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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093277
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】惑星の公転に基づく生体予測方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20230627BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230627BHJP
【FI】
G16H50/30
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021215549
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】519026630
【氏名又は名称】松島 千治
(72)【発明者】
【氏名】松島 千治
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L099AA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バイオリズムの身体,感情,知性の3つのリズムが惑星の公転に基づいていることを開示し、精度が高く科学的な有意性が99.7%以上の信頼性の高い惑星の公転に基づいた生体予測方法を提供する。
【解決手段】惑星の公転に基づく生体予測方法は、生まれた時点と予測する時点における略黄道上の惑星の位置を取得する惑星位置取得行程21と、惑星位置取得行程21で求めた惑星の位置がなす角度を取得する角度取得行程22と、角度取得行程22で求めた角度を評価することにより生体の調子または運勢の予測を行う評価行程23とを有する。評価行程13では22.5度の奇数倍の角度プラスマイナス1度の範囲の角度をも不調和的なアスペクトとして予測する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
惑星の公転に基づく生体予測方法であって、生まれた時点と予測する時点における略黄道上の惑星の位置を取得する惑星位置取得行程と、前期惑星位置取得行程で求めた惑星の位置がなす角度を取得する角度取得行程と、前期角度取得行程で求めた角度を評価することにより生体の調子または運勢の予測を行う評価行程とを有し、前期評価行程では22.5度の奇数倍の角度プラスマイナス1度の範囲の角度をも不調和的なアスペクトとして予測することを特徴とする生体予測方法。
【請求項2】
惑星の公転に基づく生体予測方法であって、生まれた時点から予測する時点までの第1経過時間を取得する第1経過時間取得行程と、前期第1経過時間と太陽系の惑星の公転周期とから予測時点の直近の第2経過時間を取得する第2経過時間取得行程と、前期第2経過時間を評価することにより生体の調子または運勢の予測を行う評価行程とを有し、前期評価行程では前期第2経過時間が16分の1周期の奇数倍の時間プラスマイナス360分の1周期の時間の範囲内の場合にも不調和的と予測することを特徴とする生体予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、惑星の公転に基づいて生体の調子もしくは運勢の良し悪しを予測する生体予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
惑星の公転に基づいて生体の運勢の良し悪しを予測する方法として、古来より西洋占星術が知られている。従来の西洋占星術は、太陽を中心とした西洋占星術と地球を中心とした西洋占星術があるが、生体の運勢の予測で良く使われているのは後者である。従来の西洋占星術の予測方法について、図1を基に説明する。惑星位置取得行程11では、生まれた時点と予測する時点における黄道上の惑星の位置を取得する。角度取得行程12では、惑星位置取得行程11で求めた惑星の位置が黄道上でなす角度を取得する。評価行程13では、角度取得行程12で求めた角度がアスペクトと称される特定の意味のある角度の場合には、角度に応じた評価をして運勢の良し悪しを予測する。アスペクトと称される特定の角度には、調和的な角度と不調和的な角度がある。具体的には、図1の評価行程13の行程名の下に記載したように、強い調和を示す角度として120度と60度、中程度の調和を示す角度として30度、弱い調和を示す角度として36度と72度と144度が用いられている。また、強い不調和を示す角度として90度と180度、中程度の不調和を示す角度として45度と135度と150度が用いられている。また、評価行程13では、角度取得行程12でなす角度を形成した惑星ごとに予測項目が定められている。例えば、太陽と地球の関係では活力や健康を占い、水星では知識や理論を占い、金星では愛や美や豊かさなどを占うとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3202731号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来の西洋占星術は、必ずしも充分きめ細かい精度の高い予測をするものではなく、また科学的な有意性が不明確で神秘的な占いと言う位置づけになっていると言う課題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の西洋占星術が有していた課題を解決しようとするものである。つまり、本発明による生体予測方法は、従来の西洋占星術に自然な拡張を加えることにより、従来の西洋占星術よりきめ細かい精度の高い予測方法を提供できるようにすることである。併せて、本発明による生体予測方法は、西洋占星術とは全く独立して多くの学者らにより解明されてきた23日周期の体調リズムP(Physical)と28日周期の感情リズムS(Sensitivity)と33日周期の知性リズムI(Intellectual)の3つの周期によるバイオリズムと予測する周期と項目と結果がほぼ一致することを開示し、そのことにより裏付けられる科学的な有意性の高い予測方法を提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明は上記目的を達成するために、第1の課題解決手段は、惑星の公転に基づく生体予測方法であって、生まれた時点と予測する時点における略黄道上の惑星の位置を取得する惑星位置取得行程と、前期惑星位置取得行程で求めた惑星の位置がなす角度を取得する角度取得行程と、前期角度取得行程で求めた角度を評価することにより生体の調子または運勢の予測を行う評価行程とにより成り立つようにした。ここで、前期評価行程では、従来の西洋占星術で用いられていたアスペクトに加えて、22.5度の奇数倍の角度プラスマイナス1度の範囲の角度をも不調和的なアスペクトとして予測するようにした。
【0007】
また、第2の課題解決手段は、惑星の公転に基づく生体予測方法であって、生まれた時点から予測する時点までの第1経過時間を取得する第1経過時間取得行程と、前期第1経過時間と太陽系の惑星の公転周期とから予測時点の直近の第2経過時間を取得する第2経過時間取得行程と、前期第2経過時間を評価することにより生体の調子または運勢の予測を行う評価行程とにより成り立つようにした。ここで、前期評価行程では、前期第1の課題解決手段の場合と同様に、前期第2経過時間が16分の1周期の奇数倍の時間プラスマイナス360分の1周期の時間の範囲内の場合にも不調和的と予測するようにした。
【0008】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。
本発明による惑星の公転に基づく生体予測方法では、惑星位置取得行程で生まれた時点と予測する時点における略黄道上の惑星の位置を取得し、角度取得行程で前期惑星位置取得行程で求めた惑星の略黄道上でなす角度を取得し、評価行程で前期角度取得行程で求めた角度を評価することにより生体の調子または運勢の予測を行う。ここで、評価行程で用いるアスペクトは、従来の西洋占星術で用いられていたアスペクトに自然な拡張を加えて、360度の16分の1である22.5度の奇数倍の角度を追加したものである。その結果、従来の西洋占星術よりきめ細かい精度の高い予測を行うことができるようになる。
【0009】
また、上記第2の課題解決手段では、惑星の公転を、空間的な側面からでなく時間的な側面から捉えるようにして、演算を簡単にしたものである。つまり、太陽系の主な惑星の公転軌道が円軌道に近いために惑星の公転の角速度がほぼ一定であることに着目し、上記第1の課題解決手段で生まれた時点と予測する時点の惑星が黄道上でなす角度を用いた代わりに、第2の課題解決手段では予測する時点の直近の経過時間を用いて生体の予測を行うようにした。
【0010】
したがって、上記第2の課題解決手段の作用は、第1経過時間取得行程で生まれた時点から予測する時点までの第1経過時間を取得し、第2経過時間取得行程で前期第1経過時間と太陽系の惑星の公転周期とから予測時点の直近の第2経過時間を取得し、評価行程で前期第2経過時間を評価することにより生体の調子または運勢の予測を行う。ここで、評価行程で用いる意味のある時間は、第1の課題解決手段の評価行程で用いるアスペクトと同様に対応するように、惑星の公転の16分の1周期の奇数倍の時間を追加したものである。その結果、簡単な演算できめ細かい予測を行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の課題解決手段による惑星の公転を基にした生体予測方法では、アスペクトとして360度を16等分する22.5度の奇数倍の角度を追加したことにより、バイオリズムの身体リズムにも類似した、きめ細かく精度の高い生体予測方法の提供が可能になる。また、バイオリズムの身体リズムPばかりでなく感情リズムSや知性リズムIとも予測する周期と項目と結果がほぼ一致することを開示し、その類似性から99.7%以上の確率で科学的に有意性があると考えられる信頼性の高い生体予測方法を提供することが可能になる。さらに、第2の課題解決手段により、惑星の公転を基にした高精度かつ高有意性で演算の簡単な生体予測方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来の西洋占星術の一例を示す行程図である。
図2】本発明による生体予測方法の一例を示す行程図である。
図3】本発明が見出された経緯を示す表である。
図4】本発明による他の生体予測方法の一例を示す行程図である。
図5】本発明による他の生体予測方法の予測タイミングの誤差を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の名称は、「惑星の公転に基づく生体予測方法」とした。本発明は、従来の西洋占星術のアスペクトに自然な拡張を加えたものだが、西洋占星術とは独立して解明されてきたバイオリズムと類似した予測結果となることにより科学的な有意性が検証された信頼できる生体予測方法なためである。
また、本発明の特許請求の範囲及び本明細書におけるアスペクトとは、従来の西洋占星術と同様に、惑星が略黄道上でなす角度の中で、調和的あるいは不調和的な意味のある特定の角度のことである。
【実施例0014】
(生体予測方法)
本発明による生体予測方法の好適な実施例について、図2を基に説明する。
本発明による生体予測方法は、惑星の公転に基づく生体予測方法であって、生まれた時点と予測する時点における略黄道上の惑星の位置を取得する惑星位置取得行程21と、前期惑星位置取得行程21で求めた惑星の位置がなす角度を取得する角度取得行程22と、前期角度取得行程22で求めた角度を評価することにより生体の調子または運勢の予測を行う評価行程23とを有し、前期評価行程23では従来の西洋占星術で用いられていたアスペクトに加えて22.5度の奇数倍の角度プラスマイナス1度の範囲の角度をも不調和的なアスペクトとして予測する方法である。
【0015】
また、本発明による惑星の公転に基づく生体予測方法では、惑星位置取得行程21で生まれた時点と予測する時点における略黄道上の惑星の位置を取得し、角度取得行程22で前期惑星位置取得行程21で求めた惑星の略黄道上でなす角度を取得し、評価行程23で前期角度取得行程22で求めた角度を評価することにより生体の調子または運勢の予測を行う。ここで、評価行程23で用いるアスペクトは、従来の西洋占星術で用いられていたアスペクトに自然な拡張を加えて、360度の16分の1である22.5度の奇数倍の角度を追加したものである。その結果、従来の西洋占星術よりきめ細かい精度の高い予測を行うことができるようになる。
【0016】
これより、各行程について詳細に説明する。
(惑星位置取得行程21)
惑星位置取得行程21では、従来の西洋占星術と同様に、通常予測する生体の年月日と時刻などで与えられる生まれた時点と予測する時点における、地球のみならず水星や金星などの太陽系の惑星の略黄道上の位置を取得する。惑星の位置は、運動方程式などの物理法則及び惑星の軌道に関する定数を用いて計算しても良いが、すでに計算されたテーブルを参照するなどして求めるようにしても良い。その際、テーブルの中で最も近い時間の惑星の位置を用いても良いが、近い時間の惑星の位置から補間処理を行って求めるようにしても良い。ここで、黄道上に略をつけたのは、黄道は地球の自転の軸を基にした春分点を基準にしたものなので地球中心の惑星の位置については黄道で良いが、太陽中心の惑星の位置については各惑星の位置は恒星を基準にした方が良いかもしれないためである。どちらがより正確であるかは定かではないが、70年で1日程度の違いであり、実用上どちらを用いても大きな問題ではない。また、惑星の位置を示す角度の単位は度を用いたが、ラジアンなど他の単位を用いても良いことは言うまでもない。
【0017】
(角度取得行程22)
角度取得行程22では、従来の西洋占星術と同様に、惑星位置取得行程21で取得した複数の惑星の位置が黄道上でなす角度を減算などにより求める。減算の結果が負の場合は、360度を加算するか絶対値とするようにした。また、減算の結果が180度を超える場合は、360度から差し引いて180度以下になるようにした。これらの処理は、必ずしも必要ではないが、評価行程23の処理を少なくするのに役立つ。
【0018】
(評価行程23)
評価行程23では、角度取得行程22で得られた角度がアスペクトに該当するかどうかを判定し、アスペクトに該当する場合には、予測項目を角度取得行程22で得られた角度を形成した惑星から決定し、予測結果の程度を含めた良し悪しを該当するアスペクトから決定する。そして、決定した予測項目と予測結果の程度を含めた良し悪しとから生体の調子や運勢を予測するようにした。
【0019】
(評価行程23で用いるアスペクト)
評価行程23で用いるアスペクトには、各アスペクトごとに影響が調和的か不調和的かと影響の強さと許容範囲についての情報が定められている。具体的には、図2の評価行程23の行程名の下に記載したように、従来の西洋占星術でも用いられていた強い調和を示す角度として120度と60度、中程度の調和を示す角度として30度、弱い調和を示す角度として36度と72度と144度、強い不調和を示す角度として90度と180度、中程度の不調和を示す角度として45度と135度と150度が定められている。本発明では、これらに自然な拡張を加えて、弱い不調和的を示す角度として22.5度と67.5度と112.5度と157.5度の角度を追加した。
【0020】
追加した22.5度と67.5度と112.5度と157.5度の4つの角度は、360度を16等分する22.5度の1,3,5,7倍の角度である。この追加は、従来から不調和的とされて来た90,180,45,135度が360度を2のべき乗の2,4,8で等分した角度の奇数倍の角度になっていたことに着目し、その規則を維持したまま、その延長として16等分した角度とその奇数倍の角度を追加したものであり、無理のない自然な拡張を行ったものである。角度の単位は度を用いたが、ラジアンなど他の単位を用いても良いことは言うまでもない。
【0021】
従来の西洋占星術では、360度を8等分する45度やその3倍の135度も使われないことも多く、本実施例1で追加した16等分する角度やその奇数倍の角度は意味のない角度として全く使われることはなかった。このことを考慮して、追加した角度の影響の強さについては、弱い不調和とした。
【0022】
これらの角度の追加は、本発明者の鋭意探求の結果、バイオリズムの身体リズムPが地球の公転の16分の1に対応していることが科学的な確率計算で明らかになったために行ったものである。このように、360度を16等分する角度は、地球の公転でなす角度として意味が見出されたものであり、太陽を中心とした黄道上で惑星がなす角度のみならず、地球を中心とした黄道上で太陽や他の惑星がなす角度においても同様に意味をもつものである。
【0023】
アスペクトの許容範囲については、従来の西洋占星術とほぼ同様に、強い調和と強い不調和の角度についてはプラスマイナス6度、中程度の調和と中程度の不調和の角度についてはプラスマイナス2度、弱い調和と弱い不調和の角度についてはプラスマイナス1度とした。
【0024】
アスペクトに関する情報は、テーブル形式で保持しておくようにしたが、関数形式とするなど、評価行程23で惑星が黄道上でなす角度の意味を評価できるために必要な角度に関する情報であれば、どのような形態でも良い。また、許容範囲内であっても意味のある角度との差により影響の度合を変えるようにしても良い。
【0025】
(評価行程23での予測項目)
評価行程23での予測項目は、評価行程23で評価する角度をなした惑星によって決定する。各惑星の示す予測項目は、従来の西洋占星術と同様に、地球(地球中心の占星術では太陽)は活力や健康、水星は知識や理論や情報など、金星は愛や美や芸術などの豊かさ、火星は意欲、木星は発展や拡大、土星は堅実性や責任感に関することとした。角度をなした惑星が異なる惑星の場合の評価項目は、各々の惑星の評価項目を組み合わせたものになる。例えば、地球と火星の場合には、健康状態による意欲が予測項目になる。
【0026】
(実施例1の予測例)
実施例1の予測例として、日本時間の1990年1月1日の正午に生まれた人の2025年7月25日の正午の調子を地球の公転を基に予測する。惑星位置取得行程21では、1990年1月1日の正午の地球から見た太陽が黄道上の春分点から280.4度(やぎ座の10.4度)の位置にあり、2025年7月25日の正午には地球から見た太陽は春分点から122.5度(しし座2.5度)の位置にあることを取得する。角度取得行程22では、惑星位置取得行程21で得られた280.4度から122.5度を差し引いてなす角度として157.9度を得る。評価行程23では、角度取得行程22で得られた157.9度が弱い不調和を示す157.5度プラスマイナス1度の範囲内であることと、地球の予測項目が活力や健康に関することから、「活力や健康が通常より若干低下する。」と予測する。
【0027】
(効果と予測の有意性の検証方法)
以上に、本実施例1による生体予測方法の手段と作用について詳細に説明した。これより、その効果と予測の有意性について説明するが、手順はやや複雑である。まず、西洋占星術に不調和的な角度を自然なかたちで追加しただけの本実施例1と、それとは全く独立して多くの学者らにより解明されてきたバイオリズムとの予測の類似性について説明する。次に、その類似性が全くの偶然で予測結果が無意味なものなのか、あるいは有意性のある予測をしているために必然なのかを確率的に検証する。そして、もし後者であるならば、相違点の原因は何か、どちらの予測が正確なのかの見極めを行うことで、本実施例1の効果と予測の有意性を説明する。
【0028】
(バイオリズムとの予測の類似性)
西洋占星術に自然な不調和的な角度を追加しただけの本実施例1と全く独立して多くの学者らにより解明されてきたバイオリズムとの予測の類似性は、バイオリズムの23日周期の体調リズムP(Physical)と28日周期の感情リズムS(Sensitivity)と33日周期の知性リズムI(Intellectual)の3つの周期すべてが本実施例1と予測周期、予測項目、予測結果において類似した予測を行うことである。
【0029】
(身体リズムPとの予測の類似性)
ここで、地球の公転軌道が円軌道に近いために太陽からみた地球の黄道上の移動角度は時間にほぼ比例することに着目すると、地球が黄道上を360度の16分の1である22.5度進むのに要する時間は、凡そ地球の恒星基準の公転周期365.256日の16分の1の22.8285日間である。この日数は、バイオリズムの身体リズムPの周期の23日との差が僅か0.1715日と極めて短く、バイオリズムの23日の身体リズムPの約6周期で1日程度のずれとなる。したがって、アスペクトとして360度を16等分した角度とその自然数倍の角度を追加することにより、数カ月以内の期間であれば、本実施例1による生体予測方法は、バイオリズムの体調リズムPとほぼ同じ周期で有意な予測結果を得られるようになる。但し、0度(360度)に関しては、例外的に調和とも不調和とも言えないが16回に1回のことなので、ここでは問題としない。
【0030】
また、予測項目について、地球を中心とした西洋占星術では地球の公転は太陽の動きとして扱われる。西洋占星術の太陽は、前身が男性神アポロンで、予測項目は活力や健康などに関するとされている。このことは、バイオリズムで当初ウイルヘルム・フリーズ博士により男性の肉体リズムとされていた体調リズムPとほぼ一致する。
【0031】
さらに、予測結果についても、バイオリズムは、当初体調悪化が周期的に発生することから見出されたものであり、基本的に要注意日を予測するものである。一方、本実施例1では、360度を2のべき乗で分割する角度とその自然数倍の角度は、従来の西洋占星術と同様に不調和を意味する角度であり、予測結果もほぼ一致する。
【0032】
(感情リズムS,知性リズムIとの予測の類似性)
バイオリズムと本実施例1との予測の類似性は、体調リズムPに関してだけではない。バイオリズムの残る2つの感情リズムSと知性リズムIについても同様である。予測周期については、バイオリズムの感情リズムSの周期28日と金星の公転周期224.7010日の16分の2(8分の1)の28.0876日との差は10カ月に僅か1日ずれる程度の割合と極めて短く、知性リズムIの周期33日と水星の公転周期87.9690日の16分の6(8分の3)の32.9884日との差は約8年に1日ずれる程度の割合と極めて短い。また、予測項目についても、当初ウイルヘルム・フリーズ博士により女性リズムとされていたバイオリズムの感情リズムSは、前身が女神ビーナスで予測項目が愛や美や芸術などの豊かさに関して予測する金星とほぼ一致する。さらに、バイオリズムの知性リズムIは、知識や理論や情報などに関することについて予測する水星とほぼ一致する。予測結果についても、感情リズムSの周期28日の間に太陽から見た金星が黄道上で進むのは360度の約8分の1なので、0度に戻る8周期に1回を除いて不調和的で予測結果もほぼ一致する。知性リズムIの周期33日の間に太陽から見た水星が黄道上で進むのは360度の約8分の3なので、約135度である。135度の移動を繰り返すと、135度,270(90)度,45度,180度,315(45)度,90度,225(135)度,0度と元の位置に戻るため、0度に戻る8周期に1回を除いて不調和的で予測結果もほぼ一致する。ここで、括弧()内の数値は、360度の補角で小さい方の角度である。
【0033】
(類似性のまとめ)
以上に示したように、西洋占星術に自然な不調和的な角度を追加しただけの微修正を加えた本実施例1による生体予測方法と全く独立して多くの学者らにより解明されてきたバイオリズムとの予測の類似性は、まとめると次のようになる。体調リズムPと地球の公転の1/16周期については、周期が23日と22.8285日で近く、予測項目も体調と活力や健康で似ている。感情リズムSと金星の公転の8分の1周期については、周期が28日と28.0876日で近く、予測項目も感情と愛や美や芸術などの豊かさとで似ている。知性リズムIと水星の公転の8分の3周期については、周期が33日と32.9884日で近く、予測項目も知性と知識や理論や情報で一致している。また、3つのリズムに共通して、予測結果もバイオリズムの要注意日と本実施例1による生体予測方法の不調和的で似ている。
【0034】
(科学的な確率の検証)
以上に、西洋占星術に自然な不調和的な角度を追加しただけの本実施例1と全く独立して多くの学者らにより解明されてきたバイオリズムとの予測の類似性について説明した。その類似性が全く無関係な偶然によるもので予測結果が無意味なものなのか、あるいは有意性のある予測をしているために必然なのかを科学的な確率により検証する。必然の確率は偶然の確率と補数の関係にあるため、必然の確率を求めるために、ここでは便宜上偶然類似したと仮定した場合の確率を計算する。
【0035】
(周期の類似性が見出された経緯)
周期の類似性が偶然である確率を計算するためには、周期の類似性が見出された経緯を理解しておくと分かりやすい。図3は、太陽から近い4つの惑星である水星と金星と地球と火星について、恒星を基準とした公転周期とその公転周期を16等分する時間に7以下の自然数を掛けた時間を示したもので、単位は日である。ここで自然数を掛けた理由は、本実施例1の生体予測方法での不調和的なタイミングは同一周期で繰り返されるからである。つまり、公転周期を16等分する時間に7以下の自然数を掛けた時間は、すべて不調和的な時間である。したがって、それらの中にバイオリズムの周期に近い時間があれば、バイオリズムで要注意日になる周期では、惑星のなす角度も不調和的になりやすい。バイオリズムと惑星の公転との関連は、実際このような表から見出されたものである。
【0036】
図3の日数の中で、バイオリズムの体調リズムPの23日と感情リズムSの28日と知性リズムIの33日に近いものを探してみると、他に選びようがない程明らかに近いものを水星と金星と地球の欄から1つづつ選ぶことができる。体調リズムPの23日については地球の公転の16分の1周期の22.8285日、感情リズムSの28日については金星の公転の16分の2(8分の1)周期の28.0876日、知性リズムIの33日については水星の公転の16分の6(8分の3)周期の32.9884日である。
【0037】
(バイオリズム解明の経緯)
また、周期の類似性が偶然である確率を計算するためには、バイオリズム解明の歴史を遡って前提条件を明確にする必要がある。バイオリズムは当初医師であったウイルヘルム・フリース博士が、男性の身体リズムPに23日周期があることと女性の感情リズムSに28日周期があることを見出した。その後、フリードリッヒ・テルチャー博士により音楽の和音のようにリズムは3つあるべきとの理念から23日と28日と等間隔となる33日周期の存在が考えられ、多くの学生の成績を調査して知性リズムIが対応することを見出したとされている。
【0038】
(周期の類似性の確率計算)
それでは、本実施例1の惑星の公転に基づく生体予測方法と全く独立して多くの学者らにより解明されてきたバイオリズムとに全く関連がなく、予測の類似が偶然である確率を計算する。バイオリズム解明の経緯で身体や感情について医師が調査することは自然であり、身体リズムPや感情リズムSの予測項目の類似は偶然とは言えない。しかし、身体リズムPが地球の周期の16分の1の22.8285日に最も近い自然数である23日となったのは、バイオリズムと本実施例1の生体予測方法に全く関連がないとすれば偶然である。本実施例1の生体予測方法で、活力や健康が不調和的となるのは、図3に示す地球の周期の16分の1の22.8285日ばかりでなくその自然数倍も同様である。したがって、偶然最も近い自然数となる確率は、22.8285分の1である。同様に、感情リズムSが金星の周期の16分の1の14.0438日の自然数倍に最も近い自然数である28日に偶然なる確率は、14.0438分の1である。
【0039】
33日周期が考えられたのは、23日と28日と等間隔となると言う理由が明確なので偶然とは言えない。あえて言うと、どうして短い方の18日ではなく長い方の33日であったのかとも考えられないこともないが、ここでは経緯がそこまで明確でないので偶然である確率を誇張しないために問題としない。この33日周期がフリードリッヒ・テルチャー博士によって知性を予測項目とするリズムであることが見出されたのは学生の成績の調査からだが、その時知性に関する学生の成績の調査しかしなかったのか、あるいは複数の予測項目に関する調査をした中で知性のみに相関があったのかが定かでないので、偶然である確率を誇張しないためにここでは偶然とはしない。このように、実際にはここに記載した以上に多くの調査がなされて、その中から惑星の公転に関連したものだけが残ったのかもしれないが、偶然である確率を誇張しないことを優先して考えた。
【0040】
つまり、バイオリズムと本実施例1の生体予測方法に全く関連がなく予測の類似が偶然である確率は、身体リズムPの周期が地球の周期の16分の1の22.8285日の自然数倍に最も近い自然数である確率の22.8285分の1と、感情リズムSの周期が金星の周期の16分の1の14.0438日の自然数倍に最も近い自然数である確率の14.0438分の1との積である0.312%以下となる。同時に、バイオリズムと本実施例1の生体予測方法に関連があり予測の類似が偶然ではなく、有意性のある予測をしているために必然である確率は、100%から0.312%を差し引いて得られ、少なくとも99.7%以上と充分高い確率になる。このことは、これまで謎とされていたバイオリズムの周期の理由を解き明かすとともに、生体が惑星の公転によって影響を受けていることの科学的な証であり、非常に重要な意味をもっている。
【0041】
但し、ここで得られた99.7%以上の確率は、予測結果が無意味なものではなく実際に科学的に意味がある確率であって、予測の的中率とは全く異なることに注意する必要がある。また、余談ではあるが、地球の周期の16分の1の22.8285日と、金星の周期の8分の1の14.0438日と、水星の周期の8分の3の32.9884日の3つの日数が自然数に近いのは、惑星の定数に関する偶然であって、自然数に近かったからバイオリズムが解明されやすかったのかもしれないが、バイオリズムと本実施例1による生体予測方法の類似性の確率検証とは直接的には関係がないものとした。
【0042】
(類似する周期の考察)
以上にバイオリズムと本実施例1による生体予測方法とが科学的に有意性のある予測をしていることを示したが、予測の周期が完全に一致しているわけではない。バイオリズムの体調リズムPの23日に対して地球の公転の16分の1周期の22.8285日、感情リズムSの28日に対して金星の16分の2(8分の1)周期の28.0876日、知性リズムIの33日に対して水星の16分の6(8分の3)周期の32.9884日と言った違いがある。それでも、本実施例1による生体予測方法での予測周期は惑星の公転周期に基づいているため、その日数を疑って自然数に修正する余地はない。また、予測の類似に必然性があると言うことは、根源は同一であると考えるのが自然である。したがって、バイオリズムの周期が自然数に限定して考えていたために微妙な誤差をもっていたと考えざるを得ない。
【0043】
それでも、バイオリズムの周期が微妙に違っていたと考える方がここではむしろ整合がとれて好都合である。何故ならば、バイオリズムは、多くの学者達によって解明されて正しさが主張されたが、また多くの学者達によって無意味なものであるとの検証結果も出されており、現在では疑似科学と言う位置づけになっているからである。今回の結論のようにバイオリズムの周期は無意味なものではなかったが周期が微妙に違っていたと考えると、身体リズムPと感情リズムSでは数カ月以内、知性リズムIでは10年以内の調査であれば意味があるとの結論が得られ、生まれてからの日数を基に検証すると無意味な検証結果が得られることになり、現在疑似科学と言う位置づけになっている現状とある意味整合がとれる。
【0044】
(本実施例1の効果と有意性)
以上に示したように、本実施例1による惑星の公転を基にした生体予測方法では、従来の西洋占星術のアスペクトに360度を16等分する22.5度の奇数倍の角度を追加したことにより、バイオリズムの身体リズムにも類似した、きめ細かく精度の高い生体予測方法の提供が可能になる。また、バイオリズムの身体リズムPばかりでなく感情リズムSや知性リズムIとも予測する周期と項目と結果がほぼ一致することを開示し、その類似性から99.7%以上の確率で科学的に有意性があると考えられる信頼性の高い生体予測方法を提供することが可能になる。
【実施例0045】
(惑星の公転に基づく第2の生体予測方法)
実施例2では、惑星の公転を、空間的な側面からでなく時間的な側面から捉えるようにして、演算を簡単にしたものである。つまり、太陽系の主な惑星の公転軌道が円軌道に近いために惑星の公転の角速度がほぼ一定であることに着目して演算量を少なくするために、実施例1では生まれた時点と予測する時点の惑星が黄道上でなす角度から予測した代わりに、予測時点の直近の経過時間から生体の予測を行うようにしたものである。したがって、実施例1と同様の内容についての重複した説明はなるべく省略して、実施例1との相違点を中心に説明する。
【0046】
本発明による生体予測方法の第2の好適な実施例について、図4を基に説明する。
実施例2の生体予測方法は、惑星の公転に基づく生体予測方法であって、生まれた時点から予測する時点までの第1経過時間を取得する第1経過時間取得行程41と、前期第1経過時間と太陽系の惑星の公転周期とから予測時点の直近の第2経過時間を取得する第2経過時間取得行程42と、前期第2経過時間を評価することにより生体の調子または運勢の予測を行う評価行程43とにより成り立つようにした。ここで、前期評価行程43では、前期第1の課題解決手段の場合と同様に、前期第2経過時間が16分の1周期の奇数倍の時間プラスマイナス360分の1周期の時間の範囲内の場合にも不調和的と予測するようにした。
【0047】
したがって、第1経過時間取得行程41で生まれた時点から予測する時点までの第1経過時間を取得し、第2経過時間取得行程42で前期第1経過時間と太陽系の惑星の公転周期とから予測時点の直近の第2経過時間を取得し、評価行程43で前期第2経過時間を評価することにより生体の調子または運勢の予測を行う。ここで、評価行程43で用いる意味のある時間は、第1の課題解決手段の評価行程で用いるアスペクトと同様に対応するように、惑星の公転の16分の1周期の奇数倍の時間を追加したものである。その結果、簡単な演算できめ細かい予測を行うことができるようになる。
【0048】
これより、各行程について詳細に説明する。
(第1経過時間取得行程41)
第1経過時間取得行程41では、生まれた時点から予測する時点までの第1経過時間を取得する。第1経過時間の取得は、生まれた時点と予測する時点をある時点からの経過日数を示す修正ユリウス日に変換して、予測する時点の修正ユリウス日から生まれた時点の修正ユリウス日を差し引いて求めるようにした。しかし、第1経過時間の取得は、例えば生まれてから予測するまでの年や月の日数を加算するなどして求めるなど、生まれた時点から予測する時点までの経過時間を取得する方法であればどのような方法を用いても良い。また、単位は、日を用いたが、年や秒などどのようなものを用いても良いことは、言うまでもない。
【0049】
(第2経過時間取得行程42)
第2経過時間取得行程42では、前期第1経過時間と太陽系の惑星の公転周期とから予測時点の直近の第2経過時間を取得する。ここでの太陽系の惑星とは、地球のみならず、水星,金星,火星,木星,土星などの地球以外の太陽系の惑星も含むものとする。このため、前期第1経過時間を惑星ごとに公転周期で割り算をして、その剰余または小数点以下の値を惑星ごとの第2経過時間とした。割り算をする第1経過時間と公転周期の単位は同じものを用い、剰余を用いた場合の第2経過時間の単位は第1経過時間や公転周期と同じであり、小数点以下の値を用いた場合の単位は周期としたが、この限りでないことは言うまでもない。
【0050】
また、実施例1の角度取得行程22で減算の結果が180度を超える場合に360度から差し引いて180度以下になるようにしたのと同様に、第2経過時間が公転周期の半分より長い場合には、公転周期から第2経過時間を差し引いて得られた値を第2経過時間とするようにした。この処理は、必ずしも必要ではないが、評価行程43の処理を少なくするのに役立つ。
【0051】
(評価行程43)
評価行程43では、惑星ごとの第2経過時間が意味のある時間に該当するかどうかを判定し、該当する場合には、予測項目を第2経過時間取得行程42で第2経過時間を得る際の割り算で用いた公転周期に対応する惑星から決定し、予測結果の程度を含めた良し悪しを該当する意味のある時間から決定する。そして、決定した予測項目と予測結果の程度を含めた良し悪しとから生体の調子や運勢を予測するようにした。
【0052】
(評価行程43で用いる意味のある時間)
評価行程43で評価する際に用いる意味のある時間は、実施例1のアスペクトを時間に置き換えたものである。したがって、意味のある時間は、意味のある時間ごとに影響が調和的か不調和的かと影響の強さと許容範囲についての情報が定められている。具体的には、図4の評価行程43の行程名の下に記載したように、強い調和を示す時間として3分の1周期と6分の1周期、中程度の調和を示す時間として12分の1周期、弱い調和を示す時間として10分の1周期と5分の1周期と5分の2周期、強い不調和的を示す時間として4分の1周期と2分の1周期、中程度の不調和的を示す時間として8分の1周期と8分の3周期と12分の5周期が定められている。本発明では、これらに自然な拡張を加えて、弱い不調和的を示す時間として16分の1周期を自然数倍した16分の1周期と16分の3周期と16分の5周期と16分の7周期の時間を追加した。
【0053】
これらの時間は、実施例1での強い調和を示す角度としての120度と60度、中程度の調和を示す角度としての30度、弱い調和を示す角度としての36度と72度と144度、強い不調和を示す角度としての90度と180度、中程度の不調和を示す角度としての45度と135度と150度、弱い不調和としての22.5度と67.5度と112.5度と157.5度の角度を惑星が進む凡その時間を示すものでもある。
【0054】
意味のある時間としては、必ずしもこれら全ての時間を用いる必要はなく、適宜選択して評価に用いるようにしても良い。また、意味のある時間の単位は周期としたが、日を用いるなど他の単位の値に変換して保有していても良いことは言うまでもない。
【0055】
意味のある時間の許容範囲については、実施例1とほぼ同様になるように、強い調和と強い不調和の角度についてはプラスマイナス360分の6周期、中程度の調和と中程度の不調和の角度についてはプラスマイナス360分の2周期、弱い調和と弱い不調和の角度についてはプラスマイナス360分の1周期とした。
【0056】
意味のある時間は、テーブル形式として保持するようにしたが、関数形式とするなど、評価行程43で第2経過時間の意味を評価できるために必要な時間に関する情報を含むものであれば、どのような形態でも良い。また、許容範囲内であっても意味のある時間との差により影響の度合を変えるようにしても良い。
【0057】
(実施例2の予測例)
実施例2の予測例として、実施例1の予測例の場合と同様に、日本時間の1990年1月1日の正午に生まれた人の2025年7月25日の正午の調子を地球の公転を基に予測をする。第1経過時間取得行程41では、両方とも時刻は正午なので、2025年7月25日の修正ユリウス日の60,881日から1990年1月1日の修正ユリウス日の47,892日を差し引いて、第1経過時間が12,989日であることを得る。第2経過時間取得行程42では、第1経過時間の12,989日を地球の公転周期365.2560日で割り算し35.56136周期が得られ、小数点以下の0.56136周期が公転周期の半分より長いので1周期から差し引いて0.43864周期を第2経過時間とする。評価行程43では、第2経過時間が弱い不調和の0.4375周期(7分の16周期)プラスマイナス0.0027周期(360分の1周期)の範囲内で、地球の予測項目が活力や健康なため、「活力や健康が通常より若干低下する。」と予測するものである。この場合の結果は、実施例1での予測例の場合と一致している。
【0058】
但し、実施例2の生体予測方法の予測には、惑星の軌道が厳密には楕円軌道なのにも拘わらず経過時間から惑星の位置を概算したことにより生じる予測タイミングの誤差がある。図5は、各惑星が2021年1月1日の誤差を0日としてスタートして1周公転する間の予測タイミングの誤差の日数を、6分の1周進むごとに示したものである。各惑星の誤差の最大レンジは、水星が約11日、金星が約1日、地球が約4日である。このように、水星についての予測タイミングの誤差は、水星の公転周期の16分の1倍の5.5日より長く、無視できるレベルではない。それでも、フリードリッヒ・テルチャー博士による知性リズムIの発見が可能だったように、バイオリズムの知性リズムIに対応した16分の3周期について、充分なデータ量があれば有意性の検証が可能かもしれない。また、金星についての予測タイミングの誤差は充分短く、意味のある時間の許容範囲にこの誤差を加味して評価するようにしても実用的なレベルである。地球についての予測タイミングの誤差は、実用可能なレベルであるし、例えば月ごとの補正などでの改善も容易に考えられる。
【0059】
また、以上に第2経過時間取得行程で惑星の公転周期で割り算する場合の例を示したが、割る値は必ずしも公転周期に限られるわけではない。例えば、活力や健康の不調を知りたいだけなら、地球の公転周期の16分の1で割り算して、意味のある時間としてもその期間に対応した情報だけを持つようにしても良い。また、あまり意味はないが、公転周期の2倍の時間で割り算して、意味のある時間も2周期分保持しておくようにすれば同様の予測をすることも可能である。このように割る値として公転周期の代わりに、公転周期を自然数で割った時間や公転周期の自然数倍の時間など公転周期を基にした時間を用いるようにすることもできる。
【0060】
(本実施例2のまとめ)
以上に示したように、本実施例2の生体予測方法では、地球の公転の位置を計算する代わりに生まれた時点から予測する時点までの経過時間と地球の公転周期とから概算することにより、比較的簡単な計算でバイオリズムの23日周期の身体リズムPに類似した活力や健康などの高精度な予測をもすることができる。また、水星の公転周期を用いて知性について、金星の公転周期を用いて感情の豊かさについて、同様に比較的簡単な演算で予測を行うことができる。
【0061】
(実施形態)
実施例1や実施例2などに示した本発明による生体予測方法は、生体予測専用機器のみならず、PC,タブレット,携帯機器,ウエアラブル機器,ゲーム機,玩具,生活家電,通信サービスなどでも実施することができる。また、本発明を成す各行程は、同一のハードウェアを動かすプログラムなどで実現するようにしても良いし、行程ごとに異なる回路等で実現するようにしても良いし、複数の機器で機能分担して実現するようにしても良い。
【0062】
(用途)
本発明による生体予測方法は、従来のバイオリズムや西洋占星術などと同様に、健康管理,能率向上,スポーツ,対人関係,教育,事故予防,運勢占いなどでの幅広い用途で活用することができる。
【0063】
(今後の課題)
今後の課題として、本発明では太陽を中心とした水星と金星と地球の公転による予測が意味のあるものであることを示したが、火星や木星や土星についても同様に有意性の高い予測をできることが考えられる。また、本発明では、公転の基準として恒星基準を用いたが、地軸の傾きによる春分点などを基準とした場合と70年で1日程度の差を生じる。どちらを用いても大きな問題ではないが、どちらがより正確であるかは今後の課題としたい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明では、1970年代以降世界的に広く普及したバイオリズムが実は惑星の公転に基づくもので、自然数に限定していた周期に微妙な誤差があったと考えられ、疑似科学と位置づけられてきたバイオリズムのみならず神秘的と位置づけられてきた太陽中心の西洋占星術にも有意性がある可能性が極めて高いことを開示した。この開示を契機にこれらの予測方法が世界的に見直されて再びブームが再燃する可能性も考えられるため、これらの予測方法を改善した本発明による生体予測方法は、広く普及する可能性が充分にある。
【符号の説明】
【0065】
11,21 惑星位置取得行程
12,22 角度取得行程
13,23,43 評価行程
41 第1経過時間取得行程
42 第2経過時間取得行程
図1
図2
図3
図4
図5