、警送作業対象となる各店舗20の警送計画格納部201は、警送業務管理サーバ100から送信された警送計画110を受信して格納する。
【0050】
携帯端末装置150の警送作業管理部153は、警送計画格納部151に格納された警送計画110から警送作業対象の店舗20の情報を取得して、表示部155に表示させる(ステップS3)。
【0051】
警送員Pが表示部155に表示された警送作業対象の店舗20の情報にしたがって移動することで、警送員Pに所持された携帯端末装置150は、警送作業対象の店舗20へ移動する(ステップS4)。
【0052】
警送員Pが店舗20へ入店すると、店舗確認部154は、その時点での携帯端末装置150の位置を示すGPS情報をGPS情報取得部152から取得する。また、店舗確認部154は、警送計画格納部151に格納された警送計画110に登録された警送作業対象の店舗20の位置を示すGPS情報を取得する。そして、店舗確認部154は、GPS情報取得部152から取得したGPS情報と警送計画110から取得したGPS情報とを比較して店舗確認を行なう(ステップS5)。そして、店舗確認部154は、警送員Pが正しい店舗20へ入店したか否か、すなわち、店舗20への入店が誤入店か否かを判定する(ステップS6)。
【0053】
誤入店の場合(ステップS6:否定)、店舗確認部154は、誤入店を通知するアラートを表示する画面を表示部155に表示させてアラートの通知を行う(ステップS7)。警送員Pは、警送作業対象の店舗20の情報を確認して正しい店舗20へ移動することで、携帯端末装置150はステップS4へ戻る。
【0054】
これに対して、警送員Pが正しい店舗20へ入店した場合(ステップS6:肯定)、携帯端末装置150は、ステップS17における警送作業完了通知を受けるまで待機する。
【0055】
警送員Pは、作業対象装置200の認証部203が備える生体情報入力機構を用いて自己の生体情報を作業対象装置200へ入力する。認証部203は、入力された生体認証と警送計画格納部201に格納された警送計画110に登録された警送員Pの生体情報を比較して認証を行う(ステップS8)。そして、認証部203は、警送員Pの認証が成功したか否かを判定する(ステップS9)。認証が失敗した場合(ステップS9:否定)、警送作業管理部202は、認証失敗の通知を認証部203から受信する。そして、警送作業管理部202は、認証失敗を通知する画面を入出力部204に表示させてアラートを通知する(ステップS10)。その後、作業対象装置200は、ステップS8へ戻る。
【0056】
これに対して、認証が成功した場合(ステップS9:肯定)、警送作業管理部202は、警送作業画面210を入出力部204に表示させる(ステップS11)。
【0057】
次に、警送作業管理部202は、警送員Pにより選択された個別警送作業の情報を入出力部204から受け付ける(ステップS12)。
【0058】
警送作業管理部202は、選択された個別警送作業で用いられる警送対象機構のロックを外して警送員Pがアクセスできるようにすることで、個別警送作業の実行を許可する(ステップS13)。
【0059】
その後、業務処理機構205は、実行を許可した個別警送作業の実施を警送員Pにより受ける(ステップS14)。
【0060】
そして、個別警送作業が完了すると、警送作業管理部202は、警送員Pから入力された個別警送作業の完了の通知を入出力部204から受け付ける(ステップS15)。
【0061】
次に、警送作業管理部202は、全ての個別警送作業が実施されて警送作業が完了したか否かを判定する(ステップS16)。未実施の個別警送作業が残っている場合(ステップS16:否定)、作業対象装置200はステップS12へ戻る。
【0062】
これに対して、警送作業が完了した場合(ステップS16:肯定)、警送作業管理部202は、警送作業画面210への警送作業の完了の表示を入出力部204に行わせる。さらに、警送作業管理部202は、警送作業完了の通知を携帯端末装置150へ送信する(ステップS17)。
【0063】
携帯端末装置150の警送作業管理部153は、警送作業完了の通知を作業対象装置200から受信する。そして、警送作業管理部153は、次の警送作業対象の店舗20を警送計画110から抽出し、抽出した店舗20の情報を表示部155に表示させる(ステップS18)。携帯端末装置150を所持した警送員Pが表示部155に表示された情報を基に移動することで、携帯端末装置150は、次の警送作業対象の店舗20へ移動する(ステップS19)。
【0064】
以上に説明したように、本実施例に係る警送業務管理システムでは、警送員が所持する携帯端末装置が警送計画を用いて誤入店の発生を検知してアラートを発信する。また、警送作業の対象となる作業対象装置は、警送計画を用いて警送員の認証を行うとともに対象となる警送作業に限定して実施を可能とし、さらに対象となる警送作業が全て完了した後に警送作業の完了を通知する。これにより、誤入店を防止できるとともに、警送作業漏れを防止することでき、警送作業ミスの発生を抑制して警送業務を適切に実施させることが可能となる。
本実施例では、警送員Pは、携帯端末装置150を所持しなくてもよい。警送員Pは、携帯端末装置150を所持せずに警送車Cを用いて各店舗21~23を巡回し、店舗21~23毎に対象となる警送作業を実施する。本実施例においても、店舗21~23のそれぞれを区別しない場合「店舗20」と呼ぶ。警送員Pは、警送業務を開始するにあたり、警送会社10などにおいて警送計画110を確認して1つ目の警送作業対象の店舗20の情報を取得する。そして、警送員Pは、1つ目の警送作業対象の店舗20に警送車Cで移動して、作業対象装置200に対して警送作業を行う。
警送作業管理部202は、警送計画格納部201に格納された警送計画110を取得する。そして、警送作業管理部202は、警送員Pの認証を認証部203に指示する。認証が成功した場合、警送作業管理部202は、入出力部204に警送作業画面210を表示させる。その後、警送作業管理部202は、警送員Pによる入出力部204を用いた個別警送作業の選択に応じて、業務処理機構205の個別警送作業に使用する機構へのアクセスを許可する。
警送員Pによる個別警送作業が全て終了して警送作業が完了すると、警送作業管理部202は、警送計画110に登録された店舗20において警送作業が未完了の店舗20を抽出し、抽出した店舗20のうち先頭の店舗20を次の警送作業対象の店舗20として、その店舗20の情報を取得する。
警送業務管理サーバ100の警送計画格納部101は、警送計画110を管理端末装置400から取得して格納する(ステップS101)。警送計画送信部102は、警送計画110を警送計画格納部101から取得して警送計画110に登録された警送作業対象となる各店舗20へ警送計画110を送信する(ステップS102)。警送作業対象となる各店舗20の警送計画格納部201は、警送業務管理サーバ100から送信された警送計画110を受信して格納する。
警送員Pは、警送作業対象の店舗20に入店して、作業対象装置200の認証部203が備える生体情報入力機構を用いて自己の生体情報を作業対象装置200へ入力する。認証部203は、入力された生体認証と警送計画格納部201に格納された警送計画110に登録された警送員Pの生体情報を比較して認証を行う(ステップS103)。そして、認証部203は、警送員Pの認証が成功したか否かを判定する(ステップS104)。認証が失敗した場合(ステップS104:否定)、警送作業管理部202は、認証失敗の通知を認証部203から受信する。そして、警送作業管理部202は、認証失敗を通知する画面を入出力部204に表示させてアラートを通知する(ステップS105)。その後、作業対象装置200は、ステップS103へ戻る。
警送作業管理部202は、選択された個別警送作業で用いられる警送対象機構のロックを外して警送員Pがアクセスできるようにすることで、個別警送作業の実行を許可する(ステップS108)。
そして、個別警送作業が完了すると、警送作業管理部202は、警送員Pから入力された個別警送作業の完了の通知を入出力部204から受け付ける(ステップS110)。
次に、警送作業管理部202は、全ての個別警送作業が実施されて警送作業が完了したか否かを判定する(ステップS111)。未実施の個別警送作業が残っている場合(ステップS111:否定)、作業対象装置200はステップS107へ戻る。
これに対して、警送作業が完了した場合(ステップS111:肯定)、警送作業管理部202は、警送作業画面210への警送作業の完了の表示を入出力部204に行わせて警送作業完了を通知する(ステップS112)。
さらに、警送作業管理部202は、次の警送作業対象の店舗20を警送計画110から抽出し、抽出した店舗20の情報を入出力部204に表示させる(ステップS113)。警送員Pは、入出力部204に表示された情報にしたがって警送車Cで次の警送作業対象の店舗20へ移動する。
以上に説明したように、本実施例に係る警送業務管理システムでは、警送作業の対象となる作業対象装置は、警送計画を用いて警送員の認証を行うとともに対象となる警送作業に限定して実施を可能とする。さらに、作業対象装置は、対象となる警送作業が全て完了した後に警送作業の完了及び次の警送作業対象の店舗の情報を表示して警送員に提供する。これにより、誤入店を防止できるとともに、警送作業漏れを防止することできる。特に、警送員は警送作業完了後に作業対象装置により提供される次の警送作業対象の店舗の情報により、次の警送作業対象の店舗を把握することになるため、警送作業漏れをより確実に防止することが可能となる。
メモリ92は、主記憶装置である。メモリ92は、例えば、DRAM(Direct Random Access Memory)を用いることができる。ハードディスク93は、補助記憶装置である。ネットワークインタフェース94は、コンピュータ90と外部装置との通信のためのインタフェースである。